○
横錢委員 この問題を扱うに当っては、
銀行をつぶしてはいかぬ、
預金者に不安を与えてはいかぬ、このことは、われわれが第一に念願をしておるところである。従って、そういうふうに考えて配慮しつつやっておるつもりです。のみならず、
銀行から
参考人を呼んで、自主再建をさせる道を与えよう、こういうような観点から行なったにもかかわらず、理屈にならない理屈をもって、
参考人が
国会に来ないという、非常に
国会を侮辱した問題がここに出てきておるわけです。これでは、果してあとの自主再建ができるかどうかという点に、多大の不安感がある。
もう
一つには、
預金者保護に名をかりて、実際の
銀行の内部の問題は、これを出さなくてもよいのだ、どんなに中で爛熟しておる問題があっても、これは、
預金者保護という金看板のために、一切のものが隠蔽されるということは、これもまた許されない問題である。今日すでに
国会において取り上げるまでもなく、
新聞に、雑誌にあるゆる点に
千葉銀行の
内容の問題は報導されているのである。今私が申し上げたのも、実はその一部にすぎない問題だ。まだまだこれらの問題は、たくさんのところが隠れておる。今日
レインボーに対する融資というものは十二億、十三億というような数字が上っておるが、この隠れておる部門を出しますと、実は十七億、十八億から二十億に達しておる。この数字を掘って見なかったならば、ほんとうにどこまで病根が入っておるのかわからない。しかも、この五月七日には
株主総会を開く。その
総会には、今
春日委員が指摘したような配慮をして、あの
千葉銀行の二階の会場には二百名しか入れないのに、百十名の
株主総会のヴェテランを配置して、他の善良なる
株主の発言を封じようという企図を、もうすでに持っておる。こういうようなことで迎えられる
株主総会は、一体どういうものなんだ。しかも、これに対しては、
銀行が全然知らない前に、
頭取の名前をもって、こういうふうなものを与えておる。この中には、また問題とすべき点が一点ある。それは、三十一日付で、株式会社
千葉銀行頭取古荘四郎彦より
株主各位として出されておるものがある。それは、前文は同じような文句であるが、「種々の
事件を掲載され各位に不尠御不安を御掛け致し誠に恐縮至極に存候え全く私の不徳の致す処と大に反省致し居り一日も早く御安心被下様努力致し居り候乍去今後も
株主総会を前にして或は之れ以上の悪宣伝等も行はるる事も有之やも不計候得共当行は総ての点に万全の策を講じ御当局の御諒解も得御心配を御掛けする様のことは断じて無之
銀行の基礎は安泰に候間何卒御迷ひなく従前
通り御信用賜り度特に御願申上候」という文章なんです。これは、個人の資格で
株主各位に配っておる。この中にある「御当局」とは一体どこをさすのか。これは、いろいろ考えてみると、
銀行関係であるから、
銀行局長、あるいは
大蔵大臣がこれを与えたものであるかどうか。これらにつきましては、古荘
頭取を絶対に
頭取の地位からやめさせない、あるいは
千葉銀行はこれでけっこうだ、こういうふうな
内容のものを何らか
大臣または
局長が与えたことがあるかどうか、この点について伺っておきたい。