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1958-04-09 第28回国会 衆議院 大蔵委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月九日(水曜日)     午後二時五十四分開議  出席委員    委員長 足鹿  覺君    理事 淺香 忠雄君 理事 大平 正芳君    理事 高見 三郎君 理事 藤枝 泉介君    理事 井上 良二君 理事 横山 利秋君       奧村又十郎君    川崎五郎君       木崎 茂男君    笹本 一雄君       杉浦 武雄君    高瀬  傳君       竹内 俊吉君    竹山祐太郎君       内藤 友明君    永山 忠則君       保科善四郎君    前田房之助君       有馬 輝武君    石村 英雄君       春日 一幸君    神田 大作君       平岡忠次郎君    横錢 重吉君       横路 節雄君    吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵政務次官  坊  秀男君  委員外出席者         専  門  員 椎木 文也君     ————————————— 四月九日  委員足立篤郎君、有馬英治君、吉川久衛君、竹  内俊吉君、夏堀源三郎君及び古川丈吉君辞任に  つき、その補欠として竹山祐太郎君、保科善四  郎君、川崎五郎君、笹本一雄君、永山忠則君  及び木崎茂男君が議長指名委員に選任され  た。 同日  委員川崎五郎君、木崎茂男君、笹本一雄君、  竹山祐太郎君、永山忠則君及び保科善四郎君辞  任につき、その補欠として吉川久衛君、古川丈  吉君、竹内俊吉君、足立篤郎君、夏堀源三郎君  及び有馬英治君が議長指名委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  金融に関する件      ————◇—————
  2. 足鹿覺

    足鹿委員長 これより会議を開きます。  金融に関する件について調査を進めます。春日一幸君より議事進行について発言を求められておりますので、この際これを許します。春日一幸君。
  3. 春日一幸

    春日委員 この際金融に関する件につきまして、衆議院規則第五十三条によりまして、左記の通り証人出頭要求動議を提出いたします。  要求証人千葉銀行頭取笹田登君、千葉銀行専務取締役奥野徳一君及び千葉銀行常務取締役能嘉一君、出頭時日は四月十日午前十時三十分、以上であります。  この際、このような証人を特に本委員会に御出頭願わなければならないことになりましたことのいきさつについて、少しく御説明を申し上げたいと存ずるのでございます。それは、過ぐる三月の二十四日でございましたが、朝日、読売、毎日、日経その他有力新聞が、一齊に千葉銀行不正融資、不当融資なる事柄について報道をいたし、これに関連をいたしまして、株式会社レインボー社長の坂内氏、なお代表取締役宗田氏、このような人々が抜き担保の詐欺容疑で、東京地検特捜部の捜査のメスを加えられて、身柄を逮捕された事件が報道されたのでございます。ために、預金者は非常に不安にかられておりますし、当該銀行取引関係にありますところの関係者たちは、はなはだしき疑心暗鬼にかられておるのでございます。従いまして、本委員会は、当然この問題につきまして、所管事項として国政調査を行いまして、この問題の実態を明らかにすることによって政府当局に対して所要措置を講ぜしめ、預金者の不安を一掃し、取引関係者の疑惑を払拭することのために、必要な措置政府をしてとらしめんと考えておったのであります。しかるところ、当時年度末に当りまして、当委員会といたしましては、税法その他予算執行に関係いたします重要法案がなお審議の過程にございましたので、そこで、緊急にこの調査を行う必要は認めつつも、なおかつ予算関係において、これらの法案を優先的に取り扱うことの必要を認めたのであります。自来待機しておったのであります。そして四月に入りまして、衆参両院において予算が成立し、なお予算関係重要法案とおぼしきものが、それぞれ本委員会を通過いたしましたので、そこで、先週の金曜日に、特に本委員会国政調査を行い、しこうして参考人として、千葉銀行笹田頭取を本委員会に御出頭願いまして、そうして本委員会調査に御協力願うべき事柄を議決いたしたのでございます。そして、所要手続を経て、笹田頭取参考人としての御出頭方連絡いたされたのでございまして、すなわち今週の火曜日には、笹田頭取が本委員会出頭されて、所要調査を進めることができるような態勢に相なっておったのでございます。しかるところ、突如といたしまして、当日の午前十時ごろになりまして、参考人笹田君から診断書が提出されまして、高血圧のために目まいを感ずるので、出頭ができないという連絡でございました。そこで、本委員会といたしましては、緊急に対策を講ずることのために協議が持たれたのでありましたが、その結果、笹田氏がそういう健康状態のゆえをもってお出かけ願うことができないとするならば、笹田さんにかわる人で、かつ銀行代表者たり得る人に本委員会に御出席を願いまして、われわれの質問に答えていただくべきである、こういう結論に達しまして、かくて昨日千葉銀行常務取締役で、あります能重嘉一、それから千葉銀行専務取締役であります奥野徳一、この両君出頭を求めたのでございます。かくて本日午前十時半からこの調査が進められる予定に相なっておったのでありますが、これまた本日当該時刻に至りまして、はからずもこの両君から理由をあげられまして、出頭することができ得ないという連絡でございました。しかも、その理由たるや、これは支店を巡視をする予定であるというのが、奥野専務出頭し得ざる理由でありまして、能重常務出頭し得ないという理由につきましては、貸し出しのために出張しなければならぬから出かけることができ得ない、こういう理由でございました。これらの支店を巡視するとか、貸し出しのために出張するとかいうことは、これは、銀行業務の中におきまして、言うならば日常の仕事であろうと存ずるのでございます。本委員会がそれぞれ国会法衆議院規則に基きまして、参考人としての出頭を求めたのにもかかわらず、わずかこれだけの理由をもって御出頭にならないということにつきましては、本委員会といたしましては、きわめて遺憾の意を表さざるを得ないのでございます。かくて、その後いろいろと委員長を通じて、本院に与えられております国政調査権を行使いたしますことのためには、何とかして参考人として御出頭願うように連絡をはかったのでございますが、われわれが調査過程においてうかがい知るところによりますと、これは、某方面から強烈なる圧力が加えられまして、これらの出頭を要求された人々に対して、国会出頭することはいけない、またその儀に及ばずという連絡がなされておる模様でございます。こういうような情勢下におきましては、少くとも憲法第六十二条によって、国権の最高機関たる国会に対して与えられております国政調査権、これを行使することができ得ない状況にあるのでございます。私たちは、急に思いついて、こういうような参考人としての出頭を求めたのではないのでございまして、やはり千葉銀行が今当面いたしております、これらの諸問題の実態を把握いたしまして、そうして本委員会といたしましては、わが国の金融制度に万遺憾なきを期せしめる必要なる措置政府にとらしめるという重大な任務があるのでございますが、こういうような情勢下におきましては、本委員会としては、その職責を全うすることはでき得ないのでございます。こういうような経過によりまして、参考人出席を求めましても、しょせんは千葉銀行責任者は、言を左右にして応諾をいたしません。全く天をも人をもおそれざる態度であると申さなければ相ならぬのでございます。私たちは、ここにおいて、千葉銀行がいろいろと不当、あるいは不正の容疑がある融資をなされたにつきましては、当然監督機関であります大蔵省、あるいは日本銀行が、これらに対しては、それぞれ法律によりまして監督権検査権処分権もあるはずでありますが、これらの事柄が、そういう法規の拘束も受けず、実に常識で判断し得ないようなおそるべき不当貸付、あるいは偏向融資が行われておりますことは、なるほど国会からの連絡に対しても、かくのごとく不遜の態度を示されるようでは、おそらくは日本銀行関係、あるいは大蔵省関係においても、これは当然法律あるいは規則に基いての監督権処分権、あるいは検査権等が行使され得ない状態にあるのではないか、とさらにその疑いを深くするものでございます。従いまして、私たちは、任意出頭の形の参考人としての出頭要求では、われらに与えられておりますその調査権を行使することができ得ない。もはやこの段階におきましては、国会の威信と申しましょうか、あるいはまた国会調査権機能確保に関する段階に立ち至っておると思うのでございます。従って、こういうような情勢下において、私どもがこの調査権機能を果しますことのためには、憲法の保障並びに国会法衆議院規則規定によりまして、すなわちゆえなくして出頭することのでき得ないというその手続を踏むにあらざれば、所要調査を行うことができ得ないという結論に達した次第でございます。  以上申し上げましたような理由によりまして、この際憲法第六十二条の規定により、かつはまたこの憲法規定からきた衆議院規則第九十四条の規定するところに従いまして、これらの諸君証人として本委員会に御出席を願わざるを得ない事情に立ち至ったのでございます。以上の理由を十分ごしんしゃくを願いまして、この証人喚問の件について、各位の御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
  4. 足鹿覺

    足鹿委員長 春日君より提出されました証人出頭要求動議を議題といたします。  本動議について採決いたします。本動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  5. 足鹿覺

    足鹿委員長 起立少数。よって本動議は否決されました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時八分散会