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1958-04-04 第28回国会 衆議院 大蔵委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月四日(金曜日)     午前十一時二十六分開議  出席委員    委員長 足鹿  覺君    理事 大平 正芳君 理事 高見 三郎君    理事 藤枝 泉介君 理事 井上 良二君    理事 横山 利秋君       有馬 英治君    奧村又十郎君       川野 芳滿君    吉川 久衛君       高瀬  傳君    内藤 友明君       古川 丈吉君    山本 勝市君       石野 久男君    石村 英雄君       春日 一幸君    神田 大作君       竹谷源太郎君    横路 節雄君  出席政府委員         大蔵政務次官  坊  秀男君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君         大蔵事務官         (主税局長)  原  純夫君         大蔵事務官         (銀行局長)  石田  正君  委員外出席者         国民金融公庫副         総裁      石渡忠四郎君         住宅金融公庫理         事       橋本 実春君         中小企業金融公         庫理事     中野 哲夫君         農林漁業金融公         庫理事     伊藤  博君         専  門  員 椎木 文也君     ————————————— 四月四日  委員井出一太郎君、奧村又十郎君、片山哲君及  び帆足計辞任につき、その補欠として丹羽兵  助君、林唯義君、横路節雄君及び横錢重吉君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員林唯義君辞任につき、その補欠として奧村  又十郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  税制に関する件  金融に関する件      ————◇—————
  2. 横山利秋

    横山委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、理事の私が委員長の職務を行います。  税制に関する件及び金融に関する件について調査耳を進めます。質疑の通告があります。これを許します。大平正芳君。
  3. 大平正芳

    大平委員 私は、税制に関連いたしまして、沖繩産業、特に沖繩糖業に対する政府の施策につきまして、二、三の点をただしておきたいと思います。  御承知のように、沖繩産業は、いわば内地との関連において育成され、維持されて参りました。政府におきましても、従来は財政上、予算上の措置として、いわばきめのこまかい助成政策を終始とってきておりました関係上、沖繩産業というものは、内地と離して考えられないような構造になって参ったわけでございます。ところが、御承知のように、アメリカの占領下に編入されまして以来、その糸は遮断されまして、現在政府沖繩関係は、わずかに税制上の関係だけしか残っていないということに相なっております。従って、税制上沖繩につきましては、従来以上のウエートを置いてお考え願わなければならぬのじゃないか。予算上の措置その他が消滅いたしました今日、残されたこのルートを通じまして、できるだけ沖繩産業振興、島民の生活の安定というこことに寄与するようにお考え願わなければいかぬと思うわけであります。さしあたって、今私ども考えております糖業政策でございますが、最近の沖繩糖業発展の道程を見てみますと、黒糖においても、分みつ糖においても、いずれもそれ自体絶対的にふえておりまするけれども黒糖の方は、やや停滞の気味になっております。これは、内地でこれを需要する菓子であるとか、調味料であるとか、需要の面で伸びがとまっておるという関係のように承わっておりますが、分みつ糖につきましては、最近生産のテンポが非常に迅速な発展を見ておりまして、すでに六万トンという計画で、全島あげてこの振興に努力していると承わっておるわけでございます。  ところが、現在の分みつ糖に対する税法上の措置が、沖繩に対して特に考慮を払われておるかというと、そうではないわけでございまして、こういった沖繩の主産業である糖業に対して、何か政府の方で愛情を持ってお考え願わなければいかぬ段階に来ておるのではないかという感じがするわけでございます。そこで、私がお伺いいたしたいのは、一体沖繩の分みつ糖に対して、将来政府は、税制上どのような構想でもってその育成に寄与しようとされるのかという点にしぼって御質問申し上げたいのでございますが、第一に、内国消費税考える場合におきましても、沖繩の分みつ糖だけというわけにはいかぬと思いますし、北海道ですでに十数万トンも計画されておりますテンサイ糖との関係、それから南西諸島で今栽培されております黒糖との関係等を彼此勘案されまして、お考えを願わなければならぬのじゃないかと思います。今の段階におきまして、政府内国消費税のワクにおきまして、沖繩の分みつ糖に対して、一体どういうお考えでその助成振興に寄与されようとするのか、その点をまずお伺いいたしておきたいと思います。
  4. 原純夫

    ○原(純)政府委員 お話しの沖繩振興に税の面から特に寄与するような心がまえでやってほしいという点については、私ども十分そのお気持はわかります。そういう気持で今後も考えて参りたいと思います。そこで、この沖繩の分みつ糖に対する課税の問題でありますが、先般来、いろいろこれについてお話がありまして、私どもの研究いたしました結果を申し上げますと、こういうことであります。結論としては、ただいま税制特別調査会で審議しております、砂糖消費税の改正問題の一環として取り上げて、次の通常国会目途として、何らかの結論を得たいということであります。それは、いろいろ要望されておりますように、沖繩産の分みつ糖について、税率を、たしか二千八百円のものを半分くらい下げたいという御要望が出ておったと思いますが、この問題は、二つの面で問題があると考えております。一つガットとの関係であります。ガット協定の読み方は、いろいろ議論がありますが、そういうことをやって、沖繩砂糖は千四百円なら千四百円ということもやります場合に、どうもガットに違反しないでいこうと思うと、外国から入ってくる砂糖に対して二千八百円取れているのが、半分しか取れないというようなことになって、砂糖消費税は五百億に余る税収を上げておりますが、非常に大きな欠陥を生ずるというような問題になりそうな疑いが非常に強いというのが、一つでございます。それからもう一つは、日本として砂糖政策は、このテンサイ糖をあわせて考えなければならない。むしろ今までのところでは、テンサイ糖が主であって、沖繩で分みつ糖も新たにといいますか、この際計画的に、組織的にやって参りたいというお話が出てきたところであります。で、やはりこの蔗糖に対する課税と同時にテンサイ糖課税の問題をあわせて考えなければならない。おそらく長い将来を考えました場合のコストの関係は、蔗糖の方が経営条件が若干いいのではないかというような議論もあります。テンサイ糖については、御記憶の通り、昨年特別調査会で、テンサイ糖に対する内国消費税を下げて、関税を上げるというような問題について検討を始められております。この検討が続くわけでありますが、まあちょうど沖繩蔗糖の場合も、同様な角度から取り上げるに適した問題ではないかというような考え方ががなり強くございます。そういたしますと、やはりテンサイ糖沖繩蔗糖、これは沖繩に限らず、それ以外の南方諸島方面でも今後問題になると思うのでありますが、そういう全般の視野に立って、日本国内産業糖業政策をどうするかという角度から、それに税制としてどうするかというようなかまえで問題を検討いたしたいというふうに考えるわけであります。右申し上げましたようなわけで、冒頭に申し上げましたように、大体次の通常国会目途として本件を本格的に取り上げて、御要望趣旨を体しながら、研究を進めて参りたいと思っております。
  5. 大平正芳

    大平委員 ガット協定の精細な点を、私はつまびらかにしないのでございますけれども、しかし、今のガット規制下にありましても、原糖関税を上げるというこことはできると思うのであります。フランスやドイツなんかは、日本と比較にならぬほどとても高い関税を取っておるように聞いておりますが、ガット規制下において、今の日本原糖関税を上げることは可能でありますか、その点を政府にお尋ねいたします。
  6. 原純夫

    ○原(純)政府委員 関税を上げることはできます。御案内通りガットに入りまして、この品物についてはもう関税を上げないという譲許ということがありますが、他の加盟国との間に、砂糖については上げませんという約束をしますと、縛られるわけですが、今約束をしておりませんから、上げることができるわけであります。
  7. 大平正芳

    大平委員 そういたしますと、内国税を下げるという場合の問題になりますが、そうして関税を上げるという場合に、内国テンサイ糖とか、あるいは黒糖とか、あるいは今問題になっておる沖繩産の分みつ糖とかというものに対する内国税の切り盛りの仕方、それにはいろいろ色合いがあっていいわけでありますが、必ずしもそれは、テンサイ糖と一緒でなければならぬかという筋合いのものではないと思いますが、その点の見解はどうでしょうか。
  8. 原純夫

    ○原(純)政府委員 なるほどテンサイ糖蔗糖は、別の税にするということは、理論的にはできないとは言えないと思います。ただ同じ甘さですから、消費税として措置するのが、税の理論の方がらどうがという問題はありますが、理論的、観念的にはできないことはない。しがし、実際問題としてどっちかが安い場合に、できたものは同じものなんですから、実際に外国から入ってくるという場合に、課税関係は非常に混乱するという問題があります。     〔横山委員会長代理体積委員長着席〕 それから先ほど申したガット関係疑問点というのは、結論としては、国内で同じ品物である砂糖に二段の税率があるという場合に、安い方に均霑するというときに、つまりガットには安い方に均霑するということがあるわけです。それを、安いのはこの種類の砂糖だ、原料がこれの砂糖だということをいいますと、今おっしゃった、結局執行の混乱ということがあって、これは、もうおそらくとても救済し得ないのじゃないかというふうに思うわけであります。
  9. 大平正芳

    大平委員 そこが問題なんですが、要するに、政府の行政上の執行の難易という点からいくと、大体外国から入る原糖沖繩から入る分みつ糖、これを同じ内国費消税の面で同一に取り扱う方が便利であるということは、私もよくわかるのですけれども、しかし商品でございますから、いわば包装であるとか、品質であるとか、形状であるとが、これをもう少ししさいに検討いたしますと、ガットの規定にさわらぬで、沖繩糖に対して特別な考慮が払われることが可能なんじゃないか。要するに、それは、政府沖繩産業というものの育成に御熱意があるかどうか、愛情を持たれておるかどうかというようなことに帰するのじゃないかと思うのでありますが、その点は、主税局長、どのようにお考えになりますか。
  10. 原純夫

    ○原(純)政府委員 愛情は非常にたくさん持っております。しかし、その場合に今おっしゃるような蔗糖テンサイ糖を別にして税率を盛るということでなければ、その愛情がちょっと表現できないかどうかというあたりは、先ほど申しましたような筋合い検討の際に考えさしていただくということで、何も今、それは理論的にできないということを申し上げる気はございません。しかし、実際論としていえば、とても分析がつかない、今おっしゃった包装とか品質とかいうことを言われるわけでしょうが、かなりむずかしい問題だろう。いずれにしましても、今の段階議論がましく申し上げるよりも、一括して、先ほど申し上げましたような態度で研究するという際の一つの問題にする。今感じを申し上げれば、二段に盛るのはなかなかむずかしい感じが強いということでございますが、一括して検討さしていただきたいと思います。
  11. 大平正芳

    大平委員 大体問題の所在はわかりましたが、そういたしますと、この問題は、与野党あげて本委員会の諸君が非常に熱心に推進されておる問題でございますので、できればこの国会で、そういう沖繩糖に対する特別の配慮がほしかったのでございますが、政府の方では、間接税体系全体を今見直されておる段階でございますし、またテンサイ糖政策の基盤がまだ固まっていない現状でもございますし、総体的に見ますと、沖繩糖だけを今抽出いたして特別の考慮を払うということが、行政的に困難であるということは、よく了承いたします。つきましては、次の通常国会目途といたしまして、政府の方で諸般の問題を十分総合的に勘案されて、そうして関税の引き上げ、消費税の引き下げという大きなラインを通じて、この問題を消化する用意があるということ、その場合に、政府におきましては、もっときめこまかく、沖繩糖に対してでき得れば特別の考慮を払うべく、慎重に検討を続ける、こういうことをこの委員会で表明していただければ、私は質問を終りたいと思います。重ねて政府の御意向をお伺いいたします。
  12. 原純夫

    ○原(純)政府委員 政府として、今そうしますということを言い切るには、私も、もう少し部内の固めをしなければならぬ筋合いですから、担当の原案を作るものとして、大体お話のような方向で今後仕事を進めるという気持でやるつもりでおります。それで御了承いただきたい。  なお結論として、そういうような形が出ますのにからんで、国内の御案内テンサイ糖の、いろいろ原価の違う砂糖をどうさばくかという問題もありますので、速急にそれらも含めて検討をいたしたい。おそらくそれと一本の形で、沖繩糖の問題も何らか片がつくのじゃないかという感じがいたしますが、なおその辺はどういう差別といいますか、区分が必要か、いろいろ実際に検討の上、具体的には結論をつけて参りたいと思います。
  13. 大平正芳

    大平委員 了承いたしました。     —————————————
  14. 足鹿覺

    足鹿委員長 この際、報告をいたしておきます。昨日商工委員会において、国民金融公庫主務大臣に関し、大蔵委員会に別紙の通りの申し入れがありますので、お知らせいたします。  暫時休憩いたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————     午後零時三十三分開議
  15. 足鹿覺

    足鹿委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  金融に関する件につき、横山委員より発言を求められております。横山利秋君。
  16. 横山利秋

    横山委員 先般、石野委員から政府側に対して質問がございました、政府関係金融機関職員退職手当につきまして、引き続き理事会においていろいろと討議を重ねて参りました。本日は国民金融公庫中小企業金融公庫農林漁業金融公庫住宅金融公庫等労使双方招致をいたしまして、いろいろ事情を聴取し、政府側の御意見をも伺ったのでありますが、その結果、理事会におきまして、次のような点について意見の一致を見ましたので、これを御報告すると同時に、政府側の御意見を承わりたいと思います。その申し合せの内容は、次の通りであります。  公社五現業の職員共済年金制度並びに退職手当制度が改正された機会に際し、政府は、政府関係金融機関職員の、退職手当については、その性格を吟味し、民間及び公務員並びに公社職員退職手当共済制度改善との均衡をはかるため、関係公庫意見を聴取し、すみやかにこれが改善をすべきである。  以上の通りであります。この点につきまして、政府側の誠意ある御意見を承わりたいと思います。
  17. 坊秀男

    坊政府委員 ただいま横山委員発言にかかる、本委員会理事会の申し合せによりまする政府関係金融機関等につきましての御意見は、ごもっともだと考えております。従いまして、政府といたしましても、御発言趣旨に従いまして、政府関係金融機関等意見もよく承わりまして、十分これの実現をはかりたい、かように存じております。     —————————————
  18. 足鹿覺

    足鹿委員長 次に、参考人招致の件についてお諮りいたします。  千葉銀行における貸付の問題について、千葉銀行副頭取を参考人として本委員会出席を求め、その意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 足鹿覺

    足鹿委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  なお参考人出席日等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 足鹿覺

    足鹿委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる八日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後零時三十七分散会