○奧村
委員 それでは、そのつもりで
資料を見させていただきます。
それから貯蓄減税と金融秩序に関する
質問を申し上げたいと思います。ずいぶん広範な問題でありますが、これは、
主税局長と
銀行局長に
お尋ねいたしたいと思います。特に貯蓄減税
制度を新たに作ろうとするについては、何とか貯蓄増強をいたしたいという趣旨のものからお
考えになったのでありますから、それはいいとして、しかし、それほど貯蓄増強を進めようとする目的ならば、まだまだ大事な考慮すべき問題があるのじゃないか。これは、大きくいえば通貨の安定が第一でありますが、これは、ずいぶん広範なごとでありますから、いずれ
大蔵大臣に
お尋ねしたいと思います。インフレが進むような
情勢において貯蓄を勧めたって、国民をだますようなものであって、
意味のないことは申し上げるまでもない。その次に、金融機関を厳重に監督する。預けた先がつぶれたということで、せっかく期限がきてとりに行ったが、元も子もとれなんだ、これじゃだめである。また預金者の方も、今三%の貯蓄減税を受けても、それで三年も四年も長期に預けておく、とりに行ったら、金融機関がつぶれておったというのでは、これは
意味ないのであります。従って、預金者も金融機関をよく選択して、つぶれるような不安のあるところへ預けない、また
政府も、そのようなつもりで金融機関を監督指導を願わなければならぬ、これが大事なことである。その次に、あるいは貯蓄減税もいいでしょう。
そこで、主として今お聞きしたいのは一体日本の金融機関に対して、
政府はどんな監督指導をしておられるかということであります。端的に申し上げますと、今度の貯蓄減税に適用される政令で指定しようとする金融機関について、私は非常に疑念を持つものであります。一体この指定しようというものは、全部金融機関ですか。金融機関としての実体を備えていない、それを金融機関と指定して、今までならばともかくも、これから
政府の貴重な財源を出して減税しようというのであるが、今指定しようとするこの金融機関と称するものは、国民が安心して預け入れられるものばかりですか。この点、私は非常に疑いを持つので、きょうあすにかけて、これに特に重点を置いて
お尋ねをいたしたい。なお、実はこの政令は、閣議
決定を経ていないはずです。だから、これは少し変更しなさい。また信用金庫も相互銀行も入れるならば、少くともあの金融三法を一緒に通過させるために、
政府は努力をなさい。そうでなければ、この貯蓄減税は、肝心なことを抜きにした先ばしった仕事である。こういうふうに私は
考えるので、その角度から
お尋ねをいたしていきたい、こういうふうに思うものであります。なぜそこまで突っ込むかというと、大体日本の金融行政が、近ごろ少しゆるんだと申しますか、しっかりした金融行政の一貫した
方針を持っていないような感じがする。
お尋ねしようとするために、私の
考えをまず申し上げますが、今の銀行法なり相互銀行法、信用金庫法、その他の金融
関係の
法律を読んでみると、銀行、信用金庫、その他のものもいわば私企業である。従って、これらのものは、自主的な運営にまかしておくけれ
ども、少くとも金融機関である以上、大衆の零細な預金に迷惑かけちゃいかぬ、大衆にかわって
政府が監督するんだ。もし何かあれば、大衆預金者にかわって、
政府が整理その他についてある程度干渉するんだ。しかし、本質は、金融機関の経営者の自主的な経営にまかしてあるんだから、
政府も絶対的保証はできません。ある程度
政府は、監督もし指導もするけれ
ども、それから先は、やはり同じ銀行の中でも、同じ相互銀行の中でも、預金者がどちらが確実であるか、堅実であるか、自分の判断によって金融機関を選んで預金なさいよ、これが、今日の金融行政に対する
政府の一貫した
方針であろうと思う。ところが近ごろの第一相互銀行、あるいは東都信用金庫、その他の不祥事件の成り行きを見ると、相互銀行、信用金庫の、看板がかかったら、経営者がどんなことをしておってもつぶさぬのだ、どんなごとをしておっても、大蔵省はめんどうを見るんだというふうなやり方をしておりますから、私は、
政府の金融行政の基本的な
方針が国民に徹底していない、こういうふうに思うのです。おそらく私の申し上げる基本的な
考えには、
銀行局長も異論はなかろうと思いますから、答弁は、求めません。その
考え方からして、今までならいいが、今度は、
政府の指定した金融機関へ預けなさい、しかも、その預け方が六カ月以上毎月預けさせて、それを二
年間据え置いたならば、これだけの減税をしてあげる、こういうことをなさるについては、その指定する金融機関について、
政府はどの程度の監督指導をなさるのか。そこで、私は、
政府の今までの金融行政の基本的な
方針がなおくずれやしないか、また国民を誤まらせやしないか、こういう疑念を持つから、これから
お尋ねしようと思うのであります。
信用金庫及び相互銀行については、金融三法との
関係を
一つ確かめておきたいと思う。これは、かねてから
銀行局長に申し入れてありますから、きょうは
お尋ねいたしませず、新たにきょう
お尋ねしたいのは、信用協同組合以下の問題であります。信用協同組合、
農業協同組合、その他政令で出そうとせられるこういうものについては、大体相互扶助の精神で、加入、脱退は自由である、こういう共同経営が主体になっておるのです。これを本質から金融機関とするのは、根本的に無理があるのでありますが、しかし、少くとも
政府が貯蓄減税に適用しようとするならば、この際金融機関として、果してこれでいいのかという点にしぼって
お尋ねをいたしておきます。
まず
一般に日本で協同組合の標準的なものとしては、
農業協同組合ですが、
農業協同組合は、加入、脱退自由であり、預貯金も扱うし事業も行う。事業だけではなしに、共済事業も行う。つまり必ずしも営利を目的としていない。従って、預貯金の安全性というものは非常に薄いんです。利益があれば分配する。せめて二年なり三年なり長期にわたって組合員に預けなさいと言われるからには、それじゃ金融機関としてこれを監督し、またもし万一預金が払えないという場合には、
政府はどのような手当をなさるのか。つまりどのようにこれを監督し、もし万が一の場合、どのような指図をすることができるのか。金融機関の立場から、これに対する取締り監督の規定と、もし払い戻し停止などが起った場合に、
政府はこれにどういう預金者保護の手が打てるのか、その規定を
一つお尋ねしたい。