○春日
委員 さすが政務次官は、責任ある、また日本国民的な気魄に満ちた御答弁で、私は非常に敬意を表します。しかし、事務当局が考えられておる考え方というものは、その政務次官の気魂にはなはなだ遠きうらみがあるような気がして、遺憾に存じます。どうか事務に堕することなく、マンネリズムに堕することなく、現状のものにつきましては、こんなものはかりに取
りきめられただけのことなんですから、こんなものは変更できないもんじゃない。真理ですら条件付であり、可動なものである。いわんや取
りきめなんか、相手方が納得したら変えたらいい。納得しなかったらやめたらいい。それだけの決意がなければ、私は問題の解決はできないと思うのです。そういう決意の上に立って、一つ自主的な判断で権威ある交渉を展開していただきたい。これを強く要望する。
それから次は、現在の輸入
方式の改善について、重ねて
政府の所見をお伺いするのでありまするが、御承知の
通り、欧州映画ば買取版制ですね。アメリカの映画は歩合制ですね。だから、これを一つ改善をして、欧州同等の買取式に持っていったならばいかがでしよう。と申しますることは歩合
制度というものは、何と申しましょうか、何となく勘定が明確に立たない。外貨の消耗を抑制すると言っておるけれども、現実には抑制されていない。その外賃は、わずか二、三年の間にいつしかドルに変つて、みんなアメリカに行ってしまつておる。外貨
予算というものは八百万ドルとか九百万ドルとか、暫定的に区取
りきめても、日本に蓄積されるところの円というものは、いつしか外貨に変貌して、わずか二、三カ年のうちにアメリカに行ってしまつておる。だから、これを逆算して参りますると、結局その対米映画のドルの消粍率は、
計画されておりまするアマゥントの大体倍になって帰っていっておる。現にその蓄積円の毎
年度における現在高というものは、ほとんど大差がない。
昭和二十五
年度の末において二十七億円程度であったものが、今日だつてその
通りなんです。その問の累積は、百何十億というものがあるわけだけれども、それは、あるときは教会への寄付だとか、あるときは電源開発への融資とかいうような形で、いつしかこれがドルに巧妙に変貌して、アメリカに帰っていってしまつておるのですね。だから、そういうような実態をもほんとうに見破つて、そうして、真に日本が外貨節約のためにこの
制度を
実施するということであるならば、そのタイミングに、時限的にも実質的に消耗にならないような、抜け穴をふさぐための
措置を講じなければならぬ。抜け穴をふさぐの
措置は何であるか。これは買取版制以外にはないと思うのです。そのときには、今後は契約を結ぶ過程において、
一定の
計画アマウントというものがきちつ
とつかめる。ところが、こういうような歩合
制度だと、円がどれだけもうかるかわからない。もうかった円ば、ドルとしてここに蓄積されて、そうして、それはいろいろな交渉によってドルに変貌して、アメリカに行ってしまう。そういうわけでありまするから、こういうような不確定な為替管理といいましようか、不確定な為替計一面というものは、その効率の非常に低いものである。あるいはその目的を達しがたいものである。だから、日本が為替管理のために、真に外国映画の輸入を管理せんと欲するならば、これは、買取制というものを強行する以外にないと思う、現にヨーロッパ映画は、みな買取制がしけておるのだから。しかし、アメリカにはアメリカの事情があり、アメリカの主張があつて、それは、一律にこれを押しつけることは困難であろうけれども、これもまた交渉の余地がある。しかし、世界じゅうこれでやつておるんだから、アメリカ側としては譲歩できないというなりば、せめてはアメリカとヨーロッパ諸国との契約条件と同じような条件、アメリカとヨーロッパ諸国とはフイアティ・アィフティですね、水揚げの五〇%を配給会社が
とつて、そうして五〇%を映画館に与えるというフィフティ・フィフティになっておる。私は、昨年大蔵
委員会から参りましたとき、特に西ドイツの
制度を調べて参
つたのでありますが、西ドイツは、一つの団体協約で、五七%が館主の収入になって、配給協会や撮影会社の計算は、四三%以上
とつてはならぬ。とり得ない形で
制度ができておるのです。四ドイツのことは、御参考にあとで御
検討願いたいのです。特に西独の
制度を、日本における外貨消耗がこの映画
事業を通じてあまりに消耗するので、参考のために申し上げます。今
委員長席にすわつておられる黒金君あたりと西ドイツに参りましたときに、西ドイツにおける映画フィルム配給協会と各映画館との
関係、あるいは映画撮影会社との
関係等を調べて参
つたら、結 には、映画館の取り分を五七%、それから、そこで中間の協会やなんかがそれぞれの手数料を
とつて、配給会社の利潤というものは、マイナス・アルファというそれより正縮されたものだ。ところが日本では、七〇%とられるでしよう。物によっては、悪いものでは六〇%というのがあるけれども、フィフティ・フィフティというようなものは日本にはない。これまたこの契約
制度というものが、不当に相手をしてのさばらしめておるこのことは、
政府の腰が弱いからなんです。あなたの方は、アメリカのいうことは何でも聞いておる。そうして、業者の非難に対しては、これは何とも仕方がない、国際
関係だから何ともしようがないといって、耳をかさない。ばかなことがありますか。国際信義というものがあるから、日本が
とつぴなことをいっては通らないし、相手の感情を悪くするだけです。友好親善を保持しつつ、なおかつ日本の経済条件の改善を要求するということは、これは世界に例がある。ヨーロッパ諸国では、アメリカの映画会会社との間の水揚げ利潤の分配ということについては、フィフティ・フィフティが慣例となっており、特に西ドイツにおいては、こういうような団体協約によりまして、五七%が映画館に確保できる、こういうのが実行されておりますね。私は、こういうような実情等から考えて、これは世論を喚起して、アメリカに反省を求めて、こういうような屈辱的な契約
方式というものはこの面においても改善を必要とすると思うのです。この点に対して、局長さん御答弁を願います。