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前尾国務大臣 まず第一に、
価格の問題でありますが、
石炭の
価格が、あらゆる
産業の
コスト低下に根本的に必要な問題であることにつきましては、われわれも
十分認識をいたしておる次第であります。そこで、従来できております
標準炭価という
制度を
考えるわけでありますが、この
制度は、遺憾ながら、従来うまく活用をされておりません。この前に、
佐々木委員の御
質問がありましたが、全く、ひどい場合におきましては、
年度末に
標準炭価がきめられる。また昨年にいたしましても、私も最初の年でありましたので、はなはだうかつでありましたが、十二月にやっと
標準炭価がきまっておる。こういうことで、むしろ逆に、ただいま
お話しのように、実勢に従って
標準炭価がきめられる、こういう結果になっておるのであります。これは、あくまで
標準炭価は、その年の
炭価の基準として、そうしてあるべき
炭価を指導していく
一つの
標準であるというふうに
考えておるのであります。従来は、
コストの想定が、データが少いために困難であったというような、いろいろ事実上の問題があると思います。しかし、本来の
標準炭価という
意味において、私は、今後これを活用していかなければならぬというふうに
考えております。もうすでに、いろいろ
コストの
調査をいたしておりますので、ことしは十分早くこれをきめまして、そして本
年度の
炭価の
標準として
意味のあるものにしていきたい、こういうふうに
考えておるのであります。もうすでに
調査は始めておるような
状況であります。
建値制度につきましては、これは
鉄鋼の場合と異なりまして、
生産者が非常に多いのでありまするし、また
石炭については、銘柄も多岐にわたっておりますので、
建値制度を円滑に実施することが、果してできるかどうか、一応の疑問がありますので、極力積極的な
意味で検討をしておる次第であります。
それから、次の御
質問の、未
開発炭田の
調査につきましては、ただいま未
開発地域としてわれわれが
考えておりますのは、九州の
有明地域、宇部の
東部地域、北海道の釧路、石狩、
天北の
地域であります。また、これをどのくらいの
期間で
調査をやるかという
お尋ねでありますが、実は、当初は三年間ということで
考えておりました。全
地域の
調査費が、約七億円くらいかかるのであります。遺憾ながら、ことしは初
年度ではありましたが、四千万円ということに相なりました。最初
計画しておりましたより、ややずれてくるというようなことになると思うのであります。私らといたしましても、来
年度以降におきまして、予算を極力
確保いたしまして、早く
調査を完了したいと
考えておるのであります。
次に、
石炭と
石油の
関係でありますが、先ほど来申しておりますように、
国内資源をまず第一に活用するということにつきましては、どなたも御
異論のないところだと思います。従って、われわれとしましても、極力
石炭によってまかない得るものにつきましては、
石炭に依存していきたいということで、いわゆる
炭主油従という
意味で、まず
石炭、
石油にいたしましても、
国内の
石油資源を極力
確保していくという立場にあることは、またこのことが、将来にわたっても変るべき筋合いのものでないことにつきましては、御
異論がないと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、将来の
昭和三十七
年度あるいは
昭和五十
年度というようなときの
エネルギーを
考えますと、とうてい
石炭だけでは、
エネルギーを充足していくということは不可能であります。むしろ、将来
エネルギーの
需要が非常にふえて参りますために、
輸入エネルギーの量が、むしろどんどんふえていくというような
状況にあるわけであります。従いまして、海外からの
石油の
確保ということにつきましても、極力
考えていかなければなりません。これにつきましては、輸送の点をよほど
考えなければなりません。
スーパー・
タンカーを作るとか、あるいは
スーパー・
タンカーを入れる港湾を修築するとか、あるいはまた、場合によりましては、油田の
開発というようなことも
考えて参らなければなりません。ただいま申し上げましたような
意味合いにおきまして、
炭主油従政策をとるとともに、また
石油につきましても、強力にその
確保の手段を
考えていかなければならぬ、こういうふうに思っておる次第であります。