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齋藤委員 五月十七日に、兼子
地質調査所長は「天然ガスにつきましては、先般できました東北振興の資料は非常にりっぱなものでありまして、実に部厚な、完全な資料でございまして、後世に残るような報告じゃないかと私は思っております。」ということを言っておられる。私も、そうだと思います。これをしさいに調べてみましたところが、実によく調べておられる。いやしくもですよ、国家の
予算をもって天然ガスの状態を調べて、そして埋蔵量が大体一千億立方メートルとか、二千億立方メートルということが予想されておって、そして、これを開発せずしてほうっておくという国家行政というものは、私はないと思う。しかも、口を開けば、エネルギー資源だ、エネルギー資源だ、あっちでもこっちでも、エネルギー資源だ。それを掘れば、石炭のように、掘って、しかして運搬しなければならない、さあトラックも要るし、貨車もつけなければならないというものじゃない。これは地下にあるところの、プレッシャーでもってパイプ
一つあれば、いかなるところへでも引っぱっていけるという、
ほんとうに尊重すべきところの埋蔵資源だ。しかも、これが今、大体の予想が二千億立米とか三千億立米だとかある。そういうものを、埋蔵量の基本調査もしないでほうっておくという、一体生産行政というものは、私はないと
考える。これはまあ一主計官をつかまえて、いろいろなことを言ったって、らちがあかぬだろうと思うから、いずれ大蔵
大臣の
出席を求めて、いわゆるこういう問題に対するところの
予算編成の根本
方針というものを、一ぺん承わっておきたいと思うのですが、私が、なぜこういうことをくどくどと言ったかというと、あなた方は一体、この国会に来て、答弁をすれば、その場限りでいいというようなことを
考えているかもしれない。ちゃんとここにあなた方の
出席を求めて、天然ガスの状態を説明して、そして三十二年度の
予算には盛れなかったけれども、三十三年度の
予算には必ず天然ガスの開発というものをやってもらいたい。それは国家の興隆をはかる生産の
一つの原動力として、日本にはたくさんあるのだから、この埋蔵量を調べて、その上に積極果敢なるところの開発の手を差し伸べるということが、国家の緊急な仕事の
一つであると言うから、声をからして
質問している。ここで、あなた、答弁はしているけれども、いよいよ
予算編成のときになれば、これをぶった切って、一文も埋蔵調査費をつけないという、そんなばかなことがあるか。そういうことであるなら、われわれは、今度、大蔵当局や
政府当局を相手にして
質問するときには、腹がまえを違えて
考えなければならぬ。だから、そういう点に対しては、まあ答弁は苦しいだろうから、あえて追及はしないけれども、もっと真剣に
考えてやってもらいたい。みんな、こう速記録を調べてみると、それは
予算が取れておれば、私はおざなりと言わなくても済んだろうと思うが、二年も一文もつかない残酷な取り扱いをされて、そうして、今掘り出せば、国家の有用なエネルギー資源となり、あるいは合成化学繊維の、またはその他の原料になるところの天然ガスが地下に埋もっておる。そうして日本は、口を開けば国家の繁栄、国家の繁栄、貿易の伸張、貿易の伸張と言う。こんなつじつまの合わないことはない。だから、私は、これを声をからして言うておる。何も天然ガスを開発したって、しなくたっていいという安易な
考えだったら、私はこんなことは言いはせぬ。どうして一体こんな重要な天然ガスの埋蔵量基礎調査費というものが二年も続けて一銭も
予算に盛られなかったか。一体、
予算の構成の根本
方針というものは、どういうふうになっているのかということに対して、非常な疑問を持たざるを得ません。しかも、与党の
立場として、商工部会を通じて、これは強力に何べんも私
自身立って要求した。しかも、要求しても、まだ足りないと思ったから、僕は大蔵省に行って、そうして
海堀主計官という者を探した。どこを探したっておりはせぬ。仕方がないから、おれは鳩山主計官に行って、名刺に書いて、三十二年度
予算にこれが落ちておったということでもって、何回も国会においても
質問し、大蔵
大臣も、天然ガスの開発は思い切ってやろうということを言うておられるから、どうか
一つ天然ガス埋蔵量基本調査費というものが、三十三年度
予算に頭を出して、国家行政の
立場においても、日本の天然ガスの開発はやるぞという態勢を示してくれ、と言って、頭を何べんも下げて頼んできた。それほど情熱を傾けて、天然ガスの埋蔵量の調査をやってもらいたいと思っても、
委員会に来れば、あなた、そういうような答弁をするけれども、実際の
予算には盛らないということになったら、信頼が置けぬということになってしまう。一体、そういうことが今後ないように、三十四年度
予算に盛る気が——盛る気がないなら、盛る気がないと言ったらいい。三十三年度
予算はだめだと言ったら、われわれも心がまえが違うかもしれないけれども、いかにも
委員会に来たときは、善処いたしますとか、調査ができてきましたから、今度やりましょうと言う。そうして、
予算に盛らない。そういうことが今後ないように、厳重に警告を発して、まだまだこの問題については、いろいろ申したいことがありますけれども、これで天然ガスに関する
質問はやめます。
なお、鉄鋼その他に関して、
質問を申し上げたいことがございますが、だいぶ時間も経過いたしましたから、本日は、
質問を保留して、この程度にいたします。