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1958-04-03 第28回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月三日(木曜日)     午後一時二十四分開議  出席委員    委員長 亘  四郎君    理事 五十嵐吉藏君 理事 川村善八郎君    理事 松澤 雄藏君 理事 竹谷源太郎君    理事 渡辺 惣蔵君       伊藤 郷一君    田中 正巳君       南條 徳男君    林  唯義君       松浦周太郎君    松田 鐵藏君       小平  忠君    森 三樹二君  出席政府委員         北海道開発政務         次官      福井 順一君         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  中平 榮利君         通商産業事務官         (鉱山局長)  福井 政男君  委員外出席者         総理府事務官         (北海道開発庁         主幹)     桑原 幸信君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      鈴木 秀雄君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  北海道地下資源開先株式会社法案内閣提出第  六〇号)     ―――――――――――――
  2. 亘四郎

    亘委員長 これより会議を開きます。  北海道地下資源開発株式会社法案を議題とし、前会に引き続き質疑を続行いたします。竹谷源太郎君。
  3. 竹谷源太郎

    竹谷委員 この法律案の第十一条に、「鉱業権譲渡等」に関する規定がございます。すなわち、鉱業権を買ったり、あるいは売ったりすることに関する値段のことや支払いの条件、それに関しては主務大臣許可を得なければならないというりょうなことがございますが、この法律案と同じ趣旨でできております石油資源開発株式会社法によると、そのたしか附則の規定であったと思いますが、石油鉱業権評価するための審査会が設けられてある。そこで公正なる審査をして鉱業権値段をきめて、それを石油資源開発株式会社が買うなり、あるいは鉱業権を民間に売るなりするのだろうと思う。これは、鉱業権価値というようなものはおそらく判断が非常にむずかしい、慎重を要することであるので、そのような審査会石油資源開発株式会社については設けられたと思うのでありますが、同じ石油以外のあらゆる鉱物の権利を取り扱うこの地下資源開発株式会社法においては、単に会社相手方と相談をするなりして、主務大臣許可さえ受ければいい、こういうことになると思うのでありまするが、この石油と、それから北海道地下資源とを別に扱う理由がどこにあるのか、それを明確にしてもらいたい。
  4. 中平榮利

    中平政府委員 ただいま御質問趣旨によりますと、石油資源の場合には審査会があって、そこで鉱業権等についての評価については慎重に審議していくというのであるが、なぜ北海道地下資源開発株式会社の場合には、そういった規定がないかという御輿間と承わりましたが、実はこの規定を設けます際、私どもといたしましては、鉱業権というものは相当この会社にとっては重要な問題であると存じまして、その譲渡とかあるいは渡り受けようといたします際には会社が勝手にやらないで、慎重にその内容について審査をした上、認可したいということで規定を設けた次第でございまして、そこに石油資源と比較しまして、石油の場合には審査会を設けてやったけれども地下資源開発の場合にはやらなくてもよろしいというふうに考え規定したわけではございませんで、さしあたりは審査会を設けませんでも、通産省と北海道開発庁、場合によりましては関係官庁その他とも相談いたしまして、慎重に審議をすれば、審査会を設けなくてもやつていけるのじゃないかと考えた次第でございまして、特に石油資源と区別したという考えではございません。
  5. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうしますと、石油資源もその他の鉱業資源も同じことだ、しかし事務簡捷か何かの趣旨をもって、これは主務官庁等が十分審査すれば十分ではなかろうか、こういうことになる。そうすると、石油資源開発株式会社審査会は、これは無用の長物だということになるのですが、鉱山局長としては、この石油鉱業権評価審査会なんて、これは石油資源開発株式会社法を改めてやめた方がよろしいですか、いかがですか。
  6. 福井政男

    福井(政)政府委員 石油資源の場合につきましては、御承知のように帝石等関係がございまして、一時相当大量の鉱業権移譲等が行われました関係もございまして、ああいう規定を設けたわけでございまして、どちらにどうという、必ず統一しなければならないということはなかろうと私は考えております。
  7. 竹谷源太郎

    竹谷委員 今、石油鉱業権に関しては、あの審査会はもう評価はやってないのですか、やめているのですか。この法律は死文ですか。
  8. 福井政男

    福井(政)政府委員 現在でもございます。
  9. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そこで石油の方は非常に評価がむずかしくて、他の鉱物資源は楽だ、簡単にやれるのだ、こういうことになるのか、それとも同様の状況であるのか。もし同様ならば、これは別別に扱わなければならぬ理由はない。統一しなければならぬ理由もないと言いますが、同じものならば大体同じようにやるべきであって、不必要な審査会は設ける必要はないし、もし審査会が必要ならば、北海道地下資源開発の場合もこうした審査会を設けて、適止妥当な価格を決定すべきではないか。いろいろこれについては、慎重に責任ある機関がこれに当らなければ、将来問題の起る可能性があると思うのです。でありまするのに、石油の方は審査会でやる、片一方は隠密のうちにきまつてしまう、こういうようなことになると、そこに国民の疑惑が出てくる危険もある。そこで、われわれ、これは非常に不可解に思うわけです。だから、もし石油は特別のもので、特殊な知識経験なり技能なり、あるいは慎重な評価を要する、一般石油以外の鉱業権は、これとは全然違ってそんな審査をする必要はない、こういうのであれば格別、同じだとすれば、同じような鉱業権について別の扱いをするという理由が、われわれには理解ができない。その点どうですか。
  10. 中平榮利

    中平政府委員 石油の場合につきましては、ただいま鉱山局長から御説明もございましたが、一個当り鉱業権―― 一個当りというような言葉を使うのかどうか存じませんけれども、一件当りにつきましても非常に金額も大きいし、影響するところは大きいと思いますが、この地下資源会社の方は、扱います業種も非常に多いし、それに小口のものも相当あると思います。そういったことで、営業として事業を行います場合に、迅速にきめることを要するという場合もありまして、さまざまな例があると思います。従って、本件の計画をきめるのに非常に困難を来たして、なかなか容易にきまらないものもあろうかと思いますが、さしあたり、この営業しております際には比較的問題の起ることが少いのじゃないかというふうに考えられますので、初めから審査会を設けまして、一件ごとにそれにかけてやらなければ動きがとれないというような仕方にするのもどうかと思いますし、そういうようなことで、さしあたり審査会を設けないでやりまして、竹谷委員もおっしゃいますように将来いろいろ重要な問題が起って、影響することも大きい、官庁だけの認可事項だけでやるというのはどうも思わしくないと思われる事態が起りますならば、そのときには、また適当な評価機関を設けるということを考えるのも、一つ方法だと思います。そういう意味でございます。
  11. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうすると、石油とその他の鉱物とが違うのは、石油資源開発株式会社鉱業権の買い取りを受けたり、また売る場合は、主として帝石相手鉱業権が大きい、価値も高い、だからこういうものは必要だ。ところが、一般鉱業権の場合には非常に小さいものも多い、こういうことになるようでありますが、そうすると、これは、大きい鉱業権はほとんど対象になるものはない、主として中小の鉱業権だ、数も非常に多くて小さいものはかりだ、こういう見込みからですか。どうですか、その点は。
  12. 中平榮利

    中平政府委員 鉱業権譲渡いたします場今日は、大体今、単独鉱業権を設定してやるということはあまり初めの問考えておりませんので、大体共同鉱業権を設定してやるという場合が多いと思っておりますが、非常に大きな鉱業権と申しますか、そういった財産権につきまして、すぐ着手して仕事をするということは、実際問題としてはあまりないではないかと考えます。これは仕事をやっていくうちに起ってくる問題でございまして、初めから小さいのばかりやっていくか、あるいは大きいのばかり取り組むかということを言い切るわけにも参りませんが、竹谷委員もおっしゃいましたように、大きいものは初めの間は少いのじゃないかというふうには考えておりまして、従いまして、お手元に差し上げました事業計画におきましても、共同鉱業権の場合には非常に見積りも小さくしおります。そういう次舞であります
  13. 竹谷源太郎

    竹谷委員 どうでしょうかね、鉱山局長北海道には石炭は相当賦存があるわけですが、これで非常に大きな鉱業権発見をしたというような場合に、今言うように石油資源以上に価値の高い、またなかなか評価等のむずかしいものもあろうかと思う。北海道の場合は、今までのところでは石炭が非常に大きいものでありますが、そういうようなものが発見されたというような場合はどうしますか。やはりこのように簡単に、簡素な手続で、主務大臣譲渡等認可してしまうことになるのじゃないですか。どうでしょう、その点は。
  14. 福井政男

    福井(政)政府委員 第十一条につきましては、この法律によりましてできまする地下資源開発会社の本来の使命は探鉱にあるわけでございまして、鉱業権を持つというり場合は、ケースとして単独で持つケースは割合に数が少いのじゃなかろうかというふうな見方を私はいたしておるわけでございまして、持ちます場合でも共大同鉱業権という格好で入るのではなかろうかということで、鉱業権がこの譲渡対象認可を受けるという場合は、そうひんぱんに起ることではないだろう、こういう感じで私は見ております。
  15. 竹谷源太郎

    竹谷委員 これは、今のところは、おっしゃるようなものかもしれぬのでありますが、やっておるうち、どういうふうになっていくかわからぬ。鉱業権を取得し、そうして探鉱をしていって、非常によかったというような問題も起ってくるでありましょう。将来のことはわかりませんが、これは最初であるから、あいるはおっしゃるように探鉱委託というようなことが目的であるかもしれません。この問題は、将来会社運営状況に応じては、大いに検討しなければならぬことだと思いますが、問題は次に移って、この北海道地下資源開発株式会社ができましても、先日来同僚委員から、五億円の金ではどうにもならぬじゃないか、何も仕事ができないという話がありました。その通りだろうとは思います。従って、ろくな仕事初年度にはできないだろうとは思いますが、しかしとにかく、このようにして北海道地下資源を、国家投資をやって開発していく、委託を受けて探鉱をやっていくというようなことになれば、これはどうでしでよう。北海道における鉱業権試掘権採掘権値段というものは、どれほど騰貴するものでしょうか。これは推定にすぎないであろうけれども、どんなふうにこの点をお考えでございますか。
  16. 中平榮利

    中平政府委員 この会社ができまして仕事を始めましたために、北海道における試掘権採掘権等はどういうふうに価格が変るだろうかという御質問ございますが、実は私どもといたしましては、この会社仕事を始めたために、そういったものが非常に価値が上るというふうには単純に考えておりませんので、やはり試掘権採掘権というものは、ボーリングなどをやってみまして調査した上で、どのくらいの埋蔵量があるかということが確定されまして、初めて値段が上るとか、下るとかいうことになると思いますので、全般的に、この会社が働き出したために物価騰貴が起るというような意味において、試掘権採掘権値段が上るということは、言い切れないのじゃないかと思いまして、お答えになっておらないかもしれませんが、端的に申しまして、何とも申し上げられないとお答えするより仕方がないと思います。
  17. 竹谷源太郎

    竹谷委員 ところで、探鉱委託を受けてやる仕事がこの会社の当面の、ほとんど大都分仕事であるという話でありますが、その委託料というようなものはどういうふうに算定をしたか。ここにある事業計画のようなものに、委託料収入が一応見積ってあるようでありますが、これはどのようにして計算するのですか。
  18. 中平榮利

    中平政府委員 お手元に差し上げました事業計画における委託手数料算定方法でございますが、これは現在北海道において、ボーリング会社あるいは鉱山関係会社がそれぞれボーリングをしておるわけでございまして、そういった方面の方々の御意見も聞きますし、また私どもの方におきまして、一応ボーリングに必要な原価計算――と言うのも少し大げさでございますが、原価につきまして計算してみて、大体この辺が妥当ではないかという程度、大体石炭にいたしまして一メートル当り六千八百円といった単価を出しまして計算した次第でございまして、この程度単価でやりますと、この表でごらんになればわかりますように、初年度におきましては、かりに資金五億円といたしましても、二千五百万円ばかりの赤子となるような状態でありますが、黒字を無理に出すために単価を上げるということは、相手もあることでございますから、また現在やっておられますボーリング会社単価も見なければいけませんし、そういったようなことで勝手な数字をきめるわけにも参りませんので、一応この程度単価が妥当であろうということで計算いたしたわけであります。
  19. 竹谷源太郎

    竹谷委員 委託手数料を、間違いなく収入を得るための保証をどうしますか。すなわち、委託を受けてやってみたが鉱物にぶつからなかったというような場合、相手委託料を払わないというような危険がある場合に、会社は損をしますが、これをどうするか。また逆に、非常にすばらしい鉱脈を発見したというような場合に、委託手数料というものはほんの実費だろうと思うが、ばく大な資源発見した。そうして委託者が非常なもうけをするというような場合には、会社はその恩典に何らあすかれないのか、それとも分け前を取れるのか。その点を……。
  20. 中平榮利

    中平政府委員 実は、単価のきめ方につきましてはいろいろ考え方があるわけでございまして、受託の場合一応実費計算いたしまして、それに対してたとえば手数料二割とか、三制というものを立ててもらうという一つ方法もありますし、あるいはそういった計算をいたしませんで、こまかくボーリングをやってみて当らなければ仕方がない、かりに当れば非常に鉱業権価値が上りますから、それを評価して処分するなり、あるいはその委託会社がそのまま経営するならば、その利益となる分の分け前をもらうというやり方もございますが、一応この会社事業計画並びに資金計画計算いたします際は、そういう方法をとりませんで、単価計算しているわけであります。なぜ単価計算したかと申しますと、今言ったように、不確定の要素があまり入ってくると非常に計画としては立てにくいわけでございまして、平均単価と申しますか、なるべくかたいところで計算して立ててみたいということで、単価方式をとったわけであります。今、石炭の場合六千八百円と申しましたが、この六千八百円の中には、今申しましたような手数料に当る分も含んで考えておるわけでございます。従いまして、受話の場合にはたといボーリングが当っても当らなくても、一メートル当り六千八百円は必ずちょうだいするという建前計算しております。もう少し詳しく申し上げますと、先ほどの六千八百円の中に約二千九百円、まあ半分弱でございますが、それを実際の経費と申しますか、物品、労務費その他の経費を約半分見ております。ほかに償却を二千円程度見まして、別に千七百円程度管理費というものを見ているわけであります。この管理費の中には、ただいま申し上げました手数料に当るものも含まれているわけであります。このうち幾らがもうけかと言われましても申し上げかねますけれども、千七百円全部がもうけというわけでもございません。これは管理費並びに利益も含んでおります。こういうふうに計算しております。それで支払いについてどういう方法をとるかと申しますと、何しろ非常に経費のかさむ事業でございますので、すぐ払えといっても払えないと思いますので、一応三年間ばかりの分割払いということを考えております。その支払いを確保するためにどういう方法をとるかということは、これはこの会社委託会社の間の契約できめるわけでございまして、契約をいたします際に十分支払い方法の確保につきまして、あるいは担保をとるなり、あるいはその他の方法については話し合いをした上でというように考えているわけであります。今直ちにどうするということも言えないので、契約内容による次第でございます。ボーリングをやりまして、非常にいいものに当って相手会社がもうかった場合でも、分け前をよこせということは言わない。きめましたメートル当り単価でお代をちょうだいするということでやっておりますが、これは民法上の契約によってやるのでありますから、この会社がその相手会社話し合いをいたします先に、これは絶対確実だと思えば、あるいは欲ばりまして、その契約によって、もう少し分け前をいただくようなことにしてもよろしゅうございますし、あるいは一メートル当り単価をもう少し高くきめるというようなことも考えられると思います。私が今まで説明しました金額は、これは事業計画並びに資金計画を作ります際の単価として、比較的かたいと思われる数字をとって計算したわけでございます。
  21. 竹谷源太郎

    竹谷委員 委託料ですか、受託料ですか、これは年賦で払ってもらう、三年も四年もかかるということになると、これは七、八割は完済がむずかしいようなことになりはしませんか。私はそれを非常におそれる。自分の持っておる鉱業権地下資源開発株式会社に頼んで探鉱してもらうのだというようなことで、自分鉱山を周くつり上げて、金をたくさん借りて、それを使ったり何かして、あと払えなくなるというようなことの危険性も非常に多い。これは会社当局がきまれば、その人の事業的、またいろいろな見通し等でもって、非常にりっぱな人を選ばなければ、なかなかむずかしい仕事だと思いますが、これは会社業務運営のいろいろな方針によってきまるだろうと思う。それから一方、巨額の利益委託者が受けたというような場合に、その利益について、会社としてはどのような分配にあずかるか、あずからないか。政府出資がおもでありますから、もうける必要はないと言えばそれでもいい。しかし一方、それなら損をしないようにしなければならぬ。そうでないと会社は採算がとれて参りません。そうなりますと、これは業務方法書みたいなものが必要になってくる。そういうものはどんなものができているのか、お示しを願いたい。
  22. 中平榮利

    中平政府委員 代金がとれない場合のことをいろいろ御必配下さいまして、御質問をいただいておるわけでございますが、結局商売でございますから、ある程度危険が伴うということはやむを得ません。御承知のように、この会社は特に危険が多いということで、私たちもその点は非常に必配しておるわけでございます。何と申しましても、ただいま御質疑の中にもありましたように、結局うまくいくかいかないかは人の問題でございまして、この会社を運営していく方がよく考えて、間違いのないようにしていただければ、あまりそう危険なと申しますか、負担を来たすような間違いも起らないのではないかと考えておりますし、官庁側といたしましても、その点につきましてはできるだけうまくいきますように、指導監督したいと考えておる次第でございます。危険負担という点につきましては、利益が出ました場合の償却等につきましても十分なことをさせるということもありますし、また業務方法書というようなものを作ってやる気はないかという御質問でございますが、今のところ、私どもといたしましてはそこまでは考えておりません。一応必要があればもちろんそういうものも作りましょうが、あまりこまかく縛りまして手も足も出ない、会社理事者としては何も頭を働かす余地がないというようなことでも、こういった営利目的とする会社ではございませんけれども、一応営利会社という建前になっております関係上、ある程度の創意というものは会社にあってもいいんじゃないかと考えまして、ただいまのところは、そういうふうにこまかく縛る規定を作るということは考えておりませんが、事実上の指導監督でその点はやっていきたいと考えておる次第でございます。
  23. 竹谷源太郎

    竹谷委員 私も会社当局をきめた以上、それにできるだけの権限をまかして縦横手腕をふるわせるということについては大賛成です。しかし、どうも縦横手腕をふるわせて必配のないような全幅の信頼を置き、また全責任においてやれるような、そういう人選がなされておらない。あなたに話してもこれはしようがないのだが、そこにそういう必配がある。そういう必配がなければ、もう自由奔放にやってもらえば一番業績が上るだろうと思う。これはあとで大臣でも来たらお伺いいたしますが、なお次に、鉱山局長どうでしょう。北海道地下資源がきわめて豊富であり、また調査が行き届いてない点も多い。そういう意味で、この地下資源開発株式会社を作ることは機宜を得たものとは思いますが、その他の日本の各地においても、まだ探鉱が十分になされてはいないと考えるのであるが、全国的なこういう会社を作ってやるということがいいかどうか、ことに北海道同様まだ未開発東北地方などに、こういうものをやるということが国家資源開発上、大いに資するところあるかどうか。鉱山局長は、他の地方に関する同様の問題についてどのようにお考えか、承わりたいと思う。
  24. 福井政男

    福井(政)政府委員 お話のように、北海道は非常に地下資源に恵まれております地域でございますが、なお相当今後の調査に待つ地域が多いということで、この会社の設立に関しまする法案が出ておるわけでございまして、この会社によりまして、今後北海道資源開発が非常に推進されるだろうというふうに私ども大いに期待をいたしておるわけでございます。ただ、全般的にこれを広めていくことについてどう考えるかという点になって参りますと、この会社の今後の事業の遂行状況なり、その成果等を十分検討いたしまして考えて参りたい、かように考えております。
  25. 竹谷源太郎

    竹谷委員 政務次官は、北海道開発庁だから困るのだが、政府の一員として、たとえば東北あたりをどう考えますか。
  26. 福井順一

    福井(順)政府委員 それはやはりまことにけっこうだろうと考えます。
  27. 竹谷源太郎

    竹谷委員 けっこうというのは、どういう意味ですか。けっこうじゃわからない。
  28. 福井順一

    福井(順)政府委員 大へんけっこうなことだろうと考えます。
  29. 竹谷源太郎

    竹谷委員 やった方がいい、こういうのですか。
  30. 福井順一

    福井(順)政府委員 それはやった方がいいと考えます。
  31. 竹谷源太郎

    竹谷委員 これは北海道最初の試みでありまするから、一ついい成績を政府としては上げまして、そうして東北なりその他地下資源富富であろう地方にもこれを拡張して、日本の貧弱な鉱物資源発見をし、またこれを利用するということをぜひ考えるべきだと私は思うのであります。関係企画庁等がおりませんので、この点はその程度にいたします。  次に法律案の第十四条に、利益金配当等に関する規定がございます。これは政府府の株に対して配当を制限する規定でございますが、石油資源開発会社の場合は五年間配当をしない、こういう規定があるのであります。これはやり方が違うためだろうと思うのでありまするが、石油資源開発株式会社の場合と北海道地下資源開発株式会社の場合と、違う理由明権にしてもらいたい。
  32. 中平榮利

    中平政府委員 五年間配当をしないといいます石油資源開発株式会社の場合の規定がございまして、実はこの会社場会合も、そういうふうにしてみようかということも、法案作成の途中では考えたこともございました。何しろこの会社は、相当部分が危険な事業と申しますか、非常に不確定な要素を含む事業を行う会社であるにもかかわらず、民間からも相当多額の出資をしていただくということになっております関係上、かりに利益が出ました場合は、お礼と申しますと少し言い過ぎかと思いますが、せっかくそうして協力して下さる方々にはどんどん利益配当をしたらいいじゃないかということも考えんまして、そういった意味で、かりに非常にもうかりました場合には、会社の軍営に影響がない範囲内において早く利益配当をいたしたいと考えまして、五年間無配当ということはやめたわけでございます。
  33. 竹谷源太郎

    竹谷委員 鉱山局長どういうわけですか。
  34. 福井政男

    福井(政)政府委員 今の中平政府委員の御意見と同一でございます。
  35. 松澤雄藏

    ○松澤委員 ただいま竹谷委員から御質問がありました問題に関連するわけですが、北海道一般内地と違って非常に寒さがきびしい。しかしボーリングに関しては、岩盤まで掘るのだからその問題はないが、今までの僕たちの経験からすると、ボーリングそれ自体に対する問題は別として、ボーリングをやるのは人間であって、つまり人聞が各所に分放して仕事をしなくちゃならぬために、一本のボーリングをやるのに、そこに、いやおうなしに飯場を作らなければならぬ。その飯場を作る場合、夏はいいけれども、冬季においては、並通の内地用の飯場ではとうてい持たない。相当量の資金を投じて飯場を作らなくちゃならない。そういう場合において、冬季の間どういう処置をとるか、それが採算上においてどういうふうに響くか、どういうふうな考えを持ってこれをやろうとしておるか、その点をもう少し詳しく説明してもらいたい。いわば冬季の越冬対策的な問題をどうするか。従って、それに関連してさっき竹谷委員からお話があったように、冬季の間、東北方面を、ともにあわせてやってみるとか、あるいはまた、この法の目的であるところの内地方面に冬季の間貸付をするという場合等も、もう少し具体的な研究をあなた方としてはしておられるだろうと思うから、その点をもう少し詳しく具体的に説明してもらいたい。
  36. 中平榮利

    中平政府委員 ただいまの御質問の冬季対策の点でございますが、北海道は御指摘の通り冬季は気候も寒いし、雪も降りまして、非常に作業がしにくいという点がございます。従いまして、かりにそういった場合に営業いたしますと、非常に経費もかさむ。従ってかりにうまく仕事ができましても、赤字になるという場合も考えられます。初めから、そういうことに専念いたしまして国策に徹してやるということも、処置としては非常にけっこうでございますけれども、あまりにも国策を尊重し過ぎて会社の基礎が危うくなるということになっても困りますから、実は正直に申し上げまして、冬季の非常に作業の困難な場合には、さしあたってはあまりたらない――と言うのも少し行き過ぎかもしれませんが、むしろそういったことをやるよりは、冬季の北海道において作業のしにくい場合には、でき得れば北海道以外の地域に機械を持って参りまして、その方で御希望があれば機械を貸すという方に主力を注いでいきたいと考えているわけで、非常に無理をして危険を冒してまで、こういう仕事をしようということは考えていないわけであります。と言うと少し会社設立の趣旨にも反するというふうにもとられるかもしれませんけれども、これはそういう趣官ではございませんで、会社の基礎を安泰にしたいということで、さしあたりはそういう方針でいきたい。将来どんどん事業をやっていきまして、会社の基礎も固まるし、ある程度危険を冒しても大丈夫だという見通しがつきましたら、少々危険でも、どんどん寒いときにやるということになるかもしれません。そういう趣旨計画を一応作っております。従って、この資金計画とか収支計画では、機械貸与による収入というものは上げておりません。それで私たちとしては、この計画を非常にかたく見ている、こういうつもりでございまして、機械貸与による収入も上げないで収入計画は立てております。
  37. 松澤雄藏

    ○松澤委員 大へんかたく見ているというようなお話ですが、一応二億の資金投資で、一億は社債、あとの二億はどこからか憤りるという長官の説明でもあったが、それらの総合的な資産をもってやるということになるわけですが、何インチくらいの太さで、どの程度の標準のボーリングを何カ所くらい年間にやって、どの程度の採算が合うという計算をしておりますか。
  38. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ただいまの件につきましては、こういう一応の試算をしておるのであります。石炭につきましては、深度を八百メートルといたしまして十五本やる。それから金属につきましては、深度は一応標準を三百メートルといたしまして四十五本やる。非金属につきましては、百五十メートルを深度の標準といたしまして十本やる。それから天然ガスにつきましては、千メートルで一本やるというように考えております。太さは鉱種別によって異なります。たとえば今、石炭につきましては、日に大体四メートル掘るという計算をしております。それで二百四十二日にとります。そして一台当りの試錐延長は九百六メートル、これに要しますところの所要機械台数は十三台、年間の回転率は一・一三というように抑えております。それから金属につきましては、日に三メートル、日数にいたしまして百二十三日を見まして、試錐延長は六百六十九メートル、所要機械台数は二十台、回転率は二・二三に見ております。非金属につきましては、日に四メトル、日数五十六日、試錐延長七百三十四メートル、所要機械台数は一台、回転率は四・八九と見ております。天然ガスにつきましては、日に十メートル、日数百五十日と見まして、試錐延長千八百三十メートル、所要機械台数一台、回転率を一・八三に抑えております。
  39. 松澤雄藏

    ○松澤委員 それでは、一つの例をガス開発にとってみます。非常にかたく抑えておるように聞えるが、年間一台のガス開発ボーリングにどの程度の所要経費をかけて、かりに委託費といったような場合は、メートル当りどの程度委託費で運転するのか。この会社経営上におけるバランス的な面もお聞きしたいのだが、あまり深く入るとどうかと思うからお聞きしないが、メートル当り契約をやる場合どういうふうな要領でやるつもりか、あるいはまた、ガスが出た場合のことを仮定した契約をつけてやっておる場合、出なかった場合の契約をやる場合、一応五億というもの、三億というものを基準にしてあなたの方は計算を立ててなくちゃならぬはずだが、そういうようなものがもしあったら、一つ教えてもらいたい。  それから、さっき主体的に申し上げた冬季の間は、一体何月から何月の間を見るのか。その間内地に機械を一貸与するという話であるが、従来官庁方面が一般の業者に、単なる貸付をするというふうな要領のもとに貸付をしようとするのか、人間をつけて貸付しようこするのか。この上は、機械を取り扱う、上において、今まであなた方が御経験の通り、単に貸付したような場合は非常な破損を多くして返ってきたり、いろいろするのだが、その点はどうなっておるのか、もう少しはっきり説明してもらいたい。
  40. 桑原幸信

    ○桑原説明員 天然ガスの場合は、先はど中平政府委員から御説明申し上げましたように、契約が二つあるわけでございます。委托の場合は、これはメーター当り四千五百円らようだいするということに相なるわけであります。それから受話の場合じゃなくて、いわゆる資金がなくて全然会社共同鉱業権というものを設定してやる場合には、これは要するに実費が出ますから、その実費が出た上で、その後ガスの噴出量その他によって、いわゆるガス井戸の価値を判定いたしまして、それから今までの諸雑費を引いたものの利益を、頼まれた方と会社と半分にするか、三分の一会社がもらうかというように契約をきめていきたい、こういうように考えております。  それからもう一つの、機械の貸与の場合でございますが、これはまことに御指摘の通り、機械だけを貸しますと非常に回転度数を上げられて、返ってきたときには使いものにならぬという心配もございますので、この会社が機械を貸与する場合には、オペレーター付で貸したいというように考えております。
  41. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 関連して。今の答弁によりますと、機械だけは貸されない、技術者もつけて貸すということになりますと、これは受託探鉱とどこに相違が出てくるか。受託探鉱と同じことになるのじゃないか。機械だけ貸すなら機械貸与だけれども、技術者をつけて出した場合には、ここでいう受託探鉱ではないのかどうかということを、一つ説明して下さい。
  42. 桑原幸信

    ○桑原説明員 機械の貸与の場合は、機械の償却と、それからそれに伴うととろの人間の旅費とか、滞在費というようなものを見たものが貸付料になるわけです。受託探鉱の場合はそれとは、異なって、契約をちゃんとして、かりにボーリングをやつてみる、そして途中で会社が機械を折っちゃったという場合は、会社の責任になるわけです。しかし機械貸与の場合は、一応向うの指示に従ってやということになると思います。
  43. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そうすると、今の機械貸与の形をとる場合は、どういう契約になるのですか。
  44. 桑原幸信

    ○桑原説明員 機械貸与の場会合は、オペレーターが行く人件費と、旅費というようなものと、機械の償却というようなものはちょうだいいたしますが、その消耗品とか、現地の人夫賃といったようなものは相手方が持つ、こういうことに相なっております。
  45. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そうすると、まるっきり実費計策ですか。
  46. 桑原幸信

    ○桑原説明員 原則として、実費計算でございます。
  47. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そうすると、あなたの答弁を聞くと、大へん重大な問題が出てくるわけです。これは地下資源開発目的として作られた北海道地下資源開発株式会社北海道地域ボーリングをやるということで政府が出資をし、それから民間からも出資を求め、法で規制されている事業会社が、北海道以外の特定地域において行うのに対して、何らの利潤を求めないで実費計算沖のような形でやるということになりますと、ただでも北海道の方のボーリングは赤字の出ることが重大問題になっておりますのを、北海道の赤字において他府県に犠牲的にやられるという論理が出てくるのですが、これはおかしいじゃないですか。これはどうなんですか。
  48. 桑原幸信

    ○桑原説明員 その点についてお答えいたします。現在通産省、それから開発庁で考えてわりますのは、北海道の機械貸付の場合は、他府県にやる場合よりも安くしたいということを考えて、北海道全体の総合開発ということを考えていることが第一点。それから、どららにしても、機械が使われなくても所要の人間というものは、会社としては養っていかなければならぬわけですから、その人間が冬の間、かりに十二月から六月までの間その仕事がなければ、結局遊んでいても金をやらなければいかぬということになるわけです。その間の人件費というものは、外に出て機械を回転させることによって会社としては支弁ができるということで、結局、会社全体の経費としてはプラスになるわけですから、決してそれがために、北海道の犠牲において他府県の開発に利用するということじゃなくて、他府県を助けることによって北海道地下資源開発株式会の経理内容をよくする、こういうように御理解願いたいと思います。
  49. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 私は、北海道以外のことを助けて悪いということを言っているんじゃない。もともと北海道会社ですから、北海道が中心であるべきはずであります。東北が近いから東北にもというなら、東北北海道地下資源開発株式会社法と初めからきめればいいのです。しかし、今のあなたの答弁によると、他府県に出る場合は人件費だけはかせがなければいかぬが北海道はそれよりも安く見るんだ、機械貸与をするんだ、北海道以外のあれは別のなにをするんだというようなことがありましたが、北海道で機械貸与をする場合には、コスト割りでやるということですか。
  50. 桑原幸信

    ○桑原説明員 コスト割りということは考えていません。
  51. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そうすると、北海道東北と同じということですね。
  52. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは原則としては同じですが、幾分安く、こういう意味です。
  53. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 いよいよわからなくなってくる。どこが安いのです。
  54. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは、北海道の場合が安いという意味です。
  55. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 北海道のどこが安い……。そこがはっきりしない。メーターで安くなるのか機械の損耗料がそうなのか、どこがどうなのか。さっきから言うように、業務方法書というものがはっきりしないから、そうすると、そのつど便宜主議で、いわゆる営業担当の人とか、契約する人の勘でこれはやられるのですか。勘なのか、あるいは基準が明確なのか、どうなのか、そこが明らかでないから、はっきりしてもらいたい。
  56. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは法律にも書いてございますように、機械貸付というのは例外でございまして、北海道地下資源開発株式会社の業務隊行に障害のない範囲で、主務大臣認可を得た場合においてのみできるわけでございます。それで、北海道の場合に安くし東北の場合高くするという意味は、一応こういう機械については、こういう期間の貸付料は幾らだということをちゃんと規定して、それに基いて貸付をするわけです。それですから、今申し上げるように、アト・ランダムに、勝手に、思いつきで機会の貸付け値段を取る、こういうことでございません。
  57. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そこで、もう一つお尋ねしたいのです。これは竹谷委員からも触れた問題でありますが、資金計画によりますと、共同探鉱の場合は一年間据置で、五カ年払い、受託探鉱のば会合は三年払い、こういうことになっておりますが、これは会社にとっては非常に大きな犠牲です。大へんな犠牲になりますね。そうすると、この利息の保証はどこがどうするのですか。たとえば、この共同探鉱でかりに五千万の仕事をした場合――もっとも、五千万の仕事をしていたのでは合わないですね。実際どういう計算が出るのか。かりに一億の事業を共同探鉱で一年間かけいだとして、ことし、三十三年度にやった仕事は三十四年度は据置で、三十五年度でなければ最初の五分の一が払えないことになるわけですね。雄大な計画です。そうすると、共同探鉱でやった場合は、まる六年間かからなければ、元金が償還されないという形式がここに出てくるわけですね。この質問は、よろしゅうございますか、一つ仕事を共同探鉱でやった場合には、まる六年間かからなければ金が戻ってこないということになるのですが、一体その問の利息はどうなるのか。こういうずさんな計画で、会社の経理がでざるのですか。
  58. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ただいまの点でございますが、共同鉱業権の場合は、かりに当れば、少くとも三百万円のボーリング費をかけて三千万円の評価鉱業権ができるということになれば、あらかじめ契約の場合に、共同鉱業権者の一員としての地下資源開発株式会社が、他の会社に議り渡すということを交渉するわけです。それですから、もし他の共同鉱業権者が、いや譲り渡しては困る、おれの方で買うということになれば、その方から、会社の所有の金を少し入れてもらって共同鉱業権をはずせば、会社はその危険負担ということからのがれるわけです。それから、もしかりにその売り期間が延びましても、現在までにすでにボーリングした結果によって三千万円というものになれば、会社としては資産勘定に上るわけですから、それを見合いにして借入金を実行するということもできるかと思います。
  59. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 この問の保証が長ければ長いほど、この共同探鉱いたしました鉱業権が、世間にブローカー的に持ち回られる期間が長くなるということなんですよ。当然そのことが伴うのです。長期にわたればわたるほど、その期間中買い取りができないということになれば、それを引き取って金を出してくれる人を選択することになりますから、非常に不確定なものになってくる。それからもう一つ言えば、その期間が長いことは、当初ボーリングをおろすときの、共同鉱業権設定のときの契約内容よりも、さらに引き延ばすことによって時代も違ってきますし、時限的に違ってきますために、非常にこの鉱業権が高変りになる条件が整いますので、この一年据置、五年払いということになると、六年後に莫大なる所得を、この共大同鉱業権の一方の取得者は得られる。そのときには、すでに六年前の着工当時の契約と、六年後の支払い完了当時の経済条件とは、質的に全く違うものが出現する危険が出てくる。そうすると、こういう長期にわたる支払い形式というものは、いたずらに共同鉱業権取得者の他の部分に不当なる利得を得せしめる結果になる、こう判断されるのですが、いかがですか。
  60. 桑原幸信

    ○桑原説明員 山の開発というのは相当長期を要するものですが、地下資源開発会社としては、所要経費その他その売るときの評価をして、売るときの評価価額さえ得られればそれ以上の利益は追求しない、こういうふうに考えております。
  61. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 いよいよ奇怪な発言を聞くのですが、売るときというのは、この条件でいくと六年後になるのですよ。少くとも支払いを完了するか、あるいは支払いすべきものを短縮して他へ契約ができて、ここから金が入ったから、その鉱業権を他の人が取得するために全額会社に入れる場合、それを了承する場合しかないわけですね。そうすると、これは延びれば延びるほど、ボーリングすることによってかりに一ぺんに出ることになった場合には、そこだけ質的に価格が変化する。その易行、価格の最代限を抑えて契約しようとするわけですね。こちらは最高限を言いますが、向うは最低限を抑えて契約しようとするわけです。こちらは最高といかぬでも、とにかく石炭が出る、どういう炭層だ、何千カロリーだ、こういうことになって炭層がわかってくると、鉱区は価格がうんとつり上ってくる。片一方では、最低限を見積ろうとする。会社側としては、権利を保持しようとするから高く見積ろうとする。これはそのときの条件ですから、それ以降支払いまで六年間経過するので、六年後の経済状態、六年後の産業界の発展動向を見通して契約なんてできるものではないので、そんな契約は不法契約ですよ。やはりその契約は、ボーリングをおろすときの当初の経済状態、経済条件に基いた契約以上に出るものではないのですよ。そうすると、この据置期間、支払い期間が長期にわたればわたるほど、その問、相手方はまる六年間というものは支払おうとしないで――一年間は全然向うが強くて権利がある、あとは五分の一ずつ五年間に払っていくということになると、その間かりに全然払わないでおったとしても、せいぜい民事訴訟になるだけであって、全然払わないで引き延ばしていけば三年や五年はかせげる。そうすると、一方の鉱業権取得者は、より高い価格で経済条件と見合う――たとえば、石炭の不況のときには売ることを避けますよ。炭況がよくなったときに売ろうとして引きずりますよ。その間ば、ボーリングの代金を払わないで引き延ばしていく。そうすると、そういう不確定な条件に対してまで無理して長期間保証して、そうして非常に不安定な条件のうちに、相手方に莫大な取得をなさしめる結果になるのだ。だから一体、どこでこういう資金計画のやりくりについてきめられるか。新会社は、重役会において正式に業務方法草案を練って作るのでありましょうが、ここに盲点がある。会社資金計画の基本に一つ大きな誤まりがある、甘い。このことだけで会社はもう危殆に瀕してしまう。提案者側は、こういうような不確定な条件をもう一ぺん検討し、この資金計画について検討する意思があるかないか、それも確信のある答弁ができるか、見通しがあるか。これは将来重大問題ですから、一つ御回答を願いたい。
  62. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ただいまの件は、いわゆる共同探鉱の場合に限られるわけですが、これは実は大体資力のない相手方に対してボーリングをおろす場合で、当る場合と当らない場合と出てくるわけです。事務当局としては、何木のうち何木当るかというはっきりした計算というものは、実は非常につかみにくいわけです。そこでわれわれとして、資金計算の上におきましては、いわゆる一年据置の五年で全部延べ払いでやっていくのだという資金計画を立てたわけです。しかし、実際に共同鉱業権を設定してボーリングで当った場合は、翌日からその鉱業権者の相手方に、この評価は大体このくらいになりそうだから、君これは半分こちらへ利益をよこして、半分あなたの方が取るということで支払いが済むなら、共同鉱業権は解除しましょうということで、その人には鉱業権を解除してやるわけです。そうなりますれば、この計算のように、必ずしも六生というわけにはいきません。それですから、われわれとしては、当る方がどのくらいの利益が上る、当らない力の損害費というものが一体どのくらいだと言うことは事実上できないわけです。そこで一応全部を延べにならして、共同鉱業権は六年償還だ、六年でこの金額受託探鉱並みに金が返ってくるんだという計算をしたわけです。それが一番根当であろうという業界の専門家の意見も徴しまして、そういう意見に基いてこういう計算を立てたわけで、決してこれは当てずっぽうな計算でも何でもないので、そういうような根拠に基いた計算でございます。
  63. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 共同鉱区というものは、性格に二つあるわけですよ。探鉱する場合において、共同鉱区を設定するということの結果として出てくるものは二つの条件がある。一つは、全然だめだったということですね。その共同鉱区のボーリングをした確率たかりに半々と見た場合、これは半分は全部ただになってしまうのですよ。人件費から、ボーリングの手間賃から、施設費から、一切犠牲になるのです。そうでしょう。確率も、あなたの方では五分と見るか三分と見るか、これは別ですよ。確率をどう見たところで、パーセンテージをどう見ても片っ方が全然だめだったら無価値になる。しかも収入が一銭も入らない。従って、この共同鉱区設定は登記しただけ損ですね。これは登記して鉱産税を納めただけ損です。むしろ出し前になるわけだね。そうすると、かりに五割残ったとして、その五割の最後に残った分に対して、一年据置、五年の支払いでは、これは全然、会社は持たないです。半分はだめなんですよ。全然ただ働きをしておるのですよ。そして半分の確率に対して、一年据置、五年償還。それから利子の方はどうなっているのですか。その問の利子は、鉱区の所有者とボーリングが当ったもう一方の鉱区の所有者を半々にして、法定利子の半分を一方の鉱区の所有者が、別個にこの金額に対してしょうのですか。それとも、これはこの会社がみんな食うのですか、しょうのですか。その点を一つはっきりしてもらいたい。
  64. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今この渡邊先生の、半分はだめなんだ、半分だけを一年据置の五年償還だという考えじゃなくて、われわれの計算の基礎というものは、そのだめな半分と当る半分とを両方まぜて、これを一年据置、五年で計算したわけです。それですから、結局そういうことによって全体の収支バランスというものを考えたわけです。
  65. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 全然出ないところへも割り当てているのですか。これはボーリングしてみても出ないのは出ないのすですよ。それはどうなんです。
  66. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは、当ったところの評価というものが何百万円になるか何千万円になるか、ちょっとわからぬわけです。かりに当って……。そういうことです。経理上の計算の基礎としては、当るものも当らないものもいわゆる受託手数料並みの手数料に一応換算して、それで要するに六年償還くらいの資金繰りの計算でやってみて、この会社の基礎はどうなるかということをやってみたわけです。それですから、実際問題としては、現在やっているこの計算よりもやや有利な会社の経理になるだろう、こういうふうにわれわれは考えております。
  67. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 どうも私の方があなたよ頭が悪いのかもしれぬが、あなたの説明は私にはわからないのです。それは形式上の操作でそうしているのじゃないですか。私は、この会社の存立の上で、実質上の経理、実際上の損得を言っておるのですよ。事実上一方の何も出ない山は、もうこれは無価値なんですから、幾ら自分のものとして登記しておいても、経済界からも廃棄されるのですよ。ボーリングの結果としては、そこからは何も生んでこないのですよ。ただボーリングの代金だかが犠牲になるのです。だめなものはだめなもので、プールのしようがないのですよ。プールのしようがないのだから、これを廃棄した。これは犠牲ですよ。その犠牲を、廃棄した後の何十パーセントかを、何ぼか出てきたものを、――それも実際上、ものになるかならないものもありますよ。あるいは生産価値を生むか、あるいはこれを生産しても、コストをまかなうようになるかどうかもわからない、とにかく何かあった程度のものがあるでしょう。それから企業化し得る条件のものも、その中にありましょうね。その企業化し得るもののみが、――ボーリングの結果出てよもののうちでも、しかも立地条件その他でも企業化し得るもののみが、問題になってくるわけですよ。しかしそうすると、企業化し得る共同鉱区としての認定が非常にめんどうになってくるわけですね。その半分以下の歩どまりのうちのものを六年間かかって償還するということになったら、これはどんな計算をしてみても、会社の経理が持てるはずがないでしょう。この計画は、その基本の考え方において間違いを一つ残しておりませんか。これは当初の十億円という出資計画の上に立って、こういう六年払いということの構想が生まれてくる。毎年毎年同じぐらい積み上げていくのですが、毎年据置期間がくるのです。これはたとえば、この事業が三年も五年も継続した場合は、これは三年も五年も持たないですよ十億という膨大なものがあれば、国の金ですから、少くともこれは五年間配当停止の金ですね。五年間配当停止するこの形だけでも、一年間完全にすれているわけですね。このままの二億の政府出資でいったとしても、五年間この部分については配当しないとしても、これは一年間据置ですからずれている。きょういろいろ相談をして附帯決議をつけようといっても、大蔵大臣政府も、自民党の諸君も、明年度の増資に対する確約が取り切れない。こういうことになりますと、一体資金計画会社の本来の資金との見合いが出てこない。そうするとわれわれは、社債を政府に保証させるとか、あるいは開発金融公庫の金を借りて、そしてお手伝いをしようと考えても、これは非常に不確定なものに対する利子補給、利子までしょってそして特定のものを援護する、しかもそれを援護してみても非常に不確定である。場合によると、当ったものはその分だけは非常によろしい、六年間のうちに高い所得を受けるという不合理な点が出てくる、こう認定するのですがね、いかがですか。
  68. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ただいまの渡邊先生のおっしゃることのうち、われわれはあくまでも当らないものも当るものも突っ込んで、この計算でやっているわけです。もちろんこれは全部損です。しかし当るものは幾らになるかわからぬわけです。当った方は、大体百万円の鉱区を持って、ボーリングをして三百メートルなら三百メートルをおろしてみると、それがあるいは五千万円になるかもしれない。あるいこの計算の根拠というものは出ないわけです。そこでわれわれとしては、もう一律に当るものも当たらないものも笑っ込んで、これは全部、書いてあるところの銘柄のものが、要するに受託手数料で入ってくるという計算をやったわけです。そしてこれは、六年間にその受託手数料会社の中に人ってきて、六年目でその収支が合うんだという計算をやつている。けれども実際問題として、初年度のときに一方は当らないかもしれない、一方当った方は鉱業権者と話をつけて、これは幾らに評価するんだ、これは八百万円に評価する、それならば会社の方は四百万円もらう、そのかわりあなたの方には四百万円あげます。そうすると、かりにこっちで百五十万円損をししてみても、会社は二百五十万円のもうけというものがその年度に出てくるわけです。しかしそれを一々具体的にやるということは、とうてい現在の状況ではできないから、会社のできるまでの一応の会社の目標計画としては、全部が受託手数料でこの会社の中に入ってくるのだ、しかし入ってくる期間というものは長いぞという意味で、六年という暫定期間を置いてこの資金繰りというものを立てた、こういうことでございます。
  69. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 同様のことは――ただいま共同探鉱の問題について意見を聞いたのですが、受託探鉱の場合においては三年払いということになっています。この三年払いというのは、受託を受けた価格の――私は受託探鉱の場合は即時払いだ、こういう理解の仕方をしてスタートしておったわけです。これはおおよそ、共同探鉱の場合とはその本質が違うのです。単なる商行為ですよ。共向探鉱の場合においては、その権利の一部をこちらが取得し、あるいは押えて仕事をするのですから、特定の犠牲を払うことは、これはあり得る場合も生ずるわけですね。けれども受託探鉱というものは、これが先ほどあなたの言う機械貸与の部分のうちの機械と技術者をつけてその期間、半月なら半月、三月なら三月の全部の営業費を含めた形において、ボーリングをおろすことを契約するのが受託探鉱です。受託探鉱というのは、自分鉱業権を持たないところを、依頼を受けて行う行為を受託探鉱といっているわけですからね。そうしますと、受託探鉱というのは単なる商行為ですよ。単なる商行為であるものに対して三年払いというのは、現在の経済上の常識でこういうことはあり得るのですか。中小炭鉱その他を一つ助けなければいかぬという趣旨はわかりますよ。しかしそういう趣旨よりも、今われわれが一番心配していますのは、国費をすぐ食いつぶしてしまわないかという、しかもこの受託探鉱というものの内容には、共同探鉱より危険な部分として問題になってきますのは、それは受託を受けて探鉱いたしても全然価値を生まない場合があり得る。そこで生まないものはどういう内容契約をいたしましても、たとえば不動産等を持っていないものは、差し押えをいたしても鼻血も出ないという結果が出てくるのですから、よりみじめな犠牲が会社に伴う。しかもたまさか出てきて、金を支払い得る、ボーリングをいたした結果に対してその報酬を支払い得る条件のものに対して、これは三年払いということは、どこの金で一体三年間会社を持ち続けようというお考えなんですか。
  70. 桑原幸信

    ○桑原説明員 受託の場合に三年払いというのは、原則に対するなんでございまして、別に全面的に三年払いを採用しようということではございません。それでもちろん、即金払いでその年度内に金のちょうだいできるものはそういう契約をいたしますし、それからどうしても三年払いでなければ困るというものについては、三年払いをやります。しかし延べ払いをする部分については、これは利息を付しますから、今渡邊委員の御心配のような点はございません。
  71. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 これはあらためて重大な問題になってきましたので、共同鉱区と委託鉱区の二つの部分については、共同鉱区の場合においては法律でございませんから、われわれはここでこの資金計画について改正するとか、修正するというわけにいきませんが、資金計画、業務方法の上において、これは根本的な条件を一つつけなければならなくなってきます。たとえば、受託の場合は三年間据置でいいということになっておる。これは最高のサービスをこういうものに表示をされる、こういうことは、資金のやり繰りを全部三年という計画でなければ、あとの資金計画事業計画が合わなくなってくるのですよ。そうすると、今あなたは最高の条件のサービスに三年というやつを出しているのですよ。これは特例でしょう。どうですか。やむを得ざる場合は三年でもいいという特例の場合と、普遍的に三年間全部そうしてやるのだという資金計画とは、基本的に会社経理は違いますよ。当然本来から言うと、保証金、予納金を積んでやるべきですよ。三分の一くらい着工資金、予納金を積むのが会社経済では当りまえです。予納金を積ませるのですか、積ませないでしょう。しかもこの予納金を積んだら、今の資金計画とは矛盾してくるでしょう。そうすると、予納金を積んでも、工事完了と同時に全額支払いというのは当然ですよ。こんなことをしたら、管庁が土建会社に工事を請け負わせるのも全部同じことになりますよ。これは、こういう特例として万やむを得ない場合は、いわゆる地下産業育成のためにやむを得ざる状況の場合においては、そのこともすることができ得るという規定ならば話はわかりますが、それを、特定の私有財産に対して、その権利取得者に対して、最高のサービスを事前に約束する。資金計画でそれを国費において保証するということは、これは非常な危険が伴う、こういうずさんな資金計画であるとすれば、これは業務方法書について、あらためて附帯決議で注文をつけ直さなければならぬ、これはどういうことか、明らかにしていただきたい。
  72. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それはあくまで試算の範囲を出ない計算でございます。この地下資源会社というのは、今までの会社経営にないもので、これは先例として石油資源開発株式会社がありますけれども、実際先の見通しというものはよくわからぬわけです。そこでわれわれとしては、モデル計算といいますか、そういうものに立って一応立てたわけで、まことに渡邊元生のおっしゃる通りに、何も三年を原則にして、これに最高のサービスをするのだという考えは持っておりません。ただし、これによって地下資源関係会社ボーリングが大いに振興されれば、これはまた北海道地下資源開発という意味からいったら非常にプラスの面ではないか、こういうように考えております。
  73. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 受託探鉱の場合、提案者である政府の方は、五%の損耗率しか見ていないのですか。
  74. 桑原幸信

    ○桑原説明員 危険負担としては五%でございます。
  75. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 九十五%までは、依託探鉱の場合は全部金がとれるという計算ですか。
  76. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは相手の資産、信用を相当よく調査いたしまして、相当危険なものは、先ほど渡邊委員の御指摘のように前金をとるとか、いろいろな方法をもって、そういうような資金回収の危険を極力少くしてやりたい、こういう考えであります。
  77. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 危険率五%を見るとすると、九五%までは三年間払いという数字が出るのですよ。逆に言うと、五%の損耗率ということになると、九五%は三年間分割払いという膨大な犠牲がここに出てくるのですよ。これで会社の経理が持てますか。共同探鉱には現金収入がないのですよ。ようございますか。ボーリングしても、共同探鉱には現金収入はないのですから、そうすると、最も現金収入のあるべき委託探鉱の中の九五%までは三年間分割払いということであると、これはどういうことになるのです。(発言する者あり)
  78. 桑原幸信

    ○桑原説明員 これは会社は一番先に、契約のときに、大体二五%の現金をまずもらいます。そうしてあとの残りの七五%を、場合によっては分割払いの特典を認めてもいいのじゃないか、こういうことでございます。
  79. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 とにかくあなたの方で出している案がずさんであろうとなかろうと、それを土台にして法案を審議する以外に手はないのです。自民党の不規則発言は政府に同情して発言されているようですが、少くとも三億円の特殊会社を作るのに、これは諸君の説明を基礎にして判断する以外にないのだから、そしてそれが新会社に反映するのだから、従ってその点を明確に突っ込みますから、その点で一つ答弁して下さい。  資金計画のうちで、一年間の人件費が五千四十三万円ということになっております。そこだこれは管理費、ほとんど人件費ですね。この間、社長には十五万円やるという話が出たわけですが、重役というものは、法の規定で取締役は社長以下七名、監査役二名ということになっておりますが、一体このうちで常勤重役は何名ですか。総員常勤重役ですか。監査役のうちの一名は常務監査なのか、どういう構想でいくのか。構想でよろしいですから、その点……。
  80. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それはいわゆる石油資源開発その他の特殊会社等の例も勘案しまして今後きめたい、かように考えております。
  81. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 こういう特殊会社は、えてして大きな錯覚を持っておるのです。おとといの森委員の質問でこういう新しい事態が展開したのは、この国策会社が一年間のうちに、五千万円を上回る人件費を出すということが最大の問題であったわけです。私は、金額の問題その他については、ここでこまかに追及しようと思いませんが、考え方の上に一つはっきりしてもらわなければいけないのは、この会社は、今申しましたように非常に不確定財源の上に立って、不確定な事業計画資金計画の上に立たされておるわけです。東北開発株式会社のような、一応成績がよかろうと悪かろうと、長い歴史的な伝統を持ち、政府資金を相当投資し、政府の融資も受けているような会社で、渡邊社長は、十四万円であると去年の暮れ本委員会で、みずから言っているわけです。この国策会社とか特殊会社というものが、電源開発の総裁とか愛知公団の総裁と、虫めがねのようなこの会社の社長と観念を同列にして、全く不確実な、赤字を内包する危険のある会社がそれらの会社と同等な人件費、給与を出すということは、すでにそのことだけでも、国民に対して不誠実きわまる考え方だと思うのです。とにかく東北開発よりもより多い給与を払い、愛知公団や電源開発会社の総裁と同列の給与をとらなくちゃ出て来られない社長なら、私はやめてもらった方がいいと思う。これは社長ばかりではなく、他の役員にしても同様です。一体資金計画のうちでこういう不確定な、最も危険な部分があるにもかかわらず、そのうち資本金の五分の一を、一年度に人件費で消耗してしまう。そうして先ほどの監理官のお話によりますと、松澤委員の質問に対して、大体半年くらいボーリングができないという。できないという観念も、実はおかしいと思う。これも実は、現地の事情を知らぬ官僚的答弁であると思うのです。こんなことをしたら、北海道における業者は食っていけない。そんなばかな答弁をしておる。半年遊んで半年出るなら、社長の給与も、働かないのですから半額にすべきですよ。半年間仕事をしないという会社が、国家の最高の総理大臣級の、電源開発や何かの社長と同じくらいの給与です。半年も遊んでいるというような会社なら、やめたらいいでしょう。これはもう少し勉強してもらいたい。北海道におけるボーリング会社は二十三ある。これは自分のところで調査して、はっきり言っておる。冬遊んでいる会社は、北海道には一つもないですよ。そんな穀つぶしの会社は……。今そんな観念でこの会社がスタートしたら、またたく間に、一年間で食いつぶしてしまいますよ。冬場ほかに機械を貸与しますなんてとぼけた話は、まるっきり考え方がさか立ちしていますよ。そんなことで会社はできっこない。雪の中でやっているのですよ。やらなければ、北海道で食っていけますか。そんな甘い考え方では、北海道の産業は全部つぶれます。あれほどの雪の中で、同一条件の中において働いておる勤労者の犠牲の上において、片一方はそういう膨大な人件費で、資本金総額の五分の一を一年間で食いつぶすような管理費というものは、あり得ないと思います。これは十億、二十億、五十億の大会社対象にして考えるからこういう錯覚を起すのであって、会社の現実の経理について一昨日お話しになった十五万円というのは、試案であるか失言であったのか知りませんけれども、その失言は取り消します、――もう一ぺん会社の実情に即した考え方で、一つ監督官庁とも総合的に話し合うというところから、まずやっていただきたいと思います。
  82. 中平榮利

    中平政府委員 ただいま渡邊委員の御質問で、私の名前が出ましたのでお答えいたします。一昨日でございましたか、この委員会におきまして、社長の給料をどのくらい出すかという御質問がありましたときに、十五万円という言葉は口にいたしましたが、私は十五万円にきめましたというふうに申し上げたつもりはないのであります。ただその際私の申した趣旨は、大体ほかの類似の会社ともにらみ合せて適当な給料を出したい、十五万円くらいが適当であろうというふうにお答えしたのでございますが、なぜ十五万円と言ったかと申しますと、これは総理大臣の給料より多いとか少いとか、そういうようなことを考えたのではありませんで、この会社を作ります際、北海道開発審議会とか、あるいはそでれに基く小委員会でいろいろ審議いたしまして、会社にした方がいいか公団にした方がいいか、それとも政府直営でやった方がいいか、いろいろ議論をしたのでございますが、その際一つの議論といたしまして、政府直営でやる場合、あるいは公団でやる場合には、どうしても給料が安いのでいい人が集まらない。従って、なかなかいい仕事ができない。いっそのこと会社にしてしまえば、給料の点では少くともある程度のものが出せる。そうすれば優秀な人に来ていただけるということで、少くとも役人より多い給料を出したいということを考えたわけであります。従って十五万円がいいか、あるいは十万円がいいかということは議論の分れるところでございまして、実際にきめる際には、慎重に相談いたしましてきめたいと思うのでございますが、何と申しましても、とにかくいい給料を出さないといい人が来てくれない。これは渡邊先生十分御承知の上でおっしゃっていることと思いますが、その意味で相当の給料を出したいということを考えたわけでありまして、社長だけ高給で、下の方には低い給料を出していいというわけではありません。従って一人当りの人件費、これは経費を含めて単価として十五万円を見ておる。これは現在の役人の給料から見ますと、非常な高給とわれわれは考えますが、一般会社を経営しておられます方、並びにその従業員から見ますと、私はそう高い給料ではないと思います。そういう意味で優秀な人に来てもらいたいというのが念願でございます。従って一昨日も申し上げましたが、社長が専任の方に来ていただくか、あるいは現職の有力なマイニングあるいはボーリングに対する認識と経験を持っておる方に来ていただくかきまっておりませんので、かりに専任の社長が来ましたらということを申し上げたわけでありまして、この会社として社長の給料を十五万円といたしましても百八十万円、それから自動車代とか交際費とかいろいろ要りますが、それを全部この会社が出すということになるかどうかはこれからの話合いでございまして、何とも言えないわけでありますが、社長を含めまして、重役が専任になっていただく場合には五千四十三万円、これだけの金が要るというわけでその最高額を出したのでございまして、予算に五千万円あるから、五千万円使ってしまえ、飲んでしまえというつもりであげてあるわけじゃございません。これは、私が申し上げるまでもなく渡邊委員よく御承知でございましょうが、そういう意味でやってあるわけでございまして、従って私たちは、ずさんだというふうには考えていないわけでございます。  それから冬季十二月から六月まで六カ月遊ばせる、そんなばかなことはないというお話でございますが、私は今までそういうふうなことを申し上げたことはないのでございまして、先ほど竹谷委員の御質問がございましたときにお答えをしましたのは、冬非常に寒いとか、あるいは雪が積って仕事ができない場合があるかもしれない、そういった場合には遊ばせるわけにもいかないので、その機械をほかの方に回したいということを申し上げた次第でございます。六カ月遊ぶということはもちろん考えていないのでありまして、その間機械を貸すということも一つ事業でございましょうし、あるいは冬季の間、大いに機械の整備をするという仕事もございましょうし、あるいはもっと大きく地下資源全体について、北海道のみならず日本全体でもよろしゅうございますが、地下資源の問題について真剣に取り組んで調査し、あるいは勉強をするということも仕事だと思いますので、六カ月間まるで何もしない、従って十五万円給料を出すのは、実際は三十万円出すのと同じだというふうには私どもは思っておりませんので、その点御了承願いたいと思います。
  83. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 質疑を続けるに当って委員長に希望しておきます。きょうは、本案については何時間かかろうと質疑を終えるというお互いの約束の上に立っておるわけで、しかも三時半に石井国務大臣が出席をするという最初からのことでもあったし、関連の大蔵省の方も出てもらう。その方の質疑をまだ竹谷委員は保留いたしておるという状態ですから、特に委員長から、一つ大臣が出席をされるようにお手配をしていただきたいと思います。  なお質問を継続いたします。一体この会社の技術陣はどういうように――この会社はもう技術者中心の会社ですから、技術陣の手配をどうなさるのか。一つこの関係について、一応構相を述べていただきたいと思います。
  84. 中平榮利

    中平政府委員 御指摘の通りこの会社は、実際は技術者が中心になって仕事をしてもらわなければならないことになりますのでいろいろ考えておりますが、まず社長がどなたになりますか、それによってもだいぶ変ってくると思いますが、かりに社長が技術畑の人でございますと、今度は事業計画とか資金計画その他の方にも相当重点を置かないといけませんので、そういう意味の有力者に取締役になっていただきたい。もし社長が事務家でございましたら、取締役の方には技術をよく御存じの方に多くなっていただきたいというふうに考えておりまして、技術重役何名とか、あるいは事務重役何名というふうに、はっきり割り切って考えてるわけじゃございません。重役はそういうことでございますが、重役でない実際の仕事をされる人に問題があります。この会社を作りまして、すぐ募集して技術者を集めるといってもこれは早々の役に立ちませんので、さしあたりは重役のメンバーによって非常に内容が変ってくるわけでございますが、それぞれ現在仕事をしておられます民間会社にお願いいたしまして、さしあたりは人を貸していただくということでなければ、実際問題としては動かないのじゃないかと思います。現在勤めておられます会社をやめてきてくれといいましても、実際問題としてなかなかむずかしいと思いますので、責任者並びに第一線に立つ方々は、他の会社から来ていただく。そしてある年限を切りまして、それが終りますとまた帰っていただく、あるいは交代していただくということになると思います。それから新規採用いたしました者その他につきましては、そういった経験のある方々に教えていただく。そのためには研修会も開きまして、これは研修所も実は作りたいと思いますが、技術の研修は十分やりたいと考えております。
  85. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 また一つおかしなことを申したのですが、そうすると、膨大な五千四十三万円という人件費は、専従の技術者を含めておるからこう高いのかと想像しておりましたら、技術者は借りるということになりますと、これはどういうことになるのですか。借りるということになりますと、これはまたこの上、金がかかるのですか。
  86. 中平榮利

    中平政府委員 借りると申しましたのは、自己弁当と申しますか、その会社が人間だけ借りて仕事をさせるというわけじゃありませんので、来ていただいた場合には、この会社の職員となって給料は会社が払うわけでございます。そういう意味で借りると申したのであります。ただ借りると言ったのは、ある年限を切りまして、二年とか三年とか仕事をしていただいたら、もとの古巣に帰りたいという人が多いと思いますので、そういう方はもとの会社に帰られることになる、従ってそういうのを借りると申したのであります。
  87. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 そうすると、この会社は非常に腰かけの会社になるわけです。非常に安心して会社を盛り立てるという構想が出てこないし、継続的に仕事をしていくということが出てこない。機構が人を動かす場合もあり得るから、その点は非常に不安定きわまる人事構成の上に立って会社を進めていく。一体今日、技術者はどのくらいいると思っておりますか。こういうボーリング、この種の鉱層とか地質調査とか、あるいは探鉱――ことにこれはボーリング会社ですから、探鉱が中心です。そういう点において、一体会社目的としている技術者がどのくらい世間にいて、この会社はそういう技術管理をなし、技術指導をする者は何人必要だと考えておりますか。
  88. 中平榮利

    中平政府委員 ただいまのお話では、私の申しましたような構想でやると腰かけになってしまうというお話ですが、悪い言葉で言えばそういうことかもしれませんが、結局来ては帰り、来ては帰りして、あと何も残らいということじゃございませんで、もちろん会社独自の職員と申しますか、ずっとやめずに勤める技術者も採用するわけでありまして、あるいは経験者がおってくれればけっこうでありますが、経験がなければ経験のない人でも雇いまして、よそから来ていただきました他の会社の人に十分教えていただく。そうしてだんだん会社の内部に、自己の技術に習熟した者が出てくるということになりますと、将来におきましては、別に他の会社から人の面で御援助いただかなくてもやっていけるようには、いずれなると思います。そういうことにしたいと思います。  それから第二番の技術者の数をどのくらいと考えておるかということでございますが、現在の石炭会社とか、あるいはマイニング会社は非常に数多くありまして、大体大どころは御自分探鉱設備を持っさおり、また技師も持っておりまして、それが何人いるかということはわかりませんけれども、少くともこの会社で働いていただく人をお借りするために、必要なくらいの人聞は十分おるのじゃないかと考えております。
  89. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 私は関連質問でここまでしゃべっておるのですが、しかしただいま松澤委員のお話だと石井長官が見えられないということですから、もし石井長官が見えられないと、明日上げるといっても一応石井長官に関する質疑だけは、きょう来られない場合はここであらかじめ保留をしておくということを条件にして、審議を進めさしていただきたいと思います。  それで関連質問の関連を継続いたしますが、その資金計画のうち、設備支出として二億百九十九万円という資金が見積られておる。この設備支出というものは、資金計画のうちの最大の金額、がここに盛られておりますが、この設備支出の内訓を明らかにしていただきたいと思います。
  90. 桑原幸信

    ○桑原説明員 三億五千万円の設備支出費は何か、こういう御質問だったと思いますが、これは探鉱機械その他の設備の購入費でございます。三億円の場合の方は設備支出が二億百九十九万円でありますが、これは探鉱機械その他でございます。
  91. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 その探鉱機械というのは、どういう種類のものを買うのですか。種類、価格一つ示して下さい。
  92. 桑原幸信

    ○桑原説明員 御説明申し上げます。石炭のものは、八百メートルのもので一台が千三百八十万円、これが十三台、それから非金層が百五十メートルのもので、一台当りが百八十五万円が二台、それから金属の場合、三百メートルのもので四百四十七万円のものが二十台、それから天然ガスの場合は千メートルの基準の機械でございまして、千五百万円、一台、そのほか物理探鉱機といたしまして弾性波式のもので一台百八十万円、電気式のもので三十五万円、三台、そのほかに設備支出といたしましては、工作場、倉庫、車庫、土地、職員住宅等を計上してございます。
  93. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 現在、日本で試錐機械を製造している今社は大体限られているのです。外国から輸入するか、国内では大体利根ボーリングとか、鉱研工業とか、大和ボーリングとかいうメーカーにきまっているのですが、そこで機械購入その他についてすでにいろいろな話を聞いておりますので、特定のメーカーだけを指示するということのないように、この点は一つ十分全体の機械の性能やその他に応じて――特定の条件にたちますといろいろな問間が出て参りますので、私は専門でありませんから機械の内容はわかりませんが、そういう点について、十分一つ配慮をして危険の伴わないように、慎重を期してほしいことを希望しておきます。
  94. 亘四郎

    亘委員長 森君。
  95. 森三樹二

    ○森(三)委員 私はずっと質問を聞いておったわけですが、事業計画の面におきまして、説明員の御答弁を聞いていると非常に不確定要素が多いわけです。北海道あたりでは三井その他が炭鉱をやっておりますが、そうした場合においては、とにかく出ても出なくても一つの請負契約が締結されて、仕事をやったものに対しては一応金を払うという建前でやっているわけです。ところが今の本会社ができた場合、初めから金を――さっきの話を聞きますと、着工金を二五%くらいとる、あとは非常に緩慢な三年払いというような構想がありましょう。しかし仕事の量からいって、仕事がちゃんとはっきりできるならば、この会社に対して探鉱の注文というか、仕事の量というものは相当ふえてくると思う。そういう場合に、一つ利益考えている会社が、代金の支払いについてあえてこういうような緩慢な方法をとる必要はどこにあるか、その根本的な方針をお聞きしたい。
  96. 桑原幸信

    ○桑原説明員 森委員のおっしゃることはごもっともでございますが、結局大きな会社にしても、大きな金を一ぺんに払ってしまえば、一本のボーリングだけしかできない。それだけれども、かりに資金回収のめどもあり、また資産、信用も十分確かだという場合に、それを三年ないし二年の延べ払いにすれば、一本の金でボーリングの本数がふえる。一本掘っただけではその地区の地下資源賦存状況はわからないけれども、一ぺんに十本か二十本掘ってしまえば、相当金はかかるけれどもそこの賦存状況がわかるということになって、会社にとって非常に利益である。しかも早い年度内に地下資源状況がわかる。その場合に、一ぺんに一億五千万円だの三千万円だの払えない。これが二年なり三年払いになれば、そういう金がこなしていけるという点に非常に利益がある。これは個人にとっても利益がありますけれども、国から見てもボーリングを促進するという意味からいって、非常に利益が上るのではないかというふうに考えております。
  97. 森三樹二

    ○森(三)委員 それはつまりボーリング委託をする方から見れば、なるほど今の御説明のように大へんいいことですね。しかしまた、探鉱してもらう資金量のあるものについてまで、あえてそういう方法をとらなくてもいいと思う。会社は相当資金つがあり、現在も自己資金でやっているのですから、自己資金でまかなえるものに対してもそういう恩典を与える必要はなかろう。むしろ中小炭鉱のやりたくてもやれないところに、そういう恩典を回してやる必要があるのではないですか。だから私は、原則として今あなたが説明したような方針を立てることはどうかと思う私はそこが肝心なところだと思います。実際そういうこをやらずに、中小炭鉱の方に回してやる。やりたくてやりたくてたまらないけれども資金がない、そういうところがたくさんあるでしょうそういう面を考慮してやることがむしろ必要ではないかと思いますが、いかがですか。
  98. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ごもっともなことでございまして、すべて大企業たると中小たるとを問わず、ケース・バイ・ケースでやっていきたいというように考えております。
  99. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうしますと、払はまた基本的な問題をお聞きするのですが、つまり大手の炭鉱というのが北海道の場合たくさんある。従来そういうものは自己の資本でやっている。中小の炭鉱はやりたくてもやれないという始末ですね。その割り振りといいますか、たとえば一年間に、先ほど言ったようにボーリングを何本やるという計画を立てましょう、そうすると大手に対しては何本、中小に対しては何本という、そういう計画というものはお立てになっておられますか。これも大事な点じゃないかと思うのです。
  100. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは会社の運営面に立ち入るものですから、会社の経営者を信頼して、今森委員の言われたような適正な運営をやっていただく、こういうふうに考えております。
  101. 森三樹二

    ○森(三)委員 それは会社を設立しまして、会社の運営の衝に当る者に、そういう計画を立ててもらうというお話もわかるようですが、しかし事業計画とか資金の面については、相当この委員会においては、将来を考えまして質問が行われておるのであります。この委員会でもってコンクリートしたものが、その会社の基本方針になることも明らかです。私がせんだって質問したように、たとえば会社の社長以下職員の給与とか、あるいはまた職員の数とか、そういうものもここでもっ答弁されたわけですね。そういうような詳細な職員の数までも調べてあるのですから、今のような基本的な探鉱の方針というものが、この委員会において、ある程度はっきりしなければならぬのではないか。また計画を立てられたあなた方としても、大体大手のものは何%やる、中に対して、あるいは小に対しては一〇〇%のうら幾らやるというパーセンテージはお考えになっておるだろうと思うのですが、これは桑原さん必要じゃないですか。つまり事業量の配分の基本となる問題ですから、これは今一応お考えになっておられないとするならば、やはりお考えを今後十分練っていただく必要があると思うのですが。
  102. 桑原幸信

    ○桑原説明員 できるだけ御趣旨に沿うように努めたいと思います。
  103. 森三樹二

    ○森(三)委員 それじゃ、とにかくあなたがそこまで計画をお立てになっておられないとするならば、ぜひ立ててやっていただきたいと思います。  それから非常に疑問を持っておりましたが、先ほど渡邊委員からも質問がありましたのですが、技術面、これについていろいろ説明を聞くと、個人会社から必要な技術者を一応雇い入れる、また職員になってもらうというような話があった。そこで私は先ほどから考えておりましたが、現在北海道においては三井建設その他の大手の者が探鉱をやっています。そういうものに対する下請なんということは、あり得るかどうか疑問があると思うのです。この今社はみずから自主的に探鉱する会社であるが、その場合に、自己の仕事の量が多く、非常に手が少くなってくる、あるいは仕事ができないような場合に、つまりそういう大手の探鉱会社、現在やっておる会社に下請といいますか、この会社が中間に入って探鉱をやらすというようなこと、そういうような事態も非常に便利な場合があるのじゃないかと思うのですが、しかし、この八条の条文そのものからいけば、この会社自体が探鉱するというようになっておるのであって、これをまた下請けさすということは書いてありませんけれども、しかしそれも考えておるのかどうか、一応お尋ねしたいと思います。
  104. 桑原幸信

    ○桑原説明員 既存ボーリング会社のうちで非常に優秀なものがあり、かつ会社資金量、仕事量に余裕があり、また事業家の非常に多いというような場合には、一部委託考えております。
  105. 森三樹二

    ○森(三)委員 私はそこに非常に疑問を持っておったのだが、今の御答弁によって、仕事が非常にふえたような場合、また性質が委託を必要とするような場合には、委託をするというような場合があり得るというように聞いたのですが、これは非常に大事な問題だと思うのです。そうなると、そういうような場合には、たとえば五千万円でもって本法案地下資源会社仕事を引き受け、これをさらにマージンとか何とかいうものも見込ん下請にやらせることは、本法案の第八条に「前二号に附帯する事業」とありますね、この中に入るのですか。つまり五千万円で探鉱事業をこの今社は引き受けた、この五千万円で引き受けたものを五千五百万円で下請にやらせるとか、あるいは四千五百万円でやらして、五百方円なら五百万円のマージンを取るというようなことになってくるわけですが、一方営利会社の性質を帯びていますからね、だから五千万円でもって探鉱をする契約を結んで、一割なら一割のマージンを取るというようなことも考えられるのですが、それはこの第八条一項三号の「前二号に附帯する事業」のうちに入るのかどうか。
  106. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今のボーリング委託する場合は附帯事業には入りませんで、一号、二号の中に入るわけです。必ずしもこの一号、二号は会社みつからがるやということを書いてあるわけではないのでありまして、「探鉱」及び「委託に基く探鉱」こういうように書いてあるわけであります。  それからただいま森委員の、マージンを取っやるかどうかという点につきましては、これは会社が直接相手会社に対して、委託を受けた会社、別のボーリング会社でない方の、鉱山会社の方の委託を受けた会社に、会社が責任を持ってやらせるのでございますから、危険負担はこの地下資源開発会社が負わなければなりませんので、うちの方の会社の所定値段で引き受けてくれる業者に仕事を請け負わせる、そうなればそこに幾らかのマージンと申しますか、そういうものは出てくるということも当然考えられると思います。
  107. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうしますと、幾らかのマージンというものを見込むことによって、本会社利益を上げるというような考えに立つわけですか。この会社は国策会社、でもあるが、反面において営利目的とした利益配当ということも書いてありますね。そうしますと下請けさすことによってマージンを取得する、それは一つ利益となって出てくるわけですが、それはこの会社目的になっているのですか。
  108. 桑原幸信

    ○桑原説明員 先ほど申し上げましたように、委託するということは原則でございませんので、あくまでも例外でございます。そこで先ほど申し上げましたように、地下資源開発会社はみずからが危険負担をしなければなりませんので、もし委託した先のボーリング会社が失敗するというような場合は、これは地下資源開発会社の資任に帰するわけでありますから、マージンと考えると語弊がございますが、そういうような危険負担も見込んだ請負価額で請け負わせるというように考えております。
  109. 森三樹二

    ○森(三)委員 それから機械も相当買うわけですが、機械を貸与した場合、賃貸料というような問題が起きます。先ほど北海道の方に安く貸すというようなお話があったが、機械を貸すというようなことは、「前二号に附帯する事業」に入るのですかどうですか。この「前二号に附帯する事業」ということをよく説明してもらいたい。
  110. 桑原幸信

    ○桑原説明員 前二号の附帯事業というのは、これはたとえば修理工場を持つとか、あるいは技術の養成所を作るというようなものが、前二号に附帯する事業でございます。それから機械貸与の事業は二項の方でございます。
  111. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうしますと、前二号に附帯する事業というのは修理工場と技術養成所、この二つの非常に小さな部面ですか。
  112. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今技術養成と申し上げましたが、技術の相談でございますね。それから、たとえばこの会社ボーリングをやっている場合に鉱石が出た、この会社は採掘して販売することはできませんが、そういう場合に鉱石が出てきったものを販売することも、この附帯事業に含まれるというように解釈しております。
  113. 森三樹二

    ○森(三)委員 鉱石が出てきた場合に販売するというのは、受託して、ボーリングして事業にかかったような場合でしょう。事業にかかって、そして試掘というか採掘というか、その場合石炭なら石出炭が出てきでた場合、その石炭ボーリング代金の一部としてもらったというような場合ですか。あるいはその会社石炭販売会社のような形になるのですか。その辺はどうですか。ある一面からいくと、前二号に附帯する事業というと石炭販売会社のまねといいますか、それではよそで掘った石炭を買ってきて、これ大阪とか東京とか、そういう方面に販売する石炭販売会社のような格好になる場合があるのではないですか。
  114. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今包括的に販売ができると申し上げたのは、単独鉱業権を持ってボーリングをした場合に、鉱石を掘り出して、かりに当ったという場合の鉱石は販売できる……。
  115. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 関連、単独鉱業権というのはどういうことですか。
  116. 桑原幸信

    ○桑原説明員 単独鉱業権と申しますのは、共同鉱業権でもなく、自分みずからが鉱区を発見して鉱業権を設定した場合です。ほとんど現在では考えられませんけれども、そういう場合があった場合はそういうことが考えられる、こういう意味でございます。
  117. 森三樹二

    ○森(三)委員 今の説明によると、つまりこの会社が石炎販売会社のような仕事もやろうと思えば、できるわけですね。たとえば自分の掘った石炭を売却する。自分で掘れば売却せざるを得ないのですね。一般消費者に売るとか、営利会社に販売しなければならぬ。さらにこの会社が、よそで掘った石炭までも買って販売するというようなこともあるいは考えておるのか、その辺もはっきりけじめをつけてもらわなければならぬと思う。
  118. 桑原幸信

    ○桑原説明員 森委員の後段のようなことは、全然考えておりません。また鉱石の販売というのは、結局探鉱に伴ってボーリングをしたときに出てきた石炭、それだけを捨ててしまうのはもったいないから販売する、こういう意味で申し上げたのです。そのあとでその鉱業権をいかに評価して、その他の鉱業権者なりその他の鉱山会社に売るというのが、その会社建前でございます。
  119. 森三樹二

    ○森(三)委員 僕らはしろうとでわからないが、ボーリングをしたときに石炭が出てくるというのはおかしい。この会社鉱業権を取得した場合には、ボーリングでなく、試掘とか採掘とか、本格的な仕事をした場合をいうのじゃないのですか。そこをはっきりしてもらわなければいかぬ。
  120. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今の説明で、石炭と申し上げたのは非常にまずかったのでございまして、これは天然ガスがぱっと吹き出るというような場合に、天然ガスを販売するということが附帯事業として考えられる場合が多いので、何も石炭を掘ってこの会社はいい鉱区を見つけた、それを売るということがこの会社の本来の目的ではないし、またこれを絶対やろうということは考えておりません。誤解を招きましたら、説明が悪かったということで御了承願います。
  121. 森三樹二

    ○森(三)委員 前二号に附帯する事業というものは非常に範囲が狭いようですが、これは厳格に解釈しておいた方がいい。今あなたが言われたように、説明する人がときどき疑問が起きたり、解釈が拡張されたりするのですから、非常に厳格に解釈しなければいけない。  それから、あなたはさっき技術の相談とおっしゃいましたね。もっと言葉をかえて言えば、鑑定ということも一つの大きな仕事だと思う。あるいは設計というようなことも大きな仕事だと思う。相談と言うと非常にばく然としていて、企業全体が採算に乗るか乗らないかということなんでしょうが、しかし、その基礎をなすものは鑑定とか、設計とか、そういうことになってくるのじゃないか。ここをもう少し精密に御答弁願いたい。
  122. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今の点は森委員のおっしゃる通りでございまして、探鉱に伴う技術の相談というようなことはやります。しかしながら、ここへ鉱業会社を設立するとか鉱業所を設立するための設計をするなどの相談は、この会社ではやりません。それから鑑定というようなことは、当然この会社の職務として入るものと考えております。
  123. 森三樹二

    ○森(三)委員 探鉱に入る前の調査というものがありますね。探鉱に値いするかどうかということは、調査することがあるのでしょう。これも入るかどうか。
  124. 桑原幸信

    ○桑原説明員 それは当然入ります。
  125. 森三樹二

    ○森(三)委員 前二号に附帯する事業というものについて大体のアウトラインをお聞きしたのですが、今後この範囲というものを相当厳密に御検討願わなければ、紛争の種が起るのではないか。さっき技術の養成と言われのたを相談というようなことに言いかえられたのですが、これも必要なことではなかろうか。一度取り消したのだが、りっぱな技術者を養成する必要はあると思うのです。この点、どうですか。
  126. 桑原幸信

    ○桑原説明員 探鉱用の技術員を全体的に養成してくれという要望はボーリング会社からは強いのですが、現在この会社がそこまで考えるのは、少し大それておるのではないか。さしあたりこの会社に必要な技工の養成は考えておる、こういうことであります。
  127. 森三樹二

    ○森(三)委員 それから機械を購入する資金ですが、機械を購入したあかつきにおいては、その機械の配分をどのように考えておるか、一応御説明を承わりたい。
  128. 桑原幸信

    ○桑原説明員 現在、この資金計画考えております事業量の配分について申し上げますと、石炭鉱の場合には延べ延長一万二千メートル、この場合には、機械を十三台購入いたさなければならぬ。それから金属鉱業の場合には、延べが一万三千五百メートルでございますので、機械が二十台、それから非金属の場合は、延べが千五百メートルでございますので、機械は二台、それから天然ガスの場合は、延べの量が千メートルでございますので、機械が一台、こういうように配分を考えております。
  129. 森三樹二

    ○森(三)委員 私、この一問でまた竹谷委員の方に譲りますが、質問をしているといろいろ疑問が起きるわけです。第十一条の2に、「会社は、鉱業権を放棄し、又は採掘権に抵当権を設定しようとするときは、主務大臣認可を受けなければならない。」とありますね。この抵当権の設定は、会社が持っておるところの採掘権を、金を借りるつために債権者に抵当権を設定する、私はそういう意味だろうと思うのです。たとえば、それ以外にボーリングならボーリングする場合、一応大事をとって、そのボーリングをしようとする鉱山鉱業権会社が取得するというようなことまで、これを拡張して解釈しているのかどうか。この条文からだけでは、そこまでいけないんじゃないかと思うのです。払は、そういうこともあり得るんじゃないかと思う。大事をとって、その鉱業権――何もない、この山だけしかないという場合、この山の鉱業権を、つまり共同の鉱業権あるいは抵当権をこの会社が取得するというような場合、――しかし私は、この条文だけでは、そうはなかなかいかぬだろうと思うのですよ。抵当権設定というのは、むしろ会社が責務者になる場合を規定したものだと思うのですが、この点どうですか。
  130. 桑原幸信

    ○桑原説明員 ただいまの森妄言員の御指摘のように、会社が、他の会社鉱業権に対して抵当権を設定するということは、当然あり得ると思います。
  131. 森三樹二

    ○森(三)委員 あり得るのはいいけれども、この条文に入るかどうかということです。入らないとするなら――あなた、別な条文がなかったら、そんな勝手な解釈はできないですよ。これは自分が抵当権をつける場合だけを書いておいて、自分が抵当権を取得する場合のことを書かなければ、これはできないですよ。桑正原さん、そう簡単な答弁ではだめだ。
  132. 桑原幸信

    ○桑原説明員 今の点は、普通の民法上の契約によって、できるわけであります。
  133. 森三樹二

    ○森(三)委員 幾多いろいろお聞きしたいことがあるのですけれども、また後日に……。(「きょうで終わりだよ」と呼ぶ者あり)一応私の質問はこれでもって終ります。
  134. 竹谷源太郎

    竹谷委員 大蔵省が来るの待つために、関連々々ということで、二時間以上持たされたのです。五時まで十五分しかないので、これはまた留保しなければならぬかもしれませんが、お尋ねしたいのは、一昨日の本委員会で、石井北海道開発庁長は、政府出資を二億、それから民間から一億出資、三億では足りない、もう二億を北海道東北開発公庫から融資を受けて五億で事業をやりたい。こういう話であり、これに対して大蔵大臣も、また、そういうふうにやろうというような答弁でありました。そこで北海道地下資源開発株式会社に対しまして、政府は一方において二億の投資をする、それに加えて、なお二億の資金の融資をやる、国家資金の融資をする、こういうことに相なっておる。だから、投融資を二重にやってもいいということになるわけなんです。そうなると、一方において中小企業金融公庫なり、農林漁業金融公庫から半分金融を受ける、他の半分は、北海道東北開発公庫からも借りてよろしい、こういうことになると思うが、そういうふうな貸付を受けてもいいか、お尋ねしたい。
  135. 鈴木秀雄

    ○鈴木説明員 前段の、北海道地下資源開発株式会社が海道東北開発公庫から借りるということをいたしますのは、法律上何らの制約がないということになっております。それからつ後段の、そういったオーバーラップの問題でございますが、現在そういった必要がないということを考えておりまして、またそういう金融機関同士の競合ということは望ましくないのではないか、こういうふうに考えております。
  136. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうしますと、地下資源開発株式会社に対して、政府は一方において国家予算をもって投資をする、投資とは違った今度は金融をやる、こういうのは金融の競合ではない、従って差しつかえない。しかるに、北海道東北開発公庫と、別の政府の金融機関から三重に金徹することは競合になって工合が悪い、――工合が悪いというのは、法律に禁止規定があるのでございますか。
  137. 鈴木秀雄

    ○鈴木説明員 工合が悪いということを、正式に書いた法律を私は存じておりませんが、ただ事柄の性質からいいまして、対象が異なるならば当然金融機関も異なるというのが、法律でいろいろな金融機関を作った趣旨ではないか、こういうふうに考えます。この点につきましては、私は理財局の資金課でございまして、銀行局ではございませんので間違っておるかもしれませんから、正確な御返事は一応留保しておきます。
  138. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうすると、理財局としては、国家資金を同じ対象に対して二重に、別々の金融機関なりその他を通じてやるということはおもしろくない、法律で禁止はしていないが、そういうことはやらない政府の方針だ、こういう御答弁かどうか、もう一ぺんお尋ねをしたい。
  139. 鈴木秀雄

    ○鈴木説明員 その通りでございます。
  140. 竹谷源太郎

    竹谷委員 最近新聞の伝えるところによると、鉄鋼と造船、これらの工業は非常に金詰まりで、資金が足らない。そこで長期信用銀行と興業銀行に政府資金――多分資金運用部資金であろうと思いますが、これもからっけつ、だいぶ減ってきておるようだが、これを百億ばかりこの二つの銀行に融資して、そこから鉄鋼業並びに造船工業に金融をするという方針が、資金審議会で決定を見たという報道がなされておる。私の知っているところでは、鉄鋼業と造船工業いはずれも開発銀行から――これもやはり政府の金融機関でありまして、その資金は、産業投資特別会計その他からも出ておりましょうが、大部分は資金運用部資金であろうと思う。同じ資金運用部資金の金が、違った金であっても同じ政府の金が、一方において開発銀行を通じて鉄鋼なり、造船工業に流れている。同じ対象に対して、今度は別の銀行を通じてまた流してやる。これは二重の金融になると思う。そうだとすると、今あなたのおっしゃるように、北海道東北開発公庫が、中小企業金融公庫なり農林漁業金融公庫を通じて貸付の対象となるところの中小企業に対しては、あるいは農林業に対しては、北海道東北開発公庫から金を出さないというのと、どうも筋が違ってくるように思われる。これはどうなっているのか、お答えを願いたい。
  141. 鈴木秀雄

    ○鈴木説明員 ただいま申し上げましたのは政府関係機関の金融機関相互間のことを申し上げましたので、たとえば中小企業につきましては中小企業金融公庫という政府機関がございます。別途商工中金のようなものもございまして、両方を通じて出している。今度の船の不足資金につきましても、これは民間資金の還元という建前から興長銀債を引き受けるというようなことがございまして、政府関係機関を通じて二重にいくというものではざいませんで、一種の運用部資金の民間への還元ということでやっておるわけでございます。そこのところは全然割り切って違っている、こういうふうに考えております。
  142. 竹谷源太郎

    竹谷委員 あなたと議論してもしょうがないが、それは詭弁です。北海道東北開発公庫も民間から資金を集める、どっちも還元なんです。政府が固有に持っている金を出すなんということはない。税金は国民からとったのだし、その他のいろいろな方法手段で政府資金を吸収しておる。政府から資金が出ていくので、それは同じことなんです。これは政府言い方がちょっとおかしいのです。それは必要な金は出してよろしいのだが、別々の日から、同じところに競合してはならぬというような原則はあり得ない。開発銀行と、資金運用部の金百億を長期信用並びに興業銀行を通じて貸すのも、内容的には同じなんです。貸し付ける機関が、一方の開発銀行は政府機関の金融機関であり、長銀、興銀は特殊銀行であって、民間会社といえば民間会社であるが、その貸し出す金は同じ政府資金が出ていくのです。だから北海道東北開発公庫と中小企業金融公庫、あるいは商工中金は政府機関に直接にはなっておるが、流れるその金は同じものなんですよ。だからそれは詭弁なんです。あなたにこういうことを言ってもしょうがないが、政府自分の都合によっては、二重の道を通じて競合的な政府資金の金融をやる、出したくないところには競合は困るといって、北海道東北地方の中小企業や農林漁業はその方の専門である中小企業金融公庫やあるいは商工中金、農林漁業金融公庫等の対象になっておるのだから、現実にはこれらの中小企業金融公庫や農林漁業金融公庫から借りておらなくても、中小企業はほかの東北開発金融公庫から借りられないというふうにして、北海道東北開発公庫の金融をとめてしまっている。一方の鉄鋼業やあるいは造船工業のような大企業の仕事に対しては、金が足らなければ現に開発銀行からたくさんの資金がいっておる。そのほかに、今度は資格があるだけでなく現実に借り受けているのに、二重に長銀、興銀を通じてまた出す。こういうことをするくらいなら初めから開発銀行の資金を回して、そこから出せばいい。ところが興銀や長銀は民間銀行だ、政府関係金融機関ではないというので、そっちから流してやる。これは非常におかしいのですね。そんなことを言わないで、必要があれば北海道東北開発公庫もまた中小企業に貸し出しができるというふうにすっきりした態度をとって、中小企業を虐待するような、そういう方針はやめてもらいたい。これはどうでございますか。
  143. 鈴木秀雄

    ○鈴木説明員 ただいまの問題は、私さっき法律上そういうことが競合できるようなお話をいたしましたが、今法律を持ってきておらないのでございますけれども、たしか北海道東北開発公庫におきましては一千万円以下の中小企業者に対しては貸せないということになっておりまして、これは法律の問題でございまして行政問題ではないのであります。要するに、政府関係機関の業務分野の問題でございまして、開銀と北海道東北開発公庫、あるいは中小企業金融公庫、いずれも別の目的を持って作られております。それらが競合するということは、いろいろな関係でおかしいのではないか、こういうように考えます。
  144. 竹谷源太郎

    竹谷委員 この問題は大きい問題でございまして、これは大蔵委員会等でまた大蔵大臣にお尋ねすることにいたしまして、これに関してはこれで打ち切ります。
  145. 亘四郎

    亘委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 亘四郎

    亘委員長 御異議なしと認め、質疑は終了いたしました。
  147. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 この重要法案質疑を打ち切って明日討論、採決をして本会議に上程するに当りまして、特に委員長及び関係各省大臣以下に一つ希望を申し述べておきます。この際私がそれを申し上げますのは、第二十四国会以来、長期にわたりまして継続審議をしたままになっておりました北海道開発庁設置法が、大臣、政務次官等の努力で手続を済みまして、この問題が一応処理がついたわけでございますが、今国会に提出されました地下資源開発法案もいよいよ明日通るということになっております。そういたしますと、最後に残された問題はただ一つ北海道に在勤する者に支給される石炭手当等に対する所得税の特例に関する法律案が、二十四国会以来継続されておるわけであります。これはもともと社会党側から議員立法として提案をいたしておるのでありますが、これを提案いたしました当時の事情といたしましては、自民党の諸君とも十分話し合いの上で、当時の状態において両党共同提案もしくは政府提出ということの条件には欠ける、しかし出すべき必要のあるものだからこの際一つ社会党側で単独で出してくれ、機会を見てこれをやるようにしよう、形のない議論では困るからこの際出しておいてくれという基本了解の上で出したものであります。それが実は五国会継続されたままに、最後にこれが残されたわけであります。御了承のように、いよいよ二十日前後を中心といたしまして、この国会は解散になるという重大なときにぶつかっておるわけでありますが、先ほどの北海道開発庁設置法の撤回に当りまして、院の権威のためにも、院の審議権を全うするためにも、私どもは三年有余の議員生活の中で、最後にこの問題の処理をいたすべき当然の責任がある、こう信ずるのであります。いよいよ明日地下資源法案の通過するに当って、通過したからといって、これで終ったのだといって食い逃げをされたのでは、きわめて重大な問題になって参ります。そこで明日この法案が通過しても食い逃げをしないという前提で、明日委員会で採決後その翌日におきましても、大蔵大臣以下関係官僚の出席を求めましてその質疑を続行する、もし自民党がこれを、否決する用意と勇気があるならば、選挙の前に否決をして、事の次第を明らかにして堂々と対決したい、こう考えます。しかし賢明なる自民党諸君は、実は楽屋裏で、いろいろ松浦君も南條君も川村君も田中君も、北海道の諸君はみな一致いたしまして何とかこの問題の処理をいたしたいという、別途の構想も話し合っております。しかし、話合っておりましても実は話し合いの場がなくては問題の処理ができませんので、問題の処理のきっかけを作りますために、本法案が本院を通過した後、その翌日におきましても直ちに大蔵大臣の出席を求めましてこの問題の審議に入りますように、一つ委員長及び関係諸君の御了承を得たい。よろしく願います。
  148. 亘四郎

    亘委員長 了解いたしました。  討論採決は明四日午前十時より開会の委員会で行うこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時一分散会