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1958-03-28 第28回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十八日(金曜日)     午後三時四十一分開議  出席委員    委員長 亘  四郎君    理事 川村善八郎君 理事 松澤 雄藏君    理事 竹谷源太郎君 理事 渡辺 惣蔵君       田中 正巳君    南條 徳男君       林  唯義君    松浦周太郎君       井谷 正吉君    北山 愛郎君       小平  忠君    森 三樹二君  出席国務大臣         国 務 大 臣 石井光次郎君  出席政府委員         北海道開発政務         次官      福井 順一君         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  中平 榮利君     ————————————— 三月二十八日  委員芳賀貢君辞任につき、その補欠として森三  樹二君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  北海道地下資源開発株式会社法案内閣提出第  六〇号)      ————◇—————
  2. 亘四郎

    ○亘委員長 これより会議を開きます。  北海道地下資源開発株式会社法案議題とし、質疑を行います。質疑の通告があります。順次これを許します。小平君。
  3. 小平忠

    小平(忠)委員 北海道総合開発が国策として取り上げられまして、御承知のように第一次五カ年計画が三十一年度で終り、三十二年度は一応ブランクにはなったのでありますが、三十三年度を第二次五カ年計画の第一年度として発足をするという四月一日を目前に控えまして、この北海道地下資源開発株式会社法案なるものが政府提案という形において本委員会で審議されるということは、まことに私は意義深いものがあろうと思うのであります。と申しますのは、北海道開発の中で、地下資源調査地下資源開発は、未開発資源開発の見地から見るならば、私はきわめて重要なる役割を持っておると思うのであります。この地下資源開発について、北海道開発法が国会を通過して以来、特にこの問題は毎年々々強く官民一致した意見のもとに推進されてきたのでありますけれども、この地下資源開発については、予算編成その他の施策において遅々として進まなかったのであります。ところが、これが今回一つ開発法案として、内容は別といたしましても、このことを取り上げることについては、そういう意味から、きわめて意義深いものがあろうと思うのであります。  ところが、この問題について特に石井長官にお伺いいたしたいのは、この法案提出の経緯をいろいろ振り返ってみまするならば、この端緒は、北海道開発審議会答申に基いて、政府当局がこれに対していわゆる予算的措置や、あるいは立法措置をとるという段階に出たことでありますが、本来から言いますならば、地下資源開発地下資源調査等は、これは国の責任において国みずからが行うのが筋じゃなかろうかと思うのであります。そこで、これをただいま議題となっておりまする株式会社法案によったことについては、われわれ審議会におきましても、いろいろ審議したところでありますが、しかし、これについては現在とかくの批判があります。従って、私はまず冒頭石井長官から、地下資源開発、この地下資源調査なるものを株式会社によってやるんだというその基本的な態度について、長官の御所見をまず最初に承わりたいと思うのであります。
  4. 石井光次郎

    石井国務大臣 お話のようにこの地下資源開発会社は、年々論議されながら実現をしなかったのでございましたが、今度開発審議会の熱誠な御討議によって原案ができ、これによりまして私ども実現折衝に当ったのでございますけれども、第一番目に、お話のようにこれは国がやるべきものであって、民間資本を入れてやらすというのはおかしいんじゃないかという問題が論議された問題だったと思います。本来ならば、政府がどしどしこういうことをやっていくか、あるいは政府だけの力で公社的なものでも設けてやっていくかというようなことが、望ましいことであったかと思うのでございますが、この問題からだけ見ますと、わずかな金じゃないかということになりますけれども政府全体の国の財政をまかなうものからいたしますと、新規の仕事にはなかなか手を出してくれないので、だんだんそうしているうちに、一年たち、二年たち、時がたっていくばかりである。われわれは第二次五カ年計画を立てて、地下資源開発等にも力をいたそうという場合に、何としてもこれを実現させたいという熱意が皆さんにもあり、われわれにもありまして、そうして官民合同でやっていこう。民間もこれほど力を入れてくれるのだから、政府も力をいたさなければならぬ。そんなことは言いわけにも何にもならぬわけでございますけれども、実際問題としては、そういうことで、みんな官民一緒になってやろうじゃないかという心持にようやくなりまして、これが提出されたわけでございます。初めの計画と、資金の面において非常な隔たりが出てきたということ等が、第二の問題としては非常に遺憾なことでございましたが、とにかく地下資源開発のための単独法というものが、こういう形で出発をすることが、曲りなりにもできたということになるのでございまして、これによりまして北海道資源開発が幾らかでも前進することができれば、ありがたいことだと思い、われわれはそれに力を入れていきたい、こういうふうな考えを持っております。
  5. 小平忠

    小平(忠)委員 長官の御答弁では、株式会社によってやらなければならないというその理由が完全に明確であるとは、どうも申し上げにくいのでありますが、それでは具体的に伺います。今度の法案の第三条によりますと、「政府は、常時、会社発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式を保有していなければならない。」とありますが、大体この種の場合には——承知のように当初の審議会答申は、政府が九割、民間が一割というようなことにおいて、性格そのものは、いわゆる政府機関的な、あるいは公社的な性格を持ったものとすべきであるというのであったのが、それを株式会社によってやらなければならぬということになったことについて、やはりこの際長官の所信を明確に承わっておきたいと思うわけであります。こういうような性格から見て、何のために一体株式会社によらなければならぬのか、公社でもいいのではないか、あるいは政府みずからやっていいのではないか、政府が九割も出資をして、民間が一割というようなことであるならば、それでいいじゃないかという意見があります。やはりこの際株式会社によらなければならぬという理由について、この法第三条第二項の規定からいっても、この点だけは明確にされておかないと、今後の運営上いろいろ批判があると思う。
  6. 石井光次郎

    石井国務大臣 民間資本政府資金一緒になってこしらえるものであります。どういう形をとるかということになりますと、これは自然特殊な会社をこしらえるほかしようがないというのでございまして、民間から出し、政府から出してやっておる、こういう形のもので一番近いのは日本航空などで、そういうものと同じだと思うのでありますが、これは公社とするわけにもいかないし、どうしても会社、そうして政府出資もあって、いろいろな問題をこれによって特殊な扱いをしてもらう必要もありますので、こういうふうな特殊会社になるという結果になっておるのでございまして、その根本の、民間資本を入れるかどうかという問題は、さっき申し上げた通りでございますけれども会社の形をとったのは、今申したような意味でやったわけでございます。
  7. 小平忠

    小平(忠)委員 会社の形態をとることについて、日本航空などの例を申されましたが、日本航空のような場合は、これは民間出資者が非常に多いのです。大体この種の地下資源開発株式会社については、もう当初から、法律でも政府は半分以上ということになっておりますし、資本金については政府が九割、民間が一割、こういう考え方で出てきたわけです。  審議会でこの問題についていろいろ議論をした当時の意見としまして、これは今後大臣にお伺いする一つの参考に私は当時の記憶を記録してありますが、公社でもまずい、政府みずからでもまずい、なぜ会社によったかという理由の三、四点指摘されておる中に、こういうのがあります。会社によった理由は、優秀なる技術者を採用するという場合において、公務員並みの給与では、なかなかそういう優秀な技術者が求めにくいのじゃなかろうか。第二番目は、民間委託探鉱などが、会社でなければできない面がある。さらに地下資源については、今までの例から見て、国だけの調査なり、国だけの開発事業では不十分だから、どうしても民間のいわゆる投資を仰がなければならぬという意味から、会社の方がいいんじゃなかろうか。さらに会計検査院検査を受けるようなことでは、事業運営が非常に円滑にいかない。この面については、国の財政投融資を受ける場合においては、会社といえども会計検査院検査を受けるのだが、しかし政府機関的なものと株式会社とは、おのずからそのやり方においても弾力性があるし、いいんじゃなかろうか。それから事業運営や収支の関係等においても、会社の場合には若干融通があるのじゃなかろうかというようなことも指摘されまして、審議会においては当時の学識経験者意見や、あるいは与党、野党というようなことを一応超越いたしまして、われわれはこの会社案に一応終局的に賛意を表したのであります。  ところが、これには条件があります。以上のような観点において、北海道開発北海道地下資源調査は、国だけの予算にたよったのじゃ、なかなかできない、どうしても民間がある程度誘い水をかけて、国が本腰を入れてやるようにしなければならぬから、そこで、そのときの条件として、資本金は当初最低十億を必要とする。一番最初にこの問題が議論された当時は、やはり二十億くらい必要でなかったかということであったけれども、いろいろ計画を立ててやってみた結果、最低十億は必要だ、その際十億をどういうふうに按分するかというと、国が九億、民間が一億、この十億がまずスタートするについて最小限度必要である。そうして最終二十億円程度資本金一ついこうじゃないかということが議論せられ、特にこの点については、石井長官も本案が審議会で決定されたときは御出席なされまして、あなたもこの案について同調せられ、これでいきたいということを表明せられて、われわれも賛意を表したわけです。ところがこれが予算編成の過程を通じまして——それはあなたの努力はわれわれもよく認めております。しかしながら、結論的には政府出資がわずか二億で、あと民間から期待するのだ。一体民間から幾ら期待されるのか、これはわかりませんけれども、しかしこのような形で一体三十三年度のスタートができるのか、いかなる理由によってあなたの考え方が変更になったか、まずこの点を私は伺いたいのであります。
  8. 石井光次郎

    石井国務大臣 会社はできたが、仕事ができないようでは何もならないのでございまして、これは御承知通りでございます。私ども初め説明を承わって、十億の会社出発する。九億を政府が出して、一億を民間から出してもらう。民間に加入していただく心持は、今あなたのおっしゃったような心持で、民間人たちにも、これに一口乗っておるのだという心持で熱を入れてもらって、この仕事官民一体のいい仕事となっていくようにという心持でお願いをするにとにしたわけでございますが、実際問題として折衝をやって参りますと、なかなか話がつかないのであります。  それでは、三十三年度から出発するとして、最低どれだけの金があったら、一つの単位といいますか、スタートできるだろうか、それくらいのものだったら、やったって初めからだめだという限度もあるのだろうが、どのくらいだということを聞きますと、まあ五億の金が使えれば、一通りのことが思うようにやっていけるだろうというような話もあったのでありまして、これは私は非常にラフな勘定だと思うのでございますが、五億円でいこう、これは九対一の割合であったのだけれども一つ民間は、お願いして一そのままにして、四億出してくれぬかということで、大蔵省と折衝もやったわけでございますが、最後の日までなかなかきまらない。何としても、ことし出発させないと、さっき申したような心持も、第二次五カ年計画に対する心持もありまして、どうにもならぬのでありますから、私は最後の日まで押しておりました。最後になりまして、政府はそれじゃ設立には賛成するが、金のやりくりもなかなか困難になってきた——最後段階でもありましたが、政府もどうか二億にして、民間一億というようなことで、三億でスタートしてもらえぬかというようなことでありました。しかし三億ではだめだ、五億なくてはだめだというので、押したり引いたりいろいろいたしましたが、どうにもそれ以上打開ができませんので、それでは政府出資二億、民間は一億一つ願ってみるということで、最初の年は二億の金をどこからか借りる。これは必要に応じて借りればいいわけでありますが、借りることに政府も協力するということで、五億の目途をつけて、それでも非常に不満でありますけれども、これで出発をしよう、そうして来年は来年のことにしようということで、五億、その二億は政府出資、二億は融資を受ける、それから一億は民間にお願いしようということで、始めたわけでございますが、民間の方はその後いろいろお話を続けまして、大体一億は近くまとまるだろう、こういうふうに思っております。融資の二億は北海道東北開発公庫の方から融資をしてもらうということで、出発をしようと思っておるわけでございます。
  9. 小平忠

    小平(忠)委員 ただいま御説明されました民間の一億でありますが、大体その一億の出資めどはついたんでございますか。
  10. 石井光次郎

    石井国務大臣 大体見当がつきかかっておるところであります。
  11. 小平忠

    小平(忠)委員 その大体見当がついためどについて、どのような内容出資となるのでありますか。
  12. 石井光次郎

    石井国務大臣 石炭関係の方から約半分、それから石炭以外の鉱業者、これは、今どこもここも非常に不景気なんですが、そこいらで約三千万円見当、それから一般、またあるいは北海道庁も加えまして、そのあとの二千万円見当、大体そこいらでまとまるだろう、石炭の方だけは大体話がまとまっておるというにとであります。
  13. 小平忠

    小平(忠)委員 その石炭の方の半分というのは、あえて会社等についてこの段階でお伺いをしようと思いませんが、石炭の半分引き受けるというその内容は、中小炭鉱がおもなのか、あるいは大単産がおもなのか、その点はいかがでございますか。
  14. 石井光次郎

    石井国務大臣 私は内容的にまでちょっと承知いたしておりませんが、これは石炭協会の会長の伊藤さんにお願いいたしまして、皆さん話し合いをしていただきたいということで、大体お引き受けできるという返事を聞いております。必要があれば——必要があっても、こまかくわからぬかもしれませんけれども、必要があれば、何とかできるだけ調べさせてみます。
  15. 小平忠

    小平(忠)委員 実はそれは必要があるのであります。というのは、われわれの耳に実は入っていることでありますが、石炭の某有力会社社長があなたにお会いになって、どうもこの地下資源会社については問題がある、だから協力するわけにはいかぬ、反対であるというようなことをあなたに申し入れしているということを、実は漏れ承わっておるのでございますが、そういうことは事実でございますか。
  16. 石井光次郎

    石井国務大臣 そう言われますと、だれだったですか、石炭の人からそういうことを聞きましたが、そういう人たちもみなひっくるめて、話は大体了解されたというふうに伺っております。大きな会社の人だったと思いますけれども、ちょっとはっきり……。
  17. 小平忠

    小平(忠)委員 いや大臣、別に遠慮される必要はないですよ。
  18. 石井光次郎

    石井国務大臣 いや、だれだったか、ちょっとどの人だったか、大したことじゃなかったですが、それは必要ですか。
  19. 小平忠

    小平(忠)委員 それは名前は、私自身も某と申し上げているのですから、別にそこを伺うのではないが、私の伺ったのは、非常に有力な会社なんです。そういう有力な会社社長があなたに会って、この地下資源会社については問題がある、協力できない——できないということは、出資もできない、反対であるというようなことを表明しされたと聞くのです。ですから、あえてその特定の人を私は伺わぬでもいいですが、それは事実かどうか。それから今の話では、完全にその問題は解決されたというふうに実は私理解できないものですから、あらためて伺います。
  20. 石井光次郎

    石井国務大臣 大体だれだったか、私ははっきり覚えない程度のことでございますが、どういう関係だったか、確かにそういうことを言うた人はありました。しかし、それはなかなかうまくいかぬでしょうということでありまして、私は、そんなことあるものか、これは君一人じゃない、たくさんの人が集まって、長い間やりたい、北海道開発のためにやりたいといって、そうして審議会でいろいろ審議した結果、こうやって出ているものだから、君らが反対する手はないじゃないかということを、みんな何人もおるところで、話したのでございます。そうして、このごろ世話してくれておる伊藤さんのお話によると、もう自分の話した範囲においては、みんな了解をしたということでありますから、おそらくその人も了解してくれたのだと思うのです。御心配いただかぬでもいいと思いますが、何かそこに問題がありますれば……。
  21. 小平忠

    小平(忠)委員 どうも大臣の今の御答弁は、何か煮え切らぬものがあるのです。解決されたと思う——これは三十三年度にもうすぐなるのでありますが、その発足をしなければならない重大な段階で、民間出資の最も重要な面を占める、そういう立場の人からそういうことがあったについては、やはりこの際明確にされた方がいいと思いますし、それから冒頭に伺いましたように、石炭関係で半分持つというのは、どういう割合で、どういう内容会社の方々が引き受けられるのか、これはこの法案に基く会社運営にも重要な意義を持つから、お伺いしたのであります。
  22. 石井光次郎

    石井国務大臣 私は出資関係は、これは民間の人でお互いに——いろいろそういうような反対とか、少くともあまり心持よく賛成せぬ人もあるかもわからぬし、私らから話して無理に押えつけるような格好になってはいけないと思うておりまして、こういうことはなるべく民間同士話し合いにしていただく方がいいということで、石炭関係の方も、さっき申したように石炭協会長にお願いしておるわけであります。大体もう見当がつきましたというような話で、私は今それに信頼をいたして、実際問題としてだんだん資金分担等に入ってもらうということを考えておりまして、まだどこがどうですか、というようなことを一件々々聞いておりませんけれども、なおそういう点もだんだん実行に移さなければならぬ段階になっていくと思いますので、よく世話人と相談をいたしまして、はっきりするものは、だんだんはっきりさしていくようにしたいと思います。
  23. 小平忠

    小平(忠)委員 最初大臣が、差しつかえなければその内容お話ししてもよろしいということを申されたので、それをお伺いしたいと思います。それと今御説明された中に、石炭以外の鉱業者、これが大体三千万円くらいですね。それからそのほか一般北海道庁から二千万とおっしゃったのですが、この北海道庁というのは、もう道の責任者話し合いをされたのでありますか。
  24. 石井光次郎

    石井国務大臣 これは、石炭の方が大よそそういうふうだということ、それから一般石炭以外の鉱山の話が大体できかかり、それから今のような一般のどういうところにどう持ってもらうか、あるいは道庁も持ってもいいとか、あるいは持ちたいとか、いろいろなことを聞くのでありますけれども、私自身これに当っておりませんので、わかりませんが、そこいらはこれから確かめ、あるいはもうすでに話を進めておるかもしれませんけれども、私自身が当っておりません。
  25. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣答弁がそうぐらぐら変ってはいけません。あなたの最初おっしゃられたのは、一般北海道庁合せて二千万とおっしゃった。そういう具体的な数字までお出になるのに、これは少くともこの委員会大臣答弁されるのに、仄聞とか、あちらこちらちらほら流れているその声を聞いて答弁されるのは、きわめて権威のない話です。ですから、少くとも根拠があって御答弁されたのですか、その点どうなんですか。
  26. 石井光次郎

    石井国務大臣 大体一億円のできるおよそのワクを私は申したので、石炭という方面から五千万円、そのほかの鉱業関係の人から三千万円、これも多少動くことはあるだろうと思います。実際の引き受け問題ですから、それはおおよその見当……。一般並びに北海道庁の話がありますから、それを含めてあとの二千万円というので、北海道庁がどういうふうになるかによって、民間のほかの方に広く話す、あるいは多く出してもらうとかいうことにする。こういうおよそのワクみたいなものを申し上げたのでありまして、一個々々の問題は、どこにどうということも、石炭にしても、一般のものにしても、まだはっきりしたとにろはわかりませんが、およその見当をつけてあるもの等で、たとえば石炭はこういうふうな方面にどのくらいずるというようなことで、内諾も得ておるというようなもの等もおそらくあるだろうと思いますから、さっき申しましたのは、そういうことで、現在のがわかればとおっしゃれば、そういうところに聞いて集めてごらんに入れるということにしたい、こういうふうに考えております。
  27. 小平忠

    小平(忠)委員 あなたが最初答弁されたことが、だんだんぼやけていくのです。これはこの段階において、遠慮をされたり、別にそれを秘密にしておくべきことじゃないと思うのです。むしろこの会社が設立された場合には、やはり積極的に民間の協力を求めて大いにやるという態度はいいと思う。ですから、さらに他を慫慂する意味で、冒頭に申されたこの五・三・二というものの内容をこの際承わりたいと思います。差しつかえないとおっしゃるのですから。
  28. 石井光次郎

    石井国務大臣 それはさっき申しましたように、必要であれば、そのところから内容的なものを出してもらう。私は持っていないのでございます。これは、この間大体どういう割合で話ができたかというときに、石炭の方は大体五千万円というものを引き受けることができるという話になってきておるし、その他の鉱山で三千万円見当、それからそのほかで二千万円というのでございまして、まだどこまでいっておるかということは、私自身ここに持ち合せがないのでございます。それだから、さっきの石炭のように不賛成の方がある、そうすると、それがその中にあるのかないのかという問題等もお気づきになって質問されたのかもしれませんが、私はそれを持っておりません。
  29. 小平忠

    小平(忠)委員 それじゃ私は最初質問に返ります。当初政府は九割、すなわち十億のうち九億の出資を予定した。ところがいろいろ折衝の結果、政府からは二億になった。それで民間出資にその半分の一億を期待する。それで当初の事業開始に五億を必要とするから、あと不足分二億については、北海道東北開発公庫からのいわゆる借入金によってやりたい、こういう説明であった。一体十億のものが五億になって、あるいは政府の九億の出資が二億になって、そのような無定見な形のものでこの会社運営できるものかどうか。当初開発庁からわれわれに示された資本金十億の構想についての記録があります。また事業計画内容等もあります。事業実施の具体的な問題についても指摘されました。それが九億のものが政府出資二億になって、当初の計画通りこれは参りますか。
  30. 石井光次郎

    石井国務大臣 金額が減れば仕事のできない限度があるのじゃないかという質問に対して、さっき私は申したのでありますが、今こちらで考えておりますのは、もし十億によってスタートするとすれば、非常に大規模の範囲にやれただろうと思うのでありますけれども、三十三年度の計画では、長さ二万八千メートルですか、それの試錐を行うことにしております。それによりますと、大体五億円でやれる仕事だ。もし三億のみでやるならということになりますと、三億のみでもやれないことはない。それは事業を行う場合は、その試錐のディスタンスが約半分になる、一万四千メートルというのですから、仕事の分量はそういうことになるというのでございまして、まず五億あれば、一つ仕事仕事らしい程度にスタートできるのじゃないか。これをやっているうちに、また来年、再来年度の問題になりますれば、これはどんどんやっていくべきものだ、こういうふうな方向にいい方向が出ておるのだというようなことを示すことができれば、この政府出資も増すことができるであろうし、この仕事は順次ふやしていくことができるという希望を持って仕事に当っていきたい、こういうふうに思っております。
  31. 小平忠

    小平(忠)委員 私がなぜこの点を重ねてくどくお伺いするかということについての理由を申し上げますれば、当初国が九割の出資をする、民間は一応一割程度でよろしいのだということにおいて、民間も、政府がそれだけ本腰を入れるならば、協力しようじゃないかという声があり、今日に至ったわけです。ところが、あなたの説明のように、五億の場合、三億の場合によって、もちろんいろいろやり方があるでしょう。しかし、この会社事業内容は、八条に示されておるように、「探鉱」と「委託に基く探鉱」、それから「前二号に附帯する事業」、そのほかに、円滑な遂行に支障ない範囲内において大臣が認可をした場合に、探鉱用の機械の貸付の事業も営むことができるというのです。これらの業務について、明確にこの会社はこういう方針で、政府もこういう形で協力する、やるのだということの態度がない限り、民間の一億の出資といえども、これは困難です。現に大臣のところにも、某有力会社社長がやはり意見を申し述べに行っている。それに冒頭大臣が、この一億の民間出資はかくかくの内容によって見通しがついたと申されたことが、お伺いしておる間に、何か非常にぼやけてきた。これは少くとも政府がこういう方針をきめておる限りにおいては、予算編成の過程において九億のものが二億になったのだから、不足分北海道東北開発公庫の借入金に仰ぐというような、いろいろな便法を講ぜられると思います。しかしながら、そういう経緯は別としましても、やはり確固たる方針を明確にされないと、今後発足までに、民間出資についてもいろいろ問題が起きてきはしないか。私自身の伺っている範囲においても、特に石炭関係の有力なる会社社長のごときは、これは北海道地下資源開発のために、ぜひ積極的に協力すべきである、従って、もしこの投資が全くふいになっても、それが何ら会社のために一銭の配当がなくともよろしいというように主張されておることも、私は聞いておる。そういうように非常にりっぱな考え方を持つ人たちもおるのですが、反面に、非常に協力できないとか、あるいは反対であるとかいう人たちがおって混乱した場合においては、これは思うように参らないのであります。ですから、私はその点を実はくどく伺ったのであります。  そこで、私は今の問題について大臣にお伺いしたいのは、当初開発審議会答申をいたしました政府出資九億というものと、今回の予算のいろいろな編成の過程を通じて、あなたもずいぶん努力されましたが、結局はいわゆる政府出資が二億になりました。九億と二億では、やはり事業そのものの実施についての構想、やり方についても、相当大きな変化をしなければならないのでありますが、こういうような重大な変更があった場合に、審議会に報告をするとか、審議会意見を聞くとか、そもそもこの答申をした審議会に対する処置をされていないのですが、この点はいかがにお考えでございますか。
  32. 石井光次郎

    石井国務大臣 審議会には、まだその後何もこれらのことについて御相談を申し上げる機会を得ておりません。この会社は、今申したような方向よりほかに、どうしても金の道はないのでございますから、これと、それから法案が大よそのめどがつきましたならば、一ぺんお集まりを願う機会を得まして、私どもの構想、それに対しての皆さん方のお考え方というふうなものも話していただくということは、いたしたいと思っております。
  33. 小平忠

    小平(忠)委員 私はこの法案が通ってからでは、審議会無視——審議会の立場というものを軽視する、こう申し上げても過言でないと思うのです。少くともこの審議会がこのことについて発議をし、審議会政府答申をしたその答申に基いて、政府が今回のような措置をされたのであるならば、その当初の答申に対して重大な変化が起きたというような場合には、やはり大臣としては、もっと早く審議会意見を聞くなり、審議会に報告をして了解を求めるなり、このことをやることが、私は審議会を尊重するということではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
  34. 石井光次郎

    石井国務大臣 私は審議会を無視してこれをやるというようなことを申したわけではないのであります。一番熱心にこの問題と最後まで取っ組んでいただきました審議会の中の鉱工小委員会の方にお集まりを願いまして、御報告を申して、この通りやってきたということで、皆さんの御了承を得たのであります。私の申しますのは、今度は審議会全体の方に、予算の問題とこの問題をあわせていろいろお話を申し上げることにいたしたい、こういうことに思っております。
  35. 小平忠

    小平(忠)委員 いろいろ大臣言いわけをされておりますが、それは無視をするというお考えはあなたにはなかったでしょうけれども、鉱工業の小委員の方に集まってもらって、実は報告をし、了解を得た、こうおっしゃいますが、私の申し上げていまのは、一部の人のということではなくして、この問題について最終的に、やはりいわゆるレギュラー・メンバー、ほんとうに審議会を構成しておるところの者に報告するなり、了解を求めるということが、私は長官として本件を尊重する道だと思うのです。そのことについて、別にあなたは無視したとは思わないけれども、そういう配慮がなかったことについて、やはりそれでいいのだ、当りまえだ、こうお思いでございますか。
  36. 石井光次郎

    石井国務大臣 ただいま申しましたように、さっそくその関係の方々には御報告しなければならない、そこで一番最後まで、この成文をこしらえるまで、いろいろやっていただいた小委員会の方々にまず御報告を申し上げたのでありまして、審議会には、もうそれだからおしまいで、はったらかしていいというようなことは、私どもは考えておりません。まだしていないというだけのことを申し上げておるのであります。
  37. 小平忠

    小平(忠)委員 この会社の将来の運営につきましても、きわめて大事なことでありますから、そういう配慮について特に大臣に希望いたしておきます。  それと同時に、この会社発足というか、あるいは運営に当って、私は特に大臣の今後の見通しについて伺っておきたいのは、実は本日私は大蔵大臣にも質疑の通告をいたしております。さらに通産大臣にも質疑の通告をいたしております。というのは、国の出資も、あるいは社債の発行にしろ、借入金にしろ、まあそのときどきの情勢で、金の集まった状況によって、適当にやっていけばいいのだというようなことでは、これは国民の大きな批判を受けると思います。やはり一つ計画に基いて、最小限きめたことぐらいは実行するということでなければならぬと思う。それは石井長官が、大蔵省の第一次の内示においては落された。第二次でもだめだ。第三次でもだめだ。そこであなたが、少くとも審議会答申の意思を何とか実現したいというので、このことについて非常に努力されたことは、私はよく知っております。だから、あなたばかり責めてもならぬので、実は大蔵大臣——北海道地下資源開発というものは、そんな思いつきで、一億や二億の出資をしてやるようなことではいかぬと思う。今日人工衛星なり、大陸間弾道弾、ミサイル兵器、こういった非常にすぐれたる科学兵器が現われておる。あるいは人工衛星のごとき、世界の科学者が驚異の目を見張っておるというような時代に、これらの革命は、原爆にしろ水爆にしろ、ことごとく地下資源によるものである。そういう意味から、ほんとうに国がやる気になれば、九億や十億の出資は何でもないのです。そういう意味で、今回、最小必要限度五億の目安は一応ついたが、しからば来年度はどのような構想で、どのような形で行くという考え方をお持ちなのか、その点を承わりたいと思います。
  38. 石井光次郎

    石井国務大臣 私どもは、初め十億の会社をこしらえたいということを思っておったのであります。三億では不満である。それで思うような開発の手順なんかできるものではないと思っております。しかし、とにかく始められる、仕事はやれるというので、五億の見当ができ上りましたので、やることにしたのでありますが、これはこの予算編成までには、機械の購入であるとか、そのほかで、ことしはほんとうの調査的な部面程度しか進まないかもわかりません。できるだけのことを、一カ所でも仕事ができることはやるというつもりで、馬力をかけたいと思うのでありますが、私は来年の予算は、さっきも話が出ましたけれども、前は二十億か、少くも十億ということを言っておりましたので、それに近づくような予算を来年はぜひ政府から出してもらって、第一期目標は十億の会社ということにねらいをつけて、それに進んでいきたい、こういうふうに思っております。
  39. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣のただいまの考え方けっこうです。少くともやるなら、やはりそのくらいの決意でもって、がんばって下さい。われわれ野党といえども、この法案そのものについては、これは正式に党議で賛成、反対をきめたわけでありませんし、まだきまっておりません。同時に政策審議会で最終的な考え方をまとめ、最終的な党議を決定するのでありますが、しかし私の申し上げていることは、少くとも地下資源開発は国みずからがやるべきである、それでその足らざるところを民間が協力してやるべきであるというこの基本的考え方について、やはり私は政府の最高責任者であるあなたが、担当大臣として、またあるいは副総理という立場において、このことについて、ただいま熱意を持ってここで言われたことを実現するように特にお願いしたいと思います。  それから次に、その一番大事なことは運営面であります。当初私が民間出資内容等について承わりましたのは、この民間出資者のある人のごときは、全然私は出資額がふいになってもよろしい、全然配当などを期待してないというような考え方を持つ人もありますが、中には、この法第八条の規定による事業を行います場合に、やはり出資をしたものに——探鉱を委託するとか、あるいは探鉱機械の貸付を行うとかいう場合に、やはり最も大きい出資をしたものが優先権を持つようになるのです。ところが今日、二億やあるいは三億の出資程度の、こういう程度の探鉱なら、今日北海道の有力な会社は自力でやるのです。問題は、自力でできない中小炭鉱、あるいは中小企業が切実に念願していることなんです。ところが、これらの資力が一部の大手の業者によって占められて、中小炭鉱が手が伸びないのでは、これはこの目的を達し得ないのであります。そういう見地から、私が大臣民間出資者の内容等について承わったのは、そういう理由であります。従って、この運営についても、特に留意していただきたい。またこれについて大臣がどのようにお考えか、お伺いしておきたいものです。
  40. 石井光次郎

    石井国務大臣 そういう意味でお聞きになったということを知らなかったのですが、この北海道開発会社を設けた趣旨は、北海道開発だということを大きな看板としていくが、それには、どれもこれもたくさんにはできないのでありましょうけれども、私は大企業優先というようなことの必要は一つも考えておりません。どの地帯をやるという場合に、そこに向くいろんな問題が出てくるでございましょう。それを私は、大小企業にこだわることなく、まず手をつけるべきだ。そうしてわれわれの力で手をつけられるものからやっていく、決して偏することなく、りっぱな経営者に来てもらいたい、こういうふうに念願いたしております。
  41. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣の御説明まことにけっこうです。そこで、大臣もお忙しいよりでありますし、他に質問者がありますから、結論に入りたいと思いますが、あの法案内容で、当初われわれ審議会で承わった点から明確になっている点は、この会社の主管する主務大臣は、取締役、監査役についての事項は総理大臣事業その他の面については総理大臣と通産大臣になっておるわけであります。この北海道開発行政というものが、特に開発庁という役所ができ、その開発庁長官には国務大臣が当っておるということにおいて、現実に現在開発庁長官は、その予算編成なりあるいは人事権を持っておるが、実際に事業の実施については、予算を各省に移しかえをして、各省大臣がこの事業実施に当っておる、監督しておるという矛盾があるのであります。しかし、この会社の実際の主務大臣——もちろんこれを私は専管というのでなくて、開発庁長官は、これで参りますと、何らの権限もないことになります。これで一体いいのか、もっと考慮の余地はなかったのか。  それから、ただいま大臣が、会社運営の全きを期するために、いわゆる重役陣について特にりっぱな人に入ってもらいたいということをおっしゃいましたが、会社の代表取締役あるいは取締役の陣容が大体内定されておられるなら、承わっておきたいと思います。
  42. 石井光次郎

    石井国務大臣 監督関係お話でございますが、こういうふうな仕事は、全国的の問題としては通産大臣が関与しておりますので、北海道においても、通産大臣北海道開発庁長官が相談してやっていくということになっておりますけれども、もちろん主務大臣の立場において、北海道開発庁長官の私が、この問題にイニシアチブをとって、これを進めて間違いなくやっていきたいと思っております。これは北海道開発庁と各省との組織の問題にも関連する問題でございまして、一本ですっと通っていけば、一番いい問題でありますけれども、なかなかどうもうまくいかない。この機会に解決というわけにもいきませんが、この話については、正直に申しますと、初めこの会社ができる時分は、通産省はあまり乗り気でなかったようにも聞くのであります。それが、どういうことか知りませんが、でき上るころから、非常に熱心に援助、協力をいただいておることは非常にいいことだと存じております。  それから人事の問題でございますが、私は、こんなことで、ひもつきというか、何か妙な、この人が遊んでおるとか、親しいとかいうことで、やっていくべきものじゃない。これは北海道開発ということに力を入れるためにこしらえる会社であります。それに熱意を持って、最もりっぱな人だという人に私はなってもらいたい、こういうふうに思っておりまして、それには、人選をフェアな立場で考えられるような人にお願いした方がいいのではないか。私自身が全責任を持って選べばいいのでありますが——最後には私が選ぶという形に立つと思いますけれども、その予選を、実は商工会議所会頭の足立正君にお願いしております。足立君がいろいろな方面意見も聞き、そしてりっぱな人を一つ御推薦申したいということを引き受けてくれておりますから、これはさっき申す出資金の問題があって、出資問題等がみんな片づいた後にやった方がいいだろう、そうしないと、何かそことつながるような、それなら、おれの方に関係が薄そうだから出さぬ、というような、しみったれたことになってはならない、それとこれとはおのずから別だということで、寄り寄り人選をしていただいておるところであります。りっぱな、あなた方もこれならよかろうとおっしゃるような者を選びたいと思っております。
  43. 小平忠

    小平(忠)委員 主務大臣の問題でありますが、開発庁長官が共管するということは、この法の建前から、またこの会社の建前から、また現在の北海道開発法という法律の建前から、それはまずくてなれなかったのか、それとも、あなたの政治力がなくて、はずされたのか、その点はどうなんでございますか。
  44. 石井光次郎

    石井国務大臣 私はこれを無理やりに争って敗れたということもなく、こういう性質のものは、通産大臣北海道の主管であります私と言いますか——内閣総理大臣との共管にする性質のものだ、私自身そう思っております。それで、これは別に特別な感じなく、人事問題は内閣総理大臣あとは通産大臣と共管の方がうまくいくだろう、すなおにそのまま私は受け取っております。
  45. 小平忠

    小平(忠)委員 そうすると、法的根拠によって開発庁長官がなれないわけではないのですか。
  46. 石井光次郎

    石井国務大臣 ちょつと御趣旨がわかりませんでしたが、なぜ北海道開発庁長官を主務大臣として出さなかったかという意味でありますか——これは、今までのいろいろな法の関係で、内閣総理大臣という名前で、いろいろな法文はみなこうなっているようですが、そうじゃないでしょうか。私はそうだと思って、そのまま受けておったのですが……。
  47. 小平忠

    小平(忠)委員 内閣総理大臣というのは国の首班なんです。法律で開発庁長官というのは、国務大臣を立てている。総理大臣の指揮を受けるのは各省大臣同じなんです。そこで私の聞いているのは、国務大臣たる北海道開発庁長官、現在は石井大臣ですが、石井大臣が主務大臣、それは通産大臣との共管でもいいですよ。しかし、総理大臣が入っておれば、すべてを代表するものならば、何も通産大臣を入れる必要はない。通産大臣は業務の性質から入れるのだ、そうすると、直接北海道開発の最高責任者である開発庁長官というものは、法律的に入ることがむずかしいというふうに解釈されたのか、いや、そうでなくて、別に差しつかえないのだが、総理大臣が入っておればいいと思って、実は争わなかったというのか、どちらなんですか。
  48. 石井光次郎

    石井国務大臣 私、あまり法律のことを知らないので、えらそうに言えませんが、内閣総理大臣は総理府の長として出すもので、行政管理庁並びに北海道開発庁あるいは企画庁ですか、そういうものが出てくるような場合は、内閣総理大臣というものによって出てくる、こういうふうに見ておりますが、違ってましょうか。
  49. 小平忠

    小平(忠)委員 そうしますと、総理大臣が入っておれば、もう全部含まれるのだ、開発庁長官も事実上共管だという解釈なのですか。
  50. 石井光次郎

    石井国務大臣 開発庁長官と出すのを、こういうような場合、法律的には内閣総理大臣というものが出ておる、そうすると、その仕事即私が北海道関係があるというものだと思っております。これはどうも法律のことですから、私非常に自信がありませんので、政府委員からお答えいたします。
  51. 中平榮利

    ○中平政府委員 ただいまの小平先生の御質問の主務大臣の件でございますが、石井長官からお話がありましたように、こういった法律で主務大臣というのを規定する場合には、開発庁長官とか、行政管理庁長官という外局の長官を出すことはございません。開発庁とか行政管理庁は総理府に属するわけでございますので、そういう場合には、総理府の長としての内閣総理大臣が主務大臣というふうに書くのが慣例でございまして、北海道東北開発公庫法の三十六条における主務大臣は、内閣総理大臣及び大蔵大臣というふうにありまして、やはり開発庁長官という言葉は使っておりません。これが慣例になっております。従って、御質問の、内閣の長である総理大臣といえば主務大臣も含まれるというようなお話もあったように思いますが、現在問題となっております場合は、内閣の長としてではなく、総理府の長としての総理大臣という意味で、こういうような表現をすることになっております。
  52. 小平忠

    小平(忠)委員 私もそうだと思っているのですよ。ところが、大臣がそういうことを把握されておらないということは、主管大臣として少し下勉強じゃありませんか。これは当然なのですよ。最初あなたの答弁が、どうも何か適当にやったんだろう、そんな人事についてあまり関心を持たなかったのだ、こういうようなことをおっしゃったから、私しつこく聞いたのですけれども、そういうことなのですよ。ですから、あなたがやはりもっと明確に把握されていないと、これからあと鋭くこの法案の審議についてつかれていきますから、そういうことは少し勉強されないと——あなたは副総理であるということの考え方から、実は遠慮しているのです。  それから取締役、監査役の問題について、きわめて含蓄のある御答弁をされました。あなたは正直ですから、現在内定しているとか、取締役や監査役のことについていろいろ人選を進められておるのを隠しているとは、私考えないのです。やはり現在、率直に申し上げますれば、まだ民間出資者の個個の引受者の決定まで至っていない関係上、これらの明確なる引受者の決定を待って、取締役、監査役等の人選を進めるというふうに考えておられると思うのです。この点は、やはりこの会社事業そのものがきわめて弾力性がありますし、そして相手が地下資源の探鉱のことでありますから——昔からよく山師と言われます。それほどやってみてない場合があるわけであります。その場合には全くふいになる。そういうことでありまして、この運営がきわめて大事であり、その運営の衝に当る代表取締役等についての権限や、また人選等については、きわめて慎重を要するものと思うのでありますから、この点については、一つこの会社の目的を達成できるような人選に最大の配慮を願いたいということを、私は最後に希望として申し上げて、私の質問を終りたいと思います。
  53. 亘四郎

    ○亘委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十一分散会