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井堀委員 午前中
お尋ねをいたしました今度の
選挙法改正の問題点の第一の段階について、
大臣が途中でいらっしゃらなくなりましたので、事務当局から具体的なことを
お尋ねいたしておりましたが、だんだん検討を加えていきますと、ますます重要な事態をこの
法案の中で発見するのであります。それは、午前中にもちょっとお答えいただきましたように、
選挙区の変更が今日の場合一番大きく具体的に現われてくるのは、
定数とそれの対象になる
人口の
比例の問題であります。これをいかに合理的に処理されるかということが、今回の
改正案の中において強く
主張されておるのでありますが、その具体性に欠くるところがありましたので、いろいろのお見通しを事務当局から伺いました。具体的な事例を一応とりまして、その中で
お尋ねした結果、やや明らかになってきた。それは、群馬県の例をとりまして
お尋ねをいたし、お答えを願ったのであります。それによりますと、従来群馬県に割り当てられた
定数は、
人口の自然増によって変更されない向きが明らかになりました。すなわち、群馬県は
定数は五十四名、現在の
選挙区は、市の単位が十で、郡の単位において十二、二十二の
選挙区。そこで、
議員と人日の割合でございますが、現在まで明らかになったところによりますと、一番多いところでは一人当り三万七千七十一名のところと、それから二万一千六百七十九人という二つの対照が明らかになってきております。これが今後どういう工合に変更されるであろうか、またその場合
法律がどのような働きをするかという点を、実は
お尋ねしたわけであります。ところが、この点については、今までの御
答弁によりますと、確定的な見通しはすなわち条例によって左右される点も明らかになりました。すなわち、
市町村の合併その他によって市の区域がどういう形で発生してくるか、そのことによって、町なり村なりというもの、すなわち郡に残るべき地域のものが市に吸収されたり、あるいは町村が市に昇格したりすることによって、郡に残されてくるものがどのくらいの数字になるかというようなこと等が、今日の場合明らかでないわけであります。こういうような点について、なかなか捕捉しがたいという
事情もわかったわけであります。こういう点で、こういうものを
法律の上で
規定するということが困難だという
事情も明確になったわけであります。そこで、私の
お尋ねをいたしておりましたのは、ここにあります
自治法の第九十条による府県単位の
定数の割当については、これがいいか悪いかは今日議論することは避けたいと思うのでありますが、一応
人口比例によって大別して四つのケースを
規定しておるようであります。でありますから、完全に
人口比例するのでないということだけは明らかです。たとえば、五万人に対して一人、七万人に対して一人といったように
高率逓減、すなわち
人口の密度の高いところに行けばその比率は下るという
規定の仕方が、九十条の
規定であります。ところが、今回こういう府県に割り当てられた
定数がどのように配分されるかということについて、またこれと同じ趣旨のものがそのまま今度は県内において配分されるというのであれば、これはいい悪いは別として、九十条に問題がある。しかし、その
通りに行かないであろうということが明らかになった。すなわち、五万に対する一でありますから、十分の一なら五千人に対する〇・一というような算術的なものにはならない。そこへ持ってきて、この
法律の
改正案でもいっておりますように、行政区画、
衆議院の
選挙区、そうして地勢と交通の
事情などを総合的に考慮してきめる。この中で、事務当局に明らかにしてもらいましたのは、この行政区については、
市町村という区域については明確でありますが、郡の区域については、この
規定の中からはずされている。こういう点が今までの質疑の中で明らかになってきた。
そこで、
自治庁長官にこの際明確にお答えをいただきたいと思いますのは、こうなって参りますと、どうしても、
自治法の
定数を
規定した
部分だけでも
公職選挙法の中に移さなければいけないのじゃないか。というのは、
国会議員の場合においては、
参議院の問題はここで一時別にいたしまして、法の沿革はしばらくおくことにいたしまして、この際この種の
改正ということになりますならば、やはり
一つの統一した法の一貫した
精神というものを貫く必要があるのじゃないか。すなわち、第四条の
規定を
自治法の九十条なり九十一条なりに共通せしめるということが必要になるのじゃないか。その必要性がますます濃厚になって参りまして、これをもっと私は追及いたしたいと思っておりますが、国の場合は、
全国の
国民の
意思を、四百六十六人にこの
総意を実行せしめようとする型をとっておるのでありますから、そうだとするならば、府県に割り当てる場合においても、この四条の
精神を取り入れるべきではないか、またそのまま
市町村の場合にもその一貫した
思想でやっていくべきではないか、こう思うのであります。どうしてもこういう矛盾を解決することのできない事態を明らかにした以上は、この辺の
改正について私はこの際
政府に決断願わないと、かえって本法のこのような
改正は、この重大な事項を混乱に導くだけであって、改善のきざしには絶対にならないと思いますが、
自治庁長官の御
見解を
一つ承わっておきたい。