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1958-04-04 第28回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月四日(金曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 南  好雄君    理事 青木  正君 理事 古川 丈吉君    理事 松澤 雄藏君 理事 井堀 繁雄君    理事 島上善五郎君       大村 清一君    高橋 禎一君       三田村武夫君    森   清君       井手 以誠君    久保田鶴松君       佐竹 新市君    森 三樹二君  出席国務大臣         国 務 大 臣 郡  祐一君  出席政府委員         自治政務次官  中島 茂喜君         総理府事務官         (自治庁選挙局         長)      兼子 秀夫君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁選挙局         選挙課長)   皆川 迪夫君         総理府事務官         (自治庁選挙局         管理課長)   桜沢東兵衛君     ————————————— 本日の会議に付した案件  公職選挙法の一部を改正する法律案内閣提出  第一五〇号)  公職選挙法の一部を改正する法律案島上善五  郎君外八名提出衆法第一一号)      ————◇—————
  2. 南好雄

    南委員長 これより会議を開きます。  内閣提出公職選挙法の一部を改正する法律案及び島上善五郎君外八名提出公職選挙法の一部を改正する法律案一括議題とし、質問に入ります。質疑は通告順により順次これを許します。  青木正君。
  3. 青木正

    青木委員 今回旋出されました公職選挙法の一部を改正する法律案は、その骨子とするところは、第一点は、町村合併に伴って、府県議会議員選挙区の問題について、町村合併に伴う町村の郡市の境界問題等に関連する問題、もう一つの問題は、衆議院議員選挙における運動期間短縮を中心とする問題等でありますが、私がまず第一にお伺いいたしたいことは、衆議院議員の総選挙期間短縮の問題であります。申し上げるまでもなく、候補者政見をできるだけ選挙民に徹底するためには、相当の期間を必要とすることは言うまでもないのでありまして、そういう点から申しますれば、期間はできるだけ長いことが望ましいということは言えるわけであります。しかしながら、一方におきましては、衆議院構成解散によって新しく構成されるわけでありますので、できるだけ早く新しい衆議院構成を作り上げるということが望ましいことは当然であり、また、一面におきましては、選挙運動期間選挙運動に携わる人の問題を考えますと、たとえば、前回の総選挙におきまして立候補者が一千十七名でありますか、一千名からの立候補者であり、その立候補者に伴いまして、たくさんの運動員選挙運動に没頭するわけであります。かりに、一人百名ということはないでありましょうが、百名とすれば、それだけでも一口十万人ということになると思います。それが一月も運動に参加すれば、三百万の人が動くということになるのでありまして、そういう面からいたしますれば、できるだけ期間を短かくするということも望ましいわけであります。しかしながら、これはどういう点が適当であるか。政見をできるだけ有権者に徹底することに重点を置くべきか、また、運動期間短縮して、むだを省き、また衆議院のっ構成を一日も早く成立せしめるということに重点を置くべきか、このかね合いの問題と思うのであります。そこで、政府が今回二十日に改正する提案をなさるに当りましての基本的な考え方と申しますか、どういうような基本的なお考えで、この短縮という問題を取り上げたか、この点からまず承わっておきたいと思うのであります。
  4. 郡祐一

    郡国務大臣 選挙運動期間は、青木委員御指摘のように、一方では、十分有権者に、選挙民に納得するように、候補者趣旨を徹底させる時間が必要である。しかし、一方においては、白熱し集中した状態の選挙運動というものは、可及的にこれを短かい期間に、そしてほんとうに政治が盛り上りまして、国民の胸に訴えるということが必要でありますことは、これは今のお話にも触れられたように思うのであります。そのようにして考えますると、普通選挙以来今日まで、衆議院選挙は二十五日間ということに相なっております。その間の交通、宣伝等の機関の発達というものは著しく変って参りました。また、政党の活動というものも、きわめて活発に常時行われております。それから、苦通選挙のときに、当初においては、御承知のように選挙用の封書だけを認めておったのでありますが、その後、選挙公報初め、ことに終戦後における公営の範囲は著しく拡張して参った。これらの状況から考えまするならば、二十日間というものが選挙違勅期間として十分なものである、こういう基本的な考えに立ち、また、事務的に考えましても、いろいろな手続支障なく行えるということ、そして、参議院議員選挙その他の各種の選考につきましても、期間がそれぞれ短縮して行われている現状から、衆議院議員についても、二十日間の選挙運動側聞があれば、十分足りるものと考えておる次第でございます。
  5. 青木正

    青木委員 そこで、さらに進んで、選挙運動期間の過去における変遷と申しますか、わが国における選挙運動期間につきましては、ただいま自治庁長官からもお話がありましたが、さかのぼって、ずっと前から今日までの選挙運動期間変遷、並びに諸外国における選挙運動期間はどの程度になっておりますか。わかっておりましたら、選挙局長でもけっこうであります。御答弁願います。
  6. 兼子秀夫

    兼子政府委員 お答えいたします。  先ほど大臣の御答弁にもありましたように、衆議院議員選挙につきまして、運動期間が二十五日となりましたのは、大正十四年に成立いたしました普通選挙法昭和三年から実施になっております普通選挙法から二十五日になったのでございます。それ以前は三十日ということになっております。それから、大正十四年以来ずっと引き続いて参りまして、二十五年に公職選挙法の制定のときに、これが三十日になったのでございますが、これは規定が三十日になっただけでありまして、選挙は一回も実施されないで、昭和二十七年の選挙のときに、法律で二十五日という規定が行われております。続いて現在に至っておるのであります。  それから、参議院議員運動期間につきましては、終戦後、三十日前、それから公職選挙法でも三十日前でございましたが、三十一年の法律改正によりまして、二十五日になっておるのであります。  それから、外国の点についてお尋ねでございましたが、イギリスは十八日前というにとになっておりますが、日曜等を計算に入れておりませんので、二十日ないし二十一日ということになろうと思います。フランスは、日本と同じように事前運動禁止をして、選挙運動のできますのは公示がありましてからでございますが、これは二十日前でございます。それから、西独等におきましては、これは事前運動禁止規定がありませんので、どこからが運動期間ということはわかりかねるのでございますが、御承知のごとく比例代表制を一部採用しておりますので、党の名簿の決定は少くとも三週間前、それから個々候補者決定は少くとも二週間前でございますので、選挙運動は二週間と三週間の間という、二十日より若干少いということになるのではないか、このように考えております。
  7. 青木正

    青木委員 そこで、選挙運動期間を二十日に短縮した場合における立候補制限立候補の届出の最後の締め切りの問題、あるいはまた、選管氏名公示の問題、それから選挙公報原稿締め切りの問題であるとか、その他いろいろ事務的な問題で、先ほど自治庁長官事務的にも差しつかえないというお話であったのでありますが、具体的に、現行法のままにしておいて二十日間の期間で十分であるかどうか、そういう点について御説明いただきたいと思います。
  8. 郡祐一

    郡国務大臣 御承知のように、ただいまの二十五日は初めの期間に若干のゆとりを見ておりますから、このたび二十日にいたしましても、まず放送の点を申しますと、経歴放送は現在おおむね十回となっておりますが、地方々々によりまして必ずしも一様にいっておりませんけれども、これを特に短縮することもございません。それから、政見放送につきましては、日本放送協会のほかに民間放送がそれぞれ発達して参りまして、これを十分活用できますので、政見放送にも支障はございません。立会演説会開催回数につきまして、これは法律にもなるべく多く開催するようにという規定を設けておりますが、その趣旨に合せて回数をあとう限り充実して参りまして、現在に比べて特に支障を来たすことはないと考えております。第四には、個人演説会制限回数でございますが、これは現在法律で六十回という最高限規定しておりますが、この中におきまする個人演説会は、これは個人々々の活動で、これも支障はないと考えます。そのようにいたしますと、選挙公報発行手続につきまして、これはそれぞれの選挙管理委員会から公報原稿提出してもらいます手続を、若干短縮した方が安全かと思います。この程度でございますので、事務的に何ら支障なく執行できるものであります。
  9. 青木正

    青木委員 現行法によりますと、解散があってから四十日以内に選挙を行わなければならないということになっておるのですが、期間を二十日に短縮した場合に、告示前の事務と申しますか、いろいろ選挙管理委員会等準備の必要もあると思うのですが、ぎりぎり詰めたところ、解散してから告示まで幾日あれば事務的に差しつかえないか、事務当局でけっこうですから、伺いたいと思います。
  10. 兼子秀夫

    兼子政府委員 お答えいたします。  解散から告示までの期間が幾日あれば事務的によろしいかというお尋ねでございます。これは、そのときの状況によって違うと思いますが、大体選挙が予想されておりますような場合は、これは投票用紙その他の準備をいたしておりますから、その間の準備は進んでおります。全然全くわからない場合に解散いたしますれば、そういう準備の面の日数が若干要るわけでございますが、普通私ども考えますのに、選管準備もございますが、国会開会中の解散でございますので、議員が国へ帰って準備をされる日数を見ますと、少くとも最小限度五日か、一週間程度は要るんではなかろうか。ただ、事務的に申しますと、先ほど申し上げましたように、大体選挙が近いということになりますれば、投票用紙その他の準備はいたしておるわけでございますから、そういう面の準備日数が少くて済む、こういうわけでございます。
  11. 青木正

    青木委員 期間短縮の問題はなお問題がありますが、一応この程度にいたしまして、大臣もおいでになりませんので、事務的な問題について質問をいたしたいと思います。  それは府県議会選挙区割の問題であります。府県議会選挙は、明年三月に二十六道府県、四月に二十都府県ということになっておりますので、府県議会側におきましては、一日も早く府県議会区割を確定してくれ、こういう強い要望があるわけであります。そこで、全国府県議会議長会は、御承知のように、昨年からこの府県議会区割についての法律改正を強く要望しておったわけでありますが、今回政府提案をいたしました案と、それから府県議会議長会の要望して参りました案との相違点がありましたら、その点を承わりたいと存じます。
  12. 兼子秀夫

    兼子政府委員 お答えいたします。  府県議長会は、昨年の二、三月ごろから、町村合併の結果郡の形状が変ってきたので、選挙法原則を変える必要があるのではないか、このような考え方のもとに、委員会を作っていろいろ御研究になったのでございますが、その委員会に私どもも呼ばれまして、いろいろ意見も述べたのでございますが、府県議長会の案とどれだけ違うかと申しますと、考え方は一致しておると見て差しつかえないのではないか。ただ、府県議長会は、現在提案いたしております法律案考え方に若干の自由な面を持たしてくれというような、抽象的な趣旨の文言が入っておったのでございますが、これは法律案になる前の要綱の形の場合の議論でございまして、ただそういう気分が文章に表われておって、その点は、選挙制度調査会におきましても、選挙制度調査会で答申をいたします場合に、府県議長会代表の方を参考人に呼びまして意見を聴取いたしましたところ、大体その考え方でいいという賛成意見がございました。根本的な考え方は同じでございます。
  13. 青木正

    青木委員 そういたしますと、府県議長会も、この政府案でよろしい、大体了承していると承わって差しつかえないですか。
  14. 兼子秀夫

    兼子政府委員 府県議長会としては政府案考え方でよろしい、このように私ども承知しております。
  15. 青木正

    青木委員 今回の府県議会区割重点と申しますか、最も問題として取り上げられていることは、いわゆる郡の飛び地の問題であります。そこで、私ども埼玉県で申しますと、埼玉県九郡のうち六部が分割され、いわゆる飛び地をなしておるわけでありますが、全国的に見まして飛び地というものが一体どのくらいになっておるか、わかりておりましたら、お答え願います。
  16. 南好雄

    南委員長 この際申し上げますが、郡大臣参議院の本会議に出席しましたけれども、すぐ戻ることになっておりますので、かわりに中島政務次官が出席いたしましたので、一応お知らせ申し上げます。
  17. 兼子秀夫

    兼子政府委員 現在郡市のうち飛び地を有する郡市の数は、郡の数で百四十七郡でございます。市は、飛び地と申しましても、ごくわずかな七市だけ飛び地があるわけでございます。これは選挙区とは直接関係ないわけでございます。
  18. 青木正

    青木委員 政府提案説明によりますと、飛び地につきましては、議員一人当り人口の半分以下のところは必ず合区しなければならぬと、こうなっておりますが、それ以上のものは合区することができるというような規定になっておるのであります。できるということでなくて、むしろ、飛び地というものは、議員定数一人以上ある飛び地独立の郡として認めるようなあり方、つまり必ず独立の区としなければならない、こういういうようなやり方もあると思うのでありますが、政府案は、そういう場合におきましても、合区することができる、こういうことで、独立してもよし、あるいは他と一緒にしてよしというようなことで、選択の自由を認めてあるわけでありますが、その点はどういうお考えから出たものか承わっておきたいと思います。
  19. 兼子秀夫

    兼子政府委員 郡の飛び地には小さいものもございますし、半数以下の人口のものは強制合区の指定で、一人未満のところは、合区してもよろしいし、独立でもよろしいし、任意合区の規定になっておるわけでございます。これは現行法建前が郡市の区域ということによっておりますし、また、事柄の実態を見ておりますと、郡が飛び地になっておりましても、郡として一つのまとまりを持っている郡があるわけであります。そういう場合には、郡としての一つ選挙区ということが社会的に意義があるのではないか、そういう考え方のもとに、飛び地の場合に、半数以下のものは強制的に合区しなければなりませんが、半数以上一人未満の場合は任意合区の制度によることいたしたのであります。
  20. 青木正

    青木委員 任意合区の制度は、なるほど、見方によりましては、できるだけ府県の自主的な考え方によってきめるということであり、町村議会議長会側あたりの言う、いわゆる幅を持たしてくれという観点からすれば、もっともと思うのであります。しかし、半面におきましては、任意合区の制度はゲリマンダー的な合区をする可能性も出てくるわけであります。そこで、任意合区の問題は、一面においてはいい点もありますが、二面においてはゲリマンダーになるおそれもありますので、その点がどうなるか。府県条例できめることでありますが、そういう点についての御検討を願ったかどうか、御答弁願います。
  21. 兼子秀夫

    兼子政府委員 任意合区の規定は、府県条例にまかした場合に、実施上危険があるのではないかという御心配でございますが、現在の法制のもとにおきましても、人口数が著しく少いところは合区できる。全部が半数以下の場合でも、任意合区の規定になっておるのでございます。これは、半数以下のものは強制的に合区させることが妥当であろうという考え方のもとに、現在の任意合区の制度を分けて規定したものでございまして、今までの実施の実績から見ますと、御心配は当らないのではないか、このように考えております。
  22. 青木正

    青木委員 これは府県会議員等でいろいろ心配している向きもあるのでありますが、議員一人当り人口の半分以下のところは強制合区、それから、それ以上の場合、たとえば〇・六幾つというような場合には、つまり一人に満たなくても、それを独立選挙区として認めることができるかどうか。こういう問題は現実の問題として府県会議員の方々がいろいろ法律の解釈上心配している向きもあると思いますので、その点を明確にしておいていただきたいと思うのであります。
  23. 兼子秀夫

    兼子政府委員 これは、先ほどお答えいたしました通り、現在でもそのような規定になっておるのでございます。ただ、今回の町村合併の結果の措置による立法におきまして非常に関心が高まりましたので、地方において御心配向きがあろうかと思うのでございますが、制度といたしましては従来からあるものでございます。でございますので、格都道府県において、実情に合うような形において条例が制定されるのではないか、そのような心配はないのではないか、こう考えております。
  24. 青木正

    青木委員 政府提案の三ページでありますが、「第十五条第二項から第四項までを次のように改める。」ずっといきまして、8のところに「前各項に定めるものの外、地方公共団体議会議員選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関し必要な事項は、政令で定める」こう規定されておりますが、この「必要な事項は、政令で定める。」——現在考えられておりまする政令の内容と申しますが、その点を伺っておきたいと思います。
  25. 兼子秀夫

    兼子政府委員 十五条の第八項に政令根拠規定を置いたのでございますが、これは「議会議員選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関し必要な事項」でございまして、地方において御心配向きがあるように私ども聞いておるのでございますが、都道府県議員全体の定数などを政令できめるのではない。もちろんそれはそういうふうにお読みいただいておると思うのでありますが、これは地方自治法議員定数をきめておるわけでございます。これの個々の、途中で市ができましたり、あるいは郡の境界変更いたしました場合等におきまして、その場合の選挙区と、今までの議員がどの選挙区に所属することとなるか、そういう点を政令規定するのでございます。現在も公職選挙法施行令の第四条以下にその規定がございます。都道府県議会議員選挙区の特例、あるいは議員定数変更都道府県議会議員所属選挙区の変更、そのような現在政令規定がありますような点を政令規定することとなっておるのでございます。
  26. 青木正

    青木委員 なお、この区割案を拝見いたしますと、考え方の根本として、郡市の区分によるという従来の考え方基礎に立っておるようであります。昨日の自治庁長官提案説明によりますと、「現在の郡市の区域をそのまま都道府県議会会議員選挙区画定の基礎的単位とすることができなくなりました。」つまり、郡市の区域選挙区画定の基礎的単位にすることができなくなった、こういうことをお認めになっておるわけであります。しかるにもかかわらず、この法律建前は、やはり依然として郡市という観念にとらわれておるのではないか。御承知のように、郡の区画というものは、現在では行政的には大した意味がないわけであります。それにもかかわらず、選挙法におきまして依然として郡の区画にとらわれておる。郡市の境界がほとんど意味をなさなくなったということを提案説明では述べておりながら、実際には依然として郡市の区画にとらわれておる。そこが何か矛盾するような気持がいたすのであります。今回の改正案におきましても、依然として郡市という行政区画にとらわれ過ぎておるのではないか、こういう考えがいたすのでありますが、その点についての御見解を承わりたいと思います。
  27. 兼子秀夫

    兼子政府委員 今回の提案におきまして、十五条を改正いたしまして、郡の飛び地ができておりまするのを処理いたすことにしておるのでありますが、これは、大臣提案理由に申し述べました郡の区画によれないということを認めて、このような立法をいたしたのであります。ただ、しからば、郡市の区域によらないで新しいシステムで考えるべきではないかというお尋ねでございますが、郡市によらないということになりますと、市町村区域をもって選挙区を作るということになろうかと思います。こういたしますと、あまりにも自由になりまして——従来の郡の区域実情に合わないという点は、市町村区域をもって作ることにいたしますれば満足するわけでございますが、一方具体的の選挙区を作ります場合に、よるべきものがないのではないかという心配があるのでございます。それで、郡市の区域によることを十五条の一項で原則といたしますが、第四項におきまして、分断されている場合、飛び地の場合は「郡の区域とみなすことができる。」ということにいたしまして、郡の境界線を使いまして、郡のこの実情に合わなくなった問題を処理する、こういう考え方でございます。と申しますのは、市町村単位で作るということにいたしますと、極端なことを申しますと、郡の一つ飛び地の中の——かりに三カ町村あるといたします。その三カ町村一つずつをそれぞれ隣の選挙区に分けることも可能になるわけでございますが、そういうことは実情選挙に合わない。やはり飛び地飛び地として一まとめで処理をすべきものではないか。従来の沿革から見て、また社会生活実態から見て、そうすべきではあるまいかという考え方のもとに、郡市の原則を生かしつつ飛び地処理をはかったものであります。市町村単位で自由に作るということも一つ考えではございますが、その考えはとらなかったのでございます。
  28. 青木正

    青木委員 今回の改正によりますと、町村長選挙当りましても小型自動車の使用を認めようということになっておるのであります。町村合併に伴いまして、大きな町村ができましたので、町村長選挙当りましても小型自動車を認めることは最も適当と思うのでありますが、同時に、町村議会会議員選挙当りましても、非常に広い区域になりますので、町村長小型自動車を認めるならば、町村議会議員選挙にも小型自動車を認める必要があるのではないか。たとえば、オート二輪等についてみますと、現在農村等にも相当普及しておるのであります。非常な広い区域にわたって町村議会議員選挙をやります場合に、オート三輪くらいは使用させてもいいんじゃないか、こういう議論もあるわけであります。町村長選挙だけに小型自動車を認めて、町村議会議員選挙には小型自動車を認めない。この点につきまして、自治庁のお考えを承わりたいと思います。
  29. 兼子秀夫

    兼子政府委員 今回町村長選挙小型自動車を認めることにいたしたのでございますが、町村議員選挙につきましては、これは認めないことといたしておるのでございます。その理由といたしましては、町村合併の結果、町村長選挙区域は拡大をした。また、町村長選挙でありますと、候補者は比較的少数でございますので、これは、全国的に見ましても、この自動車を認めることによって、選挙運動手段の利用におきまして機会均等が害されることはないと思うのでございますが、広く町村会議員について自動車を認めるということにいたしますと、全国的に見ますと、自動車普及状況等から見まして、自動車を全部平等に使えるかどうかという点もまだ心配がございますし、また、選挙実態が、町村会議員はおのずから町村長より狭い区域運動をされる傾向が強いと認められますので、これは町村長選挙とは趣旨が異なるのではないかという判断のもとに、今回は町村長選挙にのみ自動車を認めることといたしたものでございます。
  30. 青木正

    青木委員 今回の改正によりまして、衆議院選挙当りまして、ポスターを五千枚から八千枚にふやそうといたしておるのであります。その点はまことにけっこうでありますが、従来から議論のありましたことは、ポスターの枚数を画一的にふやすことはどうか。人口というものをある程度考慮に入れて、人口に比例してポスターの枚数も多少増減すべきではないか。また、北海道のような広い区域になりますと、なかなか少い枚数では徹底いたしませんので、そういう面積の広狭というものも考慮に入れてポスターの枚数をきめるべきではないか、こういう議論のあったことは御承知のことと思うのであります。今回の改正当りまして、そういう点について御検討になったかどうか。その点を承わっておきたいと思うのであります。
  31. 兼子秀夫

    兼子政府委員 ポスターの枚数を、人口あるいはその選挙区の面積、区域の広狭によって差別を設けるべきではないかというお尋ねでございます。これは、私どもといたしましては、確かにおっしゃる点が実際問題としてはあろうかと思うのでございますが、選挙法の上におきまして、そこまで分けて制度考えますことは、運用の上におきまして間違いも一方において起しやすいのではないかという心配もございますので、これは従来通り選挙の種類によって枚数を画一的に定めることといたしたのでございます。
  32. 青木正

    青木委員 次に、今回の改正によりまして、町村選挙管理委員の数を三名から四名に増員いたそうとしております。このことは、選挙管理委員会の多年の要望でありまして、このことを認めることにつきましては、私どもも賛意を表するのでありますが、選挙管理委員会でさらに強く要望して参っております問題は、選挙管理委員会に専任の職員を置いてもらいたいという問題と、それから選挙管理委員会事務局の設置の問題。御承知のように、今回、町村におきましても議会事務局を設置することができるように、自治法の改正をいたすことになったわけでありますが、選挙管理委員会につきましても、事務局を設置するという強い要望があるのであります。この問題につきまして、自治庁といたしましてどういうお考えを持っておりますか、お答え願います。
  33. 中島茂喜

    中島政府委員 ただいま青本委員のお尋ねの点は、私どもも強く陳情を受けておったのでございます。従いまして、今回の地方自治法の一部改正をいたす際にも、そういう御意見等があったのでございますが、自治庁といたしましては、地方の行政機構がなるたけ複雑化しないようにという原則にのっとりまして、政府といたしましては、その改正を今回は考えなかったわけでございます。
  34. 青木正

    青木委員 社会党から提案されておる改正案によりますと、期間は現行のままとして、立会演説会の回数を七十回以上にせよ、こういう改正のようであります。私、昨日立会演説会の開催回数についての資料をお願いいたしておったのであります。それはまだ参っておりませんが、期間が二十日に短縮された場合に、どれくらいの立会演説会が可能であるか、また、前回の総選挙における立会演説会の状況と比較いたしまして、どの程度まで可能であるか、そういう点がおわかりでありましたならば、お答え願いたいと思います。
  35. 兼子秀夫

    兼子政府委員 立会演説会の回数につきましては、資料はただいま作成中でございますので、次会に御配付申し上げたいと考えます。  現在、立会演説会は、各選挙区の平均で見ますと、四十五回程度になっております。と申しますのは、一班三十面の一・五班という計算が大体実績でございますので、それをもとにしておるわけでございますが、前回の実績は若干これを上回っておるのでございます。府県によって、面積の広狭によって、立会演説会の回数というものは多少があるのでございますが、大体三十回を基準にいたしまして、全国的に見ますと、選挙当り四十七回ないし四十八回程度、それから、一班の開催回数は、三十回のわれわれの見込みに対しまして、二十八回程度、これは府県の多少によりましてこういう数字が出るのでありますが、一班三十回、一・五班四十五回の計算に対しまして、一班二十八回、それから一選挙当り四十八回程度の数字が出ておるのでございます。  それから、今回の運動期間短縮に伴って、どう影響するかというお尋ねでございますが、従来告示になりましてもすぐに立会演説会をやっておりませんので、これは、立会演説会の実施の繰り上げをはかりますことによって、大体従来通りの回数を維持できるのではないか。また、従来日中等にやっておらない面もございますので、回数等は短期間に集中的にやることにいたしますれば、これは前回の回数程度は維持できるのではないか。このように考えます。
  36. 青木正

    青木委員 それから、選挙運動期間短縮する一つのねらいと申しますか、効果と申しますか、それは選挙費用をそれだけ節約できるという点があるわけであります。そこで、現在の選挙運動の費用の基準に関する法律に関連いたしまして、選挙運動期間短縮に伴いまして、あの法律改正する必要があるのじゃないかということが、一応常識的には考えられるのでありますが、その点についての自治庁の見解を承わりたい。
  37. 兼子秀夫

    兼子政府委員 選挙運動の法定費用の規定改正すべきではないかというお尋ねでございます。運動期間短縮になりますと、一見その数だけ費用が軽減されるのではないかという気かするのでございますが、運動はその間に集約的に行うことになるだろうと思います。それから、なお、今回ポスター、はかき等の枚数を増加いたしておりますので、その間の経費の増高もあるわけでございます。そういう趣旨からいたしまして、今回は、運動の費用につきましては、法定費用の最高制限額の規定でございますので、これはそのままに据え置くことにいたしたのでございます。なお、参議院の前回の改正におきましても、法定費用の規定については据え置くことにいたしたものでございます。
  38. 森三樹二

    ○森(三)委員 関連して。  さっき兼子さんが、青木委員質問に対する答弁で、従来大正十四年の法律でもって二十五日ときめられた、そして昭和三年にそれを実施して、昭和二十五年まで二十五日でやってきた、こういうような答弁をされましたね。私の記憶では、終戦直後の選挙はたしが三十日だったと思うのです。自分も、終戦直後の選挙をやって、三十日という記憶かあった。今法制局に調べさせましたら、昭和二十一年三月九日日付の詔書で、  朕帝国憲法第四十五条並二衆議院議員選挙法第十八条及昭和二十年法律第四十二号衆議院議員選挙法中改正法律附則第三項ニ依リ昭和二十一年四月十日ヲ以テ衆議院議員ノ総選挙ヲ行フコトヲ命ス  御名御璽 となって、年月日は昭和二十一年二月九日となっておる。その横に(官報三月十一日)となっておる。これは二十一年三月の「法令全書」に載っているが、今法制局の人の話では、三月九日に告示になったとすれば、選挙運動期間は三十一日だ、三月十一日だとすると三十日だというような見解を述べておるのですが、私は、終戦直後の昭和二十一年の選挙は確かに三十日だったと思っておるのです。それから、昭和三十四年一月に行われた選挙は、法制局の調べでは、選挙運動期間は二十六日になっておるのですね。それから昭和二十七年十月の選挙選挙運動期間は二十六日になっておる。私どもは、実際に選挙をやったものの経験からいって、二十五日になったときに、すでにいささか短縮されたという感じを持っておったから、大事をとって調べさせたのです。だから、兼子さんのさっきの誤答弁は、その範囲において間違っておる。もう少しよくお調べになって答弁される必要があると思うのです。
  39. 兼子秀夫

    兼子政府委員 運動期間お尋ねでございますが、これは終戦後の二十一年の三月十一日の官報に出ておる。三月九日付でありますが、これは、占領期間中で、最高司令官から四月十日に総選挙をやれ、こういうディレクティヴが出たときのことだと思うのでございますが、法律の方はやはり少くとも二十五日前に告示しなければいけない。でございますから、その後の選挙でも二十六日あったのではないかというお尋ねでございますが、少くとも二十五日前でございますから、二十六日あった場合もございます。法律建前は、二十五日前ということは、先ほどお答え申しましたようりに、大正十四年の法律から終戦後もその原則のままで参りまして、昭和二十五年の公職選挙法で、参議院と同じく、少くとも三十日前に公示しなければならぬ、このように改正されたわけでございますが、衆議院選挙につきましては、その規定によって総選挙が行われることなく、昭和二十七年にまたその規定改正されまして、少くとも二十五日前に公示しなければならないという規定に改められて、二十七年の総選挙が行われておるのであります。
  40. 森三樹二

    ○森(三)委員 あなたの答弁を聞いておると、法律は三十五日前に告示しなければならぬということになっておる。法律の解釈だけの答弁を青木さんの質問に対してしたのですか。実際の選挙運動期間はこの法律を適用して二十六日の場合もあったとか、あるいは三十日の場合もあったということには、あなたはさっき言及されなかったのでありますか。
  41. 兼子秀夫

    兼子政府委員 先ほどの私の答えは、法律建前のつもりでお答えしたのでございますが、実際の選挙運動は、告示されますと選挙運動が始まるわけでございますので、少くとも二十五日前に告示をしろという規定の場合に、その期間が二十六日あるという場合には、運動期間は一日延びるわけであります。ごく最近の選挙におきましては、中二十五日で選挙が行われておるわけであります。
  42. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうしますと、あなたは法律建前だけの答弁をしたのであって、実際の選挙運動期間については調べてなかったのか、それとも答弁の必要がないと思って答弁されなかったのか。法の建前だけでは答弁が足らないのではないかと思うのです。実際の選挙運動をやった期間がものを言うのであって、選挙運動期間を二十五日以上を設けなければならぬとなっておれば、二十六日の場合もある、二十七日の場合もある、あるいは三十日の場合もあったという現実の答弁がむしろ必要であって、青木さんが聞かれておるのも、単なる法律建前ばかりではなかろうと思う。現実に選挙運動をやったことが、今度は二十日にしようとしておるのであって、われわれは従来の二十五日案を支持しようと思うのだが、実際の選挙運動をやった期間というものが、本委員会におけるところの審議の重要なポイントだと思うのですが、そこを一つ詳細に答弁してもらいたい。
  43. 郡祐一

    郡国務大臣 御承知のように、普通避挙前は、非常に長い期間選挙運動期間に当てておりました。そして、それが、普通選挙になって、ようやく少くとも何日という大体それに合わせるようになってきております。おそらく、政府委員が申しましたのは、最近の実例を申し述べておるのでございまして、その間御指摘のように一日、二日多いような例もございます。これは御指摘の通りでありますが、詳しいことはまた政府委員から申します。さようでありますが、とにかく、法定いたしました期間というものは、その間に選挙運動が実際可能なような状態において日数を見ておりますので、近ごろにおける状況を申し述べ、また、先ほど私が申し述べましたように、このたび二十日にいたしまして、充実した選挙をいたしますならば、これをもって十分だということを先ほど私が申し述べた次第であるのでございます。実例につきましては、政府委員からさらに申させることにいたします。
  44. 兼子秀夫

    兼子政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、二十一年の総選挙は、最高司令官のディレクティヴの関係で、いわば選挙期日が早めに予告されたと申しますか、決定されたのでございます。そのときは、二十一年の三月十一日に官報に掲載されまして、公示の日にちは三月九日でございます。三月九日で、十一日の官報に出て、四月の十日に選挙が行われたのでございます。これは法の建前は少くとも二十五日という規定によっておるわけであります。選挙の実際はそういうことになっております。九日から四月十日でございますから、中三十一日でございます。それから、二十二年の選挙におきましては、二十二年の三月三十一日に公示の詔勅が出まして、四月二十五日に選挙が行われております。これは中二十四日でございます。それから、二十四年の選挙におきましては、十二月二十七日に公示がされまして、一月の二十三日に選挙が行われております。中二十六日でございます。それから、二十七年の総選挙は、九月五日に公示されまして、十月一日に選挙が行われております。中二十五日でございます。二十八年の総選挙は、三月二十四日に公示されまして、四月の十九日に総選挙が行われております。中二十五日でございます。前回と同様であります。それから、三十年、前回の総選挙は、二月一日に公示されまして、二月二十七日に総選挙が行われております。これも中二十五日でございます。以上でございます。
  45. 森三樹二

    ○森(三)委員 それで大体わかってきたわけなんですが、告示になってから投票日までというのが選挙運動の実際で、それで今日まできたんでしょう。あなたは「中」「中」ということをよく言われますけれども、そういうことからいきますと、この二十日という問題が適当であるかどうかということは、過去の選挙の実績を十分に勘案しなければならないと思う。先ほどのあなたの答弁を聞いておりますと、とにかく従来は二十五日でやってきたんだというような一般論的な答弁をされておりましたが、その点をもう少しはっきりしてもらいたかったので、私はあんたに重ねてお尋ねしたのです。
  46. 南好雄

  47. 島上善五郎

    ○島上委員 今回の改正案についていろいろ御質問したいのでありますが、きょうは十二時半という申し合せでございますから、十二時半までその質問したい事項のほんの一部について御質問申し上げます。  私どもは、選挙法改正する際には、その建前として、公営をなるべく拡大する、そして候補者の負担する選挙運動の経費を節減するようにする、こういう考え方の上に立って改正すべきものであって、すなわち、別の言葉で申しますならば、政策を選挙民に訴える機会をなるべく多くする、これを選挙民の側から見ますならば、政策を聞く、あるいはそれを理解する機会を多くする、そして人物の紹介の機会も多くする、こういうふうな考え方の上に立って改正すべきものであって、かりにも現職議員が自分に都合のよいような考えを持って改正するとすれば、これは改正ではなくて改悪なんだ。今度の政府案に対しましては、一般の世論は、現職中心の考え方の上に立っている、公営の拡大に逆行して公営の縮小である、新人の進出の道をふさぐものであるというような批判がなされている。私もそうだと思うのです。期間を二十五日から二十日間にするということは、その分だけ経費が少くなるとあるいは言うかもしれない。先ほどの答弁では、二十日間にしても、立会演説その他は現行と変りないと言っております。私はだんだんと実例をあげて質問いたしますが、これは大へんなごまかし答弁であって、事実は決してそうでない。私は、まず公営を拡大するということと、新人に進出の道を開くということ、現職中心というような考えに立たないということ、こういう私ども考えに対して、基本的に自治庁長官はどうお考えになるか、それを最初にお伺いしたい。
  48. 郡祐一

    郡国務大臣 選挙というものが、いかなる人にも、またいかなる種類の者に対しても、特に有利であったり不利であったりすることは、選挙の性格上許されないことであります。従いまして、このたびの改正におきましても、衆議院議員選挙について、はがきの数をふやすとか、また有権者の立場に至っては不在者投票を簡便にするとか、あらゆる方法を講じまして、有権者の側の便宜もはかろうといたしておるのであります。  公営の点につきましては、私はこう考えております。さらに拡張すべきものがあれば、もちろん考えてよろしいと思いますけれども、私が選挙事務を扱うようになりましてからでも——その前は、先ほど申しましたが、無料郵便物としては選挙人一人につき封書を一通出すだけでありました。ところが、昭和九年に初めて選挙公報ができ、公立学校の設備の使用による演説会開催の公営ができ、二十年に入りまして新聞広告、そのほか立会演説会、放送、あらゆる種類のものがございますが、現在のような状況になってきております。日本の国の公営というのは機会あるごとに拡大をしてきておる状況であります。ここで、その点については、私はものを独断いたしません。これはいろいろな側から考えなければいけませんが、ややフリーな選挙の機会を与える点に、むしろ少し足りない点があるのじゃないだろうか、こういうような気もいたします。しかし、それを、私は、簡単に、だからどうということを申すわけではありません。公営というものは私はかなりの程度日本の国は充実してきておると思います。そういう点から考えまして、これはいろいろな点がございまするから、今度は必要な最小限の改正にとどまりましたけれども、あまりいろいろな制限が多過ぎるという点を、あるいは選挙制度調査会あたりで考えなければならぬ。これは、立場ということではなく、あらゆる政党が一緒に一つ御検討を願いたい問題だと私は思っております。そうして、選挙に立ちまする場合に、公けの候補者選挙民にある程度日ごろから名前を知られ、またその人の業績がわかっておるということは、これは候補者として有利な点でございましょう。しかしながら、仰せの中にございました新人というような立場の人でも、いやしくも、公けの選挙衆議院議員のような最も国民の注目しておる選挙に立たれる人は、何らかの意味で、あるいは組織を通じて有権者とのつつながりを持っているだろうと思います。従いまして、これがこのたびの改正でそれらの方に不利を及ぼすというような点は、私は考えられないことだと思っております。
  49. 島上善五郎

    ○島上委員 ただいまの答弁はいろいろな問題を含んでおりますが、私は、選挙法というものは、選挙立候補する者、あるいは選挙運動をする者の側からのみとかく考えがちであるという、これはどだい間違っていると思うのです。選挙運動を受ける選挙民、国の主人公の側を最も重視しなければならぬと思う。今の御答弁によりますと、少くとも、衆議院に立つような人は、ふだんから何らかの形で名前が知れておる人であるし、知れておることが必要である、こう言っておりますけれども、そうとは限らぬ。ほんとうに選挙に臨む、政策を訴える、あるいは候補者としての人物を紹介し、披露するのは、選挙運動期間だけであります。選挙運動期間以外にも一般に党の政策を訴える機会はありますけれども、しかし、選挙、投票、候補者、政策、こう関連さして選挙民が理解しようとする機会、あるいはそれに積極的な関心を持つ機会というものは、選挙運動期間であります。事前運動を御承知のように今日禁止しておる、あるいは著しく制限しておるというのも、そこに意味があるのです。ですから、選挙運動期間、すなわち選挙に臨む政策、候補者としての人物、これを広く選挙民に浸透、理解せしむるためには、選挙運動期間というものは軽々しく短縮すべきものではない。先ほどの御答弁にもありましたように、かつては三十日であった。それを二十五日、今度は二十日にしよう、こういうのです。この二十五日を二十日にするというのは、政府ではさりげないような格好で出しておりますけれども、私はそうではないと思う。というのは、この法案を出すまでに、与党の間にはいろいろな議論があったことが新聞に報道されておる。その中で、立会演説会を廃止もしくは廃止に近い状態にしようというかなり有力な意見があったことは、事実であります。それから、トラックを廃止しよう、これに伴って街頭演説も廃止しよう、こういう意見があったことも、これは事実です。その反面、個人演説会は無制限に野放しにやらそう、だからこっちの方は制限もしくは廃止に近い状態にしよう、こういう有力な意見がある。しかし、そういうことを同時に今度の改正に際して出したのでは、世論の反撃も強いし、野党の反対のために国会通過がむずかしい。そこで、立会演説会及び街頭演説会の廃止ということを今度はやめにして、二十五日を二十日に短縮した。それは簡単じゃないか、こういうような顔をして出して参りましたが、私はそうではないと思う。二十五日を二十日にすることによって立会演説会はやめよう、街頭演説会はやめようということの目的を、三分の一ぐらいは達しておると私は思う。二十日になっても立会演説会の回数は実質的には変らぬ、兼子君がそういう答弁をしておりましたが、これは大へんなごまかしです。二十日にしましても、二十五日の場合も同様ですが、最初の三日ないし四日はできない。最後の一日は少くともできない。あるいは二日はできない。おそらく、選挙管理委員会がどんなに努力をしても、最初の三日、最後の一日ないしは二日はできないと私は思う。候補者の届出があって、初めて、立会演説会の班別編成とかあるいは演説会の氏名掲示とか、そういう準備に着手するわけですから、今度の場合は、大よそ解散が予想されましても、どんなに手回しをよくしても、最初の三日ぐらいはできない、最後の一日もできない、こうなりますれば、東京の場合を例にとりますれば、正味五日間、一日三回としまして、立会演説会が十五回少くなる。街頭演説会は、私どもは終盤戦ごろになれば一日二十回やる。五日短縮することによりて百回少くなる。これはわれわれにとっても大へん不都合なことですけれども選挙運動を受ける国民にとってはなお不都合なことです。選挙運動を受ける機会がそれだけ少くなるということです。個人演説会は自由にやるからいいじゃないかということでありますけれども、とにかくこのごろは演説会の入りが少くなって参りました。個人演説会というものは、たとえば松澤君なら松澤君の個人演説会となれば、その八割ないし九割は、松澤君を支持する人、好意を持っておる人、演説を蘭かなくても投票するような人です。これは、あまねく政策を訴えて、一般の選挙民に、政策の批判なり理解なりの上に自由にして公正な投票をさせようとする目的には遠いものがあります。個人演説会は立会演説会にかわるべきものじゃないのです。こう考えますならば、今度の五日間の短縮というものは、立候補する者、運動する者、特に新人にとって大へん不都合であるばかりでなく、選挙運動を受ける国民にとっても、大へん大きな制限になり制約になると思うのです。これは明らかに公営と逆行です。長官はどのようにお考えですか。
  50. 郡祐一

    郡国務大臣 島上さんの言われる点にも非常に共鳴するところがあるのですが、私は、先ほども申しましたように、選挙運動というものは、その時期に非常に白熱した運動があり、同時に、政治教育と申しますか、そういう面での進歩もあるのですから、それが非常に大事な期間であることは間違いありません。しかし、それが、実際今御指摘のように、従来やっておりましたところでも、大体全国をおしなべますと、立会演説会を開きます日数は十六日くらいとなっております。東京はやればもっとやれると思います。これは私東京で聞いてみたことがあります。東京は別なんだからうんと活発にできるであろう。しかし、人を寄せます人の寄り工合や何かで、そうはやたらにはできぬ、そう多くはできぬ。これもございましょう、しかし、東京というような大都市にして、かつ選挙区が集約されておるところについては、また一つ考え方はあろうと思います。しかしながら、全部が集約してやり、かつ選挙管理委員会が例の班別をきめます期間は、御承知の通り前々から準備しております。その準備をできるだけ早くすれば、立会演説会の開催というものが、今までよりも、初めの幾日か間があったときよりも、もっと早く始めることができる。そうしたことは私は今の状態で可能だと思います。しかし、あっしゃるところの骨子である、有権者の立場をよく考えろ、有権者がよく候補者を知り得る機会、そういう意味で立会演説会を使わなければいけませんし、今度はがきを増しました点についても、ある程度そういう意味があると思います。そういう意味合いで、余談を申し上げて恐縮ですが、たとえば、参議院全国区の選挙は、有権者候補者を知る機会がどうしても与えられない選挙ですから、これを改正することについて、島上さんのような選挙をよく知っておられる方に、島上さんの方の党をよく説いていただきたいのです。参議院の全国区というものは、どう考えても有権者候補者を知らぬ。これは選挙運動にならぬと思う。ですから、選挙運動期間というものをできる限り充実する。その場合は、ほかの行事が妨げられましても、その期間は、選考の争いと申しますか、そうしたものに集中する期間であって、そうなれば、二十日というのは割に充実した期間じゃないだろうか。候補者にとっても有権者にとっても、そういう工合に私は考えるのであります。
  51. 島上善五郎

    ○島上委員 準備を十分にすれば今までより早く立会演説会ができるとおっしゃいますけれども、私は、今の選挙管理委員会の機構、予算、力等から考えまして、しゃつちょこ立ちをしてやっても、一日短縮することができれば精一ぱいだと思う。そんなに短縮できるものじゃないと思う。立候補の届出をして、それからでなければ候補者の氏名がはっきりわからぬのですから、印刷も班別の編成もできないのです。そんなに短縮できるものじゃないのです。今のこの場所における答弁としては、兼子君のような答弁もできるかもしれないけれども、実際の場面になると、そうはいかぬ。この前の法律改正の際に、立会演説会の開催については、事情の許す限りその回数を多くするように努めなければならない、そういう改正を与野党一致して入れました。立会演説会を多くしょうということは、全く与野党一致の意見だと思う。ところが、この法文を新たに加えても、実際はどうかというと、ふえてないのです。それは、今言ったように、現在の選挙管理委員会の機構、力関係あるいは経費といったようなものもあるし、選挙管理委員会の中にはあまりたくさんやりたくないというような者もあるだろうし、いずれにしても、そういう法律改正をしたにもかかわらず、実際はふえていない。今度二十日になりまして、前後の期間短縮してなるべく多くやるようにしようと言いましても、今度一回だけはあるいは一生懸命やるかもしれぬけれども、この次からはずるずるになっていきまして、私が言ったように、正味五日間、東京で十五回立会演説会が少くなることになると思う。こういうふうに、公然たる運動期間において公然たる運動の妨げをしますれば、その結果として何が生まれてくるか。裏面の運動が盛んになる、事前運動が盛んになるということです。現在の選挙法は全くざる法でありまして、少し頭をしぼって考えれば、法に違反しないすれすれのとこころでやれることが幾らでもある。金があれば幾らでもやる方法がある。そういう金を多額にかけた悪質の事前運動、しかも法律にはすれすれで抵触しないという選挙運動期間中の裏面の運動というものが盛んになって、これは公明選挙を希望するわれわれや国民にとっては大へんな改悪だと思う。これは、簡単に、期間が五日短かくなった、これはわしには楽でいい、経費が少くなったというものではないと思うのです。個人々々の都合からいえば、あるいは、社会党の中にも、五日短がくなって私は楽になっていいということを言う人がいないとは限らぬ。しかし、選挙というものの建前からして、軽々に見のがすことのできない大へんな改悪だと私は考える。今でも悪質な事前運動が盛んに行われている。このことについてもだんだん質問をしますが、こういうような金をかけた悪質な事前運動が盛んになる、あるいは、選挙運期動間中、法すれすれの表面に現われない運動が起ってくる、こういうような弊害に対してはどうお考えになるか、あるいはこういうような弊害に対して防止することの手をお考えになっているかどうか。
  52. 郡祐一

    郡国務大臣 第一の点は、立会演説会の回数のことです。これは、全国を見ますと、一選挙区ではかなりの回数開きますけれども、現実の問題は一候補者当りについて考える方がよろしいと思います。これは全国的な概算でありますけれども、一候補者当り二十八回になる。これに比べて、東京は、島上さんの御指導のよい六区は、さすがに三十四回で東京で一番多かったのですが、しかし、三区あたりになりますと、十九回しかやっておりません。これが、私先ほど申しました、東京はもっとできるはずだという気持を持つところであります。これらについては、またいろいろと御協力を願うべき点があるのでありますが、立会演説会の回数はできるだけふやしていかなければならない。私はあの行為は工夫をこらしていけば十分にやっていけると思います。今のところ、会場の用意や場所の選定等で、まだまだ技術的に改善を要するものがあるように私は考えております。それから、見方によりましては、やや大胆なものの言い方になるかもしれませんが、立会演説会のとき等は、あまりに法律に違反してはいけないという方にばかり管理委員会の気持が移っていって、島上さん御指摘のように、有権者のために多くの機会を与えるという方が欠けておるのじゃないか。これらは私どもまたいろいろと研究をいたさなければならない点でありますが、ともかく、立会演説会というものは、私はある程度充実していくことができるものと思います。  さらに悪質な運動という点についておっしゃいましたが、事前運動というものは厳に取り締らなければならないものであり、また、その点につきましては、私どもも、検察庁、警察庁の方と絶えず正しい選挙の執行ができるように協議もいたしております。その点で、私考えますのは、政党の政治活動選挙運動期間の前でも非常に自由になっておるが、候補者個々については選挙運動期間に入って初めて運動が許される。ここに、私は、政党の政治活動というものが、ただいまよりもっと活発に国民に対して自党の政策その他について訴えるべき点があるのじゃないかと思います。現在の制度はそういう意味合いでかなり備わっておるのじゃないか。しかし、私は思います。選挙運動ことに事前運動というものの違反等につきましては、イギリスの選挙の粛正の経過から見ましても、よほど強く対策を講じていかなければ、ものがよくなって参らない。しかし、その点につきましては、法務大臣ども深い関心を持っておりますので、関係当局とよく協力もいたし、また私の方も主張すべきことは主張したいと思います。
  53. 島上善五郎

    ○島上委員 立会演説会を廃止しようとか廃止に近い状態に縮小しょうという、かなり強力な意見が与党たる自由民主党の中にありましたが、長官は、それとは反対に、立会演説会はなるべく多くすべきものであるというお考えのようです。私どもは、社会党として、事情の許す限り立会演説会の回数を多くするように努めなければならない、こういう法律では不十分だから、この中に回数もはっきり入れるべきであるというような考え方を持っておりますが、考え方としては、私どもと同じか、それに近いような、つまり立会演説会の回数をなるべく多くしょうという点においては、長官もわれわれと同じ考えをお持ちである。すなわち、与党の中に有力にあるところの立会演説会をやめようという考え方とは違う、こう理解してよろしいのですか。
  54. 郡祐一

    郡国務大臣 私は、現行の法律規定しておりますことは、十分意義のあることであり、それを立てて参るのがほんとうだと思っております。ただ、島上さんが今言われましたように、私、きのう御提案理由を聞き漏らして残念に思っておるのでありますが、法律で何十回ときめてしまいましたら、ものの動きがつきませんので、今の法律が不備だとおっしゃるけれども、これはやっぱり今の法律の方がいいんじゃないだろうか、これは、それぞれの選挙管理委員会が、それぞれの選挙区の事情、候補者の数等とにらみ合せて考えるべきものだ、その運用でよろしきを得させていくべきものだと考えております。
  55. 島上善五郎

    ○島上委員 選挙民のことも考えて立会演説会をなるべく多くやろうとすれば、私は現行法の中でもやる方法は幾らもあると思う。もちろん、それには、現在の選挙管理委員会の機構を強化する予算をもっとふやすといったようなことも必要ですけれども、たとえば、大都会地などでは、これは東京とは限りませんが、都会地では、土曜日、日曜日の昼間二回ないし三回やるということも可能ですし、街頭における立会演説会をやることも可能です。街頭などは、特に、トラック一台持っていって、拡声機を持っていき、候補者の氏名を掲示するような方法を講じてやれば、簡単にできる。私は立会演説会をなるべく多くしようとすることが必要であると考える。この法律の精神をほんとうに生かそうとすれば、もっとできると思う。できるけれども、実際にはやっていないと思う。七十回が妥当であるかどうかという議論は別にいたしまして、少くとも最低の回数を入れない限りは、四十五回のところもあれば、三十回のところもあれば、十九回のところもあるといったような、極端な開きができてくるわけです。私は、立会演説会については、もっと本気になって、たくさんの回数をやるような方法を考えなければならっぬと思うのです。  そこで、今事前運動のことについてお答えがございましたが、先般、自治庁、警察庁と法務省ですかが打ち合せをして、事前運動の取締りを厳にするという通牒を出されたようでありますが、現行法でももちろんある程度事前運動の取締りはできます。しかし、現行法では、私は、きわめて不十分であり、不完全だと思う。どうしても、悪質な事前運動を絶滅するためには、法律を少し改正する必要がある、こう考えます。今度の改正には、政府提案では出されておりませんが、かりに、今度の改正は、期間が短かいということを頭に入れて、それを前提として、短かい期間に通すということで出したものですから、そこまで及ばなかったかもしれませんけれども現行法では、事前運動、特に悪質な夢前運動を取り締るに不十分である、こういう点を近い将来に改正しなければならぬとわれわれは考えておりますし、できれば本国会でも改正しなければならぬと考えておりますが、この点に対して長官はどのようにお考えになっておりますか。
  56. 郡祐一

    郡国務大臣 これは私の非常に素朴な考え方かもしれませんが、私は、現在の選挙法に非常に多くの罰則を設けておりながら、その選択があまり十分にできておらぬのじゃないか、あるいは、従来はあった取締ら規定でも、ものによりましては整理することもできましょうし、また新しいものを加えるという必要もあろうかと思います。それで、この点につきましては、私どもも遺事法を扱う者として関心は持って起りまするけれども、さらにより直接な取締り当局のあることでございまするし、従来も、いろいろな意味合いで、調査会、審議会等の議を経ておりまするけれども、そうした機関において、何らか、運動の取締りと申しますか、そういう面からの考え方一つまとめてみる必要があろうと思います。どの点をどうという工合に、私今多くの知識を持っておりませんけれども、この点については、何と申しまするか、こういうとにかくすべての世上が安定しておりますときですから、選挙法というものを大きい目で見直すべき時期もきているんじゃないか。そういう際には御指摘のような点も十分取り上げて考えるべきである。しかし、その前には、公平な審議機関等において、ある程度時間をかけてでも練ってみたい、こう考えております。
  57. 島上善五郎

    ○島上委員 時間がありませんので、あと一点だけきょう質問して、その他は保留して起きますが、今の御答弁のように、選挙法全般を再検討する必要があるということは、私もそう思います。しかし、少くとも、現在の事前運動状況にかんがみて、これだけは必要だというようなものがあると思うのです。それは、現行法におきましては、公職の候補者等の寄付の禁止、それから公職の候補者等の関係会社等の寄付の禁止、こういうものが百九十九条の二、三にございますが、これ等の関連において、私どもは、いわゆる後援団体、何々後援会、こういうものの寄付をこれと同列に禁止する必要があると思うのです。候補者または候補者になろうとする者が、取締役、監査役、理事代表者等の地位にある会社は、その者の名前を表示したり類推されるような方法で選挙区内にある者に対して寄付をしてはいかぬ、こういう制限をしたのはこの前の改正です。これは実際例がたくさんございました、何々株式会社社長(「島上善五郎」と呼ぶ者あり)松沢雄蔵とでかく書いて——これは、松沢君がそばでやじっているから、かりに名前を憤りましたが、そうして葬儀屋にあらかじめ契約して全部花輪をやる、支払いは会社がやる、名前はその候補者になろうとする者の名前をでっかく書いて宣伝する、その他そういった目に余る方法が行われているという実例がありまして、これは自民党の鍛冶良作君が熱心に主張して改正した。私もこれは必要だと思った。ところが、今日、後援会の名前ですることは何ら差しつかえない。そのために、後援会の名でもって、ものすごい寄付が行われておる。まあ名前をあげるのはこの際遠慮しておきますけれども、東京にあります。自民党の候補者に予定されている人が、社会党の集会にまで、何々後援会の者でございますと、金一封を持ってきている。婦人会、青年会、花見、何々、あらゆるところに全部寄付をしている。現行法によれば、これは差しつかえない。すでにその人は二千万円使ったといわれている。その人の後援会の事務所に行けば、事務所の裏には、自由民主党公認衆議院議員候補者〇〇と選挙のポスターを作って、すでに張ってある。これも、現行法では、外に張らなければ差しつかえない。そういう弊害が現に一再にとどまらぬ。方々にあるのです。そうだとしまするならば、この法律とのバランスの上から考えても、候補者が寄付ができない。候補者が関係している会社の名前で、社長あるいは理事という名前で出しても、番付はいけない。しかるに、後援会は、大っぴらに、その立とうとする者の名前を冠している。幾ら寄付しても差しつかえない。こういうような弊害は、少くとも最小限——もう今言ったのでは間に合わぬかもしれぬ。もうじき選挙ですからつ間に合わぬかもしれぬけれども、最小限する必要があると思う。社会党の改正案に対して長官も賛成して下さるに違いないし、白斑党の良識ある皆様も賛成して下さるに違いないと期待しておりますが、長官は、そういうような現行法との関係を考えましても、また現在行われておる実態に徴しましても、そういう改正を必要とお考考えにならぬかどうか。この点をお伺いしておきます。
  58. 郡祐一

    郡国務大臣 寄付の制限規定は、私は、どの程度に励行されるか、またどの程度を限界とすべきか、どうしたならば脱法を紡ぎ得るか、これはなかなかむずかしいところでございまして、私は取締りの制限は全体を通じて一つ見直してみたい。どうもどこか一つをいじりましても、それですぐ——と同時に、また選挙規定というのは非常に限界まで予想しないような事態が起るものでございますから、それらについては、よほど周到に、私は全部取締り法規を通じて見直してみたいと思っております。
  59. 南好雄

    南委員長 本日はこの程度にし、来たる八日火曜日午前十時理事会、引き続き委員会を開催いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十三分散会