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1958-02-27 第28回国会 衆議院 建設委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年二月二十七日(木曜日) 午前十時三十九分
開議
出席委員
委員長
西村
直己君
理事
内海 安吉君
理事
大島 秀一君
理事
大高 康君
理事
荻野 豊平君
理事
久野 忠治君
理事
三鍋 義三君 逢澤 寛君
池田
清志
君 薩摩 雄次君
徳安
實藏
君 松澤 雄藏君
山口
好一君 井谷 正吉君 中島 巖君
出席国務大臣
建 設 大 臣
根本龍太郎
君
出席政府委員
総理府事務官
(経済企画庁総
合計画局長
) 大
來佐武郎
君
大蔵事務官
(
主計局次長
) 佐藤 一郎君
建設事務官
(
大臣官房長
) 柴田 達夫君 建 設 技 官 (
道路局長
)
富樫
凱一君
委員外
の
出席者
建設事務官
(
道路局路政課
長) 三橋 信一君 専 門 員
山口
乾治
君 ――
―――――――――――
二月二十二日
委員堀川恭平
君
辞任
につき、その
補欠
として芦
田均
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員芦田均
君
辞任
につき、その
補欠
として
堀川
恭平
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
二月二十二日
道路法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九 七号)
道路整備緊急措置法案
(
内閣提出
第九八号) 同日
辻地区
の
首都圏整備法
による
緑地帯指定反対
に 関する
請願
(
松永東
君
紹介
)(第一〇五一号)
一級国道
三号線
鹿児島県内
の
整備促進
に関する
請願
(
池田清志
君
紹介
)(第一〇七七号) 同(
中馬辰猪
君
紹介
)(第一一六七号)
鹿児島
、
霧島間等
の
道路整備
に関する
請願
(中
馬辰猪
君
紹介
)(第一〇九八号) 同(上林山榮吉君
紹介
)(第一一一〇号)
恒久的災害対策確立
に関する
請願
(
中馬辰猪
君
紹介
)(第一〇九九号) 台風常
襲地帯
に対する
特別法制定
に関する
請願
(
楢橋渡
君
紹介
)(第一一一一号) 同(
井手以誠君紹介
)(第一一五四号) 同(
今村等
君外八名
紹介
)(第一一五五号) 同(
大坪保雄
君
紹介
)(第一一五六号) 同(
木下哲
君
紹介
)(第一一五七号) 同(
滝井義高
君
紹介
)(第一一五八号) 同(
廣瀬正雄
君外三名
紹介
)(第一一五九号) 同(
廣瀬正雄
君
紹介
)(第一一六〇号) 同(
保利茂
君
紹介
)(第一六一号) 同(
眞崎勝次
君
紹介
)(第一一六二号) 同(
松野頼
三君外四名
紹介
)(第一一六三号) 同(
村上勇
君
紹介
)(第一一六四号) 同(
八木昇
君
紹介
)(第一一六五号) 同(
山崎巖
君
紹介
)(第一一六六号) 寄居町
都市計画街路中央通線改修
に関する
請願
(
荒舩清十郎
君
紹介
)(第一一四〇号) 二級
国道甲府熊谷線舗装
に関する
請願
(
荒舩清
十郎君
紹介
)(第一一四一号)
都市計画街路環状
七号線
着工促進
に関する
請願
(
花村四郎
君
紹介
)(第一一四二号) 国分市
中心街
を経る
県道各線
の
舗装
に関する請 願(
中馬辰猪
君
紹介
)(第一一六八号) の
審査
を本
委員会
に
付託
された。 二月二十五日
有料道路建設促進
に関する
陳情書
(第四四三号) 富山、名古屋間二級
国道
の
一級国道
昇格に関す る
陳情書
(第四四四号)
阪鶴最短中部横断国道建設
に関する
陳情書外四
件(第四四五号)
地すべり防止
の
立法化等
に関する
陳情書
(第四四六号)
手取川改修工事促進
に関する
陳情書
(第四四七号)
一級国道
八号線敦賀、武生間の
改修
に関する陳
情書
(第四四八号)
都市計画事業促進
に関する
陳情書
(第四六四号)
道路
の
完全整備
とこれに伴う
町村負担金軽減
に 関する
陳情書
(第四六六号)
鹿児島
、
霧島間等観光道路
の
整備促進
に関する
陳情書
(第五〇一号)
国県道
の
整備促進
に関する
陳情書
(第五〇 二号)
風水害等災害復旧促進
に関する
陳情書
(第五〇四号)
山陰地方道路整備法制定
に関する
陳情書
(第五〇五号)
首都圏整備事業推進
に関する
陳情書
(第五〇七号) を本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第八九号)
道路法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九 七号)
道路整備緊急措置法案
(
内閣提出
第九八号) ――――◇―――――
西村直己
1
○
西村委員長
これより
会議
を開きます。 去る二月二十一日
付託
になりました
内閣提出
、
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
及び同じく二十二日
付託
になりました
内閣提出
、
道路法
の一部を
改正
する
法律案
、
道路整備緊急措置法案
の各案を一括して
議題
とし、
審査
を進めます。 まず各案の趣旨につきまして
説明
を聴取いたします。
根本建設大臣
。 ————————————— —————————————
根本龍太郎
2
○根本国務
大臣
まず、ただいま
議題
になりました
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。
高速自動車国道中央自動車道
及び
高速自動車国道吹田——神戸線
の
建設
につきましては、現在
日本道路公団
におきまして用地の
折衝等
を進めているところでありますが、この
高速自動車国道
の
建設費
は約八百億円の巨額に達し、その
建設
の
促進
をはかるためには、
国内資金
の調達とあわせて
外貨資金
を調達する必要があると認められますので、
日本道路公団法
の一部を
改正
して、
国際復興開発銀行
から
外貨資金
を借り入れるための必要な
措置
を講ずるため、この
法律案
を
提案
いたした次第であります。以下本
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 まず第一に、
日本道路公団法
第二十八条の
政府
による
日本道路公団
の
債務
の保証に関する
規定
を
改正
して、同
公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借り入れ契約
に基き
外貨
で支払わなければならない
債務
について、
政府
が保証することができることといたしております。 次に、
付則
におきまして、
国際復興開発銀行
からの
外資
の受入について
日本開発銀行
、
日本輸出入銀行
、
愛知用水公団等
が発行する
債券
の
利子
に対する
所得税
の
免除
に関する
法律
の一部を
改正
して、同法により
利子
に対する
所得税
を
免除
する
債券
に、
日本道路公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借り入れ契約
に基き発行する必要のある
債券
を加えるようにいたしております。 以上がこの
法律案
の
提案
の
理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。 次に
道路整備緊急措置法案
につきまして、
提案理由
及びその
要旨
を御
説明
いたします。
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
は、御承知の
通り
、
昭和
二十九
年度
を
初年度
とする
道路整備
五カ年
計画
を樹立し、その
実施
に要する
費用
の
財源
に
揮発油税収入
を充てる
措置
を講じたものでありまして、この
法律
が
わが国
の
道路整備
の
促進
に対して果してきた役割は、まことに大なるものがあったのであります。しかるに、最近における
産業経済
の急速なる発展に伴い、
道路輸送
の
需要
が著しく増大したにもかかわらず、
道路
の
整備
はこれに伴わず、
道路交通
は各所において飽和の状態を現出し、
産業
各部門に対して隘路を形成している現状であります。かかる事態に対処し
道路
の
整備
をすみやかに行い、立ちおくれた
わが国
の
道路
を
先進諸国
の水準まで到達させ、
輸送需要
に即応させることは目下最大の急務と申すべきであります。ここにおいて、従前の
道路整備
五カ年
計画
を改め、新たなる構想のもとに
昭和
三十三
年度
を
初年度
とする
道路整備
五カ年
計画
を樹立し、その
実施
に要する
費用
の
財源
を確保する等の
措置
を講じまして、
道路
の
計画的整備
をはかり、もって
我が国経済基盤
の
強化
に資することが必要となって参ったのであります。 以上申し述べました観点から、ここにこの
法律案
を
提出
した次第であります。 以下、この
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 第一に、
建設大臣
は、
昭和
三十三
年度
以降五カ年間における
高速自動車国道
、
一級国道
、二級
国道
及び
政令
で定める
都道府県道
その他の
道路
の
整備
に関する
計画
の案を作成して
閣議
の
決定
を求めなければならないこととし、この
計画
には、五カ年間に行うべき
道路
の
整備
の
目標
及び
整備
の
事業
の量を定めることといたしました。 第二に、
道路整備
五カ年
計画
の
実施
に要する
費用
の
財源
を確保するため、
政府
は、毎
年度
、
当該年度
の
揮発油税
の
収入額
の
予算額等
を
道路整備費
の
財源
に充てなければならないこととするほか、
財政
の許す
範囲
内において
道路整備費
の
財源
につき必要な
措置
を講ずるものとすることといたしました。 第三に、国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、
昭和
三十三
年度
においては、
現行
の
臨時措置法
においても
道路法
の
規定
に対する
特例
が認められておりますのでこの
法律
においても、その
特例
を踏襲することとし、
昭和
三十四
年度
以降における国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、別に
法律
で定めるところによることといたしました。 なお、国が
直轄
で行う
道路
の
整備
に要する
費用
についての
地方公共団体
の
負担金
の額を
特例
を設けるとともに、
付則
におきまして
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
を廃止するほか、
関係法律
につきまして
所要
の
改正
を行なっております。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。 次に
道路法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 最近における
わが国
の
道路輸送量
の
増加
は、まことに目ざましいものがありますが、中でも
長距離
の
道路輸送量
の
増加
は特に著しく、この趨勢は
幹線道路
において今後さらに顕著になるものと考えられるのであります。従いまして、このような
長距離道路輸送量
の
増加
の傾向に対処するため、
幹線道路網
特に
一級国道
の画期的な
整備
をはかることが緊急に要請されているのであります。一方、
一級国道
の
管理
につきましては、従来から、
原則
として
都道府県知事
がこれを行う
建前
がとられてきたのでありますが、現下の
道路輸送
の状況にかんがみ、
一級国道
の重点的かつ効率的な
整備
をはかるため、
現行
の
管理方式
を改め
一級国道
の
新設
、
改築
は
原則
として
建設大臣
が行うこととするとともに、特に指定した
区間
については
建設大臣
が、その
維持管理
の責めに当ることにより、
一級国道
の
管理体制
の
強化
をはかりたいと存じます。 以上がこの
法律案
を
提案
した
理由
でありますが、以下その
要旨
について御
説明
申し上げます。 まず第一に、
一級国道
の
新設
または
改築
は、
建設大臣
が行うことを
建前
とし、特別の
事情
により
都道府県知事
が行うことが適当であると認められるものにつきましては、
都道府県知事
においてこれを行うこととしたことであります。 第二に、
一級国道
のうち
政令
で指定する
区間
につきましては、
建設大臣
が
維持
、
修繕
、
災害復旧
その他の
管理
を行うこととし、その他の
一級国道
につきましては、
都道府県知事
がこれを行うこととしたことであります。なお、この
指定区間
内の
一級国道
の
管理事務
につきましては、その一部を
都道府県知事
に行わせることができることといたしております。 第三に、
一級国道
の
管理
に要する
費用
の
負担
について
所要
の
改正
を行うこととしたことであります。まず、
新設
または
改築
に要する
費用
につきましては、
現行通り
といたしております。次に、
維持
、
修繕
その他の
管理
に要する
費用
につきましては、
指定区間
以外の
一級国道
については
現行通り
といたしておりますが、
指定区間
内の
一級国道
については国と
地方公共団体
とがそれぞれその二分の一を
負担
することとし、
管理事務
の一部を委任した場合のその
管理
に要する
費用
は
地方公共団体
が
負担
することといたしました。なお
昭和
三十三
年度
におきましては、経過的に
指定区間
内の
一級国道
の
修繕
を除く
維持
その他の
管理
に要する
費用
は、国がその三分の一、
地方公共団体
が三分の二を
負担
することといたしております。 以上が
一級国道
の
管理
に関する
改正
の概要でありますが、このほか
関門国道トンネル等
の
水底トンネル
の構造を保全し、
交通
の危険を防止するため、
爆発性
または
易燃性
を有する物件その他の
危険物
を積載する車両の通行を禁止し、または制限することができる
措置
を講じました。なお以上の
改正
に伴い、
関係法律
の一部につきまして
所要
の
改正
を行なっております。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
西村直己
3
○
西村委員長
続いて
補足説明
を聴取いたします。
富樫道路局長
富樫凱一
4
○
富樫政府委員
ただいま
大臣
から
提案理由
の御
説明
がありましたが、各
法律案
につきまして補足的に御
説明
申し上げます。 最初に
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
内容
を御
説明
申し上げます。この
法律案
は、
日本道路公団
が
国際復興開発銀行
から
外貨資金
を借り入れるのに必要な
措置
を講ずるための
規定
を
整備
しようとするものであります。 まず第二十八条の
規定
の
改正
について御
説明
申し上げます。
現行法
におきましては、
政府
は
日本道路公団
の発行する
道路債券
について保証することができる旨
規定
いたしておりますが、これに第二項を加えまして、
日本道路公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借り入れ契約
に基き、
外貨
で支払わねばならない
債務
についても
政府
が保証することができることといたしております。なお、
日本道路公団
が
借り入れ契約
に基き
国際復興開発銀行
に
債券
を交付する必要を生じた場合におきましても、その
債券
については本項の
規定
により
政府
が保証することができますので、
規定
が重複しないように、第一項について
所要
の
改正
をいたしております。 次に
付則
でありますが、
付則
第一項は、この
法律
が交付の日から施行される旨の
規定
であります。
付則
第二項は、
国際復興開発銀行
からの
外貨
の受け入れについて、
日本開発銀行
、
日本輸出入銀行
、
愛知用水公団等
が発行する
債券
の
利子
に対する
所得税
の
免除
に関する
法律
の一部を
改正
する
規定
であります。従来同法によりまして
日本開発銀行
、
日本輸出入銀行
、
愛知用水公団
及び
農地開発機械公団
が
国際復興開発銀行
からの
外資
の
借り入れ契約
に基き発行する
債券
につき、
所得税法
の
施行地
に住所を有しない個人、または同法の
施行地
に本店を有しない
法人等
が支払いを受ける
利子
については、
所得税
が
免除
されることになっておりますが、これと同様に、
日本道路公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借り入れ契約
に基き発行する
債券
につきましても、その
利子
に対する
所得税
を
免除
する
措置
をとることといたしております。 以上が本
法律案
の
内容
でございます。 次に
道路整備緊急措置法案
につきまして、
内容
を御
説明
申し上げます。この
法律案
は、
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
を廃止し、新たに、
道路整備
五カ年
計画
の
決定
、
道路整備費
の
財源等
に関し
規定
したものでありまして、
本則
五カ条及び
付則
六項からなっております。 まず第一条におきましては、この
法律
の
目的
を
規定
いたしました。すなわち、この
法律
は
道路法
による
道路
を緊急に
整備
することにより、
自動車交通
の安全の保持とその効率の増進とをはかり、もって
経済基盤
の
強化
に寄与することを
目的
といたしております。 第二条は
道路整備
五カ年
計画
について
規定
したものであります。まず第一項におきまして、
建設大臣
は、
昭和
三十三
年度
以降五カ年間における
高速自動車国道
、
一級国道
及び二級
国道
並びに
政令
で定める
都道府県道
その他の
道路
の
整備
に関する
計画
の案を作成して
閣議
の
決定
を求めなければならないものとし、第二項におきまして、
道路整備
五カ年
計画
には、五カ年間に行うべき
道路
の
整備
の
目標
及び五カ年間に行うべき
道路
の
整備
の
事業
の量を定めなければならないものといたしました。第三項におきましては、
建設大臣
は、
道路整備
五カ年
計画
の案を作成しようとするときは、
高速自動車国道
にかかわる
部分
については、あらかじめ
運輸大臣
に協議しなければならないものとし、第四項におきましては、
建設大臣
は、
道路整備
五カ年
計画
について
閣議
の
決定
があったときは、これは
都道府県知事
に通知しなければならないものといたしました。第五項におきましては、
道路整備
五カ年
計画
を変更する場合には、前三項の
規定
を準用する旨を
規定
いたしております。 第三条は、
道路整備費
の
財源
に関する
規定
であります。第一項におきましては、
政府
は、
昭和
三十三
年度
以降五カ年間は、毎
年度
、次に掲げる額の
合算額
に相当する金額を
道路整備
五カ年
計画
の
実施
に要する国が支弁する経費の
財源
に充てなければならないことといたしました。すなわち、
当該年度
の
揮発油税
の
収入額
の
予算額
及び
当該年度
の前々
年度
の
揮発油税
の
収入額
の
予算額
が、同
年度
の
揮発油税
の
収入額
の
決算額
に不足する額並びに
当該年度
の前前
年度
に現金又は
地方債証券
の
償還金
をもって納付された
昭和
三十
年度
から
昭和
三十三
年度
までの
事業
にかかわる
直轄国道分担金
の額は、これを
道路整備費
の
財源
に充てなければならないものといたしております。なお、
当該年度
の前々
年度
の
揮発油
の
収入額
の
予算額
が同
年度
の
揮発油税
の
決算額
をこえる場合におきましては、そのこえる額は、
道路整備費
の
財源
に充てる額から控除することといたしております。第二項におきましては、
政府
は、前項に定めるもののほか、
道路整備
五カ年
計画
を
実施
するため、
財政
の許す
範囲
内において
道路整備費
の
財源
につき必要な
措置
を講ずるものといたしております。 第四条は、
地方公共団体
の
負担金
の額の
特例
に関する
規定
であります。
道路整備
五カ年
計画
に基いて国が
直轄
で行う
道路整備事業
につきましては、
地方負担分相当額
を借入金によってまかなうことができるよう
措置
することといたしましたので、これに伴い、
道路整備
五カ年
計画
に基き国が
直轄
で行う
道路
の
整備
に要する
費用
について
地方公共団体
が
負担
すべき
負担金
の額は、
道路法
及び
道路
の
修繕
に関する
法律
の
規定
にかかわらず、本来の
負担金
の額に
政令
で定める
利息
があるときは、その
利息
の額を合算した額とすることといたしました。 第五条は、国の
負担金
の
割合
の
特例等
に関する
規定
であります。
昭和
三十三
年度
における
地方公共団体
に対する
道路
の
改築
または
修繕
に関する国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、
現行法
と同様、
政令
で特別の定めをすることができるものとし、
昭和
三十四
年度
以降における国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、別に
法律
で定めるところによることといたしました。 次に
付則
でありますが、第一項におきまして、この
法律
は、
昭和
三十三年四月一日から施行することとし、第二項におきまして、
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
はこれを廃止することといたしております。次に
付則
第三項におきまして、
昭和
三十三
年度
における
道路整備費
の
財源
につきまして
経過規定
を設けております。すなわち、
昭和
三十三
年度
におきましては、
本則
第三条第一項の
道路整備費
の
財源
に充てるべき額は、
当該年度
の
揮発油税
の
収入額
の
予算額
のほか、旧法第三条第二項に
規定
する
揮発油税
の
決算差額等
とすることといたしました。
付則
第四項及び第五項は、
現行法
の廃止に伴う
技術的改正
でありまして、
奄美群島復興特別措置法
及び
日本道路公団法
の一部につきまして
所要
の
改正
を行なっております。最後に
付則
第六項でありますが、
積寒関係事業
は、
道路整備
五カ年
計画
の一環とすることを予定いたしておりますので、
道路整備
五カ年
計画
と
積寒
五カ年
計画
との調整をはかるため、
昭和
三十二
年度
を
初年度
とする
積寒
五カ年
計画
は、六カ年
計画
に変更することとし、これに伴う
所要
の
改正規定
を設けることといたしました。 以上が
道路整備緊急措置法案
の
内容
でございます。 次に
道路法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
内容
を御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
一級国道
の
管理
に関する
現行法
の
規定
を
改正
し、
一級国道
の
新設
または
改築
は
原則
として
建設大臣
が行うこととするとともに、
一級国道
のうちその
管理保全
の
強化
をはかる必要がある
区間
については、
建設大臣
がみずからその
維持管理
を行うことによって、
重要幹線
たる
一級国道
の
管理体制
を
強化
する
措置
を講ずることをそのおもな
内容
といたしております。 第十二条の
改正
は、
現行法
第十二条におきましては、
一級国道
の
新設
または
改築
は
工事
が高度の
技術
を要する場合その他
一定
の場合には
建設大臣
が行い、その他の場合には
都道府県知事
が行うこととなっており、
建設大臣
と
都道府県知事
とは並列的な
関係
に立っているのでありますが、これを
改正
いたしまして、
一級国道
の
新設
または
改築
は
建設大臣
が行うことを
原則
とし、
工事
の規模が小である場合その他
政令
で定める特別の
事情
により
都道府県知事
がその
工事
を施行することが適当であると認められる場合には、例外的に
都道府県知事
がこれを行うこととしたことであります。 第十二条の二は、
一級国道
の
維持
、
修繕
、
災害復旧
その他の
管理
に関する
規定
として新たに加えたものであります。
現行法
第十四条におきましては、
一級国道
の
維持
、
修繕
、
災害復旧
その他の
管理
は
都道府県知事
が行うこととなっておりますが、この
改正規定
におきましては、
一級国道
の
維持
、
修繕
、
災害復旧
その他の
管理
は、
政令
で指定する
区間
内については
建設大臣
が行い、その他の
部分
については
都道府県知事
が行うことといたしております。なお、
指定区間
内の
一級国道
につきましても、その
管理事務
のうちには
都道府県知事
に行わせることを適当とするものもありますので、第二項においてその一部を
都道府県知事
に行わせることができるよう
措置
いたしております。 次に
一級国道
の
災害復旧
につきましては、第三項において、
工事
が高度の
技術
を要する場合その他
一定
の場合には、
建設大臣
が
指定区間外
の
一級国道
につきましても、
直轄
で
災害復旧工事
を行うことができるよう
措置
いたしております。第四項から第六項までの
規定
は、
都道府県知事
が
一級国道
の
修繕
または
災害復旧工事
を行う場合に、その
工事
が
都道府県
の
区域
の
境界
にかかわるときは
工事
の
設計等
について協議しなければならない旨を
規定
したものであります。 第十四条及び第十七条の
改正
は、
一級国道
の
維持修繕
その他の
管理
について第十二条の二の
規定
を設けたことに伴う
条文整理
であります。 第十八条は、まず第一項において
道路管理者
の定義がなされており、
一級国道
にあっては
都道府県知事
が
道路管理者
となっておりますが、これを
改正
して、
指定区間
内の
一級国道
にあっては
建設大臣
、その他の
一級国道
にあっては
都道府県知事
を
道路管理者
とすることにいたしました。次に、
道路
の
区域
の
決定等
を行う場合の図面の縦覧は、
現行規定
においては
都道府県
または市町村の
事務所
で行うこととなっておりますが、
一級国道
の
指定区間
につきましては、
建設省地方建設局
または
北海道開発局
の
事務所
においてこれを行うことといたしました。 第十九条は、
境界地
の
道路
の
管理
に関する
規定
でありますが、
建設大臣
が
指定区間
内の
一級国道
の
管理
を行う場合には、本条の
規定
を適用する実益がないので、これを
改正
して、
関係道路管理者
のうちから
建設大臣
である
道路管理者
を除くことといたしました。 第二十条は、
兼用工作物
の
管理
に関する
規定
でありますが、このたびの
改正
により、
指定区間
内の
一級国道
については
建設大臣
が
道路管理者
となりますので、
兼用工作物
の
管理方法
について他の
工作物
の
管理者
と協議が成立しない場合においては、
建設大臣
が他の
工作物
に関する
主務大臣
とあらためて協議することとし、これに関連する
規定
の
整備
をはかりました。 第二十四条の
改正
は、
指定区間
内の
一級国道
を
建設大臣
が
管理
することに伴う
技術的改正
であります。 第二十七条は
建設大臣
が
工事
を行う場合等における
道路管理者
の
権限代行
に関する
規定
でありますが、第十二条の
規定
により
建設大臣
が
指定区間外
の
一級国道
の
新設
または
改築
を行う場合、及び第十二条の二第三項の
規定
により
建設大臣
が
指定区間外
の
一級国道
の
災害復旧工事
を行う場合には、本来の
道路管理者
である
都道府県知事
にかわって
道路管理者
の権限を行うことといたしました。 第三十条及び第三十一条の
改正
は用語の統一と条文の形式を
整備
したものでありまして、
現行
の
規定
に実質的な変更を加えたものではありません。 第三十九条は、
道路
の占用料の徴収に関する
規定
でありますが、これを
改正
して、
指定区間
内の
一級国道
については、国が
道路
の占用料を徴収することといたしております。 第四十四条は沿道
区域
に関する
規定
でありますが、第一項においては、沿道
区域
の指定基準を条例で定めることとなっているのを
改正
して、
指定区間
内の
一級国道
における沿道
区域
の指定基準は
政令
で定めることといたしました。 第四十六条は、
道路
の通行の禁止または制限に関する
規定
でありますが、これに新たに第三項として、
水底トンネル
における
危険物
の運搬を規制する
規定
を加えることといたしました。関門トンネル等の
水底トンネル
におきましては、その構造が特殊であるため、爆発物等の運搬により異常な事故が惹起されることが想定されますので、
現行
の第四十六条を
改正
して、
道路管理者
は
水底トンネル
において
爆発性
または
易燃性
を有する物件その他の
危険物
を積載する車両の通行について必要な制限をすることができるよう
措置
いたしたものであります。 第四十九条は
道路
の
管理
に関する
費用
負担
の
原則
について
規定
したものでありますが、
指定区間
内の
一級国道
については、
建設大臣
を
道路管理者
といたしましたので、
費用
負担
原則
につきまして
所要
の
改正
を加えることといたしました。 第五十条は
一級国道
の
管理
に要する
費用
についての
規定
でありますが、これを
改正
して、
新設
または
改築
に関する
規定
と
維持
、
修繕
その他の
管理
に関する
規定
とを分けて取り扱うことといたしました。すなわち、まず第一項として
新設
または
改築
に要する
費用
について
規定
し、国と
地方公共団体
との
負担
割合
を
現行通り
といたしました。次に第二項におきましては、
維持
、
修繕
その他の
管理
に要する
費用
は、
指定区間
内の
一級国道
については国と
地方公共団体
とがそれぞれその二分の一を
負担
するものとし、その他の
一級国道
については
現行通り
都道府県
の
負担
とすることといたしました。また、第十二条の二の
規定
により、
建設大臣
が
指定区間
内の
一級国道
の
管理
の一部を
都道府県知事
または指定市の長に行わせた場合のその
管理
に要する
費用
は、
都道府県
または、指定市が
負担
することといたしました。なお、
指定区間
内の
一級国道
の
維持
その他の
管理
に要する
費用
につきましては、
付則
第二条において、
昭和
三十三
年度
の経過
措置
として国の
負担
割合
を三分の一といたしております。 第五十一条及び第五十三条の
改正
は、以上の
改正
に伴う
技術的改正
であります。 第五十五条の
改正
は、第二十条の
兼用工作物
の
管理
に関する
規定
を
整備
したことに伴う条文の整理であります。 第五十六条は、
道路
に関する
費用
の補助について
規定
したものでありますが、
指定区間
内の
一級国道
の
修繕
に要する
費用
は国がその一部を
負担
することといたしましたので、これに要する
費用
を補助の対象から除くことといたしました。 第六十一条は、受益者
負担金
に関する
規定
でありまして、その
負担金
の徴収を受ける者の
範囲
及び徴収方法については条例で定めることとされておりますが、これを
改正
いたしまして、
指定区間
内の
一級国道
につきましてはこれらを
政令
で定めることといたしました。 第六十四条は、占用料、
負担金
等の収入の帰属に関する
規定
でありますが、占用料につきましては、第十二条の三第二項の
規定
により
都道府県知事
または指定市の長に占用事務を委任することが考えられますので、その収入は
一定
の区分に従って国と
都道府県
または指定市にそれぞれ帰属することといたしました。 第七十一条第四項は、
道路
監理員に関する
規定
でありますが、
指定区間
内の
一級国道
につきましては
建設大臣
がその職員のうちから
道路
監理員を命ずることとなりますので、
現行規定
において吏員とあるのは職員に改めることといたしました。 第七十三条は、
負担金
等の強制徴収に関する
規定
でありますが、
指定区間
内の
一級国道
については国が強制徴収の手続を行うことといたしました。なおこれに伴い、手数料及び延滞金の徴収並びに
負担金
等の先取特権の順位についても
所要
の
改正
を行うことといたしました。 第七十四条の
改正規定
は、
指定区間
内の
一級国道
を
建設大臣
が
管理
することとなったことに伴う
技術的改正
であります。 第七十五条は、
道路管理者
に対する監督について
規定
したものでありますが、
指定区間
内の
一級国道
の
道路管理者
は
建設大臣
となりましたので、
建設大臣
の監督権限のうちから
指定区間
内の
一級国道
に関するものを除くことといたしました。第八十五条から第九十七条までの
改正規定
は、
一級国道
の
管理方法
の
改正
に伴う
技術的改正
と
規定
の
整備
をはかったものであります。第百一条は罰則
規定
でありますが、第四十六条の
改正
により、
水底トンネル
において爆発物等を積載する車両の通行の禁止または制限をすることができることといたしましたので、新たに一号を加えて、違反者に対する罰則を定め、制度の実効性を担保することといたしました。 第百六条の
改正
は、第十二条の二第二項の
規定
により、
建設大臣
にかわってその権限を行う
都道府県知事
または指定市の長は、罰則
規定
の適用については
建設大臣
とみなすことといたしたものであります。次に
付則
でありますが、
付則
第一条におきましてこの
法律
の施行期日を定め、
付則
第二条におきまして、
昭和
三十三
年度
における
費用
負担
の
特例
について
規定
を設けております。
付則
第三条は、
建設
省設置法の一部
改正
でありますが、
一級国道
の
管理方法
の変更に伴い、地方
建設
局が
一級国道
の
維持管理
の任に当ることとなりますので、地方
建設
局の所掌事務について
所要
の
改正
を加えたものであります。
付則
第四条は、
道路
の
修繕
に関する
法律
の一部
改正
でありますが、
一級国道
の
直轄
修繕
に関する第二条の
規定
に
改正
を加え、
建設大臣
は、
指定区間外
の
一級国道
について
直轄
修繕
をすることができるよう
措置
いたしました。
付則
第五条から第十条までの
規定
は、
道路法
の一部
改正
に伴い、
関係
諸
法律
の一部につきまして
技術的改正
を加えたものであります。 以上、
道路法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
内容
を御
説明
申し上げました次第であります。
西村直己
5
○
西村委員長
これより質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。久野忠治君。
久野忠治
6
○久野
委員
ただいま
道路
関係
法案についての
提案理由
の
説明
をお聞きいたしたのでございます。今さら申し上げるまでもなく、立ちおくれた日本の
道路
事情
を改善するために、この際思い切った
措置
を講ずることによって日本の輸送
交通
の隘路を打開しよう、こういう
目的
で今回このような
法律
的
措置
が講ぜられようといたしておるわけでございます。特にこの
法律
に伴う予算上の
措置
も今
年度
講ぜられておるわけでございまして、いよいよこれから
道路整備
の五カ年
計画
に着手をするわけでございます。しかしながら、従来ややもいたしますると、経済五カ年
計画
とか、いろいろの
計画
が
政府
で立案、発表をされておりますが、その
実施
に当っては、もちろん経済的な急変等の
事情
もありましょうけれども、えてしてその
措置
にそごを来たし、次から次にその
計画
を変更するというような事実が過去にたくさんあったと思います。さような意味合いから、今回制定をされようといたしまする
法律
に基いて行う
道路整備
五カ年
計画
にあっては、最も権威ある
事業
を行うことでなければならぬと思うのでございまして、この法案
提出
に至りました経済上の
理由
、あるいはこの
法律
の中に盛られております
事業
の量、
財源
措置
、こういうもの等について、いろいろお尋ねをしてみたいと思うのでございます。 まず最初にお尋ねいたしたいことは、
建設大臣
は五カ年
計画
を策定し、これに必要とする
道路整備
の
事業
の量をきめると書かれておるわけでございますが、大体この五カ年
計画
に基く
事業
の量はどれくらいでございますか。
根本龍太郎
7
○根本国務
大臣
ただいま久野さんから、いろいろと
道路整備
に関しまして御意見を御開陳なさるとともに、今回の五カ年
計画
の策定に当りまして、どれだけの
事業
量を見ておるかということでございます。これは先般の当
委員会
でも一応申し上げたことでございますが、現在日本の陸上輸送、これが飽和状態になりまして、さらにこのままで進みますならば、ほとんど身動きがならないという形になって、これがあらゆる
産業
、あらゆる経済の隘路になっておる。こういう観点から、これを全面的に
措置
するためには、
一級国道
、二級
国道
、地方主要
道路
、さらに府県道、有料
道路
を合せてみますと、現在の金額で約二兆三千億程度の
事業
量をやらなければ将来の日本の経済の発展に即し得ない、こういう形になっているわけでざいます。この
内容
は、
一級国道
につきましては全面的に改良を施しまして、すなわち鉄道との
関係
においては、全面的に立体交差にする、幅員は少くとも六メートル半以上にする、それから屈曲をできるだけなくする、その上に、橋は全部永久橋、そうして全面的
舗装
をするという
内容
であります。二級
国道
は改良いたしまして、橋は全部永久橋、人家連檐地区は
舗装
をするという
内容
であります。それから地方主要
道路
、これは大体二級
国道
並みというふうに考えているわけでございます。しかし、これを十カ年間でやるということになりますれば、時間が非常に長いために、ただいま御指摘になりましたように、経済上の変化に伴いまして、途中で相当変更しなければならない事態が予想される。それともう一つは、現在
政府
が長期経済
計画
を樹立して、これに基く諸般の政策は五カ年
計画
になっておりますので、やはりこれと相対応して処置することが必要であるということで、十カ年
計画
の中で、五カ年
計画
で
実施
する
事業
量を考えたわけであります。その
事業
量は、端的に表明しやすいものとして、現在金額で九千億考えておるわけであります。そのうち地方単独
道路
が千九百億、有料
道路
が千五百億、残る五千六百億程度の
事業
を一般
道路
に振り当てる、こういうふうな考えをしておるのでありまして、この五カ年間に
一級国道
につきましては、先ほど申し上げました十カ年
計画
のうちの約七割程度
実施
できるものと考えております。その他の二級
国道
並びに地方主要
道路
は、年々三十二年の約六〇%増くらいの
事業
量となる、かように考えておる次第でございます。
久野忠治
8
○久野
委員
五カ年間に約九千億程度の
道路
事業
を行いたい、かように
建設大臣
はおっしゃっておられるわけでございますが、これだけの
事業
を行うのに、
財源
の
措置
を一体どうしてつけるかという問題と、
政府
がかねて発表されました新経済政策五カ年
計画
の
内容
、このことについて、経済企画庁の方もおいでになるようでございますから、少しお尋ねをしてみたいと思うのでございます。企画庁の方で立案せられました案によりますると、将来の
交通
需要
の伸び、いわゆる三十三
年度
を起点といたしまして、五年後の
道路交通
需要
の伸びというものを、どれくらいに押えているのでございましょうか。
大來佐武郎
9
○大來
政府
委員
お答え申し上げます。私どもの方で新長期経済
計画
を作成いたします場合に、国内の輸送量、これは
道路
と鉄道と沿岸の海運とがございますが、これを全部ひっくるめまして、国の経済成長率との
関係
で計算いたしたわけでございますが、貨物輸送につきましては
昭和
三十一
年度
の実績に対しまして、
計画
最終
年度
でございます三十七
年度
には、総計で二六%ふえる。しかしその中でトラック輸送は七六%ふえる、つまり他の
交通
機関の輸送量に比べまして、
道路
を使いますトラック輸送の伸びが相当急速であるというふうに見積っております。それから旅客輸送につきましては、同じ期間に総合で約三七%輸送量がふえる。そのうちバスにつきましては約八割、乗用車につきましては、二・三倍、つまり
増加
率が一三〇%、このように見積っておるわけでございます。
久野忠治
10
○久野
委員
今の伸びは、もちろん貨物の輸送量だと思いますが、そうでございましょうか。
大來佐武郎
11
○大來
政府
委員
はい。
久野忠治
12
○久野
委員
貨物の輸送量だといたしますと、この輸送をいたします車の形態によって、また
道路
の構造をどうするとか、あるいは
道路
網の
整備
をどういうようにするかという問題が起きてこようかと私は思いますが、現在の輸送の車の形態を基準にして御計算なさっているのですか。
大來佐武郎
13
○大來
政府
委員
この点につきましては、各種の車の形態につきまして大体の将来の伸びを推定いたしまして、自動車台数といたしましては、トラック、バス、大型、小型を含めまして、それから乗用車、総計で、三十一
年度
に比べまして三十七
年度
には大体二倍になるという推計をいたしております。
久野忠治
14
○久野
委員
そうすると、輸送の形態が変るということですか。
大來佐武郎
15
○大來
政府
委員
大きな、総合的な
交通
体系として見てみます場合には、ただいま申しました鉄道、
道路
及び水運、この三つの形態の中で、
道路輸送
の比重がだんだん増大いたしまして、鉄道は、絶対量としては当然ふえるのですが、相対的な比重は下る。それから沿岸の水運につきましてはそれほど比重が動かない。大体これは過去の推計及び諸外国の
交通
体系の長期的な変化の模様から検討いたしまして、
計画
ではそういうふうに取り扱っておるわけであります。
久野忠治
16
○久野
委員
そういたしますと、輸送いたします車両の形態が変る。さようにいたしますれば、順次現在の
道路
構造は不便を来たす時代がくるんじゃなかろうかと思いますが、そういうことなどを想定しておいでになるのでございましょうか、
建設
省当局へお尋ねいたします。
富樫凱一
17
○
富樫政府委員
今度の五カ年
計画
は、
輸送需要
に合せて
道路
の
整備
を
計画
いたしておるようなわけであります。従いまして
交通
量も将来の
交通
量を予想いたしまして、それに合せるように
道路整備
を
計画
いたしておるわけであります。
久野忠治
18
○久野
委員
私がお尋ねしたのは、そうではないのです。先ほどの御答弁によりますと、現在の輸送をいたします車両の規模が、五年後には二倍になるというふうにおっしゃったように私は思います。そういう意味じゃないのですか。
大來佐武郎
19
○大來
政府
委員
車両台数でございます。
久野忠治
20
○久野
委員
そうだといたしますならば、一体二倍になったとして、どれくらいのスピードを
維持
することができるか、ここに私は問題があろうかと思うのであります。とにかく
道路
を
整備
いたしましても、
一定
のスピードを
維持
することができなければ、その輸送コストを下げることはできないわけでございますから、
一定
のスピードを
維持
するということが
道路整備
の絶対要件でなければならぬと私は思うのでございます。そういう点などについて、どういう御
計画
でございましょうか。
富樫凱一
21
○
富樫政府委員
これはお話の
通り
でございまして、
道路
を
計画
いたします場合にはスピードと
交通
量を予想いたしまして、それによって、どれだけの
交通
需要
に応じられるかということの
計画
をいたさなければならぬわけでございます。そこでスピードの問題でございますが、現在日本の
道路
を走る自動車が、非常におそい平均スピードでございますが、これはどういうことによっているかといいますと、一つには
道路
の幅が足らないという点もあります。また路面が悪いということもありますし、またこれは平面的な
道路
でありますので、交差が多いというようなこともありまして、スピードが落ちてきているわけでございます。ここで、幅が足らない、路面が悪いということは、これは改良によってよくできるわけでございまして、その面でスピードを上げることは可能であります。それから平面
道路
であるという点の改良は、これは立体的にやり直さなければ解決はできないわけでございますが、この五カ年
計画
におきましては、まず路面を改良し、幅を持たせる、それからこまかくは、曲線をゆるやかなものにし、また勾配もゆるやかなものをとるということで、スピードを上げることを考えておるわけでございます。ただ設計
道路
の設計スピードとしては相当上げたものを考えているわけでございます。それは、そこを通る一番早いスピードを想定いたしまして、そのスピードに安全なように
道路
の構造をきめるわけでございますが、そこを走る自動車の平均スピードということになりますと、これはまた別でございまして、それぞれ
道路
の状況に応じまして平均スピードというものが出てくるわけでございますから、必ずしも設計スピードにはなってこない。設計スピードというのは、一番大きいところをとっているわけでございます。この平均スピードを上げるために幅を広め、路面を改良するということに主力を置いていきたいと考えているわけでございます。
久野忠治
22
○久野
委員
先般予算
委員会
の公聴会におきまして、公述人が資料として
提出
されたのでございますが、この資料によりますと、かりに九千億の経費を投じて五カ年間に既定の
道路
事業
を行うとしても、アメリカと比較をするならば、おそらく三十年くらいの違いがあるんじゃなかろうか、こう言っておられます。完成した暁にも、なお三十年前のアメリカの
道路
の
事情
と日本の
道路
の
事情
が同じだということになるわけでございます。さよういたしますと、日本の生産規模の観点からいきまして、このような三十年のおくれをそのままにしておくということは非常に不自然だと思うのでございますが、その点どうでございましょうか。
大來佐武郎
23
○大來
政府
委員
輸送体系あるいは輸送施設の
整備
の程度、もちろんこれは全体の経済力に適合する必要があるわけでございまして、大体現状におきましては、経済力、日本の国民総生産というものが、アメリカに比べますれば、二十分の一程度になるわけでございまして、非常な資金が各方面に必要でございますが、国の経済力の許す
範囲
というものに限界があるかと思うのでございます。しかし、ただいま
建設
省からのお話がございましたような程度の投資が行われますれば、三十七
年度
にはこれはごく概略の見当でございますが、国民総生産の一・三%くらいを
道路
に——国民所得に比較いたしますれば、一・六七%になるかと思うのでございます。そうなりますと、諸外国の統計等を見て参りましても、ほぼその程度を
道路
投資に向けておりますのは、国際的に見ても高い水準になるわけでございます。アメリカは二ないし二・五%を
道路
投資に向けておりますが、その他のヨーロッパ諸国は大体一%前後のところが多いわけであります。従って、この長期経済
計画
にも書いてございますように、もしも
道路整備
を
交通
量の頻繁なところ、生産活動に関連の深いところ、そういうところから重点的に
整備
いたして参りますれば、この程度の
道路
投資でも、相当生産の面にプラスになるというふうに判断してよろしいのじゃないかと存じておるわけでございます。
久野忠治
24
○久野
委員
政府
は、将来の日本の輸出貿易の額を想定されまして、三十三
年度
には三十一億五千万ドルを至上命令として達成したいとおっしゃっている。それから五年後には約四十七億ドルの輸出
目標
を達成したいとも言っておられるわけでございますが、この輸出
目標
を達成するためにはまず必要な要件は生産コストを切り下げるということであろうと思うのであります。その生産コストの切り下げの最大必須条件は、輸送費を逓減するということであろうと思うのであります。そこから私は
道路整備
の必要性が説かれ、今日
政府
が重点施策としてこれを取り上げられたのも当然の
措置
であろうと思うのでありますが、先ほど来私が申し上げましたように、あくまでもこれをペーパー・プランに終らせないためにはもう少し将来の
交通
需要
の伸びというものを的確に把握して、その
事業
計画
を進める必要があろうかと思いますので、いろいろなことを私はお尋ねいたしておるのでございます。そういたしますと、日本の生産規模と申しますか、生産
需要
と申しますか、それと
交通
需要
の伸びというものが、非常にアンバランスのものになるのじゃないかという気がいたしますが、どうでございますか。
大來佐武郎
25
○大來
政府
委員
輸送需要
、貨物につきましてはトン・キロ、人につきましては人キロで将来を想定いたしたわけでございますが、大体において過去の生産の伸びと、こういう輸送トン・キロあるいは人キロの
関係
を求めまして、生産がどれだけ上れば
輸送需要
がどのくらいふえるというような計算から、将来の
輸送需要
を推定いたしております。なおトラックの場合につきましては、トラック一台当りの年間の輸送量の変化、これはスピードその他の
関係
もございまして、これをこの五年
計画
では過去の六年間の平均が、年間トラック一台当り輸送量が三万六千五百トンでございますのを、三十七年には四万六千八百トンというような計算にいたして出しておるわけでございます。もちろん
道路輸送量
全体が経済の伸びにマッチしなければなりませんが、同時にただいまお話のありました輸出
促進
というようなことを考えますと、特に鉱工業地帯の生産に関連する
道路
の
整備
ということを重点的にお考え願えれば、必ずしも経済の伸びに対して
道路
の
関係
がアンバランスであるというふうには考えておらないわけでございます。
久野忠治
26
○久野
委員
先般の公述人の言ったことばかり例にあげて恐縮ですが、もうすでにアメリカあるいは西欧諸国等先進国では、鉄道輸送がトラック輸送に変りつつある。そういう
事情
から、ところによっては鉄道のレールをはずして、それを
道路
敷に利用しておるところなどもあるという公述がなされておるのでありますが、そういうような現実にかんがみまして、企画庁では将来、鉄道と
道路輸送
との
関係
がどういう比重に変ってくるか、その点についてお尋ねをいたしたいと存じます。
大來佐武郎
27
○大來
政府
委員
この点につきましては、そのような
交通
機関相互の間の発展率の違い、伸び方の違いというものも考慮いたしまして、結局将来の各種輸送機関によります輸送量の伸び率を変えて考えておるわけでございまして、トラックについては九・七%。それに対しまして国鉄は三・二%の伸び率というようなことで、その結果として輸送の比重がだいぶ変って参るわけでございます。ただこの
計画
にも書いてございますが、輸送機関それぞれの役割があるわけでございまして、輸送機関の相互の間の大体消長
関係
がございますが、それぞれの役割、たとえば鉄道におきましては幹線を
強化
することによって
長距離
大量貨物の輸送を
強化
する。これはやはり経済の伸びに従って必要が出て参るわけだとも考えられます。海運につきましても同様な問題がございます。いまだこの輸送機関別の比重は、欧米諸国に比べまして、日本は鉄道の比重が非常に高いわけであります。輸送トン・キロで申しますと五〇%以上が鉄道によっております。トラックは二割を少し切る程度でございますが、これが逐次トラックの比重が上昇して参る、そういうふうな考え方をしておるわけでございます。
久野忠治
28
○久野
委員
そこで五カ年後の日本経済の姿あるいはそれに対する
交通
需要
の伸び等についてはっきりいたしたわけでございますが、そこでこの
事業
を行うためには
財源
措置
を一体どうするかということが私は問題であろうと思うのであります。今回制定をされます
法律
の中には、この
財源
についてはガソリン税収額と、さらに
財政
の許す
範囲
内において
財源
措置
を講ずる云々と書かれておるわけでございますが、その
財政
の許す
範囲
内において
財源
措置
を講ずるという意味は、どういう意味でございましょうか。
佐藤一郎
29
○佐藤(一)
政府
委員
お答え申し上げます。御承知のように
道路
の五カ年
計画
につきましては、ガソリン税を主たる
財源
といたしておるわけであります。これにつきましては、いわばひもつきの
財源
でございまして、今後相当な伸びが考えられると思いますが、その他のものにつきましても、ただいまのところ
事業
計画
その他、まだこまかいところまではっきりいたしておりません。従って具体的なことはまだ申し上げられませんが、場合によっては借入金の道も開けたわけでございまして、全体といたしまして、とにかくこの
計画
を何とか実現するというふうに極力努力していく、こういう考え方でございます。
久野忠治
30
○久野
委員
極力努力するという言葉はちょっとおかしいと思うんですが、とにかくこれは
閣議
で
政府
の案として正式に策定されるわけでございますから、あくまでも五カ年間にこの
事業
を達成するように、努力するということでなしに、これは完成させなければならぬと私は思うのでございます。そこで、五カ年間に想定されるガソリン税収の総額は、どれくらいにお見込みになっていましょうか。
佐藤一郎
31
○佐藤(一)
政府
委員
これは今後の見通しでございますが、大ざっぱに申しまして、大体三千六百億足らずというものが見込まれるのじゃないかということを現在は考えております。
久野忠治
32
○久野
委員
そういたしますと、他の不足
財源
は何によってまかなわれようとされておるのですか。
佐藤一郎
33
○佐藤(一)
政府
委員
これにつきましては九千億と申すのでございますが、地方単独の
事業
が千九百億ございますし、有料
道路
が千五百億でございます。あと五千六百億が一般の
道路
の
事業
ということに相なっておるわけでありまして、これらは将来の
財政
事情
も勘案いたしまして、ガソリン税以外の一般
財源
を相当つぎ込まなければならない、あるいはまた借入金の方法もとる、というような各種の方法が考えられております。
久野忠治
34
○久野
委員
初年度
の予算に現われております数字から計算をいたしますならば、三十四
年度
以降は相当大幅に経費を計上しなければ、私はこの
事業
達成は無理であろうと思うのであります。そこでただいまお答えのように、一般
財源
あるいは借入金等によってこれをまかなうと、こう言っておるのでございますが、大体一般
財源
と借入金をどれくらいの按分でこれに充てようというお考えでございましょう。
佐藤一郎
35
○佐藤(一)
政府
委員
実は五カ年
計画
の
内容
が、まだ具体的にこまかいところまできまっておりません。それで的確に、今
財源
幾らというようなことは、
事業
計画
ともにらみ合せまして、
関係
各省とも御相談をし、また場合によりましては学識経験者の意見も伺って十分に検討して、五カ年
計画
を
閣議
決定
いたしますころまでには、できるだけめどをつけたいという考えを持っております。従いまして、ただいまのところ具体的にどうというようなところまでは申し上げる段階になっておりません。
久野忠治
36
○久野
委員
私が先ほど来何回も申し上げておりますように、今までの経済五カ年
計画
のようにペーパー・プランに終らせたくない、権威あるものにしたいという考え方で、私はいろいろお尋ねをしておるのでございますから、これから検討しようとか、これからどうしようということでなしに、率直にその
財源
措置
についてお話を伺わないと、この
法律
を制定いたしましても有名無実に終ると思うのでありまして、もう少し具体的に、数字を明らかにしていただきたいと思います。
佐藤一郎
37
○佐藤(一)
政府
委員
まことに申しわけないのですが、ただいま申し上げたような段階でございまして、私は十分検討したいと思います。また久野
委員
のおっしゃいましたように、もちろん私たちもこの
計画
をいわゆる有名無実なものにするという考え方は毛頭持っておらないわけでございまして、この
計画
を実現するためにあらゆる方法を講じなければならないと考えております。
中島巖
38
○中島(巖)
委員
ただいまの久野
委員
の質問に関連してでありますが、この
道路整備
五カ年
計画
はまことにけっこうでありますし、
道路整備
が非常に立ちおくれておるというような
関係
で、急速にやってもらわねばならないのですが、一番肝心なことは、ただいま久野
委員
からも質問がありました
財源
の問題であると思います。
政府
が策定いたしました
道路整備
の新五カ年
計画
の九千億という線、それから先ほどその内訳についても御
説明
がありましたが、ガソリン税が主たる
財源
でありますが、これが年々二、三割程度は伸びておるわけで、そういうものを見越しまして三千六百億という大体の見込みが出たわけであります。そうしますと五千四百億というものは他の
財源
に求めなければならぬ。しかしそのうち地方道が千九百億ありまして、この地方道の県
負担
分が若干それから引けるけれども、いずれにしても八千億以上の
財源
を国が確保しなければならない。そうしますと、ガソリン税三千六億とすると、あと四千四、五百億というものの見当がつかずにおって五カ年
計画
を策定したりする理屈はないのだから、こまかく何で幾ら、何んで幾らというふうな数字は出ぬといたしましても、大体の大ざっぱな大ワクの見当というものがなければ、五カ年
計画
九千億という数字は出てこないのだから、あとの四千数百億というものはたとえば借り入れなら借り入れで、どれだけ借り入れるつもりだ、あるいは一般
財源
からどれだけ出すとか、あるいは
財政
投融資からどれだけというような、大体のワクくらいの見当はお持ちになって策定したものだ、こういうふうにわれわれは了解しておったのでありますが、その辺の
事情
を——別に言質をとらえてあとでどうこうというのではないのだから、率直に一つ、局長の構想なり考えでもけっこうですから、お漏らし願いたいと思います。
佐藤一郎
39
○佐藤(一)
政府
委員
御承知のように、今回の九千億という
計画
を策定いたしました経緯は、一般にも御存じと思うのでありますが、経済企画庁におかれまして新しい五カ年
計画
というものを、経済全体についてお立てになったわけであります。それで
道路
については、もちろんそれ自体としての緊急な必要性から
道路
計画
の策定ということが要請されておったわけでありますが、しかし、もちろん同時に、それは全体の経済の
計画
の中に総合的に吸収して考えらるべきものであります。従いまして、今回も企画庁の考えておられる総体のワクというものを大ざっぱにつかみまして、それによって私どもは 一体九千億の
計画
が過大であるか、もしくは過小であるかどうかということを判断いたしたわけであります。経済企画庁ではその五カ年
計画
のいろいろな数字を検討されました上で、九千五百億ないし六千六百億というものが新しい経済五カ年
計画
の中において占める
道路
の
計画
として妥当なものである、こういう考え方を立てられまして、それでいろいろと検討した結果、九千億というところに落ちついたわけでございます。これはいわゆる巨視的といいますか、そういう全体の総合的な見方に立ちまして、経済の全体のバランスの上からいいまして、過小でもなくまた過大でもないというところを選んだつもりでございます。もちろん具体的な
財源
の問題は、その年々の
財政
の状況によって影響されるのでありますが、長い目で見ました五カ年間の日本の経済の実力とその進歩というものは大体つかみ得るわけでありまして、その
計画
の中に大体当てはめて考えております。従いまして、私どもはこの
計画
が決してそんな過大なものとも考えておりません。妥当なところだと考えております。従いまして、十分これを実行することができるという確信は持っております。
中島巖
40
○中島(巖)
委員
ただいま大蔵当局の御答弁は、日本経済の五カ年間の全体のワクから考えてこれぐらいが適当だ、こういうようなお考えでもって、経済企画庁の策定したのを大蔵省の立場として、あまり大きくもないし、小さくもなくて、妥当なところだとして認めた、こういう御答弁でありました。それからガソリン税の五カ年間の収入も大体三千六百億というような見通しである、こういうことを承わったわけでありますが、そこで、これはもちろん
建設大臣
の方に構想があると思うのですが、
建設大臣
としては九千億の
財源
確保に対するどんな御構想をお持ちであるか、あるいは財布は大蔵省まかせという考えであるか、国務
大臣
として、立案した責任者としての大体お見通しはあると思うのです。お聞きしたいと思います。
根本龍太郎
41
○根本国務
大臣
先ほど来大蔵事務当局が
説明
した
通り
に、この五カ年
計画
を策定するに当りましては、
建設
省としては
道路
需要
の面からいろいろ算定したわけです。その際には、最小限度五カ年間に九千五百億という主張をしておりましたが、日本経済全体の成長並びにこれに伴うところの
財政
の一般的見通しから、九千億になったわけであります。しかしその際において、ガソリン税については一応見通しができますけれども、一般会計もしくは借り入れの道を開いただけでありまして、それを年次別にどれだけ振り当てるかということはまだ策定しておりません。しかし大蔵当局も経済企画庁当局も総体として五カ年間に九千億、一般
道路
について五千六百億の
財源
保持、これは責任を持ってやり得るという認定のもとになされたものでありますので、第二
年度
において一般会計からなんぼ、借り入れはなんぼということは、今具体的に策定していないのであります。この点は一面におきましては、年々の予算編成のときに当りましては具体的に協議してやることになっておりますので、五カ年
計画
における年次別または
財源
別の
計画
は、大蔵事務当局が言われる
通り
、現在私の方としても具体的に構想を持っておるわけではございません。
久野忠治
42
○久野
委員
その五カ年に想定される
事業
の量、その年次別の
計画
の量、その資金、こういうものを
計画
的に策定をなさってこそ、初めて
道路整備
五カ年
計画
というものが権威あるものになると私は思うのでありますが、その点について確たるお答えがありませんので、これ以上私は申し上げませんけれども、とにかくガソリン税収入以外の不足
財源
は、すべて一般会計もしくは借入金によってこれを充当する、こういうふうに解釈してよろしゅうございましょうか。
佐藤一郎
43
○佐藤(一)
政府
委員
そう考えております。
根本龍太郎
44
○根本国務
大臣
私から補足的な
説明
をしておきますと、先ほど
法律案
提案
の
内容
に触れて御
説明
申し上げました
通り
に、五カ年間にわたる
事業
計画
が策定されるわけであります。それには大体
年度
別それからまた
道路
種別の
計画
が策定ざれるわけであります。従いましてそこに年次別に必要なる経費が、これは
閣議
で
決定
しませんけれども、
事業
量がきまりますれば、おのずから現在の単価その他から見て、必要なる
財源
の総額がわかるはずであります。それに対しましてガソリ税の予想額もわかりますから、そうすればその差額をどうするかは具体的に一般会計はなんぼ、借入金はなんぼとしなくとも、特別に
措置
しなければならぬところの金額がおのずから出るわけでございます。これについてはこの
年度
別予算編成のときに当りまして、大蔵省と経済企画庁とわれわれの方で折衝の上、その
事業
計画
を遂行し得る予算
措置
を考える、こういうふうに考えているのでございます。従いまして先ほど御指摘になりましたように、一応の総額は
決定
しておる。それから
事業
計画
は立てても、
財源
措置
については何らの
措置
がないという状況ではございません。ただし現在それを明確に
年度
別に御
説明
する段階まで行っていないというように御承知おきを願いたいと思います。
久野忠治
45
○久野
委員
大蔵事務当局にこういうお尋ねをすることは私は無理かと思うのでございますが、今までの災害に関連をいたします
財政
上の
法律
の制定あるいは他の公共
事業
等の取扱い等につきましても、
財政
の許す
範囲
内においてという言葉でいつもごまかされておるのであります。そういう実例をたくさん重ねておりますから、私はあえてこういうことをくどくどしく申し上げておるのでありまして、せっかく立案をされたこれだけの
計画
でございますから、それを権威づける意味からいって、その数字的な根拠を明らかになさることが、国民に対して親切なやり方と申しますか、この
道路
計画
を具体的に
説明
する大きな資料になろうかと思って、私はお尋ねをいたしておるわけでございます。しかし事務当局にこれ以上のことをお尋ねすることは無理であろうと思いますので、この程度で私の
財源
措置
についてのお尋ねはやめますが、ただもう一つお尋ねいたしたいことがございます。 それは先般の予算
委員会
でも指摘をされたのでございますが、現在欧米諸国においては、ガソリン税収入をもって
道路
費の
財源
に充てるという考え方はもう古くなった。そこで最近の傾向は、
道路
を利用する者から、いわゆる
道路
利用者税と申しますか、それをとるようになってきておる。たとえて言うならば、その型式とかあるいは積載をいたします貨物のトン数によって利用者税を課するようにしておるとか、あるいはバスだとかトレーラーだとか、そういうような区分によって
道路
を損耗する率を算定して、それによって税を課しておるのだから、日本もこれをやる以外に道はないのではないかという御意見の発表があったのでございますが、そういう点についてどういうふうにお考えになっておりましょうか。
佐藤一郎
46
○佐藤(一)
政府
委員
おっしゃいますように、だんだんと
道路
の問題が非常に大きな問題として取り上げられるに従いまして、また
道路
の構造もだんだんと改善して、特定の利用者に対する
道路
というような実態が出て参る。従って、ただいまおっしゃいましたような考えは当然わいてくるものと思っております。従来のいわゆる市町村
道路
、一般の人たちがだれかれの区別なく使っておる
道路
というものから進んできまして、まだ鉄道とまではいかないかもしれませんが、非常に特定な人々が利用しているということに自然なって参ると思うのであります。そういう考え方から、いわゆる有料
道路
というものも現在相当普及しつつあるわけでございます。同時に、ただいまのような構想も十分研究の余地があろうかと思いますが、ただいまのところまだ大蔵省では具体的にその検討をやってはおりません。こういう五カ年
計画
のような問題が起って参りますれば、
道路
の実情、
計画
の進捗ということと合せて研究すべきものではないかと考えております。
久野忠治
47
○久野
委員
その際、ガソリン税の税率を変更するという問題も私は考えの中に入ってくると思いますが、そういう点についてはどうお考えになっておられましょうか。
佐藤一郎
48
○佐藤(一)
政府
委員
ガソリン税の問題でございますが、もちろんこれは
道路
が改善されて、利用する者のコストが軽減してくるということになった場合には、あるいは具体的に議論が出てくるかもしれませんが、この
計画
を策定いたす場合としては、特別にガソリン税の問題を今どうするということを考慮の上やったわけではございません。ただいまのところは、将来ガソリン税を引き上げるかどうかは、まだ白紙に立っております。
久野忠治
49
○久野
委員
大臣
に時間がないようでございますから、最後にもう一点だけお尋ねしておきたい。先般の
閣議
におきまして
交通
関係
閣僚協議会というものを設けることにおきめになったようでございますが、その協議会の
内容
はいかなるものでございましょう。
根本龍太郎
50
○根本国務
大臣
これは昨年来、私からもいろいろ発言し、また他の
関係
閣僚からも発言がありましたが、去る二月二十五日に
閣議
決定
をしたのは、ただいま御指摘の
通り
、
交通
関係
閣僚協議会というものでございます。設置
理由
につきましては、現在の日本の
交通
体系の
整備
に関して、基本的方針と重要な問題について総合的見地から検討する、そのために
関係
閣僚をメンバーとする協議会を設けるということであります。組織は大蔵
大臣
、農林
大臣
、通商
産業
大臣
、
運輸大臣
、
建設大臣
、北海道開発庁長官及び経済企画庁長官がその構成員でございますが、必要に応じ他の
関係
閣僚も出席することができるようにしております。これには官房長官ももちろん構成の中に入っております。それから下部機構とも申すべき一つの幹事会を置いております。この幹事会には
内閣
総理
大臣
が
指名
する
内閣
官房副長官、それに先ほど申しました大蔵、農林、通産、運輸、
建設
、北海道開発庁、経済企画庁の各事務次官が幹事になっております。必要に応じまして、その他各省庁の次官をも加えることができるようにしております。この協議会の庶務事項は経済企画庁で担当する。しからばどういう問題を協議するか、これは具体的にまだ何もきまっておりませんけれども、大体協議の対象になるという例示でございますが、たとえば東京——大阪間の陸上輸送体系の
整備
、これは御承知のように東海道線の複々線の問題、それから中央縦貫通路の問題、東海道線の
改修
もしくはそれのバイパスの問題、こういう問題を総合的にどう調整し、どういうふうな
措置
を講ずべきかということなんかがこの協議会において問題とすべき問題だと思います。その他別個の観点から申し上げるならば、現在日本の港湾の施設、これは各地で非常に要求されておりますが、ウェートの置き方がはっきりしない。そのために二重投資になるというか、ある意味においては効率的な活用ができない。重要港湾でありながら毎年毎年少額の予算
措置
よりできないためになかなか利用できない、こういうような状況もありますので、貿易の伸張に対応する重要港湾をどう
整備
すべきか、こういうような問題も一つの
議題
となりましょう。それから、現在日本の
産業
の一つの動力源と申しますか、あるいは材料と申しますか、これの輸送の
整備
の問題が総合的に検討されていない。石油にしろ、石炭にしろ、鉱石にしろ、これの輸入についてどこに重点を置いてやるかということなんかも、やはり各省
関係
十分に資料を持ち合って、しかも総合的な見地においてこれを検討しなければならぬ。あるいはまた、石炭の増産に伴う輸送力の
整備
の問題等も検討しなければならぬ一つの問題だと思っておりますが、このほか日本経済の発展の基盤として取り上げなければならぬ
交通
輸送に関する総合的な体系並びに重要問題を協議する、こういうようにいたしておる次第でございます。なお、予算分科会その他で問題になりました、現在
交通
事故が非常に多いということ、こういう問題を処理するとか、あるいは先ほど御議論になりました、
道路
の能力に対応しない大型のトラックその他が非常に
道路
を荒しておる、そういう場合における規制の方法、こういう問題等を幹事会あるいはまた
関係
事務当局間における協議事項にして処置していくというふうな考え方を持っておる次第でございます。
久野忠治
51
○久野
委員
いろいろまだお尋ねいたしたいと思っておりましたが、
関係
大臣
の御出席を求めて質疑をいたした方がよかろうと思いますので、本日はこの程度で終りたいと思います。
三鍋義三
52
○三鍋
委員
過日の
委員会
におきまして
道路
関係
施策の御質問を申し上げた折、
道路局長
に、関門
国道
の料金算定の基礎資料をお願いしてあったのでありますが、これはいつ出していただけるものでしょうか。できたら明日でも御
提出
願いたいと思いますが……。
富樫凱一
53
○
富樫政府委員
本日用意いたしておりますので、お配りいたします。
西村直己
54
○
西村委員長
次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会