運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-02-27 第28回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月二十七日(木曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 西村 直己君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 大高  康君 理事 荻野 豊平君    理事 久野 忠治君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    池田 清志君       薩摩 雄次君    徳安 實藏君       松澤 雄藏君    山口 好一君       井谷 正吉君    中島  巖君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁総         合計画局長)  大來佐武郎君         大蔵事務官         (主計局次長) 佐藤 一郎君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         建設事務官         (道路局路政課         長)      三橋 信一君         専  門  員 山口 乾治君     ――――――――――――― 二月二十二日  委員堀川恭平辞任につき、その補欠として芦  田均君が議長指名委員に選任された。 同日  委員芦田均辞任につき、その補欠として堀川  恭平君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月二十二日  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第九  七号)  道路整備緊急措置法案内閣提出第九八号) 同日  辻地区首都圏整備法による緑地帯指定反対に  関する請願松永東紹介)(第一〇五一号)  一級国道三号線鹿児島県内整備促進に関する  請願池田清志紹介)(第一〇七七号)  同(中馬辰猪紹介)(第一一六七号)  鹿児島霧島間等道路整備に関する請願(中  馬辰猪紹介)(第一〇九八号)  同(上林山榮吉君紹介)(第一一一〇号)  恒久的災害対策確立に関する請願中馬辰猪君  紹介)(第一〇九九号)  台風常襲地帯に対する特別法制定に関する請願  (楢橋渡紹介)(第一一一一号)  同(井手以誠君紹介)(第一一五四号)  同(今村等君外八名紹介)(第一一五五号)  同(大坪保雄紹介)(第一一五六号)  同(木下哲紹介)(第一一五七号)  同(滝井義高紹介)(第一一五八号)  同(廣瀬正雄君外三名紹介)(第一一五九号)  同(廣瀬正雄紹介)(第一一六〇号)  同(保利茂紹介)(第一六一号)  同(眞崎勝次紹介)(第一一六二号)  同(松野頼三君外四名紹介)(第一一六三号)  同(村上勇紹介)(第一一六四号)  同(八木昇紹介)(第一一六五号)  同(山崎巖紹介)(第一一六六号)  寄居町都市計画街路中央通線改修に関する請願  (荒舩清十郎紹介)(第一一四〇号)  二級国道甲府熊谷線舗装に関する請願荒舩清  十郎君紹介)(第一一四一号)  都市計画街路環状七号線着工促進に関する請願  (花村四郎紹介)(第一一四二号)  国分市中心街を経る県道各線舗装に関する請  願(中馬辰猪紹介)(第一一六八号) の審査を本委員会付託された。 二月二十五日  有料道路建設促進に関する陳情書  (第四四三号)  富山、名古屋間二級国道一級国道昇格に関す  る陳情書(第四四四号)  阪鶴最短中部横断国道建設に関する陳情書外四  件(第四四五号)  地すべり防止立法化等に関する陳情書  (第四四六号)  手取川改修工事促進に関する陳情書  (第四四七号)  一級国道八号線敦賀、武生間の改修に関する陳  情書  (第四四八号)  都市計画事業促進に関する陳情書  (第四六四号)  道路完全整備とこれに伴う町村負担金軽減に  関する陳情書  (第四六六号)  鹿児島霧島間等観光道路整備促進に関する  陳情書(第五〇一号)  国県道整備促進に関する陳情書  (第五〇  二号)  風水害等災害復旧促進に関する陳情書  (第五〇四号)  山陰地方道路整備法制定に関する陳情書  (第五〇五号)  首都圏整備事業推進に関する陳情書  (第五〇七号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第八九号)  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第九  七号)  道路整備緊急措置法案内閣提出第九八号)      ――――◇―――――
  2. 西村直己

    西村委員長 これより会議を開きます。  去る二月二十一日付託になりました内閣提出日本道路公団法の一部を改正する法律案及び同じく二十二日付託になりました内閣提出道路法の一部を改正する法律案道路整備緊急措置法案の各案を一括して議題とし、審査を進めます。  まず各案の趣旨につきまして説明を聴取いたします。根本建設大臣。     —————————————     —————————————
  3. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 まず、ただいま議題になりました日本道路公団法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  高速自動車国道中央自動車道及び高速自動車国道吹田——神戸線建設につきましては、現在日本道路公団におきまして用地の折衝等を進めているところでありますが、この高速自動車国道建設費は約八百億円の巨額に達し、その建設促進をはかるためには、国内資金の調達とあわせて外貨資金を調達する必要があると認められますので、日本道路公団法の一部を改正して、国際復興開発銀行から外貨資金を借り入れるための必要な措置を講ずるため、この法律案提案いたした次第であります。以下本法律案要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、日本道路公団法第二十八条の政府による日本道路公団債務の保証に関する規定改正して、同公団国際復興開発銀行と締結する外貨資金借り入れ契約に基き外貨で支払わなければならない債務について、政府が保証することができることといたしております。  次に、付則におきまして、国際復興開発銀行からの外資の受入について日本開発銀行日本輸出入銀行愛知用水公団等が発行する債券利子に対する所得税免除に関する法律の一部を改正して、同法により利子に対する所得税免除する債券に、日本道路公団国際復興開発銀行と締結する外貨資金借り入れ契約に基き発行する必要のある債券を加えるようにいたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。  次に道路整備緊急措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。  現行道路整備費財源等に関する臨時措置法は、御承知の通り昭和二十九年度初年度とする道路整備五カ年計画を樹立し、その実施に要する費用財源揮発油税収入を充てる措置を講じたものでありまして、この法律わが国道路整備促進に対して果してきた役割は、まことに大なるものがあったのであります。しかるに、最近における産業経済の急速なる発展に伴い、道路輸送需要が著しく増大したにもかかわらず、道路整備はこれに伴わず、道路交通は各所において飽和の状態を現出し、産業各部門に対して隘路を形成している現状であります。かかる事態に対処し道路整備をすみやかに行い、立ちおくれたわが国道路先進諸国の水準まで到達させ、輸送需要に即応させることは目下最大の急務と申すべきであります。ここにおいて、従前の道路整備五カ年計画を改め、新たなる構想のもとに昭和三十三年度初年度とする道路整備五カ年計画を樹立し、その実施に要する費用財源を確保する等の措置を講じまして、道路計画的整備をはかり、もって我が国経済基盤強化に資することが必要となって参ったのであります。  以上申し述べました観点から、ここにこの法律案提出した次第であります。  以下、この法律案要旨を御説明申し上げます。  第一に、建設大臣は、昭和三十三年度以降五カ年間における高速自動車国道一級国道、二級国道及び政令で定める都道府県道その他の道路整備に関する計画の案を作成して閣議決定を求めなければならないこととし、この計画には、五カ年間に行うべき道路整備目標及び整備事業の量を定めることといたしました。  第二に、道路整備五カ年計画実施に要する費用財源を確保するため、政府は、毎年度当該年度揮発油税収入額予算額等道路整備費財源に充てなければならないこととするほか、財政の許す範囲内において道路整備費財源につき必要な措置を講ずるものとすることといたしました。  第三に、国の負担金割合または補助金の率につきましては、昭和三十三年度においては、現行臨時措置法においても道路法規定に対する特例が認められておりますのでこの法律においても、その特例を踏襲することとし、昭和三十四年度以降における国の負担金割合または補助金の率につきましては、別に法律で定めるところによることといたしました。  なお、国が直轄で行う道路整備に要する費用についての地方公共団体負担金の額を特例を設けるとともに、付則におきまして現行道路整備費財源等に関する臨時措置法を廃止するほか、関係法律につきまして所要改正を行なっております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。  次に道路法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  最近におけるわが国道路輸送量増加は、まことに目ざましいものがありますが、中でも長距離道路輸送量増加は特に著しく、この趨勢は幹線道路において今後さらに顕著になるものと考えられるのであります。従いまして、このような長距離道路輸送量増加の傾向に対処するため、幹線道路網特に一級国道の画期的な整備をはかることが緊急に要請されているのであります。一方、一級国道管理につきましては、従来から、原則として都道府県知事がこれを行う建前がとられてきたのでありますが、現下の道路輸送の状況にかんがみ、一級国道の重点的かつ効率的な整備をはかるため、現行管理方式を改め一級国道新設改築原則として建設大臣が行うこととするとともに、特に指定した区間については建設大臣が、その維持管理の責めに当ることにより、一級国道管理体制強化をはかりたいと存じます。  以上がこの法律案提案した理由でありますが、以下その要旨について御説明申し上げます。  まず第一に、一級国道新設または改築は、建設大臣が行うことを建前とし、特別の事情により都道府県知事が行うことが適当であると認められるものにつきましては、都道府県知事においてこれを行うこととしたことであります。  第二に、一級国道のうち政令で指定する区間につきましては、建設大臣維持修繕災害復旧その他の管理を行うこととし、その他の一級国道につきましては、都道府県知事がこれを行うこととしたことであります。なお、この指定区間内の一級国道管理事務につきましては、その一部を都道府県知事に行わせることができることといたしております。  第三に、一級国道管理に要する費用負担について所要改正を行うこととしたことであります。まず、新設または改築に要する費用につきましては、現行通りといたしております。次に、維持修繕その他の管理に要する費用につきましては、指定区間以外の一級国道については現行通りといたしておりますが、指定区間内の一級国道については国と地方公共団体とがそれぞれその二分の一を負担することとし、管理事務の一部を委任した場合のその管理に要する費用地方公共団体負担することといたしました。なお昭和三十三年度におきましては、経過的に指定区間内の一級国道修繕を除く維持その他の管理に要する費用は、国がその三分の一、地方公共団体が三分の二を負担することといたしております。  以上が一級国道管理に関する改正の概要でありますが、このほか関門国道トンネル等水底トンネルの構造を保全し、交通の危険を防止するため、爆発性または易燃性を有する物件その他の危険物を積載する車両の通行を禁止し、または制限することができる措置を講じました。なお以上の改正に伴い、関係法律の一部につきまして所要改正を行なっております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
  4. 西村直己

    西村委員長 続いて補足説明を聴取いたします。富樫道路局長
  5. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいま大臣から提案理由の御説明がありましたが、各法律案につきまして補足的に御説明申し上げます。  最初に日本道路公団法の一部を改正する法律案につきまして、内容を御説明申し上げます。この法律案は、日本道路公団国際復興開発銀行から外貨資金を借り入れるのに必要な措置を講ずるための規定整備しようとするものであります。  まず第二十八条の規定改正について御説明申し上げます。現行法におきましては、政府日本道路公団の発行する道路債券について保証することができる旨規定いたしておりますが、これに第二項を加えまして、日本道路公団国際復興開発銀行と締結する外貨資金借り入れ契約に基き、外貨で支払わねばならない債務についても政府が保証することができることといたしております。なお、日本道路公団借り入れ契約に基き国際復興開発銀行債券を交付する必要を生じた場合におきましても、その債券については本項の規定により政府が保証することができますので、規定が重複しないように、第一項について所要改正をいたしております。  次に付則でありますが、付則第一項は、この法律が交付の日から施行される旨の規定であります。  付則第二項は、国際復興開発銀行からの外貨の受け入れについて、日本開発銀行日本輸出入銀行愛知用水公団等が発行する債券利子に対する所得税免除に関する法律の一部を改正する規定であります。従来同法によりまして日本開発銀行日本輸出入銀行愛知用水公団及び農地開発機械公団国際復興開発銀行からの外資借り入れ契約に基き発行する債券につき、所得税法施行地に住所を有しない個人、または同法の施行地に本店を有しない法人等が支払いを受ける利子については、所得税免除されることになっておりますが、これと同様に、日本道路公団国際復興開発銀行と締結する外貨資金借り入れ契約に基き発行する債券につきましても、その利子に対する所得税免除する措置をとることといたしております。  以上が本法律案内容でございます。  次に道路整備緊急措置法案につきまして、内容を御説明申し上げます。この法律案は、現行道路整備費財源等に関する臨時措置法を廃止し、新たに、道路整備五カ年計画決定道路整備費財源等に関し規定したものでありまして、本則五カ条及び付則六項からなっております。  まず第一条におきましては、この法律目的規定いたしました。すなわち、この法律道路法による道路を緊急に整備することにより、自動車交通の安全の保持とその効率の増進とをはかり、もって経済基盤強化に寄与することを目的といたしております。  第二条は道路整備五カ年計画について規定したものであります。まず第一項におきまして、建設大臣は、昭和三十三年度以降五カ年間における高速自動車国道一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路整備に関する計画の案を作成して閣議決定を求めなければならないものとし、第二項におきまして、道路整備五カ年計画には、五カ年間に行うべき道路整備目標及び五カ年間に行うべき道路整備事業の量を定めなければならないものといたしました。第三項におきましては、建設大臣は、道路整備五カ年計画の案を作成しようとするときは、高速自動車国道にかかわる部分については、あらかじめ運輸大臣に協議しなければならないものとし、第四項におきましては、建設大臣は、道路整備五カ年計画について閣議決定があったときは、これは都道府県知事に通知しなければならないものといたしました。第五項におきましては、道路整備五カ年計画を変更する場合には、前三項の規定を準用する旨を規定いたしております。  第三条は、道路整備費財源に関する規定であります。第一項におきましては、政府は、昭和三十三年度以降五カ年間は、毎年度、次に掲げる額の合算額に相当する金額を道路整備五カ年計画実施に要する国が支弁する経費の財源に充てなければならないことといたしました。すなわち、当該年度揮発油税収入額予算額及び当該年度の前々年度揮発油税収入額予算額が、同年度揮発油税収入額決算額に不足する額並びに当該年度の前前年度に現金又は地方債証券償還金をもって納付された昭和三十年度から昭和三十三年度までの事業にかかわる直轄国道分担金の額は、これを道路整備費財源に充てなければならないものといたしております。なお、当該年度の前々年度揮発油収入額予算額が同年度揮発油税決算額をこえる場合におきましては、そのこえる額は、道路整備費財源に充てる額から控除することといたしております。第二項におきましては、政府は、前項に定めるもののほか、道路整備五カ年計画実施するため、財政の許す範囲内において道路整備費財源につき必要な措置を講ずるものといたしております。  第四条は、地方公共団体負担金の額の特例に関する規定であります。道路整備五カ年計画に基いて国が直轄で行う道路整備事業につきましては、地方負担分相当額を借入金によってまかなうことができるよう措置することといたしましたので、これに伴い、道路整備五カ年計画に基き国が直轄で行う道路整備に要する費用について地方公共団体負担すべき負担金の額は、道路法及び道路修繕に関する法律規定にかかわらず、本来の負担金の額に政令で定める利息があるときは、その利息の額を合算した額とすることといたしました。  第五条は、国の負担金割合特例等に関する規定であります。昭和三十三年度における地方公共団体に対する道路改築または修繕に関する国の負担金割合または補助金の率につきましては、現行法と同様、政令で特別の定めをすることができるものとし、昭和三十四年度以降における国の負担金割合または補助金の率につきましては、別に法律で定めるところによることといたしました。  次に付則でありますが、第一項におきまして、この法律は、昭和三十三年四月一日から施行することとし、第二項におきまして、現行道路整備費財源等に関する臨時措置法はこれを廃止することといたしております。次に付則第三項におきまして、昭和三十三年度における道路整備費財源につきまして経過規定を設けております。すなわち、昭和三十三年度におきましては、本則第三条第一項の道路整備費財源に充てるべき額は、当該年度揮発油税収入額予算額のほか、旧法第三条第二項に規定する揮発油税決算差額等とすることといたしました。付則第四項及び第五項は、現行法の廃止に伴う技術的改正でありまして、奄美群島復興特別措置法及び日本道路公団法の一部につきまして所要改正を行なっております。最後に付則第六項でありますが、積寒関係事業は、道路整備五カ年計画の一環とすることを予定いたしておりますので、道路整備五カ年計画積寒五カ年計画との調整をはかるため、昭和三十二年度初年度とする積寒五カ年計画は、六カ年計画に変更することとし、これに伴う所要改正規定を設けることといたしました。  以上が道路整備緊急措置法案内容でございます。  次に道路法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を御説明申し上げます。  この法律案は、一級国道管理に関する現行法規定改正し、一級国道新設または改築原則として建設大臣が行うこととするとともに、一級国道のうちその管理保全強化をはかる必要がある区間については、建設大臣がみずからその維持管理を行うことによって、重要幹線たる一級国道管理体制強化する措置を講ずることをそのおもな内容といたしております。  第十二条の改正は、現行法第十二条におきましては、一級国道新設または改築工事が高度の技術を要する場合その他一定の場合には建設大臣が行い、その他の場合には都道府県知事が行うこととなっており、建設大臣都道府県知事とは並列的な関係に立っているのでありますが、これを改正いたしまして、一級国道新設または改築建設大臣が行うことを原則とし、工事の規模が小である場合その他政令で定める特別の事情により都道府県知事がその工事を施行することが適当であると認められる場合には、例外的に都道府県知事がこれを行うこととしたことであります。  第十二条の二は、一級国道維持修繕災害復旧その他の管理に関する規定として新たに加えたものであります。  現行法第十四条におきましては、一級国道維持修繕災害復旧その他の管理都道府県知事が行うこととなっておりますが、この改正規定におきましては、一級国道維持修繕災害復旧その他の管理は、政令で指定する区間内については建設大臣が行い、その他の部分については都道府県知事が行うことといたしております。なお、指定区間内の一級国道につきましても、その管理事務のうちには都道府県知事に行わせることを適当とするものもありますので、第二項においてその一部を都道府県知事に行わせることができるよう措置いたしております。  次に一級国道災害復旧につきましては、第三項において、工事が高度の技術を要する場合その他一定の場合には、建設大臣指定区間外一級国道につきましても、直轄災害復旧工事を行うことができるよう措置いたしております。第四項から第六項までの規定は、都道府県知事一級国道修繕または災害復旧工事を行う場合に、その工事都道府県区域境界にかかわるときは工事設計等について協議しなければならない旨を規定したものであります。  第十四条及び第十七条の改正は、一級国道維持修繕その他の管理について第十二条の二の規定を設けたことに伴う条文整理であります。  第十八条は、まず第一項において道路管理者の定義がなされており、一級国道にあっては都道府県知事道路管理者となっておりますが、これを改正して、指定区間内の一級国道にあっては建設大臣、その他の一級国道にあっては都道府県知事道路管理者とすることにいたしました。次に、道路区域決定等を行う場合の図面の縦覧は、現行規定においては都道府県または市町村の事務所で行うこととなっておりますが、一級国道指定区間につきましては、建設省地方建設局または北海道開発局事務所においてこれを行うことといたしました。  第十九条は、境界地道路管理に関する規定でありますが、建設大臣指定区間内の一級国道管理を行う場合には、本条の規定を適用する実益がないので、これを改正して、関係道路管理者のうちから建設大臣である道路管理者を除くことといたしました。  第二十条は、兼用工作物管理に関する規定でありますが、このたびの改正により、指定区間内の一級国道については建設大臣道路管理者となりますので、兼用工作物管理方法について他の工作物管理者と協議が成立しない場合においては、建設大臣が他の工作物に関する主務大臣とあらためて協議することとし、これに関連する規定整備をはかりました。  第二十四条の改正は、指定区間内の一級国道建設大臣管理することに伴う技術的改正であります。  第二十七条は建設大臣工事を行う場合等における道路管理者権限代行に関する規定でありますが、第十二条の規定により建設大臣指定区間外一級国道新設または改築を行う場合、及び第十二条の二第三項の規定により建設大臣指定区間外一級国道災害復旧工事を行う場合には、本来の道路管理者である都道府県知事にかわって道路管理者の権限を行うことといたしました。  第三十条及び第三十一条の改正は用語の統一と条文の形式を整備したものでありまして、現行規定に実質的な変更を加えたものではありません。  第三十九条は、道路の占用料の徴収に関する規定でありますが、これを改正して、指定区間内の一級国道については、国が道路の占用料を徴収することといたしております。  第四十四条は沿道区域に関する規定でありますが、第一項においては、沿道区域の指定基準を条例で定めることとなっているのを改正して、指定区間内の一級国道における沿道区域の指定基準は政令で定めることといたしました。  第四十六条は、道路の通行の禁止または制限に関する規定でありますが、これに新たに第三項として、水底トンネルにおける危険物の運搬を規制する規定を加えることといたしました。関門トンネル等の水底トンネルにおきましては、その構造が特殊であるため、爆発物等の運搬により異常な事故が惹起されることが想定されますので、現行の第四十六条を改正して、道路管理者水底トンネルにおいて爆発性または易燃性を有する物件その他の危険物を積載する車両の通行について必要な制限をすることができるよう措置いたしたものであります。  第四十九条は道路管理に関する費用負担原則について規定したものでありますが、指定区間内の一級国道については、建設大臣道路管理者といたしましたので、費用負担原則につきまして所要改正を加えることといたしました。  第五十条は 一級国道管理に要する費用についての規定でありますが、これを改正して、新設または改築に関する規定維持修繕その他の管理に関する規定とを分けて取り扱うことといたしました。すなわち、まず第一項として新設または改築に要する費用について規定し、国と地方公共団体との負担割合現行通りといたしました。次に第二項におきましては、維持修繕その他の管理に要する費用は、指定区間内の一級国道については国と地方公共団体とがそれぞれその二分の一を負担するものとし、その他の一級国道については現行通り都道府県負担とすることといたしました。また、第十二条の二の規定により、建設大臣指定区間内の一級国道管理の一部を都道府県知事または指定市の長に行わせた場合のその管理に要する費用は、都道府県または、指定市が負担することといたしました。なお、指定区間内の一級国道維持その他の管理に要する費用につきましては、付則第二条において、昭和三十三年度の経過措置として国の負担割合を三分の一といたしております。  第五十一条及び第五十三条の改正は、以上の改正に伴う技術的改正であります。  第五十五条の改正は、第二十条の兼用工作物管理に関する規定整備したことに伴う条文の整理であります。  第五十六条は、道路に関する費用の補助について規定したものでありますが、指定区間内の一級国道修繕に要する費用は国がその一部を負担することといたしましたので、これに要する費用を補助の対象から除くことといたしました。  第六十一条は、受益者負担金に関する規定でありまして、その負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収方法については条例で定めることとされておりますが、これを改正いたしまして、指定区間内の一級国道につきましてはこれらを政令で定めることといたしました。  第六十四条は、占用料、負担金等の収入の帰属に関する規定でありますが、占用料につきましては、第十二条の三第二項の規定により都道府県知事または指定市の長に占用事務を委任することが考えられますので、その収入は一定の区分に従って国と都道府県または指定市にそれぞれ帰属することといたしました。  第七十一条第四項は、道路監理員に関する規定でありますが、指定区間内の一級国道につきましては建設大臣がその職員のうちから道路監理員を命ずることとなりますので、現行規定において吏員とあるのは職員に改めることといたしました。  第七十三条は、負担金等の強制徴収に関する規定でありますが、指定区間内の一級国道については国が強制徴収の手続を行うことといたしました。なおこれに伴い、手数料及び延滞金の徴収並びに負担金等の先取特権の順位についても所要改正を行うことといたしました。  第七十四条の改正規定は、指定区間内の一級国道建設大臣管理することとなったことに伴う技術的改正であります。  第七十五条は、道路管理者に対する監督について規定したものでありますが、指定区間内の一級国道道路管理者建設大臣となりましたので、建設大臣の監督権限のうちから指定区間内の一級国道に関するものを除くことといたしました。第八十五条から第九十七条までの改正規定は、一級国道管理方法改正に伴う技術的改正規定整備をはかったものであります。第百一条は罰則規定でありますが、第四十六条の改正により、水底トンネルにおいて爆発物等を積載する車両の通行の禁止または制限をすることができることといたしましたので、新たに一号を加えて、違反者に対する罰則を定め、制度の実効性を担保することといたしました。  第百六条の改正は、第十二条の二第二項の規定により、建設大臣にかわってその権限を行う都道府県知事または指定市の長は、罰則規定の適用については建設大臣とみなすことといたしたものであります。次に付則でありますが、付則第一条におきましてこの法律の施行期日を定め、付則第二条におきまして、昭和三十三年度における費用負担特例について規定を設けております。  付則第三条は、建設省設置法の一部改正でありますが、一級国道管理方法の変更に伴い、地方建設局が一級国道維持管理の任に当ることとなりますので、地方建設局の所掌事務について所要改正を加えたものであります。  付則第四条は、道路修繕に関する法律の一部改正でありますが、一級国道直轄修繕に関する第二条の規定改正を加え、建設大臣は、指定区間外一級国道について直轄修繕をすることができるよう措置いたしました。  付則第五条から第十条までの規定は、道路法の一部改正に伴い、関係法律の一部につきまして技術的改正を加えたものであります。  以上、道路法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を御説明申し上げました次第であります。
  6. 西村直己

    西村委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。久野忠治君。
  7. 久野忠治

    ○久野委員 ただいま道路関係法案についての提案理由説明をお聞きいたしたのでございます。今さら申し上げるまでもなく、立ちおくれた日本の道路事情を改善するために、この際思い切った措置を講ずることによって日本の輸送交通の隘路を打開しよう、こういう目的で今回このような法律措置が講ぜられようといたしておるわけでございます。特にこの法律に伴う予算上の措置も今年度講ぜられておるわけでございまして、いよいよこれから道路整備の五カ年計画に着手をするわけでございます。しかしながら、従来ややもいたしますると、経済五カ年計画とか、いろいろの計画政府で立案、発表をされておりますが、その実施に当っては、もちろん経済的な急変等の事情もありましょうけれども、えてしてその措置にそごを来たし、次から次にその計画を変更するというような事実が過去にたくさんあったと思います。さような意味合いから、今回制定をされようといたしまする法律に基いて行う道路整備五カ年計画にあっては、最も権威ある事業を行うことでなければならぬと思うのでございまして、この法案提出に至りました経済上の理由、あるいはこの法律の中に盛られております事業の量、財源措置、こういうもの等について、いろいろお尋ねをしてみたいと思うのでございます。  まず最初にお尋ねいたしたいことは、建設大臣は五カ年計画を策定し、これに必要とする道路整備事業の量をきめると書かれておるわけでございますが、大体この五カ年計画に基く事業の量はどれくらいでございますか。
  8. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 ただいま久野さんから、いろいろと道路整備に関しまして御意見を御開陳なさるとともに、今回の五カ年計画の策定に当りまして、どれだけの事業量を見ておるかということでございます。これは先般の当委員会でも一応申し上げたことでございますが、現在日本の陸上輸送、これが飽和状態になりまして、さらにこのままで進みますならば、ほとんど身動きがならないという形になって、これがあらゆる産業、あらゆる経済の隘路になっておる。こういう観点から、これを全面的に措置するためには、一級国道、二級国道、地方主要道路、さらに府県道、有料道路を合せてみますと、現在の金額で約二兆三千億程度の事業量をやらなければ将来の日本の経済の発展に即し得ない、こういう形になっているわけでざいます。この内容は、一級国道につきましては全面的に改良を施しまして、すなわち鉄道との関係においては、全面的に立体交差にする、幅員は少くとも六メートル半以上にする、それから屈曲をできるだけなくする、その上に、橋は全部永久橋、そうして全面的舗装をするという内容であります。二級国道は改良いたしまして、橋は全部永久橋、人家連檐地区は舗装をするという内容であります。それから地方主要道路、これは大体二級国道並みというふうに考えているわけでございます。しかし、これを十カ年間でやるということになりますれば、時間が非常に長いために、ただいま御指摘になりましたように、経済上の変化に伴いまして、途中で相当変更しなければならない事態が予想される。それともう一つは、現在政府が長期経済計画を樹立して、これに基く諸般の政策は五カ年計画になっておりますので、やはりこれと相対応して処置することが必要であるということで、十カ年計画の中で、五カ年計画実施する事業量を考えたわけであります。その事業量は、端的に表明しやすいものとして、現在金額で九千億考えておるわけであります。そのうち地方単独道路が千九百億、有料道路が千五百億、残る五千六百億程度の事業を一般道路に振り当てる、こういうふうな考えをしておるのでありまして、この五カ年間に一級国道につきましては、先ほど申し上げました十カ年計画のうちの約七割程度実施できるものと考えております。その他の二級国道並びに地方主要道路は、年々三十二年の約六〇%増くらいの事業量となる、かように考えておる次第でございます。
  9. 久野忠治

    ○久野委員 五カ年間に約九千億程度の道路事業を行いたい、かように建設大臣はおっしゃっておられるわけでございますが、これだけの事業を行うのに、財源措置を一体どうしてつけるかという問題と、政府がかねて発表されました新経済政策五カ年計画内容、このことについて、経済企画庁の方もおいでになるようでございますから、少しお尋ねをしてみたいと思うのでございます。企画庁の方で立案せられました案によりますると、将来の交通需要の伸び、いわゆる三十三年度を起点といたしまして、五年後の道路交通需要の伸びというものを、どれくらいに押えているのでございましょうか。
  10. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 お答え申し上げます。私どもの方で新長期経済計画を作成いたします場合に、国内の輸送量、これは道路と鉄道と沿岸の海運とがございますが、これを全部ひっくるめまして、国の経済成長率との関係で計算いたしたわけでございますが、貨物輸送につきましては昭和三十一年度の実績に対しまして、計画最終年度でございます三十七年度には、総計で二六%ふえる。しかしその中でトラック輸送は七六%ふえる、つまり他の交通機関の輸送量に比べまして、道路を使いますトラック輸送の伸びが相当急速であるというふうに見積っております。それから旅客輸送につきましては、同じ期間に総合で約三七%輸送量がふえる。そのうちバスにつきましては約八割、乗用車につきましては、二・三倍、つまり増加率が一三〇%、このように見積っておるわけでございます。
  11. 久野忠治

    ○久野委員 今の伸びは、もちろん貨物の輸送量だと思いますが、そうでございましょうか。
  12. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 はい。
  13. 久野忠治

    ○久野委員 貨物の輸送量だといたしますと、この輸送をいたします車の形態によって、また道路の構造をどうするとか、あるいは道路網の整備をどういうようにするかという問題が起きてこようかと私は思いますが、現在の輸送の車の形態を基準にして御計算なさっているのですか。
  14. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 この点につきましては、各種の車の形態につきまして大体の将来の伸びを推定いたしまして、自動車台数といたしましては、トラック、バス、大型、小型を含めまして、それから乗用車、総計で、三十一年度に比べまして三十七年度には大体二倍になるという推計をいたしております。
  15. 久野忠治

    ○久野委員 そうすると、輸送の形態が変るということですか。
  16. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 大きな、総合的な交通体系として見てみます場合には、ただいま申しました鉄道、道路及び水運、この三つの形態の中で、道路輸送の比重がだんだん増大いたしまして、鉄道は、絶対量としては当然ふえるのですが、相対的な比重は下る。それから沿岸の水運につきましてはそれほど比重が動かない。大体これは過去の推計及び諸外国の交通体系の長期的な変化の模様から検討いたしまして、計画ではそういうふうに取り扱っておるわけであります。
  17. 久野忠治

    ○久野委員 そういたしますと、輸送いたします車両の形態が変る。さようにいたしますれば、順次現在の道路構造は不便を来たす時代がくるんじゃなかろうかと思いますが、そういうことなどを想定しておいでになるのでございましょうか、建設省当局へお尋ねいたします。
  18. 富樫凱一

    富樫政府委員 今度の五カ年計画は、輸送需要に合せて道路整備計画いたしておるようなわけであります。従いまして交通量も将来の交通量を予想いたしまして、それに合せるように道路整備計画いたしておるわけであります。
  19. 久野忠治

    ○久野委員 私がお尋ねしたのは、そうではないのです。先ほどの御答弁によりますと、現在の輸送をいたします車両の規模が、五年後には二倍になるというふうにおっしゃったように私は思います。そういう意味じゃないのですか。
  20. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 車両台数でございます。
  21. 久野忠治

    ○久野委員 そうだといたしますならば、一体二倍になったとして、どれくらいのスピードを維持することができるか、ここに私は問題があろうかと思うのであります。とにかく道路整備いたしましても、一定のスピードを維持することができなければ、その輸送コストを下げることはできないわけでございますから、一定のスピードを維持するということが道路整備の絶対要件でなければならぬと私は思うのでございます。そういう点などについて、どういう御計画でございましょうか。
  22. 富樫凱一

    富樫政府委員 これはお話の通りでございまして、道路計画いたします場合にはスピードと交通量を予想いたしまして、それによって、どれだけの交通需要に応じられるかということの計画をいたさなければならぬわけでございます。そこでスピードの問題でございますが、現在日本の道路を走る自動車が、非常におそい平均スピードでございますが、これはどういうことによっているかといいますと、一つには道路の幅が足らないという点もあります。また路面が悪いということもありますし、またこれは平面的な道路でありますので、交差が多いというようなこともありまして、スピードが落ちてきているわけでございます。ここで、幅が足らない、路面が悪いということは、これは改良によってよくできるわけでございまして、その面でスピードを上げることは可能であります。それから平面道路であるという点の改良は、これは立体的にやり直さなければ解決はできないわけでございますが、この五カ年計画におきましては、まず路面を改良し、幅を持たせる、それからこまかくは、曲線をゆるやかなものにし、また勾配もゆるやかなものをとるということで、スピードを上げることを考えておるわけでございます。ただ設計道路の設計スピードとしては相当上げたものを考えているわけでございます。それは、そこを通る一番早いスピードを想定いたしまして、そのスピードに安全なように道路の構造をきめるわけでございますが、そこを走る自動車の平均スピードということになりますと、これはまた別でございまして、それぞれ道路の状況に応じまして平均スピードというものが出てくるわけでございますから、必ずしも設計スピードにはなってこない。設計スピードというのは、一番大きいところをとっているわけでございます。この平均スピードを上げるために幅を広め、路面を改良するということに主力を置いていきたいと考えているわけでございます。
  23. 久野忠治

    ○久野委員 先般予算委員会の公聴会におきまして、公述人が資料として提出されたのでございますが、この資料によりますと、かりに九千億の経費を投じて五カ年間に既定の道路事業を行うとしても、アメリカと比較をするならば、おそらく三十年くらいの違いがあるんじゃなかろうか、こう言っておられます。完成した暁にも、なお三十年前のアメリカの道路事情と日本の道路事情が同じだということになるわけでございます。さよういたしますと、日本の生産規模の観点からいきまして、このような三十年のおくれをそのままにしておくということは非常に不自然だと思うのでございますが、その点どうでございましょうか。
  24. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 輸送体系あるいは輸送施設の整備の程度、もちろんこれは全体の経済力に適合する必要があるわけでございまして、大体現状におきましては、経済力、日本の国民総生産というものが、アメリカに比べますれば、二十分の一程度になるわけでございまして、非常な資金が各方面に必要でございますが、国の経済力の許す範囲というものに限界があるかと思うのでございます。しかし、ただいま建設省からのお話がございましたような程度の投資が行われますれば、三十七年度にはこれはごく概略の見当でございますが、国民総生産の一・三%くらいを道路に——国民所得に比較いたしますれば、一・六七%になるかと思うのでございます。そうなりますと、諸外国の統計等を見て参りましても、ほぼその程度を道路投資に向けておりますのは、国際的に見ても高い水準になるわけでございます。アメリカは二ないし二・五%を道路投資に向けておりますが、その他のヨーロッパ諸国は大体一%前後のところが多いわけであります。従って、この長期経済計画にも書いてございますように、もしも道路整備交通量の頻繁なところ、生産活動に関連の深いところ、そういうところから重点的に整備いたして参りますれば、この程度の道路投資でも、相当生産の面にプラスになるというふうに判断してよろしいのじゃないかと存じておるわけでございます。
  25. 久野忠治

    ○久野委員 政府は、将来の日本の輸出貿易の額を想定されまして、三十三年度には三十一億五千万ドルを至上命令として達成したいとおっしゃっている。それから五年後には約四十七億ドルの輸出目標を達成したいとも言っておられるわけでございますが、この輸出目標を達成するためにはまず必要な要件は生産コストを切り下げるということであろうと思うのであります。その生産コストの切り下げの最大必須条件は、輸送費を逓減するということであろうと思うのであります。そこから私は道路整備の必要性が説かれ、今日政府が重点施策としてこれを取り上げられたのも当然の措置であろうと思うのでありますが、先ほど来私が申し上げましたように、あくまでもこれをペーパー・プランに終らせないためにはもう少し将来の交通需要の伸びというものを的確に把握して、その事業計画を進める必要があろうかと思いますので、いろいろなことを私はお尋ねいたしておるのでございます。そういたしますと、日本の生産規模と申しますか、生産需要と申しますか、それと交通需要の伸びというものが、非常にアンバランスのものになるのじゃないかという気がいたしますが、どうでございますか。
  26. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 輸送需要、貨物につきましてはトン・キロ、人につきましては人キロで将来を想定いたしたわけでございますが、大体において過去の生産の伸びと、こういう輸送トン・キロあるいは人キロの関係を求めまして、生産がどれだけ上れば輸送需要がどのくらいふえるというような計算から、将来の輸送需要を推定いたしております。なおトラックの場合につきましては、トラック一台当りの年間の輸送量の変化、これはスピードその他の関係もございまして、これをこの五年計画では過去の六年間の平均が、年間トラック一台当り輸送量が三万六千五百トンでございますのを、三十七年には四万六千八百トンというような計算にいたして出しておるわけでございます。もちろん道路輸送量全体が経済の伸びにマッチしなければなりませんが、同時にただいまお話のありました輸出促進というようなことを考えますと、特に鉱工業地帯の生産に関連する道路整備ということを重点的にお考え願えれば、必ずしも経済の伸びに対して道路関係がアンバランスであるというふうには考えておらないわけでございます。
  27. 久野忠治

    ○久野委員 先般の公述人の言ったことばかり例にあげて恐縮ですが、もうすでにアメリカあるいは西欧諸国等先進国では、鉄道輸送がトラック輸送に変りつつある。そういう事情から、ところによっては鉄道のレールをはずして、それを道路敷に利用しておるところなどもあるという公述がなされておるのでありますが、そういうような現実にかんがみまして、企画庁では将来、鉄道と道路輸送との関係がどういう比重に変ってくるか、その点についてお尋ねをいたしたいと存じます。
  28. 大來佐武郎

    ○大來政府委員 この点につきましては、そのような交通機関相互の間の発展率の違い、伸び方の違いというものも考慮いたしまして、結局将来の各種輸送機関によります輸送量の伸び率を変えて考えておるわけでございまして、トラックについては九・七%。それに対しまして国鉄は三・二%の伸び率というようなことで、その結果として輸送の比重がだいぶ変って参るわけでございます。ただこの計画にも書いてございますが、輸送機関それぞれの役割があるわけでございまして、輸送機関の相互の間の大体消長関係がございますが、それぞれの役割、たとえば鉄道におきましては幹線を強化することによって長距離大量貨物の輸送を強化する。これはやはり経済の伸びに従って必要が出て参るわけだとも考えられます。海運につきましても同様な問題がございます。いまだこの輸送機関別の比重は、欧米諸国に比べまして、日本は鉄道の比重が非常に高いわけであります。輸送トン・キロで申しますと五〇%以上が鉄道によっております。トラックは二割を少し切る程度でございますが、これが逐次トラックの比重が上昇して参る、そういうふうな考え方をしておるわけでございます。
  29. 久野忠治

    ○久野委員 そこで五カ年後の日本経済の姿あるいはそれに対する交通需要の伸び等についてはっきりいたしたわけでございますが、そこでこの事業を行うためには財源措置を一体どうするかということが私は問題であろうと思うのであります。今回制定をされます法律の中には、この財源についてはガソリン税収額と、さらに財政の許す範囲内において財源措置を講ずる云々と書かれておるわけでございますが、その財政の許す範囲内において財源措置を講ずるという意味は、どういう意味でございましょうか。
  30. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 お答え申し上げます。御承知のように道路の五カ年計画につきましては、ガソリン税を主たる財源といたしておるわけであります。これにつきましては、いわばひもつきの財源でございまして、今後相当な伸びが考えられると思いますが、その他のものにつきましても、ただいまのところ事業計画その他、まだこまかいところまではっきりいたしておりません。従って具体的なことはまだ申し上げられませんが、場合によっては借入金の道も開けたわけでございまして、全体といたしまして、とにかくこの計画を何とか実現するというふうに極力努力していく、こういう考え方でございます。
  31. 久野忠治

    ○久野委員 極力努力するという言葉はちょっとおかしいと思うんですが、とにかくこれは閣議政府の案として正式に策定されるわけでございますから、あくまでも五カ年間にこの事業を達成するように、努力するということでなしに、これは完成させなければならぬと私は思うのでございます。そこで、五カ年間に想定されるガソリン税収の総額は、どれくらいにお見込みになっていましょうか。
  32. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 これは今後の見通しでございますが、大ざっぱに申しまして、大体三千六百億足らずというものが見込まれるのじゃないかということを現在は考えております。
  33. 久野忠治

    ○久野委員 そういたしますと、他の不足財源は何によってまかなわれようとされておるのですか。
  34. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 これにつきましては九千億と申すのでございますが、地方単独の事業が千九百億ございますし、有料道路が千五百億でございます。あと五千六百億が一般の道路事業ということに相なっておるわけでありまして、これらは将来の財政事情も勘案いたしまして、ガソリン税以外の一般財源を相当つぎ込まなければならない、あるいはまた借入金の方法もとる、というような各種の方法が考えられております。
  35. 久野忠治

    ○久野委員 初年度の予算に現われております数字から計算をいたしますならば、三十四年度以降は相当大幅に経費を計上しなければ、私はこの事業達成は無理であろうと思うのであります。そこでただいまお答えのように、一般財源あるいは借入金等によってこれをまかなうと、こう言っておるのでございますが、大体一般財源と借入金をどれくらいの按分でこれに充てようというお考えでございましょう。
  36. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 実は五カ年計画内容が、まだ具体的にこまかいところまできまっておりません。それで的確に、今財源幾らというようなことは、事業計画ともにらみ合せまして、関係各省とも御相談をし、また場合によりましては学識経験者の意見も伺って十分に検討して、五カ年計画閣議決定いたしますころまでには、できるだけめどをつけたいという考えを持っております。従いまして、ただいまのところ具体的にどうというようなところまでは申し上げる段階になっておりません。
  37. 久野忠治

    ○久野委員 私が先ほど来何回も申し上げておりますように、今までの経済五カ年計画のようにペーパー・プランに終らせたくない、権威あるものにしたいという考え方で、私はいろいろお尋ねをしておるのでございますから、これから検討しようとか、これからどうしようということでなしに、率直にその財源措置についてお話を伺わないと、この法律を制定いたしましても有名無実に終ると思うのでありまして、もう少し具体的に、数字を明らかにしていただきたいと思います。
  38. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 まことに申しわけないのですが、ただいま申し上げたような段階でございまして、私は十分検討したいと思います。また久野委員のおっしゃいましたように、もちろん私たちもこの計画をいわゆる有名無実なものにするという考え方は毛頭持っておらないわけでございまして、この計画を実現するためにあらゆる方法を講じなければならないと考えております。
  39. 中島巖

    ○中島(巖)委員 ただいまの久野委員の質問に関連してでありますが、この道路整備五カ年計画はまことにけっこうでありますし、道路整備が非常に立ちおくれておるというような関係で、急速にやってもらわねばならないのですが、一番肝心なことは、ただいま久野委員からも質問がありました財源の問題であると思います。政府が策定いたしました道路整備の新五カ年計画の九千億という線、それから先ほどその内訳についても御説明がありましたが、ガソリン税が主たる財源でありますが、これが年々二、三割程度は伸びておるわけで、そういうものを見越しまして三千六百億という大体の見込みが出たわけであります。そうしますと五千四百億というものは他の財源に求めなければならぬ。しかしそのうち地方道が千九百億ありまして、この地方道の県負担分が若干それから引けるけれども、いずれにしても八千億以上の財源を国が確保しなければならない。そうしますと、ガソリン税三千六億とすると、あと四千四、五百億というものの見当がつかずにおって五カ年計画を策定したりする理屈はないのだから、こまかく何で幾ら、何んで幾らというふうな数字は出ぬといたしましても、大体の大ざっぱな大ワクの見当というものがなければ、五カ年計画九千億という数字は出てこないのだから、あとの四千数百億というものはたとえば借り入れなら借り入れで、どれだけ借り入れるつもりだ、あるいは一般財源からどれだけ出すとか、あるいは財政投融資からどれだけというような、大体のワクくらいの見当はお持ちになって策定したものだ、こういうふうにわれわれは了解しておったのでありますが、その辺の事情を——別に言質をとらえてあとでどうこうというのではないのだから、率直に一つ、局長の構想なり考えでもけっこうですから、お漏らし願いたいと思います。
  40. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 御承知のように、今回の九千億という計画を策定いたしました経緯は、一般にも御存じと思うのでありますが、経済企画庁におかれまして新しい五カ年計画というものを、経済全体についてお立てになったわけであります。それで道路については、もちろんそれ自体としての緊急な必要性から道路計画の策定ということが要請されておったわけでありますが、しかし、もちろん同時に、それは全体の経済の計画の中に総合的に吸収して考えらるべきものであります。従いまして、今回も企画庁の考えておられる総体のワクというものを大ざっぱにつかみまして、それによって私どもは 一体九千億の計画が過大であるか、もしくは過小であるかどうかということを判断いたしたわけであります。経済企画庁ではその五カ年計画のいろいろな数字を検討されました上で、九千五百億ないし六千六百億というものが新しい経済五カ年計画の中において占める道路計画として妥当なものである、こういう考え方を立てられまして、それでいろいろと検討した結果、九千億というところに落ちついたわけでございます。これはいわゆる巨視的といいますか、そういう全体の総合的な見方に立ちまして、経済の全体のバランスの上からいいまして、過小でもなくまた過大でもないというところを選んだつもりでございます。もちろん具体的な財源の問題は、その年々の財政の状況によって影響されるのでありますが、長い目で見ました五カ年間の日本の経済の実力とその進歩というものは大体つかみ得るわけでありまして、その計画の中に大体当てはめて考えております。従いまして、私どもはこの計画が決してそんな過大なものとも考えておりません。妥当なところだと考えております。従いまして、十分これを実行することができるという確信は持っております。
  41. 中島巖

    ○中島(巖)委員 ただいま大蔵当局の御答弁は、日本経済の五カ年間の全体のワクから考えてこれぐらいが適当だ、こういうようなお考えでもって、経済企画庁の策定したのを大蔵省の立場として、あまり大きくもないし、小さくもなくて、妥当なところだとして認めた、こういう御答弁でありました。それからガソリン税の五カ年間の収入も大体三千六百億というような見通しである、こういうことを承わったわけでありますが、そこで、これはもちろん建設大臣の方に構想があると思うのですが、建設大臣としては九千億の財源確保に対するどんな御構想をお持ちであるか、あるいは財布は大蔵省まかせという考えであるか、国務大臣として、立案した責任者としての大体お見通しはあると思うのです。お聞きしたいと思います。
  42. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 先ほど来大蔵事務当局が説明した通りに、この五カ年計画を策定するに当りましては、建設省としては道路需要の面からいろいろ算定したわけです。その際には、最小限度五カ年間に九千五百億という主張をしておりましたが、日本経済全体の成長並びにこれに伴うところの財政の一般的見通しから、九千億になったわけであります。しかしその際において、ガソリン税については一応見通しができますけれども、一般会計もしくは借り入れの道を開いただけでありまして、それを年次別にどれだけ振り当てるかということはまだ策定しておりません。しかし大蔵当局も経済企画庁当局も総体として五カ年間に九千億、一般道路について五千六百億の財源保持、これは責任を持ってやり得るという認定のもとになされたものでありますので、第二年度において一般会計からなんぼ、借り入れはなんぼということは、今具体的に策定していないのであります。この点は一面におきましては、年々の予算編成のときに当りましては具体的に協議してやることになっておりますので、五カ年計画における年次別または財源別の計画は、大蔵事務当局が言われる通り、現在私の方としても具体的に構想を持っておるわけではございません。
  43. 久野忠治

    ○久野委員 その五カ年に想定される事業の量、その年次別の計画の量、その資金、こういうものを計画的に策定をなさってこそ、初めて道路整備五カ年計画というものが権威あるものになると私は思うのでありますが、その点について確たるお答えがありませんので、これ以上私は申し上げませんけれども、とにかくガソリン税収入以外の不足財源は、すべて一般会計もしくは借入金によってこれを充当する、こういうふうに解釈してよろしゅうございましょうか。
  44. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 そう考えております。
  45. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 私から補足的な説明をしておきますと、先ほど法律案提案内容に触れて御説明申し上げました通りに、五カ年間にわたる事業計画が策定されるわけであります。それには大体年度別それからまた道路種別の計画が策定ざれるわけであります。従いましてそこに年次別に必要なる経費が、これは閣議決定しませんけれども、事業量がきまりますれば、おのずから現在の単価その他から見て、必要なる財源の総額がわかるはずであります。それに対しましてガソリ税の予想額もわかりますから、そうすればその差額をどうするかは具体的に一般会計はなんぼ、借入金はなんぼとしなくとも、特別に措置しなければならぬところの金額がおのずから出るわけでございます。これについてはこの年度別予算編成のときに当りまして、大蔵省と経済企画庁とわれわれの方で折衝の上、その事業計画を遂行し得る予算措置を考える、こういうふうに考えているのでございます。従いまして先ほど御指摘になりましたように、一応の総額は決定しておる。それから事業計画は立てても、財源措置については何らの措置がないという状況ではございません。ただし現在それを明確に年度別に御説明する段階まで行っていないというように御承知おきを願いたいと思います。
  46. 久野忠治

    ○久野委員 大蔵事務当局にこういうお尋ねをすることは私は無理かと思うのでございますが、今までの災害に関連をいたします財政上の法律の制定あるいは他の公共事業等の取扱い等につきましても、財政の許す範囲内においてという言葉でいつもごまかされておるのであります。そういう実例をたくさん重ねておりますから、私はあえてこういうことをくどくどしく申し上げておるのでありまして、せっかく立案をされたこれだけの計画でございますから、それを権威づける意味からいって、その数字的な根拠を明らかになさることが、国民に対して親切なやり方と申しますか、この道路計画を具体的に説明する大きな資料になろうかと思って、私はお尋ねをいたしておるわけでございます。しかし事務当局にこれ以上のことをお尋ねすることは無理であろうと思いますので、この程度で私の財源措置についてのお尋ねはやめますが、ただもう一つお尋ねいたしたいことがございます。  それは先般の予算委員会でも指摘をされたのでございますが、現在欧米諸国においては、ガソリン税収入をもって道路費の財源に充てるという考え方はもう古くなった。そこで最近の傾向は、道路を利用する者から、いわゆる道路利用者税と申しますか、それをとるようになってきておる。たとえて言うならば、その型式とかあるいは積載をいたします貨物のトン数によって利用者税を課するようにしておるとか、あるいはバスだとかトレーラーだとか、そういうような区分によって道路を損耗する率を算定して、それによって税を課しておるのだから、日本もこれをやる以外に道はないのではないかという御意見の発表があったのでございますが、そういう点についてどういうふうにお考えになっておりましょうか。
  47. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 おっしゃいますように、だんだんと道路の問題が非常に大きな問題として取り上げられるに従いまして、また道路の構造もだんだんと改善して、特定の利用者に対する道路というような実態が出て参る。従って、ただいまおっしゃいましたような考えは当然わいてくるものと思っております。従来のいわゆる市町村道路、一般の人たちがだれかれの区別なく使っておる道路というものから進んできまして、まだ鉄道とまではいかないかもしれませんが、非常に特定な人々が利用しているということに自然なって参ると思うのであります。そういう考え方から、いわゆる有料道路というものも現在相当普及しつつあるわけでございます。同時に、ただいまのような構想も十分研究の余地があろうかと思いますが、ただいまのところまだ大蔵省では具体的にその検討をやってはおりません。こういう五カ年計画のような問題が起って参りますれば、道路の実情、計画の進捗ということと合せて研究すべきものではないかと考えております。
  48. 久野忠治

    ○久野委員 その際、ガソリン税の税率を変更するという問題も私は考えの中に入ってくると思いますが、そういう点についてはどうお考えになっておられましょうか。
  49. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 ガソリン税の問題でございますが、もちろんこれは道路が改善されて、利用する者のコストが軽減してくるということになった場合には、あるいは具体的に議論が出てくるかもしれませんが、この計画を策定いたす場合としては、特別にガソリン税の問題を今どうするということを考慮の上やったわけではございません。ただいまのところは、将来ガソリン税を引き上げるかどうかは、まだ白紙に立っております。
  50. 久野忠治

    ○久野委員 大臣に時間がないようでございますから、最後にもう一点だけお尋ねしておきたい。先般の閣議におきまして交通関係閣僚協議会というものを設けることにおきめになったようでございますが、その協議会の内容はいかなるものでございましょう。
  51. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 これは昨年来、私からもいろいろ発言し、また他の関係閣僚からも発言がありましたが、去る二月二十五日に閣議決定をしたのは、ただいま御指摘の通り交通関係閣僚協議会というものでございます。設置理由につきましては、現在の日本の交通体系の整備に関して、基本的方針と重要な問題について総合的見地から検討する、そのために関係閣僚をメンバーとする協議会を設けるということであります。組織は大蔵大臣、農林大臣、通商産業大臣運輸大臣建設大臣、北海道開発庁長官及び経済企画庁長官がその構成員でございますが、必要に応じ他の関係閣僚も出席することができるようにしております。これには官房長官ももちろん構成の中に入っております。それから下部機構とも申すべき一つの幹事会を置いております。この幹事会には内閣総理大臣指名する内閣官房副長官、それに先ほど申しました大蔵、農林、通産、運輸、建設、北海道開発庁、経済企画庁の各事務次官が幹事になっております。必要に応じまして、その他各省庁の次官をも加えることができるようにしております。この協議会の庶務事項は経済企画庁で担当する。しからばどういう問題を協議するか、これは具体的にまだ何もきまっておりませんけれども、大体協議の対象になるという例示でございますが、たとえば東京——大阪間の陸上輸送体系の整備、これは御承知のように東海道線の複々線の問題、それから中央縦貫通路の問題、東海道線の改修もしくはそれのバイパスの問題、こういう問題を総合的にどう調整し、どういうふうな措置を講ずべきかということなんかがこの協議会において問題とすべき問題だと思います。その他別個の観点から申し上げるならば、現在日本の港湾の施設、これは各地で非常に要求されておりますが、ウェートの置き方がはっきりしない。そのために二重投資になるというか、ある意味においては効率的な活用ができない。重要港湾でありながら毎年毎年少額の予算措置よりできないためになかなか利用できない、こういうような状況もありますので、貿易の伸張に対応する重要港湾をどう整備すべきか、こういうような問題も一つの議題となりましょう。それから、現在日本の産業の一つの動力源と申しますか、あるいは材料と申しますか、これの輸送の整備の問題が総合的に検討されていない。石油にしろ、石炭にしろ、鉱石にしろ、これの輸入についてどこに重点を置いてやるかということなんかも、やはり各省関係十分に資料を持ち合って、しかも総合的な見地においてこれを検討しなければならぬ。あるいはまた、石炭の増産に伴う輸送力の整備の問題等も検討しなければならぬ一つの問題だと思っておりますが、このほか日本経済の発展の基盤として取り上げなければならぬ交通輸送に関する総合的な体系並びに重要問題を協議する、こういうようにいたしておる次第でございます。なお、予算分科会その他で問題になりました、現在交通事故が非常に多いということ、こういう問題を処理するとか、あるいは先ほど御議論になりました、道路の能力に対応しない大型のトラックその他が非常に道路を荒しておる、そういう場合における規制の方法、こういう問題等を幹事会あるいはまた関係事務当局間における協議事項にして処置していくというふうな考え方を持っておる次第でございます。
  52. 久野忠治

    ○久野委員 いろいろまだお尋ねいたしたいと思っておりましたが、関係大臣の御出席を求めて質疑をいたした方がよかろうと思いますので、本日はこの程度で終りたいと思います。
  53. 三鍋義三

    ○三鍋委員 過日の委員会におきまして道路関係施策の御質問を申し上げた折、道路局長に、関門国道の料金算定の基礎資料をお願いしてあったのでありますが、これはいつ出していただけるものでしょうか。できたら明日でも御提出願いたいと思いますが……。
  54. 富樫凱一

    富樫政府委員 本日用意いたしておりますので、お配りいたします。
  55. 西村直己

    西村委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十一分散会