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1958-04-18 第28回国会 衆議院 決算委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十八日(金曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 坂本 泰良君    理事 關谷 勝利君 理事 田中伊三次君    理事 田中 彰治君 理事 神近 市子君       大森 玉木君    中垣 國男君       堀川 恭平君    三浦 一雄君       青野 武一君    淡谷 悠藏君       上林與市郎君    細田 綱吉君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房会計課長) 吉兼 三郎君         総理府事務官         (宮内庁長官官         房皇室経済主管 高尾 亮一君         総理府事務官         (調達庁次長) 丸山  佶君         総理府事務官         (調達庁総務部         会計課長)   梅村 知躬君         総理府事務官         (調達庁労務部         長)      小里  玲君         検     事         (大臣官房経理         部長)     大澤 一郎君         大蔵事務官         (主計局次長) 佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳澤 英藏君         文部事務官         (大臣官房会計         参事官)    天城  勲君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     山本 正淑君         農林事務官         (大臣官房経理         厚生課長)   丸山 幸一君         農林事務官         (振興局長)  永野 正二君         林野庁長官   石谷 憲男君         運輸事務官         (海上保安庁次         長)      安西 正道君         運輸事務官         (気象庁次長) 太田九州男君         労働事務官         (大臣官房会計         課長)     松永 正男君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁長官官         房会計参事官) 篠崎 正広君         外務事務官         (移住局外務参         事官)     中川  進君         大蔵事務官         (主計局総務課         長)      中尾 博之君         農林事務官         (農地局総務課         長)      厚味荘之助君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      清野  保君         農林事務官         (畜産局畜政課         長)      藤波 良雄君         農 林 技 官         (蚕糸局技術改         良課長)    大村清之助君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      武田 誠三君         農林事務官         (食糧庁業務第         一部需給課長) 小暮 光美君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      山崎  斉君         農 林 技 官         (林野庁業務部         長)      藤本 和平君         農 林 技 官         (林野庁業務部         監査課長)   植杉 哲夫君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      新沢  寧君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁政課長)   長谷川善彦君         農 林 技 官         (水産庁生産部         漁港課長)   林  真治君         通商産業事務官         (鉱山局石油開         発管理官)   越智 度男君         通商産業事務官         (石炭局鉱害課         長)      佐藤 京三君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部信用保険課         長)      本多 俊夫君         労働事務官         (労働基準局労         災補償部管理課         長)      不破 寛昭君         労働事務官         (職業安定局失         業保険課長)  阿部 泰治君         労働事務官         (職業安定局職         業補導課長)  中田 定士君         建設事務官         (計画局総務課         長)      志村 清一君         建 設 技 官         (河川局治水課         長)      川村 満雄君         建 設 技 官         (道路局地方道         課長)     大串 満馬君         建設事務官         (営善局管理課         長)      江田 正光君         会計検査院事務         官(事務長官         房会計課長)  高橋  豊君         判     事         (最高裁判所事         務総局経理局         長)      岸上 康夫君         衆議院参事         (庶務部会計課         長)      溝端 鶴松君         参議院参事         (庶務部会計課         長)      浅井亀次郎君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 四月九日  委員細田綱吉君及び山田長司辞任につき、そ  の補欠として櫻井奎夫君及び上林與市郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月十一日  委員淡谷悠藏辞任につき、その補欠として石  山權作君議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員堀川恭平辞任につき、その補欠として大  石武一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大石武一辞任につき、その補欠として堀  川恭平君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員櫻井奎夫君辞任につき、その補欠として淺  沼稲次郎君が議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員石山權作君及び淺沼稻次郎辞任につき、  その補欠として淡谷悠藏君及び細田綱吉君が議  長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く  使用調書  昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基  く使用調書  昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(そ  の1)  昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(そ  の1)  昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基  く使用調書承諾を求めるの件)      ――――◇―――――
  2. 坂本泰良

    坂本委員長 これより会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用調書昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(その一)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用調書、以上七件につき承諾を求めるの件を議題とし、前念に引き続き質疑を行います。  質問申し出がありますから順次これを許します。淡谷悠藏君。
  3. 淡谷悠藏

    淡谷委員 農林省の担当の方、どなたでもけっこうですが、最近大蔵省予算査定に当りまして、各省との間に予算額上のいろいろな意見の違いがございますので、現業官庁等では実際の仕事をする面において非常に窮屈を感じまして、心ならずも規定外の処置をしなければならぬという事態がしばしば見られるのであります。特に旅費等につきましては事業量と相応じない少額のものがありますので、その経理に当ってはかなり自由措置をとっておられるようなうわさを全国的に承わっておりますが、そういう事実があるかどうか、お答えを願いたいと思います。
  4. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 御質問の要旨がよくわからないのでありますが……。
  5. 淡谷悠藏

    淡谷委員 最近、大蔵省予算査定に当って各省予算にかなりきびしく手を入れている事実がございます。そのために継続しておる事業だけやっております現業官庁、はっきり申し上げますと林野庁予算みたいなものでございますが、この旅費などの支給の手続について相当無理をしておるらしい。私、方々回ってこの実例もよく見て参っておりますが、そういうことはあらかじめあなたの方で要求する際にはおわかりだろうと思うのですが、そういう末端の苦しい実情をお聞きになったことがございますかどうか、ということを伺っているのです。
  6. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 旅費につきましては、普通旅費と、それから日額旅費と申しますか、現場的な旅費があるわけです。農林省関係林野庁食糧庁あるいは統計調査部等においては、現場的な、いわゆる日額旅費の対象になるような出張が多いわけでございます。この財源の問題ですが、国家財政関係もありまして、私どもの方の当初の希望通りにはなかなか、額としては参らない実情はございます。そこでお尋ねの点は日額旅費だと思うのでありますが、これは農林大臣訓令で定める。しかし、定める場合には旅費法に基きまして大蔵大臣協議をする、こういうことになっておりまして、ことしの一月一日に、林野を除きまして、農林省一般日額旅費につきまして改訂を加えまして、普通旅費汽車賃等が昨年上りましたので、その均衡上――日額旅費が据え置きになっておりましたので、均衡をとりまして、これを大体二〇%から二五%程度、日帰りの場合も、それから宿泊の場合も、上げたわけでございます。ただ林野関係検討を要する事項がございまして、現在上っておりません。これは私ども内部において現在検討いたしておりまして、成案を得ましたら大蔵省協議をいたしましてきめたいと思いますが、一般の方で上げておりますので、林野につきましても均衡をとりまして、何らかの措置をとらなくちゃならぬというように考えております。
  7. 淡谷悠藏

    淡谷委員 林野庁を除いて、あと旅費規程改訂されたというのですが、その改訂の資料をあとで御提出願いたい。  それから、林野庁も今新しくまた改訂の運びになっているというお話でございますが、私の承わっているのは、これはまあ官庁同士で非常に言いづらいかもしれませんが、特に最近は農林省関係予算がだいぶ削られるのです。削られた結果、末端において非常に無理をしておるという事実をお聞きになったかどうか。その点を、これは林野庁長官でもけっこうですから、承わりたい。
  8. 石谷憲男

    石谷政府委員 事業をやって参りますために必要な旅費額が非常に足らぬじゃないか、こういうような御趣旨の御質問かと思うのでございますが、私どもといたしましては大体国有林野事業の場合におきまして、定員内の関係について申し上げますと、旅費額はおおむね管理費総額の一割見当のものはずっと持続的に確保いたしております。これを総予算に比べますとおおむね二・五%前後でございます。要するに大体全経費の四十分の一、管理費の十分の一というような旅費額でございまして、完全なる仕事をやって参ります上に必ずしも必要にしてかつ十分な予算ということは言いかねるかもしれませんが、実際仕事をやっていく上に事欠くような予算ではない、というような予算ではない、というように私ども考えておるわけでございまして、むしろこれは運用いたします面について格別の配慮を要する問題点はあろうか、かように考えております。それで、多くの場合に現業職員に適用されておりますものは日額旅費でございますが、その場合に、御承知のように林野庁は多彩な仕事をやっておりますので、職務等につきましても、かなり複雑な内容を持っておりますから、どういうようなものをどういうものに適用するかということにつきまして、理解統一を欠くというようなことから、末端におきまして問題のある事実につきましては私ども承知しているわけでありますが、今回の日額旅費規程改正の場合におきましては、そういったような運用面におきましても問題が起らないように妥当にきめて参りたい、かように考えております。
  9. 淡谷悠藏

    淡谷委員 重ねて丸山経理厚生課長にお伺いしますが、林野庁旅費規程が一つだけ改訂から、はずれたのはどういう事情があったのですか。
  10. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 実は旅費規程農林大臣訓令をもって定めることになっておるわけでありますが、林野庁全林野労働組合から、日額旅費については団体交渉事項になるのじゃないかという申し出があったのであります。私どもの方は、必ずしもこの問題については団体交渉事項でないという考えを持っておるわけでございますが、その点について折衝がございまして、結論を申し上げますと、団体交渉事項という点はたな上げする、しかしながら組合意見を聞くことはやぶさかでございませんので、意見は拝聴いたしましょうということで、その意見を拝聴し、あるいは検討する時間に、思わざる時間をかけました。そうかと申しまして、ほかの一般事項林野庁がきまるまで待つということも、また別の意味で好ましくございませんので、一応その話なり決定を待たずにほかを施行いたしまして、林野庁における検討が済んだ場合に、林野庁についてはあらためて施行します、という経緯でございます。
  11. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると、旅費規程改訂については労働組合との団体交渉を受くべきじゃないというお話もありますが、実際において林野庁の問題をきめていないというのは、団体交渉を受ける、団体交渉によって改訂をやっていくという態度にとられますが、そういうように解してかまわないですか。
  12. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 私ども解釈としましては、団体交渉事項でないという解釈をいたしております。ただ、その問題は別にしまして、意見を拝聴することはやぶさかでないということで、意見を聞きまして、それに基いて検討いたしますということであります。
  13. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それなら、他の官庁と同じように改訂したらよかったのじゃないですか。改訂に基いていろいろ労働組合意見を聞くべきであって、団体交渉があるから改訂していかないという、まるで挑戦的な態度にとられます。あなたのように団体交渉に基いて改訂すべきじゃないという態度がきまっているなら、むしろほかの官庁と同じように改訂すべきが本筋じゃないですか。林野庁だけ除いてというのは善意的にとりますと、労働組合要求をいれて改訂するというようにとれますけれども、悪意的に見ますと、どうも挑戦的に、じゃ勝手にしろというようにとたるのでありますが、そういう点はありませんか。
  14. 石谷憲男

    石谷政府委員 旅費問題が団体交渉事項であるかなきかという問題につきましては、なかなか最終的にそうだときめかねる、きめ手もないような状況でありまして、この問題については、各方面の意見も聞き、私どもといたしましても研究いたして参ったのでございますが、ただいま申し上げたような状況であるわけであります。と言いましても、この問題を解決をしてから措置をするということでは、時間的に非常におくれて参るというような事情もございまして、組合等と十分に話し合いまして、これは必ずしも正規な団体交渉という理解の上に立っておるわけではございませんが、その意味に近いような形の中で十分に話し合いをして、話し合いのついたところで事柄を進めて参る、こういうことで鋭意話し合いを進めておるという段階でございます。
  15. 淡谷悠藏

    淡谷委員 長官の大へん大蔵省に気をかねたような御答弁で、私は物足りないのですが、実際のあなたの管轄下現場では、現業職員が相当苦労しているのです。これはあなた、お知りにならぬことはないだろうと思う。私は具体的に例をあげませんけれども、あげろといえば、いつでも例をあげます。これはずいぶん困っておるのです。それは業務量に相当した旅費がもらえない。小さな営林署などでは、非常に苦心惨たんして旅費の捻出をしている事実がある。これは予算を作るに当りまして、大蔵省からかなり圧迫を食っているから、そういう無理が生じているとお考えになりませんか。
  16. 石谷憲男

    石谷政府委員 ただいまも申し上げたように、私どもといたしましてまず考えねばならぬことは、十分運用の適切を期することだというところに重点があるように思われるのでございます。確かに事業量のふえております割合には、若干ながら旅費額もふえておるということで、現在の旅費額をもっていたしまして運用よろしきを得るならば、必ずしも事業の実態に即して窮屈を生ずるという予算内容にはなっておらぬ、というふうに私ども理解しております。
  17. 淡谷悠藏

    淡谷委員 結局、国家公務員旅費支給というものは、国家公務員等旅費に関する法律に基いて定額で支給されるのが本質だと思いますが、下部機関旅行命令の権限を持っております者が、自由にこの法律に合わないような点で減額措置をしたり、支出したりすることが一体許さるべきでしょうか、どうでしょうか。これは長官一体運用の面ではどうなりますか。
  18. 石谷憲男

    石谷政府委員 下部機関出張命令者が、勝手に命令を出して旅費額を請求することになると、いろいろの問題がある、かように考えておるわけでございますが、ただ私どもが所管をしておる事柄としては、要するに運用解釈の仕方について、人によりまして、あるいはそれぞれの関係によりまして、かなり適確性を欠くような解釈の幅があるような場合が起き得ます場合に、営林局といたしまして管内の統一解釈をする、こういったようなことが行われておるようでございます。ところが、その各営林署間の解釈も、必ずしも統一あるものに相なっておらないといったようなことからいたしまして、いろいろと地方的には問題がなくはないのでありまするが、今後の問題としては、各地方においてその解釈に幅があるような運用の仕方をするようなやり方は、ぜひとも改めてもらわなければならないということで、現在の規程改正に当っておるわけでございます。
  19. 淡谷悠藏

    淡谷委員 だいぶ苦しい御答弁のようですが、下部機関が実際予算がないので、実際においては、命令でもないでしょうけれども予算上困るから何とかそれでがまんしてくれということで、はなはだ家族的に減額をしいている事実があるのです。しかし、これは本来からいえばできないことなんですね。やはりはっきりした旅費規程に基いて、法律に基いて支出さるべきものである。出張命令者が勝手にこれを変えてはならぬという原則だけは守らなければならぬと思うのです。運営の面だけでなく、事業量に相当する予算も、要求をあなたの方から強くすべきが私は筋じゃないかと思うが、この点どうですか。
  20. 石谷憲男

    石谷政府委員 十分に事業実行状況考えまして、実際に即しました予算要求というものは従来もやって参っておりますが、今後も一そう努めたいと考えております。
  21. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきお伺いしましたけれども国家公務員等旅費に関する法律にそむいてまでも運営の自由というものは許されていない、と確認してよろしいでしょうか。
  22. 石谷憲男

    石谷政府委員 ただいま申し上げましたように、どういう解釈をしたかという問題につきましては、いろいろと解釈の仕方がある。しかもそういうようなとりきめをしたこと自体に、やはり問題があるじゃないかということは、いろいろ疑問があると思うのですが、本質的に規定に違反するような事柄を、下部機関の者が勝手にやったということになると、その点がお説の通りに相なろうかと思われます。
  23. 淡谷悠藏

    淡谷委員 やはり私は、長官下部命令権者に責任を転嫁してもらいたくないのです。何も自分で手足のように使っておる現業職員に、無理をしていただき、旅費を削るはずはないと思う。ただ一点、理由予算がないということです。これは上部の方で工作をしないで、下部機関だけで運営云々をしたり、何かあった場合に、解釈いかんといって逃げられるのは、長官、もう少し勇気を持って現実を見きわめて、ぶっかる方にはぶっかって、これでは仕事ができないというふうにやってもらわないと、そこに最近起ってきました農林省関係の汚職の原因があると思う。上の方からは適当の旅費をもらい、行ってみると実際苦しい。つい心ならずも、という例が出てくる。これは大蔵省の方から見ますと、国費を乱費したくないという形であるかもしれませんが、国費を乱費しないかわり、国政が乱れます。その点で、やはり現状を貫いて、事業量に基いた旅費を的確に支払うべきであるという線を、特に今度の改正に当っては付言しておきたいのです。その点、御決心はいかがですか。
  24. 石谷憲男

    石谷政府委員 そういう趣旨で十分に検討いたしておりますので、御趣旨に沿うように努力したいと思います。
  25. 淡谷悠藏

    淡谷委員 運営面長官の御意見をいろいろ伺いましたが、命令権者予算がないという理由だけで、法律に定められた旅費規定を守らないようなことをやっておる場合、これはどのように考えても、解釈いかんにかかわらず、違法には違法だと思いますが、その点はどうですか。
  26. 石谷憲男

    石谷政府委員 そういう事実があるかどうかということにつきまして、実は私ども確認はいたしておらないのでございますが、旅費額が足りないという理由だけで、そういった運用をやっておるということになりますと、問題はあるのじゃなかろうかと考えるわけであります。
  27. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その事実の確認までここでやりますと、少しあとのことがめんどうになりますから、やりませんけれども、そういう事実が確認された場合、きびしく申しますと、法律に基かない旅費支給のために受けた損害は、賠償を求める権利を生じませんか。
  28. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 日額旅費なり、旅費法において相当解釈の幅があろうかと思いますが、この解釈については統一的解釈をした方がけっこうだと存じておりますが、実際今御質問のような場合において、これは、はっきり規定に違反しておりますと、そういう出張命令を出すことはまずいというふうに考えられますが、はなはだ遺憾なことで、私ども苦しいわけでございますが、協力していただきまして、実際は棄権というふうな形で処理をされておるんじゃないかというふうに考えます。棄権をしないで、絶対にいやで、しかもなお出張命令をされた、しかも解釈上も、ほかに幅のある解釈にしても、解釈しようがないというような場合におきましては、これはおそらく御指摘のように問題になろうかと思います。
  29. 淡谷悠藏

    淡谷委員 棄権なんというのは、はなはだ危険ですよ。実際出張命令を出す人が、これだけの仕事をしてこい、しかし旅費がないからがまんしろと言われた場合、しませんとは言えない。残念ながら、今の労働組合はそれほど強くないのです。心ならずも棄権します。棄権さした内容というものは、あなた方の大蔵省に対する折衝が腰が弱いために、その重さが下の方にかかって苦労しているのです。小さな営林署の署長だとか、あるいは現場職員とかが、その乏しい予算のために大へんな苦労をしているんです。それを棄権したとか何とかという名目で、お茶をにごすという態度は、はなはだ受け取れない。特にあなたは、さっき言った通りあと官庁旅費改訂をしたけれども林野庁だけは改訂をしてないという。改訂に当っては、表面に現われた手続上の棄権なんという言葉に幻惑されないで、全く法律とは異なった支給の仕方をしておるという事実を確認されて、そこから改訂をしていかなければ、これは正直者がばかを見るということは直りませんよ。どうですか、その点は。もう少し棄権の事実なども裏へ回って、棄権がないように親切に扱ってやるべきだと私は思うのですが、どうですか。
  30. 石谷憲男

    石谷政府委員 旅費使用の実態につきましては、私ども、全部これを克明に洗いまして、その上に立って今回の規程改正をいたすという態度でやっておりますので、その点、御了承願いたいと思います。
  31. 淡谷悠藏

    淡谷委員 克明に洗われたら、おそらく署長も、現場の人たちもいろいろな苦しみをなめて、乏しい予算でやりくりをしておった事実がわかるのです。それで、私はやはり今度の旅費規程改正に当りましても、そういうふうに今まで犠牲にされておった人については国家がやはり責任を持って見てやるのがほんとうじゃないかと思うのです。言うまでもなく、これは会計法の三十条によって、五カ年間の債務履行が当然であると考えられる。この場合に、上手に棄権さして書類を取っておった署長はいいでしょう。もっと正直で、何ということなしに内輸払いをしておったような署長は損をします。手続を完全にさして、うまくのがれるなんということをしないで、やはり実際の旅費支給事業量に基いた実額支給という線に沿うて検討されなければ、その改訂の前途もはなはだ暗いんですから、そういうふうな抜本的な処置をとられる御意思がございますか。
  32. 石谷憲男

    石谷政府委員 これは、あくまでも実情を究明いたしまして、措置をすべきものと考えております。
  33. 淡谷悠藏

    淡谷委員 最初私が質問しましたことが若干残っております。それで、林野庁がこれから旅費規程などを改訂をされるでしょうが、実際に改訂をした官庁改訂をしない林野庁との間では、実額支給に大きな開きができておりますか。
  34. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 その額の問題は今後検討してみたいと思いますが、施行時期が、林野を除いた一般は一月一日から施行されておりまして、従いまして、今後林野改訂するといたしましても、必ずしも遡及をしてならないということは法律上ないと思いますけれども、過年度に遡及するという前例はございません。従いまして、四月なり五月から施行になるということになりますと、ほかは一月一日から施行しておりますので、その点のアンバランスと申しますか、違いは当然生じようと存じます。
  35. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは、ただその年度の予算によってつぐなうのと、あるいは会計法の第三十条に規定された債務として扱うのとでは大へん違ってきます。当然支払わるべきものが支払われなかったという債務でありますから、五年間にさかのぼって精算しなければならない。あなた方がそれをただ未払いとして見るならば済むでしょう。その点はぼかさないで考えたらどうなります。
  36. 石谷憲男

    石谷政府委員 これはあくまでその実態をきわめまして、具体的に処置をすべきものであろうかと考えます。
  37. 淡谷悠藏

    淡谷委員 去年、あるいは三十一年度の予算でもいいんですが、農林省予算を請求し、あるいは林野庁予算でもけっこうですが、請求した場合に、大蔵省が査定をしてだいぶ削ったと思うのです。その削ったときにすでに事業分量に相当する旅費額が不自由を感じておった事実はないんですか。
  38. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 これは末端実情と申しますと、私ども率直に申しまして、旅費が十分であるとは考えておりません。ただ最悪の事態におきましては、心苦しいですが、一部たとえば棄権等の処理をする。これは好ましいことではございません。従って最悪の事態においては事業に若干の支障を来たしても、法律通りにいきますと、出張をとりやめるということしか残らないかと思います。これを別の観点から、事業に支障を来たすと困る。従って結論を申しますと、率直に申しまして、必ずしも旅費額が十分だとは考えておりません。  ただ日額等につきましては、林野あるいは食糧等においては日額と普通旅費とは流用というか、両方に使えることになっております。実際の運用において普通の旅費と日額との調整をはかるというふうな措置は、現在でもできるわけであります。  それから、ことに日額につきまして、多くの出先を持っておりますようなところにつきましては、若干の増額が本年あったのでございます。ちょっと、数字は資料を持っておりませんので申し上げられませんが、若干の増額は三十三年度において林野庁においては認められております。
  39. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはあらためて言うまでもございませんが、林野庁のような現業に従事しております役所では、旅費とかその他の経費の不足ということは、現実に事業に響いてくると私は思う。それを、今までは大蔵省は強いものですから、苦しいやりくりをしまして、下の方に重みをかけた例が多分にございます。やはりこれは事業量と並行して旅費どもはっきりした予算の裏づけがあるということで支給されなければ、これはますます大きくなってくると思う。  これは大蔵省の方に伺いたいんですが、予算折衝に当ってはそういう点に御考慮を払われておりますか。実際は今お聞きの通り旅費も払えないような削減をされている例がしばしばあって、末端において大へんなトラブルが起っているから、その点、予算の査定に当って十分考慮を払われているかどうか、伺いたいと思う。
  40. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 旅費の問題は、非常にむずかしい問題を含んでいると思っております。旅費というものはどういう性質のものであるかという考え方、これにつきましても、同じ役人でありましても立場によって違うわけでありまして、御承知のように、終戦後全体としての給与べースが低いというようなこともございまして、旅費に期待をするという感覚が相当びまんしておったことも事実でございます。そういう観点から、旅費はいわば給与の一部である。法律上の性質はともかくとして、実質として給与の一部なんであるというような感じを、ある一部の立場の人は持たれると思います。また純粋にこれを旅費の性格ということから議論をいたしますと、これはあくまで仕事のためのものである、仕事がないのにみだりに出張命令を出したり、従って支給をするということは適当でない、こういう考え方もあるわけであります。従いまして、具体的にある現実をとらえまして、一体その旅費が多いか少いかという判断は非常にむずかしいのでありまして、もらう方の立場からいたしますれば、これはもちろん多々ますます弁ずということになると思います。また出す方といたしましては、もちろんこれは公務員の旅費支給でございますから、当然法律の立場に立ち、予算の範囲内において、それをこえるような出張命令を出すことはできない。具体的に一番問題なのは、適当な出張命令が出されているかどうか、最も能率的な出張命令が出されているかどうかということが一つ問題だと思います。それを前提にした上で、なおかつ、どうしても予算が足らないということになりますると、これは非常な問題だと思います。大蔵省といたしましては、この対象が非常に多く分れておりまして、その一々につきましてどの程度の実情であるかということは、必ずしも十分に把握できておりません。旅費法律の建前も、そういう執行は各省大臣の責任において各省大臣が運営していく、こういう建前になっております。予算の場合において、それらの各省の御要求を私どもが受け取るわけでありますが、できるだけ実情を伺いまして、そうしていやしくも旅費がないために仕事に差しさわりがあるというようなことはいたさないつもりでございます。勉強不十分で、そういう考え方の通りに現実がいっておるかどうか、こういう問題はなお研究の余地があろうと思いますが、私どもの査定というか、大蔵省予算を編成する考え方の根本といたしましては、そういった予算の作り方をいたしたい、こう思っております。ただ、しばしば私どもも指摘しておるのでございますが、逆にタックスペイヤーの立場からすれば、むだな出張は許されない。これはよくしろうとの人が役所に行くと、席ががらあきになっていて、いつも出張しているというような、逆に今度は役人の立場からすると非常に曲解と思われるようなこともいわれるわけでありまして、そうした両方の立場の調整が私はむずかしいと思います。しかし支障を来たすような予算は組みたくないという方針は持っております。
  41. 淡谷悠藏

    淡谷委員 旅費ども、毎日一定のコースを通勤しているような人の通勤手当などとは若干違った面を持っているのが現業官庁なんですね。特にこれは、アスファルトの上のビルディングにおられる方々には縁遠いかもしれませんけれども、逆に現業官庁に行きますと、みんな役所のいすにすわっていると評判が悪いのです。少しは回ってきなさいといわれるのです。ほとんど足代なんですね。そうして、あなた方の立場から見られるとむだな出張のように考えられるかもしれませんけれども、実際末端現業第一線の諸君に会って聞いてみますと、予算がないからという理由がただ一つ、旅費棄権さしたり、減額さしたりの理由になっているのです。予算さえあれば当然払わなければならないのだが、予算がないからがまんしてくれという形で、さっきも丸山経理厚生課長から話があったように、棄権させられるのですね。だれも好きこのんで棄権しやしませんよ。それはやはり現業官庁旅費というものは、生活給的な考え方もあるでしょうけれども、やはり事業量を第一にして、これに見合うようなものだけを払ってやらなければ、末端の諸君が苦労するのですが、その点はいかがでしょうか。現業官庁についても、やはり事業分量に見合うような旅費支給する考えはございませんか。
  42. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 私の申し上げようが悪かったのですが、正しい事業運営に必要な旅費を確保するというのは当然だと思います。それが具体的な問題として、どの程度のものがそういう適当なものであるかという認定はむずかしいと思いますが、気持としては、もちろん最低限、事業に必要なものは十分確保しなければならぬ、こういうふうに考えております。
  43. 淡谷悠藏

    淡谷委員 やはり私は、末端にしわ寄せをしないで、旅費ども完全支給をし、法律違反をあえて犯すようなことがないように処置すべきが当然だと思いますが、具体的に全国にこの例が出てきておりますので、これがやがて公務員等の綱紀に触れたり、汚職、疑獄の芽を作らないように、今にして芽をはっきりつみ取っておかなければ、私はとんでもないことになると思う。あえて伺いますが、林野庁関係旅費規程改訂を十分に末端の声を取り入れて、今までに払った犠牲に対しても十分考慮して、改訂を急ぐ御意思がありますかどうか、だめを押しておきたいと思います。
  44. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 今までの分の補てんという点は、これは非常にむずかしい問題でありまして、検討を要することと思いますが、後段の、早急に適正な均衡のとれた旅費規程を作ることは同感でございまして、そういうふうに促進をいたしたいと存じます。
  45. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは林野庁長官にもお願いしておきますが、末端では長官、十分お知りの通り、具体的な事例として非常に旅費支給が適正じゃないのです。また弱い現業員には棄権させたり、あるいは減額を婉曲に要求したりして、負けさせたりしているのです。これではいかぬのですが、やはりこの際、長官も一つ決然として、こういう今までの悪例を残さぬように、十分考慮してこの問題は扱っていただきたいのです。なお、私の手元にはたくさんの資料がきておりますけれども、きょうは申し上げません。改訂措置を伺いましてから、またあらためて機会を得ましてお願いしたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
  46. 石谷憲男

    石谷政府委員 お説の通りの事態というものが、地方で若干事実があることを私ども承知をいたしておりまして、今後運用の全きを期する上におきまして、かれこれ問題のないような内容のものにいたしますことを目標に、鋭意決定を急いでおりますので、御了承を得たいと思います。
  47. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もう一点、これは経理厚生課長にお願いしておきますが、いろいろ実態をお調べになると、中には遡及して払わなければならぬような人も出てきます。これは当然の債権として残っておるものがあるのです。そういう点は明らかに会計法でも許されておることでもあるし、あまり意地をはらないで、遡及すべきものは遡及して、自発的に調整されるようにお願いしたいのです。御意見いかがでありましょう。
  48. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 遡及の点は二つに分れまして、施行期日を延ばす点が一つ、それから一般的に民法上の債権かどうか、債権として残っておるからその補償をするという問題、この二つに分れるわけです。過年度に遡及をする前例もございませんし、過年度支出になりますと、予算の年度区分から申しましても困りますし、あるいは手続の煩瑣等から申しても困るので、これはそうする考えはございません。一般的債権として残っておるから、国が債務者として支払わなければならぬということでございますが、これは極論いたしますと、裁判所において決定されて、負けましたら、これはお払いいたすわけでございますが、その前の段階において、果して確認できるかどうかという非常にむずかしい問題が残るわけであります。従いまして、まずその前提として、よく実情を調査いたしまして、いかなる解釈を下しても絶対に国に債務が残る、棄権をしておらぬという事態において、そういう認定ができました上においては、あるいは何らかの措置を講じなくちゃならぬじゃないかと思いますが、私は現在実情を承知しておりません。直観的な考えでございますが、従来からずっと同じ情勢で、必ずしも旅費は十分でなかったにもかかわらず、そういう例がございません。事、非常に異例に属しますので、慎重に検討措置をいたしたいと存じます。
  49. 淡谷悠藏

    淡谷委員 慎重に検討措置をされるついでに、おそらくはお調べになると、帳簿の上でやったとか、あるいは話し合って承諾したとかいう例も出てきましょう。けれども、もう一歩眼光を紙背に徹していただきまして、棄権の裏に何があったのか、減額の裏に何があったのか、こういう点についても十分慎重に調査されて、特段の御措置をとられるよう希望いたしまして、質疑を一応打ち切ります。
  50. 坂本泰良

    坂本委員長 委員長から一言聞いておくのですが、今の旅費の問題ですね。これは内払いというふうなことになっておりますから、その残金について民事訴訟を提起する、こういう問題が一、二カ所起っておるのじゃないかということを聞いておるのですが、そういう点について承知しておられるかどうか。
  51. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 訴訟問題になった実例は、ちょっと私、承知をしておりません。
  52. 坂本泰良

    坂本委員長 もう一ぺん聞いておきますが、内払いになって、林野庁と全農林が団体交渉をして話がつかなければ、民事訴訟にでも持っていくことはやむを得ない、こういうようなところが二、三ありはしないかと私は承知しておるのですが、そういう点はまだ承知ないかどうか。訴訟はまだ起っていないのですが、起されそうである。しかもそれは相当な額に上るということを聞いておるのですが、その点については承知しておられるかどうか。
  53. 丸山幸一

    丸山(幸)政府委員 組合と私はしばしば折衝いたしておりますので、場合によっては訴訟を起すかもしらぬというようなことを話をしておる際に聞いておりますが、末端の当事者側の方からの話はまだ聞いておりません。
  54. 坂本泰良

    坂本委員長 神近市子君。
  55. 神近市子

    ○神近委員 私は、通産省に対して資料の提供を要求いたします。問題は、山下太郎氏とクエートとサウジ・アラビアとの間に今交渉中でございますアラビア石油会社の件につきましての資料でございます。この会社のことは、日本だけでなく、世界の石油業界にいろいろな波紋と話題とをまいております。その内容は、アラビア石油会社とサウジ・アラビアあるいはクエート政府との間の契約についてであります。私どもも多少聞き及んでいること、また新聞等に扱われていることもありますが、事をもっと正確にするために、右の両政府と会社との間に取りかわされたという契約書を、この際委員会に提出していただきたいのでございます。これは日本語の方で出していただいた方がけっこうでございます。この問題がこの委員会に関係があると思われまする点は、株が、個人のほかに、国家の監督を受けるべき立場にあります電力会社、船会社等々の出資を仰いでいる点でございます。従いまして、この株主の名簿をここに提出していただきたい。この会社は四年の間、年額約百万ドルの試掘権料をクエート並びにサウジ・アラビアに支払うことになっているはずでございます。この外貨の支払いの費目はどの類項によるものであるか、またもしこれが許可されれば、どんな形において支払われるかの点も、一つ御研究願って、この次の機会に御説明願いたいと思います。
  56. 越智度男

    ○越智説明員 ただいま御要求がございました、まず第一点のサウジ・アラビア及びクエートとの協定書でございますが、この点につきましては、御承知のように、先年来、まずサウジ・アラビア政府と日本輸出石油株式会社が、主として現地で折衝して参りまして、一応の結論を得ている状況でございます。しかしながら、クエートとの関係はまだ結論を得ていない状況でございまして、目下のところクエート側の、これは宗教的な事情でございますけれども、断食期間が三月の下旬から四月の二十日過ぎごろまでありまして、ちょうど今その空白期間になっております。そういう期間が終りましたならば、クエートとの交渉が再開される予定でございますけれども、実はそういう交渉の途中にあるわけでございます。そういうわけでございますので、先ほど御指摘のように、非常にデリケートな――といいますのは、イギリス、アメリカ等の競願者もございまして、クエートとの関係で、それぞれせり合っているような状況にもございますので、契約書の全文が――そういう段階にありますためと、もう一つは会社と先方との私契約ということでもございますために、御要求の点につきましては、私たちとしては、先ほど申しましたような意味で、非常に微妙なものを含んでいるように思われるのであります。正式の御要求であるわけでありますが、なお、取扱いについては上司とも研究をさしていただきたいと思います。  それから、第二点の株主名簿でありますが、これはアラビア石油株式会社の株主名簿のことだと思います。これにつきましては、二月の上旬に同社の創立総会を完了いたしておりますので、これは当然確定的な事実でございまして、直ちに名簿を提出するようにさしていただきたいと思います。  それから第三点の、試掘等のために外貨が要る、それらの支払いの費目等はどういうことになるかという点でございますが、これにつきましては、もとよりこれは外貨予算の貿易外支払いに該当する項目であるわけであります。で、その該当項目に計上されるところに従いまして、今後所要の手続を経て支払いが行われるわけでありますが、今日までにおきましては、いまだそういう支払いの必要な時期になっておりませんので、まだ一ドルの支払いもないわけでございます。
  57. 神近市子

    ○神近委員 今、クエートとの間は非常に微妙な段階にあるということはわかります。しかし、この契約書は外国では発表されておるようなことを聞いておりますけれど、その点、外国の人が知っていて、そしてわれわれが知ることのできないというのもおかしいと思います。  それから、クエートはまだ断食期間中で、契約が、交渉が完了していないということはわかりますけれど、サウジ・アラビアとの間では調印がもう済んでいるのじゃございませんか。その点はいかがですか。
  58. 越智度男

    ○越智説明員 外国の新聞紙上などにこの協定の概要が報道せられておりますことは、私自身もそういう新聞で見ておりますので、御指摘の通り相当に世界中広く普及されている実情だと思います。しかしながら、私たちが会社から聞いております限りにおきましては、クエートとの関係がまだ妥結していない状況でもありますし、会社としては、アラビアと同一内容のものをクエートと締結することを予定して交渉中でございます。そういう交渉中にございますので、われわれ当事者としてそれを発表してよろしいのかどうか、ちょっと私、この席で直ちに判断がつきかねる点がございますので……。
  59. 神近市子

    ○神近委員 ともかく、きょうは委員会の御要請として持ち帰っていただきたいと思います。もう日本にもそれは入っているので、会社の立場からこれを公表したがらないというところにも私ども疑惑を持っております。ですから、当委員会だけに御発表いただくということ、外部にたとえば必要があって漏れてはいけないということであったら、そういう方法によって御発表願いたいと思います。
  60. 越智度男

    ○越智説明員 ただいまの点は、十分御趣旨を受けて、中に帰って直ちに相談いたしまして、できるだけ御要求に沿うようにいたしたいと思います。
  61. 坂本泰良

    坂本委員長 委員長からお聞きしますが、これの命令監督官はどういうふうになっておりますか。あなたの上司と相談するという上司は、どこどこですか。
  62. 越智度男

    ○越智説明員 石油開発管理官は鉱山局長の指揮監督下にございますので、直接の上司は鉱山局長でございます。
  63. 坂本泰良

    坂本委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時四十三分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕