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1958-04-08 第28回国会 衆議院 決算委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月八日(火曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 坂本 泰良君    理事 井原 岸高君 理事 田中 彰治君    理事 山本 猛夫君 理事 神近 市子君    理事 吉田賢一君       中垣 國男君    三浦 一雄君       八木 一郎君    青野 武一君       淡谷 悠藏君    川村 継義君       山田 長司君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房会計課長) 吉兼 三郎君         総理府事務官         (警察庁長官官         房会計課長)  後藤田正晴君         総理府事務官         (宮内庁長官官         房皇室経済主         管)      高尾 亮一君         調達庁次長   丸山  佶君         総理府事務官         (調達庁総務部         会計課長)   梅村 知躬君         総理府事務官         自治庁長官         (官房会計参事         官)      松島 五郎君         法務事務官         (大臣官房経理         部長)     大澤 一郎君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     牧野 誠一君         大蔵事務官         (主計局長)  石原 周夫君         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳澤 英藏君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁選挙局         管理課長)   櫻澤東兵衛君         外務事務官         (アジア局第三         課長)     須磨未千秋君         外務事務官         (欧亜局第三課         長)      山下 重明君         外務事務官         (移住局外務参         事官)     中川  進君         大蔵事務官         (主計官)   末広 義一君         大蔵事務官         (国税庁長官官         房会計課長)  小熊  清君         会計検査院事務         官         (事務総長官房         会計課長)   高橋  豊君         (最高裁判所事         務総局経理局         長)      岸上 康夫君         衆議院参事         (庶務部会計課         長)      溝端 鶴松君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く  使用調書  昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基  く使用調書  昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(そ  の1)  昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(そ  の1)  昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基  く使用調書  (承諾を求めるの件)      ————◇—————
  2. 坂本泰良

    坂本委員長 これより会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用調書昭和三十二年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用調書、以上七件につき承諾を求めるの件を一括して議題に供し、これより質疑に入ります。  本日は、右各件中皇室国会裁判所会計検査院内閣総理府、法務省、外務省及び大蔵省所管につきまして質疑を行い、残余につきましては次の委員会で行う予定でありますので御了承を願います。発言の通告がありますので順次これを許します。吉田賢一君。
  3. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 裁判所関係について質疑いたします。三十一年度一般会計予備費使用調書(その2)、第四ページ、検察審査費不足を補うために必要な経費五百六十五万円ということになっておりまするが、これは概要どういう種類経費でありますか。
  4. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 これは検察審査員旅費証人等旅費でございまして、検察審査員旅費と申しますのは、検察審査会を構成いたします審査員の出頭の旅費日当に要する経費でございます。証人等旅費と申しますのは、その審査会証人を調べます場合のその証人旅費日当に要する経費でございます。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 検察審査会事業趣旨目的、それから予算管理責任者、こういうことを簡単に述べておいてもらいましょう。
  6. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 これは検察審査会法規定がございまして、要するに公訴権の実行に関して民意を反映せしめ、その適正をはかるために設けられた機関でございます。やることは主といたしまして、検察庁におきます事件の不起訴処分につきまして、その処分当否審査するというのがおもな内容でございます。その審査会地方裁判所地方裁判所の支部の所在地に置くということになっておりまして、その管理所在地裁判所がするということになっております。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この経費管理は、どこでやるということでございますか。
  8. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 検察審査会法第四十六条の「検察審査会に関する経費は、これを裁判所経費の一部として国の予算に計上しなければならない。」この規定でございます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは裁判所経費ということになると、もっと具体的に申しますと、下級裁判所におきましては、具体的にこの経費はだれが、どの地位のどの職務の者が管理しておりますか。
  10. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 これはそれぞれ審査会の置かれました地方裁判所の所長が会計事務管理者といたしまして、その所在地審査会に関する経費管理をいたしております。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この審査会経費は、年間、三十一年度、三十二年度予算何ほどでありますか。
  12. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 毎年五千万円見当であります。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 毎年五千万円ほどが予算として計上されている、こういうことになるのですね。
  14. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 そうです。昭和三十一年度検察審査費と申しますと、五千二百一万八千円でございます。三十二年度は六千二百六十一万三千円でございます。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この経費は大体いつごろに使い切ったのですか。これは不足したから予備費を使ったということになっておりますが、いつごろ、何月ごろ使い切っておりますか。
  16. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 これは大体年度の終りに近づきまして、それまでの支出と実績を見ましたところ、年度末までに経費不足が生じるという見込みになりまして、その結果、その予備費を要求いたしたのでありますが、要求いたしますにつきましては、その年の実際の事件数、それから支出いたしました実際の支出額というものを計算いたしまして、そして年度末までの見込みを考えまして、その不足分をはじき出す、そういう計算の方法でございます。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その点は、数字でありまするので、予算執行状況、三十一年と三十二年を一つ資料として出していただきたい。  それから今の検察審査会の活動についてでありますが、これは年間通じてどれほどの件数を扱われておりますか。この検察審査会法の第二条によれば「検察審査会は左の事項を掌る。」一として、「検察官の公訴を提起しない処分当否審査に関する事項」「検察事務の改善に関する建議又は勧告に関する事項」こういうようなことが第一項に記載されておる。第二項、第三項となっておりますが、かなり広範な業務目的を持っておるようでありますが、三十一年、三十二年には受理件数はどのくらいになるのですか。もし即答困難でございましたら、これは一つ資料として、さきの予算執行数字とともに出していただきたい、こう思います。
  18. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 そういたします。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なお伺っておきたいことは、どうも検察審査会制度というものが有名無実だという世評相当あるのであります。これを活用しようとしても、なかなか有効な結果を期待できないという世評相当あるのでありまするので、こういう世評にもかんがみまして、これらの業務の実情を検討してみたい、こう思います。この点につきまして、何か御意見があれば、資料とあわせて伺いたいと思います。
  20. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 詳しい数字はあとで提出いたしますが、大体検察審査会で受理いたします件数は、年間千件ないし千百件程度でございます。この制度は御承知通り終戦後できました制度でございますので、これを利用するのにまだ不十分じゃないかということは、私どもの方といたしましても考えておりまして、それの周知徹底と申しますか、能率的に活用されるように、私どもとしては今後とも努力しなければならないというふうに考えております。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは適当にあなたの方の事務総長にでも出ていただきまして、そして御答弁願うことが必要であろうかと思うのであります。やはりこの種の目的は、法の保護を全うする意味におきまして、また検察フアッショを防止する意味におきまして、非常に重要な目的を持っておるのでありまするが、もし運営の実効を上げないとしまするならば、私どもその原因を探求いたしまして、あるいは制度的に、あるいは運用的に、あるいは予算的に再検討する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えられるのであります。こういう趣旨におきまして、次の機会には、やはり今の要求しました資料とともに適当な御答弁を願いまして、この予備費の御使用の適否について判断をしていきたいと思います。きょうは資料の要求にとどめておきます。今度そういうふうにしていただけますか、どうですか。
  22. 岸上康夫

    岸上最高裁判所説明員 わかりました。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国会は、だれか見えておりますか。
  24. 坂本泰良

  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国会経費の問題を国会内部で論議することは、従来あまりしておらないのでありまして、こういう機会に一応伺っておかねばならぬと思います。ちょっと他の法令がありましたならあれですが、国会開会中に予備費を使うということは、これはできるのですか、できないのですか。——ちょっと古い閣議決定で、毎年閣議決定が更新されておると記憶するのでありまするが、予備費使用については、毎年閣議決定をやっておるはずでありまして、第一項は「財政法第三十五条第三項但書の規定に基づき、大蔵大臣の指定する経費は別表のとおりとする。」第二項におきまして、国会開会中は、前項及び次の経費を除き予備費を使わない、こういう趣旨になっておりますのですが、これは、私の手元の資料は古いのでありまするから、その後変ったかわかりませんので、お尋ねするのですが……。
  26. 溝端鶴松

    溝端参事 国会開会中は、ここに指定してありますけれども、(1)の「事業量増加等に伴う経営経費。」こういうものは出せると思って、それから出しております。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三十二年度一般会計予備費使用調書(その1)という書物の八十五ページに、昭和三十二年十一月五日閣議決定を経た経費といたしまして、衆議院審査雑費一千百万円を、国会閉会委員会審査を行う場合の審査雑費に関する法律改正に伴いまして支出をいたしておるのでありまするが、これは新しい法律によって支出されるものであるから、この場合、第二十七国会昭和三十二年十一月一日から十四日まで継続いたしておりまして、まさに国会開会中に属すると思うのです。こういうことも一つ財政規律の問題としてお尋ねするのでありまするが、やはり今の閣議決定の解釈によりまして、第二項の「国会開会中」ということに該当するのではないでしょうか。あなたの御説明の、事業量増加に伴う経費というのは適当でないかのようにも考えられるのであります。ここはもう少しきちっと国会自身秩序を立てるべきではなかったかと思うのですが、この点、もう一度伺います。
  28. 溝端鶴松

    溝端参事 法律改正になりましたので、予算的の措置がありませんでしたし、開会中はもちろん出せます。従いまして、閉会中においても当然出せるということで予備費支出をお願いして、それからまかなっておる状況でございます。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうも趣旨がよくわかりません。私が伺うことは、予備費というものは国会開会中は使用しないということが原則になっておるので、その原則を適用した場合に妥当であるかどうかということを、国会みずからが厳重にお考え下さることが必要でないか、こう思うのでありまして、国会閣議決定を破るということになりますと、私は、国会自身財政執行が非常にルーズだということになるおそれがあると思います。案外、灯台もと暗しということになりまして、われわれはみずからの財政執行が適正でなくなることをおそれるのであります。今のあなたのお説では、どうもはっきりいたしません。この(1)の「事業量増加等に伴う経営経費。」というものがこの場合該当するのかどうかということは、お説では、はっきりしないのであります。あなたの方で、法制局等におきまして相当厳重な御検討の上、やむを得ずというような結論でも出したのなら別ですけれども、そのような研究でもなさったのですか。
  30. 溝端鶴松

    溝端参事 ただいまの閉会中の審査雑費につきましては、この閣議決定の(2)に該当するものだ、「法令又は国庫債務負担行為により支出義務が発生した経費。」これに該当するものだと思って、これによって予備費支出をしておるわけでございます。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今お述べになりましたことは、先には事業量増加等をお述べになり、今度は(2)法令による支出義務の発生した経費というように御説明になるのですが、これはやはり確信を持ってお述べになっておるものと思うのですけれども大蔵省の御意見はどうです。そういう場合該当するのですか。
  32. 柳澤英藏

    柳澤政府委員 お答え申し上げます。今の審査雑費につきましては、実は改正議員立法でされましたために、予算の裏づけをいたしておりません関係から、法律の方が施行になりまして、そこで当然支出する義務が発生いたしたわけであります。それに対しまして、国会閉会中でありましたので、予備費をもって支出をいたしまして処置をいたしたような次第でございます。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 わかりかねるのです。閣議決定を行ったときは国会開会中ですね。そのときに補正予算を提出して両院の可決を持つということも、必要ならば即日一日で作業を完了すると思うのですが、その点いかがですか。
  34. 柳澤英藏

    柳澤政府委員 その点につきましては、予算国会に提出するにつきましては、やはり相当の日数もかかりますのと、議員立法法律の制定が行われましてから、予算の手続をいたしますことが時間的に十分でなかった、こういうことでございます。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは実はそういう御意見もあるかもしれませんが、大体この予備費使用についての閣議決定趣旨は、あまり厳格に行われていないということが真相でないかというような印象をどうも受けるのでありますが、このことは私初めて伺うのではなしに、三十一年度使用調書(その1)あるいはその前の機会にも伺ったというように記憶しておるのでありますが、それならそれで、それらしい閣議決定のきめ方、あるいは適当な根拠になる法令を明らかにすることが必要でないかと思います。金がなければ予備費を使ってもいいじゃないかということではどうかと思いますので、そこに対する懸念から御質疑をした次第なのであります。今の柳澤さんの御答弁ですけれども、どうもそういう趣旨は、今の場合適切な大蔵省の所見としてはわれわれ理解しにくいのであります。国会は、衆議院におきましては——これは参議院も同様でありますが、厳重に閣議決定を履行するということについて、疑義があれば両院協議し、あるいはまた適当な措置を講ずるということを厳重になすべきだと思う。これは会計課長にそういうことを伺うのもいかがかと思いますが、そういう点はどうでありますか。先年参議院一般会計の決算の問題があったときも、私ども少し伺ってみたいと思ったのですが、これはそう多く伺うことは取りやめたのですが、やはり国会みずからが、こういう問題について一番厳正な態度を保持するということが私は必要なことであろうと考えておるのであります。やはりこういうことが秩序の紊乱の遠因をなしてくるおそれがないではないというふうに思うのであります。現に共済会事件なんかもあったのでありますが、これは別にここの委員会で問題になったわけではありませんが、いろいろと考えますと、そういうふうに次々と考えさせられる事項があるわけでありますが、事務当局責任者と、あるいは両院協議とか、何か事務当局において、ただいまの問題等処理をどうしたものだろうかということを事前に十分に御協議になり、しかる上に大蔵省の方へ適当な措置をとるという方法にお出にはならなかったのでありましょうか。
  36. 溝端鶴松

    溝端参事 お答えいたします。この審査雑費につきましては、五月に予算成立審査雑費法律改正されましたので、既定予算に組んでありませんでしたので、やむを得ず大蔵省参議院協議いたしまして、大蔵省に折衝して予備金支出をお願いして出したわけでありまして、三十三年度におきましては、通常の予算に計上されておるような次第でありまして、この方法がいいと思ってやったわけでございませんけれども法令がそういうふうに改正されまして、やむを得ず予備金から支出したような状況でございますが、今後につきましては、できるだけこういうことは避けたいと私どもの方としては考えております。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この機会に希望しておきますが、われわれはやはり国会内部国費経理会計につきまして十分に絶えず反省していくことが必要であると思いますので、かかる見地からいたしまして、予備費のみならず、その他におきましても、委員会であまり問題にならないように十分にお考えを願いたいと思います。もっとも、これは会計課長のあなたに希望するだけではなしに、事務総長に申し上げねばならぬと思いますけれども、きょうはそういう適当な方がおりませんので、あなたを通じて申し上げておきますけれども、まあ論議すれば論議する対象はやはり私はほかにもあると思うのです。けれども、きょうは予備費に関連しまして、今の一点を指摘するにとどめますけれども国会はほかの省よりも一番厳重に公正に、また正確に予算執行してほしいと思います。これだけ申し上げておきます。また総長にもそう言っておいて下さい。必要なときにはまた総長の御意見も聞きますから。御答弁は要りません。  次に内閣に伺いますが、内閣官房の組織の目に報償費というものが何回も出ておるのですが、一体この報償費というものはどういう経費ですか。
  38. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。報償費関係はこれは私の方だけではありませんで、各省にも計上されておる経費でございまして、あるいは大蔵当局から御答弁になるのがしかるべきかと思いますけれども、私ども関係で申し上げますれば、一国の総理としましての総理が、内政、外交各般にわたりまして施策を遂行していく上におきまして、高度に機密的な立場におきまして処理をしなければならぬという事案があるわけでございますから、そういった経費に主として充てられるものでございまして、他の費目に交際費というのがございますけれども、今国会で問題になりましたけれども交際費とは、そういった意味におきまして取扱いを異にいたしまして経理いたしております経費でございます。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大蔵省主計局長が見えておりますので、ちょっと伺いますが、今の御説明によりますと、各省報償費があるといいますが、そもそも報償費というのは一体何でございますか。
  40. 石原周夫

    石原政府委員 報償費と申しますのは、ただいま総理府から御説明がございましたが、国に対しまして、たとえばある功労があった、あるいは情報の提供をいたす、そういうような何らかの貢献がございまして、それに対します反対給付ということで考えられます経費と、今内閣側から御説明がございましたような、政府におきます高度の責任を持っておる人が、その職務を機動的に果しますために必要な処理をいたす、そのための経費というものの考え方で、報償費というものは従来からでき上ってきているわけでございます。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国が国民等に対して何らかの功労に報いる反対給付、結局読んで字からそういうふうなことはよくわかるのですが、その後段の国の高度の責任を持っておる者の責任遂行上必要な経費、これは昔の機密費という意味ですか。昔、機密費というものがございまして、内閣の今の官房長官に該当するような人がよく持っておった。警察にもよくありました。そういうものなんですか。
  42. 石原周夫

    石原政府委員 機密費というのは、吉田委員よく御承知であります旧会計法時代におきます検査対象になる、ならぬということに一つのけじめがございまして、それが機密費という形であったわけであります。現在の報償費は、今申し上げたような観念でございますので、昔の機密費というものと、その事柄内容と申しますか、相似た部分があると思いますが、そういう点で、まず観念の基本が違っているわけであります。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 検査対象にならない国費、これは一応私は考えておらぬのですが、検査対象にはなる、その意味で昔の機密費とは違う。そうすると検査対象の性質以外はやはり機密費、要するにその高度の国家の、つまり政治もしくは行政等責任を負っておる人が何に使ってもいいという広範な自由の裁量権を与えてある経費という意味なんですか。
  44. 石原周夫

    石原政府委員 先ほど後段で申し上げましたように、非常に高度の責任を持っておる人が、その職責を果しますために、機動的に使います経費でございますので、経費内容といたしましては、ある一つ使い方にあるというわけではございませんので、幾つかの使い方に分れるかと思います。そういう意味では、吉田委員のおっしゃるような相当裁量のある経費だということになります。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その高度の責任を持っておる人が職責を果すために機動的に使う経費というのは、どういうものを想定しておるのでありますか。また現実にはどういうものが該当するのですか。
  46. 石原周夫

    石原政府委員 大体におきまして、今申し上げましたような前段の方の経費でございませんで、後段の方の経費に分けられるのでありますが、これは経費内容といたしましては、使途という点からいたしますと、交際費と類似した使い方もございますし、見舞金に当るような使い方もございますし、あるいはそれに類似した委託の関係経費というようなことに相なるわけであります。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 具体的にはどういうことに使っておりますか。
  48. 石原周夫

    石原政府委員 これは各省側からお答えを願った方がよろしいかと思いますが、具体的な使途といたしまして、今申し上げたような形のものが多いというふうに存じております。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもわかったような、わからぬような御説明ですが、そうすると、明らかに分類をしてきめかねるような種類に属するものを、込みにして突っ込んで入れてあるという、そういう場所なんですか。
  50. 石原周夫

    石原政府委員 科目の立て方といたしましては、事柄のうちに幾つかの使途別経費を含みますものと、そうでないものがございます。たとえば庁費というものがございますが、これは物品費もございますし、役務費もございますし、まかない料みたようなものもあるわけでございます。そういうふうな幾つかの使途別におきまする経費を含みまするものと、それからそうでなくて、その目自身の使途別の内容を明らかにしておるものもございまして、現在の目にはそういうふうな両種類のものがございます。報償費庁費などと同様に、幾つかの使途別のものを含みまする経費、そういうことに相なります。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 内閣の官房ではどういうことになるのですか、具体的に言って下さい。
  52. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ただいま主計局長から御答弁のございましたような、大体そういったような趣旨目的で使っております。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方で具体的にどういうことに支出しておるのかということを、一つ述べていただきたい。
  54. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 いろいろございますけれども、大きなものを一、二申し上げますれば、内閣としましていろいろな情報を収集するために必要な経費、それから御承知のように、最近外国からの国賓等の往来がひんぱんにございますが、そういう国賓の接伴関係経費、あるいはまた、こちらから外国に出向いていく場合におきまして、現地でそういう関係の接伴あるいは接待等を中心といたしました諸経費等が、一応例としてあげられると思います。
  55. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、きょう見えているのは外務省、法務省その他と思いますが、各省について聞けというお話がございましたので、外務省もあると思いますが、外務省はどうですか。
  56. 中川進

    ○中川説明員 お答え申し上げます。外務省はもちろんございます。報償費は外務省におきましては、もっぱら外交工作費というのに使っております。
  57. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一点、これは、主計局長に申し上げて、御意見だけ聞いておきますが、どうも種々雑多な感じがいたしますが、これは適当に目の名称などの整理はすべきでないかと思いますが、全部明らかにした上でやることが適当かと思いますけれども、今受ける印象だけでも、何かこの報償費というものは目的が明らかでない。従ってその使途が妥当でない場合もあり得るというふうにも考え、あるいはまた有効な目的を達するには使用価値がときには少いということもあり得る。いろいろ考えられまするので、予算の目をお立てになるその必要、理由、目的などからいたしまして、これはもっと整理をする必要があると思うのですが、こういうことについての考え方をちょっと参考に聞いておきます。
  58. 石原周夫

    石原政府委員 目の立て方につきましては、いろいろ前から議論がございまして、かつては吉田委員よく御承知だと思いますが、庁費というような目をむしろ割りまして、物品費役務費というように、非常に潔癖に各省統一したこともあったのであります。それも一つ方法であったのでありますが、かえって経理内容が把握しにくいというような考え方がございまして、多少目を合せまして、先ほど一例で申し上げました庁費のような目を設けたわけであります。報償費につきましては、従来からこういう目でずっと参っておったわけでありますが、目全体の立て方といたしましては、今後十分検討いたしまして、どういうような目分類が適当であるかということは、引き続き研究いたしたいと思います。  なお経費目的につきましては、これは項がございますので、項におきまして経費目的は一応明らかになっておりますから、その項のもとにおきまする目の問題として考えて参りたいと考えております。
  59. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 項に明らかになっておらぬですよ。内閣官房を見ましても、明らかでございません。官房は何をするかということになれば、官房の業務を法制的に実際に調べればわかるのかもしれませんが、やはりこの関連が明らかでないので、私のような疑問が生ずるわけであります。そこでこの点につきましては、一応大蔵省にお願いして、あなたの方でどの省で事実上何に使っておるかということを、可能な方法で分類せられまして、報償費内容資料としてお出しを願っておきたいと思います。各省にわたりまして、これは一つ適当に委員長にもお願いいたします。  それから次の問題でありますが、これはジャーナリズムがとかく問題にしておったのでありますが、私は別な角度から、あまりうれしい質問ではないのでありますけれども、岸さんが東南アジアへ行かれましたときに、宝石か何かお買いになったということであります。こういうことを一々せんさくすることも何かしらおとなげないように思います。一国の総理が外国へ行かれるのでありますから、できる限りわれわれも寛容な態度で、十分な活動もされ、おみやげにしても、お見舞にしても、贈りものにしても、その体面上恥かしくない程度に十分なことをされるように、予算も組み、経費も使ってしていただきたい、私は根本的にそう考えるのであります。これは与野党を問わずそうあるべきだ、こう思います。その点はひとり総理大臣のみならず、外国へ行かれる使臣の活動につきましても、経費不十分のために十分な活動ができないということを私ども見、聞きしておりますので、むしろその弊害をなくすことを希望しております。こういうふうな考え方を根本に持っておりますので、深くせんさくがましいことはいやでございますけれども、これは岸さんの名誉のためにも、一応明らかにしておいた方がよいのであろう、こう思います。そういうことでありますので、例の南方諸地域を旅行になりましたときのジャーナリズムが取り上げておりました点につきましては、一応明らかにして、名誉の保持のためにも、ないしは国費使用のけじめをつける意味におきましても、きちっとしておいた方がいいと思いますので、こういう意味におきまして、あなたの方できょう御説明ができるならしていただきたいと思いますが、主計局長、いかがでしょうか。
  60. 石原周夫

    石原政府委員 これは私の方から御説明申し上げますよりは、内閣側から御説明願った方がいいと存じますが、立ちましたついでに申し上げますが、前段に吉田委員がお申しつけになりました報償費にどういうものがあるかという点につきましては、これは経費の性質が先ほど申し上げたようなものでございますので、ごく大まかな概念のようなものでございますれば、私ども各省と御相談いたしまして、どの程度のものができますか、その程度のものでよろしければ、私の方でできるだけのことをやってみたいと思います。
  61. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御指摘の総理の外遊関係経費使途でございますけれども予備費で御承認をお願いしております中の、報償費の点がいろいろ疑問を起されたと思っておりますが、報償費をどういうふうに使ったかということにつきましては、先ほど来から申し上げましたような報償費一般の性格の範囲内におきまして、それぞれの外遊の目的に応じまして使われて参りました経費でございます。御指摘のありましたような、第二次の東南アジアのときでございましたか、新聞でいろいろなうわさがございましたような、ああいう点につきましては、私の立場といたしましては、そういうことは常識的には考えられないというふうに存じております。そういう疑問の点は、全然ないのではないかというふうに承知いたしております。経費内容等につきましては、現地の設宴の関係の費用であるとか、おみやげを買う費用であるとか、これはこちらから持っていく分でございます。その他これに関連いたしました経費でございまして、詳細な内訳につきましてはただいま準備いたしておりません。
  62. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなた、きょうは用意がないのかもしれませんが、やはりこの問題は二つの角度から考えてみたいと思うのです。たとえば東南アジアあたりに行きますと、香港あたりにおきましては、ドルが自由に入手ができるとかなんとかいろいろうわさもございますし、従ってドルの持ち出しというような問題を伴うかどうかという問題、それからまた経費をそういうような場合に使うことが可能であるかどうか、こういう二点から考えられるのであります。でありますが、これらの点につきましては、私は必ずしもいろいろなうわさというか、あるいは新聞に伝わった弁明ですか、そういうような記事を根拠にしてとやかく言うのじゃなしに、やはりあれだけの記事になったりしたのでありますから、相当な御調査があって、そしていつでも適当な機会国会に報告できるように御準備はできておるもの、こう思いますので、こういう観点から伺うのでありますが、あなたとしてはきょうは用意がないということになるのでございますか。
  63. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ただいまのところ、別にお打ち合せいたしておりません。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると新聞の記事は全部虚構な事実だ、虚偽の事実を書いておった、こういうふうな答弁と聞いておいていいですか。今発言中じゃないか。新聞ということは一つ資料にすぎない。だから発言を妨害せずに……。私はしいて、きょうは会計課長を追及するつもりはないのであります。とともに、前段いろいろ申し上げておりましたように、とかく言われても、でき得る限り寛容に、好意をもってこの問題には臨んでおるのであります。だからあなたが材料の有無もしくは調査ができておるかいなやにかかわらず、これを否定的なことをおっしゃるから、全然否定するということであれば、これは引き続いて質疑をせざるを得ないのであります。そうなるんですよ。私は新聞と言ったけれども、新聞ということは、単に質疑一つ資料にすぎないのであります。あなたとしては、今の伝わる問題についてはこれを全部否定するという御答弁があったが、それは十分な調査をした結果なのですか。
  65. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 先ほど私がお答えしましたことを少し補足して申し上げますが、新聞でいろいろとやかく言われましたことにつきまして、私の今の会計課長としての立場におきまして、そのようなことは常識的には考えられないことだという意味でお答え申し上げたのであります。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはあなたの意見……(発言する者あり)それでは会計課長、あなたに要求しておきますが、そういう御発言であればやむを得ませんので、詳細な資料一つ提出してもらいたい。よろしゅうございますか。ここには提出されておりますけれども、明らかでないのです。(「それではやめるぞ」と呼ぶ者あり)待ちなさい。発言中じゃないですか。発言中に妨害しちゃだめです。資料を要求しますから、しかるべくお取り計らいを願いたい。
  67. 坂本泰良

    坂本委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ————◇—————