○
兼子参考人 先ほど久保田さんから申し述べたのと私とが順序が少しなにしたようですが、実は私は立川の問題については自民党の綱島正興先生から、私が二十数年間の
砂糖の経験者であるというところから依頼を受けたのです。実は立川の問題があるが、長期にわたって在庫にもなっておる、
日本政府としても何とかこれを早く解決するような立場にもあるというので、君
砂糖の方は専門家だから
一つ調査してみてくれぬか、こういう依頼が、私が
千葉精糖の技術顧問として在職中に起きたのでございます。それで私も
砂糖のことならばいささか自信を持っておりますから、それじゃ
調査いたしましょうというのがこの立研の問題にタッチいたしました
事情なんでございます。その当時綱島先生にこの問題について御報告を一応申し上げておいたのです。これは私のあくまでもこの問題に対する私案でございまして、いささか公表すべき
性質のものでもございませんが、こうなりますと先生に御報告申し上げた内容を申し上げて、この問題に対する私の
砂糖の経験者としての見解をいささか申し上げたいと思うわけです。これはあくまでも私が先生に御報告申し上げました私案でございますから、そのお含みの上にお聞き取り願いたいと思います。
それはこの立研の
砂糖を私が依頼されたときにはもうすでに業者並びにメーカーの人は知っておられたのですが、私自身はまだ技術屋だもので、工場に引っ込んでおった
関係上知らなかったのです。それで
調査をちょっといたしたのです。それでこういう国際的な問題をいかに解決するか、しかも
日本の
倉庫に入っておるということが当時の
実情であったのです。それで実は当時通産省の
農水産
課長をやっておられた
日比野さんにもお伺いいたしましたり、また友人の業者の人にも聞いてみまして、あらゆる角度から研究した結果、私が得ましたこの原糖の処理案というものを御報告しておいたのです。まずこれのあいまいもことしておりますのは、先ほどもお聞きしておりましたけれども、
輸入の方式というものが、一体この
砂糖がどういうふうな方式で入ってきたのかということにまず私は疑念を持ったわけです。これは無
為替で入っておるということも当時聞きました。それでこんなことはどういうものだか私には想像できませんでしたので、これは外割として許しにより無
為替を取り消したらどうか、これが私の私案であったのであります。そしてこの場合には外割は原糖トン当り農林省で聞きましたら九十二ドル五十セントと言われましたから、九十二ドル五十セントでおやりになったらどうですかというのが、これが私の案の
輸入方式なんであります。それから次に割当方式はどうしたらいいかということを考ますと、メーカー割当とする場合は第一番に
日本精糖工業会と
協議をする、それか立研の割当は当然白紙として、さらに新たに再割をする、それからここにまた
日本精糖協会というものがありますから、
日本精糖協会に対しては精糖工業会との
協議に準拠する、こういうことに割当方式はしたらいいだろう。それから、もしこれを商社割にした場合、どうしたらいいかというと、ちょど三十年度の割当は完了しておるというお話しでありましたから、それならば明年度の割当と組み合とせて、特別割当方式を、明らかな
理由においてメーカーを承認せしむることというのが、この原糖処理案の私の私案であったのであります。
そしてこの原糖処理の最もむずかしい点というのはどういう点にあったかというと、また
調査いたしますと、立研原糖
輸入に関してはメーカー割当を一時されたということは、私の
調査した当時は周知のことであったのです。これが第一番目でありまして、第二番目は、
輸入業者にも知れ渡っておる事実であったために、これが処理は最も公平なることというのが、私の原糖処理案の難点の第二番目であったのです。第二番目には、
日本精糖工業会及び
日本精糖協会の両協会と
輸入業者がともに納得し得る処理案でなければ解決できないと考えるからして、政治的にも行政的にも無理をしないということが私の第三の条項であったのであります。そして最後に、行政指導の方式をどうするか、いわゆる
日本精糖協会が承認し得るような数量と金額の処理方式を、行政官庁で立案したらどうですかというのが、この立研処理に対する私の
調査報告であったのであります。ですから
質問の要点からいささか離れるかもしれませんけれども、今日こういう問題が起きるということは——それで綱島先生には、こういう複雑怪奇な
日本の糖業の状態であるならば、あなたは手をお引きになったらどうですかというのが私の意見だったのです。それでこの問題に関する限り、私はこれですぱっと手を引いてしまったのです。