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1958-03-11 第28回国会 衆議院 決算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月十一日(火曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 坂本 泰良君    理事 井原 岸高君 理事 田中伊三次君    理事 田中 彰治君 理事 山本 猛夫君    理事 神近 市子君 理事 吉田 賢一君       堀川 恭平君    松岡 松平君       青野 武一君    淡谷 悠藏君       小川 豊明君    細田 綱吉君       山田 長司君  委員外出席者         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      木村 秀弘君         大蔵事務官         (為替局総務課         長)      小島要太郎君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部長)    松岡  亮君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部食品課長) 筒井 敬一君         通商産業事務官         (通商局通商参         事官)     長橋  尚君         参  考  人         (財団法人立川         研究所理事長) 立川 正三君         参  考  人         (元通商産業省         通商局農水産課         長)      日比野健児君         参  考  人         (香港上海銀行         東京支店輸入         課)      柴谷 重夫君         参  考  人         (オリエンタル         ・エキスポータ         ー商会東京支店         支配人)    中島幸三郎君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求の件  歳入歳出実況に関する件      ————◇—————
  2. 坂本泰良

    坂本委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りすることがあります。すなわち歳入歳出実況、防衛庁におけるくつの調達に関する件につきまして、来たる十四日午前十時に参考人出頭を求めることに御決定を願っておりましたのでありますが、ただいまの理事会におきまして御協議願いました結果、来たる三月十八日午前十時に出頭を求めるよう日時の変更をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 坂本泰良

    坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  4. 坂本泰良

    坂本委員長 歳入歳出実況に関する件につきまして調査を進めます。本日は右件につきまして参考人より実情を聴取することといたしますが、予定いたしておりました参考人のうち、高松栄太郎君より、所用のため出頭できない旨の書状が参っており、本日は出頭されておりませんので、この際御報告をいたしておきます。  それではこれより参考人各位より実情を聴取することといたします。  参考人各位には御多用中のところを御出席下さいまして、まことにありがとうございました。参考人におかれては、質問に対するお答えの際は、委員長許可を得まして、起立して御発言をお願いいたします。  それではまず委員長より二、三お伺いいたします。立川参考人にお伺いいたしますが、財団法人立川研究所はいかなる法人であるか、その目的等についてお伺いしたいと思います。
  5. 立川正三

    立川参考人 財団法人立川研究所は、昭和二十一年十月に設立した財団法人でありまして、科学及び技術応用研究基礎研究をする目的のために設立した純学術、技術財団法人であります。その基礎その他については、私が中心となりまして、そして現在までの技術研究の成果に対する対価をもってその基礎として出発したのであります。自後十余年にわたってその目的を変えずに現在まで持続しておるのでありまして、その間に技術科学研究に基いて得た特許、新技術発明というものを、日本及び世界の各国に売りつけ、その対価をもってその研究所の維持、経営に充てているわけであります。
  6. 坂本泰良

    坂本委員長 次にお伺いしたいことは、あなたの今申されました立川研究所が、昭和三十年台湾東方貿易行と、新トラモメンの特許を受くる権利を供与して、その対価として砂糖輸入する契約をされたことがあるかどうか。されましたらば、その内容をお伺いしたい。
  7. 立川正三

    立川参考人 今の御質問要旨は大体あった事実であります。けれども、台湾における特許権利を与えるというのではなしに、台湾特許権利はわれわれが持っているわけでありまして、その特許実施権譲渡することに対する話し合いをしました。その対価台湾商社が支払って、対価に対してわれわれは台湾政府の与えたわれわれの化学繊維に関する特許実施権譲渡するということを実施いたしました。
  8. 坂本泰良

    坂本委員長 それでは、その契約特許を持っておられるから、その実施権契約されたわけですね。その対価、それから契約の期日、それから内容についてもう少し御説明願いたい。
  9. 立川正三

    立川参考人 特許契約書はここに写しがございますけれども、ここで読むのは煩雑でございますが、要点は、結局中華民国——といいますと、その時分の台湾、現在でも台湾ですが、中華民国特許を受くるの権利、その名称は、ヴィスコース人造繊維製造法というものを東方貿易行というものに譲渡して、香港及び将来の中国大陸もこれに準ずるという契約基礎にしております。それに対して、ここに載せてある特許を受くるの権ということは、こちらが特許を受けておいてそれを譲渡するということを意味するのでありまして、その対価はこれを百万米ドルと定める。その百万米ドル決済にかえて、これは先方との話し合いの結果この契約書ができたのでありますが、先方は現金で支払えない場合は物資でもって支払うことをわれわれが承認するということが基本になっております。それから金または物によって決済が実行せられた後にこの契約書が発効する、それらに対して実施をする場合に、その特許以外に、その特許に伴う援助及び技術的協力を与える。将来日本で同一の特許品ができた場合に、台湾にこれを輸出または販売するという権利台湾相手方が持つということを承認する、これだけの要旨に基いて契約をやっております。一九五四年です。
  10. 坂本泰良

    坂本委員長 なお今の御説明で、百万ドルに相当する砂糖をこれに充当するという契約ではなかったですか。
  11. 立川正三

    立川参考人 砂糖にせなければならぬということに落ちついたから、砂糖をもって支払うということになっております。「百万米ドルに相当する砂糖(以下本物資という)を以てこれに充てることを甲は」われわれの方は、相手方に対して承認を与える。
  12. 坂本泰良

    坂本委員長 次にお伺いしたいのは、この契約書写しを見るところによると、「甲は」——甲というのは、立川研究所ですね。「その所有にかかる中華民国特許を受くるの権利その名称ヴィスコース人造繊維製造法」(以下本特許という)を乙に譲渡する但し香港及び将来の中国大陸も之に準ずる。」これに間違いないかどうか。そうすれば、特許を受くるの権利であって、特許権ではない、こういうふうに考えられますが、その点はいかがですか。
  13. 立川正三

    立川参考人 これはわれわれはこう解釈しております。特許を受くるの権利というのは、事実特許を発明した者があって、特許を発明した者は特許を受くる権利があるはずです。けれども、特許を受くる権利を会社、社長、法人とかいうものに与えるということが慣例になっておると同じ意味で、外国においても、日本でもし私が特許を作ったという場合に、それを出願することもできるが、それを出願する権利譲渡することができるわけです。あるいは出願したものを譲渡するということはできるのであって、出願する権利特許権利と違うということは事実上行われておらないのです。法律論は別として、私は技術者としてそう考えております。
  14. 坂本泰良

    坂本委員長 次にお伺いしたいのは、右のように百万ダラーに対する砂糖輸入ということになっておるから、このような輸入について大蔵省役務及び決済に関する許可を受け、また通産省から無為替輸入許可を受けているが、その間の経緯、特に特許内容とそれからその実施状況について御説明願いたいと思います。
  15. 立川正三

    立川参考人 特許内容と申しますと、ヴィスコース人造繊維製造法でありますが……。
  16. 坂本泰良

    坂本委員長 立川参考人に申し上げますが、委員長から聞きました順序にお答え願いたい。第一は大蔵省役務及び決済に関する許可の点をお伺いします。
  17. 立川正三

    立川参考人 許可を受けておりますが、許可書も持って参りました。それによりますと、砂糖物資で支払ってもらう場合は、これはもちろん通産省許可を得なければなりませんので、通産省許可を得べくやりました。同時に御承知通り役務に対しては大蔵省許可を受けるという、両方の許可事項に対してわれわれは努力して、許可を得たわけです。そしてそのときにもちろん特許実施状況及び内容実施状況、また相手方に渡したとき及び渡してからのやり方ということについても説明を詳細加えて、許可を受けるように努力をしたわけです。
  18. 坂本泰良

    坂本委員長 次に無為替輸入許可を受けているが、その点について。
  19. 立川正三

    立川参考人 無為替輸入許可を受けたのですが、これはなぜ砂糖をもって支払うかということのやむを得ざる事情を、私の方から先方の代理人と一緒になりまして通産省説明をしまして、その了解を得たわけです。ただしその場合にわれわれはそのものを所得するのではなしに、代物が百万米ドルに相当するものであるという条件でわれわれは特許譲渡をする、砂糖と交換するのではなしに、砂糖によって対価が支払われるということを条件にしておるわけです。
  20. 坂本泰良

    坂本委員長 次にお伺いしたいのは、砂糖輸入されてその砂糖については金にかえなければならぬわけですが、立川研究所の方ではその処分はどういうふうに予定しておられましたか。
  21. 立川正三

    立川参考人 立川研究所は、先ほど申し上げましたように、単なる化学技術研究所でありますから、営業行為はもちろんやることもできず、またやる人もおらぬのであります。従って砂糖で支払われると非常に困るわけで、もし砂糖がこちらに着いた場合に、これらの処置及び販売等、それによる一切のことをやる適当な人がわれわれの研究所におらぬものですから、これを他の人に委嘱しまして、その委嘱した人を……。
  22. 坂本泰良

    坂本委員長 他の人とはだれか名前をあげて言って下さい。
  23. 立川正三

    立川参考人 申しますが、当初は勝間敏夫に委嘱しまして、それに伴う一切の行為を限定で委任をしたわけです。それからその人からさらに通産省を通じ、あるいは説明の結果、さらに勝間という男が自分では単なる個人ではやれないから、いろいろな商社に対して働きをして、そしてその販売方処置方を委嘱して、その勝間敏夫はあくまでその間に立って処置をした、立川研究所に対する特許対価を支払うという責任を持って活動したわけです。そして一年半ほど後になりまして、これが勝間一人では足らぬというので、もう一人藤岡芳蔵という人をさらに追加委任をしたわけです。ただしこれらの委任をした人に対しては、われわれ研究所通産省及び大蔵省許可事項以外の行動を制限したわけです。それらの詳しいことは全部ここにございます。  それからそれに付帯して申し上げますと、それらの委任砂糖を販売してしまうまで継続するのではなしに、昭和三十一年の十二月まで継続して、一月の当初にその委任を解いたわけです。
  24. 坂本泰良

    坂本委員長 次にお伺いしたいのは、立川研究所の方では砂糖輸入についての無為替許可を受けて、二回ばかり期間延長をいたしたのですが、三十年の十月二十二日で期限が切れてだめになった、いわゆる中絶したというふうになっておるのですが、その事情をお聞きしたい。
  25. 立川正三

    立川参考人 二回ほど期間延長したのは、砂糖現物着荷がおくれたためにやむを得ず延長願いを出して二回ほど許可を受けたのですけれども、その二回を経てもなおかつ着荷がおくれたために、その許可が受けられなかったわけです。それで今御質問のように相なったわけです。
  26. 坂本泰良

    坂本委員長 次にもう一つお伺いしたいのは、十月二十三日に期限が切れてもうだめになった。ところが十月二十四日にドミニカ国からアリストテレス号砂糖一万トンが積み出しされて、横浜へ十一月十八日に着いているわけですね。その積み出し、それから保税倉庫に格納せられた、こういう点があるのですが、その砂糖立川研究所とは関係がないかどうか。また関係があるかどうか。
  27. 立川正三

    立川参考人 十二月に入った砂糖とわれわれとは関係ないのであります。  なぜないかと申しますと、砂糖によって対価が支払われるという方法は非常に危険で、われわれが迷惑することがはっきりわかったから、立川研究所契約を一方的に解除したのです。契約解除したときの文書及びその証拠書類は現在持っておるのですが、解除したのです。従って解除後において砂糖現物が来たけれども、われわれは特許譲渡云々の件に関しては、その着荷砂糖とは関係を断ったわけです。
  28. 坂本泰良

    坂本委員長 ところがさっきの御説明では、勝間藤岡両氏砂糖の件を依頼して、それが三十一年の十二月まで継続した、こうおっしゃっていますね。砂糖は三十一年の十一月十八日に横浜に入港して着いているのです。それも全然関係がなかったかどうか。
  29. 立川正三

    立川参考人 そういうこまかい砂糖がいつ幾日に港に着いたということは、先ほど申した藤岡及び勝間両氏に一切委任してあるから、われわれ研究所理事長以下全部関知しなかったのです。全部委任してあるわけです。委任してあるが、それらの報告によってわれわれが判断しまして、そうしてこれは解除しなければならぬという判断のもとに解除したのが一月です。その間多少時間がずれておりますが、今われわれが関係ないと申し上げましたのは、そういういきさつから申し上げたのです。
  30. 坂本泰良

    坂本委員長 もう一点だけお聞きしますが、この解除をする前に砂糖が入港したわけですね。そういうふうにして貨物を輸入したときは、証憑書類を添えて大蔵大臣報告することになっておりますが、立川研究所としてはその手続をとられましたかどうか。
  31. 立川正三

    立川参考人 それは私は研究所に関する限りは、それを知らなかったのですが、勝間及び藤岡両氏委任してあるから被委任者が全部やっているものと思っておりました。その御質疑の点について私の説明は不徹底かもしれませんが、事実私の知っている限りそうなんです。それ以上の砂糖着荷の時期、その処理方法手続を出す出さぬということの詳細についてはわれわれが関知できないのでありますから、その今の委任をした人の説明が一番適切だと思います。
  32. 坂本泰良

    坂本委員長 それではこれより委員各位との質疑応答の形で実情を聴取することといたします。吉田賢一君。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 立川参考人財団法人立川研究所理事長でありますか。
  34. 立川正三

    立川参考人 そうです。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 立川研究所は何人ほどの人が従業して、一年の経費はどれほど要しておりますか。
  36. 立川正三

    立川参考人 財団法人立川研究所経費は、一年に二千万ないし三千万の経費を要します。人間の数は大体二十五、六人です。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 東京京都に事務所がおありのようでありますが、東京には何人おり、京都には何人従業しておるのですか。
  38. 立川正三

    立川参考人 京都には二十五人、東京には一人です。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二千万円の経費は大体大分けすると、どのくらいの金額が何に要しておりますか。
  40. 立川正三

    立川参考人 大体月当りにすると約二百万で、そのうちの半額は給与、半額研究費及び雑費その他に要しております。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十一年から今日まででありますから、それは最近の計数であろうと思いますが、以前はずっと低かったのですね。その辺の数字を御説明願いたい。
  42. 立川正三

    立川参考人 以前はずっと低かったというわけではありません。二、三十万円あるいは四、五十万円低かったときはありますが、大体それに近いものが使われておりました。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし終戦昭和二十一年とか二年に、二千万円とか千万円とかいうのは、これは貨幣価値から考えてもちょっと想像しにくいのですが……。
  44. 立川正三

    立川参考人 現在までとにかく一億二、三千万円の金を使っております。正確に言いますと、終戦直後は低くてだんだんにふえてきたということは言えますけれども、その精細なる数字はただいま持ち合せておりませんが、私は私の記憶は正しいと考えております。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、昭和二十一年から現在まで、ざっと一億二、三千万円の経費を使っておる、こういうふうに大体伺えばいいですか。
  46. 立川正三

    立川参考人 そうです。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで台湾東方貿易行に譲り渡し契約をした特許権なるものは、日本特許庁特許登録を受けておるものですかどうですか。おるとすればその年月日番号をお述べ願いたい。
  48. 立川正三

    立川参考人 本件に関する特許権日本ではもちろんとっておりますが、その前後の特許が十幾つありまして、たくさんあります。ところが台湾でとった特許は一件です。日本のやつはたくさんございまして、名称は多少違いますけれども、現在まで続いているものもあります。それが必要でありますれば、午後でも文書報告いたしますが、現在はその年月日記憶しておりません。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはさきにお述べになった台湾東方貿易行に売り渡す、譲渡する契約をした、その目的物である特許権、これは日本特許を受けているとお述べになっておりますから、その番号年月日をお聞きしたのです。数が幾つもあるということだが、幾つあっても、こういう重要なものであるから御記憶があろうと思います。お述べ願いたい。
  50. 立川正三

    立川参考人 台湾特許明細書はここに持っておりますが、それに匹敵した内地の特許明細書を現在持っておりません。日付その他は記憶しておらないわけです。それで直接それと関連することでありますので申し上げますが、台湾特許を申請したのは……。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。台湾特許を受けているかどうか、これはまた別にしたいと思います。  日本特許を受けているとおっしゃっておりますから、その譲渡対象物である、日本で受けておいでになる特許権登録番号とか、そういうものは当然御記憶あってしかるべきことと思います。お述べ願いたい。
  52. 立川正三

    立川参考人 今私は記憶しておりません。たしか昭和二十六年前後だと思いますが……。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 昭和二十六年前後に日本特許庁において特許法によって特許を受けている、その番号はわからぬ、年月日を正確にしないというのはどうかと思うのですが、それは日本特許を受けておるものを譲渡することになすったのではないのではないですか。
  54. 立川正三

    立川参考人 そうじゃない。それを説明いたします。台湾以外のことをとおっしゃいますが、台湾のことに関連して申し上げぬとわからぬのです。台湾特許を受ける権利というものは、日本特許を受けた当該特許を移すのではないのです。向うで受けるのは新しく受けるのです。
  55. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、あなたの譲渡なさった権利は、日本特許庁特許権を持っておられるのかどうかということを聞いたのでありますが、持っておりますとおっしゃるから、そんならいつどういう番号特許をお受けになっているのか、こう伺ったのです。台湾はちょっと別にしておいてもらいたい。それは二十六年前後に特許を受けた、番号はよくわからぬ、こういうのですから、私にしてはちょっとその辺が疑問なのであります。こういう重要な譲渡物件でありますから、その点は精細を御記憶になっているのが常識だと思います。重ねてお伺いいたします。
  56. 立川正三

    立川参考人 御不審ですが、私の方の特許は現在たくさん持っておりますものですから、一々日を覚えておらぬのが普通なんで、必要とあれば直ちに調べることができます。
  57. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 たくさんとっていると思いますけれども、百万ドルで台湾人に売る特許権ですから、台湾においてはこれから特許を受ける権利があるかもしれぬが、日本においてはすでに特許を受けておる権利である。百万ドルで売却するようなものだから、ずいぶんたくさんの中の一つではあろうけれども、私は当然はっきりしておらなければいけないと思うのですが、これはそうではなしに、日本では幾つかの特許権をお持ちになっておっても、それを譲渡権利内容にしてあるというのではなしに、あなたの方では台湾でとって受ける権利譲渡する、こういうことに切り離して契約をなさったのが趣旨ではないかと思うのですが。
  58. 立川正三

    立川参考人 なお念のために御説明いたします。本件特許は関連的のものなんです。十何年間の特許というものはずっと関連しておる特許でありますから、一々覚えてないということになりますが、それは調べたら直ちに出るわけです。それで日本特許をとったそういう重要な特許を失念しておるということをお責めになりますが、それはわれわれとしては失念しておるのは当然じゃありませんが、失念しておるのが普通なんです。
  59. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの方ではたくさんの中の一つ譲渡した、こういうふうに理解できる状態なんですか。
  60. 立川正三

    立川参考人 これについて御理解のいくように説明したいと思いますが、外国特許台湾はもちろん外国でありますが、外国特許を受けるときは、その優先権は一年に限られているのです。御承知通り台湾にあとになって特許を受けるという場合には、その特許昭和二十一年からほとんど連続的に改善々々で受けておるので、そのいずれかの特許のいいところをとって、二十六年なら二十六年、あるいは三十年に受ける場合は三十年に新しい特許を作成して、そして当該外国に申請をするのが普通であります。
  61. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもよくわかりませんが、あなたの方が譲り渡すという権利を、台湾東方貿易行が工業的に、産業的に実施するという場合は、何ほどの経費を要するような権利なのでありますか。
  62. 坂本泰良

    坂本委員長 ちょっと参考人に申し上げておきますが、御発言の際は委員長と言って御発言願いたいと思うのです。そうでないと、区切りがわからずに御説明の不徹底になる点もございますから、さようお願いしたいと思います。
  63. 立川正三

    立川参考人 御質問要旨をもう一度……。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 貿易商社である台湾東方貿易行が百万ドルであなたの方から、台湾特許を受くる権利を譲り受ける。特許権利を譲り受けると、何らかの方法で企業化しなければならぬものであろうと思います。ことに技術供与というものも含まれておるらしい。そういうふうに企業化するには相当な経費がかかると思うのですが、それはどれほど要するお見込みであったのかということを伺っておるのであります。
  65. 立川正三

    立川参考人 その当時先方がこれを買いまして、企業化する場合に要る金額予想資金は、その生産規模にもよりますけれども、一応定例として最初の生産は五度くらいやると思います。約十億円ぐらいの金を用意しなければならぬと思います。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は過去十四年間に一億数千万円の所要経費であった財団法人。もう一つ、多数の特許権日本政府によって所有しておって、さらにそのうちの一つ台湾貿易商社に売り渡される、その売り渡し代金が百万ドル。百万ドルといえば円価に換算すれば三億六千万円になります。十数年間の経費の倍額の代金を入手できる。そしてそれが多数の権利のうちの一つである。まことに天下これほどぼろいことはないと思うのです。こういう質問をして失礼ですけれども、ほんとうにこれはおやりになるおつもりであって、ほんとうにそれだけの価借を相手が認めておったのかどうか、その辺はいかがなものですか。
  67. 立川正三

    立川参考人 私として申し上げますが、それくらいの価値があるものと認めておったと思います。
  68. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 台湾貿易商社企業家でもなし、貿易商社であるのだが、貿易商社がさらに十億円も投資してこれを企業化する、しかもそれがうまくいかなかった、砂糖の入手ができなかった、ついに契約解除になった、こういうことでありますが、一体この東方貿易行というもの自体がそういう企業のもくろみをほんとうに持っておったのですか。これは台湾ほんとうに行ってみないとわからぬということになりますが、その辺についてはどうですか、御調査でもしたのですか。
  69. 立川正三

    立川参考人 それは先ほど申し上げたように勝間敏夫藤岡芳蔵、両氏にすべてのことを委嘱して、台湾に対する調査及び身元、相手方東方貿易行とはいかなるもので、いかなる力があるかということを全部委任をして、その証明によって私は判断したのであります。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 勝間敏夫というのは、これはあなたの方の東京出張所の使用人じゃないのですか。
  71. 立川正三

    立川参考人 両方とも東京出張所の使用人じゃないのです。以前から懇意な間柄であります。
  72. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 きょうは証人ではないのですけれども、やはりお答えは厳正に、正直に答弁してもらわぬといかぬのだが、念のために私の方で東京出張所を調査いたしましたら、勝間敏夫という方がおられたが、その人のことじゃないのですか。
  73. 立川正三

    立川参考人 おりました。おりましたが、私どもの所員でもなければ理事でもない。ただ嘱託として、もちろん給与を出しておりません。
  74. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 給与も出しておらず、所員でもない人がぽつねんと一人あなたの東京出張所におる。そしてあなたの御答弁によれば所員は二十六名で、東京に一人おる。ほかに人が置いてなければならぬがと言いましたら、おらないというのが私の方の調査の結果であります。その人が万事あなたの委託を受け、代理として台湾の調査をしたのである、あなたはその間の事情を知らない、しかもその代金は三億六千万円である、しかも一万トンの砂糖で、どのくらいはね上ってもうかるかわからぬようなものが結局給付の対象になっておるというようなことは、いかにあなたが商売人でないにいたしましても、これだけの契約をしようという人としましては、これまた非常に常識的に筋が通りにくいと思うのであります。そうじゃなしに、あなた自身は、ほんとうは向うはどうするのかわからぬ、あるいは砂糖輸入があればいいということがほんとうのねらいじゃなかったんでございましょうか。そしてそれが失敗をしたというのがほんとうじゃないのでございませんか。
  75. 立川正三

    立川参考人 それは御質問要旨のようではありません。われわれの仕事は、特許を発明しまして、それを売りつけて、その金でもって科学技術研究するという以外にはないのでありまして、たまたま砂糖であっても何であっても、先ほど申したように百万ドルなら百万ドルしか享受しない。それによって利益がある場合があってもわれわれは関知しないのであります。もう一つ言いますが、百万ドルが非常に特許として過当な値段のようにおっしゃいますが、決して過当なものではなく、現にアメリカ、ヨーロッパに対して、しかも先進国に対してこれを売りつけておる事実があります。そういう特許でありますから、特許価値についての判断は当らないと思います。
  76. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は外国人に売りつけてどのくらいの代価を従来取得しておられますか。
  77. 立川正三

    立川参考人 これまでのところでは大体五万ドルとか六万ドル程度、はっきり覚えませんが、十万ドルとか二十万ドル程度のものは入っておると思いますが、その特許権というものは、諸外国、特に先進国ではロットで入らずに、ロイアリティと申しまして、生産基準において一ポンドに幾らという工合になりますから、だんだんにこれからも入ってくると思います。
  78. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたは工学博士、日本の工学博士なんですか。
  79. 立川正三

    立川参考人 その通りであります。
  80. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この財団法人立川研究所というのは、これは従来砂糖を引き取ったりあるいは砂糖輸入について外貨の割当を受けたり、従来そういうことをやったことがあるのですか。
  81. 立川正三

    立川参考人 従来は何もありません。
  82. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一万トンの砂糖を受け取ってどうしようと思ったのですか。
  83. 立川正三

    立川参考人 それは今輸入した人に対して、これらを全部金にしてくれ、百万ドルに相当したところの円貨にしてくれ、それが入ったときに初めて譲渡することを実行する、それまで約束だということを言ったわけであります。
  84. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、今の輸入した勝間外一人にまかして金にかえてくれということを言っておった——ちょっと日比野参考人に伺いますが、あなたは元通産省農水産課長、現在は食糧庁の何をなさっておるのかちょっとわかりませんが、すでに事態は一転しておりますけれども、一応さかのぼりまして聞きたいのですが、立川研究所というものが営利を目的とする法人ではない、商事会社ではない、貿易商社ではない、砂糖輸入業者でもない、メーカーでもない、消費者でもない、技術研究科学研究をする財団法人であり、そういうものが一万トンの砂糖を入手して、もしくは引き取って、これを自分の嘱託している勝間某外一人によって金とかえさせる、原価だけで三億六千万円です。こういうことは実際上、当時、法律上可能なのでありますか。とすればどういう方法があるのですか。
  85. 日比野健児

    ○日比野参考人 本件砂糖につきましては当時大体台湾から三十三万トンの計画がありまして、そのうち上期に十七万トン何がしありまして、あと十六万トンやる予定のところ、十五万トンだけ発表して、一万トン保留しておったわけでございます。それで吉田委員の御疑問のように、立川研究所砂糖輸入したこともないし、また使ってもないということは事実でございまして、私どもの方といたしましては、すべて本件砂糖につきましてはそういう輸入計画と申しますか、需給計画の範囲内で処理する、しかも立川研究所に対しましては百万ドル相当の円、すなわち三億六千万円だけは立川研究所へ出しましょう。しかし当時の輸入単価の当初の契約でいきますと、輸入価格はCIFで八十八ドル何がしでありますので、それに諸チャージ——立川研究所の所長から先ほど御説明がありましたように、砂糖の取扱いになれておりませんので、立川研究所の方で取扱い商社を選定しておるのであります。そういうものの手数料その他を含めましてCIF価格プラス日本へ持ってきてからのチャージ。それから当時通産省といたしましては本件の無為替許可するに当りまして、物資砂糖ですから、御承知のように過剰利益のおそれのある砂糖でございますので、その点は慎重に処置すべきだという観点から、メーカーには——メーカーと申しますか、無為替許可には、売り渡しにつきましては通産大臣の指示に従うこと、こういう条件をつけております。従ってその指示に基いて通産省といたしましてはメーカーに港の河岸着船乗せ渡しと申しますか、岸壁へつけてはしけの上で渡す、こういう条件で、引き取るメーカーには百十ドルで売りなさい。それで百十ドルで、しかも各メーカーの間の比率につきましては農林省と協議して、当時台湾糖の割当方式と同じような方式で農林省ではじいた数字に基きまして、委託を受けたインポーターが百十ドルで売る、こういう条件をつけておいたわけであります。
  86. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはちょっと聞き漏らしましたが、台湾糖の輸入が当時のもくろみであったんですか。
  87. 日比野健児

    ○日比野参考人 私が聞いております範囲では、当初は台湾三品ということでいろいろ計画があったようでございます。たとえばバナナとかパイ・カンとか砂糖とか、しかしいずれにしましてもバナナ、パイ・カンにつきましては事実上不可能ですし、砂糖につきましてもそういう話は聞いておりましたけれども、最終的な申請は当初はキューバ糖になっておりました。しかしいずれにいたしましても、当時の砂糖の下期の輸入といたしますと、台湾糖だけがメーカー割当で、あとは全部がリンクと申しますか、当時の輸出振興のために船舶、プラントその他の輸出品にリンク物資として砂糖をつけております。残っておったのがこの台湾の一万トンだけでございます。
  88. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 台湾糖の一万トンを輸入するということを目標にいたしましたら何かしごく簡単なようでありますが、現実の問題としましては、数カ月たっても砂糖の手当ができなかった、こういうことでありますが、そうしますと、政府としましては、無為替輸入許可する場合には、やはり相当その経緯、見込みないしはその契約の趣旨、実行の可能性、そういうものにつきまして十分検討の上で例外である無為替輸入許可するのが至当であると私は思う。そういうことについて十分な研究があったとすれば、最後には台湾糖でなくてもいい。また三カ月も延期してまた延ばす、こういうことにしなければならなくなった、そこまで一体この契約に協力をしなければならぬのはどういうわけなんだろうか。また極端に言えば、少し危なかしい、何も経験もない所長自身、代表者自身が百万ドルの売買契約をみずから責任を持って実施し、もしくは調査し、担当するということをしないで、給料もやらない第三者に委託してやらしているというような実情で、買い主の相手の実情を調査したかというと、これさえも調べない。こういうものに政府はそんなに協力をしなければならないのか、そしてついに六カ月も八カ月も延ばしておることになっていますね。延期しておる。ついに執行したようでありますけれども、そういうふうにどうして協力しなければならぬことになったのか。何かそうしなければならぬ事情でもあったのかどうか。この辺は、あなたは当時農水産課長としまして相当重要な立場におありになったので、十分おわかりだろうと思う。それはいかがでございますか。
  89. 日比野健児

    ○日比野参考人 どういう事情で延期しなければならなかったかという御質問でございますが、そもそも許可しましたときには、砂糖の需給計画の範囲内であり、しかも百万ドル相当の砂糖台湾事情で——本来なら米ドルなりまた台湾のオープン・アカウント勘定なりで決済されるべきものであるとわれわれ考えておりましたけれども、御承知のように台湾は外貨事情が非常に悪いところでありまして、今でもそうでありますが、そういうことが無理だろうという判断もありまして、他方またその一万トンにつきましては、いずれ需給計画上の数字ですから、ポンドなりドルなり割り当てまして引くべき数字であったわけであります。従いまして、それがそういうものを使わずに特許権対価として入ってくるなら、しかも需給計画上の数字であるなら、それについては、厳格な条件をつけて自由に売って自由な利益を得るという点は十分通産大臣の許可で縛りましてやるならば、一応適当でないか、こういう判断だったと思います。
  90. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 特許権対価として砂糖が入ってくる。ドルを支払わなくてもいい、大へん国益になるという御判断らしいのだが、実際には入ってこない。しかもわれわれは、貿易商社が十億円を投じてこの特許権なるものを企業化するということもちょっと想像しにくいのです。あるいは他の工場と協力してやるのか、他のメーカーと協力してやるのか存じませんけれども、どうもその辺が一般の常識からいうと少しふに落ちにくい。しかも後には、台湾糖も入ってこなければ、あるいはまたその他のキューバ糖も容易にこないという結果になってしまっておる。これは当然そうあるであろうと考えられる。そこでこれは何らかの手段で——当時利益がずいぶんあったらしい。砂糖といえばアリがたかってくるように消費者、商社その他が殺到するときであったろうと思うのでありますが、そういうわけだから、そこには少し不確実な不正確な要素は持っておったけれども許可した。実際はこういうような実情であったのではないだろうかと思うのであります。もしそうでないとすれば、どうして一体延期したのか。あなたが延期したとは言いませんが、どうして延期したのか。数度延期している。延期して目的を達しておらぬじゃないか。それならば最初の判断が誤まっておったのかどうか、こういうことまでわれわれは考えたいのであります。一体無為替輸入というものはどういう場合でもほとんど恣意に行い得るものかどうか。きわめて例外な制度であろうというふうに考えられるのであります。こう考えて参りますと、そこには相当ずさんな不正確な要素をうのみにしてやった形跡があるのではないだろうか、こういうふうに考えられますが、これについてあなたはどうお考えになりますか。
  91. 日比野健児

    ○日比野参考人 当時私、農水産課長といたしまして、先ほど申し上げましたように、砂糖輸入につきまして、これが無為替であり、しかもうまく入れれば相当のもうけがあるという点を非常に心配していたわけであります。この点につきましては先ほど申し上げましたように厳格な条件をつけまして、立川研究所には三億六千万円相当の転化だけしか渡しません。その間の差額につきましては、別途通産大臣の指示する方法により、当時といたしましてはバナナで例がありましたように、ジェトロへ寄付させるということも考えておりましたけれども、また一面例の砂糖の差益徴収法案というものがありまして、こういう法案がはっきりしました上で、その法案の趣旨に準じて政府に寄付させる。その金額は当初は——四千七百五十九万円くらいの概算になりますが、そういう金はそういう機関へ積み立てさせる。その結果その費途は政府へ寄付させる。こういう方式をとれば、事砂糖に関してはいろいろな問題を起すことはないだろうとわれわれとしては判断したわけであります。
  92. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、これは三億六千万円を立川へ渡してやって利益が四千七百万円余り生ずる、こういうことになるわけなんでありますか。
  93. 日比野健児

    ○日比野参考人 利益と申しますか差益でございます。差益は、それを立川研究所へ渡すということは行き過ぎじゃないか。従ってそれは政府で吸い上げるべきじゃないか、こういう判断をしたわけであります。
  94. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし貿易管理令第八条一項の規定による輸入承認の申請書、これによりますると、通産大臣の付しておる条件は「本貨物通関完了後の売渡方法及び価格等について別途通産大臣の指示することに従う事」こうなっておって、そのような具体的内容は何も書いてないですね。具体的内容を書いてないとすれば、事務当局がそういうことを考えておった、あるいは立川の方へそういうことを通達でもしてあったというのであって、格別そういうことは、今おっしゃるがごとき正確な数字等に至るまで立川との間に指示をする予定であったというのではないのが当時の真相ではないのでありませんか。
  95. 日比野健児

    ○日比野参考人 この点につきましてははっきり指示してございます。内部の決裁もちゃんととってございます。
  96. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 立川さんに聞きますが、その点についてはあなたの方へはいつどういう指示があって、あなたの方はどういうふうに了解しておったのですか。
  97. 立川正三

    立川参考人 今お聞きしたような指示があったということは記憶しておりますが、いつどういう内容であったかということは今記憶しておりません。
  98. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはあなた自身が関与したのですか。
  99. 立川正三

    立川参考人 関与はもちろんしてます。してますが、実際実務をやるのは今申し上げた二人に委嘱してあります。
  100. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは政府から一体どういう指示を受けたのですか。あなたの方は商売人でもなし、メーカーでもなければ実需者でも何でもないのです。ところが一万トンの砂糖を代価として受け取ろうというのであります。政府にこれについてあなたの方に不当な利益を与えないように規制をする意思があった、こう言っておるのであります。そこであなたはどこからどんな指示をいつ受けたかという具体的内容を聞くのです。あなたはおもにこの仕事はやらないというふうに私ども印象を受けるような御答弁があったわけです。あなたは相手の買い主の実情の調査もしておらず、月給もやらぬ勝間に委託しておった。そして学者として超然としておる人かと今まで私は思っておった。ところが今あなた御自身が政府からいろいろな指示も受けておるというお話であるから、それならもっと具体的に聞きましょう、こういうことなんです。
  101. 立川正三

    立川参考人 ですから指示を受けたということは記憶しておりますが、内容及び日付につきましては記憶がないと申し上げておるのです。
  102. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は、どんな資産のある人か知りませんけれども、三億六千万円の代金にかかる問題でありますよ。砂糖の一万トンの輸入というものは、ともかく莫大な金額でもあるし、需給関係から見ても大きな数量であります。こういうことにかかわっておりますので、あなた御自身が直接政府との間にそういう折衝もし、ないしはいろいろな今後の処分、あなたの方の収受すべき金額、あるいはこれにまつわる方法、こういうものを自分が具体的にしておるのなら、知らないということはなかろうと私は思う。知らないと言うなら、いっそだれかにまかしておったというなら、それもまた筋が通ってくると思いますが、そう何もかもまかしてしまったというほどにあなたの方も多忙の立場でなさそうだ。ことに外国へ売って資金を得るなんておっしゃっておるけれども、百万ドルの資金を得るというのはこれだけじゃありませんか。五万ドルや十万ドルという今御説明がありますけれども、しかし過去十余年間における最大の収穫をあなたの方は逃がしてしまった、獲物をあなたの方は逃がしてしまったことになる。それなら相当記憶もなければならぬと思うのです。大蔵省通産省からどんな指示を受けておったのです。
  103. 立川正三

    立川参考人 先ほども申したように、三億六千万円の対価はあくまで契約上取るが、それ以上は取らぬというように申し上げたように、それに基く収受なら、今参考人が申し上げたように三億六千万円の対価は収受していいが、その他の差益というものはもし起ってもわれわれは取ることはならぬという指示があったことは記憶しております。
  104. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 輸入承認の申請書にはそんなことは何も書いてありませんぜ。あなたはそんなことを言っておるけれども、何も書いてないのですよ。何も書かずに、口と口とでどっかで約束したというのですか。
  105. 立川正三

    立川参考人 ちょっと質問要旨がわかりかねますが……。
  106. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今、元通産省農水産課長日比野君からの御説明にあったような趣旨を、これらの文書の上からは発見されないのです。あなたの方は、指示を受けたというのならば、口でそういう指示をいろいろとお受けになっておるのかどうか、どっから受けたのか、こういうことを念を押しております。
  107. 立川正三

    立川参考人 それは指示を受けました。それは勝間君を経て受けたのです。聞いてきております。
  108. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 実は、そういうことも、あなたはほんとうは不正確なんじゃないですか。これは証人でお調べしておるときだったら、うそ言うたら偽証になるのでございます。別におどすわけでも何でもない。私どもは真相の究明に当っておりますから、別にあなたの方に故意、敵意もなければ、悪意も何もない。事の真相を明らかにしたいと思うだけなんであります。だからもし知らなければ知らないでけっこうなんでございますよ。私の疑問は、あなたの方が商売人でもないのに、どうしてこの一万トンの砂糖を目がけたか。しかもそれは不結果に終っておる。不結果に終っておるにもかかわらず、政府は漫然として延長を許しておる、こういうようなところに、そのあと起ってくる事態にかんがみて、非常に明るくない、筋の通らない印象を受けるのであります。それであなたにその辺のことを聞かざるを得ないのです。
  109. 立川正三

    立川参考人 お聞きの点が私にはわかりませんが、私が事実に反したことを言うておるように聞えた点は訂正してもらいたいと思います。私は決して事実と違うようなことを言うておらぬわけであります。
  110. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからばいつ受けたのです。
  111. 立川正三

    立川参考人 口頭で受けたのは、今申したように勝間を経て受けました。
  112. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは日比野さんに伺いますが、あなたの方は、立川に向って、そういう内容のことを、だれにどこで口頭で指示なさったのでございますか。
  113. 日比野健児

    ○日比野参考人 まず無為替輸入許可証に特別条件といたしまして「本貨物は、通関完了後の売渡方法および価額等については別途通産大臣の指示するところに従う事」こういう条件をまず言っておるわけです。これで物が動いていくわけですが、具体的の内容は、私の課へ勝間という人を呼びまして、内部決済の結果に基きましてこういうことにしますぞということを指示したことを覚えています。
  114. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その勝間という人は一体どういう資格の人です。
  115. 日比野健児

    ○日比野参考人 私は当時、立川研究所の総務部長格の方ではないかと思って話を聞いておりました。今聞きますと嘱託ということでございますが、事実所長が申し上げますように、その人が事務的な折衝に私どもに参っておりました。
  116. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 けれども、かりにもやっぱり貿易に関して三億六千万円の価格を内容とし、重要な国民の食糧である砂糖一万トンというものを、嘱託であるか、総務部長であるか、理事長の代理人であるか、第三者であるかということを明確にしないで、大切な政府の意思を伝達するということはちょっと想像されない。その辺は、私どもの調べたところによれば、りっぱな所員らしい。ところが今聞けば所員ではない、月給もやってない、嘱託だとおっしゃっているが、月給ももらわず人の嘱託をするひまな人もあるかもしれぬけれども、実にその辺があいまいなのです。もっと私は貿易の管理というものは、政府は一々正確に、確実に、かついろいろな問題点はよく明らかにして処置をしていかれるべき筋ではないかと実は思うのであります。ところがどうもこの辺につきましては、明らかでない印象を受けるのであります。資格もわからぬような者に、そんな大事なことを指示するというようなことは、政府としては少しどうかしておると思うのです。
  117. 日比野健児

    ○日比野参考人 資格を調べないというお話でございますが、実は勝間さんと所長とは二、三回役所に一緒に見えまして、お話を一緒に聞いておりますので、私としては勝間さんを信頼しておったわけでございます。
  118. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方では、これは少し枝葉のことでありますから、しいてそんなことも聞く必要もないかのようでありますけれども、やはり民間人が、政府の許可を受けたり、免許を受けたりあるいは承認についての各般の指示をするようなときには、その人がどういう資格の人であるかということは、これはあなたの方では後日の参考に記張でもするというような処置はなさっておらないのでございますか。
  119. 日比野健児

    ○日比野参考人 当時はそういうことをやっておりませんです。
  120. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから一つ聞きたいのだが、最終的に輸入承認証の承認番号によりますと、その内訳といたしまして、四口になる。一つはCの〇二七一、同〇二七二、三、四となって、四口で合計一万一千三百トンとなっておる。ところが政府提出の資料によりますと、商社へのそれぞれの割当の実績の合計が九千八百二十二トンとなっており、及び税関の方で検定した数字も大体九千八百二十二トン余になっておるのでありますが、この食い違いはどういうことになるのでございますか。
  121. 日比野健児

    ○日比野参考人 当初の許可に基く許可証が四つに分割されて、トータルは一万一千三百トンになると思いますが、この四つに分けましたのは、実務上の便宜でございまして、立川研究所の方で、輸入代行商社を当初四社選定したいということで、四社選定されましたので、それに基きまして、実務上の便宜から四つに分割しただけでございます。別に特別な意味があるわけではございません。それから最終的に一万一千三百トンが九千八百何トンということになっておるのはどういうわけかということでございますが、経過におきまして、これは当初に東方貿易行がガルバン・ロボという外商と契約したときの単価に基きますと、一万一千三百トンになるわけでございます。それから最終的に今、立川の無為替輸入許可が切れてから持ってきた砂糖については、私ども単価その他につきましては当時は詳細に承知しておりませんが、そのときの単価が上りまして、総金額は百万ドルであっても、単価が上ったために輸入数量は減った、こういうふうに考えております。
  122. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 立川が百万ドルで特許権を得るということを契約しておるのでありますが、一体この百万ドルの特許権というのは、政府としては日本特許庁において特許権を有する特許権である、登録をしておる特許権である、こういうふうな理解、認識に立っておるのかどうか、その点はいかがでございますか。
  123. 日比野健児

    ○日比野参考人 その特許権の問題につきましては、はなはだ恐縮でございますが、私その当時農水産課長でありまして、詳しいことはよくわかりませんし、また権限もありませんので、それぞれの所管のところでそれぞれの問題を詰めよということでありまして、私どもの方といたしましては、先ほど申し上げましたように、砂糖をもし対象にするなら、これが入ったために砂糖行政に混乱を来たすような、また砂糖の過剰利益を生ずるような処分方法では困ります、こういう意見を内部で出したわけでございます。従って特許権の詳しい問題につきましては実は私よくわかりませんので、恐縮ですが、答弁しかねます。
  124. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府といたしましては、立川研究所台湾人に百万ドルで売却する権利が、日本政府で登録した特許権であるかないかは、通産大臣を代行する役所は知らなかった、そういうことになるのですが、大体この契約書によって見ても、契約書の中からは、日本政府によって特許権が登録されてあるものというその根拠は何も出てこないのです。しかしながら、本契約の準拠法は日本国法律によるというように、第六条に準拠法まで書いてあります。しかし日本の政府に特許権が登録されておるかどうか政府は知らない。立川研究所理事長は、たくさんの中で覚えておらぬようなことなんであります。実にあいまいもことしておる。あいまいもことしたものが三億六千万円で台湾人に売られて、代金である砂糖は入ってこず、失効してしまい、あとで入ってきていろいろと問題を起しておる、こういうことなんであります。特許権日本政府にどの番号で、いつ、どういう名義で登録されておるかということも知らないということは、どうもおかしいと思うのです。
  125. 日比野健児

    ○日比野参考人 通産省として全体として知らないというわけじゃないと思いますが、当時それぞれの担当のところで本件につきましては研究したはずでございますので、その結果私が理解しておる範囲で申し上げますと、大体特許権はこっちである。しかしこの特許権そのものを売るんじゃなくて、ノー・ハウという術語を使っておりますが、特許権実施権ですか、特許実施する権利を売るのじゃないかということで、そうなりますと所管が当時大蔵省ということで、役務に関する契約及び決済に関する許可というのを大蔵省の方でとる段取りになった、このように承知しております。
  126. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 所管が大蔵省であるかどうか、また他の部署で研究調査したかどうかは存じませんが、いずれにしても、あなたも当時の農水産課長としまして重要な責任者の一人であるから、特許権の正体は何物である、その実体はどうであるというようなことは、やはりつかんでおおきになるべき筋合いのものであろうと思うのであります。どうもそこが契約書によっても出てこないのです。契約書によると、つまり立川が所有しておる中華民国特許を受ける権利、これを譲り渡す、こういうことなんです。だんだんいろいろ御説明はあるんですよ。台湾で実は特許権をとって、しかる後に譲渡するという実際手続になるのだということが書いてある。契約書にはそんなことは何も書いてないのです。将来の期待権を譲渡するということらしい。なるほど日本特許法にも、特許法の第十三条には「特許ヲ受クルノ権利ハ之ヲ移転スルコトヲ得」こういうような規定も例外的にあります。だからこれは中華民国特許を受くるの権利譲渡する。これに該当するのだと私は思うのであります。そうすると、現実に特許を受けておる権利じゃなくて、将来受けるべき期待権であろうと思うのであります。それならば、これは特許権なんて私は言えないと思う。やはり特許を受ける権利である。特許権といったら、登録をした権利である。特許を受ける権利は将来の権利である。将来の権利でも一種の期待権として譲渡ができるということは法律の趣旨であります。ところが今の立川の代表者の説明では、特許を受けてからしかる後に実際譲渡手続をするとおっしゃるのだけれども、契約書には何もそういうことは書いてない。将来のことを書いある。特許を受ける権利を三億六千万円で売ります。買います。砂糖一万トン入れます。けれども、その品物は渡せませなんだというようなことで、あとで雲散霧消してしまっている。そういうことですから、どうもここらも確実でない。そこであなたの方で日本の政府に登録した特許権立川研究所にあって、幾つもあるが、譲渡対象になったものはこれだ、しかしてこれは三億六千万の価値があるかどうか、一千万円の価値しかないものかどうか、妥当性がなければ無為替輸入許可すべきものでない。これはあなたを責めるべき筋でなく、大蔵省を責めるべきだと思う。三億六千万円に相当する無為替輸入許可するなら、三億六千万円に該当するものを譲渡するという客観性がなければいかぬ。あるかないかわからぬものを許可するからこんな事態が生ずる。台湾糖が来ると思っておったが、待てど暮せど来ない。期間延長しても来ない。また期間延長しても来ない。ついに失効してしまった。そのあとキューバから入ってきた。しかもいろいろと後日問題を起している。こういうことになる。それを、ほかで調べた結果特許権があったと思う、大蔵省の所管でありますというのでは、どうもわれわれとしては納得しにくい。やはり将来受ける権利である、ほんとうはなかったというのであるなら、それも筋が通っていると思うけれども、どうもこの契約書から見てもそれは出てこない。立川の代表者の御説明を聞いてもどうも釈然としない。あなたはよく知らない。ほかは知っているだろうというのでは、なおさらよくわからぬ。こういうことなんですよ。
  127. 日比野健児

    ○日比野参考人 私の当時の考えといたしましては、今記憶にありますのは、日本における特許権はあって、それの実施法と申しますか、技術内容——機械なんかで申しますと、仕様書みたいなものを向うに渡しまして、機械を作る場合、その技術指導といいますか、技術援助といいますか、そういうものの一種だという判断を通産省でしたというふうに記憶しております。
  128. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一点だけ。——今の契約書はやはりごらんになったと思う。契約書は法律上の重要な関係があるのだ。これによって判断するのが第一次的なことで、そのほかのことはつけたりで、推測で、第二次になると思う。契約書にはそんなことは全然出て参りませんから、要するに非常に不確実であったということはいまだ疑いは解けません。  それからもう一つ聞いておきたいのですが、その後、他から砂糖横浜に入港いたしまして、そうして仮陸揚げして、まだ正式な輸入承認はされておらぬ。ずいぶんと長く続いている。この間八カ月も経過しておる。一体この間の倉庫料というのはだれが払ったのですか。そうしてこの倉庫料はいつ、どういう資格で、どういう法律上の根拠でだれのために払ったのか、この点はっきりしてもらいたい。
  129. 日比野健児

    ○日比野参考人 その問題につきましては、前に通産省から御説明がありましたように、立川研究所の無為替輸入許可が切れてしまってから、これは一般にアフロートという言葉を使っていますが、外商が黙ってというか、外割を見越して持ってきた砂糖だ、こういう立場で処理いたしましたので、その後引き取られてだれが幾ら保管料をどういう方法で払ったかということは、私つまびらかにしておりません。すぐ農林省に帰りましたので、私といたしましてその点はっきりしておりません。
  130. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 きょうは政府側はその点について説明できる人はおらぬのですか。
  131. 木村秀弘

    ○木村説明員 ただいまのお尋ねの倉庫料でございますが、これは香港上海銀行東京支店でもって荷為替を割り引いております。おそらくその関係だろうと思いますけれども、委託者が香上になっておりまして、それを株式会社の鈴江組が香上から受け取っておるようであります。その金額は、全体で二千百十九万六千円余りであります。なお、この中には荷役料と申しますか、いわゆる純粋の倉庫料ではなくて、はしけ賃であるとかあるいは運搬の費用であるとか、そういうものが四百十八万円ばかり含まれておりますので、これを差し引きますと、千七百万円ぐらいになると思います。なお、これはその後鈴江組を経まして各下請の倉庫会社に支払われておりますので、この詳細は鈴江組の方にお聞き願います。
  132. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大体よろしいが、いつごろからいつまでの間にこれは払ったのですか。
  133. 木村秀弘

    ○木村説明員 倉庫料は、倉庫に入れましたときが三十年の十一月十八日からでありまして、支払い額は三十一年の六月末までの分として支払われております。それから七、八とまだございますけれども、七月以降の分につきましては輸入業者が負担をするということになっておるようでありますが、これは払われておらないようであります。
  134. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと聞き漏らしましたが、最初はいつ払ったというのですか。
  135. 木村秀弘

    ○木村説明員 最初に三十年の十二月十二日にステヴェ料が支払われております。それからはしけ料が支払われております。
  136. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 金額は幾らですか。
  137. 木村秀弘

    ○木村説明員 金額はちょっと……。内訳は鈴江組の方でないとわかりませんが……。
  138. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういたしますと、香港上海バンクは鈴江組へほぼ一万トンの当該砂糖がいまだ入関手続を受けておらぬ以前の段階におきまして、いわゆる保税小屋にある段階において支払われたものである。こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  139. 木村秀弘

    ○木村説明員 そうであります。
  140. 日比野健児

    ○日比野参考人 私、ちょっと事情を聞いたことがありますので申し上げますが、この一万トンの砂糖のうち一部は以前というか——この一万トンの砂糖は分割して売られたのです。従って一万トンというか九千七百トンのうち四千何がしは……。
  141. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 鈴江以外にも払ったものがあるという意味ですか。
  142. 日比野健児

    ○日比野参考人 そうじゃありません。九千七、八百トン分の砂糖が十一月ごろに入ったわけですね。そのうち五千七百トン程度はオリエンタルというシッパーが、先に三菱商事と木下商店に香港トレーディングとかいうところと関係なしに売っている分があるのでございます。それの支払いの分ではないかと私は思うのですが……。
  143. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 問題が混雑しますから、あなたの方はちょっと待って下さい。さっきの税関部長の御答弁の趣旨をもう少し明らかにしておきます。  そこで香港上海バンクが三十年の十二月十二日から結局千七百万円の倉庫料、その他が四百十八万円、六月ごろまでに支払った。それはまだ入関以前の段階における支払い、結局香港上海というのはこれみずからが銀行のことでありますから、他人の委託を受けてやっていると思いますが、あるいは何らかの委託者に対する義務の履行としてやっているのかと思いますが、これはだれのために支払いをしておるのですか。
  144. 木村秀弘

    ○木村説明員 香港上海銀行はオリエンタル・エキスポーターズのために支払いをしているかと思います。
  145. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 オリエンタル・エキスポーターズというのは内地の居住者なんですか、あるいは非居住者なんですか、どっちなんですか。
  146. 木村秀弘

    ○木村説明員 オリエンタル・エキスポーターズというのは日本に支店がありまして、日本為替管理法でいえば居住者になっております。
  147. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いまだ入関しないこの種の食糧につきまして、買付者もしくは——私の調査によりますとこれの買付はインター・アイランド商会が買付者になっておりますね。香港のインター・アイランド商会というのが買付者であって、銀行に対していろいろと委託した関係のようになっていることになるのじゃないか。従って香港上海バンクとしましては、この種の経費などの立てかえ払いをして、その委託者である買い主インター・アイランド商会に対して返還を求める、そういう債権を取得する、こういう関係がそこで生じておるのではないのですか。
  148. 木村秀弘

    ○木村説明員 インター・アイランド・エキスポータースは実際の荷主かと思います。それでこのインター・アイランド・エキスポータースの日本における代理業務と申しますか、要するに荷主の代理権を行使する会社がオリエンタル・エキスポータースでありまして、これがそのインター・アイランド商会、すなわち荷主のために倉庫料を香港上海銀行を通じて鈴江に支払っておるというのが実相かと思います。
  149. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、オリエンタル・エキスポータースというのはインター・アイランド商会の代理の資格においてなさるのではないかと思いますが、そこにやはり商事関係があって商事的契約関係のもとに他人の事務を代行するのがその営業であるわけです。従ってこれはどこまでも本人はインターアイランド商会ということになるのではないだろうか。しからばその本人のために香上が今お述べになった金額をお支払いになった、こういうことに解するのがこの趣旨を明確にするのではないかと思いまするが、いかがですか。
  150. 木村秀弘

    ○木村説明員 私もお説の通りだと思います。
  151. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そのような場合には為替管理法の二十七条第一項第三号によれば、法条は「この法律の他の規定又は政令で定める場合を除いては、何人も、本邦において左に掲げる行為をしてはならない。」その第三号は「非居住者のためにする居住者に対する支払又は当該支払の受領」これは制限を受けておる。しからばこの場合非居住者というのはインター・アイランド商会である、これを代行するものはオリエンタル・エキスポータースである、そして現実に倉庫料等を支払ったのが香上である。香上は日本に居住するものである。そうするとまさにこの条項の制限事項に該当する行為を香上がしておるようにも解されるのでありまするが、それともほかに規程もしくは政令によって除外例に該当しているかどうか、あるいは私の法律の解釈が誤まっているかどうか、この点はどうなのです。
  152. 木村秀弘

    ○木村説明員 私の所管でございませんので多少あれかと思いますけれども、一応の私だけの見解を申し上げますと、今おっしゃるように確かに形式上は為替管理法違反かと思います。ただこれは見越し輸入の場合にはしばしば起きる事例でございまして、かりに外貨でもってオリエンタルが鈴江に払ったといたしまするならば、荷物の最終的な引き受け商社と申しますか、引き取り商社が外貨でもってオリエンタルに払い込まねばなりませんので、実質的には為替管理法の趣旨に違反しておるとはいえないかとも思いますが、形式的に非居住者のためにする内国支払い手段による支払いでございますから、違反かと思います。
  153. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なぜ私がこれを聞くかといえば、八カ月も十カ月も一万トンの重要な砂糖が仮の陸揚げをして、倉庫を占領して、そうしてそれが将来いつ国内で成規の手続を受けるやわからぬようなことで放置されておる。それに対して税関も手の打ちようがない、こういうようなことでは、これはまさに輸入貿易の秩序を混乱する一つのもとにならざるを得ないと思うのです。私どもは他の委員会におきまして、朝鮮からノリの輸入がずいぶんあって、これで莫大な利益が得られて、どうにもこれに対して手の打ちようがないということについてやったことを聞いております。そしてそんなばかげたことはないという印象を受けておったのでありますが、この問題に直面いたしまして受ける感じがやっぱり同じようなことでありますので、とんでもないことだと思って、実はまことに形式的な議論のようでありますけれども伺ったような次第であって、これが放置されるならば、一万トンであろうと十万トンであろうと、あるいはまたその他砂糖であろうと肥料であろうと、当該の公表されたような品目のものが同じようなことで、日本輸入貿易港の秩序をむちゃくちゃにし、ないしは国内の需給関係に対して大きな悪影響を与えるおそれがあるというような要素を持った問題であるので伺ったような次第であります。  きょうはこの程度にしておきます。
  154. 坂本泰良

    坂本委員長 山本猛夫君。
  155. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 日比野参考人にお尋ねをいたします。本件に関連する無為替輸入許可の場合に整えなければならない書類は、どういうものとどういうものが整わなければ、この許可の対象の書類として完成しないか、それを伺っておきたい。
  156. 日比野健児

    ○日比野参考人 無為替輸入の場合に、どういう書類を整えたらいいかということにつきましては、実は当時所管も違っておりましたので、的確なことを申し上げることはできません。
  157. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは通産省の長橋参事官に伺います。
  158. 長橋尚

    ○長橋説明員 今お尋ねの無為替輸入の際に、どのような添付書類を要するかというお尋ねでございますが、当然無為替輸入の根拠、理由等に関する明細なる書類、それが為替管理を事実上くぐるということでないことを明らかにするための立証書類を要求いたすわけでございます。具体的に実際の場合に要求いたす個々の書類の内容はおのずからケースによって異なって参るというふうに存じます。非常に恐縮でございますが、実際にこの仕事の関係の担当の経験もございませんので、今具体的にこういう場合にこういう書類とこういう書類というようなお答えができませんことを御了承願いたいと思います。
  159. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 日比野参考人にお尋ねします。あなたがこの一万トン輸入に関するライセンスに関係のあった仕事をしておられたんじゃありませんか。つまり農水産課長として関係があったのでしょう。あったからこそきょうは参考人としてここに出向いておられる。それで本件の場合に、どういう書類とどういう書類が添付書類として必要であったかということを知らないということはあり得ない。どういう書類とどういう書類を対象としてあなたは本件の事柄をお運びになったか。あなたがおやりになったことでいいのです。
  160. 日比野健児

    ○日比野参考人 先ほどの御質問は、一般的に無為替輸入の場合にどういう書類があるかという……。
  161. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 本件と言っている。
  162. 日比野健児

    ○日比野参考人 本件につきましてどういう書類と言われましても、実は無為替輸入許可を与えますのは輸入課でございまして、私どもには合議がくるわけでございます。先ほど申しましたように、私の方といたしましては砂糖に関して秩序を乱しては困るという観点から、内部で意見を申し述べたのでありまして、本件が無為替輸入の対象になるかどうかにつきましては積極的な意見を申し述べる権限もありませんし、それはそれぞれの課の研究結果によりましての判断に待つわけであります。
  163. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、あなたのところへこの話は書類なしでいったのですか。
  164. 日比野健児

    ○日比野参考人 私のところへは直接書類を持ってはきておりません。と申しますのは、その書類は輸入課の方に申請がいっておりますから……。
  165. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではあなたがあなたの職責遂行上おやりになったことは、本件に関する限りはすべて口頭ですか。
  166. 日比野健児

    ○日比野参考人 砂糖輸入に関する問題につきましては文書もあります。
  167. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 その文書はどういう文書ですか。
  168. 日比野健児

    ○日比野参考人 砂糖輸入と申し上げましたのはちょっとあれですが、砂糖の売り渡し価格等につきましては私の課で処置したわけでございます。
  169. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 どうもあなたの言うことは納得がつかない。それでは農水産課長というのはどういう仕事をするのですか。
  170. 日比野健児

    ○日比野参考人 普通は計画品目と申しまして、外貨予算で計画的に、たとえて申しますと、主食につきましては何万トン、砂糖については何万トン、それに要する外貨何ドルというように、外貨予算にきまっておりますものを原則として所管する課でございます。ただそのうちの雑割のうちで、ひもつき雑と称しておりますが、そういうものの農水産物につきましては農水産課で外割事務をやるという建前になっておったように記憶いたします。
  171. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは長橋参事官にお尋ねいたしますが、本件の場合無為替輸入許可したところはどこですか。
  172. 長橋尚

    ○長橋説明員 現在は通商局輸入第二課でございます。
  173. 坂本泰良

    坂本委員長 その当時は。
  174. 長橋尚

    ○長橋説明員 これは三月でございますが、その年の七月から輸入第一課と第二課に分れまして、当時は輸入課でございます。輸入課長が輸入承認書に署名いたしまして、当時は書類は輸入課で起案されておりました。
  175. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 長橋参事官に申し上げておきますが、これは重大な国際問題を含んでいる事件なんです。あなたから聞かなくても私はどこでどうしたくらいのことは知っております。これは概要を申し上げておきましょう。台湾政府の判は確かに押されてあるのです。よろしゅうございますか。あとで委員長を通じて原本の提示をお願いいたしますが、台湾政府の財政部の判は明確に押されてある。その書類に基いて大蔵省もあなたの方もこのライセンスを許可している。あなたは直接おやりになったのじゃないからおわかりにならないといたしましても、その台湾政府から出た原本なるものは権威のあるものであったかどうかということをお調べになっておったかどうか、今日はお答えができないでありましょうから、あなたは通産省を代表されてここにおいでになったような格好でありますから、それを即刻お調べいただきたい。同時にまた大蔵省にも、その許可の対象となった台湾政府からやってきたその書類の原本を当委員会に提示するように、委員長にお願いをいたしておきます。これはいかがわしい限りであって、台湾政府部内の大問題でもあり、日本政府は、この台湾から寄せられた原本に対して権威のあるものであるかどうか確かめておらないはずです。もし確かめておったとすれば、その経緯を知りたい。委員長、どうぞその資料を一つ要求していただきたい。
  176. 長橋尚

    ○長橋説明員 今の御要求の台湾政府の原本と申しますのは何の原本でございますか。
  177. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 要するに、台湾政府からこういうものが出ているのです。立川研究所の取り扱うところの特許権実施料に対して、砂糖の現品をもってその実施料の代償に充てる、その数量は一万トンである、よって台湾政府は必ずその実施料の代償である砂糖一万トンを日本政府が許容するならば、責任を負うであろうという原本が来ております。それは大蔵省にも来ている。それに基いて通産省はこのライセンスを許可したはずでありますから、その原本の提示を願いたいというのが趣旨であります。いつお出し下さいますか。
  178. 小島要太郎

    ○小島説明員 ただいまの点につきましてちょっとお断わり申し上げたいのでございます。私もとよりその当時担当した者でもございませんが、今お話のございました原本の提出につきましては、その原本の所在の事実に関しましても実は私この席上では何も存じません。従いまして帰りまして調べました上で御回答申し上げることにいたしたいと存じます。
  179. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 委員長に申し上げておきますが、この台湾政府から発せられました書類というものは、台湾政府部内における疑獄事件に類するものに進展する可能性があると思うほど、言いかえますと権威のない文書である。その文書日本政府は、ダイヤモンドであるのかガラスであるのかということを明確に確かめないうちにこのライセンスを与えたのである、こういうのでありますから、委員長の職権をもって必ずその原本をお取り寄せになるようにお願いいたしたい。
  180. 坂本泰良

    坂本委員長 関連して通産省にお伺いしますが、資料の申請に対して、その書類が添付書類としてついておるはずだと思うのです。その点いかがですか。
  181. 長橋尚

    ○長橋説明員 現在まで調べましたところではそういったものはついておりません。
  182. 坂本泰良

    坂本委員長 日比野参考人委員長からお聞きしますが、本件の一万トンの場合に、あなたはそういうような書類をよく精査されたかどうか、その点をお聞きしたい。
  183. 日比野健児

    ○日比野参考人 今のような書類は、少くとも私農水産課長時代に見たことは記憶にありません。
  184. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 議事進行……。山本委員の御発言は、事外国の政府の名前が出、外国の政府から出た文書の信憑性が疑わしいという趣旨も述べられておりますので、これは非常に重大な御発言でありますから、これは直ちに大蔵大臣、通産大臣に向って、少くとも無為替輸入に関与した行政府の首長に向って、委員長の名で、そのような文書がこの前後に送付せられた事実があるのかないのか。ないとすれば一つそれも明らかにしてもらいたいし、あるとすれば直ちに出してもらわなければいけません。所在が明らかでないとするならば、直ちに捜査してもらわなければなりません。これは非常に大事なことでありますから、やはり委員長名で両大臣に向って、即刻そのような手続きに及んでいただきたいということを要請いたします。
  185. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 時間がありませんし、小川委員の御質問も残っておるそうでありますから、それではこの問題はその程度にとどめます。
  186. 坂本泰良

    坂本委員長 ちょっと委員長からお答えしておきます。ただいま吉田委員の御要望は、本日休憩になりましたら直ちにその手続きをとりたいと思います。
  187. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではこれに関連して立川参考人にお尋ねいたします。あなたがこの特許権実施料、実施権に対するかくのごとき膨大な代償をおとりになろうというのでありますから、これは非常に権威のあるものであるということは推測に値いする。そこでその特許はどういうような特許であったのか、お聞かせていただきたい。
  188. 立川正三

    立川参考人 かいつまんで申しますと、その特許内容は人造繊維の繊維素の製造法でありまして、現在までの方法と特に違う点を申し上げたらわかると思うのですが、特に違うのは、従来までの人造繊維の繊維素は全部構成分子が小さかった。それを巨大分子を使うということに重点を置いた研究でありまして、その着想は別に私の方の独特のものでないのですけれども、その製造法は非常に困難なために、欧州列国、先進国もこれを実行できなかった、それを操作法として完成したのがこの特許であります。従ってアメリカ、西ヨーロッパの化繊工業の先進国が主としてわれわれの特許を採択しつつあるわけであります。
  189. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 その特許権日本の国だけで得られた特許であるか、あるいはまたその他の諸外国でもその特許を得られておるか。
  190. 立川正三

    立川参考人 それは日本でもちろん特許をとっておりますが、同様なものを世界十四カ国にわたってとっております。
  191. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 しからば日本で得られた特許番号は……。
  192. 立川正三

    立川参考人 先ほど申し上げたように特許番号が今申し上げられないのです。
  193. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは立川研究所の何か。どういう立場におる人か。
  194. 立川正三

    立川参考人 理事長であります。
  195. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 立川研究所のだれがそういう特許を考えられたのか。
  196. 立川正三

    立川参考人 私が指導して考えたのであります。
  197. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは立川研究所の代表者であって、本件特許権に関する研究はあなたが主としてやられたとするならば、その特許番号がおわかりにならないというのはどういうわけですか。
  198. 立川正三

    立川参考人 現在記憶しておらぬだけで、絶えずその各番号なんて記憶しておることはできぬから、控えておるのでありますから、その控えを調べたらすぐわかります。
  199. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 十円や十五円の駄菓子と違います。砂糖一万トンといえば膨大な金額であります。しかもあなたは特許権を売ったのではない、特許権実施権を委譲するために、その代償として砂糖一万トンを要求した。かくほど権威のある特許権であるならば、その番号くらいお覚えになっておられることが当然である。そこにあなたに対する疑惑が当委員会で起ってくるのです。しかし御記憶がないということでございますから、委員長、その特許番号文書をもって当委員会に提示をされるようにお願いをいたしておきます。
  200. 坂本泰良

    坂本委員長 立川参考人、ただいまの点はわかりましたか。
  201. 立川正三

    立川参考人 承知いたしました。本日中にお知らせいたします。
  202. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そこであなたのこの研究は、あなた御自身がおっしゃっておられるように、特許権実施料の代償とする価格からいっても、これは非常に権威のある、すばらしい特許権であるのに相違ないはずであります。ところが聞くところによりますと、台湾の繊維工場ではこの特許権実施する用意が生産設備においてない、こういっております。あなたはどういう方法台湾の繊維の生産機構をお調べになってお売りになろうとしたのか。
  203. 立川正三

    立川参考人 それは私が直接企業の指導をやるわけでないので、われわれは技術を指導するだけでありますから、先方東方貿易行が責任を持ってその企画の建設をやるならば、これに協力するということでありますので、先方に現在まで設備がなくても新設するものだと考えておりました。
  204. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは無手勝流で、にぎりこぶしでやるのと違って、生産態勢が、つまり受け入れ態勢ができていなければ、あなたの権威ある特許権実施権を形の上でやっていくということは、これはできないはずであります。私の調査したところによると、あなたの特許権は非常に権威に富むものであって、その当時の台湾生産機構をもってしては、それを受け入れる用意はなかった、こう私の調査機関は結論を出しております。しからば日本のどこの繊維工場にあなたの特許権が現在採用されて実施されておるか。その工場名を聞かせていただきたい。
  205. 立川正三

    立川参考人 私の特許は、どういうわけかよくわからぬのですけれども、西ヨーロッパの方に先に受け入れられて、現在まで日本では実施がおくれておるのであります。けれども実施契約をしたところは一カ所あります。けれども実際の生産はいまだしであります。なぜ日本でそうおくれたかという理由はわかりません。
  206. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 どうもお尋ねをすればお尋ねをするほど不可解になって参るのでありますが、日本は繊維生産機構の上では、そう世界の先進国に劣っているものではないと思う。ことに台湾の繊維関係生産機構と比べて、日本のものがはるかにそれをしのいでおりますことは、あなた御自身もお認めになっておるはずであります。それなのに台湾にすら売るのだ、諸外国にすら売っておるのだというものが、日本の国内で実施されていないということは、これは不可思議千万だと私は思う。あなたは今どこかの工場にその採用方を交渉したというような印象をお与えになりましたが、その工場はどこでございますか。
  207. 立川正三

    立川参考人 それは東洋紡績であります。
  208. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは台湾へ交渉されるに御自身で交渉されましたか。
  209. 立川正三

    立川参考人 今申した勝間敏夫からその話を持ち込んでこられて、そして勝間敏夫を経て交渉に当らしたわけです。
  210. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 その場合に、台湾の国民政府から覚書をその方がお持ち帰りになったことをあなたは御記憶ですか。
  211. 立川正三

    立川参考人 先方東方貿易行が台湾政府許可証といいますか、そういうものを受け取って持ち帰ったことは知っております。
  212. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それは権威ある国民政府の公式文書とあなたは解釈せられますか。
  213. 立川正三

    立川参考人 私は、そういうものは権威あるものと考えておったのであります。
  214. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 重ねて日比野参考人にお尋ねをいたしますが、あなたはいずれにいたしましても、本件砂糖一万トンの輸入関係をなすったわけでございましょうけれども、そういうような参考資料等に対しては、あなたは考えてみようとはなさらなかったものでございますか。
  215. 日比野健児

    ○日比野参考人 決算書につきまして一応は見ましたけれども、それにつきまして、突き詰めた検討はいたさなかったわけであります。
  216. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは時間もございませんから、この程度にしておきまして、それでは委員長、重ねてお願いしておきますが、これは私が台湾政府へ直接行って調べて参ったわけではございません。しかし私の情報をゆだねました諸般の調査をしてくれた方面の話によりますると、これは台湾へ行って帰って参りました者をも含めて、諸般の情報を取り集めた結果、この台湾政府から発せられた文書というものは、権威のないものであるかに判定される、こういうのでありますから、これは日本政府に必ず提示されておるものと存じますので、重ねて委員長は、委員長の職権をもってそれを取り寄せられたい。それから本日の参考人はあいまいもことして、当委員会の希望するような要請に答えることをなしません。よって私は、まだお尋ねしたい向きがございますが、本日は時間の関等係で取りやめますし、さらにまた証人としてお呼び願わなければならない問題が多々ございます。追って委員長は、直ちに本委員会の散会後あるいは休憩のときに理事会を御招集願って、立川参考人、日比野参考人をあらためて証人として喚問されるようにお願いをいたしたい。以上で私は、一応打ち切っておきます。
  217. 坂本泰良

    坂本委員長 そこで山本委員にちょっと……。今御要望の文書は、これは重大なものであるから、要求したいと思いますが、大体の年月日文書の名前、それは今おわかりじゃありませんか。
  218. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あとにして下さい。——それから日比野参考人に、さいぜん吉田委員がお尋ねになっておりました中で、あなたは、この砂糖の価格抑制のために特に考慮をされたとおっしゃっておられます。それでその価格は百十ドルとおっしゃっておられますが、それを再確認していただきたい。
  219. 坂本泰良

    坂本委員長 その前に、委員長からお願いしました文書の大体の名前とそれから年月日を速記録に残しておきたいのですが……。
  220. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それはあとにして下さい。実は今持っていませんから……。
  221. 日比野健児

    ○日比野参考人 メーカーに売り渡す価格は、百十ドルと指示しております。
  222. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは御承知通り、これを輸入された当時の国際相場というものは、九十ドルから最高百ドルなんです。よろしゅうございますか。私の記憶が間違っていなければ、九十何ドル、九十五ドルまで行っていたかいないか。国際相場を上回るようなことをあなたが指示をされている。それはどういうわけですか。
  223. 日比野健児

    ○日比野参考人 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、当初問題が起きましたときに、台湾糖という話がありまして、従って台湾糖の分を一万トン控えて下期に発表しまして、その分がこの見返りになる、こういう経緯がありまして、当時台湾糖は百十五ドルできまったと記憶しております。従ってキューバから買えば九十五、六ドルだったと思いますが、その分を勘案しまして百十ドルという売り渡し価格をきめた、このように承知しております。
  224. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではそれ以内に取引されたとあなたはお思いになりますか。
  225. 日比野健児

    ○日比野参考人 御質問の趣旨がよくわかりませんので、もう一度お願いしたいと思います。
  226. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 要するに、あなたは百十ドルと頭を押えたのでしょう。百十ドル以上に取引をしてはならないというふうにあなたは抑制をされた。そういうことを条件でこれを許可したのだとかなんとかいうような意味合いのことを吉田委員におっしゃっておられましたね。それ以上に売れていないとお思いになりますか。
  227. 日比野健児

    ○日比野参考人 当時は、台湾糖の価格とキューバ糖の価格をにらみ合せて、立川研究所の方にも過当な利益が行ってはいかぬ、そうかといって反面また精糖会社の方へ不当な利益が行ってはいけないというような点を勘案しまして、内部で相談の結果、百十ドルときめた、このように承知しております。
  228. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 いや、そんなことをお尋ねしているのではない。あなたは吉田委員にそういうふうにお答えになった。だからそれ以上に売られていなかったか、それ以下に売られていたかということをお尋ねしている。そういうことを知っているか、知っていないか。
  229. 日比野健児

    ○日比野参考人 最終的に引き取られた価格が幾らか、こういうことでございますか。最終的に引き取られた価格が幾らかということは、当時私つまびらかにしておりません。最近になって、委員会で問題になりまして、二、三聞きまして大体のことがわかった、そういうことであります。
  230. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 最終を御存じなければ、これを取引したときの売買契約価格を御承知ですか。
  231. 日比野健児

    ○日比野参考人 売買契約価格またシッパーが幾らでつかんできたかというようなことは、全然当時承知しておりません、最終的には。
  232. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 いや、最終的ということを伺っているのじゃないのです。最終に取り行われた価格を伺っているのではありません。当初行われた契約価格を伺っている。それをあなたは知っているかというのです。知らなければ教えてあげます。
  233. 日比野健児

    ○日比野参考人 当初につきましては、私の方で指示した基礎がありますので申し上げますと、CIF価格が八十八ドル五十、ただしこの中には糖度割増二ドルを含む、こういうことだと承知しております。
  234. 坂本泰良

    坂本委員長 ちょっと委員長から聞きますが、あなたはさっき差益四千七百五十九万というようなことをおっしゃったから、やはり知らぬでは済まぬと思うんですがね。だから知っているのなら率直に御発言になったらいかがですか。それを知らなければ、差益が幾らあるなどという計算はできないと思うんです。
  235. 日比野健児

    ○日比野参考人 私が申し上げましたのは、立川研究所契約が、第一回目の相手が、立川研究所と申しますか東方貿易行と申しますか、東方貿易行と申し上げた方が的確だと思いますが、東方貿易行が砂糖のシッパーと契約している契約、また相手が、一回、二回と変っておるわけであります。一回目につきましては、ただいま申し上げた通りでございます。二回目につきましては、またさらにこれより高くなっております。それでその段階におきまして、無為替許可が切れたわけでございます。それ以後におきましては、先ほど申し上げましたように、アフロートの砂糖、見込み輸入砂糖ということで、通産省といたしましては、当時の価格については全然承知しておりません、こういう御説明を申し上げたわけです。
  236. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたは何かごまかそうとしているんだが、まあいいでしょう。これは教えてあげます。当初の販売価格が、あなたのせっかくの心づくしを裏切って、百二十一・八ドルというべらぼうな高値で、販売契約ができておるのですよ。きょうはこれを問題にしようと思いませんし、あと小川君の御質問があるそうでありますから、私はきょうはこれでけっこうです。
  237. 坂本泰良

    坂本委員長 小川豊明君。
  238. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私お尋ねしようとすると、相当時間がかかります。そこで今寸断したような質問をしても仕方がないので、午前中の質問を……。
  239. 坂本泰良

    坂本委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  240. 坂本泰良

    坂本委員長 速記を始めて下さい。
  241. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 立川さんにお尋ねいたしますが、特許というよりも、特許実施する権利ですか、これは、あなたの方には砂糖は来なかったのだから、あなたの方では向うに渡さなかったと思いますが、渡しましたか。
  242. 立川正三

    立川参考人 ちょっと声が小さくて、もう一度……。
  243. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 この特許実施する権利を、台湾の方へ売るわけですね。それはお渡しになったかならなかったか。
  244. 立川正三

    立川参考人 先ほど申したように、渡しておりません。
  245. 坂本泰良

    坂本委員長 山田長司君。
  246. 山田長司

    ○山田委員 立川参考人に伺いたいのですが、東京の出張所の勝間敏夫さんは、無給で東京の出張所の責任者のような形でおったわけですが、無給で出張所の責任者になるというだけでは、先ほど伺ったあなたの法人の仕組みから言っても、どうも理解ができないのですが、何がこの人の生活の根拠になっておるのか、何かおわかりですか。
  247. 立川正三

    立川参考人 私どもの方の東京出張所の責任者じゃないのです。責任者は、各理事が交代で京都から来、また交代してやっておる。常時おる者は事務員が一人おるだけです。そのほかに勝間敏夫がときどき来るのであって、勝間敏夫はルーティン・ビジネスはやっておらないわけであります。
  248. 山田長司

    ○山田委員 それでは、その人は一月何回事務所に顔を出すのか。どういうことを嘱託のような形で委嘱されておるのか。
  249. 立川正三

    立川参考人 これも先ほど申し上げたように、委任状を出しまして、その委任状の範囲の行動を嘱託しておる。従って、その委任外のことは頼みもしないし、やってもおりません。そして先ほどの御質問ですが、彼がいかなる収入で食べておるかは私知らぬのですが、多分兄弟で商売をしておることが主になっておると思います。
  250. 山田長司

    ○山田委員 何か立川さん、お話しをされることをちゅうちょされておるのではないかというふうなことを感ずるのですが、先ほど日比野参考人は、あなたと勝間さんと一緒に通産省へお見えになったというようなことを言われておるのですが、ただ委任をされておるというだけで、東京出張所の事務の人と何かお歩きになる、そうばかりは理解できないのです。やはり勝間さんはあなたの方の重要な仕事をされておると思われるんですよ。その点、もう少し詳しくお話し願いたいのです。
  251. 立川正三

    立川参考人 通産省その他に行ったことは事実であります。けれども、これらの行った、彼と行動をともにした仕事は、すべて台湾特許砂糖の問題だけでございます。その他の仕事については、彼はわれわれと一緒に歩いたこともないし、頼んだこともない。彼が私の方に出入りしておるのは、この仕事の面だけのことで、必要とあれば書類を持ってきたり、行ったり、その結果を私に報告したり、聞いたりしておるわけで、それだけの仕事であります。
  252. 山田長司

    ○山田委員 そうすると、勝間さんが台湾政府と折衝されるまでの経緯については、あなたもバック・アップされておったわけですけれども、勝間さんが向うと契約を結ぶ段階になったと思うのですが、その契約書のようなものは、今お持ちになっておるのですか。
  253. 立川正三

    立川参考人 はあ、持っております。これは契約本書ではなく、写しですが、持って参りました。
  254. 山田長司

    ○山田委員 急にその書類を見るというわけにもちょっといかぬのですが、そうしますと、この百万米ドルの差益が出ると思うのですが、この差益についてもその契約書の中に書いてあるのでしょうか。
  255. 立川正三

    立川参考人 これはお読みになったら非常に簡単ですけれども、契約書には、百万米ドルだけの授受を限度としております。砂糖が幾らに売れてもこれは関係ないのであって、われわれが特許対価として受け取るべきものは限定をしておる。契約書にもその限定がしてある。
  256. 山田長司

    ○山田委員 次に税関当局に伺いたいのですが、一体この相当数量の、一万トンからの砂糖が倉庫の中に入れられておって、しかも八カ月も入れられておるということは、法規上からいってもどうも理解ができないのです。どうしてこんな八カ月もの長い間入れておくことについて注意をしなかったか、またそれはどんな事情でこう長く延期さしておったものか、この間のいきさつを……。
  257. 木村秀弘

    ○木村説明員 確かにおっしゃる通り、こういうものが八カ月間も上屋に眠っておるということは異例でございます。普通の品物でございますと、上屋でございますから、十五日過ぎますと、税関が収用手続をとりまして——もちろんこれははっきり十五日じゃございません。その当時の上屋の状況、非常に荷繰りが忙がしいとか、あるいは割合閑散であるとかというようなことも関係しますが、規定上は、十五日過ぎますと税関で収用いたしまして、それから四カ月たって競売することができるという関税法の規定になっております。ところがこの貨物につきましては輸入のライセンスがなければ引き取りを認められないのでありまして、これを勝手に収用、公売いたしますと、荷主がライセンスなしで輸入したと同じような利得を得ますので、こういうライセンスのないものにつきましてはライセンスがおりるまでいつまでもそこに置いておくか、あるいは積み戻しをするまで待つかということになっております。
  258. 山田長司

    ○山田委員 当時ブラジル糖の問題等があって、全国砂糖元売商業協同組合連合会などが外貨の割当を欲して、これが相当大蔵当局に折衝がなされておったと思うのです。そういうときに、しかも国内の砂糖の状態などから勘案しても、当然いかなる処置かを講じなければならぬ状態にあったのではないかと思われるときに、八カ月置いたということの理解がされないわけなんです。これは一つ通産省当局からも御答弁願いたいと思いますが、そのことについてただばく然と税関当局もそれを八カ月の間ほっておいたということが理解できないのです。異例であったということを言われているけれども、法規を無視して八カ月置かれているというところにどうも理解ができない点があるわけなんです。その点通産当局及び税関の両方から御答弁願いたいと思います。
  259. 木村秀弘

    ○木村説明員 これは法規上適法であったかどうかという点が第一点かと思いますが、法規上は先ほど申し上げましたように、あまり長期間貨物を蔵置することによって、上屋の効率を下げるとか、いうようなおそれがある場合には収用、公売ができるということでありまして、八カ月間置いたということは適法の処置であったと思います。  それからもう一つ、国内の砂糖の需給状況から見て果してそういうことが適当であったかどうかという問題だと思いますけれども、税関といたしましては、こういう見越し輸入貨物につきましては外国為替管理法に没収の規定がございませんので、従って無為替輸入の承認かあるいは有為替の割当かどちらかがない以上は、上屋搬入は認めるけれども、国内への引き取りは認めないということになっております。
  260. 長橋尚

    ○長橋説明員 荷物が入って参りました当時は立川研究所に対する無為替輸入許可期限も切れておりまして、通産省といたしましてはこういったものがあるといたしましても、それは間々砂糖について行われております外商の見越し輸入分というふうな問題でありまして、農林省と打ち合せて作っております粗糖の輸入計画のワク内で外貨の割当を受けたものが、そういった品物に目をつけて、話がつきまして引き取るならともかくといたしまして、そのための特別な外貨予算の面の手当、あるいは外貨割当面の手当というふうなことをすべき筋合いのものとは考えておりませんでした。  それからブラジル糖の問題で御指摘がございましたが、これは先方の玉の関係で入着がおくれるということがございましたけれども、全然入らないというふうなことはございませんでしたし、当時の需給情勢において特に予算の追加をするような問題はなかったと承知いたしております。
  261. 山田長司

    ○山田委員 税関当局は適法の措置だったと言われるが、もしみんな見越し輸入で次々に品物がこれからも入ってくるというような場合に、やはりこういう異例の措置を税関当局は許すのですか。
  262. 木村秀弘

    ○木村説明員 これは許すというよりもむしろそうせざるを得ないのであります。
  263. 坂本泰良

    坂本委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  264. 坂本泰良

    坂本委員長 速記を始めて下さい。
  265. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 休憩に入る前に一点だけ確かめておきたいと思います。ちょっと立川さんに伺っておきますが、山本委員がさっき発言しておられた台湾の政府の発行した文書日本政府に来ておるという点につきまして、あなたの方の嘱託の藤岡芳蔵君、この人が台湾に行ってその文書を受け取ってきて政府に渡した、こういう順序、次第になるわけでありますか。
  266. 立川正三

    立川参考人 藤岡氏が台湾へ行ってとってきたという事実は知りません。
  267. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 知らない。
  268. 立川正三

    立川参考人 はい。これは私の想像ですが、おそらく台湾へ行ったことはないと思います。
  269. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういうこともない。
  270. 立川正三

    立川参考人 はい。
  271. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、藤岡君がこの契約に関して台湾へ旅行したことはないということですか。
  272. 立川正三

    立川参考人 ないと思います。
  273. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから台湾から、台湾政府の発行した今山本委員発言のような文書を携帯して帰って、それを政府に渡した、そういうこともないというのですか。あなたに見せたこともない、こういうことに聞いたらいいですか。ちょっとそこをはっきりしてもらいたいと思います。
  274. 立川正三

    立川参考人 私がさっき申し上げたのは、台湾政府許可したという文書であって、今吉田委員が仰せられたような、台湾政府から日本政府に出したというものは見たことはないです。聞いたこともないです。
  275. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしたら台湾政府許可をした文書、それはあなたのいわゆる特許を受ける権利、その技術実施ですか、それを許可した、そういう内容の趣旨の文書、こういう意味なんですか。
  276. 立川正三

    立川参考人 私の特許実施する権利、その権利許可したのではないのです。ただそういうものを東京貿易行が買ってよろしいという意味であって……。
  277. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、しばしば出る立川研究所東方貿易行間の契約書に記載せられたそのいわゆる権利東方貿易行が立川から買ってよろしいという趣旨の台湾政府文書であった、こういうことなんですか。
  278. 立川正三

    立川参考人 そうなんです。
  279. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その台湾政府文書をあなたは見たのですか。見たならばいつ、どういう趣旨でありましたか、もう一ぺん述べておいていただきたい。
  280. 立川正三

    立川参考人 それは勝間敏夫から聞きました。東方貿易行が許可を受けてやった、こういうことを聞きました。
  281. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 勝間君はどんな人か知りませんけれども、あなたも工学博士であって、そうして三億六千万円の代価で売る、この権利を買うことを台湾政府が許すという趣旨の文書を発行して、それを藤岡が持って帰ったならば、あなたはそれを見ないでおるということは、いかにも無責任のように思う。やっぱりあなたそれならほんとうは見たんじゃないですか。その点をはっきりしないから聞いておるのです。その文書というのは一体どういうふうになっておるか。
  282. 立川正三

    立川参考人 この件に関しては、現在私の方に保留している書類はこれで全部でございまして、その他の書類は勝間敏夫に保管を依頼したまま解消したわけでございます。解消後だからその書類は要らぬものと思って、その後は取り上げずにおいたわけであります。
  283. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、委員長からお確かめ願っておいた方がいいと思うのですが、今の立川参考人のお述べになった文書と、それから山本委員のお述べになった文書とは同じものなのか、違うものなのか、その辺によって今後の扱い方が異ならざるを得なくなるのですが、それはどういうことになっておりますか。
  284. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 関連。立川参考人にお尋ねいたします。あなたはさいぜん本員のお尋ねを申し上げたことに対して、あなた御自身では台湾へは行かなかった、しかし代理者を台湾に差しつかわせた——記録が残っておりますから、あなたのおっしゃったことは、今あなたが訂正されるなら別だが、否定はおできにならない。よろしゅうございますか。あなたは、その代理人が台湾政府の権威ある文書を持ってきたことを記憶していると御発言になって、ここに記録されてあるわけです。それとただいまあなたが吉田委員にお答えになったこととは食い違いがあると思われますが、どっちがほんとうでございますか。
  285. 立川正三

    立川参考人 どちらも私の言うたことはほんとうなんです。もう一度繰り返して言いますけれども、勝間に委嘱したところの範囲で、勝間からいろいろな中国人といったようなものを代理させてやった場合があるかもしれません。私の記憶では、勝間が直接あちらに行ったことはないと思います。勝間が行ったと申し上げたかもしれませんけれども、それは勝間がだれか東京に来ている向うの代理者をして行かせていたのではないかと思います。
  286. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは他の委員からもしばしば申し上げてございますように、あなたは権威ある学者であって、同時にあなたの特許権は、その代償となる数字からいっても確かに権威あるものであることは間違いないことである。といたしますならば、台湾政府のそれを許可する機構がどうなっているのかくらいのことは、あなたは当然お調べになっておらなければならない。いいかげんなことで、あなたの権威ある特許実施権を向うへ譲渡するということはあり得ないことであります。従って当委員会であなたに対するお尋ねを続けておるのでありまして、それが解明されません限り、本件というものは、国民の疑惑は続くのであります。今台湾の政府は、日本の戦時体制当時と同じように貿易の許可は一本でございます。従って向うの商社が得手勝手に台湾政府の許諾なくしてあなたの特許権に関する実施権を受け入れようということもできませんければ、またその代償として砂糖一万トンを日本に出すということもでき得ないことです。重ねて申し上げますが、現在の台湾政府の貿易計画というものは、戦時体制下にあって一本でございます。それを十分にお調べの上でおやりになったのじやございませんか。
  287. 立川正三

    立川参考人 私の方は、台湾を初め他の日本以外の国に特許を売るときは、買うものが責任をもって政府との間の折衝に当って許可も得て、そうしてあくまでもわれわれはその買い手と折衝するというふうにしております。現に、ヨーロッパの方はみなそれであって、台湾も同様に思っておったわけです。従って御質問のような台湾政府は果してそれがどうなっておるかということまで私は追及せずに契約したわけであります。
  288. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ちょっと一応聞いてみたいのですが、この立川さんの砂糖と引きかえに特許を譲るというその売り渡しの交渉というものは、あなたの方の着想であったのですか。それともこういうふうにした方がよいというどなたかの指示があっておやりになったのですか。
  289. 立川正三

    立川参考人 ちょっとわかりにくいところがあったのですが、売ったことに関してですか。
  290. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 この特許実施権をあなたが台湾の方に渡す、それについては向うの外貨事情が悪く米ドルでは困るから、砂糖を一万トン輸入する権利をあなたの方に与えたわけです。そういうことをあなたの方で考えて通産省の方に行かれたのか、あるいはどなたかから指示があってそれをなされたのか。
  291. 立川正三

    立川参考人 これはあくまでも外貨をもって支払うことを主張したのです。けれども向うの買手の方でどうしても事情が悪いから砂糖にしてくれと言ってきたので、砂糖でできることならやってもよい、従って日本政府許可を受けなければならないからそれからにしてくれということで、いずれにしても百万米ドルの支払いだけにとどめることにしたわけであります。
  292. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 いま一点お伺いしておきたいのは、あなたの方は十月二十三日に打ち切られているのですが、あなたの方にそういう割当輸入をしてもよいという許可はもっとずっと前にあって、そうしてあなたの方に一万トンの砂糖がくるということで、精糖界のそれぞれの人たちがあなたのところを訪問したということを聞いているが、あなたはお会いになったことがあるか。そのお会いになった中で、岡部という人と松平という人があなたにお会いになったことがありますか。
  293. 立川正三

    立川参考人 岡部という人はどこの商社の方ですか。
  294. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは商社ではないと思います。この一万トンをめぐって非常に重要な役割を果した人であるということは承知しております。商社であるかどうかは私は存じません。いずれにしても、この岡部、松平という方、その他の精糖界の方々があなたの立川研究所に行かれたかどうか。あなたは数回お会いになっていると思われるのですが、その点はどうですか。
  295. 立川正三

    立川参考人 私は会ったことはないと記憶しております。岡部、松平という人も知りません。
  296. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、こういう場合にこの割当を受けた砂糖の処理、処分等については、あなたが主としておやりになったのではなくて、やはり勝間という人がやったのですか。
  297. 立川正三

    立川参考人 そうです。
  298. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうするとそれは勝間という人がやったので、あなたがやったのではないのですね。
  299. 立川正三

    立川参考人 そういうことでございます。
  300. 坂本泰良

    坂本委員長 暫時休憩いたしまして、午後二時から再開いたします。     午後一時三十九分休憩      ————◇—————     午後二時四十二分開議
  301. 坂本泰良

    坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午後は柴谷参考人、中島参考人より事情を聴取することといたします。参考人各位には御多用中のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。  それではこれより質疑応答の形で実情を聴取いたしますが、立川参考人、日比野参考人も午前中に引き続き残ってもらっておりますので、あわせて質疑を許します。発言の申し出がありますので、順次これを許します。小川豊明君。
  302. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 参考人の方々にお尋ねする前に、当時通産省の農水産課長であった日比野さんにちょっとお尋ねしておきたいことがあるのですが、無為替輸入立川に割り当てたという、この記録、そういう書類、そういうものは通産省にちゃんと保存してありますか。
  303. 日比野健児

    ○日比野参考人 保存してあると思います。
  304. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 おありでしたら、それをあとで見せていただきたいのですが、そこでこの一万トンの砂糖が入ってきた経路なのですが、先ほど立川さんにお聞きしたのですが、もう一ぺん日比野さんにお尋ねしておきたいのは、この立川研究所に割り当てられた一万トンという砂糖は、この前の委員会では食品課長でしたか、そういうことは知らないんだ、何も知ってないんだ、こういう御答弁であったのです。ところがこの一万トンの立川に割り当てられた砂糖というものは、その後おそらく農林省になければならないと思うのですけれども、業者に割り当てられているのです。この前食糧庁の方では、そういうことは一切知らぬ、わからない、こういう御答弁でしたが、事実としては入ってこないんだけれども、入ってくるものということだろうと思うが、すでに事前に割り当てられているように私には感じられる。割り当てていませんか。
  305. 日比野健児

    ○日比野参考人 この前食品課長が全然知らぬと言いましたのは、あとで訂正したと思いますが、これは言い過ぎでございます。それでこの砂糖につきましては、午前中に申しましたように、台湾糖の振りかえということで処理しておりますので、この前通産省の方から御説明があったと思いますが、通産省の方から本件砂糖については、台湾糖の割当の基準でやるのがよろしいか、こういう伺いが農林省にきておるわけです。それに基きまして農林省の方では、そういうのは差しつかえない。次のような割当基準でやってほしいということで、当時の十五万トンたり十六万七千トンでしたか、上期に六十万七千トン、それから下期に十五万トン台湾糖を割り当てたと同じ基準で、当時の単価から想定しますと、約一万一千三百トン、そうなりますので、それを一定比率で分けまして、こういうように配分したいから通産省にしかるべくよろしく、とこういう通知を出したのであります。それに基きまして、今聞いてみますと、当時三十年度以降はよく御説明に出ます八割、二割という比率がきまっておりまして、しかもその八割のメーカー割当分については内示方式、発注内示方式という方式を三十年度から新たにとったのでありますが、本件許可しましたときには、そもそもの許可は二十九年の終りでございますので、そのときには台湾糖につきましてはメーカーが直接外貨を申請することになっております。それをいわゆるメーカー料と申しておりましたが、しかし本件については外貨を使う割当でございますので、外貨申請にかえて農林省の方から再精糖関係に内示書というのではなしに、こういう割当にするかということを通知しております。それが内示書ということに御了解なさっておるのではないかと思います。
  306. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 今の御答弁だと、内示ではなくしてどういう形でやるのですか、割当の内示を受けたと聞いておるのですが、あなたの方はそういう内示はしなかったと言う、何でやったんですか。
  307. 日比野健児

    ○日比野参考人 私申し上げますのは、今やっておる方式のいわゆる発注内示方式に基く内示ではなくて、いわゆる数字の内示でございます。数字の割当の内示でございます。内示と申しますか、内示書という形式はとらずに、これだけ割当がいきますよという通知をやっておるのだと思います。
  308. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それだけはっきりしておるものを、最初私どもが非常に疑問をもって聞いて、それが農林省の方で、てんで知らぬ、存ぜぬというような、わからないのだという答弁であったので、疑問を深めざるを得なくなってきたんですが、そういうふうにはっきりわかっておったのに、どうしてあのときにあなたの方で明確にしなかったのですか。
  309. 日比野健児

    ○日比野参考人 食品課長が見えておりますが、この問題につきましては、食品課長は無為替の問題だということで了解しまして、無為替の問題につきましては承知いたしません、こういう趣旨で申し上げたと、私そばで聞いておりましてそう思いましたが、今申し上げましたのが、当時の手順でございます。
  310. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私どもこれが当時無為替であるか何であるかよく知らなかった。ただ立川研究所へ一万トンというのがきたというのは、何で一体、立川というような輸入業者でも何でもないところに一万トン割り当てられたのか、そういう権限が与えられたのかという一つの疑問、それからその一万トンの砂糖がどこへいったのか、どういうふうに処理されたのかということをお聞きしたのです。そうすると、立川へいった経過はわからない、従ってその一万トンもどう割り当てたかも知らないという答弁であったのです。あなたの方に今聞くと、それは無為替でやったんだからその点は知らないのだ、そう解釈して知らないと言ったんだというふうに、今非常にぼやかして焦点に触れないよう、触れないようという傾向が、この中に出てくる。その点はまあよしとして、そこで立川へ一万トン割り当てたというのは、私どもその経過はわかっているのです。繊維の特許の使用権を渡すために、台湾の方で外貨の事情が悪いから砂糖で取ってくれというから、砂糖で受けることにしたという、その経過はわかっているのですが、私ども一つ疑問に思うのは、砂糖とかそういうものは、やはり輸入業者でなければ割当を受けられないのが当然じゃないか、許可のある、資格のある人でなければ受けられないのが当然ではないかと思う。特に立川へこれを割り当てた。しかも今までそういう事例が方々にあったのかとお聞きしたところが、そういう事例は異例だと言うのですが、その異例なことをやるのは、異例なことをやるだけの理由と根拠が明確でなければならないので、そこでその理由なり、根拠なりというものをもう一度、再々聞いているのだが、はっきり私にはのみ込めないので、その点をもう一度明確にしていただけませんか。
  311. 日比野健児

    ○日比野参考人 確かに異例な措置ということは、私もそう思いますが、当時、たびたび御説明申し上げますように、年間の輸入量というものはさまっておりまして、そのうちの内訳として処理する一万トンであれば、特許実施権を譲るということで、百万ドルの問題があれば、それと結びつけて処理することは、砂糖輸入問題については特段の不都合はないのじゃないか、しかもその価格につきましては、通産大臣が十分監督指示しまして、過剰なもうけとか、配給ルートを乱すというようなことのないように、十分の注意を払ってやれば、本件処置も当時の事情としてはやむを得なかったのではないか、私はかように考えております。
  312. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 砂糖輸入というものは、年間百万トンとか百十万トンとか、その程度だと思いますが、それは外貨で割当を受けて輸入しているわけです。そうするとこの一万トンというのは、無為替ですから、関係はなかったのじゃないですか。それとは全然関係のない形で入れられたわけではないのですか。
  313. 日比野健児

    ○日比野参考人 無為替という点をとりますと、普通の外貨割当と違うという点では、為替の問題と関係ありませんけれども、ただ輸入量という点から見ますと、当初の輸入数量のワク内で処理した、こういうことで、無為替を認めるために特別に一万トン追加して余分に入れた、こういうことではございませんことを申し上げたのであります。
  314. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それから三十年の十月二十三日にこれを打ち切った。立川に認めた輸入分が延期しても入ってこないから、そこで十月二十三日にこの点を打ち切っているわけですね。従ってこの一万トンという砂糖は、立川研究所とはそこで遮断されて、関係はなくなって出てきているようだが、その通り解釈して差しつかえございませんか。
  315. 日比野健児

    ○日比野参考人 その通りでございます。
  316. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、先ほどの割り当てた、内示であるかないかは別として、そういうところにこういうことでいくということは、これは入ってくるということが前提となって、そういう内示をした、従ってそれが入ってこないから、それで取り消されたと解釈されるわけですが、その通りですか。
  317. 日比野健児

    ○日比野参考人 本来から申しますると、二十九年度に一万トン無為替で割り当てましたので、それは当然入ってくれば二十九年の砂糖は当初計画になるわけですが、それが入ってきませんので、筋からいえば、三十年度にその一万トンを追加しても一応の、二年にわたる総量の問題はそれでも片づきますけれども、当時国内糖価は大体七十四円以下で推移しまして、今ここで立川研究所の問題が切れた場合、いま一万トンあらためて追加して外貨を割り当てて入れる必要もないじゃないか、そういう判断で無為替に基く一万トンの穴埋めは別にしないまま推移した次第でございます。
  318. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、打ち切ったのは、今ここで無理して一万トンそんなことで入れる必要もないから打ち切った、こういうことですか。
  319. 日比野健児

    ○日比野参考人 打ち切った理由は、延長しましても十月二十三日までに、と申しますのは、十月二十三日までに通関を完了するという状況でございますが、それまでに入ってこない以上、本件について再延長してもおそらく入ってこないんじゃないかという判断のもとで、一応申し入れはありましたけれども、通産省としてはもう断固これを断わったわけであります。
  320. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、この十月二十三日の立川さんに関する点では打ち切られた。同時に、それとほとんど同じく十月の二十四日に積み出されて、十八日かに横浜に入港しているというようなことでありますが、これと立川とは何の関係もない、別個のものだ、こういうことになりますか。
  321. 日比野健児

    ○日比野参考人 当時、十月二十二日の前後に、先ほどから話の出ていました勝間という人が私のところに来まして、私のところと当時の次長でしたかのところに来まして、本件特許権の輸出に伴う一切の契約はもうあきらめます、きれいさっぱりやめます、こういう申し入れがあったわけです。実は私どもはそれでもう本件についてはすべて済んだ、こう思っておったのでありますが、その背後の関係はどうなってるか、私つまびらかにしませんけれども、おそらく何らかの関係があって、立川研究所と申しますか、だれがつながりかつまびらかにしませんけれども、何かの関係があって来たのではないかと、当時も推測しておりましたが、私らといたしましては、要するに本件については全部もう取りやめます、こういう正式の申し入れがありましたので、それで済んだことだと思っていたのです。
  322. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 立川さんにお聞きしますが、今御答弁のようにあなたの方から、あなたの代人だと思うが、勝間という方が行って、十月二十三日でこれは打ち切るということをあなたの方から申し入れられておるわけです。ところがこの十月二十四日には積み出されて、十八日に横浜に入ってきているのです。数量もほとんど同じような数量が入ってきているのですが、これについてあなたは何にも存じませんでしたか。関係がないとあなたはおっしゃるのですか。
  323. 立川正三

    立川参考人 関係はないことはないのです。と申しますのは、第一に許可期限が先ほど申し上げたように切れています。許可期限が切れれば、かりに実物が来てもわれわれはこれを引き取ることができないわけです。従ってそれに基いて私は勝間をして正式に契約を破棄するということを言うと同時に、役所の方にもその旨を申し出るように申しました。ところが、事実入ったということについては勝間という人は知っておりますけれども、それについて私は何らの指示も受けず、また指示もしたことはありません。
  324. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 あなたの方では、二十四日に積み出しがされることはおおよそ——おおよそというよりもはっきりわかっていたと思う。幾日には横浜に着くということもわかっておったにもかかわらず、その前日の二十三日にどうしてこれをあなたの方では打ち切ったのか。積み出されたから、いつ幾日には入るんだから、これは延期してくれということを申し出るならば、今まで待ったんだから役所でも待てないはずはないだろうと私は想像されるが、特にこういう重大ないろいろな関係輸入したのであって、あなたの方からいえばそれくらいのことはなさるべきではなかったか。それをなさらないのはどういうわけだったのか。なさない方が得であったからなさなかったのか。なしてもとうてい許可になる見込みがなかったからあなたの方でなさなかったのか。この点は一体どうですか。
  325. 立川正三

    立川参考人 三度目の延期をしてほしいということは願い出たことは事実です。けれども、それは許可しないということをはっきりされたから、それでは契約を破棄するということです。
  326. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 立川さんにお聞きしておっても、登場してくる人物はあなたでなくて、むしろ勝間という方が非常に主要な役割を果したようになっている、この件に関しては非常に実権を持ってやっておられたと思うのですが、字は勝間ということがわかりますが、名前と住所、その他の経歴はどういうことでしょうか。あるいはほかの委員の方がお尋ねしたかもしれませんが、この点をもう一度お尋ねしたいと思います。
  327. 立川正三

    立川参考人 住居と名前は先ほど申し上げました。その他の彼自身の経費、その他のことについては私は一切知りません。
  328. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ちょっとこれはおかしいじゃないでしょうか。あなたはりっぱな学者だとお聞きしておるのですが、こういう何億という仕事の取引をなさるあなたにかわって、そういう仕事をなさる方の経歴を知らないということになってくると……。
  329. 立川正三

    立川参考人 経費と聞きましたので……。それでは経歴を申し上げます。彼は名古屋の高等商業を出て、あっちこっちの商業に従事しておったのです。それから戦後、昭和二十一年以後において私の方に知り合いになって、われわれは二十一年から二十五年まで山口県で人造繊維の製造工場を経営しておったことから、その製品を取引しておった関係で彼は出入りすることになったのです。それ以前は知らない。彼の経歴はその程度しか知りません。
  330. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それは非常に大きな何億という取引、ことに外国との取引をするという重要な役割を果す方だから、研究所の相当の地位を占めている方で、あなたと多分つき合い等があり、性格その他の事情もよく御承知でなければまかせるというのはちょっとわれわれの通念としては納得いかないのですが、しからばこれをまかせるということは、勝間さんでなければできない仕事であったからあなたの方ではおまかせになったのですか、この点はどうですか。
  331. 立川正三

    立川参考人 勝間氏は相当数の中国人と交友があったことは事実らしいです。そこで中国に関しての特許譲渡は彼自身が私の方へ最初持ち込んできた仕事なんです。その関係もあり、かつ彼自身も私は相当に信用をしているのです。それで、そのまかした範囲は、砂糖で払うとすれば、砂糖というものは商売にかけなければ金にならぬし、われわれは商売をやる意思がないのだから、それを特許の代償になる金にするまでの行為だけを一切やってやる、やってくれ、その責任の範囲はお互いに限定しようと言って覚書を取りかわしてやらしておった。ところでそれを監督する立場にあるのは私であり、またもう一人理事が分担してこれを担当しておったわけです。
  332. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そこで、先般の委員会で、この一万トンの砂糖香港から持ち込まれたのは危険自分負担で持ち込まれたのだ、こういう御答弁が通産省の方からなされたと思うのですが、一体、五億ぐらいになるでしょうが、何億という金額のものを輸入許可も何もなくて、ただ見越しだけで危険自分負担で持ち込まれるということが、その後砂糖に関しては間々あるという御答弁もありましたが、そういうことが間々あるというのは大体どのくらい行われているのか、しょっちゅうそのようなことが行われているのですか、これは通産局の方だと思いますから、この点を御答弁願います。
  333. 長橋尚

    ○長橋説明員 私は具体的なケースとして聞いておりますのは、フィリピンの砂糖が一回神戸でございましたか、どこかでそういうようなことになったということを、全然仕事に関係のない立場にいるころに聞いたことがございましたが、具体的なケースとしてはまあその程度でございます。
  334. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、あなたは、私の知っている限りにおいては一回であったということで、間々あったということとは違う。私の方は相当あったんじゃないかと考える。あなたの方は、前に一回あった、この一万トンの砂糖が入ってきたのは間々見込み輸入が行われるということではなくて、これ自体もきわめて異例の状態だというふうに解釈されるのじゃないですか、これはどうなんですか。
  335. 長橋尚

    ○長橋説明員 私が申し上げましたのは、具体的なケースとしてあれでございまして、特にキューバ糖の場合に、まず国際的な商いをやっている外商が日本輸入発表あたりを見越しまして買い付けて、もうすでに外貨の割当が行われる場合には日本に着いているとか、あるいは船が海を走っているというふうなことが、キューバ糖の場合に、そういうことが間々あるのだというふうなことは聞いておりましたので、先日の御答弁の際に間々と、こう申し上げたわけでございます。
  336. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 外貨の割当を受けて買付するということがきまっておることを知って海を走っているというようなのを、あなたは今引例されたわけですが、こういうふうに割当も何にもなくて全く危険自分負担のもとに外国の港にそう簡単に入ってくることが一体あるのかと私はお聞きしておるのです。
  337. 長橋尚

    ○長橋説明員 私が承知いたしております限りで、そういうことはときどきあるということでございます。
  338. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それから今までの各委員とあなた方との質疑の中にはまだ何にも出てこないのですけれども、私がいろいろな点から聞いたのでは、午前中に申し上げたいろいろな人がここへ登場してくるわけなのですが、これはもちろん役所の人ではないのですから、直接どうであったか、あなた方はわかりませんが、そこでお尋ねするのですが、横浜その他へ入って、これは八カ月も置かれたということはわかっておるのです。八カ月も置くことは、そういう例がたくさんあるわけですか。
  339. 木村秀弘

    ○木村説明員 八カ月も置くということは、われわれの方はあまり聞いておりません。物資によりましては、たとえば朝鮮のノリとかいうふうなものがまれにそういう例がございます。それはあくまでもライセンスをとらないで見越しで輸入されたもので、いつまでも税関を通せないというものがある例はあります。
  340. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、この場合この砂糖をライセンスがなくて八カ月置いた、こう思うのですが、この荷に対して先ほど吉田委員の方から、だれが倉庫料を払ったかというお尋ねがあったのですが、この書類を見ると、ここには荷主はインター・アイランド商会とある。これが荷主であることはあなたの方ではおわかりですか、間違いないのですか。
  341. 木村秀弘

    ○木村説明員 倉庫料の点は私もはっきり存じませんが、調査いたしました範囲ではオリエンタル・エキスポーターが香港上海銀行を通じて鈴江組に一部支払っておる。これは今おっしゃったインター・アイランド・エキスポーター——これは荷主でございますから、これのために支払っておるのが一部ございます。それからあとの一部は、この前差し上げました商社が三十八社でございますが、この三十八社が支払った。倉庫料の一部がオリエンタルを通じて鈴江組に支払われておる、私の調査いたしました範囲ではそういうふうになっております。
  342. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 結局この一万トンは横浜へ着いてライセンスがないから八カ月置かれた。その後に三十八社の日本輸入商社がそれぞれ倉庫料も払い、金額も払って引き取った、こういうことに解釈していいものですか。
  343. 木村秀弘

    ○木村説明員 そういうことになります。ただ三十八社が支払った倉庫料の一部と申し上げたのは、私の方ではよくわかりませんが、だれか周某という——これは中国人かと思いますが、周某という人の手を通じてオリエンタルに入っておるようでありまして、その周某が三十八社が支払った倉庫料のある部分を横領したと申しますか、持ち逃げした、そういう格好になっておるやに聞いております。
  344. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ようやく私のお聞きしようと思うところが出てきたのですが、私の調べたのでは、周という人はもちろん中国人だと思うのですが、この問題にかなり大きな役割を果しておるわけなんですが、あなたの方の御調査では、周という人が何の会社のどんな関係でオリエンタルとどんな関係の人であったか、これはあなたの方では御存じになっておりますか。
  345. 木村秀弘

    ○木村説明員 これは私の方ではどうもはっきりいたしませんので、聞くところによりますと香港トレーディング・カンパニーの代理人として香港から日本に参りましたのが、途中で資格が変更しまして——その間の事情はわかりませんが、資格が変更いたしまして、荷主であるインター・アイランド・エキスポーターのために三十八社に対して一万トンのうちの約四千トンを売りさばいた、こういうことを聞いております。
  346. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 香港上海銀行の柴谷さん、おいでになっておりますね。
  347. 坂本泰良

    坂本委員長 見えております。
  348. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 柴谷さんにお尋ねいたしますが、柴谷さんはこの周という人を御存じありますか。
  349. 柴谷重夫

    ○柴谷参考人 全然ございません。
  350. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そこでこの問題に入る前にお尋ねいたしますが、三十八社から周に支払われておるわけです。これは外貨で支払ったようなことになるわけですか。それとも聞くところによると日本円で払ったという話がありますが、これはどっちがほんとうですか。これは通産省の方でなければおわかりにならぬと思うのです。
  351. 坂本泰良

    坂本委員長 小川委員にちょっと申し上げますが、先般の割当の数量が多少違っておるから、きょうお手元に上げましたのが正当な割当だそうですから……。
  352. 長橋尚

    ○長橋説明員 先週来この問題を私どもの方といたしましても調査をいたしたのでございますが、なおどうも確認できない点も残っておりますけれども、現在の段階では、おそらくは円貨で三十八社が支払ったのではなかろうかというふうに考えられます。なおはっきり調査したいと思っております。
  353. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは業者は外貨の割当を受けて、その割当を受けた外貨のワク内で買付されるのだろうと思います。円で支払ったことがいいとか悪いとか、それは私にはまだよくわかりませんが……。そうすると、そういう外貨は業者の方からいうと余ってきてしまうのじゃないかと思うが、どうなりますか。
  354. 長橋尚

    ○長橋説明員 外貨の割当は、大体その割当時点におきます実際の取引価格というふうなものを勘案いたしまして割当単価をはじきまして、それから需給計画面、物量の計画面からきます数量をかけました全額を割り当てるわけでございます。特に一般の場合、特に数量についてこれだけ入れろというふうな条件は、外貨の割当を際付しておりません。従いまして買い入れました場合には、若干割当単価と実際の単価との間に数量面で誤差が出てくるというふうな実際になっております。本件の場合に、先ほどはっきり確認していないと申しましたが、LC面の単価というものにつきましては、大体百一ドルであったというふうな調査結果が出ておりますので、そういたしますと、保管料、倉庫料といったようなものは、日本における居住者に対しまして三十八社が円貨払いをしたというふうに考えられるわけでございます。
  355. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それはあなたの方は、割り当てられたドルで払わなくても、円で払っても業者の勝手なのですか。あなたの方はどっちでもいいのですか。何で払おうともこれは契約通りでかまわないのですか。
  356. 長橋尚

    ○長橋説明員 契約がFOB契約ということでありますれば、貨物の外貨予算におきましてはFOBの単価を割り当てるというふうなことをいたしております。本件の場合には、国内に買い入れされたあとの倉庫料の問題でございまして、これは一般のFOBとかCIF取引というふうなものの例外としての特別な経費でございまして、そういったものにつきましては、それを外国人に支払うという場合において、特別に割当単価をふやすというふうな操作はないわけでございまして、そういった予算単価外の要因について、私契約上の取りきめに従いまして、また法令のワク内で対価の授受が行われるということについては、通産省といたしましては関知いたさない問題でございます。
  357. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そこで八カ月置くということは、これは税関の方の判断で八カ月置こうと六カ月置こうと自由なのですか。それともどこかからの指示があって行われるのですか。あなたの方は十五日とか二十日とか何かの規定がある。それを六カ月なり八カ月置くということは、あなたの独断で判断していいのか、それともどこからかの指示があるわけですか。
  358. 木村秀弘

    ○木村説明員 これは現在外国為替及び外国貿易管理法に基礎を置きます輸入貿易管理令というのがございまして、この政令でもって税関としては、先ほどちょっと申し上げましたように、無為替で入ってきたものならば無為替のライセンス、有為替で入ってきたものならば銀行の認証をとった輸入承認書、そういうものが税関に提示されなければ引き取りを認めてはいかぬというふうに輸入貿易管理令でなっております。ただこれが現在の上屋に入ったものでありますので、上屋に入る場合は仮陸揚げとしまして、これは輸入貿易管理令の今の規定からはずしてあります。仮陸揚げはよろしい、上屋に揚げておくのはよろしい、しかしそれを保税倉庫に引き取るなり、あるいは国内に引き取るのは、税関の方ではしてはいかぬということに規則上はなっております。
  359. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、入ってきた一万トンに対して六カ月も八カ月も置かれるということは、持ってきた荷主にとっては打撃であっただろうと思う。従って荷主の方では、一日も早く通関できるように、通産省に対して運動というか、依頼ということが行われるだろうと思うのですけれども、そういう要請なり要求なりというものがあったのではありませんか。当時これに関係しておられたのは日比野さんのところじゃなかったかと思うが、そういうことはありませんか。
  360. 日比野健児

    ○日比野参考人 十月以後つきましてからのこの砂糖につきましては、そういう要請はございました。しかし通産省といたしましては、見越し輸入砂糖だということで、そういう要請につきましては全然受け付けておりません。受付というか、そういうものを特別に早く救う道はありませんということで首尾一貫しておったわけです。
  361. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 見越し輸入のものであるから、幾ら要求があろうとも、そういうものに対して特別そういう取り計らいをする必要はないからほうっておいた、従ってこれは八カ月たったんだ、こういうことになるわけです。そこでこの荷主の方からいうならば、これは一日も早く通関できるようにしたいということが行われるのは当然だと思う。そこで午前中にお聞きした松平という人、あるいは周という人が登場してくるわけですけれども、あなたはこの松平とか周とかいう方は当時御存じありませんでしたか。会ったこともありませんか。
  362. 日比野健児

    ○日比野参考人 役所に来られたときに会ったことがございます。用件はただいま申し上げた用件でございましたが、そういった特定な措置は通産省としては不可能だというお答えをしたことを覚えております。
  363. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 あなたはこのことについて周、松平という人からそういう要請があったがお断りしたと言うが、その他の人から、これの手続を早くできるようにしてやれという要請があなたに対してあったこともございませんか。
  364. 日比野健児

    ○日比野参考人 どなたからありましても、通産省の答弁は同一でございます。
  365. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私はあなたの意見はいいのです。そういう要請は、周もしくは松平、岡部、こういう人以外にその他の方からあったことがなかったかとお聞きするのです。
  366. 日比野健児

    ○日比野参考人 その他の方からもあったように記憶しております。しかし答弁は同じ答弁をしたと……。
  367. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 どういう方からあなたの方にそういう要請があったか、あなたの御記憶にありませんか。あなたが忘れられない、何と言うか、尊敬しなければならない方々が相当あったはずだと私は想像するのだけれども、あなたはその御記憶はありませんか。
  368. 日比野健児

    ○日比野参考人 こういう仕事をしておりますと、事砂糖の問題だけでなしに、いろいろな問題で、いろいろな人から電話なり面接に来られまして、何とかしてくれといってお話はずいぶんありますので、一々お名前については記憶しておりません。
  369. 坂本泰良

    坂本委員長 委員長からちょっと聞きますが、この一万トンの砂糖の問題で周、松平そのほかどういう人が来たか思い出して一つ御答弁願いたいと思います。
  370. 日比野健児

    ○日比野参考人 そう言われましても記憶ありません。
  371. 坂本泰良

    坂本委員長 重ねて聞きますが、何人くらい来たのです。そういうのも記憶ないのですか。
  372. 日比野健児

    ○日比野参考人 ずいぶんたくさんの方がおいでになったように記憶しております。
  373. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これはあすの参考人が来て下さると、あなたの記憶は明確によみがえってくるのではないかと思うのですけれども、あなたのところへは、かなり大ぜいの人が来て、それを早く手続のできるように運動がなされたと私は考えるのです。  そこでさらにお尋ねしたいのは、八カ月たって、いよいよそういう割当等も済んで通関できるようになったのですけれども、八カ月後にそうなった、その経過というのはどういうことになっておりますか。八カ月後にはこれが正規のルートに乗った、そうなったことになりますね。八カ月後にはそういうことはしてもいいという結論をあなたがお出しになったのは、どういう事情でお出しになったのですか。
  374. 日比野健児

    ○日比野参考人 当時、どう申しますか、私の記憶しておりますのでは、三十一年の第一回の輸入発表の際にそれが引き取られたということをあとで承知しておりますが、当時引き取るとか引き取らぬとかいう問題については、通産省は全然タッチしておりません。
  375. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 通産省がタッチしないというと農林省ですか、食糧庁ですか、どうなりますか。
  376. 筒井敬一

    ○筒井説明員 これは外貨の割当でございますが、大体年間三回か四回か五回、年によりまして違いますが、そういうような割当をいたしておりますので、三十一年度に入りまして第一回の割当をしておかなければ、砂糖輸入というものが円滑にいかないというような関係で、三十一年度の第一回の割当が行われた。その場合におきまして、おそらく商社とメーカー、あるいは今お話しのそれぞれの外商との間において話し合いができて国内に通関されたのであろう、かように存じております。
  377. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、これは輸入商社とその外商との話し合いがついたので、割当が使えるようになった、こういうように解釈していいのですか。
  378. 筒井敬一

    ○筒井説明員 私は実際の取引はわかりませんが、そうでなければ入らないものでございますから、そうであろうと想像いたします。
  379. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは実際の取引はわからないが、そうでなければできないのだからそうしたのだろうという御答弁なんですが、割当というのはあなた方がおやりになるのではないのですか。これは割当のワク内でやっておるのだから別にかまわないのですか。この一万トンの分について何トン何トンというようにあなたの方で割り当てているのですね。割り当てているということは引き取らせるということが前提になっているわけだろうと思う。それと一万トンとは関係なく、ここに九千八百云々というのが出ていて、これが引き取った計になっておる。入ってきた数とくっつくのです。一万トンというものをあなたが割り当てたからこういう数が出てきたのだろうと思うのだが、あなたの方で、それは総ワクの中でこれだけそれぞれが使ったのだろうというように解釈できる。どっちがほんとうなんですか。
  380. 筒井敬一

    ○筒井説明員 最後にお述べになったようなことでございます。これはあとから調査いたしますれば、こういうような引き取り方をしておるというようなことでありまして、あらかじめこういうように引き取りなさいというような、割当の仕方をいたしたわけでなしに、あとからトレースいたしますと、こういう取引関係になった、こういうことでございます。
  381. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 砂糖行政は食糧庁で一本にやっているので、年間通じて何万トン分だから、あとはお前の方で勝手にやれという指導のもとにやっておられるのですか。それとも期別に、この期には何万トン入れる、あるいは何十万トン入れる。それをどこの商社に幾ら、どこの商社に幾ら扱わせるというのは、あなた方のがきめるのではないですか。商社が勝手にきめていいのですか。この辺がどうも不可解です。
  382. 筒井敬一

    ○筒井説明員 これについては前々から申し上げていますように、メーカーと商社の割当をいたします。それぞれの各商社なり、これは通産省の方でおやりになるのでありますが、商社なりあるいはメーカーにつきまして、個々の業者に年間の中で、そのときに発表いたします中で何トンは何会社、何トンは何会社、こういうような割当をいたします。その割当てられた範囲の中で、その外国通貨の許される範囲内で、どこから買ってくるかということは自由でございます。それからまた商社が今度メーカーの方に売ります場合におきましては、これは割当をいたしておりませんで、商社に割当てられた分をメーカーにどういうふうに売るということにつきましては、特別の規制はいたしておりません。ただメーカーにつきまして八割をやっおりますのは、最小限これだけのものは必要であろうということでございまして、あとの二割の商社輸入いたしますところのものが、メーカーにどのように行くかということは、われわれといたしましてはそこまでは介入しておらないわけでございます。
  383. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 どうもこの点私は不可解なんですが、あなたの方でそういう点は知らないんだ、こういう御答弁なんでやむを得ないわけですが、そこで普通正式の割当を受けて入ってきたものは、すぐ通関するわけですが、それが八カ月も置かれて、数千万円の倉庫料を払わなければならないということは、荷主にとっては相当大きな打撃であったと思うのです。そこでこの荷主は早くその手続ができるようにと、各方面に依頼をし、運動をした。そういうことはあなたの方では何も聞いておりませんか。
  384. 筒井敬一

    ○筒井説明員 この引き取りについて現在私は存じておらないのでございますが、どういうような運動が農林省の方にあったかということにつきましては私まだ聞いておりませんので、調査さしていただきましてから、前任者等に聞きましてから御答弁させていただきたいと思います。
  385. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 どなたでもいいですけれども、周という中国人と、役所の方でも参考人の方でも、会ってご存じの方は一人もおらないわけでしょうか、知っている方があったら一つお教え願いたいと思います。
  386. 中島幸三郎

    ○中島参考人 周という人には私は私どもの事務所で、少くとも十回は会っております。
  387. 坂本泰良

    坂本委員長 名前はご存じないですか。
  388. 中島幸三郎

    ○中島参考人 周だけしか知っておりません。
  389. 日比野健児

    ○日比野参考人 私も通産省で二、三回会っております。名前の方はちょっと、当時名刺をいただきましたけれども、名刺をなくしましたので、名前までははっきりしませんが、周という人と——この方は何か日本語がよくわかりませんので、一人通訳がついてこられて会ったことを覚えております。
  390. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 その周という人は局長さんの方にはどういう資格で行かれたか、また参考人の方にはどんな資格で行かれたか、私の知っているのでは、二つかの資格、名義を持っているように聞きましたが、どういう資格で行きましたでしょうか。
  391. 坂本泰良

    坂本委員長 委員長からお願いしますが、肩書きとか、この用件ではだれの代理だとか何とかで来なければ、あなたもお会いになることはないと思いますから、そういう点を一つ御示し願いたいと思います。
  392. 中島幸三郎

    ○中島参考人 少し説明じみますが、周という人は英語がよくできないので、来た目的は私どもの会社の当時の代表取締役のM・クレバノフという人に会いに来たのであります。それに関連しまして、英語がよくできないので、参考意見を求められて私が出ましたので、ただ名前は実際周ということしか覚えておりません。ただし本人の肩書きということは調べてみればわかりますが、私の覚えておる範囲では、この砂糖を取引されたのは香港でありまして、その香港における買手の代理人として私どもの方へ参りました。
  393. 日比野健児

    ○日比野参考人 私は香港トレーディングの代表者といったようなことで来たと思います。
  394. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 この人は東京帝国ホテルにかなり滞在しておったわけですけれども、そういうことは参考人の方はご存じありませんでしたか。
  395. 中島幸三郎

    ○中島参考人 外人は大体そういうホテルにおりますから、帝国ホテルか東京ホテルか、どれか知りませんが、そういうホテルであったということは覚えております。
  396. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そこでこの周という人は五カ月も六カ月も砂糖が縛りつけられているので、これを早く通関の手続ができるようにして、取引をしないと困るというので、諸方面に頼んだわけですが、あなたの方では本人がそういうことで困っておるということをお聞きしたことはありませんか。
  397. 中島幸三郎

    ○中島参考人 困っておるということは顔を見てもわかりましたし、聞いてもわかりましたし、それから周という人の立場を考えても想像ついたことでございます。ただし運動しているかどうかということは、運動するだろうということは一般的常識として考えられますが、どういうことがという具体的なことは私は存じておりません。
  398. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 通商局の方へ松平という人が行ったことはありませんか。食品課と両方にお聞きします。
  399. 日比野健児

    ○日比野参考人 農水産課へ見えたことはございます。通商局に見えたことはございます。
  400. 筒井敬一

    ○筒井説明員 松平という方がおいでになったかどうかということは、私の前のときのことでございますので、そういう個人の方が来られたかどうかということはちょっと私は存じておりません。
  401. 長橋尚

    ○長橋説明員 その当時の模様は私も存じませんが、当時農水産課長をやっておりました日比野参考人の御供述の通りだと存じます。
  402. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私は数十回それぞれへ頼みにいったということを聞いているんですが、この松平という方は役所へお伺いするのにどういう肩書き、資格をもって——名刺には何々の何だというようなことが入れてあるのが通例ですが、そういうことはあなたの方は名刺を出されているはずですけれども、それは御存じありませんか。
  403. 日比野健児

    ○日比野参考人 名刺をいただいた記憶はあるようですが、肩書きは何も書いてなかったように覚えております。
  404. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 肩書きが二つあるので、あなたの方にはどういう肩書きの名刺を出されたか、私はそれはわからないわけだが私の方で持っている名刺でいくと、国会議員の事務所が自分の事務所になっておる名刺を、別に秘書でも何でもありませんが、そういう名刺があなたの方へ持っていかれているはずだと私は考えております。そういう御記憶はありませんか。
  405. 日比野健児

    ○日比野参考人 私は氏名だけが書いてあったように記憶します。
  406. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それならばその松平という人から、あなたの方へ早く通関の手続ができるようにしてくれという要請があったことはさっき御答弁になりましたね。大体あなたの方へ行かれたのはそれで行かれたわけだと考えるんですが、あなた方ではその御記憶はどうでしょうか。
  407. 日比野健児

    ○日比野参考人 その通りでございます。
  408. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 一万トンの砂糖が入ってきたのは十一月十八日ですが、すでに八月ころから松平という人が国際観光ホテルに陣取って、日本の各業者をそこへ集めて、この一万トンの処分というか、割当というか、そういうことをやっているのですが、そういううわさなり事実なりをあなたの方の役所としては苦々しく思ったことはありませんか。聞いたこともありませんか。この点はどうでしょう。
  409. 日比野健児

    ○日比野参考人 観光ホテルに陣取って云々ということは聞いた覚えはありません。
  410. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 従ってそういう業者と盛んに折衝をやっているということも、あなたの方は何も知らなかった、こういうことですか。
  411. 日比野健児

    ○日比野参考人 私が承知しておりますのは、砂糖が入ってから精糖工業会の方へ何か頼みにいったというような話をちょっと聞きましたけれども、それ以外のことはよく承知しておりません。
  412. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それではここで私の方で知っていることを申し上げますから、あなたの方でもう少し記憶を呼び起してもらわぬと話にならぬのです。というのは、この松平というのは、松平頼寿という貴族院の副議長をやった方があるのですが、本人はその弟と称しておるけれども、弟ではないのです。おいになる方だと思うのです。この人は明治公司取締役という名刺と、それからこの点はちょっとはばかりますが、第二議員会館に事務所を持っておられる議員のところと事務所を同一にした名刺で、あなたの方にも再々行かれているはずなんです。立川製作所に割り当てられた一万トンは、一切おれの方でやれるようになっておるから、おれのところでそれぞれ割当というか配分——これはでたらめですよ。別にあなたの方がまかせたというのではない。本人がそう豪語してやっていて、その後立川製作所のが来ないで、別なのが来た。業者の方は別だとその当時は考えていない。とにかく一万トン入ってきた。そこでこの一万トンがくぎづけになっていて困るからというので、これを業者の方で早くほしいというので、業者から運動費を出させて、早くこの通過の手続が出るように運動した。この運動が成功したのかしないのか私はわからぬが、あなたの方には、ひとり松平だけでなしに、相当の方々からそういう手続ができるようにしてやったらどうかという話があったはずなんです。それをあなたの方では、今の御答弁では、そういう話は数次受けた覚えはあるけれども、どなたが来たかわからないという御答弁で、それはあなたが記憶を呼び起す以外にないのだけれども、どういう人を頼んでいったかということは、あす参考人も来ることなんで、私がでたらめなことを言うようでもいかぬから、あす見えられる参考人から聞こうと思いますが、どうかあなたの方もあすまで時間があるのですから、どういう方が来たか、非常に重要なことなんですから、どういう人が来てどういうことを頼まれたということは、私はおわかりにならないはずはないと思うのです。というのは、とにかく八カ月たとうとも何であろうとも、そこでそういうふうに通過ができるように、便宜であるかないかは別としても、やって砂糖というものが国内に引き取られた。そうしてそれぞれの業者に渡っているわけなんです。問題は二重に出てくるのです。一つはその運動費をだれが出してどう使われたかということ、いま一つは、その割当をもらえる——あなたの方とは関係がないと思うのだが、松平という人は相当知名の人の名前を使って、この割当はもらえると思って、業者が松平にかなりの運動費をとられておる。こういう二つのケースが出てきているのです。先般から申し上げておるように、砂糖の行政についてもっと納得のいく筋の通ったやり方をしなければいけないと思うから、私は遺憾ながらこの点はもう少し突っ込んで究明していかなければならぬと思いますが、ただ人の名誉に関することでもありますから、私自身が自分のあれでうかつにやってもいけませんから、あす参考人からこの点を聞きたいと思います。
  413. 坂本泰良

    坂本委員長 委員長からこの際参考人の方並びに関係の農林省、通産省、税関の方にお願いしておきますが、ここは国民の代表として砂糖行政その他に関する真相を究明しているところでありますから、いろいろな立場もありましょうが、参考人ではありますけれども、やはりここでお答えになることは日本の国民に対してお答えになることですから、一つそのおつもりで御発言を願いたいと思います。日比野参考人にはあすも御足労を願いますが、数回会っておられるならば、名前とか肩書きとか、そういうことはまだ二、三年前のことですからこれは記憶をたどれば必ずわかるはずだと思います。これはわれわれの経験に基いてもわかるはずだと思いますから、一つ役所の方々も来ておりますから、いろいろと打ち合わされて、明日はもっとはっきりした御発言ができるように一つ御用意をお願いしておきます。  それでは山田長司君。
  414. 山田長司

    ○山田委員 最初に通産当局に伺いたいと思いますが、外貨の割当につきまして年に三回ないし四回というようなこま切れにどうしてしたのですか。
  415. 長橋尚

    ○長橋説明員 これをさかのぼって申し上げますと、年二回上期と下期で外貨予算が編成されまして、その外貨予算の実施に関しまして、これは品物によっても違って参りますし、砂糖の場合には各期数度に分けまして輸入発表が行われて外貨の割当が行われて参っております。その理由でありますが、まず国内の外貨をできるだけ有効に使っていこう、できるだけむだな外貨を節約しようというようなねらいから、予算も年二度に分けて小刻みに作られ、その実施に当っては、一ぺんに割り当てをしてあとで国内需要が減ってしまったという場合には、それだけむだな外貨を割り当てたことになりますから、そういうようなことのないように、特に砂糖のような重要な金額のかさむ物資につきましては、慎重に国内の需給状況ともにらみ合せながら適時外貨の割当をやっていくということでございます。しかしながら、あまり小刻みにやりますことは、できるだけ大量によけい集めた方が商機能も十分に発揮できて取引も有利にできるという面もありますので、できるだけたくさん一ぺんに割り当てた方がプラスになるというふうな面と勘案いたしまして、各期数度に分けてやるというふうな実際になっております。
  416. 山田長司

    ○山田委員 しろうとの質問でありますから、通産省当局もぜひ親切にお答え願いたいと思うのですが、もし外貨の割当を数回に分けて砂糖輸入をするというような場合がいつまでも続くとするならば、外商は先回りをして——これはあとでオリエンタルの方の方にも伺いたいと思っているわけですが、ややもしますと高い砂糖を買わなければならないようなことがあり得るのではないかと思うのですが、その点通産省当局ではどういうふうにお考えでありますか、これを一つ詳細に教えていただきたいと思います。
  417. 長橋尚

    ○長橋説明員 御指摘のような、非常に不利な買付というふうな弊害もかねがね指摘されておりまして、そういったことに対処いたしましてもできるだけ有利な買付を行う。しかしながらやはり各予算期、六カ月ごとに一ぺんに外貨を割り当ててしまうというふうなこともできないということからいたしまして、いろいろそのワク内での改善の努力をいたしまして、まず外貨の割当基準、これは少くとも当該期においては共通のものであります。これはあらかじめ発表して輸入資格者はきまるわけであります。その場合に、今期予算の何等分を割り当てるというふうなことを、だいぶ前には一々輸入公表というような形で発表していたわけでございます。輸入公表というようなことを行なっておりましたが、今度はそういった一般的な公表を差し控えまして、もう輸入資格者はきまっていることでございますし、今度はあなたの方に何トン、幾らの外割をいたしますということを当該資格者にだけ御通知する。一般に通産省で今度第何回の輸入公表が行われたというようなことが発表され、それが外にも伝わって、外商が利をむさぼるというようなことのないように、運営の要領を二年ぐらい前から改めております。そのような形で極力そういった弊害のないように努力はいたしておりますが、なお百パーセントにそういった問題を解決できないというふうな現状になっております。
  418. 山田長司

    ○山田委員 今通産省当局が言われるように、われわれが見ている範囲では、年何期かに分けて外貨の割当をするということが続く以上においては、国民の生活に関連のあります砂糖というものの輸入が外商によって値段がつり上げられる危険が私は多分にあると思うのです。これはあなたに聞いても無理かもしれぬが、通産省当局の将来の方針はどういうふうな方針でおられますか。
  419. 長橋尚

    ○長橋説明員 一昨年ぐらいの外貨事情が非常によかった時期におきましては、この機会に長期一括割当を行おう、そうして適時適切に一番有利な条項が出た場合に商社が商機能を発揮して買いつけるというような態勢が望ましいということで、極力その方向に持っていったわけでございます。砂糖の割当自体につきましても、ある程度小きざみの程度が改善されたのもその当時でございましたが、その後再び外貨事情が悪化して参りまして、そういった方向もまた逆戻りせざるを得ないというふうな事態になっております。今後の問題につきましては、通産省といたしましてもさらに万般の方法研究いたしまして、その点遺憾のないよう努力いたしたいと思います。
  420. 山田長司

    ○山田委員 通産当局のお話を少々伺いましたので、次に伺いたいのは、オリエンタル・エキスポーター商会の中島支配人さんに一つ伺いたいと思うのですが、あなたの会社の仕事、どんなお仕事をしていらっしゃるかということを一つ許される範囲で教えてもらいたいと思うのです。それからもう一つは、輸入高と輸出の高、日本の国内から輸出している高、その扱っておる状態ですね、それを許される範囲で一つ教えてもらいたいと思うのです。
  421. 中島幸三郎

    ○中島参考人 今の御質問の第一項の方がよくわかりませんので、第一項をいま一度言っていただけませんでしょうか。
  422. 山田長司

    ○山田委員 あなたの会社のお仕事の内容です。
  423. 中島幸三郎

    ○中島参考人 私の仕事の内容でしょうか。
  424. 山田長司

    ○山田委員 会社です。それから輸入高とか輸出高とか、お扱いになっていいる大体の状態です。それを教えてもらいたいと思うのです。
  425. 中島幸三郎

    ○中島参考人 私の会社のやっておりますることは輸出と輸入でございます。ただし輸入業務の大部分は代理店業務をやっております。これは商品は砂糖でございます。輸出は繊維品、こまかく言いますと、綿布、人絹、絹及び雑貨等でありまして、取扱い高は昨年は、代理業務をいたしました砂糖のトン数は十三万トンから十五万トンの間だと覚えております。それから輸出業務でありますが、輸出業務は非常に繁雑というより形態がいろいろでありまして、われわれが直接注文を受けて日本業者に注文をしましても、日本の方の業者ではその会社の社風によって、支払い形態は直接でなければだめだというふうなこともあります。これはアサインといいますか、そういう広範囲のものを含めまして大体二百五十ドルだったと記憶しております。ところがそれでなくて、純粋にわれわれの帳簿を通って銀行を通して支払いなり受け入れが行われたのは、記憶間違いかもしれませんが、それから大体百万ドルを消したものぐらいだと思っております。
  426. 山田長司

    ○山田委員 あなたの方の会社の場合は、世界のクレジットを持っておる国として、やはり日本のような弱小国に対してはあなたの方の御協力がかなりなければ、外貨の問題なんかにつきましても、さっき通産省に伺ったように、非常に少い外貨で砂糖輸入をしなければならぬというふうなときに、あなたの方の実力をもってして——たとえばブラジルなりキューバなりで大量にお求めになられて、それを日本商社の人があなた方のところから分けてもらうことになるのじゃないかと思うのですが、そういう点日本商社との取引の最近の取扱い高ですね、ここ二、三年ぐらいの状態がもしわかるならば一つ教えていただきたい。
  427. 中島幸三郎

    ○中島参考人 今いただきました御質問は、むしろ私から御説明をしたいと思っておりましたので、答弁の機会を得まして非常に感謝いたしますが、先ほどから聞いておりますと、暴利をむさぼったり値をつり上げるとかということを外商に関連しておっしゃった方がありますが、砂糖というものに対象を限定いたしますと、日本国内においてこそ、輸入量が制限されておりますから、人為的な値段の操作ができますが、これを日本に入れる場合には、輸入許可証を持っておる人しか買えないのです。われわれが幾ら砂糖を持ってきても、戦争中の衣料切符と同じで、輸入許可証がない人は買えない。だからその間にあって、じゃあ国内のことと国外のことを両方比べていただきまして、われわれは国外から日本の窓口へ砂糖を持ってくるわけです。その場合に、日本輸入許可証を持っておる人はだれから買おうと勝手であります。しかも毎日の砂糖相場というものは、ニューヨークにおいて日々刻々変っておるのです。だから砂糖が何か特別の商品のようにお考えになるのは日本国内に入ってからでありまして、日本国内へ売ろうとする、日本の窓口まで持ってくるわれわれの商売としては、暴利をむさぼったりあるいは値段をつり上げたら、だれも買ってくれません。それを過去の実績に表わしますと、大体日本輸入量が百万トンとされておりますが、台湾糖が三十万トンあるいは四十万トン、残りが六十万トンか七十万トンでありますが、われわれが去年が十二、三万トン、おととしが十五、六万トン、その前がおそらく二十万トンくらいじゃないかと思いますが、われわれの数よりも第一物産さんあるいは三菱さんというようなところの方が強くて、われわれはよそよりも安くなければ、あるいはサービスがよくなければ、外商のところから買わないというような、一種の反動的な気分がありまして、われわれとしてはサービスをもって買ってもらっております。
  428. 山田長司

    ○山田委員 ただいまの話を聞いておると、それでは日本商社があなたの方からむしろ買いたたきをするような印象ですが、私などが知っておる範囲では、あなたの方がむしろ、先ほども通産省から話されましたように、通産省の割当が非常に何期も分けまして外貨が出ます関係上、外貨が出るのを見計らって、あなたの方でむしろ先手を打ってキューバやブラジルでお買いになられて、そのあとで外貨が割当になられることになるのでしょうから、あなたの方では、要するに値段の比較的安くなったとき、ニューヨーク相場の安い時分を見計らって買付をすることができると思うのです。そんな関係ですから、日本商社通産省から手にした外貨で買う時分には、ずいぶん高いものを買うのじゃないかという、しろうと考えがあるわけなんですけれども、この点はいかがなもんです。
  429. 中島幸三郎

    ○中島参考人 通産省の割当ということを言われますが、われわれとして商売をする上においては、日本の国というものとわれわれというものは——私は今外人の商社に使われておりますから、その人格で言うわれわれですが、日本砂糖ということに関しては、消費というものが年間幾らということは知っております。これはどの本にも書いてあります。そうして砂糖というものは、正月だけ食って盆には食わないというものじゃないですから、月々消費が均分されております。そうしてそれを生産する精糖会社というものは平均に稼働しなければいけないということは、もうだれが考えてもわかることなんです。それに対する入船の状態を見て、そうしていつごろになったら切れるかということを考えて、そうしてそのために切れないように持ってくるということに商人としてのサービスがあって、そうしてそれによって、あるときには、これは相対ですから、ほしいところには一ドルでも高く売る、ところが持ってきても、持ってこようとしても、そんなの要らないと言われたら、お願いしますと言って買いたたかれることもあるというのは、これは国際的のこういう原料商売の常道でありまして、通産省の外貨発券の時期がいつであるというようなことは、単に金融操作上において金がいつごろ回収できるかということの参考にするにすぎませんです。
  430. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、あなたの方が力を入れて一万トンの砂糖横浜まで持ってきて、長い間保管しておった、こういういわば買手があるのかないのかという危険な状態でもしあるとするならば、これは大へん危険なわけですけれども、日本の状態というのは、その時分砂糖を国内ではかなり必要としておる状態なわけですけれども、そういうときにあなたの方はいかなる手がこの場合打たれるものでしょうか。
  431. 中島幸三郎

    ○中島参考人 アリストテレスという船で持ってきました一万トン、正確にいいますと、九千八百七十六トンに関するお尋ねのようでありますが、それについて申し上げますと、十一月に入って何月かに出まして、その間足かけ八カ月というふうに言っておられますが、われわれの考えとしましては、八カ月であっても、いわゆる宙ぶらりんの期間というものは、八カ月とは考えておらないのであります。十一月に入りましても、倉庫に入っておった間は八カ月でありますが、そこのところはあまりややこしく表現しますと、込み入りますから、たとえば私が売ったとして申しますと、ライセンスを見せてもらって砂糖を積んできました。ところがライセンスが切れた。ところが買手の方ではそいつは延びるのだ、こういう話がありますと、十一月に着いたものでも、やはり一月ころまでは何とか延長してもらえるという希望を持っております。それから大体新年度になりますと、新しい予算が出ますが、新年度は四月一日、そうすると大体三月ころになれば、こっちの方でさばけなくても、あっちの方でさばけるという気があるのであります。この場合ほんとうに心配したのは二月一本でありまして、大してわれわれとしては冒険とは思っておりません。というのは、日本では毎日、毎月砂糖を食っていて、そのためには原糖を持ってきて、精糖会社がそいつを溶糖することが仕事であるという確信のもとにやっておりますから、八カ月という数字に立ってのかような心配と、私の申し上げました心配とは違っております。
  432. 山田長司

    ○山田委員 あなたの方で心配しておらないという理由は、あなたの方の実力をもってして、キューバやブラジルの砂糖日本が必要とする量を知っておりますし、さらに世界の市場の状態を知っておるというようなことから、必ずほうっておきさえすれば日本が手が出てくるのだ、こういうゆとりがあるから、ちっとも心配せずにいるのじゃないかと私ども思うわけです。その点どうですか。
  433. 中島幸三郎

    ○中島参考人 先ほど業務の点で落しましたが、われわれの親会社の方では、韓国及び香港にも関連会社があります。従ってこれは記憶違いになるかもわかりませんが、このアリストテレスの砂糖に関しましても、たまたま当時韓国でICAの資金が出て、韓国でも砂糖が要るとかいうふうなことで、需要というものは日本だけを対象にしたのじゃなくて、韓国及び香港の需要ということも考えております。その実例といたしましては、砂糖を長く置いた場合には、税関の方から収用延期の願いを出してもだめだから、こいつは積み戻しをせよということで、許可をいただきまして、韓国に積み戻しをしあるいは損を忍んで香港に積み戻しをしたこともございます。というふうに、われわれの財力をもってすればどうだこうだと言われましたが、私が考えますのは、財力ではなくて、商業活動の広範囲と好判断によってこういうことができた、こう思っております。
  434. 山田長司

    ○山田委員 ニューヨークの相場が世界の糖業界を動かしておるそうですが、日本の国内の場合などちっとも砂糖は安くなっていないのですね。最近安くなっているというのに……。何か前に価格差益金を三十億、精糖工業会などは政府に献金をして、それ以後というものは何か暗黙のうちに砂糖の値段というものをずっと現状にしておくんだというふうな流布される言葉を聞くのでありますが、そういう点、あなた方業界で日本砂糖の値段を見ておられて、国内の砂糖がどうして今のような状態でいるのか、専門的な意見を一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  435. 中島幸三郎

    ○中島参考人 これは私の会社を離れましての、個人としての意見になりますが、結局所要に満たざる数量を逐次入れるというふうなことがあればそういうことが起ると思います。戦術でやります、所要に満たざる兵力を逐次投入しても何にもならぬというふうなことが心理的に相場に及ぼすのではないかと思います。おわかりになりませんか。日本中の消費量というものがたとえば百万トンというふうに据え置かれますが、消費量というものは値段に関係がございます。値段というのは一般の小売値段とお考えになって、それが安くなれば消費量がふえるわけなんです。そうすると今度はその逆作用として砂糖がもっと要る。ところがこう言っちゃ悪いですが、通産省あるいは農林省でやっおられてる方へそういう反響の来るのがおそくて、そこにギャップが起るのじゃないか、こう思うのでございます。というのは、すぐにさっと適宜の処置をとろうと思いましても、先ほど言われました、一年中の予算を一ぺんに出せというようなお説がありますと、一年中の予算を一ぺんに出してしまう。そうするとあと何にもないから、これはたとえての話ですが、砂糖が一月に少くなったから出そうと思っても、ことしの予算は一ぱいだから来年度の予算まで待て——今まではこういうことはございませんが、こういうことも起り得るわけでございます。そのために、通産省でもこま切れと言われるようなことをおやりになったので、私どもとしては、個人の考えでありますが、こま切れの方に賛成したいのです。何も、外商用に使われておりますから、暴利をむさぼるとか、値をつり上げるためではなくて、その方が普通の方法だ、個人の意見としてはこういうふうに思います。
  436. 山田長司

    ○山田委員 さっきあなたはおられなかったわけですが、立川研究所理事長さんのお話などで、日本特許が外へ出たりする話を伺い、さらに日本の商品はプラントを輸出するようなことがかなりあって、そうして外貨をどんどんかせごうという努力がされているようですけれども、将来それでは日本の商品を買ってもらうことができなくなる危険があると私は思うのです。そういう点、日本の商品を作っておるところの人たちの将来性を考えますときに、今容易ならない事態にある感じがするわけなんです。オリエンタルの支配人さんにお答えを願うのは容易でないと思うのですけれども、その点どうお考えなんですか。
  437. 中島幸三郎

    ○中島参考人 私の知識と経験をもってしまして、こういう席上で意見を申し上げるということは私にはとてもできませんから、これは御辞退いたします。
  438. 山田長司

    ○山田委員 あなたの立場では御無理もないと思うのですけれども、やはりアメリカの会社の社長さんのもとにあって働いておられる支配人として、二重人格のような話になりますけれども、やはり日本国民としてお考えになられてみたときに、私は容易ならないことを痛感するのですよ。あなたの立場で、そのことを言えというのは、私も非常に残酷のような気がするのですけれども、何かその点の御意見を、支配人としてでなくてもけっこうです、お話になっていただけないものでしょうか。
  439. 中島幸三郎

    ○中島参考人 先ほど御辞退しましたのは、あのとき申し上げた理由のみでございまして、それ以外の理由はありません。ですから、しいて意見を言えといわれましたら、意見というよりも、過去の経験——私は中学校を出てすぐ貿易屋の小僧にやられて、自転車に乗って、それから出発したのですが、そういうふうな中間に戦争というものがあって中断されましたが、そういう時期的に長い経験から申し上げますと、戦争が始まる前の昭和十年十二年ごろに、イギリスの議会で、日本製のくつ下を議員が振り回して、日本の綿業に対する脅威を叫んでおった時分に、すでにわれわれがやっておりました仕事においては、香港で同じような香港商品が今度は日本商品に対抗するという脅威を感じたのであります。ところがその香港日本にあとから追っついてくるというふうなことが現在どうでありますかというと、日本の商品というものが高度化されて、香港は安物をやっておるが、日本は高度化されたものを輸出するというふうに、ちゃんと日本自体として解決しておるように見受けられます。これから先も、プラントを輸出するということによって、局部的な不利はあるかもわかりませんが、それをいかにして切り抜けるかということは、われわれ日本人の共通の宿題でありまして、われわれが努力してこいつを切り抜けるよりしようがない問題じゃないかと思います。これは見通しの問題ではなしに、決心の問題であると思います。
  440. 山田長司

    ○山田委員 決心の問題というお話ですが、それは時代の進化とともに、日本の国内においても踏み越えた形で行けるいろんな産業が起らなければならぬと思いますけれども、さしあたって日本の商人が困ると私は思いますので、そういうことを申し上げたわけなんです。  次に通産当局に、今のような場合のことをどうお考えになられるか。
  441. 長橋尚

    ○長橋説明員 その点は無為替輸入許可をいたします際にも当然に検討された一点であると存じますが、しかしながらこの場合には特許を受ける権利の範囲が、台湾を中心といたしました香港、中国本土というふうな契約の文面になっていたわけでございますが、中国本土の問題は、当時さしあたっての問題になるとは考えられておりませんでしたし、さしあたって台湾香港というふうなごく一部の地域でございましたし、そういうふうな意味で、御指摘のようなマイナス面と、さしあたってこれがプラス面と申しますか、この場合無為替輸入になりましたので、積極的な外貨収入ということにはなりませんでしたが、消極的な収入になる。それからまた相当な対価を得られるというふうなことがプラス面としてあったわけでございます。その辺ほかの論点と合せまして、総合的に判断いたしまして、本件許可を認めるもやむを得ないのではないかというふうな結論に到達したものと了承いたしております。
  442. 山田長司

    ○山田委員 柴谷さんにちょっと伺いたいのですが、今度の一万トンの砂糖横浜へ陸揚げされた問題につきましてあなたの方の銀行は、日本のこちらからの注文によって輸入に協力されたという形になるわけなんでしょうか。ちょっとどういう事情になっているのか一つお教え願いたいと思います。
  443. 柴谷重夫

    ○柴谷参考人 香港上海銀行の柴谷でございますが、ただいまの御質問につきまして、ちょっと御返事申し上げます。この件は、もともと日本の内地で商談ができて、外国から品物を輸入するという通常なる商取引の出発点ではないわけです。私の銀行の一万トンの輸入にタッチいたしましたのは、昭和三十年の十一月の十一日でございましたか、香港の方から——香港に私どもの店がございますので、香港の店から船積み書類を東京の方へ送って参りまして、船積み書類——一切のBLその他の書類でございます。この荷物は日本横浜へ着くから、この書類を保管してくれ、こちらの指示があるまで保管しておいてもらいたい、追って後ほど指示を出すからというので、香港の方からの指示に基いて、私の方でその書類を保管したわけです。しかし現実の問題としまして、十八日ごろに本船が入港することになりまして、そのままに置いておきますと、善意の第三者の管理人になりませんので、一応荷揚げをしまして、管理の手続をとったわけです。ですから日本でこれを普通の商取引でございますと、日本商社がアメリカならアメリカの商社に発注いたしまして、この荷物を日本に持ってきまして、日本輸入為替管理法の輸入許可証、またはそれらの法規に基きまして、国内法的に輸入されまして商取引が完了するわけであります。この場合はこの書類は香港の方から東京香港銀行に送ってきた、そうして香港の指示に基いてわれわれはそれを荷揚げして、香港銀行の名前で管理をするような手続をとったわけでございます。
  444. 山田長司

    ○山田委員 どこが銀行にそういう指図をしたものなんですか。
  445. 柴谷重夫

    ○柴谷参考人 どこがと申しますと、これは香港とニューヨーク——香港で受けた商談に基く輸入貨物であります。ですから国際貿易でございますので、ニューヨークの私の方の店ではそれに対する代価は支払っておるわけです。輸入貨物に対する代価が国内で決済されて、外貨でもってそれを送金されない以上は、国際貿易じりというものは調整されないわけですから、あくまでもそれが最後に決済されるまでは銀行の一種の担保物件であります。ですから香港とニューヨークの商取引に東京が介入したわけです。それで香港における商取引の内容というものは、残念ながら私は東京でございますので、どういう条件の信用状が出たかということは東京の店としては全然わかっておらないはずです。普通の商取引のケースと違いますので、御判断がむずかしいかもわかりませんが、今申し上げましたような状態で、東京香港銀行が品物の管理者となった。
  446. 坂本泰良

    坂本委員長 そうすると、あなたの方の銀行ではこの品物を買ったわけですか。その点どうなっておりますか。
  447. 柴谷重夫

    ○柴谷参考人 買うといいますか、これは外国為替が付帯している取引でございますので、ニューヨークの店で——これはニューヨークの話は出さない方がわかりやすいかもしれませんが、ニューヨークの私の店が、その船積み書類に基きましてシッパーに金を払うわけですね。その荷物がこちらへ参ります間は、香港の借りになっているわけです。ニューヨークが香港のためにシッパーに金を払った。ですから香港は借りになっているわけです。この荷物といいますか、書類に基く為替決済されるまでは。ですからその間はやはり借りになっている方の香港の管理の荷物になるわけです。業者から為替外貨が授受されましたときに、初めて業者の所有物件になるわけです。これは国際間の荷付為替の取引の定義だと私は考えております。
  448. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この機会になお参考人の柴谷さんと中島さんに何かとお伺いせねばいけませんが、少し時間がおそくなりましたので、明日もお二人はぜひ継続して御出頭願えるようにしていただきたい。これは一つお諮り願いたいと思います。  もう一点だけ中島さんに聞いておきますが、あなたは中国人周とは相当前からお知り合いですか、それともいつごろからお知り合いになっておりますか。
  449. 中島幸三郎

    ○中島参考人 この件に関連して初めて知り合いました。個人的関係はありません。それから会ったのはうちの事務所のみでございます。
  450. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたは、周の身辺に何か異変があったというようなうわさは聞いたことがありませんか。
  451. 中島幸三郎

    ○中島参考人 昨年聞きました。香港でなくなった。しかもなくなった事情がよくわからない、こういうことを聞いております。
  452. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは何か殺害されたというようなうわさではないですか。
  453. 中島幸三郎

    ○中島参考人 これは聞いた人のまた聞きでありますが、そのまた聞きの最初聞いたときの言葉の陰影では、そういうことをにおわすような言い方であったように記憶しております。
  454. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 ちょっと中島さんに今の周という人のことで伺いますけれども、今あなたは香港でなくなったということをお聞きになった、こういうのでございますが、これは東京でなくなっている、そういうことをお聞きになりませんか。
  455. 中島幸三郎

    ○中島参考人 今の教えていただきましたことは、全然初耳であります。
  456. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 この周という人と一緒に仕事をしていた人がございますね。それを御承知でございますか。
  457. 中島幸三郎

    ○中島参考人 一緒に仕事をしておったといいますが、私どもの会社との関連はこの砂糖だけでございますから、従って私が一緒にと申しますのは、砂糖に関して周さんが一緒にやっていたといいますと、先ほど松平さんというお話が出ておりましたが、あの方以外には記憶はありません。
  458. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 私のお尋ねをいたしておりますのは、限局されて本件砂糖輸入の問題に関して、その松平という人以外にあなたのところを訪ねている人を御記憶ございませんか。
  459. 中島幸三郎

    ○中島参考人 記憶にはございません。あったかもしれませんが……。といいますのは、理由をあわせて申し上げますと、私どもの会社における私の仕事は大体日本関係でありまして、たまたま周さんの問題で私が関知したのは、周さんの英語があまりわかりにくいので、二人で聞いて真意をつかもうというふうなことで呼ばれたので知っておりますので、そういう事情からしまして、私にはほかに人が来たかどうかということは、事実であるかどうかは存じませんが、私の記憶には全然ございません。
  460. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 明日はどの程度の御質問ができるかわかりませんが、刑事局長も御出頭願うようにお手配を願っておきます。
  461. 坂本泰良

    坂本委員長 それでは本件に関します調査は、時間の関係もありますので、本日のところはこの程度にいたします。     —————————————
  462. 坂本泰良

    坂本委員長 この際お諮りいたしたいことがあります。すなわち両党の理事の御協議、了解を願ったのでありますが、本日御出席になっておりまする柴谷重夫君、中島幸三郎君の両参考人に対し、明十二日に再び御出頭を願い、実情を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  463. 坂本泰良

    坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  参考人各位には御多用中のところを当委員会の調査に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。お聞き及びの通り柴谷参考人、中島参考人には御苦労ではありまするが明日午前十時に御出席下さいますようお願い申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十三分散会