○本名
政府委員 北海道のビートの生産は、たびたび
振興局長からも
お話がありましたし、私も申し上げました
通り、これはもう当然なさなければならない農業経営の柱であると考えております。そういう観点から、
北海道の生産状況、
工場の分布状況を考えますと、三十二年、三年度から
工場を設置したいのは、どうしても道南方面であります。ただ道南方面は、気象状況その他の
関係がありまして、必ずしもビートでなくても、他の換金作物でやれるというような、農民の一つの安易感がないわけではありませんが、しかし寒地農業の全体から、特に
北海道全体から考えますと、道南にまず着手するのが一番妥当な行き方と私は考えております。しかしながら、御承知の
通りにこのビート
工場の経営あるいは設置というものは、これは認可事項ではなくて、企業者が自由に
計画し、自由に建てられる企業であります。その場合に、われわれはまず道南で着手することが、
北海道の農業経営の安定あるいは砂糖の増産の上からいって妥当であると考えましても、企業者がこれに応じられない、あるいは企業
計画がこれに乗ってこないという場合には、これはどうも
政府としても、どうしても道南にやれということは強制できないような仕組みになっておると考えております。その場合に、たまたま
芝浦精糖が非常な熱意を持って、原料生産の非常な伸びの増大が予測される北見地方に建てたいという
計画をなされた。これは企業者として、土地の選び方としては私は妥当と思いますが、ただこの北見地方が、芝浦が適当であるか、
経済連が適当であるか、あるいは日甜が適当であるか、いずれにいたしましても、あの地帯は三ないし四
工場は運転操業できるだけの耕作面積は持っておりますが、その順序とか、あるいは年次割というものは、どの
会社が妥当でどの年次が適当であるかということは、当時の
農林省の担当者がおきめになったことであろうと思います。結果から言いまして、
北海道の冷害が重なるにつれまして、農民の経営意欲も変りまして、今後においては北見に三
工場あるいは道南に一、二
工場、将来はその他に建設されても、決して過剰設備ではないというような今日の段階から想像いたしますれば、企業体の選別そのものよりも、今後
計画的に逐次
工場が建設されるということが非常に妥当なことであり、今日においては、今までの
計画を実現することに何ら支障がなかったように考えております。