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1958-02-01 第28回国会 衆議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月一日(土曜日)     午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 坂本 泰良君    理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君    理事 田中 彰治君 理事 山本 猛夫君    理事 吉田 賢一君       堀川 恭平君    青野 武一君       淡谷 悠藏君    猪俣 浩三君       小川 豊明君    上林與市郎君       細田 綱吉君    山田 長司君  出席政府委員         行政管理政務次         官       榊原  亨君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局長)  高柳  保君         農林政務次官  本名  武君         食糧庁長官   小倉 武一君  委員外出席者         行政管理庁事務         次官      岡松進次郎君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部長)    松岡  亮君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部食品課長) 筒井 敬一君         会計検査院事務         官         (第一局長)  大澤  實君         会計検査院事務         官         (第四局長)  中川  薫君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 一月三十日  委員野澤清人辞任につき、その補欠として三  浦一雄君が議長の指名委員に選任された。 二月一日  委員神近市子君及び上林與市郎辞任につき、  その補欠として猪俣浩三君及び小川豊明君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書  歳入歳出の実況、政府関係機関の収支及び国有  財産に関する件      ————◇—————
  2. 坂本泰良

    ○坂本委員長 これより会議を開きます。  昭和三十年度決算議題といたします。本日は右件中農林省所管につきまして質疑を行うことといたします。発言の申し出がありますので、順次これを許します。山本猛夫君。
  3. 山本猛夫

    山本(猛)委員 食糧庁長官にとりあえず——長官は前回の当委員会で、資料要求には応ずるということをおっしゃっておられる。まだ提出されていない部分に関しては順次提出をするごとにやぶさかでないということもお答えになっている。そうして本員の要求いたしました、具体的な資料という前提のもとで要求しておりまする資料の提示にも同意されたのであります。問題は、誠意の問題と期間の問題、長官がせっかくお答えになっておりますにもかかわりませず、第二部長及びあなたの下僚である食品課長はこれにこたえようとしておりません。いただきました資料は、ことごとくとは言いませんけれども、抽象的であり、あいまいもことして、砂糖行政運営に関する真髄を把握するのに困難であります。でありますから、長官が御勉強になっていればきょうお答えを願いたいし、御勉強になっておりませんければ、二部長食品課長に命ぜられて、本員の要求事項に関してすみやかに実施されるようにお取り計らいを願いたい。  それはまず第一に昭和二十八年度以降の粗糖輸入に関する資料、そのうちの第三番目、と申し上げておりますことは、記録において御承知でございましょう、各年度別の各商社並びに各団体割当納税実績、それと販売先、どうしてこういうことを申し上げるかというと、食糧庁ことごと実績々々ということを言われます。納税実績溶糖実績ことごとにこういうことを口にされておりますにもかかわりませず、こういう資料要求になりますと、ほおかぶりをしておられる。長官はイモの煮えたも御存じないということでありますれば、これはいたし方がないといたしましても、二部長食品課長はそうはいきますまい。再度あなたの心がまえを伺っておきたい。
  4. 小倉武一

    小倉政府委員 納税実績につきましては、先般の当委員会でそういう資料提出の御要求がございました際に、たしか本委員会のどなたかの委員の御注意で、それはむしろ国税庁当局要求した方がいいのではないかというような御趣旨もございましたと思うのでありますが、そういう関係で私どもからお出しするのはいかがかと思って、たしかお出しはしていないのではないかと思います。それから商社別販売量お話でございますが、おそらく製糖業者別販売高と思いますが、これは私どもで常時資料があるわけのものでもございませんので、各商社に対しまして現在照会中でございます。なおいろいろ先般御要求事項につきまして夫提出になっております事項は、役所の手元の資料としてございませんので、多くは照会中のものに属するのであります。
  5. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは別な角度からお尋ねをいたします。現在の全溶糖量というものは年間百二十万トン、これは三十一年度においての数字であります。この百二十万トンのうち、精糖工業会に所属しております生産者、すなわち工場メーカーは実に百十万トンの多きに達する割当を保有しておる。これは御承知通り昭和二十九年六月をもって生産設備を限定せられましたことによって生じた割当のパーセンテージであろうと思いますが、これはいかがであるか。
  6. 小倉武一

    小倉政府委員 精糖工場に対する粗糖割当は、お話のようなことで二十九年の設備能力、これを基準能力としてはいたしております。割当の方法としては、設備能力その他の考慮の仕方は年によって若干違いますけれども、主として当時の実績能力というものがベースになって今日に及んでおるというのは、ただいまお尋ねのようなことでございます。
  7. 山本猛夫

    山本(猛)委員 もう一つ明確にしておいてもらいたいことは、百二十万トンのうち、あとの十万トンの配分はどうなっているか。
  8. 小倉武一

    小倉政府委員 割当につきましては、これは御承知通りでございますけれども割当に二つございまして、製造家というのですか、砂糖でございますれば精製糖業者に割り当てます分と、それから輸入商社に割り当てられる分がございます。最近大体二割は消費者割当にいたしておりますので、おそらくその部分のことのお尋ねかと思います。
  9. 山本猛夫

    山本(猛)委員 そこで長官、おかしいところが出てくるのです。あなたの言う納税実績国税庁の方に譲るとしてけっこうです。けれども溶糖実績ということになりますとどうなりますか。百十万トンは精糖工業会に所属するメンバーに割り当られるから、溶糖実績はむろんできるわけです。けれどもあとの十万トンがことごと溶糖実績となって現われるかどうか、長官承知ですか。
  10. 小倉武一

    小倉政府委員 消費者に割り当られましたものは、必ずしもメーカー割当と同じ比率でもって各メーカーにいくとも、別にこれは制度の上できまっておるわけではございません。商社がどこにどういうふうに処分するかということについては、特別の制約も原則としてはございませんので、それは粗糖を加工する精製糖業者輸入商社との間の取引の問題になろうかと思います。従いまして私ども加工精製糖業者溶糖実績を把握いたしますには、御承知通り精製糖業者に対する直接の割当だけではこれは把握できませんので、それ以外にお話のような点も把握しなければメーカー別溶糖実績はつかめない、これはお話通りでございます。
  11. 山本猛夫

    山本(猛)委員 だからあなたは何も知らないと言っているのです。そんなことを知らないで食糧庁長官が勤まりますか。あなたは何も知らないじゃないですか。百二十万トンのうち百十万トンは、これは生産者へ行くから、生産機構を持っている、溶糖設備を持っているから、これは溶糖されるということに関しては、常識上だれも疑わない。けれどもあとの残された十万トンは溶糖実績がどうなるのだと言うと、そういうあいまいな返事をする。なぜもう少し勉強しておかないのですか。十万トンは消費者に割り当てるならば、溶糖実績溶糖実績ということをなぜあなたの下僚である二部長食品課長は言われますか。十万トンが十万トン全部消費者へいくのであるか。今資料を持っておいでにならないとしたら、その十万トンの行く先について資料提出を願いたい。
  12. 小倉武一

    小倉政府委員 お話通りと思いますが、役所の方で割り当てる場合は二つございますから、メーカー割当だけでは溶糖実績はわからない、これは御指摘通りであります。従いましてこちらとしては、こちらで割り当てたもの以外も含めて精糖業者がどの程度溶糖したかということについての実態を把握をしなければ溶糖実績がつかめないことは、これはお話通りであります。そういう消費者割当部分を含めて、そうして全体として幾ら溶糖したかということが、溶糖実績として申し上げられるべき数字のものである、こう私も存じます。
  13. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それは御承知ないのですから、しどろもどろになられるのは無理もありませんけれども、まあよろしゅうございましょう。それでは十万トンに関する明確なる資料の御提出をお願いいたしましょう。  それではあなたの方から御提出になりました資料に基いて一つお尋ねをいたします。御提出になりました一月二十八日食糧庁提出資料のうちの精糖会社別資本金の推移、このうち一つお尋ねをいたします。昭和二十三年八月五日に資本金五十万円をもって設立されました名古屋精糖株式会社、設立当時の資本金が五十万円でございますものが、昭和二十九年六月現在の場合に十二億とあります。食糧庁粗糖割当その他必要によって監督指導をなすっておられるでありましょうが、二十三年から二十九年と申しますと、わずか数年の間に五十万円の資本が十二億になっている。これはどういう経緯をもってこういう膨大な数字に変っていったか、その御説明を願いたい。
  14. 小倉武一

    小倉政府委員 特に名古屋精糖について、どういう経緯でそういうことになったかという説明をしろ、こういうお話でございますが、そういう個別の問題につきまして私詳細存じておりません。従いまして遺憾ながらお答えいたしかねますが、当時名古屋精糖に限りませず、全体の精製糖業界といたしまして考えられますことは、外貨不足折柄砂糖の需要に対しまして外貨割当が非常に少いということでありますから、外貨割当を受ければそれだけ特別の利益を得る機会が非常に多かったということが各製糖業者利益を非常に多くした一つの要因であると思います。これは設備能力というようなことが一つ基準になっておりましたから、そういう際に新しくどんどんと設備を拡大する会社が、また特別に利益も多くなる、資本もまたふやす機会が多くなった、こういう事情名古屋精糖にも現われているのであろう、こう存ずるのであります。
  15. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それは長官お説の通りなんですよ。拡大の必要がなければ、損をしたりなんかして拡大強化しません。だけれども、たった五十万円ですよ。常識で考えたって、昭和二十三年といえば、戦争が終りまして、大体新しい日本の建設の基礎も強固になってきた。そして経済界安定度を高めた。これが戦争前の昭和十三年の五十万円が昭和二十九年の六月になって十二億というなら、まだわれわれは納得のしようもあります。あなた方は保護政策をおとりになっているのでしょう。この二十九年六月をもって線を引いた保護政策というものはどういうものなんですか、これを一つ聞かして下さい。
  16. 小倉武一

    小倉政府委員 二十九年でもって線を引いた保護政策という御趣旨がよくわかりかねますが、おそらく外貨割当基準といたしまして設備能力一つ要素になっておりましたから、その設備能力を二十九年の六月でストップしておるということであろうと思います。これは御質問の御趣旨でございますが、既存の精製糖業者保護する、こういうのが実は主眼ではないのだと思います。結果的にはあるいはそういうことになるのはむしろやむを得なかったというふうなことではないか。と申しますのは、当時の状況、今日もほぼ同じようなことが言えるのじゃないかと思いますが、設備能力割当一つ要素にいたしますれば、どうしても設備を拡張する、改良する、こういうことになりまするし、また新しい会社を作るというようなことになります。そうしますと、たださえ外貨必ずしも十分でなくて、外貨関係が自由になる見通しがつかないようなときに、新しい設備にどんどんと外貨を割り当てていくということになりますと、非常な設備過剰になる、過剰投資がそこに行われてくるということになるおそれがあった、もうすでに当時なっておったというようなことでありますので、それでは国全体として非常に不経済になるというふうなことで、お話のような措置をいたしたのであります。
  17. 山本猛夫

    山本(猛)委員 長官、あなたはいいかげんになさらなければいけませんね。私は具体的に伺っておるのですよ。そんな抽象的な寝言みたいなことを言ったって、国民はこの疑惑を解くことはできません。それじゃ仕方がない、あなたは食糧庁長官ですから、砂糖ばかりおやりになっていないので、御勉強が足りないでしょうからやむを得ないとして、今度は専門の第二部長さんにお尋ねをいたします。  昭和二十三年八月五日に資本金五十万円をもって設立されました名古屋精糖株式会社が、ことに線を引かれたときの数字はあなたの方からお出しになった資料で明確ですが、今日十二倍という膨大な資本金になっておる。あなたは少くとも専門家ですから、あなたからお答えを願いたい。
  18. 松岡亮

    松岡説明員 私も過去十年さかのぼった時代からのことを一々詳細に存じないのでありますけれども、大体考えますと、昭和二十三年当時におきましては自己資金を調達することは非常に困難であったと存じます。そのために資本の構成が一般に借入金が非常に大きかった。しかも名古屋精糖は新設でございますから特にそういったことがあったかと存じます。そのほかにただいま長官から申し上げましたように、設備国内設備が不足しておりましたし、会社の収益も当時の事情からいいまして非常に上る見込みがあったために、全体として設備拡張意欲が非常に高かった。その結果としてかなり設備も拡張されております。それからもちろん当時からかなりインフレーションの結果として、設備評価額も変っております。それらの関係も含めまして、こういう例はほかにもないことはないと私は存じますが、かなり資本が大きくなっておる、さように理解しております。
  19. 山本猛夫

    山本(猛)委員 今当委員会で問題になっておりますのは、つまりお菓子を食べる国民生活経済犠牲において、長官が述べられたように一部少数業者に巨額な利益を与え、保護政策美名に隠れてこういう特殊な業者の擁護をやっておる、こういうことが当委員会の問題になっておるのです。そうしてその中間に立つ全国お菓子屋さん等をも含む中小企業家は、こういう措置によってその犠牲になって逐次倒産する者の数を増大していっている。それにもかかわらず、長官は何も御承知ないと言えばそれまでのことかしれませんけれども、いや業者を助けるためにこういう線を引いたんだ、こう憶面もなくおっしゃっておられますけれども、それが当委員会では問題になっておるのです。  それではこの問題につきまして、行政管理庁政務次官お尋ねを申し上げます。あなたは政務を担当しておられるのでございますから、政務に関するお尋ねを申し上げます。現在砂糖割当方式の誤まてる形の結果が、全国砂糖を材料として企業しておる中小企業者を苦しめ、なおかつその影響するところは、お菓子を食べていく子供をも加えて、全国民生活経済の捨て置きがたい犠牲というものが現われております。よって行政管理庁はこの砂糖行政運営に関して関心をお持ちになったことがあるかどうか。ずいぶんおかしなお尋ねの仕方でありますけれども、あなたは政務を担当する行政管理庁最高責任者でございますから、これを承わっておきます。
  20. 榊原亨

    榊原政府委員 ただいまのお尋ねの件につきましては、行政管理庁といたしましては、まだその方の監査をいたしたことがないのでございます。しかしながら、ただいま御指摘のようなことがございますならば、私どもといたしましても十分関心を持って検討をいたしたいと考えております。
  21. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは今度は事務的に監察局長お尋ねをいたします。監察局長は、今政務次官お答えになりました、砂糖行政に関してはまだ検討をしたことはないということをお認めになりますか。
  22. 高柳保

    高柳政府委員 従来とも正式に監察をすべく検討したことはございません。
  23. 山本猛夫

    山本(猛)委員 今後はいかがですか。
  24. 高柳保

    高柳政府委員 ただいまの御趣旨によりまして十分検討を加えて、監察計画を作るときに検討いたしたいと思います。年間計画を作りますときには、大臣の決裁を得て決定することになっておりますので、その際に検討いたします。
  25. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは、監察局長一つお教え申し上げておきましょう。わが国の毎月、つまり一カ月に溶糖を必要とする数量は十万トンでございます。それにもかかわりませず、現在の割当方式による砂糖行政というものは、先刻申し上げた、三十一年度において全溶糖量百二十万トンとされて、毎月十万トンの要求にこたえるかのような形をとっております。しかも百二十万トンのうち百十万トンは、保護政策美名のもとに行われている。一部生産業者保護を目途とするために割り当てられている。ところがこの特別な恩典である保護政策というものの恩恵に浴しておりますにもかかわりませず、さらに自己利潤追求をするために、明らかに月額十万トンの溶糖量を必要とする国民の要望にこたえることなく、月七万トンないし八万トンくらいしか溶糖いたしておりません。そうしてさらにその価格のつり上げを策するために、割り当てられました当然の輸入さえ、商社に談合してそれを押えている。その結果がスリッページと申しまして、輸入を押えた分量が相当量に達している。それからさらに溶糖せざる繰越糖の現在積み重ねられておりますものを加えますと、膨大なる数字になっております。こういうからくりをやって、保護政策の陰に隠れて、ただいま議題となりましたような名古屋精糖ばかりではありませんが、名古屋精糖のごとく、わずか数年ならずして、五十万円の資本金が、十二億というような膨大な数字にはね上っている。これは食糧庁長官業務第二部長がどういうふうに抗弁されても、数字が厳固として動かすことのできない証拠であります。これはことごと国民生活経済犠牲において、こういう膨大な巨利を得ておると言うのほかありません。こういうような資料を十二分に把握されて、早急にあなたの職責を一つお果しを願いたい。ここでそれをやっていかれる意思がおありになるということは明確になりましたが、いつからお始めになるか。これは三十三年度の予算も上程せられておりますので、緊急を要する事態でございますから、明確にあなたの方のこれからおとりになろうとする具体的な措置に関するあなたのお考えを、ここで明らかにしておいていただきたい。
  26. 高柳保

    高柳政府委員 御趣旨の点本日承わりましたのですが、まだ明年度監察計画は具体的にきまりておりません。他にも重要施策についての監察をするという計画でございますので、御趣旨の点十分検討いたしまして、監察計画に織り込むか織り込まないかを、これから検討さしていただきます。
  27. 山本猛夫

    山本(猛)委員 食糧庁食品課長にお願いをいたします。名古屋精糖神戸工場生産設備状況、これに関する資料を御提出願いたい。設備に要しました請負業者、どういうところに請負をさしてその設備をされたか。それから機械日本国内で作られた機械であるか、あるいはアメリカその他の外国において作られた機械であるか、こういうことであります。それからこの機械外国製であるとするならば、われわれの仄聞するところによりますと、名古屋精糖神戸工場は、アメリカ製機械をもって模範的に作られたものであるということを、名古屋精糖においては大いに宣伝吹聴しておると聞いております。誤まりであれば訂正してけっこうでございますが、そうだといたしますると、外貨割当を得てこの機械輸入されたものに違いがない。もし外貨割当を得てこの機械が取り入れられたものとしまするならば、その経緯を知りたい。  それからもう一つ輸入外貨のことに関しまして、妙な疑惑が伝えられております。これは食糧庁——食糧庁と申しましても、第二部に関する、食品課長身辺との疑惑も伝えられている。こういうようなことに関して、あなたは最近食品課長におなりになったのでありますが、そういうことをお聞きになったことがあるかないか、こういうことを知りたいのです。今申し上げましたことのうち、資料として提出せられる部分と、今お答えになる部分とお分けになってもけっこうでございますが、これをすぐやっていただけるかどうか御回答願いたい。
  28. 筒井敬一

    筒井説明員 名古屋精糖神戸工場資料でございますが、現在役所の方に資料がございませんので、会社の方とも連絡いたしまして、必要な資料を整えて参りたいと思います。また外国製品でありますれば、いかなる形で輸入されたかというようなことにつきましても、できるだけ調査いたしまして御提出いたしたいと存じます。  なお食糧庁の私の身辺についてのいろいろの疑惑ということでございますが、どういう意味か私ちょっと解しかねるところでございますが、さようなことは私のうわさについて、ないということを断言し得るのであります。
  29. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは全般的な問題としまして、農林省本名政務次官お尋ねをいたします。自主調整ということがございます。つまり砂糖行政の中の自主調整といわれておりますのは、先刻来審議の焦点になっておりまする年間百二十万トンの必要量に関してでございます。この年間百二十万トンの目標をもって溶糖に備えて月間十万トンを必要とされる場合に、メーカーは、自主調整の名に隠れて、先刻申し上げましたように、七万トンないし八万トンの溶糖調整を行なって、そうして彼らは利潤追求のみを考えている。その結果国民が非常なる犠牲をこうむっている、こういうような事態に関しまして、今日の砂糖行政方式を可とせられるか、不可とせられるか、お答えを願いたい。
  30. 本名武

    本名政府委員 月間十万トン必要のものに対して、メーカー自主調整をなさるということは、これは限られた外貨輸入量に対する一つ生産手段、特に価格調整その他においてとられる手段としては当然のことで、今日までそれが行われてきたと思います。ただ、御指摘のように、その調整の内容が利潤追求であって、しかもそのことが非常に調整の上に、さらにまた生産の上に、あるいは割当の上に弊害があるかないかということは、私まだそこまで存じておりません。かりに御指摘のように弊害があるとするならば、それをどういう方向で是正するかということは当然考えなければならないと思いますが、ただいまのところでは、業界がみずからその御責任においてなさっていることに対して、一応われわれとしてはそれを認めざるを得ない、認めて参ってきているというような状態でございます。
  31. 山本猛夫

    山本(猛)委員 現在運営されているのをお認めになっていかれるということは現段階においては、政務をつかさどる政務次官としてはやむを得ないという御解釈は一応けっこうかもしれませんけれども、明らかに現在の砂糖行政運営というものは、国民犠牲において一部少数業者に巨富を得せしめるような形をなしておりますことは、まごうかたない事実であります。よって、政務次官は、すでに政治問題化して参りました今日でございますから、十分に御検討せられまして、現在の砂糖行政運営に関しまして、全般的に再検討されるように、一つ御努力を願いたい。ほかに質問委員もたくさんおられるでございましょうから、本日はこの程度にいたしますが、なお小倉長官にお願いしておきます。あなたは食糧庁運営最高責任者としてお忙しいことでございますから、あなた自身で資料をお集めになる必要はないのでございますから、下僚に十分にお命じになって、そうして一部長責任をお持たせになって、未提出資料をできるだけ早く——三十三年度の予算も上程されたことであるからということは先刻も申し上げたのでございますが、三十三年度の予算の審議に当りまして、われわれはこれを前提といたしまして、砂糖行政の再検討を行わなければならないということはあなたも御承知通りであります。どうかすみやかに未提出資料提出せしめられるようにお願いをいたして、本日はこれで一応打ち切っておきます。
  32. 小川豊明

    小川(豊)委員 関連して資料要求を……。昭和三十年に輸入した砂糖の、額、その中に立川研究所の——立川研究所というのは、これは繊維に関係しておる業者だと思いますが、この業者が一千トンの割当を受けているわけですが、これは外貨割当があったのか、無為替輸入であったのか、このことと、それからこの一千トンは実需者に割り当てるという声明がなされておりますが、どういう実需者に一千トンが割り当てられたか、この割り当てられた実需者名と数量別を資料としてお出し願いたい。
  33. 山本猛夫

    山本(猛)委員 会計検査院の第四局長お尋ねをいたします。テンサイ糖買い上げに伴う補助金というものが支給されております。これについて会計検査院は何か検討されたことはございますか。
  34. 中川薫

    ○中川会計検査院説明員 お答えいたします。補助金の関係は費目が非常に多いために従来とも重点的に検査いたしておりまして、私の記憶ではこのテンサイ糖に関連の補助金については従来不当事項として掲記された事例がございません。検査といたしましては、北海道地区でもありますので、徹底していなかったのではないかとは考えますが、さような状況でございます。
  35. 山本猛夫

    山本(猛)委員 簡単に終りますから……。北海道地区であったから徹底していないというのですが、北海道は外国じゃないのですよ。北海道は日本でございますから、どうぞ再認識をしていただきたい。そこで、本委員会食糧庁に対してテンサイ糖に関する資料要求しているのでございますけれども、こいつはまだ具体的なものが出ておりません。今ここで会計検査院の方に具体的にお願いということは困難でございますが、会計検査院はこのテンサイ糖の補助金に対して御検討なさる用意ございますか。今用意がないとすれば、これから用意してやるのだというお考えございますかどうか。
  36. 中川薫

    ○中川会計検査院説明員 農林省の補助金は御存じのように百戦十項目に分れておりまして、そのうちわれわれが不当事項の多いと認められる項目について重点的に検査いたしておりますので、今後においてこの補助金について何らかおもしろくない事態があるというふうにわれわれが感じますならば、重点的にこれを取り上げるわけでございます。従いまして山本委員におかれまして何らかの御示唆がありますならば仕合せに存じます。
  37. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それでは委員長にお願いしておきますが、昭和二十九年、三十年、三十一年、三十二年度のテンサイ糖に関する補助金額総額、それから相手先別の金額、その支給年月、そしてその支給年月ごとの金額、並びに補助金の交付についての算定の基準、こういう資料一つ委員長の手元に集められるように、委員長にお願いしておきます。よろしゅうございますか。
  38. 坂本泰良

    ○坂本委員長 承知いたしました。
  39. 山本猛夫

    山本(猛)委員 それではけっこうです。
  40. 坂本泰良

    ○坂本委員長 それでは農林省所管につきましての質疑は、本日のところはこの程度といたします。     —————————————
  41. 坂本泰良

    ○坂本委員長 歳入歳出の実況、政府関係機関の収支及び国有財産に関する件につきまして調査を進めます。  行政管理庁におきましては各行政機関あるいは政府関係機関業務の実施状況につきまして監察しあるいは調査を行なっているのでありますが、この監察ないし調査を行う際には、当然その経理につきましても厳重な監察を行なっていることと思うのであります。この意味におきまして、国費の使用につき鋭意審査あるいは調査を続けて参りました当委員会とは非常に関係が深いと思うのであります。そこで、この際、国等の経理の実況に関し、行政管理庁におきまして監察あるいは調査をされましたところにつきまして種々と実情を伺い、もって決算の適正を期したいと存じておる次第であります。  それではこれより質疑に入ります。吉田賢一君。
  42. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、一点だけ伺っておきまして、質疑を猪俣委員あとに保留したいと思います。  行政管理庁監察業務は岸内閣におきまして汚職追放等の重要な声明のある折柄、国家の行政業務としてきわめて重視すべきものであることは言うまでもございません。そこで年々の予算及びその現況、決算の実情等を見てみますと、きわめて少額な予算が編成されておるように思うのであります。特に三十二年度の監察計画のごときは各官庁の煩雑、非能率な業務の簡素化を期し、能率化を促進するとともに、官界における綱紀粛正を強く要請せられておる折柄、執務体制の改善あるいは責任体制の確立、こういったことに特別な留意を払って監察計画を実施していきたい、こういうことをあなたの方では御決定になっておるわけであります。ところが現状に顧みますと、たとえば旅費等についてみても、三十年度決算によれば監察業務の旅費は二千九百余万円にすぎません。各地方の監察局がありますから、検査院のごとくにそれぞれ東京から全部出張するわけではありませんけれども、いずれにしましても、業務の管理費などがもっと積極的に予算に計上せられる必要がなかったのかどうか。こういうことについて格別に決算の際顧みて経費が不足しておったように感ずることはなかったのかどうか。こういう重要な職務の執行をするについては特に来年度のごときも予算の内容としても画期的なる積算があって立案をし要求する、こういうことが当然のようにも考えられるのであります。ことにそういう面においては私ども常時非常に不足しておるという声さえ聞くのでありますが、この辺について一応あなたの方の決算を顧み、予算要求、予算編成の過程において業務の完全遂行の角度からどういうふうなお考えを持っておられるか、これを一応伺っておきたいと思います。
  43. 榊原亨

    榊原政府委員 ただいま行政監察について御理解あるお言葉をいただきましてまことに感激をいたしておる次第でございますが、私どもといたしましては、在来の行政監察というものが法律に照らして不正不当ということを一々取り上げて参りました。もちろんこれは重要なことであり、必要なことでございますが、一面におきまして行政が御指摘のようにだんだん複雑化して参りましたので、これに向いましては事務能率というような点の科学的な基礎を持ちました手法を取り入れてやりたいと考えておるわけであります。これはちょうど警察におきましても不正不当のものを検挙いたしますのに科学的手法でもってこれをやっておると同じような関係にあるのでございまして、ことにただいま御指摘のように、私どもは人を使って人の足で歩いていきまして監察をせざるを得ないのであります。一つの事業を起してやるというようなのではございませんので、結局は足、言いかえれば旅費が監察としては重要な要素をなすわけでございます。従いまして、ただいまお話し申し上げましたように、新しい手法を取り入れてやるにいたしましても、また在来の方法によりましても、旅費を多くしなければならぬことは当然なことでございまして、私どももその立場に立って本年度予算においても諸先生方の御後援を得て、その目的を貫徹するに十分なる予算を要求いたしましたが、国としては諸費用が要ることでございますので、いろいろ勘案されて、結局はある程度の増額をいただいたわけでございまして、十分とは申し上げかねますが、この程度においてただいまお話し申し上げました効率的な監察を施行することによって目的を達成いたしたいと考えておるわけでございます。
  44. 坂本泰良

    ○坂本委員長 猪俣浩三君。
  45. 猪俣浩三

    猪俣委員 私は行政管理庁の行政監察局主査でありました高田茂登男氏が免職になりましたことにつきましてお伺いしたいと思うのであります。これは私の質問の目的を申し上げて、適切なる御回答をいただきたいと存じますが、実はある書物を書いて免職せられたということは、終戦後初めてのケースであります。しかもその書物が官庁の内部の事実を表わしておるということで職を免ぜられるということは、非常に特色のある事案であります。そこでこれは憲法第十五条あるいは第二十一条、国家公務員法の七十八条、九十八条あるいは百条、こういう憲法及び各法規との関連において、公務員の身分保障という立場から非常に問題があることが第一点でありますし、なお決算委員会として重大なことは、御存じのように官庁の汚職、涜職は跡を絶たず、国家機関であります会計検査院の「予算は正しく使われたか」というパンフレットを見ましても、毎年々々六、七十億から八十億になんなんとする不正不当なる支出が行われて跡を絶たない。そこでどうしたらこれを根絶できるかということになりますと、いろいろ方途はありましょうけれども、官庁の運営、官庁の実態を国民の前に明らかにして、国民全体の世論を喚起し、国民の汚職に対する追及を激しくする、これが根本的な対策だと思う。民主国家であればあるほどです。しかるに官庁の秘密の名に隠れまして、官庁の実際というものが国民に明らかにされておらないところに、非常な課題が存しておると私は存ずるのであります。しかるに今日、高田氏の罷免というものは、そういうことと関係があるかどうか、はなはだ私どもは疑いなきを得ない。「世界」という雑誌の二月号を見ますと、今回の高田氏の罷免は小型の指揮権発動なりと断定し、高田氏のところには二百通になんなんとする激励の手紙が、北海道から九州の果てからまで参っております。われわれにも数通参っておる次第でございます。そこで、一体どういう理由で、この高田氏を罷免されたのであるか、これは後々のためにも大きな課題であると私存じます。法律関係につきましては、法務委員会あたりで法制局長官の出席を求めて、その真相を明らかにしたいと存じますが、今日私は行政管理庁の当局にお願いいたしたいことは、どういう理由によって職を免ぜられたかということを、明確かつ詳細に御報告願いたい。しかも聞くところによれば、何かごちゃごちゃしておって、さっぱりわからぬそうでありますが、第一点はいかなる理由、第二点はいかなる理由、第三点はいかなる理由として、もし免職の理由が数点ありまするならば、その数点について分解して説明し、かっその法規的根拠を明らかにしていただきたい。私はきょうはその点を伺えば——後日なおその点について各委員からの質問がありましょうけれど、まず私はそれを詳細に承わりたい。これは罷免をいたされました直接の責任者が岡松事務次官になっておるようでありますが、岡松次官来ておりますか。
  46. 坂本泰良

    ○坂本委員長 見えております。
  47. 猪俣浩三

    猪俣委員 では岡松さんから御説明を伺いたい。
  48. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 ただいまの猪俣委員からの御質問お答えいたします。高田茂登男氏を国家公務員法第七十八条第三号に該当するものとして免職いたしました理由につきまして、責任者であります私からその理由を御説明申し上げます。  第一点は、われわれの監察と申しますものは、政府部内の機関でありまして、政府部内の主管官庁と相協力いたしまして、その事務の改善に当っておるわけであります。従いまして監察によって知り得た事項を、中央におきましてそのデータを検討いたしまして——特に監察局におきましては普通の事務のように、局長の下に課長があり、その下に係員があって順次その資料検討されて上ってくるというのと違って、特に局長の下に審議官という制度を設けまして、五人の審議官と局長で部内的に監察会議というものを設置しておりまして、出て参りました資料を慎重に検討いたします。これは御承知のように一つの高度な判定事務でございますので、そういう部内的でございますけれども会議組織で衆知を集めて検討いたしまして、監察結果をまとめておるわけであります。従いましてその過程におきまして、——終局は大臣の決裁によってきまるわけでありますが、最後の監察結果とそれに基くどううい項目を勧告するかということは、そういう慎重な手続を経て検討しておるのでございます。従いましてそれ以前におきまして各係員が得た資料をみだりに発表するということは、終局の監察結果に影響を及ぼすことがございますので、固くこれは禁止しなければならぬ立場に立っておるわけであります。従いまして発表は監察局長がするということになっておりまして、監察局長は上司の許可を得なければその内容を他に発表してはいけない、提供してはいけないということを執務上きめておるわけでございます。これは監察業務運営要領——これは訓令でありますが、その第十七条によりまして行政監察局長措置すると規定されております。またそれを受けまして、行政監察に従事する職員の服務規程、行政管理庁達でありますが、その九条には「職員は、職務執行にあたって知り得た秘密を如何なる場合にも他人に漏らしてはならない。」以下十条には「職員は、上司の指示又は許可を受けた場合の外、外部に対し資料の提供その他発表を行ってはならない。」と規定してございます。かくのごとく部内的な規則によりまして発表を禁止せられておりますのに、再三出版中止を勧告されたにもかかわらず、あえてこれを刊行したことは、明らかに義務違反であると判定した次第であります。またこの記事、「不正者の天国」の内容はほとんど過去の監察結果報告より取材しておるわけでありますが、その記述の内容におきまして非常に事実無根のものもございます。また事実を否曲、誇張した部分も非常に多いのであります。また御承知のように監察報告書というのは、ものによりましては三百ページも四百ページもありまして、それを全部一読しますれば非常にわかるわけでありますが、その一部分を抜き出して、いかにもそこだけが不正、不当というようなことに書きますと、これは非常に誇張した部分になってくるのではないかと思われます。あれを読みまして当庁の信用が著しく傷つけられ、また行政全般に対して非常に不信の念をむしろ国民に抱かせるというようなことを認めまして、この出版行為は職務上の義務違反であるというふうに考えたわけでございます。従いまして、以上のような二点に照らしまして、国家公務員として不適当な行為であり、公務の秩序を著しく破壊するものであるというふうに認めました。  なお、本人は反省悔悟の情を示しておりませんので、今後におきましても同様な行為を行うおそれが多分にあり、従いまして今後国家公務員として忠実に職務上の義務を履行して、公務の秩序を維持することは、本人に期待することができないというふうに認めまして、第七十八条三によって免職処分に処した次第でございます。
  49. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたの説明を聞いておりますと、第一点としては公務員の義務違反である。そうするとこれは国家公務員法の第何条に当るというふうに認定されたのですか。
  50. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 規定する公務員法は七十八条の第三号でございます。今申し上げました七十八条は御承知のように不適格条項でございます。
  51. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたの第一点として説明したところによると、いろいろの部内の規則あるいは監察局長の達、そういう法規に義務づけられておるその義務に違反したということになると、これは国家公務員法の百条に義務違反者の制裁があるはずであるが、その百条じゃないですか。あなたの説明によると百条になると思うのだが、それをどういうわけで七十八条のところに持ってきたのですか。
  52. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 百条はいわゆる秘密を漏洩したということになろうと思いますが、われわれの方は秘密事項もございますが、必ずしもこれが全部国家秘密とは断定できないと思いますが、いわゆる部内の規則によりまして、監察というもののあり方から考えまして、ある程度の発表ということが部内的の秩序を保つ上において制限されております。その規則に違反した義務違反と断定したのであります。
  53. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、国家が要請するところの公務員の秘密保持をする義務に違反したのではないのだが、結局どうも言うことを聞かないので、なんだか部内の秩序というものが維持できないというふうに認定したということになりますと、どうも世間でいうことがほんとうのことになると思うのだな。つまり自分たちの都合の悪いことにふたをしようと思うけれども、それができないから、これを異端者として免職してしまう、そういうことになるのじゃないですか。それは国家に損害を与える秘密を暴露したということになれば、公務員の義務違反として追及することも当然でございましょうけれども、部内の秩序を維持することが困難になったということ、これは憲法の第十五条の本質を皆さんが理解しておらないことじゃないか。公務員の罷免権は国民にあるのだ。諸君はただその国民の代弁者にすぎない。公務員を任免することが国民にあることは、憲法十五条の明記するところです。これが民主国家の姿であり、民主憲法の精神である。一官僚が自分の手前勝手に免職したりすることは許されない。国民に損害を与え、国家の運命に損害を与えるようなことならば、これは秘密を守るべきものであって、これを犯す場合においては、国民にかわって上司が免職するということはあり得ましょう。しかしこの毎年の汚職ほどうです。会計検査院の発表でも七、八十億、その道の専門家の言うところによればこの十倍はあるというのです。一千億になんなんとする不当不正の支出があることは明々白々である。わが国の財政は貧弱である。その貧弱のうちに一千億になんなんとするような不正不当の支出が行われていることになれば、国民に与える損害は重大であります。先ほど申しましたように、この汚職を根絶するには国民の批判力を高め、官庁のやっていることに鋭い監察の目を向けさせなければいけない。これが汚職根絶の根本であります。この罷免権は国民にある。その国民にかわって上司が行うのです。しからば、すべて国民の利害から考えて免職すべきやいなやを考えなければならぬ。単に自分たちの内輪のことを言われて、監督上ちょっと都合が悪いというようなことで免職するということは許されない。これは、あなた方が七十八条に持ってきたことに多大の疑問がある。国家の機密を漏洩したならば百条で懲戒すべきものなんだ。それを七十八条に持っていった。これは権利の乱用だと私どもは考える。しかし、今その点につきまして法律家じゃない諸君と論争しても始まらぬが、その事情を明らかにしたいのです。今まであなた方が言うたその通達だとか規則だというものを一つ委員会提出していただきたい。非常に憲法違反の規定が多いと思う。そんな手一前勝手の官庁の秘密主義というものは、専制政治のなごりでございます。これを隠れみのとして役人は長い間国民から特権的な地位を占め、そして悪いことをやっておる。このとびらを開かんとした著者を首にしてしまうことは、汚職横行の今日、しかも岸政権が汚職追放を三大政策の一つとしている今日、われわれは非常に不適当と思いまするが、とにかくそういう通達だとかあるいはさような手前勝手なくさいものにふたをするような規則、こういうものを明らかにしていただきたい。国民はそんなことを知りません。  それからなお第二点として、この記述の内容が非常に事実無根のことがある、二つには歪曲しておる、三つには誇張がある、そこで官庁の信用を傷つけた、かような主張であります。高田君の主張によりますならば、全部官庁の報告書に基いてこれを記述したものだという。もし事実無根のことがあるならば、報告そのものが事実無根のものがあるに違いない、歪曲したものがあるとするならば、報告そのものが歪曲されたものではなかろうか、また誇張があるとするならば、報告そのものが誇張があるのではなかろうか。すべて正式の文書に基きこれを記述しておる。そこでお尋ねしたいことは、いかなる部分が事実無根であるか。これは諸君もこの本の出版される前後相当ひたいを集めて研究されたそうであるが、しかも高田君を罷免して後に全国に指令を出して、この本の事実無根のことや捏造、誇張のことをみな報告せよと指令を出しているということだ。そうするとこの罷免したときにはこれがまだはっきりわからなかったのじゃなかろうかと思う。それはまたあとで聞くことにいたしまして、どこが事実を捏造したのであるか、どこが一体歪曲したのであるか、どこが誇張したのであるかを、この本に基いて明確にしていただかなければならぬ。そうしないというと官吏の身分保障に欠くるところがある。それを一つ指摘願いたい。
  54. 榊原亨

    榊原政府委員 一つ一つの誇張あるいは歪曲の点につきましてはあとから詳しくお話し申し上げますが、ただいま猪俣先生がおっしゃいました国民監察の内容そのものずばりを全部さらけ出さなければいかぬ、こういう話でございますが、私ども行政管理庁の行います監察と申しますものは、政府部内の監察でございまして、行政運営の改善を目的としておることはもうはっきりしておるのでございます。従いまして個々の不正不当もさることでございますが、それを総合いたしまして、行政機関の運営というものにどこに欠陥があるかということをつきまして、これを改善せしむるというのが私どもの第一番目の目的であるのでございます。しかしながらその監察の結果をそれでは発表しないのかというお話でございますが、これは行政機関が国民の奉仕者である以上は率直に国民にもその監察結果を発表いたしまして、国民の支持のもとにこの改善をしなければならぬことは当然である。ただその発表する方法がここにこういう悪いことがあったがこうだとか、これはこうだというような一つ一つのこまかいことをそのままに発表したり、一つ一つのこまかいことをそのままあげていくということでなし、一応この発表の方法といたしましては、その結果を総合して、そうしてその結果を当該の行政官庁に向って勧告をいたしまして、これを改善せしむることが一つ、またこれを新聞その他の報道機関に発表するということは、これは当然なことでございまして、ただいまも今までも十分これを行なっておるのでございます。ただその行政監察の目的なり性格なりというものはただいま私がお話し申しましたようなことでございますので、その一つ一つ監察の結果の内容が行政官庁または公務員ばかりでなしに、民間の法人なり個人の名誉あるいは信用を失墜するような場合もございますので、そういうものにつきましては特に慎重を要する場合もございますし、また出先の監察官が自分の狭い見解のもとに、これはこうした方がいいというようなことでございましても、これを大きな総合的な監察からいたしますと、こういうことよりもこうだというようなこともございます。そこでこれは上司の許可を得てこれを発表する。あるいは発表いたしますときには、上司がそれをまとめて発表するということでございまして、何も汚職とかなんとかいうものをひた隠しに隠しまして行政機関の不正不当というものをあばくのは困るという立場ではないのでございます。  またもう一つ申し上げたいと思いますのは、ただ興味本位で個々のものについてこれはこうだというようなことでなしに、国民が十分納得せられるような形において発表するということを、私どもの一番の目的といたしておる次第でございますので、この高田君のような場合におきまして、これは悪いことだから一つやらなければならぬ、新聞に発表しなければならぬ、こういう場合には、御承知通り、これは公務員といたしましては、これを検察庁に……。
  55. 坂本泰良

    ○坂本委員長 簡単に要点だけを願います。
  56. 榊原亨

    榊原政府委員 通知するという義務ももちろんあるわけでございますから、そこでその場合にはそういう方法によってこの不正不当というものを通告していただくというような形をとるのがいいんじゃないかと私どもは思っておるのでございます。一つ一つのことのどこが歪曲されているかどうかということにつきましては、事務当局から詳しくお話を申し上げたいと思います。
  57. 猪俣浩三

    猪俣委員 だから私は事務当局に聞いておるのです。あなたの政談演説を聞いたのじゃない。事務当局がいわゆる国家公務員法の百条の義務違反でなしに、これは事実を捏造し、歪曲し、誇張した。そうして官の信用を落した。そこで七十八条三号によって処分したとおっしゃる。それは一人の人間の死刑に値します、官吏を免職するということは。そういう重大な判決の理由でなければならぬ。もし裁判におきましてさっぱり事実が明らかにならず、死刑の宣告をすることができますか。諸君は高田君に対して死刑の宣告をしたのだ。そこで私はその理由を聞いておる。そうすると、あいまいなんだ。いわゆる公務員の義務違反で処罰したかと思えば、そうでもない。結局七十八条の三号、公務員としての適格性を欠くというような理由になっている。それじゃその適格性を欠くというのはどういうことかと、私が分析してお聞かせするようなことになるのだが、事実を歪曲し、捏造し、誇張した、そして官庁の信用を落したということが結局適格性を欠いたということになると思う。そこでこれは死刑の判決なんだ。そこでいかなる事実を捏造したのであるか、いかなる歪曲をしたのであるか、いかなる誇張をしているのであるかということは、一人の人間を死刑に処した以上は、それをその死刑執行人は明白にする義務がある。そういう判決をした以上は、判決の内容において明白にしなければならない。ただ自分たちが隠したいことをあばき立てたということだけで、これは不適格だというようなことになっては大へんである。それでは汚職の追及なんかできません。あっせん収賄罪が成立するかもしらぬけれども、もしこういう高田君のような態度に上司が臨むならば、あっせん収賄罪なんか明らかになりません。みんな攻守同盟を結んで口を結ぶ。下っ端の者は上の命令に服従して一向しゃべらぬ。同僚同士はまた攻守同盟を結んでしゃべらぬ。これでは官庁の汚職なんというものはなかなか容易につかめません。何かごく運の悪いやつがひっかかるということになる。現在そういう状況ではないかと思うのだ。そこでどこを一体歪曲したか。ちゃんと高田君はこういう甲一号証を出しておる。ここのどこの部分は控造であるか、どこが歪曲であるか、どこが誇張であるか、ただ今直ちにそれを皆さんが御指摘できないかも存じませんが、これはまた決算委員会の本格的な調査になると思います。それをこのページを指示し、その事実を指摘して明白に当委員会提出していただきたい、それをもとになおそれが事実であるかどうかの検討にならなければならぬと思う。一人の公務員を免職するということは、その公務員を包む全家族の生殺すら奪うことに相なる。諸君の御都合だけでやってはいけない。憲法第十五条の精神に反する。私は憲法第十五条が大事だと思う。それを官庁の役人たちは、自分たちの都合によって、これも秘密だ、あれも秘密だと言う。それをばらしたといってはこれを処分する。それだから汚職は絶えない。そこで、これは今御説明できますかどうか、何ページのどこが事実を捏造造したのであるか、何ページのどこが事実を歪曲したのであるか、何ページのどこが誇張したのであるか、今説明できますかできませんか。
  58. 高柳保

    高柳政府委員 ただいまのお尋ねにできるだけお答えいたしたいと思いますが、この「不正者の天国」の内容の中軸をなすものは、行政監察結果報告書から出ていることは確かであります。その部分については事実でございます。ただその間に私見が入る。ただいま申されましたように、内容に捏造、歪曲、誇張がある、こういうことでございます。事実を申し上げたいと思いますが、本書の主張の基調といたしまして、行政管理庁監察がなれ合いであり、ゆるふんであるということが書いてございます。その裏づけとしていろいろの捏造記事がございますが、特に個人の名前をあげまして事実らしく申しましたもののうち二、三の例をあげて御説明申し上げます。  本の中の百七十ページから百七十一ページにかけまして、農林漁業金融公庫の監察に関しまして、これについては、公庫の総裁がわざわざ監察局にやってきて、その内容を公開しないようしてもらいたいと特に懇願した事実があると記述してございます。ことにこの記述が事実無根でございます。また百七十八ページ、「監察参事官もみ消しに踊る」こういう条項がございます。これは当時監察参事官でありました大森参事官が、神戸営林署の国有林産物払い下げに関して不正があったときに消極的であり、もみ消しに回った、こういう記述がございます。これは全く事実に反する記述でございます。まだ例は二、三述べることができますが、こういうふうに具体的に人の名前をあげて事実無根の記述をするということは、きわめて他人を誤らせる記述でございまして、捏造の最もはなはだしいものであります。  また歪曲の点でございますが、本書に記述されている監察結果、これがはなはだしく効果をあげていないといったような、いわゆるゆるふんといったような裏づけをしている記述が多々あります。しかもこの歪曲と申しますのは、その当時の不正不当事項、これはわれわれの勧告によって相当に改善され、また改善の努力をされつつあるものでございます。これをあたかも少しも効果がなかったようにその改善の事実を書いてないということ、これは歪曲の最もはなはだしいものであり、行政監督というものがゆるふんと誹謗する——これは誹謗であると私たちは思います。
  59. 猪俣浩三

    猪俣委員 歪曲の点ですか。本のどこですか。何ページですか。
  60. 高柳保

    高柳政府委員 これはむしろ大きく申しますと、われわれとしては監察結果の改善されているものを改善されていないかのごとく書いてある。従って記述がないのであります。これはそれが歪曲の大なる問題だと思います。  その次に誇張の事実でございますが、これはわれわれとしては、たとえば農林省の事件は二ページでございますが、「当初から氷山の一角に過ぎない。一般国民の目のとどかないところでは、あらゆる不正、汚職が行われている。」というような記述、あるいは行政監察局の監察といたしましては……。
  61. 猪俣浩三

    猪俣委員 これが歪曲したことになるのですか。
  62. 高柳保

    高柳政府委員 これは誇張であります。
  63. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから……。
  64. 高柳保

    高柳政府委員 また五ページ三行目にございますが、「これから述べる各役所の行政の本態を知ったとき、異常な驚きと憤りをおぼえるにちがいない。」行政の本体が不正不当であるかのごときことを申しておりますが、これは私は当然に誇張だと思います。われわれの行政監察の結果から申しまして、行政の本体が不正不当だとは絶対に思っておりません。要するに監察職員の身分をもってこういう記述をしておることは世間を誤らせるものと考え、そういう意味で誇張と考えております。  以上、非常に簡単でございますが、御質問によってはなおお答えいたしたいと思います。
  65. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると今指摘せられた三点はわかりましたが、その他は事実だということに相なりますか。
  66. 高柳保

    高柳政府委員 今のは例でございます。
  67. 猪俣浩三

    猪俣委員 例ではいけない。不当な死刑の宣告をした以上は、何と何と何ということを、本によって的確に指摘してくれと言っておるのです。この本を中心にして首を切られた、それは裁判と同じことですよ。そんなあいまいなことで通るか。たとえば公平委員会が四月から開かれますが、そんなあいまいなことで通るはずはありませんよ。国家の最高機関に対しましてごまかしはいけない。事実無根、それから歪曲しておる、誇張しておる、それだけ聞けばはなはだけしからぬと思う。そこで一体どこが事実無根であるかということを私は聞いておる。あなた方は今あげられた。そうするとそれ以外のことは事実であるかどうか。これは当然のことじゃありませんか。それが指摘せられないで、事実無根だ、歪曲だということはそれこそ誇張の言い方ということになってしまう。だから今あげられた三点以外にあるのならある、ないのならない……。
  68. 高柳保

    高柳政府委員 ございます。
  69. 猪俣浩三

    猪俣委員 それを明らかにしなさい。
  70. 高柳保

    高柳政府委員 これ以外にもたくさんございます。
  71. 猪俣浩三

    猪俣委員 具体的に……。
  72. 高柳保

    高柳政府委員 具体的に御説明申し上げたいと思います。実はこれだけございますが……。
  73. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうしたら、今時間もありませんし、それを一々お述べになることも大へんだろうと思いますから、それを委員長の手元までお出しいただいて、またあとからわれわれも点検いたしまして、なおまた審査を進めることになるかと思います。お出しを願いたい。  なお政務次官に一言申しますが、どうもあなたのような考えでいきますと、同僚をかばわれるのは無理もないが、これは汚職追放の岸内閣の政務次官としてはちょっと心がまえが間違っていやせぬかと私は思う。そうして行政管理庁の諸君が、ただ行政の運営を調べて、それを忠告するのだということ、それが、これはこの委員会ではないかと思うのですが、だんだん追及せられて、結局こういう汚職、涜職についても、鋭いメスを当てて、これを発表するのだというふうに訂正せられたのだと思う。そういうふうに行政管理庁の職権というものが訂正せられたと思うのだ。私は妥当だと思っておるが、あなたはまたそれが逆戻りするような答弁をしておるようでありますが、なお、これは全法律の精神から考えなければならぬことは、第一憲法の規定によれば、公務員というものは国民の忠僕でなければならぬ。何よりも国民基準でなければならぬ。官吏が、あるいは大臣、次官、局長というものを中心に考えて、自分たちのボロが出ては都合が悪いというようなことで、これを秘密にするというようなことは憲法違反です。国民の忠実なる忠僕ではないじゃありませんか。憲法の規定がそれをうたっておる。なおまた刑事訴訟法の二百三十九条を見てごらんなさい。「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と義務づけておりますよ。官吏や公吏は特別の職権があるがゆえにこういう汚職、涜職を発見しやすい。ですから、これに告訴、告発の義務まで課しているじゃありませんか。いわんや行政管理庁はそういうことを査察することが一つの大きな目的でなければならない。この官吏が汚職、涜職を発見したならば、適当にこれを明らかにしなければならぬ。それをやらないから、高田君のように首を賭してもこれを世の中に問う者が起ってくる。何がゆえに、高田君が自分の一家が生活の困窮することまでも覚悟の上で、かような本を出さざるを得なくなったのであるか。それをあなた方は一体検討されたことがあるか。それは通達だのいろいろな規則を作って秘密だ秘密だと縛っていられるけれども、もしあなたの言うように、ほんとうに発表しなければならぬものはどんどん国民の前に発表しているということならば、何を好んで高田君が職を賭してかような本を世の中に訴えることがありますか。やむにやまれず、彼がほんとうにおのれを犠牲にしてこれを訴えるに至っては、彼は何カ月ももんもんとして眠れなかったと訴えています。何といってもくさいものにふたをするようなことばかりやっておる。そうしていろいろの規則や通達を出して口どめをしておる。彼は真に国民に忠実な公務員なるがゆえに、こういう本を書いた。忠実な者は免職せられて、くさいものにふたをしておる者はのうのうとやっておる。これは石が流れて木の葉が沈むようなことです。それじゃ国民承知いたしません。私はその意味において、当決算委員会でこの「不正者の天国」に現われました事実について、今あなた方がうそだというなら、うそであるかほんとうであるか、徹底的に調べていただきたい。また法律関係につきましても、私は他の委員会でもお尋ねしたいと思うのでありますが、きょうはこの程度において、この法律議論については、政務次官やあるいは事務次官の答弁には、私どもは学説、判例その他からはなはだ不当な解釈をしておられると思う。しかし今ここでそれを明らかにする時間がございませんので、またこれは決算委員会の本質でないかも存じませんので、ただ決算委員諸君が、高田君が首をかけてこの世の中に訴えた、これを犬死にさせないように、私はよく政府当局の意見、真実がどこにあるかを戦わせられて進まれんことを希望して、私の質問はこれで終ります。
  74. 細田綱吉

    ○細田委員 ちょっと関連して。高田君の罷免の原因が国家公務員法第百条でなくて、七十八条の第三号だ、それはよくわかりましたが、いわゆる適格でないということは、あなたの方の達とか訓令の何とかいうそれなんですか。先ほどこれは訓令だと言っておったが、適格でないという根拠はその訓令違反ということですか。
  75. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 先ほど猪俣委員お答えいたしましたように、大体三点あると思うのです。一つは、今御指摘になりましたように、いわゆる監察の性質から申しまして、監察結果の取扱いの必要から、部内的に訓令及び達によってみだりに個人が発表してはいけないという義務違反を犯しておるということが第一点であります。それから第二点は、先ほど一、二監察局長が例をあげましたように、その記事の内容が非常に誇張されたり、事実無根であって、行政全般に対して非常に不信の念を抱かすとか、なお本庁の監察がなんか歪曲されて非常にゆるふんに行われているといったようにとれる記事になっている点でございます。これはやはり国家公務員として自分の勤めている役所の規則に違反し、また自己の勤務している役所の仕事が正当に伝えられないというような記事を出版することは、公務員として不適当である。また今後におきましてもどんどんこういうことはやるのだといったように、反省、悔悟の色がないということは、われわれといたしまして、それを同じ行政管理庁部内の職員としてとどめておくのは不適当であるというふうに考えまして、七十八条第三号で処分したわけでございます。
  76. 細田綱吉

    ○細田委員 そこで先ほど猪俣委員要求した資料のほかに、あなたの方の今関連した訓令、命令等を一つ出していただきたい。その前に一つ確かめておきたいのですが、いわゆるあなたの方でみだりに発表してはいけない、そのみだりということは、先ほど聞いておりますと、上司から注意があったのにその注意を聞かなかった、それがいわゆるあなたの方のみだりということなんですか。そのあなたの方のみだりということはどういうことを標準に解釈しておるか、みだりの定義を一つ伺いたい。  いま一つは、官庁に対する不信の念ですが、われわれちっとも不信の念をこれによってことさらに与えられたということは感じないので、あなたの方の、ゆるふんといっても、これはあまりにもゆるふんということを——あなたの方はこれはもう完璧だ、これでもういいというのだったら、あなたの方はどうかしている、松沢行きだ。これはだれだって人間のやることですから。それから先ほども吉田さんの指摘されたように、予算にも制約がある、職員にも制約がある。あなたの方で一生懸命努力されていることは、そう完璧でないことは、われわれだってわかる。あなたの方のゆるふんということは、これは別としまして、いわゆる不信の念ということはどういうことを不信の念というか。みだりにということと不信の念の定義を一つ聞かしておいていただきたい。
  77. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 私はみだりにという言葉をあるいは使ったかもしれませんが、規定といたしましては、上司の許可を受けなければ発表できないということになっております。従いまして再三中止を勧告したにかかわらず、上司の許可を受けずに発表した。それで義務違反であるということにしたわけであります。  それから御指摘のように、われわれのやっております監察行為が百パーセント効果を上げているなどと言っているのではございません。この点は十分努めはいたしておりますけれども、なかなか十分にはいかないのでございますが、われわれといたしましては、あの書物に述べられてあります監察結果におきましても、われわれなりに相当効果を上げておったと思うのであります。しかしあれを通読いたしました結果といたしまして、事実を曲げているものもございますが、その結果が何ら効果をあげていないといったような印象を受ける場所がずいぶん多いのでございます。また責任を追及するというような面におきましても、あとで内容は書面でも申し上げたいと思いますが、担当者が罷免されたり、左遷されたり、そういう責任を十分とっている場合もあるのでございますが、そういうような面に全然触れていないで、事実不正をやったというような行為が非常に浮き彫りに出ている。またその監察結果は、先ほど申し上げましたように、結果報告書は決して秘密ではございません。国会にも提出しておりますし、また年次報告として毎年分厚なものを作って出しているわけでありますから、その中から取っておりますのは、これは決して義務違反ではございません。公開された内容を出しているのであります。そういう意味におきましてそれを通読いたしますと、われわれ監察をやっている意図、またその個々の事実を集積した結果、勧告して制度あるいは運営の改善に資していくような状態がわかるのでありますが、その中の、何か不正事項だけをピック・アップいたしまして羅列いたしますと、非常にそこに、いわゆる監察の行き方というものが、何と申しますか、そういう不正というものがあるにもかかわらず、眼をつぶっているといったようなことになります。また御承知と思いますが、この監察の途上におきまして、個々の事例等は相当改善され、直っておるような項目もあるわけでございまして、従いまして、ここにこういう不正の事実を述べましても、相手としましては、すでに改善をし、将来の改善を約しておるというようなことを、今現にまだ不正が残っているというようなことで発表いたしますと、これは先ほど政務次官も言われましたように、個人の信用といったようなもの、将来の改善効果をあげる意味におきまして、かえって反発心を起すといったようなこともありまして、監察の結果報告は決して秘密にしておるわけではございません、ほとんど適当な形において新聞等に発表しておりますけれども、個々の具体的の事例を今現に不正があるがごとく発表するようなことになりますと、かえって効果が逆になるというふうなこともありまして、決してその不正を隠す意味ではございませんが、適当な形にまとめまして発表するということに御了承願いたいと思います。
  78. 細田綱吉

    ○細田委員 法律的に人をさばくのですから、法律的でなくちゃならぬ。今猪俣委員がいろいろ具体的に質問したように……。そこで私は結論を得るために、あなたの言う官庁の行政事務をみだりに発表することはいけないという、みだりということは、ピンからキリまでということじゃないと私は思う。自分の一挙手一投足を一々ということじゃないと思うので、あなたの方のいわゆるみだりということはどう御解釈になっているか、あるいは官庁の不信の念を増大したという、その不信の念ということをどう御解釈になっているか、その定義を伺いたいと思っておったのだが、どうも定義にしてはあまりにも長過ぎて一冊の本になるような御説明だから、今のみだりとかあるいは不信の念の定義を一つ法律的に、きょうここでおっしゃらなくてもあとでいいですから、一緒に一つお聞かせを願いたい。政務次官、事務次官のお話を聞いていると、どうもあなたたちのお考えは、天皇の官吏、天皇の行政官庁——国民にこれは知らせるべきものではないか。天皇が任命した上長の許可を一々得るべきであるというような、どうもそういう観念が抜けないのじゃないか。私は政務次官、事務次官の前歴はもちろん存じ上げていないけれども、どうも御出身が昔の内務省の特高上りじゃないかという印象すらわれわれ強く受ける。今申し上げた点を文書でけっこうですから一つ提出を願いたいと思います。
  79. 坂本泰良

    ○坂本委員長 吉田君。
  80. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 もう時間があまりありませんから、できるだけ要約して質問したいと思うのですが、その前に理事会で著者の高田君を、来ておれば質疑する機会を持つようにということを決定しておるのですが、その手続は一つ皆さんの御承認を得たいと思いますが……。
  81. 坂本泰良

    ○坂本委員長 ちょっと速記をとめて……。     〔速記中止〕
  82. 坂本泰良

    ○坂本委員長 始めて下さい。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 政務次官にちょっと伺いますが、大体本日の委員会は、数回にわたって委員長が辞を低うして政府当局に交渉して、そしてきょうならば長官は出席する、こういう了解ができておったので、院内において自民党の方の理事の諸君にも諮り、きょう理事会におきましても、長官が出るものという前提できめたのであります。ところが何かの差しつかえで出ないということになっておるのであります。私はこの機会にやはり行管の方としては決算委員会の追及の目的、趣旨に協力するという態勢をとることが私は当然だろうと思う。ところが、どんな用か知りませんけれども、用事を明らかにしないで出席せられないということは、非常に誠意が足りないと思うのです。今後はどういうふうにされるのか、依然として出席をしないということで終始するつもりなのかどうか、その辺を明らかにしておいてもらいたい。
  84. 榊原亨

    榊原政府委員 委員長にわざわざ御連絡をいただきましたことは事実でございますが、ただ三十一日、それがもし都合が悪ければ一日石井長官の出席を求めたい、こういうお話だったと私は承わっておるのであります。そこで一日はどうも御指定の時間はいろいろ行政上のあれがございますので、どうしても手が離せぬということでございましたので、それでは一つ与党の理事の人あるいは国会対策の方々にも御連絡いたしまして、そうして野党の理事のお方とも御連絡しまして、委員長一つ御相談を願いたいということでございまして、きょうのところは出られぬが、とりあえず私がかわって出ます、こう申し上げたと私は考えておるのであります。従いましてもしも理事会の御決定がございますれば、できるだけのことは、長官も出なければならぬのでございますから、当然のことでございますから、これは時間を差し繰りましても出るべきであると私考えますが、今日のところはそういうことでお話し合いがついていたものと私は了解をいたしておったのであります。あるいは行き違いがあったかもしれませんが……。ことにきょうの理事会の御決定のことにつきまして、先ほど与党の理事の方にも聞きましたが、そういう決定はないのだというようなお話で、そこのところははっきりいたしませんので、そういう御決定がございますれば、もうできるだけのことは、石井長官も出るように努力いたしたいと思います。
  85. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ここの委員会の習慣といたしまして、当該省庁の決算を審査するときには、当初は当然長官が出ることになっておるのであります。こういう意味合いにおきましても必要であるのでありますが、特に本日はそういう行き違いに藉口して出られないことは非常に遺憾なのであります。  そこで伺いますが、今秘密漏洩ではないというような趣旨のだんだん御説明があったようであります。主たる理由はそうでないという。つまり高田の免職は秘密漏洩でないというような趣旨にとられる御説明があったのでありまするが、あなたの方の、つまり行管において出しておる三十二年の十一月十六日の処分書によれば、高田が発表した行為は職務上知り得た秘匿すべき事項につき上司の承認を得ずして発表したのである、その内容は捏造ありあるいは誇張あり、ひいては行管の信用を傷つけており、国家公務員の義務に違反しておるというような説明にはなっておるのだけれども、劈頭書かれてありますることは、職務上の秘匿事項を上司の承認を得ずして発表したということに重点が置かれておるのであります。これは文章の語勢から見ても、文章の構造の上から見ても、明らかであります。そこで伺いたいのは、一体行政管理庁は岸首相の一枚看板にしておる汚職追放の声明の線に沿って、強く汚職を根絶するということへほんとうに努力する決意があるのであろうかどうであろうか、これが実は長官からも聞きたかったのであります。この書物を通読いたしまして、今だんだん御指摘になったような誇張もあります。あるいは私見も人っておる、あるいは一つの想像といいますか、筆者の情景描写という注釈付きの個所もあります。ありますけれども、しかし骨格をなしておるものは、これは当委員会においても取り上げたものがずいぶんあります。会計検査院の報告書に指摘された事実、あるいはあなたの方の行管の報告書に発表された事実、これが骨格をなしておる。そういたしますと、概していえば、違法、不当の事実が指摘されておる、そういうことになるわけであります。一体秘密を守る秘密保護の法規によって保護をせられる対象は、違法あるいは不法の事実まで及ぶのであるかどうか。違法、不法の事実は秘密保護法規の対象にはならぬ、これが国民常識であります。だからこの観点に立ってものを考えるということがこの際非常に重要なことであろうと私ども考えるのです。秘密であるかないかは、終局はどこできめるのか。それは議論もありましょう。秘密ということの概念が学問的にもかなりむずかしいということはあります。あるいはまた国会証言法による秘密事項なんかの定義にもいろいろとわれわれとして考えさせられるものがありますけれども、いずれにしてもすでに公知の事実となり、国会はこれを論議し、あるいは行政機関、検査院の機関がそれぞれ公けに発表したような事実が骨格をなしておるのですが、そういうような違法、不法の事実を一体保護しなければならぬという考え方でも持っておられるのであろうかどうか、そうでなしに、それはもう保護をしないのだけれども、その周辺にある若干の今の行き過ぎをとがめておるのだというのがあなたの本意なのかどうか、これはやはり汚職追放に対する行管の基本的態度にかかわりますので、はっきりしてもらわなければいかぬのですが、次官一つどうぞ。
  86. 榊原亨

    榊原政府委員 汚職追放のことにつきましては私どもは真剣にこれと取り組みましてその実をあげたいと考えておるわけであります。  ただいまの秘密事項につきましてはすでに行管として発表いたしたもの、そういうものにつきましてはある時期においては秘密であるかもしれませんが、一応正規のルートを経て発表したものはこれは秘密でも何でもないのでございまして、そういうことをこういう本にお書きになっても別に私どもはとがめ立てするわけはないのであります。ただその過程においてまだ上司の許可を得てないような段階において、いろいろなことを発表されるということにつきましては、いろいろの面から非常な——くさいものにふたをするというような意味ではございません。行政監察を完全にいたしまして相手方に十分な反省を促すというような意味からいたしまして私どもは困る、こう申し上げておるのであります。先ほど猪俣委員がおっしゃいましたように刑事訴訟法二百三十九条によってそれはもう官吏として当然するんだ、こういうお話であります。それは私どもはとめるのではありませんが、それをやっていただく上におきましても、一応は上司に一つ断わってやっていただきたい。そのとき上司がそれは困ると言ったときには、それは上司の責任でございますが、上司はそういうときにはとめないと思うのでありますが、そういう二百三十九条のような道によって不正不当を是正するというような道が開けておるのに、その前に一般国民に対しまして先ほどいろいろ問題になりましたあるいは歪曲あるいは一部分不当というようなものにつきましての御発表は困る、こういうことと私は考えておるのであります。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 根本的に違法事実、不当事実と指摘せられて公知の事実になったことが大部分であると私は前提しておるのですよ。それすらお争いになるのかどうか。この処分書の前段によれば、職務上知り得た秘匿すべき事項を上司の許可を得ずして発表した。こう言っておるのです。今の誇張とかあるいは歪曲とかあるいは若干の自己の判断、そういうものを書いておるということは、われわれもそういう記事の内容を見ます。見ますけれども、しかし処分書は、職務上の秘匿事項を上司の許可を得ずして発表した。職務上の秘匿事項とは何かといえば、あなたのおっしゃるような誇張でもなければ歪曲でもないはずなんです。誇張、歪曲というのはこの中にもしばしば出ておりますよ。状況の描写、状況の描写は何も職務上知り得た秘匿事項ではないでしょう。神戸営林署の事件、あるいは「歪められた行政」百三十一ページの登記関係において何がしがしゃべったこと、これは何も職務上の秘匿事項ではないですよ。だからこの書物の一番大きなウエイトは——そういう高田の個人的判断もしくは情景描写という要らぬ筆を使っておるのは、この書物の大きなウエイトではないですよ。そうであるというならば書物の常識的な印象から全く離れた御判断に聞きます。だからこの書物から受ける印象、やや精読しましたものの結論は、要するに行管、検査院、国会、新聞の収録にすぎない、ただそこを少しくおもしろおかしく興味本位の見出しがあります。女に抱かれるまで帰らぬとか、そういうおもしろおかしい見出しはありますけれども、しかしそれはこの書物の主たる骨格ではありません。そうするとあなたの方では職務上の秘匿事項ではなくして、たまたまつけられたある判断とか、ある筆が走っておるというものを一番大きく取り扱っておられることになる。それはとんでもないことだということの結論なんです。そんなことはそもそも汚職追放を大上段から振りかざして、あなたはいろいろと強く言っておるけれども、その強くおっしゃるそういう趣旨は、今の現われた事実とは全く違います。現われました事実は、このような筆が走ったものをつかまえておるのだ。汚職追放ということは、やはりこのような不正な事実があるならば、どしどしと国民に知っていただきたいということにしなければならぬ。さりとて私はこの著者が今の法制上、法規上もしくは訓令、達などの一切に何ら違反するところなしというふうな断定を下す勇気は今持っておりません。けれども根本的な行管の態度というものは、この処分書に職務上の秘匿事項を無断で発表したというて、筆が走ったものをつかまえておるというようなことは、実に筋が通らないことはなはだしいものだといわなければならぬということなんです。問題点はそこなんです。それに対するあなたの所見を聞くのだけれども、これはまあ次官が任免権者になっておる構造であります、だけれども長官が知らぬことはないでしょう。相当な世論が巻き起っている際であるし、事公務員の身分に関することであるから、長官とも相談になり、それぞれ首脳部と相談になった結果であろうと思うのだが、その点及び今申した点について、あまり大きな矛盾がさらけ出されておる。その点についてあなたの所見を簡単に言って下さい。
  88. 榊原亨

    榊原政府委員 職務上知り得た秘匿すべき事項というのは、時間的経過におきまして、あるいはもう秘匿すべき事項でなくなることがあるのであります。たとえて申しますと、監察の途上におきまして、あるいは上司が統合的な結論を下します前にそういうふうなことは秘匿すべき事項でありましても、一たびそれが発表されまして勧告されたときには秘匿すべき事項でなくなる、そういうような意味も含まれておるということを御了承おき願いたいと存ずるのであります。
  89. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 時間的にある段階において秘匿すべき事項である、時間が経過したら秘匿すべからざる事項になる、そういう秘密事項のあることは、そんなことは常識なんです。そんなことを言っているのじゃないですよ。ここへ上っているのは、古いのは昭和二十五年、新しいものはごく最近に至るまで、ほとんど公知の事実が上げられて、それが骨格をなしておるのですよ。それを秘匿事項指摘するのはどういうわけか、こういうのであります。そういたしますと、あなたの方は、根本的に違法行為あるいは不法事実の関係は、これは秘密保護法規によって保護されるべき対象ではないのだ、こういうことについては御異議ないのでしょう。
  90. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 ちょっと御質問の御趣旨がわれわれの方では理解いたしませんので、研究いたしましてお答えいたしたいと思います。  なお、先ほど政務次官が秘密のことについて御答弁になりましたが、私からなお補充してお答え申し上げたいと思います。
  91. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。それじゃそれはあとへ譲りましょう。  こう一点だけちょっとこの機会に伺っておきますが、この種の、つまり重大な国家の行政上もしくは公務員が執務上大きな不利益を受けるような秘密事項を暴露し、未発表のものを発表したというのではなくして、誇張とか歪曲とか、あるいは一部独断の批判、こういうものもあるようでありまするが、そういうような一つの義務違反の場合に、なお懲戒にあらずして七十八条三号の免職の処分をもって臨んだという事例はあるのでありましょうか。この点はいかがですか。
  92. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 ただいまのお尋ねの秘密ということにつきまして多少政務次官お答えが簡単で誤解を……
  93. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その議論はあとにしましょう。
  94. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 先例は、職務をやめて公務員でなくなって、官庁の記事を書いて出版したとか、雑誌に書いたという例はございますが、現職でこういうことをやった例は初めてのように聞いております。ですからそういう例で七十八条の三号に該当すると断定した例は聞いておりません。
  95. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、それを確認すれば、この種の義務違反、懲戒に値しない義務違反で免職をしたという事例はない、こういうふうに理解していいのですか。
  96. 岡松進次郎

    ○岡松説明員 また秘密の議論になってしまうのでございますけれども、いわゆる重大なる国家秘密と申しますか、こういうものを漏洩したがために懲戒になった例はあると思いますが、秘密につきましてはいろいろ議論になりますが、われわれは重大なる国家秘密というふうには断定しておりません。ただこれはまた長くなりますから申しませんが、部内で秘扱いになっている書類でございまして、発表につきましては、前に申し上げましたように、事情によって細大漏らさず発表しない場合がございますので、未発表の事項を許可なく発表したということにもなると思います。
  97. 猪俣浩三

    猪俣委員 ちょっとはっきりしないのですが、七十八条の三号の適格性を欠いたということは、政務次官の答弁によると、上司の許可を得ないで発表したのがそれに該当するということになるのですか。何だか罷免理由がごちゃごちゃしてはっきりしませんが、しぼられませんか。
  98. 坂本泰良

    ○坂本委員長 その答弁は次会にやることにして、最後に委員長から聞いておきますが、先ほど来者委員から要望せられておりまする罷免理由、これを出すのと、それからその他の規則、達し等の資料は数日中に出せますか。
  99. 榊原亨

    榊原政府委員 ただいまの御要求資料につきましては、提出をいたします。     —————————————
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 議事進行。さっきの高田はやっぱり決定しておいていただきませんと、あと続きませんから……。
  101. 坂本泰良

    ○坂本委員長 この際お諮りすることがあります。すなわち本件につきまして、参考人として元行政管理庁事務官高田茂登男君の出頭を求め、実情を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 坂本泰良

    ○坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお日時につきましては理事に諮って、委員長が決定するということで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 坂本泰良

    ○坂本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。大体次回の委員会に出頭を求める予定であります。     —————————————
  104. 山本猛夫

    山本(猛)委員 行政管理庁一つ調べてもらいたい。それはテンサイ糖に関する補助金について、諸説ふんぷんたる疑惑が伝えられております。それからテンサイ糖を業とする芝浦精糖その他に対しまして、政府資金の流入があります。たとえば北海道東北開発公庫から約六億、それが年間四分五厘で返済期間は三年据置というような、ちょっと考えられないような形で融資がなされておる。ほかにもこういうようなものがあるのかどうか、そういうようなことを行政管理庁の建前で一つ検討願って、当委員会に御報告を願いたい。
  105. 榊原亨

    榊原政府委員 ただいまのお申し出承知いたしました。
  106. 坂本泰良

    ○坂本委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十九分散会