○田中(彰)
委員 長官にちょっとお尋ねいたしますが、その前に、わが党の中にも一部そういう空気があり、国民、特に青年層あるいは社会党の全般の空気が、そういう空気に片寄っているのですが、それは何であるかというと、
防衛庁の予算ということについては非常に問題がある。それから
防衛庁の存在、果してああいう予算を使って、あれだけのものが必要であるのかないのかというような——これはわれわれは必要だということを主張しているが、そういう問題があることは、
長官もこれはいろいろな新聞とか、また各所で開かれる演説会とか、社会党の諸君のやる演説会とかをごらんになればわかると思います。そこで、そういうような空気のある場合は、
防衛庁というものは、国民の中から、その予算の使い方においても何においても、非難を受けないということがまず私は先決問題じゃないかと思う。ところが、三十年のこれにも出ておりますが、
職員の使い込みにおいても、入札の問題においても、
相当の批難事項がある。それは、そこに
武内局長がおられますが、
決算委員会などへ来て言いわけをすればいいのだ、そのときに怒られて帰ればいいのだというような空気の一番多いのは、農林省と
防衛庁だと思う。私はそういう点について、あなた方がそれに反省されるまでは、
防衛庁についてはこれから
相当批難事項について調べたい、こう考えております。
そこで
一つ、
答弁だけをここでうまくやればいいというのではなくして、今後そういうようなものを少くして国民の信用を高めるというような角度から御
答弁をされ、またそういうことに改革されないと、私は
防衛庁については始終非難が絶えないと思う。特に
長官もおられるし、またわれわれの同士の政務次官もおられますが、私はやはり
防衛庁の人事というものに対して、もう少しお考えになったらどうかと思う。まず
局長級、課長級の人事を少しお考えになったら、
相当変ると思う。
そこで
長官に申し上げたいのですが、旧名の
軍艦「梨」、これは今「わかば」になっていると思います。これが非常に問題がございまして、
決算委員会が決議までしているのです。その決議とは、簡単に申し上げますと、この旧
軍艦の「梨」を国家に売り渡す、今まで中へ入った人たちがみな手を引いて、その人たちにかかった実費を払って国家に売り渡して、これを国が警備艦に直す、そのかわりに、これに対しては非難を受けないように慎重にやるという約束で、「梨」を
防衛庁へ、この
決算委員会が決議をもってやったわけです。そこで富士製鉄とかその他漁業組合とか、いろいろなブローカーが中へ入っておりましたが、手を引いて一応済んだわけであります。ところがこの「梨」の改造に対する入札に対、て、私は非常に疑問を持っている。この入札は当時呉の
造船所にこの「梨」の浮かび上ったものがつないであった。だからそこにつないであったこと一については、保管料として一千万円も出しているわけです。それだから、これを別に呉
造船所に無理にやらせなくてもいいわけです。ところがこの入札をしたときに、この入札の決定した金額が、約三億三千五百万のもので入札が決定しておる。ところが第一回の入札のときには、新
三菱重工業、
川崎重工業、
三井造船、呉
造船、藤永田
造船、日立
造船、播磨
造船、これだけの七社がこの入札をしておる。ところが第二回の入札で五社が手を引いてしまって、二社でやっておる。この二社に二回目にはきまっておるわけですね。そこでこれだけの三億三千五百万の入札の初めの金額が四億九千万くらい出ておった。安いので四億四千万くらいのものが出ておった。これだけの入札を一回でもって五社がやめてしまうという点にわれわれは非常に疑問を抱くわけです。しかもこの入札のときに、みなが
軍艦を入札するのに、見てないから見に行くと、幸いにして呉の
造船所につないであったものだから、重要な機械を取りはずして隠してしまったり、非常にじゃまをしたという事実が上ってきておる。そこで彼等が第一回で手を引いてしまった。また
防衛庁の中からも、呉
造船所にこれをやらせようじゃないか、つないでもらってあるのだから、あそこにやらしてしまった方が一番いいのだ、こういうことであったけれ
ども、その前の内交渉には、
局長あたりから、当時の
長官あたりが寄って、呉
造船所にやらせる話はきまっておる。そこで
議論までされておったことがある。ところが第一回で五社が引いてしまった。それでは一体「梨」という問題についてそういう入札の制度があるかと申しますと、ここにまたそれと反対の現象が出てきておる。それが改装費として結局きまったのは九百九十万円。たった九百九十万円のところに、石川島、
三菱日本重工業あるいは浦賀船渠、こういう
会社がいろいろあって、一回目のときにこれをやめたのは
三菱だけだ。
あとわずか九百九十万円に、やはり三社が非常に競争して最後に入札までして争っておる。前のこの方は九百九十万円どころか三億三千五百万円にきまっておる。これを一回だけでざっと五社が手を引いてしまった。そうして二回目の入札は、ほとんど入札したかしないかわからないような随意
契約みたいになって、とにかくこれを呉
造船所がやっておる。こういうことについて私の方でお尋ねしたのですが、
武内局長はなかなか言を左右にして言いわけするけれ
ども、
長官がごらんになってもだれが見てもおかしい。やらせる前に
防衛庁の中で大
議論があった。呉
造船所にやらす。しかも当時
防衛庁の者は、これを入札する前に呉
造船所の人と会っている。この呉
造船所の人と何で会ったかというと、それはつないであるからつなぎ料が
幾らかということで会っているのだが、入札について話し合っているという事実がある。それだから彼らはほかの者が見に行ったときに重要な機械を隠してしまったりいろいろじゃまをしたという事実が出てきておる。一回でだめだというので五社が手を引いておる。しかもこの入札が三億三千五百万で、三十年の九月十日にきまっておる。そうすると三十年の十一月の十四日には九百九十万円にとにかく
仕様書を変更して増額しておる。入札がきまったのが三十年の九月十日。それだからまだきまったといっても調印しただけだ。今度
仕様書を変えて九百九十万円を増した。その問わずか二ヵ月しかたってない。こういうような
状態が
防衛庁が国民から非常に疑惑を受けるわけだし、われわれもこれを調べるわけです。
長官は一体常識上それは当然のことだと思われるのですか。やはりこれは
長官が見られても、人が疑ったりわれわれがこういうことを調べたりすることが当然だと思われるのですか。
長官の常識というものでどうお考えになるか、まず私はそれをお伺いいたします。