○須磨
委員 インドネシアの今の
政情不安がどういう結果になりますか、これはたれにもわからないことでありますが、先ほど
大臣の御
説明の中にも
スカルノと
ハッタ氏という二人の人が担当する以外にはちょっと今のところないであろう、こういうようなお話があって、私
どももいろいろな
情勢からそう感ずるのですが、ここに申し上げたいのは、去年
ハッタ氏が
日本に参っております間に私
ども数回会合する機会があったのでありますが、その一つの会合におきまして、
ハッタ氏が
自分から申された中に、
日本の
賠償というものを解決する際において、ただいま私が
質疑の問題といたしております金額について、あるいはビルマ等において問題を起すことがあるかもしれないということを
日本側において心配をしておるという話を聞いておりますが、それは心配には当りませんということを
ハッタ氏が申された。しかもそのことは非常に強い自信を持たれて言われたのでありますから、私は質問をいたしまして、それはどういう根拠に基いてそういうことをおっしゃいますかと申したところが、一九五五年の暮れ、
ハッタ氏が現職の副大統領としてウ・ヌー首相がビルマの首相でありましたときに参りまして、実は
日本との
賠償問題について話が出たときにウ・ヌー首相は、これははっきり申したそうでありますが、
日本と
インドネシアとの
賠償額がどういう額にきまろうとも、ビルマ
政府としては何ら
異議を差しはさむものではありませんと申しました、そういうことを
ハッタ氏は申されたのであります。このことは私
どもが考える問題としては非常に重要な点だと思いまして、私はさらに
質疑を進めて、それではそういうお考えならば、あなたは今何の職にもついておらぬけれ
ども、今後いろいろなことであなたはお手伝いになることもありましょうが、今の話は非常に重要な話でありますから、今後そういう点についてもし問題が起った場合においては、
インドネシア側としてそのことをどこまでも固執されて、ちょうどウ・ヌー氏がまた首相になっておられるのでありますから、その言質に基いて何ら問題の起らないような円満な
関係が持続されるように御努力なさる御意図がありますかということを聞きましたところが、私
どもは
インドネシアの人間として必ずそういうことをいたしたいと思うということを申されました
経緯が実はあるのでございます。これは全く私
ども私的の話をいたした次第でありますけれ
ども、いよいよこの
条約をこしらえることになるときにおきましては重大な点として考えていきたい。ことに
大臣のおっしゃるように
ハッタ氏がまた
政府の当局に立たれるということもあり得るやの御印象でもありますから、この点を私は申し上げまして、何らかのお話の間に、あるいは調印に行かれました際、あるいは
外務大臣とのお話の間にかような
意味合いのお話がなかったものでありましょうか。またそれにまつわるような
経緯について他の方からお話がなかったのでございましょうか、そういうことについてお聞きしておきたいと思います。