○高岡
委員 ただいま拝聴したのでありますが、国全体から見ますれば、
貿易会社というものの数はほとんどずっと横ばいでありましょうが、その中身を見ますと、きのうできたのがきょうはつぶれ、またあすは一つできるといったようなことで、非常に醜い姿だろうと私は思うのであります。従いまして、私は決してかっての三井、三菱という意味ではございませんけれども、
貿易会社も海外
貿易に関する限りは、もう個々の自由
貿易ではないと私は思うのです。今後はある意味の
国家間の
貿易であり、バーター
貿易に近いような姿が相当続くのではないかというようなことを考えますと、ぜひこの際通産省並びに大蔵省あるいは
経済企画庁あたりに、もっと
政府としてはっきりした、これは統制という言葉を値いますとまた差しさわりがありましょうけれども、私はそこに本腰を入れて、東南アジア開発という大事の前にはよほど覚悟をなすっていただかなければ、この大事業は決して成功するものではないという感じがしますので、せいぜいこうした面につきましては、一つ大臣を初めとして岸内閣閣僚の皆さんに切望してやまない次第であります。これは、さらにこまかいことを言いますれば、規格の統制も要りますし、もっと進めば商標の統制まで入らなくちゃいけないのじゃないかというような気が私はするのであります。そうしたこまかいことはあえて本日は申し上げませんけれども、かつての財界人の最高指導者でありました大臣に、この点は一つ十分お考えを願いたいと思うのであります。
あと一点だけ申し上げますが、先ほど来沖縄問題について、予算
委員会でもそうでありますし、それから当
委員会においてもいろいろ論議されたのでありますが、これは私は外務省としてこのようにお願いができないかという気がします。それは、沖縄問題は問題点をしぼって参りますと、一括払いに対する反対というのが沖縄における一つの大きな運動であります。もう一つは賃借料を適正にやってもらいたいということと、それからもう一つは講和発効前の補償問題という三つにしぼられます。さらに他の沖縄問題を拾って参りますれば、移民問題と産業振興の問題であります。教育問題等もこの国会でいろいろ論じられたのでありますけれども、御
承知のようにこれは去年の暮れだと思うのでありますが、
日本内地の教育基本法を初め、いわゆる教育に関する法律そのままが沖縄の立法院議会において決議され、それをそのままムーア高等弁務官が
承認しましたので、いろいろと教育権の一部返還などという問題も出たことはございますけれども、現在では
日本国内の教育法は完全にそのまま沖縄に施行せられておりますので、その問題は今のところは一応なくなった、そう思っております。これらの問題をずっと見ますと、結局一括払いという問題が一番大きな問題であります。私がニューヨーク・タイムスの極東担当の論説
委員と話し合いましたときも、三千マイルの沖合いでアメリカが行政をやっているなどということはナンセンスだ、沖縄をアメリカの基地にするのではなくて、沖縄にもアメリカの基地を置くべきだ、こういう形にしなくてはいけないということを、論説
委員は私に言ったのであります。これをもう一度私は繰り返して確認したのでありますけれども、それは
平和条約第三条の暫定的なものに終止符を打とうとする考え方だと解釈してよろしいかと言ったら、その
通りだと言っておりますし、また今の言葉によりますと、沖縄の一角に
日本との間の話し合いによって軍事基地を設けて、他は全部その施政権を
日本に即時返還すべきだという意見とも解釈したのであります。そういう点から見まして、あるいはアメリカ全体の世論からしますればただ一部の議論かもしれませんけれども、この小さな声をだんだん大きくしていきまして、やがてこれをアメリカ全体の世論にまで持ち上げていかなくてはいけない、こういうことがすなわち
日本の外交でなくてはいけない、私はかように考えるのであります。さらに私はこの問題を話し合いましたときに、私はアメリカのことを知らないものですから、初めはアメリカ国会の軍事
委員会ないしは外交
委員会でこういう問題が論議されるのだろうと思って参りました。ところがこういう問題はアメリカとしましては国内問題だとして、アメリカ国会の司法
委員会でこれを取り上げるのだという話でございます。しかもただいま申し上げました軍用として不用の土地を一刻も早く返してくれということは、大臣も御
承知のようにプライスの報告文に書いてありますが。それでは一体どこが不用であり、どこが一体入用だかということをだれがきめるのかという話し合いもあったのであります。従いまして先ほど戸
叶委員からお話がありましたけれども、この際私は一つの形としましては、
両国のジョイント・コミッティによって沖縄というものと真剣に取り組んで考えたらどうか、もしもこれがめんどうであるならば、アメリカとしてはあまりにも沖縄を知っておりません。従ってこれをほんとうにアメリカの政治面から沖縄問題というものを実地に調査するなり何かしまして、そうして沖縄問題というもののいわゆる終局の結論をこの際出すべきではないか、一括払いに対しても一つの考え方を私はきめなくてはいけないのではないかというような感じすら持っておるのでありますが、問題は一括払いという問題であります。従いましてこの一括払いにつきましては、昨年一月四日に今ペンタゴンの参謀次長になっておりますレムニッツアーは、所有権はとるのではないということを声明しておりますけれども、なおかつこの問題は沖縄の方々としては
承認できない
内容でありますので、この
折衝といいましょうか、
平和条約第三条の問題に触れてみますときに、私は外務大臣としてこのアメリカが言っております一括払いの趣旨というものに対して、どうお考えになっていらっしゃるのかという点が、先ほども話のありました小笠原問題にも私は関連してくるだろうと思うのですが、この点を一点だけお伺いしたいと思います。一括払いに対してどういうお考えであるかという点です。