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内海説明員 警視庁からのという
お話でございましたが、
警察庁の方からまずお答え申し上げます。もし具体的な点で、ございましたならば
警視庁の方からお答え申し上げます。
適性検査の問題につきましては先ほ
ども申しました
通り、私
どもの現在の適性試験というものの施設なりあるいはその方法なりも、決して十分なものではございません。これは率直に申し上げまして不十分でございます。これにつきましては私
どもも早くから各都道府県に対しまして、そういう設備を設けるようにということを言っておるのであります。ことに一昨年運転免許の
制度を改正いたしまして、いわゆる第二種免許、これは主としてお客を乗せるような車を運転するものに対する免許でございますが、これの免許一の交付については、特にその適性試験を厳重に行うようにという指示はいたしておるのであります。各県でもそれぞれ目下いろいろな角度からこれの充実をはかるべく努力をいたしておりますが、まことに遺憾なことは、やはり各県の予算並びに国から補助いたします予算の面の制約を受けまして、現在も十二分にはいっておりません。あわせてその上に、これも御承知のように非常に受験者が多いわけです。正確な
数字を記憶いたしておりませんが、
警視庁の試験場におきましては一日に二千、三千というふうな受験者が参ります。これをこなすためにはどうしてもそういう点が若干粗漏になるおそれを私
どもも
感じております。そういう意味におきましてそういうふうな受験者を何らかの形で制限するような方法はないかということすらも考える。
〔濱野小
委員長代理退席、小
委員長着席〕
最もいい方法は試験場をたくさん開設して、試験官をたくさん確保するならば、そういう迷惑をかけることなしに可能になるのですが、これまた予算に関連をして参りまして、今のところ容易な問題ではないわけです。
警視庁におきましては今年四月ごろを目標にして、試験場の移転並びにできるだけ設備の整った試験場の設置を急いでおりますので、今よりもかなり改良されるものと考えております。しかしお説のように今後におきます特に
営業用の車両あるいは
スピードの速い車等を運転する者を含んで、適性検査については一そう強化いたしたい、かように考えております。
次に
事故防止のための私
どもの対策でございますが、私
どもとしましてもかなり対策ついては検討いたしております。すでに
昭和三十年に内閣に
事故防止対策本部が設置されまして、何と申しましても
交通事故防止については、ひとり私
ども警察だけではいかんともしがたい面がありますので、
建設省、運輸省初め
関係各省の主管者をもって構成する
事故防止対策委員会におきまして根本的に討議いたしまして、その結論に基いて実施を現にはかっております。これは各省ごとにやっております。私
どもの方の対策といたしましても、さきに免許
制度を改正して、その適格者を得るような方策を講じ、あるいは
取締り用の装備を強化して
取締りの
合理化をはかる、あるいは
信号機、標識等をできるだけ予算の最大限までいたしまして、その増設をはかる、あるいは必要なところにつきましては、あるいは可能なところにつきましては区画線あるいはセンター・ラインというようなものを設けますほか、横断歩道等につきましても区画線を設けまして、これのとまれ安全のための措置を講ずる。一方安全運動を展開いたしまして、安全協会と表裏一体となりまして安全運動の展開によって安全
教育をはかっておる次第であります。しかしながら率直に申しまして私
どもの手の届かない問題が解決されることがまことに望ましいし、また
事故防止をする上にもその点が大事になっております。今回
タクシーの問題が国会に
おいても取り上げられ、政府におきましても
事故防止対策本部に
自動車部会を設けて取り上げられたのでありますが、これは
一つは
タクシーの
事故を追及して、これが大
部分がやはり
スピード違反あるいは先ほど
警視庁の部長から申しましたようなことを
原因として
事故が起っておる。これをさらに追及していきますと、結局一説にはノルマといわれます。またそうでなくても相当無理な運転をさせられておることから非常なハイ・
スピードで走る、あるいは
稼働率を高めることによって収益をはかろうとするというふうな問題でこれが取り上げられておるということは、私はこのための
一つの大きな対策になっておるのだろうと思います。しかし同時にまた
道路の状態あるいは
交通環境と申しますか、実際に
自動車を運転していくその周囲の
状況、たとえば広告あるいはネオン・サイン、あるいは樹木というふうなものが、相当
運転手の標識を判断する上にも妨害になり、あるいは心身の疲労の上にも相当影響がある、そういう意味で、こういうものに対する対策、あるいは狭い
道路が一そうひどく狭められるというふうな状態、たとえば商店が店を突き出す、あるいは
自動車をそのまま放置する、こういうふうなことにより狭い
道路がさらに狭められておるような実態、こういう面も大いに改善されなければならない。あるいは
道路の穴ぼこの状態、あるいは
工事のために掘り返れさる、こういう問題も解決されなければならない。さらに突っ込んで言うならば、
道路の許容量と
交通量との相関問題というものも
合理化されなければならない。こういう諸種のものに対する対策があわせ行われることを期待して、また
事故防止対策本部でもそういうことが議せられておるのでありますが、そういうあらゆるものを総合したときに、初めてほんとうの意味の
事故防止というものが姿を一新して現われると思います。ただ、しかしもう一度私
どもが申し上げたいことは、特に東京、大阪等の大
都市におきまして、
交通事故の最も中心をなすものは遺憾ながら
タクシーであります。この問題が解決して参りますと、相当現在の
交通事故の様相は変ってくるのではないか。ことに、これは
統計とかあるいは教字をもって表現することは困難でありますが、実際に
取締りに当っております現場の
意見を徴しますと、
事故そのものにはなっておりませんが、ああいうふうなかなりハイ・
スピードな、あるいは非常に無理をした運転が、他の車等の運行の上に相当大きな影響を与えておることも否定できない事実であります。もちろんそのことは、他の車が円タクに与えておることも事実ででありますが、しかしそういう度合いが相当高いことも遺憾ながら認めざるを得ないと思います。
それから次に、先ほど他の先生から
お話のありましたオート三輪などの
事故も、確かに最近非常に増加いたしております。これなどにつきましても、私
どもとしてはその
取締りの面において、あるいは
運転手の教養の面において、十分対策を講ぜなければならないと思っておりますが、ともかく
一つ一つ片づけていく以外に、このほんとうの
事故防止の対策というものは実現できないのではないか。なぜならば、結局
道路を急に広げるということも容易なことでございません。
交通量を一定限度に押えるといこうとも、少くとも現状においては困難であろうと思いますので、結局現在出現しておる
交通の実態に正面からぶつかって、これを少しでも
事故を
減少せしめるような対策をとる、こういうことをやらなければならない。なお私
どもとしましては、私
どもの権限の、従って任務の範囲にあります
取締りはもちろん、
交通規制の
合理化、あるいは運転免許試験の
合理化、あるいは安全運動の展開、そういう面については今後も一そう真剣な、今までもはなはだ潜越な言い方でありますが努力をして参っておりますが、さらに一そうの努力をいたしたいと考えております。