○尾村政府
委員 第一に
旅館業法との関連があるかと思います。今
国際観光旅館の
整備法と、それから
旅館業法とこの二つが法的に規制しておるわけでございますが、ただこの
旅館業法の方では今の
観光目的とか、あるいはこれがどういうお客が必ず泊るというふうな形で分けておりませんので、
ホテル、
旅館、簡易宿所、下宿というふうに、構造、設備の様式によってこの四種類に分けて、それぞれの最低といいますか、そういう分類されたものの属する最低の公衆衛生の立場からの衛生措置の基準というようなことで規制するのを目的にいたしております。これによりまして、
旅館に泊った公衆が公衆衛生上非常なまずいことにならぬようにという基準を施行する、かような形で許可
営業にいたしまして、
営業許可をおろしておる、こういう形になっております。そこで現在全部合せまして約六万軒許可をしておるわけでございますが、このうちの
ホテルにつきますと今約百六軒、これが法によりまして
ホテル、いわゆる洋式
旅館というものでございまして、これが百六軒、
一般旅館が五万二千軒ほどございますが、このうち
国際観光旅館といたしまして登録されておりますものが、私の方で
調査いたしまして現在のところつかんでおりますのは、
ホテルの方では今の百六軒のうちの約七割近い六十九軒が属しておるかと思います。それから
旅館の方ではこれは一割強の五万二千軒中約六百軒
——五日九十八軒、こういうふうになっております。従いましてこれら和式
旅館、それから洋式
旅館の中で、さらに
国際観光という
観光政策の上からの任務を付与いたしまして、こういうふうな別の形でさらに分類されておる、こういう形になっておりまして、従って同じ国がやる
法律が二つあってはおかしいという点はございましょうけれども、実質的には内外人を問わず最低の衛生措置というものは洋式
旅館ならこれだけ、和式
旅館ならこれだけというのは一本であって、それにそれぞれ特殊な任務を与えてそれにプラスする、そのようなのがやはり適当ではないかと
考えておりますが、ただしいてこれを一本の
法律にいたすといたしますれば、
旅館の中でさらに
国際観光、大
部分外人が泊るかもわからぬという種類の任務を入れた
国際観光の和式
旅館の最低基準、あるいは
国際観光の洋式
旅館の最低基準というものを、さらに種類をふやしまして、これらの衛生基準をきめるという方法もありますが、これはしかし大した
意味がないのではないか。むしろ衛生基準中心のものは今のような
程度で引いておきまして、先ほどからの
お話のように、外人が泊る場合の、
日本人と違った慣習等に合せて満足のいくようにという全般的の観点からプラスしたものが、ほかの
観光政策と一本になった
整備法の方が適当ではないかというふうにわれわれは存じておりまして、今のところこれを取り入れて一本化する方がよろしいとは存じておらぬわけであります。
それから
国立公園との
関係でございますが、これは私自身の所管でなくて、きょう
国立公園部の課長が参っておりますが、これが同じ
厚生省といいましても、今と同じことでございまして、
国立公園地帯の中には、今度は
旅館という形で最低の規制はもちろん必要でございますが、さらに
国立公園地帯
観光方策とマッチしたような形でいろいろ助成をしなければならぬわけでございますが、これは今のところ特別な助成は
考えておりませんで、むしろ
国際観光の方で、一本でやる、こういうことになっております。ただ重要なことは、これらの
国際観光旅館について外人が一番困っておりますのは、やはり清涼な飲料水とそれから便所、さらに少し落ちますがバス
——浴室の
関係でございます。この三つの
条件がそろいませんと、いろいろと不都合の点が多いというふうに聞いておりますので、これは
旅館業法の中で助成はいたしておりませんが、
一般の
環境衛生施設といたしまして、
国際観光旅館のある地帯全体が水洗便所化できる、あるいは井戸水を直接個々にくみあげるのではなくて、水道が引かれるということが、
観光旅館それ自身の
整備費を非常に軽減すると同時に、一番理想的な形になると思いますが、この方が極力そういうような
観光地帯に優先的にこれらの
整備費を
——これは
補助金もついておりますが、それから上水道の場合には、特別な公営企業債の
ワクを
獲得いたしまして、全部割り当てるようになっておりますが、公共団体がやる場合にはそういうことを十分考慮に入れて現在でも配付等を
考えております。ただ直接
民間企業そのものに与えるという形は、一切
考えておりませんが、実質はある
程度役に立っている、かように存じております。