運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-02-18 第28回国会 衆議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月十八日(火曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 赤澤 正道君    理事 生田 宏一君 理事 濱野 清吾君    理事 山本 友一君 理事 松尾トシ子君       有田 喜一君    小泉 純也君       關谷 勝利君    塚原 俊郎君       永山 忠則君  早稻田柳右エ門君       小山  亮君    中居英太郎君       正木  清君    松岡 駒吉君       松原喜之次君    森本  靖君       眞鍋 儀十君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村三之丞君  出席政府委員         運輸政務次官  木村 俊夫君         運輸事務官         (大臣官房長) 朝田 靜夫君         運輸事務官         (海運局長)  粟澤 一男君         運 輸 技 官         (船舶局長)  山下 正雄君         運輸事務官         (船員局長)  森  巖夫君         運 輸 技 官         (港湾局長)  天埜 良吉君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      權田 良彦君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         運輸事務官         (航空局長)  林   坦君         捕獲審検審査        委員会事務局長  辻  章男君         海上保安庁長官 島居辰次郎君         海上保安庁次長 安西 正道君         気象庁長官   和達 清夫君  委員外出席者         海上保安監         (船舶技術部         長)      水品 政雄君         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 二月十四日  委員畠山鶴吉君及び森本靖辞任につき、その  補欠として河本敏夫君及び今澄勇君が議長の指  名で委員選任された。 同日  委員河本敏夫辞任につき、その補欠として畠  山鶴吉君が議長指名委員選任された。 同月十五日  委員澄勇辞任につき、その補欠として島上  善五郎君が議長指名委員選任された。 同月十七日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  田中武夫君が議長指名委員選任された。 同月十八日  委員河野金昇君及び田中武夫辞任につき、そ  の補欠として永山忠則君及び森本靖君が議長の  指名委員選任された。 同日  委員永山忠則辞任につき、その補欠として河  野金昇君が議長指名委員選任された。 同日  畠山鶴吉君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 二月十三日  航空法の一部を改正する法律案内閣提出第四  九号) 同月十四日  捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第七号)(参議院  送付) 同月十一日  智頭上郡間鉄道敷設促進に関する請願足鹿  覺君紹介)(第八三八号)  山陰、山陽間直通列車増強に関する請願足鹿  覺君紹介)(第八三九号)  大阪、米子間定期航空に関する請願足鹿覺君  紹介)(第八四〇号)  智頭上郡線調査線編入に関する請願足鹿  覺君紹介)(第八四一号)  上越線複線化促進に関する請願猪俣浩三君紹  介)(第八四二号)  諌早長崎間鉄道敷設促進に関する請願今村  等君紹介)(第八四三号)  同外一件(田口長治郎君外二名紹介)(第八六  五号)  同(今村等君外二名紹介)(第八六六号)  同(木原津與志君外三名紹介)(第八六七号)  同(中嶋太郎君外三名紹介)(第八六八号)  東北本線路線計画変更に関する請願田中利  勝君紹介)(第八四四号) 同月十七日  諌早長崎間鉄道敷設促進に関する請願木原  津與志君紹介)(第九五六号)  同(田口長治郎紹介)(第九八五号)  同(今村等紹介)(第一〇〇九号)  失業駐留軍要員によるタクシー事業免許認可に  関する請願床次徳二紹介)(第九五七号)  鍛冶屋線を梁瀬駅まで延長の請願堀川恭平君  紹介)(第九五八号)  智頭上郡間鉄道敷設促進に関する請願堀川  恭平紹介)(第九五九号)  三陸鉄道前谷地、津谷町間の敷設に関する請願  (佐々木更三君紹介)(第九六四号)  東三河港湾施設開発拡充に関する請願(八木一  郎君紹介)(第九八六号)  公営バス優先認可に関する請願外一件(中居英  太郎紹介)(第一〇一〇号) の審査を本委員会に付託された。 二月十五日  国際航空事業拡充強化に関する陳情書  (第三〇四号)  常磐線、東北本線の電化及び復線実現等に関す  る陳情書(第三〇  五号)  磐越東西線貫通実現等に関する陳情書  (第三〇六号)  紀勢線全通促進等に関する陳情書  (第三〇七号)  千歳空港整備に関する陳情書  (第三八〇号)  北海道、本州間定期航路助成措置に関する陳  情書(第三八一号)  私鉄電車運賃値上げ反対に関する陳情書  (第三八二号)  日章飛行場整備に関する陳情書  (第三八三号)  四国循環鉄道東部線敷設に関する陳情書  (第三八四号)  延岡市に測候所設置陳情書  (第三八五号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第七号)(参議院  送付)  航空法の一部を改正する法律案内閣提出第四  九号)  海運及び空運に関する件  南極観測船宗谷運航状況及び南海丸遭難事件  に関する件      ――――◇―――――
  2. 赤澤正道

    赤澤委員長 これより会議を開きます。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、その選任につきましては委員と長より指名いたすに御異議ございませんか。
  3. 赤澤正道

    赤澤委員長 それでは畠山鶴吉君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 赤澤正道

    赤澤委員長 次に去る十三日に付託になりました航空法の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を聴取いたします。木村政務次官。     —————————————     —————————————
  5. 木村俊夫

    木村政府委員 ただいま上程されました航空法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  御承知のごとく航空法民間航空の再開とともに昭和二十七年制定公布されまして、自後昭和二十九年に一部の改正を見たのみで今日に至っておるのであります。しかるにこの間、航空の発達は日進月歩まことに目ざましいものがありまして、今後においてもさらに飛躍的な発展を遂げるものと思われるのであります。この目ざましい航空界発展に即応いたしまして、かつ最近における航空機運航実情及び数年来の航空法施行実情にかんがみまして、本法に所要改正を加える必要が生じたのであります。  まず航空の安全の確保につきまして、政府といたしましても種々努力を重ねて参ったのでありますが、航空機高速化航空交通頻繁化に伴い、現行の規定のみでは安全の確保に万全を期し得られないうらみがありますので、この際これらに関する規定整備する必要を認めるのでございます。  また一昨年制定されました航空整備法に基きまして、空港の整備も着々その実を上げつつあるので、その円滑な運用を期するため、飛行場管理等に関する規定整備する必要があるのであります。さらに飛行機大型化等に伴いまして、耐空証明等手数料の額を適正化する必要があるのであります。以上がこの法律案を提案いたします理由であります。  次に、この法律案によります主要な改正点につきまして御説明を申し上げます。  第一は、運輸大臣耐空証明を行う場合の指定事項を追加するように改正いたしまして、航空機自体安全性強化をはかったことであります。  第二は、飛行場及び航空保安施設管理基準を、従来は単なる技術上の基準でありましたが、これを保安上の基準に改め、さらに公共の用に供する飛行場につきましては、その設置者管理規程を定めまして、運輸大臣認可を受けることにいたしますとともに、飛行場内で施設を損傷したり、航空機に向って物を投げたりする危険行為及び特定区域への立ち入りを禁止することにいたしまして、航空の安全の強化及び飛行場の運営の円滑化をはかったことであります。  第三は、定期航空運送事業の用に供する航空機機長路線資格につきまして、新たに運輸大臣の認定及び定期的審査の制度を設けることにいたしまして、定期航空運送事業公共性にかんがみ、特にその安全性の向上をはかったことであります。  第四は、航空機機長が出発前に整備状況気象情報等航空機運航に必要な事項を確認しなければならないことを法律上の義務といたしまして、機長の責任を明確にし、安全性確保をはかったことであります。  第五は、飛行場及びその周辺の上空におきましては、航空機運輸大臣の定める航行の方法に従って航行しなければならないことにいたしまして、特に航空交通の頻繁であります飛行場周辺における秩序の維持と安全の確保をはかったことであります。  第六は、運輸大臣航空機運航のため必要な情報航空機乗組員に提供することを法律上明定するとともに、ロケット、花火の打ち上げ、その他航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為を行う者は、事前に運輸大臣に通報しなければならないことにいたしまして、その情報の提供の万全を期した次第でございます。  第七は、最近における大型機導入等に伴いまして、検査手数料最高額を改めるなど、一部の手数料の額の適正化をはかったことであります。  なお、定義規定の一部を明確化いたしますとともに、その他所要改正を加えた次第でございます。  以上、この法律案提案理由及び主要な改正点につきまして御説明いたしました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  6. 赤澤正道

    赤澤委員長 本案に対する質疑は次会行うことにいたします。     —————————————
  7. 赤澤正道

    赤澤委員長 次に内閣提出参議院送付にかかる捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に関しましては去る一月三十一日に政府より提案理由説明を聴取いたしております。  これより質疑に入ります。質疑はございませんか。——質疑がなければ、これより討論に入りたいと存じますが、討論通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 赤澤正道

    赤澤委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立
  9. 赤澤正道

    赤澤委員長 起立総員。よって本案は、原案の通り可決することに決しました。  なお、ただいま可決されました本案報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 赤澤正道

    赤澤委員長 それではさよう決定いたしました。     —————————————
  11. 赤澤正道

    赤澤委員長 次に、南極観測船宗谷運航状況及び南海丸遭難事件のその後の状況等につき、政府より説明を聴取いたします。安西海上保安庁次長
  12. 安西正道

    安西政府委員 お手元宗谷航跡図が配付してあると存じます。それではお手元地図によって御説明申し上げたいと思います。  ちょうど一番下のところにリュッツォフホルム湾という字が書いてございますが、その上に十五、十六と書いてございます。そのあたりから御説明申し上げたいと思います。バートン・アイランド号宗谷が二月の七日に会合いたしまして、それから西南の方向に航路をとりまして、二月の九日にその地点に接岸いたしまして、それから十一人の越冬隊員を収容いたしますと同時に、飛行機ビーバーをもちまして資材を約二万トン程度オングル島に運び入れましたが、その後この地方の氷状がだんだんと悪化して参りまして、バートン・アイランド号艦長よりの示唆もございまして、二月の十四日に離岸いたしております。それからそこのお手元にございます赤く書いてございます航跡通り抜けまして、現地時間で十八日午前零時、日本時間で申しますと、けさの六時にこの地点まで引き返して参りまして、ようやく氷原を離脱したというようなことに相なっております。その間におきまして、宗谷はさきに第一回のビセットの際におきましてスクリューのプロペラを一枚損傷いたしておりまするが、昨日はまたシャフトを多少いためておりまするし、また同時に、かじに対して相当な衝撃を受けまして、かじききが悪くなっているというような報告が参っておりまするが、宗谷の今後の予定につきましては、バートン・アイランド号艦長と協議いたしまして、何とかしてビーバーを使いまして、最小限度越冬隊員八名を越冬せしめ得るような資材輸送を行いたいというような報告が参っております。昨年に比較いたしまして、この地帯の氷状は依然として悪く、従ってこのたびも外洋に出ますまで相当難航いたしておりまして、ある場合におきましては、バートン・アイランド号氷原の中に船首を突っ込みまして、なかなか抜けないというような状況区でございまして、宗谷うしろからワイヤをつけまして引っぱったのでありますが、ワイヤが切れるというような、非常に悪戦苦闘しておるような状況が見えておるようなわけでございます。大体以上でございまするが、八人の越冬が実現できるかどうかの問題につきましては、ビーバーを使いまして今後輸送いたします関係上、よほど天候に恵まれませんと、この八人の越冬というものはうまくいかないのではないかというような状況でございまして、われわれは天候の回復に期待しているというような状況でございます。  以上簡単でございますが、御報告申し上げます。
  13. 赤澤正道

    赤澤委員長 次に質疑通告がありますので、これを許します。小山君。
  14. 小山亮

    小山(亮)委員 今朝の新聞を見ますと、宗谷氷原航行中後退してかじを損傷した、それからシャフトを曲げたというふうな新聞がございましたが、先般宗谷プロペラを一枚落したということが新聞にものものしく掲げられたときに、私はプロペラの一枚くらいのことは大したことはないと思いましたが、シャフトに損傷を来たしたということになると、一体シャフトはそう曲るものじゃないのですから、あるいは傷が入ったのか、どういうふうになったのか、その詳細が伺いたいのです。もしわかっておれば伺いたい。わからなければ仕方がありません。それからかじも、おそらくかじのつけ根のところが曲ったのじゃないかとも思われるのですけれども、それは運航に全然障害がないということは言われないが、果してどの程度運航支障があるのか、これは私はきわめて重大な問題であると思いますので、場合によると、帰りの道で暴風圏内航行していくのでありますから、宗谷運航自体支障があるというようなことになりはしないかと考えます。いずれケープタウンまで帰れば、そこで仮修理なり本修理なりできるでありましょうが、その間の運航が果して可能であるかどうかとすら危惧されるのです。皆さんにその後詳細な報告が入っておりましたなら、伺いたいのです。
  15. 安西正道

    安西政府委員 現在までのところまだ詳細な通知船長からございませんので、はっきりしたことは申し上げられないと思いますけれども、ここに船舶技術部長が来ておりますので、技術部長からわれわれの推定をちょっと申し上げたいと思います。
  16. 水品政雄

    水品説明員 最初の御質問でございますプロペラシャフト曲りの問題でございますが、これはまことに重大な問題だと思うのでありますけれども、今までの報告によりますと、昨年帰りの航海で相当振動が出たというようなことをインド洋から報告がございまして、私どもその原因がはっきりしないで実は非常に心配しておったのでございます。そこで昨年帰って参りましてドックへ入ってテールシャフトを調べてみましたところが、テールシャフトの一番うしろの方のテーパーした部分がございますが、その部分で正確に百分の三十ミリ曲っておりました。それで、これも小山先生よく御承知のように、その程度ですと、普通の商船では少しテーパーを直したりして使うケースもあるのでございますが、宗谷の場合は大事をとりまして、本年はテールシャフトを取りかえております。ことしの報告によりましても、昨年も右舷でございましたが、また右舷が曲っているらしいということです。が、今までの振動の出方は昨年ほどでないというふうに言ってきております。従いまして今までの報告ですと、百分の二十とかその程度曲りじゃないか、これは想像でございますけれども、それで現在のところさらにその後の経過が詳細報告するように、船長に問い合せの手続を進めておるところでございます。それが参りました上ではっきりいたしますが、今のところではその程度のところしかお答えできないのでございます。  それからかじの問題でございます。これも実はまことにひやっとするような問題でございますので、いろいろ考えておるのでございますが、まだ正確なやはり照会に対する回答が来ておりませんので、正確にはお答えできませんけれども、まあ大体そうだろうと想定されますのは、とにかくうしろへ回るときに何かかじをとっておったらしい様子でございますし、あるいはまたかじをとらぬにしても船自体がまっすぐおれるという状態でございませんので、左舷の方にかじが押しつけられた。そのためにラダー・ストックが十度ねじれを生じた、こういうふうに考えられておるわけでございます。それで今船長には、多分そうだと思うが、その場合にかじ中心にしてそのラダー・ストックポイントを調べて、そのポイントが果してねじれているかどうかを回答するようにという通知をいたしております。それで十度のねじれと申しますと、これは実際には相当大きな数字でございすけれども、私ども商船なんかの取扱いといたしましては、あの程度の船ですとそのくらいのねじれでは、ラダー・ストックの取りかえ期間くらいは普通キー・ウエイを取りかえて使っておりますので、まず今後新たな報告がない限り、帰ってくるには差しつかえなかろうというふうな判断をいたしております。ただ果してラダー・ストックねじれたものか、あるいは操舵機には異常がないというような書き方をしておりますけれども、今照会手続を進めておりますのは、操舵機追従装置等油圧関係のアンバランスが起っているのじゃないかと考えられるので、その方の調査もするようにいたしておりますし、またラダー・ストックねじれると、結果的には一応操舵機追従装置を調整いたしまして、ちょうどかじ中心になるときにエンジケーターが中心になるように調整いたしまして、左舷に使う操舵の角度を十度減らして使うということをするようにという指示も進めておるわけでございます。
  17. 小山亮

    小山(亮)委員 あのかじはたしか水圧操舵装置になっておりますね。それからそれがいたんだ場合には手動装置もついておるように思いましたが、その水圧装置がこわれて手動装置になるというような場合は、帰ってくることは帰ってこられるでしょうが、もう一度やり返しての南極探検を遂行するために、もう一ぺん氷海に乗り込むなんということは私はおそらく困難じゃないかと思う。今の御説明ではまだ詳細な御説明がございませんからわかりませんけれども、たとえばシャフト曲りといいましても、その曲り曲り方が場合によればシャフト・ボックスに非常に影響がきて、船尾から浸水するというような原因にもなりはしないかと思いますし、軸受がシャフトが曲ったために非常に摩擦を生じて、熱を帯びてきて思う速力が出ないというようなことにもなりはしないか、いろいろな点を考えますと、今回の場合は非常な不幸続きでありまして、困難の上に困難が重なったようなことでございますから、よく新聞なんかに犬を返せというようなことで簡単に考えられているが、犬どころではなしに全隊員が果して無事に帰れるかどうかということすら、私は心配になっておるのでございます。でありますから詳細な連絡ができましたら、なるべく早い機会にまた委員会に再び御報告されることをお願いします。
  18. 赤澤正道

  19. 永山忠則

    永山委員 もう一度適当な水路を見出せば、昭和基地越冬いたしたいという考え方を強く持っておるようでございますが、そういうことになりますと来年度はどうするか、また外国の船に援助を受けねばならぬという結論になるかもしれぬのですが、そういう場合においては現在の船をさらに強力なものにいたして、そうして外国援助を得ずに自力でやれるという構想とあわせてお考えになっておるかどうか、その点を一つ伺いたい。
  20. 水品政雄

    水品説明員 宗谷性能は御承知通りでございますので、本年度自体がすでに私どもの感じでは性能よりはるかに状況が悪いので、この程度のことを来年度も当然予想しておかなければならぬ、こういうふうに考えますと、宗谷だけで着岸して荷物の輸送等を完全に行うというようなことは期待できないと思いますけれども、これは私の申し上げることは少し越権行為かもしれませんが、ただ来年度輸送量が、もし引き揚げるだけというようなことになりますと、航空機の協力というようなものを船にプラスして、その方に重点を置いた輸送計画を作り得るのではないかというようなことが考えられるわけでございます。
  21. 永山忠則

    永山委員 本年度でも航空機中心でやらざるを得ない結果になったわけでありますので、宗谷性能をそのままにしておいて、来年度またこれを敢行しろということになればちょっと無理がありはせぬか。それでこちらの方で御指導されるのに、新水路を見出してぜひ一つ越冬せしめようという指示をなさるとするならば、それに対する、宗谷より以上の性能の絶対の安全性を持つものをやはりお考えになって、それと並行してお進めにならなければいけないと思うのですが、そういう点について政務次官どうですか、大蔵省その他政府当局と十分お話し合いがございますか。
  22. 木村俊夫

    木村政府委員 今回の経験等もございますので、今お話のありました通り宗谷性能をもう一段と改善する、これはきわめて心要だと思います。それとともに今船舶技術部長から申し上げました通り、補助的に航空機の役割をもう少し強化するということも必要と思います。何せまだ宗谷が現在の地位におります間、政府部内ではこれに対して具体的な計画等もございませんけれども、今年度経験を生かしまして、来年度におきましてはもっと大規模な改善計画ないし観測計画をしたいと考えております。
  23. 永山忠則

    永山委員 こちらの方の指導方針は、新水路を見出してぜひ越冬の方へ向ってできるだけ最善を尽すべきだというような御指示をされておるわけでございますか、どうなっておるのですか。
  24. 安西正道

    安西政府委員 本年の氷の状況等から勘案いたしますと、第二次越冬隊を置くために、現地ではまず飛行機で、ビーバー資材を運び、人を運ぶというような計画をいたしておるのであります。船はできればもう少しオングル島に近い地点水路を見つけて入りたいといっておるようでございますが、それは今までの状況から考えましても、また南極はもうすでに秋に来ておりますので、非常に天候の変化が激しく、また氷の状態もだんだん悪くなって参りますので、現地ではその場合には外洋から飛行機を飛ばすという計画を立てておるのでございます。それで外洋からの距離でございますが、現在のお手元地図にございます十八日零時現在の地位でございますが、オングル島まで約七十海里ございます。それから二月の九日に接岸して離岸するまで飛行機で運んでおったわけでございますが、この地点オングル島と約六十八海里でございまして、ほとんど距離としては変っておりません。従って現在の地位から飛行機を飛ばすような適当な氷原があるかどうか、またあるいは氷原がなければオープン・ウオーターがあるかどうかというような問題が、この第二越冬の成功のかぎを決する一つの問題ではないか。それからもう一つは、最近接岸して飛行機で空輸をしておりました時代もそうでございましたが、どうもことしは去年と違いまして天候の晴れた日が少うございます。ほとんど雪が降って視界が不良であるというような日が多うございます。従いましてそういうときにはビーバーを飛ばすことは危検でございますので、今後あるいは好天の日があれば飛行機ビーバーを飛ばして、越谷できるだけの必要最小限度資材と人員を輸送できるというような事態が生まれてくるかもしれませんが、あるいはまた不可能であるかもしれません。南極の観測本部といたしましては、文部省あるいは海上保安庁、われわれと一緒になりまして、できるだけ現地には無理をしないようにというような、自重をするように指示をいたしております。
  25. 永山忠則

    永山委員 そこで現地には無理をせないようにという指示はわれわれは適当だと思うのでありますが、しかし現地側におる者からいえば、どうしても第二越冬を絶対に希望いたしておると思うのです。従ってそういう場合においては、第二越冬をやるときにはさらに来年度の新構想というものも、やはり本部の方ではあわせて十分一つ検討されて、そして絶対に第三国の援助を得ずに次はやるという基本方針を、やはりあわせておやりになるということなしに、ただ現地まかせということでは私は不安だと思うのでありますので、この点を特に御注意を申し上げておきたいと思うのであります。
  26. 赤澤正道

    赤澤委員長 南海丸のその後の経過について報告を求めます。粟澤海運局長
  27. 粟澤一男

    粟澤政府委員 遭難者の引き揚げにつきましてその後鋭意努力いたしておりますが、今朝までの引き揚げ状況を申し上げますと、百二十六体の遺体を引き揚げております。うち男子が百一体、女子は二十五体、男子のうち二十体は船員でございます。潜水夫も十二組入りまして引き揚げに従事しておりますが、何分今後の問題は、船内にも泥が相当入っておりまして、泥中に埋まっておる遺体を引き揚げなければならぬという状況にありますので、作業も非常に困難でございますが、一方遺族会とも話がつきまして、サルベージによりまして船体の引き揚げ作業を開始いたしております。これと並行いたしまして遺体の引き揚げを行っておるのでございますが、そういたしますと船外及び船内の泥の排除もある程度進むと思いますので、今後泥の中の遺体もそれによって揚げられるというふうに期待いたしております。船体の引き揚げ及び姉妹船のわか丸の試験状況につきましては、船舶局長から報告していただきたいと思います。
  28. 山下正雄

    ○山下(正)政府委員 御報告申し上げます。南海丸の引き揚げにつきましては先般御報告申し上げたと思いますが、日本サルベージが引き揚げの下請契約を南海汽船といたしましたが、遺族等の御希望もございまして、従来遺体の捜索等に非常に協力して参りました岡田組に、ぜひ遺体の捜索並びに船体の引き揚げをやってくれといういろいろ要望もございましたので、実質的に岡田組と日本サルベージと契約をいたしまして、岡田組がその作業をやっております。従いまして遺族の方には非常に満足を得ているようでございます。本船の引き揚げにつきましては、ただいま引き揚げに要します器材、船舶等を大阪から運んでおります。また他方現場におきましては、海運局長から御報告がございましたように、遺体の捜索をいたしております。主として船内の泥の排除並びに船体を引き揚げますのに必要な、船体付近の泥の排除をいたしております。その船の、また引き揚げの器材の到着と同時に、実際に船を浮揚せしめるという作業を開始する段取りになると思います。初めの予定では七十日ほど船体の引き揚げにかかるという計画でございましたが、岡田組でいろいろと研究をいたしまして、ただいまのところ天候が予期以上に悪くなければ大体四十五日くらいで引き揚げられる、引き揚げを開始しましてから四十五日くらいで引き揚げができるだろうという予想をいたしておりますが、なおそれにつきましてはこの計画がそごしないように、またできるだけ早く揚げるように、私どもといたしましてはサルベージ会社の方にいろいろ計画等の打ち合せをいたしたい、こう考えております。それからわか丸の検査の件でございますが、つい四、五日前にわか丸は中間検査のために日立造船の大阪築港工場に船を回しまして、これから中間検査に入るわけでございます。中間検査の終りに、私どもといたしましては先般申し上げましたような船の性能の再確認、またその性能の改善方式につきまして研究をいたしたいと考えております。昨日もサルベージ関係の専門家にお集まりを願いまして、どういうような方案でこの試験を遂行するかにつきましていろいろ打ち合せをいたしました。近くこの方案を決定いたしまして、船の中間検査終了後実施をいたしたいと考えております。大体日取りは今月の月末ごろにその試験を行い得る段取りになるつもりでおります。
  29. 永山忠則

    永山委員 保険関係はどういうようになっているのですか。
  30. 山下正雄

    ○山下(正)政府委員 保険関係は南海汽船と東京海上で一億の保険をかけております。もちろん一億の保険の範囲内におきまして船の引き揚げと修繕をやり得るのでございますが、引き揚げと修繕で一億以内でおさまるようでございます。
  31. 永山忠則

    永山委員 乗客の保険は。
  32. 粟澤一男

    粟澤政府委員 乗客の保険につきましては、南海汽船は四百四十四名分の保険に加入いたしておりました。今度の場合には被災乗客の数はそれよりはるかに少うございます。全員最高額の二十五万円までは確実に出る、こういうように言っております。まだ保険会社から支給いたしたということは聞いておりませんけれども、出ることは間違いないと思います。
  33. 永山忠則

    永山委員 支給されることは間違いないというわけでございます。それから第五北川丸の関係等から見まして、これは幸いにして保険会社の支給ができますのですが、もし自己の責めに属すべき関係において、これが約款上支払いができぬというような問題が前にもあったわけでありますが、この機会に強制賠償保険といいますか、ちょうど自動車でやっておりますようなそういう情勢に持っていくというお考えがございますか。
  34. 粟澤一男

    粟澤政府委員 その点につきましては定期船関係について問題が二つあると思います。第一点は現在の加入状況がまだ割に少うございます。これをいやしくも定期航路として旅客を運ぶものは全都この保険に加入しろということが第一点。私どもはこの点今考えて、運輸審議会にも御相談いたしまして、全部これに加入するようにという指導をいたしたいと思います。それから第二点は、ただいま御指摘の保険金をもらえない場合というような免責条項がございます。約款の問題でございますが、これは過失がございましても保険金を受領し得るというふうな約款に変えたいと思いまして、定期船協会と保険会社の方と今相談中でございます。大体所期の目的を達し得る約款の変更ができるのじゃないかと私どもは期待しておりますが、まだ確定的な結論まで至っておりません。
  35. 永山忠則

    永山委員 指導によって全部加入させる、さらに免責条項の改訂という行政措置でというお考えでございますが、それよりも一歩前進して、強制保険に持っていく時期ではないかというふうにも考えるのでありますが、さらに金額についていま少しく引き上げるというような考え方についての御指導はどういうようになっておりますか。
  36. 粟澤一男

    粟澤政府委員 金額の点につきましては、私どももなるべく一般に考えまして妥当なように上げたいと存じますが、今のところ大体三十万円までは上げられるのじゃないかとわれわれ考えております。なお三十万円で十分と思っているわけではございません。できればさらに上げることができたらと思いますけれども、これも保険料との関係もございまして、全員が入れて、かつ保険料が相当上るということもなかなかむずかしいのでありまして、漸進的にいきたいと思っております。
  37. 永山忠則

    永山委員 保険料をそう上げずに金額を上げる道があるのであります。それはいわゆる共済保険制度でいきますと、要するに手数料を非常に少くしまして、保険料は安くてしかも金額は上げられるような情勢でございますので、自動車の損害賠償保険も共済保険制度にすみやかに切りかえるべきであるというわが運輸委員会の満場の決議で、政府へ申し出ておるのであります。大体この手数料に属すべき保険料が一割内外で済むべきものが、実際上は三割から四割かかっておるという状態でございます。これを共済保険の形に持っていくことにいたしまして、保険料は少くて契約金は多くできるというようなことになり得るのであります。そういうような保険金によりまして、協会というものが非常に活動力を強化し、あるいはその集まった資金の運用面で幾多運輸行政に寄与することができるのでありますが、一歩進んで共済保険制度の点についてお考えなり御構想をお持ちでございますか。
  38. 粟澤一男

    粟澤政府委員 現在やっております保険料は割合に割安でありまして、たしか一側程度のロス・レシオであると思います。共済保険につきましてはなお私ども検討いたしたいと思います。
  39. 小山亮

    小山(亮)委員 今の問題に関連してちょっと質問があります。それは、今残っている遺体はあと何体なんですか。先ほど揚げられたものだけをお話しになったが、残っているのは何体あるか。それから岡田サルベージが水中テレビか何か知りませんがそういうのを持っているので、中に突っ込んで様子を見るということで、だいぶ私たち期待を持っております。中の様子がそういうようなことでわかれば、詳細なことはわかりませんか。
  40. 粟澤一男

    粟澤政府委員 御遺体の数は百二十六体揚っておりまして、ただいまのところでは全員で百六十七名ということでございますので、四十一体まだ残っておる状況でございます。それから水中テレビの話は、先般海難審判庁が水中テレビを持って参りまして、実際に水中、船中の状況を調べたということを聞いておりますが、これは岡田サルベージではないのです。詳細な報告を受けておりませんが、その問題があります。
  41. 小山亮

    小山(亮)委員 どうも当局の方で握られる情報は詳細を欠いておるように思う。海上保安庁の方は直接タッチしておられるのでありますから、もう少し詳しい情報をお持ちではございませんか。
  42. 安西正道

    安西政府委員 海上保安庁はまだその点については遺憾ながら確かめておりません。
  43. 小山亮

    小山(亮)委員 海上保安庁の船は遺族の要求によって、引き続いて遺体引き揚げのために最後まで努力するということを長官がこの間ここで言われた。従って何隻かの船はこの遺体引き揚げのために、非常に苦労をしながら努力しておられることだと思う。そうしますと遺体引き揚げについての詳細は、それに直接関係しておられる方が一番よく知っておらなければならぬと思うのですが、今の海運局長報告以外には知らない、こういう御答弁ですか。
  44. 安西正道

    安西政府委員 現在でもなお巡視船は五隻程度現地に派遣しております。ただ水中テレビの件につきましては、海難審判理事所がタッチしておりまして、その報告がまだ参っておりませんので、実はわれわれ承わっておりません。
  45. 小山亮

    小山(亮)委員 そうしますと、天候にもよるでありましょうが、すでに引き揚げに着手したということは、船体に引き揚げのワイヤその他を回してしまったということだろうと思うのです。そうするとあとどのくらいで揚がる予定ですか。
  46. 山下正雄

    ○山下(正)政府委員 船体にはまだワイヤを通しておりません。ワイヤを通すために泥の排除を今いたしております。もちろん船内にも泥がたまっておりますから、それを出す。それから船が横倒しになっておりますから、その付近の泥を排除してワイヤを通す作業を今やりつつあります。他方、空気槽とか、引揚用のバージとか、そういういろいろな道具類を大阪から運んでおりますが、実はどのくらいのエアタンクが行ったか、バージが行ったか、それについてきのうも連絡をとったのでございますが、まだ会社の方から詳細な報告を受けておりません。わかりましたら、また次の委員会で詳細に御報告申し上げたいと思います。ただいまのところ詳細に何人が従事して、何隻船が回ったかということはまだ報告を受けておりません。
  47. 小山亮

    小山(亮)委員 新聞の写真を見ますと、移動起重機を装備した船が二はい、また引き舟もそれについて現場に行っております。でありますから、私ども考えれば、ダイヴァーが入って相当の程度わかって、引き揚げについてのワイヤがどこかに取り付けられた、こうわれわれは想像するのです。その写真が新聞に出るくらいだから、あなた方の方にはもっとこまかい情報が入っておると思うが、入ってないのですか。またどこかにワイヤでも取りつけてあるのですか。装備はどの程度まで進歩しているのでしょうか。それから底質は何ですか、砂ですかマッドですか。
  48. 山下正雄

    ○山下(正)政府委員 まだ船体にワイヤが通っておらぬという報告は受けておりますが、そのワイヤを通す作業をしておるということでございます。底質は泥のようでございます。もっと下の方は多分砂じゃないかと思っておりますが、それについてもまだ詳しい報告を受けておりません。
  49. 小山亮

    小山(亮)委員 運輸委員会というのは毎日開かれるのではありませんので、私ども、少くも運輸委員会が開かれれば、そうした事件に対する詳細な御報告を受けるものと思って出てくるのでありますから、どうか政府委員の方も、お忙しいでありましょうけれども委員会報告のできる程度のことは一つ御調査おきを願いたい。あの底質は、私ども海図で調べたところによりますと砂なんです。けれども現状からいいまして、砂と泥とまじっているのじゃないかと思う。それでありますから死体の捜査が困難——砂だけならばまだポンプで排除できるが、泥があるから、それを使った場合には中がまっ暗になってしまって、ダイヴァーが入っていってもなかなか死体の捜査が困難で、それでおくれるのじゃないかと思う。いずれにしても、私ども直接関係はなくても、遺族の気持を考えれば、いたたまらない気持だろうと思いますから、従ってこれは役所の船じゃない、民間の船であるから、直接役所には責任はないかもしれないけれども、こういう場合にはやはり役所の船を沈めたと同様な気持で、もっと親切に情報の御報告をお願いしたい、これが私の希望なんです。     —————————————
  50. 赤澤正道

    赤澤委員長 次に、先日の委員会において説明を聴取いたしました昭和三十三年度運輸省関係予算に関して質疑通告がありますから、これを許します。正木清君。
  51. 正木清

    ○正木委員 大臣の出席はどうなんです。
  52. 赤澤正道

    赤澤委員長 今予算委員会に出ているようです。
  53. 正木清

    ○正木委員 では政務次官もおられることですから、航空関係から質問を始めたいと思います。  昭和三十三年度の運輸省重要施策の要綱の中の2の国際航空整備拡充、航空路線の拡充強化航空従事者の養成強化、国際空港の整備、この三つについては非常に大きな希望を持っておったわけです。そこで三十三年度の予算と関連を持ちながら質問をいたしてみたいと思いますが、その前提としてお尋ねしたいのは、わが国の民間航空の現状でございます。これを一口に言って国内線と国際線に分けることができますが、この現状の説明に当っての国内、国際線の輸送状況、それからその担当している会社の経営状況、これの御説明を願いたいと思います。
  54. 林坦

    ○林(坦)政府委員 ただいまの御質疑に対しましてお答え申し上げます。日本の航空につきましては、国際線及び国内の幹線につきましては、日本航空株式会社がこれを担当いたしております。その実際の状況につきましては、国際線につきましても相当延びて参りまして、それを初めて自主運航を始めました昭和二十七年度から三十一年度において、すでにもう五倍以上のものを運んでおるというような状態でございます。またその三十一年度の旅客を三十二年度について考えてみますと、数字はここに資料を持っておりますけれども、伸び方は非常に大きく伸びて参っております。またその国際線につきまして御説明申し上げますれば、ただいまのところ東京からホノルル—サンフランシスコ間を週五往復いたしております。また東京—香港—バンコックを週二往復をいたしております。また東京—沖縄—香港を週一往復をいたしておりまして、また東京から大阪—福岡—沖縄を週二往復をいたしております また南米の方にも線路を延ばしておりまして、これは大体三カ月に一度程度南米の方に運航をいたしております。また国内線といたしまして、東京から札幌まで三往復、また東京—大阪四往復、東京—大阪—福岡を二往復、東京—福岡の直航便を一往復を実施いたしておりまして、また夏にはさらに臨時便を出してやっておる。その臨時便といたしまして札幌線に昼間一往復を増便し、また昭和三十三年におきましては、夏一ヵ月間深夜便を実施いたしたようなわけでございますが、それが非常に矛想を上回る好成績を続けておる。数字につきましてはお手元に資料を御配付申し上げてあると思いますのでごらんをいただきたいと思います。  またそれの状況は国際線、国内線ともにここ一、二年前から非常な調子のいい伸展を続けておるのでありますが、実は今度国際線用といたしましてダグラスDC7Cという飛行機をこちらに買い入れまして、これを大体来年度から太平洋方面に就航させるように現在計画いたしております。ところが最近の世界的ないろいろな困難な経済情勢もございますし、また時期的な問題もございますので、この冬場においては必ずしもそういい状態でもございません、やがて春を迎えますれば逐次その実績も上ってくることと考えております。しかし昭和三十三年度あたりの見通しを立ててみますと、これは新しい飛行機を入れました関係上、予定運航を十分確保することができるかどうか、初めの間は新しい飛行機を十分に使いこなすということのためにいろいろとまだ問題があることと思いますので、そういう点であまり無理をすることはできません。また新しい飛行機を入れました関係上、減価償却もふくらんで参りますし、三十三年度においては必ずしも本年度以上の営業収益をあげ得るかどうかというようなことはちょっとまだ問題であろうと思います。国内線は、先ほど申しました線路に入れております飛行機は比較的順調な発展を示しておりまして、ここもまずまず来年度あたりも順調にいくことと考えております。従って、昭和三十二年度における収益は大体上期において七億程度は上ったと存じますし、また下期は、予想は多少はまだいいと思っておりましたが、ちょっと下期の冬枯れと申しますか、そういった関係から大体とんとん程度にいくのではないかと考えております。しかしまだ過去の負債の繰り越しが五億もございますし、その他償却についても、税法の許す限りにおける償却から見ますとまだ相当の不足の分もございますので、必ずしも一ぺんに相当の黒に行くというふうに結論的に決算において言うことはできませんけれども、実質的には年度内は相当うまくいった、こう考えております。  それから国内の別途ローカル線のことでございますが、これは昨年度等におきましてその実績を見ますと、従来日ペリ航空というのと極東航空というのと二社が、大体日本のローカル線の大宗を占めておったのでありますが、それぞれ地域を狭く切っておりました関係もあり、必ずしもその成績が順調にいっておりません。そのおもなる原因は、空港が十分に設備されていないということのために、たまたまおりたり立ったりすることはできましても、少し天候状況が悪いときにはすぐ欠航しなければならないというようなところから、お客がつきかけては落ち、つきかけては落ちというようなところに相当の困難がございました。また二社に分れております関係上、いろいろとむだもあるというので、実はここ数年にわたりましてその合併を慫慂して参りましたところ、幸い両社の話がつきまして、この二月の十日をもちまして両社の合併が実現したわけであります。つきまして、今度の新しい会社としまして、全日本空輸という会社がわが国のローカル線のおなともころを担当する、こういう形になったわけであります。過去における年間の欠損は、両社合せますと約一億程度の赤を出して参りました。従って実は来年度の問題といたしましても、新しい空港ができ、いろいろの乗客の理解も深まりますれば、これは年を追うて改善することはわかっておりますけれでも、さしあたって新しい航路等も開かなければならないし、いろいろと問題もございますので、これに対して直接に補助金等を交付するというようなことも政府として考慮し、関係方面とも相談いたしてみたのでありますが、補助金の問題は、実は予算の規模の関係もあり、今度は出さないことといたしました。しかし何か一つにまとまりまして経営の合理化をはかることはもちろんでございますが、飛行場整備等も極力進めることにいたしまして、間接的にこれを援助していくということについては、私どもとしてはできるだけの努力をはかっていきたいと考えております。来年度はどういうことになりますか、もう少し様子を見ないとわかりませんが、飛行場等もおいおい整備されて参りますので、何とかこれを成り立つように持っていきたいと考えておる次第でございます。ただこの問題について、まだ国会で御審議になっております問題でもございますけれども、通行税の問題がございまして、通行税につきまして、年来ローカル線のこのような計画におきましては、従来の状態といたしましては、通行税法によって現在二割という税率を、航空に関しましては、実は一割に一年ごとに区切って減税をやってあるのであります。これを来年度も続けるということで今進んでおりますが、ローカル線につきましては、さらにこれについて今後何らかの措置をとるなり、あるいはその他の方法によって、たとえば日航あたりと適当に乗員の訓練その他の点でタイアップする、あるいは航空機貸与等の問題を考える、場合によっては出資の問題等を考えるというような方法によって育成も進めていきたいと考えております。
  55. 正木清

    ○正木委員 今詳細に御説明があったように、日本の民間航空の現況から考えてみて、日本航空を主体とする国際及び国内の輸送状況、経営状況はおおむね良であることが明らかになりました。そこで、ローカル線の関係につきましてはあとで私質問するといたしまして、さらにお伺いしたいことは、私の承知しておるところでは、大臣の諮問機関として航空審議会なるものができて、そこで国際航空運送事業の十カ年計画というようなものが立案されたと聞き及んでおるわけですが、この十カ年計画に基いて、三十三年度では国際航空関係で、もちろん新しい機種その他の購入資金手当として計画されたと思うのですが、その点について一つ御答弁を願いたいと思います。
  56. 林坦

    ○林(坦)政府委員 将来の十ヵ年計画の問題につきましては、ただいまお話のございましたように、航空審議会において十ヵ年間における路線の伸張を中心といたしまして答申がございました。この線にある程度沿いまして、来年度から、現在バンコックまで延びております西の方の線をシンガポールへ延長するという線を今準備いたしておりまして、関係方面と打ち合せ中でございます。また来年度米国の西海岸におけるロスアンゼルスの方面に、米国と交渉して地点を得てロスアンゼルス線を開くという問題につまましても現在関係方面と打ち合せをして、近く米国とこの点について交渉を開始する予定でございます。機材の問題につきましては、いろいろまだ、DC7Cを航空審議会においては将来に対しましてさらに二機ほど追加した方がよろしいという意見が出ておりまして、機種もただいまは新しい機種が入ってきたばかりでございまして、この実情等ももう少し調べて、さらに追加をすべきか、あるいはこれをその程度を変えるか等の問題もございますので、その問題についてはもう少し様子を見て考えたいと思っております。予算の面から見ますと、大体十カ年計画の線に沿いまして国際空港を整備するという点につきましても、来年度の予算に羽田の国際空港及び伊丹の国際空港の整備について、それぞれ予算をつけていただくように計上いたしまして、逐次整備を進めていく段取りでおります。
  57. 正木清

    ○正木委員 そこでお尋ねいたしますが、第三にはこの資金関係について、日本航空が国際航路の充実をはかる、従って国内航路の充実をはかる一応十カ年計画が立っておる。それに基いて運輸省は国際航空整備強化計画を立てたわけですが、一体三十三年度におけるこれらの計画を基礎とした資金関係の手当はどうなっているのか、これをお尋ねいたします。
  58. 林坦

    ○林(坦)政府委員 三十三年度といたしましては日本航空に産業投資特別会計から五億の政府出資をいたしまして、これを政府からそれだけ増資いたしますれば、これに伴いまして、現在日本航空の資本金が七十一億余りでございますので、政府の持ち分が現在までのところ五十億でございますから、約一割程度の増資がそれでできるわけでございます。それからさらに資金手当といたしまして十七億余りの金を市中銀行から借りる段取りになっておりまして、それにつきましては政府の債務保証という点が認められておる次第でございます。またそのほか社債につきまして、日本航空に対しまして来年度五億円社債を政府保証のもとに認める、こういうことになっております。
  59. 正木清

    ○正木委員 今の御答弁によると政府出資を五億さらにまた増加する、それから十七億の借り入れをやる、さらに五億の政府保証の手当をする、こういうわずかな資金の手当で、今の日航が考えており、あなた方行政面から指導しているこの新しい機種の買い入れ手当の資金というものは、これで満足すべきものなのでしょうか、この点を一つ御答弁を願いたいと思います。
  60. 林坦

    ○林(坦)政府委員 実は外国から買い入れておりますDC7C及び数年後に入手いたしますDC8のジェット輸送機等を買いますためには、約百五十億程度の金が要るわけです。これに対しましてその七五%程度はアメリカのエクスポート・アンド・インポート・バンクの方から融資を受けて買っております。従ってこれらにつきましてはさしあたりの手当はついておると言ってよろしいのでございます。もちろんこれらを償還して参ります関係が問もなく起って参りますので、それに対する手当は今後いろいろいたさなければなりませんが、今計上いたしました数字によりましてさしあたっての資金需要はまかなえる、将来の問題としてはまだまだ相当考慮を要する点が多いと考えております。
  61. 正木清

    ○正木委員 その資金手当の面で若干私に疑義があるわけですが、こうだったのではないのですか。たとえば資金手当については当初あなた方の計画は、三十三年度においては政府出資は最小限度でも十億は出してもらわなければ困る、それから社債は何としても十五億、それから米国の輸出入銀行よりの、開発銀行の保証を得て三十億の手当はしなければならないのだというようなことではなかったのですか。ですから百五十億の資金手当は必要であるのだが、この百五十億の資金手当を一体どうして作っていくかというところに問題があるのであって、あなた方がどのように十カ年計画を立てようとも、あなた方自身が大蔵省との折衝の場合に、予定の資金手当ができなければ、日本航空が順調な事業の発展を現に来たしておったとても、競争の激しい国際航空路線においては残念ながら立ちおくれざるを得ないのだ、一にかかって資金の手当いかんにあるのだというのが、今の日本の国際線における現状ではないのですか。その点もう少し具体的に御説明を願いたいのです。
  62. 林坦

    ○林(坦)政府委員 御指摘のございましたように、私ども当初出資も相当多く、今おっしゃいましたよりもさらに多く、二十億程度政府出資をして、社債も現在の五億というよりもさらに多く、十億ないし十五億くらい少くとも手当をいたしたい、かように考えておりましたのは、結局ダグラスのDC7Cを実は直ちに発注して、次の段階に備えるという点を考慮いたしておりました。ところがいろいろ考慮いたしました結果、ダグラスのDC7C二機追加の問題をこの際しばらく見送りまして、もう少しDC7Cの実績を見まして、また将来の問題についてもう少し検討をいたしましてこの問題を進めていきたい、かように考えましたので、その点の計画を今度の予算の中から落したわけでございます。その結果そういうことになったのでございます。
  63. 正木清

    ○正木委員 そこで次にお尋ねしたいと思うのは、ローカル関係でございます。航空事業それ自体がやはり国際競争場裏で派手にいたす関係土、航空事業というものはとかく国際線が重点になりがちなのですが、われわれ国民からすれば何としても国内線にやはり重点を置いて一つものを考えてもらいたいという気持は、これは当然出てくるわけでございますが、今年度の予算を考えてみましても、なかなか思うように進んでいかない。そこで先ほどあなたの御説明にあったように、北日本と日ペリとの合併によって全日本空輸会社ができて、これが充実してくれば、岡内の各飛行場と相待って順調な事業経営は成り立つでありましょうけれども、一体この日ペリと北日本航空の両会社の今日までの赤字の累計は、どの程度までになっているのですか、それをお伺いします。
  64. 林坦

    ○林(坦)政府委員 この全日本空輸といたしましては、赤字の累計は大体——ちょっと宙に覚えませんが約三億なにがしになっておると思います。これらにつきましては債務になっておりますので、合併に際しまして当事者及び債権者と打ち合せをいたしまして、過去の債務につきましては、これは債権者にある程度負担してもらう、あるいは四年間あるいは五年間据え置きにして、その間無利子にしてもらうとかいうような措置を講じてございまして、それについて今後四年ないし五年たった後にこれを——その間に会社の内容を改善してやっていくという方策が立って進んでおります。従って年々の経常的な赤字が今後何とか克服されますならば、過去のものについては逐次その弁済の方法についてもまた打ち合せをしてやっていけると思います。  北日本の問題につきましては、実は北日本の首脳者と全日本空輸の首脳者との間では原則的に合併をまたやろうということについての話し合いはついておるのでございます。なおさらにこの両者の財産事情等をよく調べてみる必要がまず第一にあるというので、至急それを調べるという状態になっております。赤字等は現在宙に覚えませんが、たしか全体で四、五千万円になりましょうか、私もちょっと宙に覚えませんのでございますが……。
  65. 正木清

    ○正木委員 そこでお尋ねをしたいのですが、たとえば日本航空のような場合には、政府保証による社債の借り入れの道もおのずから出てきますね。それから損失の場合の元利払い等についても政府は相当のことを考えておる。それから補助金も出るというようなことで非常に力を入れている。その反面、国内のローカル線を担当している民間航空の会社に対しては、今日までどういう助成策をとってきたか、それから今後は一体どうするつもりなのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
  66. 林坦

    ○林(坦)政府委員 日本航空につきましては、御承知のごとく日本航空株式会社法というものを国会で制定されまして、その会社法に従いまして、大体日本の航空の根幹をなすものといたしまして、まず政府からも出資をし、またこれに相当の援助をして、これをもり育てるという方針をとって参ったことは御指摘の通りでございます。ローカルにつきましては、実は当初これは国の特別の会社として特に認めているわけではございませんので、そのときにおける状況のもとにおいて民間の企業意欲によってこれをもり立て、当初は相当の赤字がありましても、国がこれに対する助成といたしましてはローカル空港を整備するというようなこと、あるいは補助金、または航空大学校による乗員の養成に力を尽すというようなこと、また実際に航空保安施設等を国で開くというような間後的な援助によって、また通行税も一部軽減するといったような方途によって、実は直接補助をできるだけ避けて現在までは助成して参っております。もちろんそれには国内が数社に分れておりました関係もあって、自然そういうふうな程度しか助成の方法がなかったということも言えるのでありますが、これが国内一本化しますと、いろいろとまたローカルはローカルとして国家的要請あるいは地方的要請といったようなものが出まして、これに対する義務というような問題まで起って参ります。政府としましてもこの際次には何かこういうローカルの航空会社に対しても援助をしてやる必要がある、こういうふうに運輸省は航空当局としては考えまして、実は来年度のためにも補助予算を要求したのでありましたが、実はその点は政府部内で意見が一致いたしませんで、補助金の予算は計上することができなかったというのが実情でございます。しかしながらローカルも一本化して参りますと、それぞれ権限のあるところにはおのずから社会的な義務も生ずると考えますので、この点については今後の問題としては私どもは従来の行きがかりでなくて考えていきたいと思っております。
  67. 正木清

    ○正木委員 私は今の局長の答弁で、大体今後の行政指導の思想のあり方といいますか、それでいいのだと思うのです。それでいいのだと思うのですが、たとえば日ペリと極東航空の合併のときも、運輸省の航空局の皆さん方がそれとなく非常に骨を折られたということも承知いたしております。  それからまた北日本航空がさらに合同しようという動きについても、皆さん方がそれとなく努力されていることは私も承知をいたしております。そこで国内ローカルの各会社が一本になれば、これは社会的義務というものが必然的に、会社が成立するとともに生まれてくることは当然だろうと思う。そうなりますれば、国として当然一方にそういう義務を負わせる反面において、一方にはやはり国みずからも国内ローカル線の育成のためには、相当の助成策というものがおのずから生まれてくるのではないか、それなしには残念ながら日本の国内線における民間航空の発達というものは、実際問題としては困難ではないか。この点について何かあなたの手元で具体的な案でもあればこの際明確にしてもらいたい。なければないでいいのですが、あればあったとして明確にしておいてもらいたい。
  68. 林坦

    ○林(坦)政府委員 この問題につきまして御質問がございましたので、お答え申し上げます。私どもとしましては両者が合併いたしまして一本になりますれば、その間に経営の合理化ということもある程度考え得る、むだを排除するということも考え得る。また乗員の訓練養成等につきまして日本航空との結びつきもある程度考え得る、そういうところを通じてたとえば航空機を融通する問題でありますとか、あるいは乗員についても訓練等を委嘱して訓練費等によってある程度の実質的援助を与えるというようなことも考え得る。その他間接的、直接的に日本航空との関連においても援助ができるというような点も考えて参りました。しかしながらただそれだけでは十分でない。私どもとしてはローカル路線については、現在取られております通行税の問題も、運輸大臣が認めております運賃を、通行税があります関係で、冬場のようなお客の少いときにはどうしても割引して乗せなければならぬというような矛盾もございまして、いろいろ困っておりますので、通行税の問題等についていろいろ関係方面とも打ち合せておりましたが、この問題はまだ私どもといたしましては納得といいますか、それでいいという結論を見ておりませんで、従来通り一割減損という案が出ておるのでございますが、その税的な方面とか、あるいは先ほどちょっと御説明申し上げましたような補助金といたしましても、たとえば離島でありますとか、あるいは非常にへんぴな場所等への航路については、海運航路補助的な問題と同じような考え方を入れる思想も、将来の問題としては考えなければならないのじゃないかというふうに考えております。
  69. 正木清

    ○正木委員 国内航空路線になりますと非常に消極的な態度になるわけですが、そういうものの考え方の上に立って、あなた方が三十三年度の予算を大蔵省と折衝する場合においても、事国内の飛行場整備の予算獲得という面になると弱くなるのではないか。たとえばの話になるのですが、これは大臣がおりませんからやむを得ませんが、あなた方が昭和三十三年度運輸省重要施策要綱を三十二年の八月当委員会に出したときには、その元気さというか、非常なものであったわけだ。ところが、これは重要施策全般なんだが、さて運輸省全体の三十三年度の予算がほんとうにきまって、われわれの委員会に出てきたら一体どうなんだというと、その元気さはどこかへ飛んでしまって、各省関係の中で運輸省ほど予算の少かったところはないくらい、またその例をあげると、航空関係などでも三十三年度重要事項概要要求額一覧から見ると、日本航空会社への出資十億、私は先ほど十億と言っておりますが、あなたの方の原案はまさに二十億、航空事業補助に必要な経費六億四百万円、国際航空事業の補助、乗員訓練費五億四百万円、国内航空事業の赤字補助一億、これはあなたの方の原案にあるのです。原案の中に航空大学の整備拡充に必要な経費三億一千百十三万何がし、空港整備に必要な経費四十一億六千何がし、ずっとこうなって実に膨大な計画なわけです。にれに対して、実際に現に議会で審議されている三十三年度航空予算の概要、これはあなたのところから出た資料だから間違いないと思うのだが、総計十九億五千四百九十二万六千円なんだ。問題にも何もならないですよ。あなたの方の原案と比べると、現実に大蔵省の最終的査定を受けて、現にこの国会で審議している原案はわずかに二十億なんです。問題にも何もならないです。たとえば航空審議会で十カ年計画を立てたとしても、現実に三十三年度のこの予算というものは問題にならないほどの少い額なわけですから、この十カ年計画というものはそれこそ絵にかいたもちよりかさらに始末が悪い、こう考えてくると、よほどあなた方は努力しない限り、僕は日本の航空事業というものは、国際路線においては激しい国際場裏の中で太刀打ちできないような、非常に危険な状態になってくるのではないかという心配が一つあるわけです。もう一つは、国内ローカル線にしても、全国十三の飛行場計画通り順調に進んではいかないだろうし、合併された民間航空会社といえども、国民の期待に沿うようなものにいくことはなかなか困難であろうとすら私は考えるわけです。ですからこういう点は、政務次官も御出席なので、大臣ともよく打ち合せして、一たん運輸省として決定した限りにおいては、やはり大臣なり政務次官は、大蔵大臣と四つに組むくらいの意気込みをもって、計画倒れにならないような努力があってしかるべきではないか。私の聞いているところでは努力なさらないそうじゃないですか。努力なさらないで計画ばかり大きなことを発表されることはお慎しみ願いたいと思います。これはひとり航空局にだけ言うのではない。大臣に言う言葉なんですが、これを要望して私は一応航空関係質疑を終ります。  次に、港湾関係について一つ質疑をいたしたいと思います。まず第一に私のお尋ねしたい点は、政府は御承知のように新長期経済計画なるものをお立てになりました。もちろんこれは目標、計画でございますから、年次計画というものは具体的にどうこうということではございませんが、この政府がお立てになった新長期経済計画から見て、今の日本の港湾が果して満足すべき状態のものであるのかないのか、この点について一つ総論として考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  70. 天埜良吉

    天埜政府委員 ただいまのわが国の港湾の情勢は、港湾の取扱い貨物量にいたしましても、また入港船舶も非常に増加して参っております。取扱い貨物量で申しますならば、二十九年には二億三千八百万トンというような数字でありましたのが、三十一年には二億九千三百万トン、実に五千五百万トンの増加をいたしております。また入港船舶について申しますならば、二十九年には五億八千三百万トンというような数字でございましたのが、三十一年には六億五千八百万トン、七千五百万トンの増加をいたしておるわけでございます。従って非常な港湾に隘路を生じつつございます。またことに最近の世界的の傾向といたしまして、船型が大きくなって参っておりまして、従来のような港内水深あるいは岸壁というようなものでは、なかなか間に合わないという状況を来たしております。なお地方の開発その他から申しましても、港湾による海上輸送をもっと強化しなければ、非常に物資流通を欠くというような情勢に見受けられまして、このような状態は非常に港湾としてまた輸送の弱点ということに考えられますので、港湾整備を急がなければならぬというふうに考えております。港湾の関係の経済五ヵ年計画というものを、昭和三十五年までというような観点から、それにマッチすべく計画を立てておりました。ところがただいま申しましたような非常に喫水の大きな船が参る。たとえば石油の関係あるいは鉄鉱関係、また石炭を非常に輸送しなければならぬ計画にありますので、昭和三十三年度からさらにそういう基幹産業に対する分としては、五ヵ年計画を大きく予定して採用をいたし、考えつつあるのでございます。概略のことを申しますと、港湾の昭和三十三年度から三十七年度までの行政投資に属する分は、五ヵ年を通じて千億ないし千五百億というような目標で進みつつある状態でございます。
  71. 正木清

    ○正木委員 重ねてもう一つお尋ねいたしますが、日本の港湾は非常におくれておる。これはもう議論の余地はないと思います。政府が新長期経済計画をお立てになった。もちろんこれは努力目標で、われわれ日本国民が生きていくためには、この目標に向って最大の努力をしなければならないことは当然なんですが、その中で私一番心配しておるのは、一体陸上における、国鉄をも含めた輸送関係の充実が、この長期計画とマッチしていくかどうかということが大きな問題であるという点が一つ。さらに一番心配することは、現状の港湾施設がこの長期経済計画と一体マッチしていくものかどうか。あまりにも重大なことであるにかかわらず、これがややもすれば等閑視されている。これが率直に言って私の一番心配する点なんです。ところが実際には、たとえばあなたのところではこういうものを作っていませんか。特定産業の関連港の港湾の緊急整備事業計画というものをお立てになっているのではないですか。これは三十三年度から三十六年度にわたって、計画全体として五百五十七億の財源をこれに投入して港湾の整備をはかるのだ、昭和三十三年度事業だけでも二百三億を必要とするのだ、こういう事業計画のもとに、これだけの国家資金を投入して港湾整備をしなければ、この長期経済計画についていくことのできないのが、日本の港湾の現状なんだというのが、あなた方の考えではないのですか。その点一つ具体的にこの委員会を通じて明らかにしておいてもらいたいと思います。
  72. 天埜良吉

    天埜政府委員 ただいまの陸上交通である鉄道その他の関連とマッチするという点は、私ども港湾の方からもよく検討いたしまして、国鉄輸送を増強し得る量を想定いたしまして、それ以上に輸送がふえますので、この分に対してはぜひ港湾を利用しなければならぬというような作業で進んでおります。なお今お話の石油、石炭、鉄鉱というような基幹産業等に対しまして、経済計画にマッチする計画といたしまして、ただいまの数字をおあげいただきましたような作業を進めて、これを実施に移したいというような作業を練っておったわけでございます。
  73. 正木清

    ○正木委員 では私の方から具体的にこの特定産業関連港湾の緊急整備に関連してお尋ねしてみたいと思うのですが、主として外国貿易港の整備中心とする、東京、横浜、川崎、清水等を中心として、あなたの方は三十三年度の要求額は大蔵省に一体どれくらいされたのですか。そして最終的に大蔵省のこれに対する査定は幾らであったか。
  74. 天埜良吉

    天埜政府委員 最初の大蔵省への要求額は今覚えておりませんが、外国貿易に関係ある港湾の整備は、特に船型増大の世界的傾向に対処して、京浜、四日市、松山、下松等の諸港湾施設を増進する、この分が十五億五千三百八十万円というふうにしております。
  75. 正木清

    ○正木委員 その次に、工業原材料輸送等の港湾整備、名古屋、大阪その他を含めて大蔵省に対する要求額、それから最終決定額を一つ御答弁願います。
  76. 天埜良吉

    天埜政府委員 この分につきましても大蔵省に対する決定額はただいま手元に数字を持ちませんが、最終的な数字は石炭、鉱礦石等工業原材料輸送のため関係港の整備をはかるものとして、十八億八千六百二十九万円要求いたしております。
  77. 正木清

    ○正木委員 その次、この地方開発離島振興漁獲物増産及び船舶安全確保のための港湾整備、いわゆる地方港でございますが、これの大蔵省の最終査定はどれくらいになっておりますか。
  78. 天埜良吉

    天埜政府委員 これについては貨物並びに旅客の沿岸輸送力を強化するため地方中小港湾の整備をはかる目的に十九億八千八百五十八万円、それから海難を防止いたしまして稼行率を上昇する、そのため避難港等の整備航路等を整備するものに三億三百九十五万円を要求いたしております。それから離島振興のために必要な港湾の整備といたしまして二億四千六百万円を要求いたしております。
  79. 正木清

    ○正木委員 そこで私は重ねてお尋ねしたいと思うのですが、大臣も御出席になったわけですが、三十三年度の運輸省重要施策要綱の中で、港湾及び航路整備については大臣も非常に力を入れておった重要施策の一つなのです。われわれも大きな期待を持っておった。ところが何ぞはからん、さて実際は三十三年度政府決定が予算案となって現われてくると、当初のあなた方のお考えになった線よりかはるかに後退してしまった。たとえば局長は運輸省の原案をここでは明らかにしなかったが、私の手元にあるこの参考資料によると、外国貿易港湾の整備、東京、横浜、川崎、清水、名古屋、四日市その他でございますが、あなたの方は三十七億二千二百万円を要求している。あなたはここで明らかにしないけれども、私の方に資料があるのですよ。ところが実際にきまった額はどうかというと、これは半分以下の十五億五千八百万円なんだ。その次の工業原材料の輸送に伴う港湾整備も、これはあなたのところの原案というものは五十九億一千五百万円余、約六十億なんだ。それに対して最終的にきまった額は十八億八千六百円なんだ。こういうように押してくると、一体この重要施策というものはどこへ飛んでしまったのだ、問題はこうなるわけです。ただ問題はそれだけで解決がついてしまえばそれでいいのですが、私が大臣にお尋ねしたいことは、政府が立てた新長期経済計画というもの、これはもちろん努力目標でございます。努力目標であったとしても日本人が生きて、そうして最小限度の文化生活を営んでいくための努力としてこれはどうしてもやらなければならぬ。ところが一番おくれている施策は一体何かというと、残念ながら港湾関係だと思う。港湾施設なんだ。人が気がつかない港湾施設なんだ。だからこそ大臣は就任早々、三十三年度の運輸省重要施策要綱として、この港湾関係の重要性を取り上げたのだと思う。ところが何ぞはからん、取り上げたこの重要施策に対する運輸省の原案は、一般会計において総額二百七十三億九千三百万円、それから三十三年度の港湾関係の特別予算においては、二百九億を要求したにかかわらず、実際は非常なわずかな金額で押しつけられてしまう。極端な言葉でいうと、押しつけられてしまった。それでは長期経済計画というものと港湾行政というものは並立していきません。日本の他の産業が順調に進んでいったとしても、港湾関係が非常に大きな隘路となって、全体の計画が非常に狂ってしまう、こういう心配が現実に出てくるのではないか、これは常識からいって当然出てくるのです。そういう点について大臣はどういうようにお考えになって、政府部内で御努力なさったか、その所信をここで明らかにしておいていただきたい。
  80. 中村三之丞

    ○中村国務大臣 正木君の仰せのごとく、私も及ばずながらこの港湾の陳腐化したものを近代化するいうことにつきまして、就任以来ここに目をつけたのであります。それで、それにはどうしても特別会計という形をもって三年か四年に継続的に緊急整備をしよう、こういうのが主眼でございましたが、これが率直に申しますと、話し合いがつきませんでした。はなはだ私は遺憾であります。しかしこれは将来努力すべきものであると思います。そこで緊急整備に要するこういう特別会計は話し合いがつきませんでしたが、いわゆる港湾公共事業費としては去年より三億程度ふえておると記憶いたしております。そこで正木君の言われる理想的には参りませんけれども、まあここらでいけば近代化のスタートは切っていかれたのではないか、こういうふうに思っておるのであります。これは北海道等におきましてもいわゆる工業港、あるいはそのほかにおきましても工業港、貿易港を整備するスタートは切り得たと思います。十分とは申しません。予算に当りましては、こちらの概算要求がなかなか全額通るということは予算規模の問題もございますので、要求通り通るということは、はなはだ私は無力でむずかしいと思うのでございます。しかし港湾の近代化をはかるという運輸省の重要施策としての港の施設の近代化は、私は繰り返して申しますごとく、出発点はとれた、こう思うておる。これから後が問題でございますが、どうぞ一つ出発点はここでできたというふうに御了承を願っておきたいのであります。
  81. 正木清

    ○正木委員 どうも中村さん、残念ながら私はその出発点はとれたと考えておらないのですよ。実はあなたも明らかにしたように、昨年と本年を比較いたしますと、ふえた額はわずかに三億一千万そこそこなんです。そこで、特別会計の方は全然話し合いが実はつかないのです。そこが非常に心配なところなんです。幸い陸上においては、道路整備計画も特別会計の道が開かれましたし、国鉄関係においても、五ヵ年計画で三十三年度は第二年度目に入ったわけです。ところが肝心の港湾関係だけが旧態依然の状態で、長期経済計画とどうして一体進めていくか、こういうことになると、常識的にだれが考えてみても、片ちんばなものが出てくるわけです。ところが港湾行政というものになると、だれも騒ごうとしない。概念的には重要性を知っておっても、だれもからだを張ってこれと取り組もうとはしないところに、実は日本の立ちおくれがあるわけです。現状のままでいけば、残念ながら港湾行政を通じて、日本の長期経済計画というものは非常に大きなそごを来たすと思う。私はこれは一つの信念です。だから、大臣がよほど考えていただかなければならないことは、この重要港湾その他全体を含めて、港湾行政については、もっと真剣になっていただかなければ困る、こういうのが私の意見でございます。  そこで私は局長にお尋ねをするわけです。具体的な数字でいくわけですが、外国貿易に関係ある港湾の整備をはかるために十五億五千三百万円の予算がつきましたが、この予算をもってして、これだけあります重要港湾のうちで、これを総花的に予算を配分するのか、それとも重点港を指定して、そこへ重点的予算配分をするのか、まずそれをお聞かせ願いたい。
  82. 天埜良吉

    天埜政府委員 外国貿易に関係ある港湾につきましては、いわゆる開港になっている港はたくさんございますけれども、その中で、ことに今整備をいたさなければならぬところだけを重点的に施策をしてやることにいたしております。
  83. 正木清

    ○正木委員 たとえばこれは、外国貿易港の整備のうちで、私の資料によると、東京、横浜、川崎、清水、名古屋、四日市、大阪、神戸、下関、門司、八戸、小名浜、坂出、油津、伏木富山、これらに総花的に予算を配分するのか、それともこの中で重点港を指定して、そうして重点的に港湾を整備するのか、それをお伺いしたいのです。
  84. 天埜良吉

    天埜政府委員 今おっしゃいました港は、いずれも重点的に行う港になっておりまして、その分については、かなり集中してやるようにいたしております。
  85. 正木清

    ○正木委員 そこで重ねてお尋ねをするのですが、この重要港に対して、かりに今年度程度の予算でいきますと、今後何年後にあなた方が事業計画を立てた目標に到達することができるのですか。
  86. 天埜良吉

    天埜政府委員 この計画はやはり五ヵ年を予定いたしておりますので、このような計画で参りますと、このままのような予算が続くとすれば、これは相当長期になりまして、五ヵ年には達成できませんので、次年度には相当な額をもらわなければならないと思います。
  87. 正木清

    ○正木委員 局長、こうではないのですか。たとえば、あなたの立てた重要港湾の整備事業計画というものは、三十三年度では少くとも三十二億からの原資を必要とするのだ、そういう目標で総額二百億の事業計画を立てた。ところが三十億必要な原資に対して、実際に決定した額はそれの半分の十五億だ。そうすると政府の新長期計画というものは、年次計画でこれだ。肝心な、一番大切な港湾の方は年次計画からずれて、十カ年もたたなければこの目標も達成することができないというのが現状ではないのですか、三十三年から見ると。その点を一つ…。
  88. 天埜良吉

    天埜政府委員 三十三年度から見ますと、経済の方の年次計画は五ヵ年で考えましても、港湾の方はそれよりも幾らか先に達成できなければなりませんので、この金額は非常に下回る金額でございます。ただ私どもの最初の考えといたしましては、今の三十七億という金額は、今後よりもなるべく早いときに大きな金をつぎ込もうという考えもございましたので、これでならしていくという考えではなかったものですから、その点は幾らかカバーできる点はございます。
  89. 正木清

    ○正木委員 そこで私、これは大臣の御意見を承わっておきたいと思うのですが、大きな意味における輸送ですが、たとえば今盛んに問題になっている高速道路、それから鉄道の五ヵ年計画、それから当然これには船舶も入ってくるわけですが、港湾、こういう大きな意味の何か権威ある一つの機関を政府の中に作って、ここで総合的に、時間をかけても仕方がありませんから、みっちりしたものを国策として作ってみてはどうか。残念ながら私の承知している範囲では、建設省はむきになってその高速道路、道路整備計画に力を入れる。運輸省の中でも港湾関係の諸君は、これまた真剣になって港湾の整備に力を入れる。悪いことではないですよ。それから国鉄としては、当然一つの五ヵ年計画を立てて、一方では東海道の広軌による複線計画をまた新たに考える。これも当然なことで、悪いことではありませんが、そういうようにして全体の総合性というものは一体どこでまとめるのか。当然それは政府だといえばそれまでですが、日本のように資金の非常に乏しい国にあっては、総合的な権威ある一つの機関を作って、そこで総合的なものをまとめてみてはどうか。そうでなければ、ちょうど戦時中に私の先輩である中村さんなどが非常に議論をされたように、われわれも議論をしたことがあるのですが、戦時中と同じことが今出てきているのです。たとえば道路の方に重点的に金を入れると、港湾の方が金がなくなってしまう。こちらへ金を入れると、こちらの方が金が出てこない。全体的な有機的な国としての計画が順調に進まないというきらいがある。だから大臣が在任中に、あなたの諮問機関ということになれば、全体を入れることは骨だと思いますので、何か政府の中にそういう権威ある機関をお作りになってはどうか、私はこう考えるのですが、一つ大臣の忌憚のない意見を聞かしてもらいたい。
  90. 中村三之丞

    ○中村国務大臣 まさに正木君の御意見の通りで、交通審議会——かりの名前でございますが、そういうものを作るという計画があります。そして道路、国鉄、港、こういうものを総合して、片一方が走り過ぎて、片一方がおくれ過ぎるということのないように、もっともこれは資金計画も伴いますけれども、できるだけ足並みをそろえて、総合的にこういう日本の運輸交通を近代化していく、こういう企てはあるのでございまして、予算を通していただけば、これが今後活発な活動をしてくるだろうと思います。  それから港につきましては、正木君のお考え通り、いや私の考えのような予算の取れなかったということは、私もはなはだ遺憾でございます。しかし今一つのスタートを切りましたし、同時にあの経済基盤強化の資金の中に、特に私は港湾を挿入いたしました。そうでございますから、今後緊急な場合におきましては、ここから補正予算その他において、今の計画を補充していくということも、私は不可能ではなかろうと思います。しかし大きな理想といたしましては、産業関連の港湾の整備特別会計を設けて、そして四年くらいでともかくやってしまおう。産業関連の特定産業と申しましても、あなたも御承知のように鉄あるいは石油、そういう基地を設けるということです。この基地をまず設けるということでなければ、重要産業と関連してこない。それから今の港は御承知のように非常に規模は小さいし、水深が浅い。ですから大きなタンカーが入ってきません。そういうものは一つ早く浚渫していくというようなことを、まっ先にやらなければならぬ。こういう産業の基地、エネルギー源の基地を設けるということに重点を置くべきものだと思いますが、これも御希望のような、また私の理想のような金額は取れておりませんけれども、これは繰り返して申して失礼でございますが、スタートは切れておると私は信じておるのでございます。今おっしゃいましたような総合した日本の運輸行政と申しますか、運輸交通計画をそこで審議して、そして同じ歩調で重点的にやらしめるという計画は、近く成案ができるだろうと思っておりますが、お説の通り進んで参りたいと思います。
  91. 正木清

    ○正木委員 大臣と私のものの考え方、これには寸分の違いもないわけですから、それの裏づけになる予算処置が講じられていないというところに、私の意見があるわけですから、一つぜひ御努力を願いたいと思います。  港湾関係はこれで終りますが、あと気象台関係が残っているけれども、これは次回の委員会で発言を許していただくことにして、きょうはこの程度で私の質問を終りたいと思います。
  92. 眞鍋儀十

    眞鍋委員 関連して。今正木委員質疑というよりも御意見が、自分の信念だというお話でございます。私は大へんいい御意見だと承わりました。運輸行政の将来に対する大きな示唆を与えていただいたと思いますが、その中で港湾施策の推進のために、特別会計を一本建で設けるというお話がありました。運輸大臣は次の国会の予算の面で、特別会計としての港湾施設を、閣議で強力に主張して、今回のような中途半端な議論でなしに、公然と明らかにされて、その実現を期せられるだけの御覚悟がおありだろうかどうか、その点をはっきり承わっておきたいと思います。
  93. 中村三之丞

    ○中村国務大臣 私はこの間大蔵省、特に大蔵大臣に、道路の特別会計と港湾特別会計は車の両輪だから、これはぜひやってくれ。ことにまた閣議でも申しました。それで総理の演説の中にも、特に港湾設備の近代化に意を用いたということを入れてもらった。入れてもらったと言うと語弊がございますが、その信念を総理の施政演説に示していただきました。そこで私は今日において道路と港と並んだ特別会計は、今年道路、来年は港、これは私はでき得ると思います。またそういうために私は努力いたしたいと思います。どうか皆様におかれても、御支援のほどを今からお願い申し上げておく次第でございます。
  94. 赤澤正道

    赤澤委員長 残余の質疑は次会に譲り、本日はこれにて散会いたします。次会は明後日午前十時より開会いたします。     午後一時七分散会      ————◇—————