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濱野委員 今原君の
質問は非常に重要なことでありますから、関連して
一言お伺いいたします。私の記憶では、
タクシー業者がどうやら
経宮の安定を得るに至ったのは、
三木武夫運輸大臣の
時代からであります。その当時は
需給のバランスを破って、非常に多くの
車両が
免許されたものでありますから、
経営者は
不当競争に陥って、ついに
経営が不如意の
状態になった。それを
道路運送法の立法の
趣旨によって、
需給の調節をする、そのためには
市内にあふれんばかりの
状態にあった
増車の
規制をするよりほかない、こう
考えて、多分一昨年だと思いますけれども、
タクシー並びに
バスの
増車、新しい
免許の
規制を
法律の
趣旨にのっとって措置したわけであります。そのために
タクシー界、
バス界の
経営は非常に安定してきているわけであります。その
事業も比較的やりやすくなって、賃金の不払い並びに労働の過重というような問題がなくなった。これがほんとうの実情であって、その証拠には
ナンバー権はただで買ったような
時代から、少くとも百万、百二十方、おそろしいところでは百五、六十万も
ナンバー権がつり上ったというような
状態になったわけであります。ところが
運輸省の方では、そういう経済的なよい現象の出たことはそのままにしておいて、
三木運輸大臣がやった当時のことをまだ百年一日のごとくやらんとする傾向がある。元来、
大臣は別といたしまして、
運輸官僚はとかくそういう
法律の行使については何か特権的な意識がそこに働いて、おれが判を押さなければというような、
国民に対して、どうも不忠実な代々の慣習が残っているように思うのであります。
道路運送法第六条によって、今度の原君の
質問の問題などを大いに検討して、
法律に全く忠実であり、しかも
日本産業のためにこの
法律の
補正化と円滑なる運営をしなければならぬという、真に官吏としての
良心があるならば、私は原君に対する
局長の
答弁はどうも当を得てない、こう思うのであります。原君はこの
運輸委員会には相当長くいるのであるし、業界にも
関係がある方でありますから、いろいろ具体的な事例を知っていると思うのであります。私どもも
免許に関連した幾多の事例というものもよくわかっております。そこで私は先ほど申した通り、もう少し
自動車局長に真剣さがあっていいのじゃないか、法を適正に守ろうという法治国家としての
官僚の
責任を真剣に反省してみたらどうなんだ、こう思うのであります。ただいま同僚の原君は、
閣議での
運輸大臣の発言を引用しております。言うところによると、優先的な
許可を
意味しない、ただし優先的な
取扱いをるるというのです。非常に
行政庁の長官としては含蓄のあることを言っておると思うのであります。というのは、とにかく一年半前の
三木運輸大臣時代の
タクシー業界の現状と今日の現状とは、まだまだ気の毒な人々には
閣議で報告するほどの大きな社会政策的な、この措置については第六条を適用してむやみに血のない
やり方をするほど、この業界は
車両を増加することはいかぬという現実では私はないと思う。この点はよほどお
考えになった方がいいと思います。
法律がある以上、
運輸大臣でも優先的に取り扱い、しこうしてこれを
許可すべし、そういう乱暴な命令もできぬし、指示もできないと思うのであります。私が一等不思議に思うのは、原君の先ほど言った京阪の大きい
会社だけには、きわめて公平にその比率によって
免許した。そして、気の毒な人々にはきわめて少数のものを
免許した。それは
大臣の
閣議で言った社会政策的にはちっとも
意味がない。
大臣が国を思い、今の失
業者を助けてやろうという
閣議においての発言の
意味はないじゃありませんか。なぜ大きい
会社の
免許を押えて、
駐留軍の失
業者等を救ってやろうとするほんとうの真心というものがそこに出ないだろうか。私はこの問題について
局長が反論があるならば、きょうは一日でも実例をあげて申し上げましょう。それは原君が言うまでもない幾多の事例をわれわれは持っている。少くとも
免許という問題は
運輸省の今日の大きな問題です。これはどうも法の
精神を無視したりすることもやっておるし、さらにまたただいま問題になっている点につきましては法六条、
資力、
信用、どうにでもなるようなことを行使して自分の意欲を全うしている。これは法の明文に沿うている
意味でもなければ、政治のあり方としても
行政のあり方としても私は非常にまずいことだと思います。原君は今
神戸地区、
明石地区、
尼崎地区、そういうことばかり言っておりますけれども、全体としてそうだと思う。元来あなたの
局長時代もそうだと思います。官房長
時代もそうだと思いますが、
タクシー界の現実の
状態はどうか、
需給のバランスというものは一体どこに求めているか。一体
タクシーの
ナンバー権というものはここ一年、二年のうちにどういうふうに変化しておりますか。この業界の事情というものをどう見ているか。そういう大所高所から見て
本省の
自動車局長は法を適用しなければいかぬと思う。この点どうですか、
一つお尋ねしたい。
ナンバー権の経済的な推移を大局から見て、一体許す余地があるのかないのか。あるとするならば、大
会社に公平に、あるいは中小企業に公平に、そしてまた
大臣が
閣議で政策的に発言したこの
言葉についてどう処理すべきかということが、おのずからそこに結論づけられると思うのであります。
本省の
局長でありますから、大所高所から業界の一年前、一年半前の
状態はどうなっておるか
考えてもらいたい。あなた方は
官僚でありますから、都合のいい数字を寄せ集めて、そして結論を求めるでしょう。一体自由主義経済において
ナンバー権が今日のごとく高くなつたのはどこに原因があるか、一年半前、二年前まで一文の値打もなかったのはどこに原因があったのでありますか。それを究明すればおのずから第六条の適用はすぐ開けてくるのではないか。
大臣の腹はもうわかっておるのです。