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1957-12-23 第28回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十二月二十三日(月曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 赤澤 正道君    理事 生田 宏一君 理事 濱野 清吾君    理事 山本 友一君 理事 井岡 大治君    理事 松尾トシ子君       有田 喜一君    伊藤 郷一君       關谷 勝利君    原 健三郎君       淵上房太郎君  早稻田柳右エ門君       小山  亮君    下平 正一君       中居英太郎君    正木  清君       松岡 駒吉君    森本  靖君       山口丈太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村三之丞君  出席政府委員         運輸政務次官  木村 俊夫君  委員外出席者         運輸事務官         (大臣官房長) 朝田 靜夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      権田 良彦君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         運輸事務官         (自動車局業務         部旅客課長)  黒住 忠行君         運輸事務官         (観光局長)  細田 吉藏君         日本国有鉄道参         与         (自動車局長) 平出  彬君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 十一月十四日  委員村上勇辞任につき、その補欠として山本  粂吉君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員山本粂吉辞任につき、その補欠として村  上勇君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員原健三郎辞任につき、その補欠として栗  山博君が議長指名委員に選任された。 同日  委員粟山博辞任につき、その補欠として、原  健三郎君が議長指名委員に選任された。 十二月二十日  委員村上勇辞任につき、その補欠として、赤  澤正道君が議長指名委員に選任された。 同日  委員長淵上房太郎辞任につき、その補欠とし  て赤澤正道君が議院において委員長に選任され  た。     ————————————— 十二月二十日  港湾運送事業法の一部を改正する法律案山口  丈太郎君外十四名提出、第二十六回国会衆法第  三八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  道路運送事業及び日本国有鉄道経営等に関す  る件  観光事業促進に関する件      ————◇—————
  2. 赤澤正道

    赤澤委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  開会に当りまして一言ごあいさつを申し上げます。今回私が当委員会委員長に選任をせられました。私もかなりの国会生活を送っておりますけれども、運輸委員になった経験がございません。ただ政策面では多年党の政務調査会におりまして、常識程度のことは承知いたしておるのでございますが、当委員会の空気は私今まで全然存じませんので、きわめて不案内でございます。皆さんの適切な御指導によりまして、大過なくこの委員長の職を遂行いたしたいと思いますので、どうかよろしく御協力をお願いいたします。なお、運輸関係にはたくさんな部外団体がございますけれども、私こういうものにいまだかつて全然タッチしたこともございませんし、申すまでもなく与党、野党を問わず公平な立場に立たせていただいて、本委員会を運営いたしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。     —————————————
  3. 赤澤正道

    赤澤委員長 お諮りいたします。衆議院規則第九十四条により、委員会は会期中に限り議長承認を得て、その所管に関する調査ができることになっておりますので、陸運海運空運観光及び気象に関し、国政調査承認要求書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 赤澤正道

    赤澤委員長 御異議がありませんので、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 赤澤正道

    赤澤委員長 陸運及び海運について質疑の通告がありますので、これを許します。原委員
  6. 原健三郎

    ○原(健)委員 私は去る十二月十六日付の大阪陸運局長の名をもって、神戸明石尼崎西宮芦屋及びその他この付近の地域においてハイヤータクシーのいわゆる増車並び新免の発表をされました、そのことについてお伺いいたしたいのでありますが、これは当局においても御存じのことでありますので、新免及び既存業者への割当駐留軍労務者への割当等会社の数及び自動車数、それを一ぺんお聞きしたいのであります。
  7. 山内公猷

    山内説明員 ただいまお話の件は、簡単に経過を申し上げますと、自動車運送協議会に諮問いたしましたのは三十一年九月十二日でございます。答申になりましたのは翌三十二年の六月二十日でございます。答申内容は非常にこまかい答申でございますが、概略申し上げますと、神戸市内明石市内におきまして一〇%、尼崎西宮芦屋におきまして二〇%、伊丹宝塚及び神戸市、明石周辺部におきましては陸運局で適当と認める程度増車はよろしいという答申をもらっております。  申請内容は、既存業者がそれぞれその三つのグループにおきまして六十九件、四百三十五両の申請をいたしております。新規業者は六十一件、八百五十七両の申請をいたしておりまして、合計いたしまして百三十件、千二百九十二両の申請をいたしております。これに対しまして公示をいたしましたのは三十二二年の九月十九日と三十二年十一月一日の二回にわたって公示をいたしております。聴聞は三十二年の十月より三十二年の十二月十一日まで十一回にわたりまして聴聞をいたしております。  増車内容といたしましては、既存地区におきますところの既存両数は合計いたしまして千三百八十七両でございます。今回の決定によりまして既存業者増車の認められたものは百六十四両、新しく免許になりましたものは三十二両でございまして、合計百九十六両でございます。
  8. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでお伺いいたしたいのであるが、既存業者に百六十四両やって、新免を三十二両にしたという理由は、一体どこに根拠を置いてそういうことをやったのであるか。
  9. 山内公猷

    山内説明員 ただいま申し上げましたように、既存業者増車につきましては、六十九件に対して六十一件の増車を認めたわけでございますが、百六十四両を六十一件に分けましたので、既存業者に充てた数量個々に割りますと非常にわずかな数量になっております。それで既存業者につきましては、従来交通法規の違反でございますとか、あるいは営業のやり方が悪いというような点につきましてはオミットいたしたわけでございますが、公平を期しまして、平等に点数制において分けました。新免業者につきましては、道路運送法第六条によりまして審査をいたして免許をしたわけでございます。
  10. 原健三郎

    ○原(健)委員 既存業者には平等に割り当てたというが、たとえば神戸地区でも明石尼崎西宮芦屋地区でも、伊丹宝塚その他の地区でも、既存業者に平等に割り当てたというのですか。
  11. 山内公猷

    山内説明員 公平にその申請内容審査いたしまして、既存業者には増車を認めておるわけでございます。
  12. 原健三郎

    ○原(健)委員 あなたは公平にやっておる、平等にやっておると言うが、平等にやってないじゃないか。平等とは二台なら二台、三台なら三台が平等です。そんなことやってないじゃないか。
  13. 山内公猷

    山内説明員 私の言葉が言い間違いましておそれ入りますが、既存業者でもたくさん車両を持っておるものと、少いものとございまして、そういった絶対的な平等ではなくて、事実に即して平等公平に割り当てたという意味でございます。
  14. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでは大臣にお聞きいたしたいのですが、閣議において駐留軍労務者に対して優先的にこういうハイヤータクシー免許を与えるということがあったように聞いておるが、いつあって、どういう内容であるか、それをお聞きいたしたいのであります。
  15. 中村三之丞

    中村国務大臣 優先的取扱いをするということになっております。従って二週間ほど前に、すみやかに駐留軍関係人たち申請については、聴聞会を開いて早く処置せよということを指示いたしました。しかしながら優先的取扱い優先的許可意味いたしません。できるだけそういう優先的取扱いをするが、許可するか許可しないかにつきましては、やはり道路運送法法規に照らし、またその精神にのっとって、全国の陸運局長が私にかわって決定をいたしておるのであります。駐留軍労務者につきましては、三十近く申請があるようでございます。京阪神地区では今二つか三つ許しておりますが、不幸ある地区においては許されなかったものもあるやに聞いておりますが、私の指示の精神道路運送法の規定によって、陸運局長は処理したものと私は判断をいたしておるのであります。
  16. 原健三郎

    ○原(健)委員 閣議決定して、大臣が通達した駐留軍労務者のうちの離職者に優先的に取扱いをせよという、その優先的取扱という意味は、たとえば聴聞会を早くやれとか、書類を早く受け付けろとか、どうとかいうようなことは、優先的ということにならぬ。そんなことはあとでも先でも同じことだ。許可は同時に発表するのだ。同じ日の十二月十六日に発表しておるのでは、優先的取扱いをせいということにならない。それではどういう意味か僕らにわからぬ。優先的に事務処理をしても許可の日は同じだ。二日か三日早く聴聞会をやっても、二日か三日早く聴聞会に行って話を聞くだけのことです。そういうのは優先的取扱いにならない。許可陸運局長が最終的にきめることかもしれません。また優先的取扱いということは、許可せいというふうに積極的には言わないかもしれませんが、少くも優先的取扱いをせいという裏には、これに対しては十分善処せいというくらいの意味があることは当然なことだ。そうでなければ優先的取扱いにはならぬ。これは優先的に善処すべきものである、こういう方針と承わってよろしゅうございますか。
  17. 中村三之丞

    中村国務大臣 優先的取扱いであります。取扱いについていろいろ言葉を違えることもできるかもしれませんが、優先的に許可という意味ではございません。その点は御了承願いたい。ただし私の電報を打ちました趣旨は、閣議におきましてもこういう離職者に対してはすみやかに処置をせよという意味でございます。しかしながらその資力信用とか、あるいは計画内容というものは、これは陸運局長が検討をすることは、陸運局長行政官としての一つの役割であると思うのであります。優先的取扱いといえども、資力信用もない、計画もずさんであるものに対して、一律にはできないのではないか。そこにおのずから陸運局長判断もある、私はこう考えておる。これは認めておるのであります。ただ今お示しの阪神地区における問題は許されないものと許されたものとありまして、これはおそらく道路運送法による計画資力信用等考えて、陸運局長判断したものと私は認めておるのであります。
  18. 原健三郎

    ○原(健)委員 大臣は問わぬ先までいろいろ答弁しているのですが、私の問いたいのは閣議でそういうことをきめたという根本趣旨に、駐留軍労務者が離職して困るから、社会政策的意味から考えても、思想の上から考えても、これには優先的善処をしてやつた方がいいじゃないか。こんなふうに何もやらぬなら、初めからやる必要はない。道路運送法による資力信用によってやったということなら、何のために閣議できめたか、それならやめておけ。
  19. 中村三之丞

    中村国務大臣 しかし阪神地区において駐留軍労務者申請を全部ずたずたにしたというならば、それはあなたのおっしゃるようなことになるかもしれません。しかし資力信用計画において完全なものは認められておるのでございますから、その点におきましてかりに認められないものは、そこに何か不十分なものがあったのではないかと私は見てよろしいかと思うのでございまして、その点は御了承を願わなければなりません。
  20. 原健三郎

    ○原(健)委員 その阪神間で認可になったとかならぬとかということはこれから申し上げるのですが、くどいようですけれども、あなた方が閣議でわざわざ区取り上げて——日本国策決定の上に大事なことです。その趣旨はそういう駐留軍労務者が離職して、わずかの退職金をもらって家族をかかえて生活に困る。そういう人には、こういう新しいハイヤータクシー免許を与えるときには、これらに自動車運転手なんか多いのですから、そういうものに職業を与えてやるという親心で閣議決定をしておるのであって、この道路運送法の何条によって許可せいというのだったら、何のために閣議決定したのか。しかも大臣はそれを電報をもってまで言うてやったということは、大阪陸運局長は身に体してやる責任がある。この点はどうですか。
  21. 中村三之丞

    中村国務大臣 しかしあなたは阪神地区のことをお話しになったのでありますから、私はお答え申し上げておるのでありまして、あなたはまさか九州のことはお話しになりますまい、こう私は考えましたから、いささか先ばしったかもしれませんが、答弁をして御了承願っておきたいと思います。それで閣議決定優先取扱いとして駐留軍離職者には、ことに運転手の方々が多うございますから、その点は私も経験のある人は認めております。それで優先的取扱いをせよということになっておるのでありますが、しかし、といって計画の不十分であるものは、これは少し考えなければならぬと思うのでございます。そういうわけでございますから、私はお答えすることの順序として申し上げておるのでありまして、その点は御了承を願わなければなりません。
  22. 原健三郎

    ○原(健)委員 駐留軍労務者の中の離職者許可したのは——これはよく聞いてもらいたい。神戸明石地区というのは一〇%ふやせといって——自動車局長、これは区別してあるでしょう。区別して神戸明石地区というのは一〇%ふやせ、尼崎西宮芦屋地区は二〇%ふやせという答申が出て、その通りやっておる。その他の地区は適当と認められる程度において許してよろしいということにきまった。大体話は三つに区切ってあるのです。これを頭によく含んでお答えを願いたい。神戸明石地区において三社、神戸で二社、明石で一社、神戸の二社が五台ずつで十台、明石の一社が二台、総計十二台やった。駐留軍労務者の人に全部で十二台、二百台許した中で十二台、これは大いに英断だったのです。百九十六両、ほとんど二百台許可しておいてそこへ十二台、これが閣議決定の線に沿うて行われておる。だからこの点においては、神戸明石地区において駐留軍労務者許可を与えたということは認める。少いことは少いが、少くても全然認めないというのじゃない。第二は、尼崎西宮芦屋地区は二〇%ふやせという案が出てきて、これで四十一台許可いたしました。許可した会社既存業者大手筋既存業者はたくさんあるのです。十一社もある中で阪急——あのいわゆる阪急に二十三台、阪神十六台、昭和タクシーに二台やっておる。この大手筋既存業者によくも許したり、このくらい許しておるのに、この尼崎西宮芦屋地区新免は一社も一台も許さぬ。また同時に駐留軍労務者の申し出に対しても、一社も一台も認めていないのは一体どういうわけですか。多少認めたと言うが、一つも認めてない。これはどういう考えでこういうことをやったのか。閣議決定をして大臣電報まで打っておるのだ。これは東京自動車局長大阪梶本自動車局長相談の上やったわけです。一体どういう相談をされてやったのか。一台もやっていない。僕が大阪に行って聞いてみると、いや三台許した——三台許したワク神戸明石地区でやっておるのだ。芦屋尼崎西宮地区は一台も認めていない。阪急に二十三台、阪神十六台、これはどういうわけでそんな既存業者に許したのか。ただ金もうけをさすだけです。駐留軍労務者生活に困っておるのになぜ許さないのか、自動車局長答弁をしてもらいたい。
  23. 山内公猷

    山内説明員 先ほど来御説明申し上げましたように、六十九件の既存業者申請がございまして、これらにつきましては、新免業者に対すると同様に、各陸運局におきましては調査の結果、そういう措置をしたわけでございます。本省がこれに関しましては御承知のようにこのハイヤータクシー業に対する免許その他全般につきましては、政令において陸運局長判断にまかせておるわけでございます。
  24. 原健三郎

    ○原(健)委員 君はいつもそういうことを言うが、大体当局において相談したと言うておるじゃないか。自動車局長相談してやった。それを言いのがれにもほどがある。確証を握っておる。しかも阪神阪急ごときものにこれを許して、閣議でまで決定しておるのに、路頭に迷う駐留軍労務者になぜ許さないのか。君らは一体運輸大臣電報打ったのを知っておるか、返事せい。
  25. 山内公猷

    山内説明員 電報運輸大臣の命令において打ちましたもので、個々の件については各陸運局長個々相談をするということはいたしておりません。全国的に非常に数が多い件数でございまして、これを逐次本省へ持ってくるという仕事のやり方をしておりませんので、報告を徴しておるだけでございます。
  26. 原健三郎

    ○原(健)委員 そういうようにあれこれと言いのがれくらいはやればやれるかもしれぬが、事実はちゃんと相談してやっておる。既存業者阪神阪急やそれらのものは東京へ何回陳情に来たか。陳情書も君のところに行っているじゃないか。それらの特別なるものと結託して、これを中央から大阪陸運局へ流し、全面的にそんなものと結託してやったのは何事だ。何と君たちが言ったってわかっておるのだ。あまりそらぞらし過ぎる。当局として国民思想を悪化させることおびただしいじゃないか。これを大阪陸運局で調べてみると、駐留軍労務者などはどうも書類が完備しておらぬ。同じような書類を写し合いして出しておるのに、どこが書類が完備しておらぬか。聴聞会で調べても、聴聞会もさっぱりで、よく聴聞に答えたものも答えないものも書類なんか千編一律で、資力信用道路運送法など逃げ口上をやるが、実態はことごとく業者と結託する運輸官僚が悪いのだ。そんなことをわれわれが知らぬと思っているのか、天下国民が知らぬと思っているのか、承知ならぬことだ。われわれ国会がいつまでもそんなことを黙ってやらしておくと思っているのか。運輸大臣は一体これをどう思っているか。阪神阪急はみんな東京へ、僕のところにまで運動に来ているのだ。ちゃんと大ぜいで陳情書まで持って、自動車局へも陳情に行ってきた、運動もするのだとちゃんと言ってきておる。そういう表面から裏面からの運動に応じて、そういう行政をやってそらぞらしく逃げ回っている。少しは良心を持って考えてみたらどうだ。運輸省関係で最も腐敗堕落しているのは、中央においても地方においても自動車関係だ。そんなことは私は今までもしばしば言ったが、言うても聞かない。運輸審議会というのがあるが、審議会が幾ら審議してでも自動車局長が待ったと言うたら、全然運輸審議会があってなきがごとしだ。今の運輸大臣は知りませんが、歴代の運輸大臣運輸審議会答申まるのみだ。その審議会答申自動車局長の腕に握られておる。そんなことをわれわれが一体知らぬと思っておるのか。幾ら悪いことをしてもわからぬと思っているのか、承知ならぬ。運輸大臣はこの点についてもっと責任を明らかにし、政党大臣として責任政治を確立してもらいたい。いつまでも官僚に引きずり回されてそんなことをやれぬということは、天下国家のためにまことに義憤を感ぜざるを得ない。明快な答弁をもらいたい。
  27. 中村三之丞

    中村国務大臣 私は主官大臣といたしまして、私の管下の責任者局長であるとか事務官に対しては信頼をいたしております。しかしながら交通行政振粛は私は考えております。これは申しておきます。
  28. 原健三郎

    ○原(健)委員 今運輸大臣の決意を承わったわけでありますが、それではこの路頭に迷うて生活に困っている駐留軍労務者を、一体これからどうさすつもりであるか。君らはほっておいて死んでもかまわぬというお考えか。閣議でもきめているのだから、何か対策があるだろう。それをただ小役人にこづき回されてそのままほっておくようなことでは、一体岸内閣何を考えているのか、どうするつもりか、しっかりその対策考えてもらいたい。
  29. 中村三之丞

    中村国務大臣 岸内閣のことは全般のことでございますから、私から個々について申し上げることはいたしません。しかしながら悪い点があれば、これは直すことは当然であります。今あなたのおっしゃった問題はずいぶんしぼられてきているのであって、尼崎のある会社を許さなかったことはけしからぬという問題にしぼられてきている。これはどうであるかということは私は考えざるを得ません。またその点につきましては行政的手続においていろいろのことがやり得られると思いますから、それは発起人のお考えにまかせざるを得ないのでありまして、その点は御了承を願っておきたいのであります。
  30. 原健三郎

    ○原(健)委員 私の申し上げているのは、尼崎西宮芦屋地区において駐留軍関係出願者がたしか二社か三社かある。それを少くとも一社——多ければ多いほどいいのでありますが、一社くらいはなぜ認めなかったかということが結論であります。何も特定のどれということを言うのではない。それでそれが今申したように、これからの寒空の冬を越せないのに、せっかく閣議でそういう対策考えてくれたのに、それを役人が無視してやらないのだから、大臣は何とか新たに増車ワク——そんなことができるかできないか知らないが、こしらえてやるとか、早急に何とか策があるかどうか。なければ考えておいてもらいたい。ほっておいては困る。何百万人という人が路頭に迷うじゃないか。
  31. 中村三之丞

    中村国務大臣 今ここでお答えすることは差し控えたいと思います。しかしわれわれは優先的取扱い精神はこれを尊重していきたいと思います。
  32. 濱野清吾

    濱野委員 今原君の質問は非常に重要なことでありますから、関連して一言お伺いいたします。私の記憶では、タクシー業者がどうやら経宮の安定を得るに至ったのは、三木武夫運輸大臣時代からであります。その当時は需給のバランスを破って、非常に多くの車両免許されたものでありますから、経営者不当競争に陥って、ついに経営が不如意の状態になった。それを道路運送法の立法の趣旨によって、需給の調節をする、そのためには市内にあふれんばかりの状態にあった増車規制をするよりほかない、こう考えて、多分一昨年だと思いますけれども、タクシー並びにバス増車、新しい免許規制法律趣旨にのっとって措置したわけであります。そのためにタクシー界バス界経営は非常に安定してきているわけであります。その事業も比較的やりやすくなって、賃金の不払い並びに労働の過重というような問題がなくなった。これがほんとうの実情であって、その証拠にはナンバー権はただで買ったような時代から、少くとも百万、百二十方、おそろしいところでは百五、六十万もナンバー権がつり上ったというような状態になったわけであります。ところが運輸省の方では、そういう経済的なよい現象の出たことはそのままにしておいて、三木運輸大臣がやった当時のことをまだ百年一日のごとくやらんとする傾向がある。元来、大臣は別といたしまして、運輸官僚はとかくそういう法律の行使については何か特権的な意識がそこに働いて、おれが判を押さなければというような、国民に対して、どうも不忠実な代々の慣習が残っているように思うのであります。道路運送法第六条によって、今度の原君の質問の問題などを大いに検討して、法律に全く忠実であり、しかも日本産業のためにこの法律補正化と円滑なる運営をしなければならぬという、真に官吏としての良心があるならば、私は原君に対する局長答弁はどうも当を得てない、こう思うのであります。原君はこの運輸委員会には相当長くいるのであるし、業界にも関係がある方でありますから、いろいろ具体的な事例を知っていると思うのであります。私どもも免許に関連した幾多の事例というものもよくわかっております。そこで私は先ほど申した通り、もう少し自動車局長に真剣さがあっていいのじゃないか、法を適正に守ろうという法治国家としての官僚責任を真剣に反省してみたらどうなんだ、こう思うのであります。ただいま同僚の原君は、閣議での運輸大臣の発言を引用しております。言うところによると、優先的な許可意味しない、ただし優先的な取扱いをるるというのです。非常に行政庁の長官としては含蓄のあることを言っておると思うのであります。というのは、とにかく一年半前の三木運輸大臣時代タクシー業界の現状と今日の現状とは、まだまだ気の毒な人々には閣議で報告するほどの大きな社会政策的な、この措置については第六条を適用してむやみに血のないやり方をするほど、この業界は車両を増加することはいかぬという現実では私はないと思う。この点はよほどお考えになった方がいいと思います。法律がある以上、運輸大臣でも優先的に取り扱い、しこうしてこれを許可すべし、そういう乱暴な命令もできぬし、指示もできないと思うのであります。私が一等不思議に思うのは、原君の先ほど言った京阪の大きい会社だけには、きわめて公平にその比率によって免許した。そして、気の毒な人々にはきわめて少数のものを免許した。それは大臣閣議で言った社会政策的にはちっとも意味がない。大臣が国を思い、今の失業者を助けてやろうという閣議においての発言の意味はないじゃありませんか。なぜ大きい会社免許を押えて、駐留軍の失業者等を救ってやろうとするほんとうの真心というものがそこに出ないだろうか。私はこの問題について局長が反論があるならば、きょうは一日でも実例をあげて申し上げましょう。それは原君が言うまでもない幾多の事例をわれわれは持っている。少くとも免許という問題は運輸省の今日の大きな問題です。これはどうも法の精神を無視したりすることもやっておるし、さらにまたただいま問題になっている点につきましては法六条、資力信用、どうにでもなるようなことを行使して自分の意欲を全うしている。これは法の明文に沿うている意味でもなければ、政治のあり方としても行政のあり方としても私は非常にまずいことだと思います。原君は今神戸地区明石地区尼崎地区、そういうことばかり言っておりますけれども、全体としてそうだと思う。元来あなたの局長時代もそうだと思います。官房長時代もそうだと思いますが、タクシー界の現実の状態はどうか、需給のバランスというものは一体どこに求めているか。一体タクシーナンバー権というものはここ一年、二年のうちにどういうふうに変化しておりますか。この業界の事情というものをどう見ているか。そういう大所高所から見て本省自動車局長は法を適用しなければいかぬと思う。この点どうですか、一つお尋ねしたい。ナンバー権の経済的な推移を大局から見て、一体許す余地があるのかないのか。あるとするならば、大会社に公平に、あるいは中小企業に公平に、そしてまた大臣閣議で政策的に発言したこの言葉についてどう処理すべきかということが、おのずからそこに結論づけられると思うのであります。本省局長でありますから、大所高所から業界の一年前、一年半前の状態はどうなっておるか考えてもらいたい。あなた方は官僚でありますから、都合のいい数字を寄せ集めて、そして結論を求めるでしょう。一体自由主義経済においてナンバー権が今日のごとく高くなつたのはどこに原因があるか、一年半前、二年前まで一文の値打もなかったのはどこに原因があったのでありますか。それを究明すればおのずから第六条の適用はすぐ開けてくるのではないか。大臣の腹はもうわかっておるのです。
  33. 山内公猷

    山内説明員 タクシーハイヤー免許につきましては今、原先生から御叱正がございましたが、私どもといたしましては、原先生の御叱正のような非難が相当ありますので、そういう叱正のないように特に注意をしてやつておるわけでございまして、その間陳情があればわれわれとしても陳情を聞かないわけにいきませんが、必ずしも陳情を聞いたからそのように処理せなければならぬということにも考えておりません。特に昨今におきますハイヤータクシー業免許については、いろいろ政治的な関係も深いので、陸運局長にはそういう疑いのないように極力指示をしております。それで今回の件についても相当慎重に検討いたし出たわけでございまして、従来と違いまして、たとえば免許申請があれば、その予定車庫地にも行きましたし、実際を十分調べた上で決定をいたすようにいたしたというふうな報告を受けております。また全般的なハイヤータクシー業の動きにつきましては、お示しの通りでございまして、従来免許が多いために、特に大都市における労働者の労働賃金が安く、そのために一日の走行キロが四百キロにも及ぶ時代がございまして、その結果事故が多発したという経験にかんがみまして、特に東京におきましてはハイヤータクシー業免許をストップしたわけでございます。その後神武景気によりまして漸次業界も立ち直つて参っておるわけでございます。われわれの方はそういった点も十分見ながら、各地区におきまして陸運局長長がタクシーハイヤー業の免許をやっております。そのためにただ単に陸運局長だけの判断ではなくして、この法にあります自動車運送協議会にかけまして、それらの需給の情勢を見、今回の答申案のようなものを見た上でやつておるわけでございまして、ただいま御指摘のようにナンバー権が相当多くなるということは、そういった点も一つの要素として考えておるわでございます。
  34. 濱野清吾

    濱野委員 道路運送法第六条の需給のバランスというものは、免許の重要な要件になっておる。またナンバー権というものは自然の需給関係を証明するのには、最もよい経済的な証明なのですね。ここ一年半か、一年のうちにただのナンバー権があなた方の行政措置によって、ほんとうに需給のバランスがとれるようになつたために、大へんに百万も百二十万にもなったことは、自動車局長はお認めになると思う。こういうようにナンバー権がだんだん上ってきたことは、企業の安定の上から喜ぶべきことであるが、しかしそれ以上今度はどんどん上ってくるというようなことになると、これは車両の増加をして、その調整をして、それで需給の経済的なバランスがとり得るという一つの重要なる証拠であると私は考えているのです。これはあなたはどう見ますか。これはあなた方のそろばん以外に経済人は見ているので、何もあなた方がそろばんの上でやめさせるとか、あるいはまた何両で稼動がどうのというような事務的なことよりは、ナンバー権の相場に反映がきている、こう見るのです。これは経済学的にも正しいと思うのです。これをあなたがどう見るかによって、今原君のおっしゃるところの、要するにこの人々には免許してやったらどうだ。大臣は法六条がありますから、道路運送法がございますから正式に取扱いを優先的に扱え、こうおっしゃるけれども、ほんとうに良識のある良心のある、そして忠実なる官僚であったならば、このナンバー権がウナギ登りに上ったこの実情を看過するというのはどういうわけなんだ、こういうのですよ。こまかいことはいいです、基本的なものです。本省局長はそれぐらい知っているでしょう。
  35. 山内公猷

    山内説明員 もちろんナンバー権というような権利を役所で正式に認めておることはないということは御承知の通りでございますが、経済的な一つのやみの動きというものも、情勢の参考にしなければならないということはお示しの通りでございます。われわれも十分そういう点におきましては乗車効率を見るとともに、そういう業界の動きも見ておるわけでございますが、もう一つわれわれといたしましてはそういったもののほかに交通の事故というものも十分考えた上で、慎重にそういう点は決定をいたしたいと思っております。
  36. 濱野清吾

    濱野委員 あなたはわかりませんね。乗車効率とか一車両が何キロ走るとかいうようなことは、これはあなたの部下のおやりになることなんです。そうして何キロ走っても乗車効率がどうあってもそれはどうでもよろしいが、全体としてこの企業の安定性、危険性というものを判別すると、経済的にナンバー権というものが上ったり下ったりが出てくるのではないか。これはあなたがどう目をおおうても——君は今やみという言葉をお使いになったが、これを無視するわけにはいかない。株式市場の株の値上りや値下りのカーブというものは、日本経済の消長を端的に敏感に現わしている。業界の安全性であるとか、逆に需給がアンバランスになったというような結果は、経済の実情からいえばナンバー権に出てくる。これはやみだからといっておれたちはそれに関係しない、それは乗車効率が云々とか資力信用とかいうようなことだけ役所では考えているのだということなら、それはあなた自由主義経済のうちで道路運送法が何のために統制経済をとっているのか。この法律の立法精神というものをあなたは御承知でしょう。日本は自由主義経済なんです。自由主義経済のうちで道路運送法というものは少くとも計画経済になっている。だからこの運用は非常にむずかしい。このむずかしさはこれは法律を見たときにわかるでしょう。何というとぼけた答弁をあなたはするのですか。今大臣は自分は部下を信頼しているという。それはそうでしょう。大臣言葉をいえば部下を信頼しているという、しかし部下は大臣を信頼しておるか。(「言うこと聞かぬのだ」と呼ぶ者あり)ちっとも言うことを聞かぬばかりか、大臣を攻撃しているじゃないか。どこへ行ったって大臣を攻撃している。今の業界をごらんなさい。あなた方の宣伝はどうなっておるか。それほど言うならあなたはおやめになったらいいでしょう。われわれは党のために内閣のために言う。あなたは至るところで業界において大臣を攻撃している。大臣のお気持もわからずに、局長局長と打ち合せをしているじゃないか。どういうことなんだ一体……。だれだってこれを聞いたら義憤を感ずるでしょう。大臣は部下を信頼していると言うが、部下は大臣を信頼どころか攻撃している、非難している。それならば自分で去ればいいでしょう。こういう今日の現状が今の運輸省自動車局内容なんです。われわれは言いたくない、しかし議員だから言う。どういうことなんですか。私はそういうことはいけないことだと思う。それは法律上はともかくも道義上許せぬ。運輸省という行政庁の立場としてはそれは非常によくないことだ。腹でどう思ったってそういうことは言うべきじゃない。今私は原君に関連しているからこれ以上申し上げませんけれども、この措置についてはあなた方が外部に言っているのが残念ながらきれいに見えている。今のナンバー権との経済関係をお答え願いたい。
  37. 山内公猷

    山内説明員 私がそういう非難をしたということは非常に意外な話でありまして、またこの件につきまして陸運局長に私が相談をして大臣の命令を徹底しなかったというようなお話でございますが、これはちょっとお話の筋が違うのじゃないかとわれわれは考えております。それはこの新規免許のあらましを申し上げますと、全部の免許のうち、新規免許になりましたのは七件でございますが、そのうち三件は駐留軍免許でございます。これは陸運局長大臣趣旨を十分了解した上での処置であるとわれわれは考えております。ナンバー権の問題は先ほどから御説明申し上げておりますように、それも一つ免許するかいなかの判断の参考になるということでございますが、それだけで全部の行政をやらなければならないということはないわけでございます。そのほかいろいろの資料をもってそういう判断をするということは、間違いではないとわれわれは考えております。
  38. 濱野清吾

    濱野委員 どうして君は僕の言っている趣旨を知ってそういうことをおっしゃるかわからないが、もろもろの経済事情はナンバー権に帰着する。たとえば需給の問題も、今日の経済事情においてはナンバー権の上り下りを見れば、大体集約された結果でありますから私は間違いないと思う。ですからナンバー権の問題は大局から見て、そうしてしかも過去二年間の実績を見てやってみると、一体どこに原因があったか。神武景気でむやみに自動車を乗り回す人が多くなった、それも一つの原因であってもよろしい、それは非常に効率が高くなったということなんだ。ですから逆に言えば今度の社会政策的に大臣が発言したこの免許の問題も、これはその線に沿うて免許をする可能性がある、こういうように判断することが私は正しいと思う。そのときに資力だとかあるいは計画内容だとかいうことがこまかく問題にされるべきことだと思うのです。それが私の考え方です。  もう一つ、こういう世相において、阪神地区の大きいところを押えてもいいじゃありませんか。大臣閣議で発言しなくちゃならぬほど、それほど逼迫した——今の駐留軍の人々の関係免許でありますから、大きいものを押えても、ほんとうに国が失業対策として、気の毒だというこのほんとうの政治の思いやりから考えれば、阪神なんというのはつぶれはせぬのだ、今急に許さなくちゃならぬというほどのものじゃない。この人々にお許しになってもいいじゃないか。それをことさらに法六条をたてにとって、公平とか平等とかいうような、そういうことを必要でないときにことさらにお使いになるということは、原君の言うようにいろいろな疑念を生んでくる。大臣閣議における趣旨をあなた方は把握していないことになるぞ、こういうのです。どうです、そう考えているのですか。局長の方ではそんなことはおかまいないのですか。どういうことなのですか。
  39. 山内公猷

    山内説明員 この閣議決定の中で第三項に、利用者の行う事業の育成という項目がございます。これの趣旨は、その事業の許認可について優先的に取り扱うとありまして、われわれの方といたしましてはこの文言をそのまま十分に了解をさせておるわけでございます。もちろんこの対策そのものがこの法の範囲内において取り扱うということは、対策本部でも十分認めておるわけでございまして、私もその対策本部の幹事の一名に任命をされておりまして、それらの点は十分私も存じておりますので、そういった点につきましては陸運局長には書面をもって、あるいは陸運局長会議の席上におきまして十分説明をいたしておるわけでございます。そういう点は行政の運用の面におきまして、十分生かせという先生の御趣旨であろうと思います。これはやはり現行法のもとにおきまして、そういったような閣議趣旨は、十分われわれとしては尊重いたしておるわけでございます。その結果われわれとして見るところでは、これは駐留軍には相当有利に取り扱った、法の許す範囲内におきまして優先に取り扱ったというふうに、今度の処置も解釈をいたしておるわけでございます。
  40. 濱野清吾

    濱野委員 そうすると将来はどうなのですか。たとえば東京の方も出ていることと私は拝承しているのです。ところが東京はだめだとおっしゃるのだが、私はまだ東京に余地があると思っている。これは非常に大きな問題になってくると思うのですが、あなたのおっしゃることを地方の局長は聞いてくれないのでしょうか。
  41. 山内公猷

    山内説明員 私は個々免許事案につきまして、右しろ左しろと言うことは行き過ぎであるということで差し控えております。東京地区に限らず各地区におきましては、全国的に常にその点は問題になっているわけでございますが、そのためにはまず自動車運送協議会の諮問という法律的な要請もございますので、そういう点の一連の手続を踏みました上で、増車すべきかどうかということが決定になると思います。
  42. 赤澤正道

    赤澤委員長 原君、あとの質問もつかえておりますし、関連質問が長かったから簡単に願います。
  43. 原健三郎

    ○原(健)委員 もう一分簡単に。局長は優先的にこれを認めておるとおっしゃられるが、一体どこに認めておるか。優先的に認めておられると言われるのは頭が変じゃないか。君は駐留軍労務者に対して優先的に扱えということを、各会議とか文言をもって通達したというが、それはしたかもしれない。しかし君はやみ取引の大家じゃないか。そんな通達は出しても、陰であなたが適当にやっておけとくらいちゃんと言うておる。この場においてそういうことを白々しく言うとは、不届き千万です。よく反省してみなさい。
  44. 山内公猷

    山内説明員 私はやみと取引をした覚えもありませんし、また通牒に反するようなことを指示した覚えもございません。いかなることによりましてそういうお話があるか、私としては意外な話であります。われわれといたしましては、先ほど大臣から御説明になりましたように、進駐軍の申請といえども、この法第六条の要求を満たさない、非常にずさんな計画であるというものを、それでは先生のお言葉を認めれば、この第六条違反の結果になるわけでございます。閣議決定によって、やはりそういう客観的に明らかなものを認めるというわけにはいかないわけでございます。われわれとしては、そういう点は十分今度時間をかけまして、個々に客観的に調べたわけでございます。たとえば、特に今回の作につきましては、各案件につきまして諸先生方の推薦がほとんどみんなあるわけでございまして、その点は陸運局長はほんとうに真剣になって調べたというような報告を受けております。遺憾ながら先生方の申請した中で落ちられました。特にこの許認可の事項につきましては、その免許申請される方は完全と思っておられますので、それが落ちると非常に非難が強いわけで、われわれもその点は迷惑をするわけでございます。その点につきまして、特にいろいろ事情も聞いておりますが、個々の具体的事情をここに御披露するということもいかがかと思いますが、たとえば車庫の予定地であったというところへ行って調べてみますと、人の名義になりまして、その使っている人が、いや、それは自分は立ちのきの意思がないというようなことがはっきりいたしますと、免許申請をしても、車庫のなハイヤータクシー業免許しなければならないというようなことにもなりますので、そういうことはやはり具体的なケースにおきましては、その申請者の不備ということになってくるわけでございます。そういった具体的な事情によりまして、却下あるいは免許というものをきめておるわけでございまして、一般抽象的に、こういう個々の案件につきまして全部免許しなかったから、どうもわれわれが進駐軍労務者申請に対して、好意的でなかったというようなお話では、われわれの方としても納得しかねる点があるわけでございます。
  45. 原健三郎

    ○原(健)委員 納得しかねると言うけれども、特定の、そういったどこかの車庫をねらったところが、それは立ちのきの意思がなかった。そんなものは全国に一つや二つはあるだろう。そんな例をもって今度の許可におっかぶせて、全部がそうであったごとく言われるのはけしからぬ。そんなことはどこにあるか。一体書類申請なんかやっても、君は全然大臣の意思を無視して、やる気がないからそんなことを言う。実際道路運送法第六条に違反してやれなどと、だれがそんなことを言ったか。道路運送法六条くらいに合うような書類は、昔はいざ知らず、今はほとんどみなが出している。今度の阪神間の調べでは、同じ書類で同じような聴聞であっても、甲が許可になり乙が許可にならぬ。多少のことは別として、同じ書類で不備のない場合、なぜ許可しないか。何を一体つべこべ言うか。
  46. 赤澤正道

    赤澤委員長 正木委員
  47. 正木清

    ○正木委員 私はこの機会に、運輸大臣並びに関係事務当局にお尋ねしたいと思うのです。  運輸大臣は現内閣の改造で運輸省を所管されることになったわけですが、大臣が御就任になられて間もない臨時国会と記憶いたしますけれども、運輸省の中で非常に重要な案件である海運関係、港湾関係、国有鉄道関係、航空関係、気象関係、その他重要な諸案件について、大臣大臣らしい鋭い政治感覚から、三十三年度の運輸省所官事項に対する緻密な計画の発表がございました。そして当委員会において、その緻密に計画をされた諸案件について、詳細な御報告をなされたのでありますが、私は当時議事進行に名をかりて、新しい大臣の鋭い政治感賞によって、計画された三十三年度のこれら諸案件について、少くとも数字的な予算原案を基礎としない限り、今ここで諸関係事業報告を承わっても、残念ながら時間を浪費するだけであるということで、委員会全体はそれを了承して、実は今日に至ったことは大臣も御承知のはずでございます。その後私の知っている限りにおきましては、あなたの所管事項のあなたの立てました計画に基いて、数字を基礎とした予算原案ができまして、そしてその予算原案が民間のそれぞれの会合に、あなたの方の部局その他の関係者が、その数字を基礎にした予算原案なるものを提示いたしまして、自分たちはこうした予算原案をもって昭和三十三年度の予算獲得のために努力をするのだ、こういうことは大臣もおそらく御存じであろうと思うのでございます。そうした具体的な数字を基礎としたこの予算原案なるものが、少くとも国民の前にすでに明らかになっている。現在私の承知して、いる範囲においては、この暮れまでに大蔵省の第一査定なるものが、それぞれ政府諸関係に明示されるとも承わっておりますし、新聞の報ずるところによっては、与党、政府間において、三十三年度の予算の基本的な方針もすでに固まりつつあると承知いたしておるのでありますが、私のお伺いしたい点は、鋭い政治感覚によって、非常に国民の望むところの運輸省所管の予算原案なるものができ上って、すでに事務当局を通じて、大蔵省と折衝されたと私は承知いたしております。そこで通常国会が召集されまして、おそらく本日をもって当委員会も終りを告げると思うのでございますが、私どもは与党、野党を問わず、当委員会関係する運輸省所管のことにつきましては、それぞれ選挙区その他において民間その他の諸君から質問されることは必至でございます。そこで私はこの際承わりたいと思いますことは、当初のあなたの立てた原案とそれに伴う予算案、それと大蔵省との折衝過程の事柄について、かりに大臣が詳細にお知りにならないとするならば、関係事務当局からこの際一つ委員会において中間的な意味をも含めて御報告願いたい、これが私の第一点の質問でございます。
  48. 中村三之丞

    中村国務大臣 運輸省昭和三十三年度の概算書は、夏ごろ大蔵省へ出しました。この概算書は正木君も非常に好意を持って御指摘下さいましたように、運輸省の施策を盛ったものでございまして、これを貫徹していくことがわれわれの役割であると信じております。目下各部局も外局もそれから国鉄の方も関係のものは大蔵省と折衝いたしております。しかしまだ具体的に向うからどういうふうであるかというところまでいきませんが、一応の概算書の説明は会計課長初め各部局長がやったようでございまして、まだ大蔵省との交渉が途中でございまして、どう結論になりますか、これは年末から来月中旬にかけていよいよきまるものと思うておるのであります。今私は一切を部局の責任者と大蔵省事務当局の交渉にまかせておりまして、まだ私たちが政治的解決に乗り出すという時期まで達しておりません。もとより閣議でも具体的にきまってくる、個々に復活問題も出てくると思いまするが、まだその時期ではないような情勢でございます。
  49. 正木清

    ○正木委員 重ねて私は事務当局にお尋ねしたいと思うのです。もちろん私は野党の立場でございまするから詳細のことは知りませんが、新聞その他を通じて知る範囲においては、大蔵大臣はこう指摘しておるのです。自分は閣議の基本的な方針に基いて、昭和三十二年度の予算の中でも既定経費百億を削減する考えである、こういうことを言われておるのでございます。そうしますと物件費その他の切り詰めは相当強いものであるとすら考えられます。これは長年の経験で常識上考えられます。そうなって参りますと、運輸省所管事項の中でも特に考えられます点は、航空関係、気象関係特に国有鉄道関係、これらの具体的な問題になって参りますと、これは大へんに失礼なことを申すようでございまするが、新しい大臣でしかも政治力をたくさん持っておる大臣をいただいたわけですけれども、大臣が当初計画を立てた施策、それに伴う予算原案、これがまたぞろ大幅に削減されるうき目を見るような事態になるのではないかと実は内心私は心配をいたしております。ただ、ここで申し上げたいことは港湾関係でございますが、港湾関係についても当委員会で熱心に議論されておるほど、一体三十三年度で予算が取れるかどうかということすら私は心配をいたしております。そこで私は事務当局にお尋ねしたいことは、あなたの心配は単なる心配であって自分たちには自信がある、今の大臣の施策の線に沿うて私どもは大蔵省を説得し得る自信がある、あなた方は御安心をして選挙区にお帰り下さっても一向差しつかえないという見通しがあるかどうか、簡単でけっこうですがこの一点だけを承わっておきたいと思います。
  50. 中村三之丞

    中村国務大臣 予算の交渉につきましては、私は手放しの楽観はいたしておりません。そこにいろいろの紆余曲折があると思います。これは例年と少しも変りはないと思います。従って私は事務当局と協力して、最善の努力をするということに向っておるのであります。既定経費の節約はこれは程度の問題でございまして、またその内容にもよると思います。しかし既定経費の節約は、やがては同時に新規要求の削減とはならないと思います。新規要求は私は施策に必要なものはこれを要求し、それを貫徹する考えでございます。港湾関係につきましては今交渉をしておるようでありますが、いずれにいたしましても日本の港湾の近代化をはかっていく、特に特定産業関連の港湾整備につきましては私は重点的に努力して、大蔵省の承認を要求するつもりでおります。
  51. 正木清

    ○正木委員 事務当局から何もありませんか。——なければ、もう一点お尋ねしたいのですが、これは当委員会でもしばしば議論の対象になり、私個人としても心配いたしておるのですが、昭和三十二年度の国有鉄道所管の予算の中で、百億の繰り延べが真剣に議論されました。すでに十二月でございまして、三十二年度の予算実行期間というものは余すところ三月しかございません。そこでこの跡始末については大臣はしばしば私は責任を持って政治的に解決します、こうおっしゃっておりましたから、私は円満に解決して国有鉄道は新線建設をも含めて、予定の通りと五カ年計画なるものは順調に進んでいる、かように期待をいたしておりますが、この問題についての解決の具体的な内容をここで御報告を願いたい。
  52. 中村三之丞

    中村国務大臣 私も正木君と同じごとくこの百億円のスロー・ダウンにつきましては深く考え、また心配して参りました。また正木君から非常に好意ある御鞭撻を受けたことを私は記憶いたしております。でございますから先般来から大蔵省と交渉を続けておるのでございまして、私はしばしば申し上げましたごとく、国鉄第一年の計画に頓挫を来たさない、その大動脈に傷の入らないように努力をいたして参りたいと思います。ただ総合施策というもののもとにあるのでありますから、内容的にはそこに操作をしなければならぬ、また操作は免れないのじゃないかと私も考えておりますけれども、大動脈を傷つけるようなことは私はいたさないつもりであります。なお鉄道監督局長が出席いたしておりますから、今までの交渉の状況について御報告を申し上げることにいたします。
  53. 権田良彦

    ○権田説明員 御説明いたします。御指摘の通りにきわめて重大な問題でございます。これは、実は三十二年度の予算の百億のスロー・ダウンというものが、今日の段階では直ちに三十三年度の予算との関連として、重大になって参っております。三十二年度の工事予算の関係は、御案内のようにただいままでのところ公募債二百十五億のワクが発行がスロー・ダウンしておりまして、ただいまのところ九十五億ばかりしか発行しておりません。従ってまだ百二十億残っておりまするし、今御指摘の通りにもう第四・四半期を余すのみでございますので、これを私どもは工事に影響を与えないようにいろいろ資金的に折衝しているわけでありますが、数字的にはまだ詰まっておりません。と申しまするのは、三十二年度の予算につきましても、実は仲裁裁定の人件費増でありまするとか、その他は一次補正でもって前国会でやっていただきましたあと、またずっとその後物件費、特に修繕費、動力費というものも非常に窮迫しております。またすでに御案内のように期末手当を二・五五公務員に準じまして支給をいたしておりますので、その予算的な跡始末の問題もありますので、数字的に全体をにらみ合せてやっておるわけでございます。しかし今大臣もおっしゃいましたように、私どももこの五カ年計画に重大な影響を与えるということは絶対ないようにしたい、五カ年計画の遂行はあくまでもくずさないという建前を堅持しております。従いまして今年度の工事費と来年度の工事費というものとの見合いになって参っておりまして、三十三年度予算につきましても、実は国鉄の原案は御承知のようにすでにでき上っております。この数字を目下運輸省としても調整を加えて、いろいろこまかい数字的に洗っておりますが、大蔵省に対しましても事務的なこまかい数字の説明は一応終っております。しかしこれをどういうふうに詰めていくか、詰めていくいろいろな考え方について寄り寄り話し合っておりますけれども、最終的な数字の結論はまだ出ておりません。今の見通しとしては、これも大臣の仰せられましたように、この年末から来年の半ばにかけて作り上げ、またきめなければならないと思っております。そういたしますると、今の問題は特に工事費に関係いたしておりますので、まず本年度の工事費につきましては、工事費には建設費あり、改良費あり、またその改良費にはいろいろな主要幹線の増強であるとか、あるいは電化であるとか、あるいはその他いろいろな諸改良もございますけれども、今の二百十五億の資金源が今まで現実にスロー・ダウンで残っておるわけでありますが、その影響度も主要な輸送力増強をくずさぬように、こまかい配慮をして今日までやってきておるわけでありまして、これを結局工事の全体の規模から考えて、その影響を最小限度にとどめますためには、再び申し上げるようでありますが、来年度の改良費とのからみが起って参ります。そうなりますと一番大きな問題は、この公募債を含めました財政投融資の問題に帰着して参ります。従いまして今年度のそれと来年度の国鉄の財政投融資のワクとからんでおりますので、特に来年度の資金運用部のワク並びに鉄道債券のワク、それらとからめまして考えております。三十三年度では、今先生も御指摘になりましたが、決して楽観を許さないのでありまして、特に今申し上げておりますこの資金運用部の借り入れと鉄道債券の公募債、それに一部利用債がございますが、これを合せましたいわゆる外部資金というものについてどう見ていくか。これには一つは自己資金の関係から収入の見通しの問題が起って参りまして、御案内の通り本年度は三千三百億足らずの収入を見ましたのでございますが、大体年度半ばにおいて予算以外の増収を二十億ぐらい実は見ておったのでありますが、最近特に十二月に入りまして今日で約二百五十日ぐらい経過しましたので、これを締めて参りましていろいろ試算してみますと、どうも本年三十二年度の二十億が確保しにくい。今のところ数字的には九億ないし十億しか出ないのでありまして、これは貨物は約一%ぐらい予算より上っておりますが、旅客がとんとんになってしまいまして非常に心配しております。ただ御承知の通り旅客は一月と三月が込むときでございますので、この一月、三月の増収がどれだけ期待できるかというところに私ども期待をかけているわけでありますが、きょう締めておりますくらいの九億ないし十億程度の見込みでありますと、三十三年の収入のことと関連して参りまして、今のところまあ来年度が三%ぐらいしか増収量としては見れないのじゃないか。この点は私どもも経済企画庁も大蔵省もほとんど意見は一致しております。そういたしますといろいろなものを入れても百二十億ばかりの増収にしかならないのでありまして、そういうものの自己資金と、一方経営費については御案内の通りいろいろ人件費の本年度実施しました仲裁裁定の問題から期末手当の問題、それからかねて問題になっております特別退職手当の問題というものの見通しを考えて参りますと、これに物件費がこれまた本年度動力費、修繕費で御指摘をいただきましたし、三十二年度予算のときにも当委員会からもいろいろ五カ年計画と関連して、そういう経費についての御指摘がございました点もございます。そういうものを勘案いたしますと、来年の自己資金がどうしても本年度並みに出ないという数字の詰めになって参ります。この自己資金の本年度よりどうしても減ります、今私どもがざっと概算しましても、おおむねで少し申し上げて失礼ですが、収入百億増に対して支出二百億増、結局百億の自己資金へ食い込むということはやむを得ないのじゃないか。そういたしますとそれだけは外部資金がふえるわけでありまして、それにもしかりに今のスロー・ダウンが幾らかリカバーいたしましても、若干のスロー・ダウンは正直に申し上げてやむを得ないところまで追い詰められてきておりますので……
  54. 正木清

    ○正木委員 それが工事費にどういう……。
  55. 権田良彦

    ○権田説明員 それが来年にかぶって参るわけでありまして、そうすると、外部資金にかぶります量が数字的に申し上げますと、百億プラス・アルフアということになるわけであります。この百億プラス・アルフアのものを確保いたしますれば、三十三年度工事資金量というものが確保できるので、これは十五カ年計画がその通りできるわけでありますが、さらにこれはくどいようでありますが、三十六年度を最終年度といたしました実は五カ年計画の見通しも今やりかえております。ただいまのところでは三十三年度予算の今申し上げた限度における外部資金の確保ができますならば、これは問題ないわけであります。従いましてその外部資金の特に公募債の問題と預金部の問題、煮え詰めますと実はその二つになっておりまして、これについては大蔵省の主計局、理財局方面ともいろいろ考え方について非常に深刻な話をしておりますけれども、数字が出ますのは、おそらく向うの数字が第一次的にきまりますのが年末だと思います。その結果来年の半ばまでにこの点に重点を置いて私どもは努力をしたい。繰り返して申し上げますが、この五カ年計画の工事資金、この問題は特に改良費でございますが、これについては全体の五カ年計画の、お示ししました各項目によります老朽施設の取りかえなり、輸送力の増強なり、通勤輸送の緩和なり、安全の確保という問題については、ひびの入らないようにする決意で、今数字を詰めている段階でございます。これが今の事務的な現状でございます。
  56. 正木清

    ○正木委員 時間を食って恐縮ですが、そこで私は大臣よりか事務当局に、希望を兼ねて御任意を申し上げておきたいと思うのです。今事務当局が具体的に数字をあげて御指摘になりましたように、私の非常に心配している点はここなんです。当委員会及び衆参両院を通じて、運賃値上げの前提条件になったものは、国鉄関係のもろもろの大きな思い切った改善をして国民にサービスをする、従来のような御迷惑をかけない、これが前提条件であったことは、これはどなたも承認するところであろうと思うのです。ところが二百十五億の公募債が、財政投融資引き締めという理由によって、九十億そこそこしか発行済みになっておらない。そうすると、残った未発行分の工事費関係のこの資金源というものが、残念ながら三十三年度にかぶっていくことは、あなたの指摘した通りなんです。私が非常に心配している点は、もちろん私は新聞を通ずるより知るよしもございませんが、閣議決定事項として財政投融資は、本年度最終的に調節をしたその額以上発行を認めない、こういうのです。そうすると一体どうなるかということです。あなた方は今必死になって五カ年計画その他の調整をやっておりますが、通常国会が本格的に開かれれば、あなた方が当委員会及び本会議に五カ年計画の具体案を具体的に示しながら、その五カ年計画というものは残念ながら完全に行っておらない、至るところでつまずいている実情を私は指摘いたします。また本来であるならば、あなた方が資金上の関係で、五カ年計画に大幅な修正を加えるとするならば、当然それはあらためて議会に提出して、議会の承認を受けるというのが、議会政治の建前でなければならぬのです。議会で承認した、五カ年計画なるものを、資金上困るからといって、一運輸事務当局が勝手に修正を加えるということは、原則としては許されません。そこを私が心配をしておるのです。しかもそのしわ寄せが一体どこへ来ているか。それすらも私は知っております。そこであなた方は、よほどこの点で政治的にも事務的にも大蔵省と折衡をいたしておりませんと、三十三年度の具体的な予算がどうきまろうとも、予算半ばにしてこの五カ年計画に大きな支障を来たす。私は五カ年計画にあえてつけ加えますが、鉄道新線建設その他に大きな支障を来たす。来たしたとき、どうにもならなくなったとき、一体この責任をどうするのか。この問題が、これは政治的に当然起きてくるのです。そのときにはすでにおそい。だから私は、運輸大臣がしばしば、心配をしてくれるな、政治家として大蔵大臣を説得して、政治的に解決する自信と決意がある、こうおっしゃいますけれども、あなた、あと三月しかないじゃないですか。一体これをどうするのです。政治的な答弁としては、私はどのような答弁でもできようかと思いますが、この数字と、具体的な計画案件というものは、科学性を持っております。うそであろうとほんとであろうと、科学性を持っております。これはごまかすわけにいかぬのです。そういう点を勘案して、通常国会等においてわれわれに心配をかけないように、最大の御努力をお払い願う。私はこの問題はこれで打ち切ります。  その次に一言だけ聞いておきたいのは、これは鉄監局長に聞いた方がよろしいと思いますが、御承知のように議会で承認を与えた法律上の予定線がございます。この予定線は、資金上その他の関係で遅々として、思うように進んではおりませんけれども、これにかぶして、民間会社から新線建設の出願がある。これに対してあなた方は許可を与える。そこで私は承わりたいのでございますが、この法律決定した予定線の上に、民間会社が新しい線を出願して、運輸当局がこれを許可をした。許可をする限りにおいては、自動車局所管事項ではないが、あらゆる観点から調査研究をして許可したものだと思う。許可した限りにおいては、これは当然運輸省に大きな責任があるわけです。そこで一体許可を受けた会社が、許可を受けた後一年も二年も三年も四年も工事にかからなくてもよろしいものなのかどうか、それとも、許可はしたけれども、株が思うように募れなかった、資金の手当が思うようにできなかったというようなことで、ある一定期間内にできなかった場合に、これを取り消すところの行政措置なり法律的措置があるかどうか、この一点だけを承わりたい。
  57. 権田良彦

    ○権田説明員 お答え申し上げます。御案内のように鉄道敷設法で、別表で予定線がございますが、その別表の予定線にかかるものといいましても、一地方の交通を目的とするものには免許することができる、こういうふうに法律的になっておりまして、従いましてもし将来該当予定線上に、一部地方交通を目的として地方鉄道の免許出願がありますと、私どもの方はそれを受理いたします。そうしてこれを審査いたしまして、しかるべきものには免許を与える、こういう仕組みになっております。かりにしかるべき理由があって免許になりました、今度はそのあとの問題でございますが、今先生御指摘のごとくに、それではそれをほうり出しておいたらどうなるか、この問題であります。これは地方鉄道法によりまして、免許を受けましたものは、一定の期限内に工事施行認可の手続をいたしませんと、免許が失効いたす仕組みになっております。従いましてそれぞれ一定の期限を限りまして、その間に資金も集め、技術陣も集め、測量もし、設計もし、ほんとうに工事にかかれるように青写真を作ったり、そういう準備をいたしまして、この工事でいいか悪いかという、工事施行の認可申請がございます。工事施行の認可申請がございますれば、いろいろ技術的に判断いたしまして、大丈夫というものには工事の認可を与える。そうするとその次には今度は、認可を受けて着手までまた時間があるわけでありまして、これも一定の期限がついておりまして、その期限内に着手しなければならぬ、こういうことになっております。その場合に、その期限内に、たとえば今申し上げました中で工事施行認可申請を出してこない。しかしこの出してこない理由にはそれ相応の理由がある。たとえばそのときにはいろいろな経済事情があって、資金がなかなか集まらぬ。しかしもう少したてば集まる。永久に集まらぬというのは問題になりませんけれども……。それからあるいは用地の問題が、話し合いが今ではつかない、もう少したってくればつく、こういうふうな理由のありますものには、その工事施行の認可申請の期限の延長を認めることもできますし、認めた事例もございます。従いまして今御指摘のようなものについては、それぞれ具体的な内容について、いわゆる権利の上には眠れないような仕組みが法律的にできておりますので、その措置に従ってやるようになっております。
  58. 正木清

    ○正木委員 もう一度お尋ねいたしますが、そういう事務的な諸般の手続にもある一定の限界があろうかと思うのですが、一体この申請をして許可をとって、施工の一切の許可をとって事業に着手するまでの期間は、常識上おおむねどれくらいかかりますか、その一点だけお伺いしておきたいと思います。
  59. 権田良彦

    ○権田説明員 今までの記録を見ますと、これはそれぞれの線で非常に違っております。非常に早くできておりまするものと非常に長年かかっておるものとございますので、平均した年数はなかなか申し上げにくいと思うのでありますが、私どもここ数年来、実は昔からのものをずっと洗っておりまして、あんまり長いもので、もうこの際時勢も変っておりまするし、またいろいろ資金的に見ても、工事的に見ても、また交通政策から見ても、そう今まで通りほうっておくことは適当でないというものをずっとお掃除して参りました。従いまして具体的な線で非常に違っておりますので、普通にいけば数十年かかることは当然ないわけでございますが、具体的にそれぞれの線で一つやっていただきませんと、平均的にはなかなか申し上げにくい、こういうのが実情でございます。
  60. 赤澤正道

    赤澤委員長 森本委員
  61. 森本靖

    ○森本委員 ちょっとお尋ねいたしますが、まず国鉄当局とそれから運輸省自動車当局に事務的にお聞きいたしたいと思います。過日、十二月五日に、私どもの選挙区でありますが、高知県の物部村というところで国バスが転落をいたしまして、三十一人が重軽傷を負ったのであります。ところが三カ年前にも同じ路線においてやはり国バスが転落をいたしまして、約五十名の死傷者が出ておるのであります。今回これが二度目であります。この前物部村影において事故が起きた場合におきましても、運輸当局並びに国鉄当局が非常に遺憾の意思表示をされ、自今絶対にこういう事故はというようなことでおさまっておったわけでありますが、今回同じ路線におきましてまたこういうバスの転落が持ち上りまして、まことに国バスの威信といいますか、信用といいますか、そういうものにも大きな影響を来たしておるわけであります。そこで私は、まだ国鉄の方が来ておらないようでありますので、特に自動車局長にお伺いしたいと思うのでありますが、今回物部村で起きた国バスの転落は、何といいましても路面のゆるみで落ちたのだそうであります。私はこの現場をよく知っておりまするが、まことに幅の狭い道路でありまして、二メートル半あるかないかのところであります。しかもこれがほとんど千仭の谷の上の方をずっと行っており、一歩誤まればずっと下の方へこけ落ちる、まことに危ない道路であります。ところがその道路を通っておりますところの国バスは、一番大型のバスが通っておるわけであります。まことにこれは危険きわまる個所に大型のバスが運行されておるということで、平生からわれわれとしても懸念をしておるところでありました。その懸念が不幸にいたしまして当ったかどうか知りませんけれども、今回こういう事故を起した。そこでこういう国バス許可について——民間のバスも一緒でありますけれども、特にこの間の委員会においても観光バスの問題が持ち上っておりましたが、事人命に関する問題でありますので、道路の幅とか、そういうものについて十分に調査をし、そうして許可しておるのかどうか、その点を一つ答弁願いたいと思うのです。
  62. 山内公猷

    山内説明員 先般の事故についての原因につきましては、御指摘の通り路盤がゆるんでおったということであります。それで事故防止につきまして、まずそういう転落事故の一番多いのは路盤がゆるんで路肩に乗り上げて転落するという事例が非常に多いわけでありまして、終局的には道路の改良が望ましいわけでありますが、現在われわれといたしましては、道路の改良の前に防護柵をそういう危険なところにぜひつけてもらいたいということを、建設省にしばしば頼んだのであります。御承知の通り路肩というものが日本の道路にはほとんどとってありません。しかも雨が降りますとその路肩が狭い上にゆるんで参りますために、よく後輪などが乗り上げて、ずるずると転落する事故が多いわけであります。それで最近におきましては、道路管理者には免許いたします際に、十分そういった道路の状況についての調書を求めますとともに、国家公安委員会につきましても交通上の支障がないかどうかということを聞いてやっております。それで道路の狭いところでは特に条件をつけまして、小型の車を走らせろというようなことも言っておりますし、免許の基準におきましてもそういった点を十分しんしゃくいたしまして考えておるわけでございます。そこでこの大栃路線は非常に古い路線でありますので、国鉄におきましては免許ではなくて道路運送法上は承認ということになっておるわけでございますが、国鉄のバスにおきましてもそういった点を最近は十分見ておりますが、この点につきましては全国的に非常に多くの免許が従来行われておりましたので、さらに再検討をいたしまして、こういう事故のないように、今後この線に限らず、全国的に洗い直したいというふうに考えております。
  63. 森本靖

    ○森本委員 この路線は一口には大栃線といっておりますけれども、この物部村の今度こけ落ちたところは、たしか私の記憶では三年か四年前に新しく大栃から開通せられた線でありまして、従来の大栃線とは若干違うように私は記憶しておるわけでありますが、それでこの前、三年くらい前に大栃線が落ちまして、死人が約四十人出ました、それでさっそくその同じ場所は道路が約三倍程度に広がりまして、その落ちたところのいわゆる供養塔が立っておるところは三倍ぐらいに道路が広がって、そこだけはまことに交通が便利になったわけであります。ところがこの大栃から影という方に入るこけ落ちたところは、これはそのままの道路になっておりまして、しかも私が言いましたように幅は二メートル半ぐらいしかない。それで大型のバスを入れると、実際に端の間隔が、ほんのわずかしかないという、まことに危険な個所であります。こういう点についても道路をあなたの方はよく調べて、そうして許可ではなくとも、承認ということを与えておるかどうか、この道路の面を私は聞いておるわけであります。  それからこれは自動車局長には責任がないわけでありますけれども、こういうところは雨が降れば直ちにゆるむということで、不時の事故が非常に絶えないわけであります。たとえば国鉄の鉄道線路の方は、四六時中線路を監視しておる。ところがこの道路の面の監視ということになってくると、これは国鉄にも運輸省にもその責任はないということを言われますけれども、バスを走らせる以上はそういうところまで目を通していかなければ、これから先こういう事故が非常に多いと思うので、そういう点の措置をどういうふうにお考えになっておるか、一つお聞かせを願いたいと思います。
  64. 山内公猷

    山内説明員 ただいまお話のように直接道路をどうするという点につきましては、われわれは権限がないわけでありますが、毎日その上を走っております自動車を監督しております立場から、道路については非常に強い関心を持っておるわけであります。それでわれわれの方におきましても、各陸運局でも、その道路の状態というものの情報を業界から取りまして、こういうところを直してもらいたいということを逐次道路管理者に言っておるわけであります。国鉄につきましては、われわれの方の情勢からいいますと、先ほど御説明申し上げましたように免許ではございませんで、承認という手続をとっております。それで個々のそういったこまかい計画内容につきましては、重要な指定路線以外は国鉄がまかせられてやっておるわけでありまして、だからといってわれわれはその点について関心を持たなくていいというふうには解釈いたしておりませんが、今後も、そういう道路の劣悪な状態による事故というものが非常に多いので、特にただいま御指摘になりました山地——日本の道路は大体山を越しているものが非常に多い。その結果、車両の行き違いができないというような道路が多いために、行き違い施設あるいは路肩を十分にやってもらいたいということは、常に建設省と連絡をいたしておりますが、逐次改良をいたしてもらいたい、かように考えております。
  65. 森本靖

    ○森本委員 これは特に私の方の国は自動車交通がほとんどでありますので、今申し上げましたように、雨季の情勢とか、あるいは気候の情勢によって、道路の損傷が非常に激しいわけです。行政上の指導として道路を管理する面がよく時々刻々の情報を伝えてくれるならば幸いでありますけれども、そういう面もなかなか完全にいかないという場合については、場合によってはバス会社自体がある程度そういう面の情報をひんぴんと取る。そこまで行ってみて、これは危ないから引っ返そうというようなことがしばしばあるというふうでは、なかなか今日の交通における一般国民へのサービスにならないというふうに考えられますので、その辺の行政指導というものも、こういう山道については特にお考えを願いたい。道路の点については私の所管ではないから云々ではなしに、バスを運行する者自体がこの道路によく精通をする、そうしてその情報をひんぴんとして受ける。特にこの気候の変化の激しい場合には、そういう措置もとっていいのじゃないかというふうにも考えるわけでありますので、そういう点の指導についても十分考えてもらいたいと思うわけであります。  そこで、国鉄の自動車局長が来られたそうでありますので、国鉄の自動車局長にお聞きをいたします。先ほど来自動車局長に聞いておったところでありますが、高知県の物部村で、今回非常に残念なことに、国鉄バスが転落いたしまして三十一人の重傷者が出たわけでありますが、御承知の通りこの路線は今から三、四年前にも大きな事故がありまして、数十人の重軽傷者と死者を出している路線であります。特にこれは非常に危険な個所でありますが、これは平生の運行からいたしましても、特に今回落ちたところの道路については、非常に危惧せられる道路であります。こういう面について、国鉄のバスの運行をしておる責任者として、一体道路の面についての監視というものをどういうふうに行なっておるか、これを一つ質問したいと思います。
  66. 平出彬

    ○平出説明員 大栃線の事故につきましては、まことに申しわけないことでございます。国鉄自動車当局者といたしましては、常に道路状態には十分注意して運転するように指導しておる次第でございますが、道路が決壊いたしまして自動車転落事故を起しましたことは、まことに遺憾に思う次第であります。われわれの指導といたしましては、各事務所並びにそれぞれの営業所におきまして、道路管理者の責任者をきめ、また営業所長、助役等が、積極的に、月に少くとも一回、あるいは数回にわたりまして、道路を自転車あるいは徒歩で回って見ておるのでありますが、今回のような事故の場合におきましては、たまたま石がきがございまして、一見したところ路肩が丈夫にできているような状況でありましたが、その下が洗われているためにバスが転落した、こういうような状況でありまして、それを発見し得なかったことはまことに遺憾でありますが、今後とも十分注意いたしまして、道路面の管理状況につきましても、われわれとしても十分注意していくつもりでございます。なお国鉄といたしましては、大体道路の悪いと思われるところにつきましては、積極的に警戒標を立てて、これによって相当危険な個所を注意させる、こういうことをいたしております。約二百メートルないし三百メートルに一本くらいの割合で——山地に行きますともっとたくさんになるわけでございますが、全国で約四万本ほどの警戒標を出して、そういったような道路管理をさせておりますが、この事故にかんがみまして、さらに指導を強化いたすよう十分現場方面にも警告を発している次第であります。
  67. 森本靖

    ○森本委員 そういう答弁しか今のところできないと思いますけれども、今申し上げましたように、気候の変動によって道路の決壊が非常に激しいというようなところに、国鉄のように、月に一回か二回自転車でちょこちょこっと回ったのでは、実際にはなかなか役に立たぬと思うのです。そういう点でよく県の道路管理当局と連絡をとって実際にやるということもけっこうでありますが、国バス自体が何かこれに対して、鉄道線路を重視すると同じような方法くらいやってもらわないと、私は将来もこういう事故が起きないとは断定できぬと思うのです。だから特に気候の変化の激しいときについては、国バス自体において、道路の状況というものをよく監視し、あるいはその情勢を的確につかむということをもう少しひんぱんにやってもらいたい。それと同時にここにつけ加えておきたいと思います。今回の事故は幸い死人は一人もいなかったわけでありますが、重軽傷者に対する補償の措置についてはどういうふうになっておりますか。
  68. 平出彬

    ○平出説明員 補償につきましては、十分被害者の状況、被害者の御家族の状況等を考えまして、折衝いたしておる次第でございます。私どもといたしましては十分手を尽したい気持でございます。
  69. 森本靖

    ○森本委員 そんな答弁だったらだれでもできるわけであって、私はその補償の内容を一体どういうふうに国鉄当局としては考えているかということを聞いているわけであります。
  70. 平出彬

    ○平出説明員 本件につきましては、われわれの方の事故の原因並びに被害の状況、こういうものを考え合せまして今具体的に折衝しておるのでございます。また事故の原因も十分に探究されましたならば、それに基いて補償いたす所存でございます。
  71. 森本靖

    ○森本委員 これは十二月五日に事故があったわけでありまして、もうあれからかれこれ二十日近くたっているわけでありますから、その事故の原因についてもはっきりあなたの方はおつかみになっていると思います。それでそういう面について折衝中だということでありますが、その被害者の代表との間において折衝している、こういうことでありますか。
  72. 平出彬

    ○平出説明員 一応事故発生当時におきましては、入院者あるいは負傷者について私ども十分にお世話いたしまして、さらに事故につきましては最終的な判断は警察等の御判断もございますので、それを待っておるわけであります。そういう点も考慮いたしまして、個々に具体的の折衝に当りたいと考えております。
  73. 森本靖

    ○森本委員 この補償の問題については、国鉄の副総裁か総裁がおってもらえば全体を統括した答弁ができるかと思いますが、自動車局長からは、その細部については——一応折衝しておるという程度にとどめておいて、後日私もこの内容については個人的にも一つ詳しく聞いてみたいと思います。  そこで私は最後に申し上げておきたいと思います。これは運輸大臣でありますが、先ほど来私の質問にもありましたように、この場所はもう三年くらい前に一回事故がありまして、しかも四十人くらいそのときには死んでおるわけであります。そのときにもきようと同じような答弁をそれぞれ国会において行なっておるわけであります。それからあと三年後にまたこういう事故が起きた。今の答弁を聞いておりましても、道路の情報なんかをつかむということについては、初めのようにはなかなかいかぬような気配もあるわけであります。将来こういう問題については、特に国バスあるいは民間バスを問わず、そういう道路の面におけるバスの運行者の方と、実際に道路を管理する面との両者の連絡というもの、あるいはその情報交換というものがもう少し密接に行われてもしかるべきではないかというふうに考えるわけでありますが、これは人命に関する問題でありますので、この点については一つ運輸大臣の所見を聞いておきたいと思う次第であります。
  74. 中村三之丞

    中村国務大臣 私は交通の保安につきましては非常に注意いたしております。このごろいろいろ書類が回ってきますが、そういうバスの新線とか延長という場合は、保安がどうだ、たとえば待避所が完全であるか、あるいは道路標識が完全であるか、そういうようなことを特に注意をして、私はその書類をサインいたしております。それは当然のことでありますが、特に私は平素念を押しておるわけであります。国鉄につきましてはこれも同様であります。つきましては、今自動車局長答弁をいたしましたが、この答弁では私も物足りませんから、正副総裁に厳重に申します。交通の保安は私どもの責任でございますから、十分努力いたしたいと思います。ことに今御指摘の二度も三度も繰り返したということは、これは私もはなはだ遺憾に存じます。御趣旨はよく私も了承いたしておりますし、国鉄に申しておきます。
  75. 森本靖

    ○森本委員 それから別のことでありますが、自動車局長がおりますのでついでですからちょっとお聞きしておきます。先ほども自動車業の免許の問題について若干問題が出ておりましたが、このごろの全国的な状況は知りませんけれども、私の国あたりでは、知っておる範囲内においては、タクシー業者が飽和点に達しておるのじゃないかというふうにわれわれとしては考えるわけであります。ところがこれがその後も続々として、私も新聞で見てみますと、たとえば高知なんかでも、あと八社もタクシー業者免許が出ておるそうであります。これはどういう名目で出ておるかというと、来年四月ごろに博覧会が開かれるのでそれを目当てに、そういう場合には非常にタクシー業者が僅少で困るだろうというようなにとを一応の理由として、八社も出しておるようであります。しかしこれは、その博覧会当時の一カ月や二カ月程度はそれで済むかもしれませんけれども、平素はこれだけの業者は要らぬのじゃないかというように、しろうと考えにおいては考えるわけであります。かりにそういうタクシー業者が博覧会のときに要るというときになっても、既設業者が数十社あれば、その数十社にいわゆる台数を増加をするというような許可をする方が、もっといいのじゃないかというような気もするわけでありますが、そういう場合、あるいはその博覧会なら博覧会が二カ月間あるという場合に、その二カ月間短期に許可をするということがよろしいというように考えてやるにしても、これはあとが続かないじゃないかというようなことも考えるわけであります。そういう面について、これは具体的ないろいろの例をあげなければわからぬと思いますけれども、私が今申し上げたような例の場合には、一体自動車局長としてはどうお考えですか。
  76. 山内公猷

    山内説明員 お話のように短期間のために全体的な輸送力を増強いたしますことは、需給のアンバランスを生じますために、各陸運局長もそういう点は慎重に検討すると思います。臨時の場合には、ただいまの先生の御指摘の点もありますが、その場合でも車両を増備するということも業者にとってなかなか大へんなことでございまして、あるいは方法といたしましては、閑散なところからの借り入れというようなことも考えられるわけでございます。もちろんそれは道路運送法上におきます許可を必要といたしますが、そういう方法もございます。それで先ほどは免許が少な過ぎるというお話で、現在は少し多過る、飽和点に達しているというお話でございますが、これは全国的に、地区によりまして勘案しなければならぬわけでございまして、その点、客観的な需給状態その他につきましては、道路運送協議会にかけまして十分に検討した上できめるというふうにやっているわけでございまして、非常に抽象的に全国をどうこうということはなかなかできにくい企業であり、行政になっておりますので、各陸運局長にその判断をまかせておるわけでございます。     —————————————
  77. 赤澤正道

    赤澤委員長 この際早稻田柳右エ門君より発言を求められておりますので、これを許します。早稻田柳右エ門君。
  78. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員 観光事業促進に関する決議案を上程いたしたいと存じます。まず案文を朗読いたします。    観光事業促進に対する件   観光事業は国際間の来往を通じて、相互理解の増進、経済文化の交流等国際親善友好関係の助長に寄与するとともに、観光収入による国際収支の改善に資するところが極めて大きい。殊に最近における経済逆調打開のためには、最も効果的な外貨獲得の手段として観光事業を飛躍的に推進するの要緊切なものがある。   よって、政府は、既定の「観光事業振興五ケ年計画」を強力に実施に移すべきであるが、特に左の諸点については、昭和三十三年度予算編成にあたり特段の措置を構ずべきである。  一、外客用ホテル、旅館及びユース・ホステルの施設の増強、特に東京都、京都府の地域に対しては速かに国際的な規模によるホテルを新設すること。  二、海外観光宣伝を強化すること。   右決議する。 以上であります。
  79. 赤澤正道

    赤澤委員長 ただいまの用件につきまして討論の通告があります。これを許します。井岡大治君。
  80. 井岡大治

    ○井岡委員 ただいま御提案になりました観光施設の問題でありますが、この問題については、昭和三十一年度観光収入は年間にいたしまして五千五百万ドル、邦貨に換算いたしまして百九十八億円の収入を見ております。本年はさらに一五%も増を見込まれているような状態で、年々貿易外収入の非常な増加を見つつあるわけでありますが、御提案になりましたように、ホテルあるいは道路、同時にわが国としては世界で見ない瀬戸内海、あるいは沿岸の景勝等が十分あるわけであります。しかるにこれらに対する観光施設というものは非常に閑却視されておりますので、これが一そうの整備をはかっていただきたいことについては、自由民主党並びに日本社会党を代表いたしまして賛成をいたします。
  81. 赤澤正道

    赤澤委員長 それではこの際お諮りいたします。ただいまの早稻田君の動議のごとく、観光事業促進に関する件について、本委員会として決議いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 赤澤正道

    赤澤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、本決定の決議の取扱いにつきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 赤澤正道

    赤澤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  この際運輸大臣より発言を求められております。これを許します。運輸大臣
  84. 中村三之丞

    中村国務大臣 ただいまの御決議は、観光事業の重要性、国際貸借の改善上に貢献するものであるということでございまして、これは私どもといたしましてはまことにけっこうなことで、その御趣旨の実現に努力をいたしたいと存じます。
  85. 赤澤正道

    赤澤委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十五分散会