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1957-11-12 第27回国会 参議院 本会議 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月十二日(火曜日)    午前十時三十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第五号    昭和三十二年十一月十二日     午前十時開議  第一 国会議員の歳費、旅費及び手   当等に関する法律の一部を改正す   る法律案(衆・議院提出)   (委員長報告)  第二 国会議員の秘書の給料等に関   する法律の一部を改正する法律案   (衆議院提出) (委員長報告)  第三 原水爆実験禁止等に関する請   願(三十二件) (委員長報告)  第四 九州地方私鉄水害復旧に関   する請願委員長報告)  第五 豊肥線鉄道ジーゼル化促進に   関する請願委員長報告)  第六 豊肥線鉄道ジーゼル機関車   運行等請願委員長報告)  第七 大糸線鉄道輸送力増強に関す   る請願委員長報告)  第八 中央線鉄道輸送力緊急増強に   関する請願委員長報告)  第九 八一二列車を我孫子駅から上   野駅までの直通列車とするの請願   (委員長報告)  第一〇 智頭、上郡両駅間鉄道敷設   促進に関する請願(二件)(委員   長報告)  第一一 北広島、追分両駅間鉄道敷   設に関する請願 (委員長報告)  第一二 野岩羽線鉄道開通促進に関   する請願 (委員長報告)  第一三 信越本線の電車化等に関す   る請願(二件) (委員長報告)  第一四 常磐線鉄道電化促進に関す   る請願委員長報告)  第一五 広島県黒瀬町の国鉄バス営   業所存置に関する請願委員長報   告)  第一六 熊本空港整備に関する請願   (三件)    (委員長報告)  第一七 特定水域航行令第四条改正   に関する請願  (委員長報告)  第一八 岐阜岐阜郵便局庁舎新築   に関する請願  (委員長報告)  第一九 熊本松橋郵便局普通郵   便局昇格等に関する請願委員長   報告)  第二〇 東京都志村前野町に特定郵   便局設置請願 (委員長報告)  第二一 宮城県仙台市荒巻に郵便局   設置請願   (委員長報告)  第二二 宮城蔵王山頂郵便局庁舎   新築に関する請願委員長報告)  第二三 北海道三笠市内電話交換   区域の統合に関する請願委員長   報告)  第二四 静岡県浜北町に電報電話局   設置請願委員長報告)  第二五 北海道夕張電報電話局の電   話交換方式改善に関する請願(委   員長報告)  第二六 電信、電話及び郵便集配区   域の統合調整に関する請願委員   長報告)  第二七 大分県鶴崎市明治地区に郵   便局設置請願 (委員長報告)  第二八 郵便切手類売さばき所及び   印紙売さばき所に関する法律の一   部改正に関する請願委員長報   告)   第二九 災害襲地帯における災害   防除特別立法措置請願(八件)(   委員長報告)  第三〇 酪農業振興に関する請願(委   員長報告)  第三一 水源林造成事業施行に関する   請願委員長報告)  第三二 産繭流通秩序確立に関する請   願(委員長報告)  第三三 高知県中村市等の崩壊地復旧   事業特別措置に関する請願委員長   報告)  第三四 農業協同組合役職員厚生年金   制度実現に関する請願(二件)(委   員長報告)  第三五 凍霜害防止対策措置法制定に   関する請願  (委員長報告)  第三六 乳価安定に関する請願委員   長報告)  第三七 優秀乳用種雄牛拡充に関す   る請願委員長報告)  第三八 園芸振興法制定に関する請願   (委員長報告)  第三九 農林水産業施設災害復旧事業   費国庫補償暫定措置に関する法律   の一部改正に関する請願委員長報   告)  第四〇 予防治山事業拡充等に関す   る請願委員長報告)  第四一 岡山県吉備高原を農業開発   地域に指定するの請願委員長報   告)  第四二 市町村有林事業資金融資措   置に関する請願委員長報告)  第四三 岐阜神通川水系右支高原川   改修工事施行に関する請願委員長   報告)  第四四 岡山吉井川下流改修工事促   進に関する請願委員長報告)  第四五 九州川内川改修工事促進等に   関する請願  (委員長報告)  第四六 山形県の水害復旧対策に関す   る請願委員長報告)  第四七 滋賀野洲川堤防改修工事施   行に関する請願委員長報告)  第四八 滋賀県びわ湖の水位低下計画   に関する請願委員長報告)  第四九 九州中部産業開発道路早期  実現促進に関する請願委員長報  告)  第五〇 道路整備促進に関する請願   (委員長報告)  第五一 北海道上砂川町、西芦別間   産業道路新設に関する請願委員   長報告)  第五二 山形県内道路交通確保に関   する請願委員長報告)  第五三 山形道赤湯福島線中一部   改良工事施行に関する請願委員   長報告)  第五四 宮城県白石、新潟県村上両   市間の本州横断道路新設促進に関   する請願委員長報告)  第五五 日本住宅公団賃貸住宅賃貸   料低廉化に関する請願(五件)(   委員長報告)  第五六 低家賃住宅建設に関する請   願(委員長報告)  第五七 都市計画街路放射線補助第   一二八号建設促進に関する請願(   委員長報告)  第五八 重要幹線街路舗装整備事   業促進に関する請願委員長報   告)  第五九 新潟地区地盤沈下対策に   関する請願委員長報告)  第六〇 地すべり防止対策制定に関   する請願(二件)(委員長報告)  第六一 福島県に国立たばこ試験場   設置請願   (委員長報告)  第六二 必需食品原料塩販売価格   引下げに関する請願委員長報   告)  第六三 酒税引下げに関する請願(   三十九件)(委員長報告)  第六四 塩収納価格引下げ中止等に   関する請願委員長報告)  第六五 日本不動産銀行拡充強化に   関する請願委員長報告)  第六六 新潟刑務所移転に関する請   願(委員長報告)  第六七 中国商品展覧会準備工作員   の指紋問題解決に関する請願(委   員長報告)  第六八 群馬県前橋地方法務局中之   条支局庁舎等新築に関する請願(   委員長報告)  第六九 更生保護事業強化に関す   る請願委員長報告)  第七〇 刑法改正に関する請願(委   員長報告)  第七一 釧路地方裁判所北見支部等   の甲号昇格等に関する請願委員   長報告)     —————————————
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、会期延長の件についてお諮りいたします。  昨日、衆議院議長から、国会会期を本月十四日まで二日間延長することの協議を求められました。  議長は、会期延長の件について議院運営委員会に諮りましたところ、会期を二日間延長すべきであるとの決定がございました。  会期を二日間延長することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。  よって会期は、本月十四日まで二日間延長することに決しました。  議事の都合により、午後二時まで休憩いたします。   午前十時三十九分休憩      ——————————    午後二時十八分開議
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事報告させます。   〔参事報告〕      ─────・─────
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、日程に追加して、  昭和三十二年度一般会計予算補正(第1号)  昭和三十三年度特別会計予算補正(特第3号)  昭和三十二年度政府関係機関予算補正(機第2号)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長泉山三六君。  〔泉山三六君登壇拍手
  8. 泉山三六

    泉山三六君 ただいま議題となりました昭和三十二年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十二年度特別会計予算補正(特第3号)及び昭和三十二年度政府関係機関予算補正(機第2号)の予算委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  これらの予算補正は、中小企業金融対策中心とし、あわせて時期的な関係で、今国会において予算措置を講ずることが必要となって参りました事項について編成せられたものであります。  まず、簡単にその内容を申し上げます。その第一は、一般会計予算補正でありますが、最近、国際復興開発銀行との借款交渉が急速に進展いたしまして鉄鋼及び電力関係の一部につきましては、本年度内に借款成立する見込みとなりましたので、縛り入れ元本額が七千五百万ドル、すなわち邦貨換算二百七十億円相当額に達するまで、政府が日本開発銀行の債務の保証を行い得る旨の規定を一般会計予算総則に加えたものであります。  その第二は、特別会計予算補正でありますが、昭和三十二年度特別会計予算総則におきまして本年度において政府が締結する輸出手形保険契約限度額が八十億円と定められておりますのを、最近におきまして、輸出手形保険を必要とする輸出が急増いたしております実情にかんがみ、この契約限度額を百六十億円に引き上げるため、特別会計予算総則を改定いたしたものであります。  その第三は、政府関係機関予算補正であります。政府は、さきに国際収支改善緊急対策一環といたしまして金融引き締め中小企業へのしわ寄せを防止するため、国民金融公庫及び中小企業金融公庫に対しまして、第四四半期借り入れ予定政府資金の繰り上げ使用を行わしめておったのでありまするが、今回この繰り上げ分を補てんするとともに、中小企業に対する年末金融対策に万全を期するため、両公庫に対する財政資金の供給を、合計百七十億円増加することといたしております。これに伴いまして、本年度における国民金融公庫借入金限度額二百億円を二百七十億円に、同じく中小企業金融公庫借入金限度額二百億円を三百億円に、それぞれ引き上げる必要がありまするので、政府関係機関予算予算総則及び両公庫収入支出予算につきまして所要の補正を行なっておるのであります。  以上が今回提出せられました補正予算の概要であります。  予算委員会におきましては、十一月五日、一萬田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、八日、衆議院からの送付を待って直ちに審議を開始いたし、三日間にわたって、岸内閣総理大臣並びに関係閣僚に対し質疑を行いました。以下、これら質疑のうち、予算に直接関連する若干の事項につきまして簡単に御報告申し上げます。  すなわち、まず、一般会計予算補正に関連いたしまして「国際復興開発銀行からの借款は、国際収支悪化に対処し、外貨を補充するためのものと思われるが、最近の国際収支は漸次改善の徴候を示しておるのみならず、かかる措款は、現在、政府がとっている金融引き締め政策と矛盾するようにも考えられる。果して借款の必要があるのかどうか」との質疑がありましたが、これに対し政府側から、「わが国のように経済が急速に拡大する場合、険路になる産業がありまするので、外貨借り入れによって経済成長険路になる産業発展促進することは必要である」旨の答弁がありました。  次に、特別会計予算補正に関連し、「わが国当面の急務は輸出振興にあるが、輸出するよりも輸入する方がもうけが多いというような現在の事態は、すみやかに是正を要すると思うが、その対策はどうか」との質疑に対しまして、「まず、輸入品に対する国内消費行き過ぎを調整する必要がある。さらに、輸出については金融面の優遇、税制上の特典、輸出保険改善等、個々の対策を講ずるとともに、産業構造全体から考えた総合的な施策によってコストを引き下げ、結局輸出が十分引き合うようにしむけて行きたい」との答弁がありました。  次には、政府関係機関予算補正に関連いたしまする中小企業の問題でありまするが、「中小企業に対しては、年末金融対策ばかりでなく、たとえば近代化施策、その他もっと根本的な対策が必要なのではないか。来年度余裕財源をたな上げするということであるが、財源余裕があれば、中小企業対策一環として、法人税事業税減税を行う意思はないか、また、目下審議中の中小企業団体法案は、きわめて問題や疑義の多い法案であるが、それにもかかわらず、政府はあくまでも成立をはかるつもりか」などの質疑がありました。これに対し、「政府としては、中小企業が弱いから、これを救済するというのではなく、中小企業わが国経済の実体に適合しているという長所を生かすよう育成強化して行くことを根本方針としており、金融面では、信用保証制度及び信用保険制度強化して行きたい。法人税事業税減税については、三十三年度予算全体から見て十分に検討するつもりであるが、現在のところ、まだ減税するとか、しないとかという結論に到達していない。また、中小企業対策は、中小企業そのもの経営の安定が基本であるから、中小企業の自主的な力で、まずその経営を安定せしめ、その基礎の上に、金融上、税制上のいろいろの対策で、その足らざるを補うことが必要であるので、中小企業団体法案成立を強く希望している」との答弁がありました。  なお、国際収支悪化に基く経済政策の転換につきましては、「政府は、このような事態を招来する以前に、何ゆえにすみやかに適切なる手を打たなかったか。経済見通しを誤まり、外貨危機経済の急変を招いたことについて政府はどのように反省しているか」との質疑に対しまして政府側から、「過般の景気行き過ぎ国際収支悪化原因は、景気動向の把握や経済自動調節作用が十分でなかったことにもある。従って、今後は景気観測に必要なる統計資料を整備し、でき得る眠り経済の激変を来たさぬよう、景気を調整して行く必要があると思う。政府として反省すべき点は十分反省をいたし、かつ民間の十分な協力を得て日本経済の安定的な発展をはかることに努力して参りたい」との答弁がございました。  このほか、委員会における質疑はきわめて広範多岐にわたり、特に、大陸周弾道兵器及び人工衛星等科学技術の発達が、わが国外交政策及び防衛方針に及ぼす影響米国並びに東南アジアに対する経済外交方針インドネシア賠償問題、駐留軍労務者立ち上り資金の問題、地方交付税率引き上げの問題、その他文教、労働の諸問題等について活発なる質疑が行われましたが、その詳細な会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、昨十一日をもちまして質疑を終了し、本日、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して栗山委員から反対、自由民主党を代表して伊能委員から賛成の旨、それぞれ述べられました。  これをもって討論を終り、採決の結果、本委員会に付託せられました昭和三十二年度予算補正三案は、多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  右、御報告いたします。(拍手
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。吉田法清君。   〔吉田法晴登壇拍手
  10. 吉田法晴

    吉田法晴君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和三十二年度一般会計予算補正第1号、特別会計予算補正特第3号及び政府関係機関予算補正機第2号、以上、三案に対して、一括して反対討論をなさんとするものであります。  わが党は、八月、成規の手続をとって臨時国会召集を要求し、日米共同声明により、対米従属をさらに強め、原子兵器中心とするアメリカ戦略体制の中に強く組み入れられようとしていると想像されます外交方針を糾弾し、党が警告した国際収支悪化に対して真の総合対策を討議し、中小企業労働者に対して犠牲をしわ寄せしない対策を立て西部九州及び長野岐阜地方を襲った風水害、冷害並びに地すべり等災害復旧対策を講じ、四万五千をこすと想像せられる駐留軍労働者失業に対し特別退職金の支給、就労対策の樹立を求めたのでありますが、政府はじんぜん日を過ごして今日に至り、臨時国会召集をおくらせたのみならず、本補正予算案においては、長野岐阜九州等自然災害政府経済政策の失敗を原因とする常用雇用の減少と完全失業者の増加、駐留軍関係労務者大量失業政府消費者物価のつり上げによる勤労国民家計圧迫等、深刻なる情勢変化が相次いで起っている事実を無視しているのであります。今回の補正予算編成は、緊急支出が必要である災害復旧事業について十五億円、地すべり対策について同じく十五億円へ失業対策として二十九億円、明年三月までに解雇が予想される駐留軍労務者対策費二十八億円、消費者物価値上げに伴う生活保護費等増額三十四億円、公務員の年末手当増額百三十二億円、三公社五現業等職員の年末手当増額十四億円、中小企業関係融資増額十三億円、本年度賞与等に対する所得税減税六十億円等こそ、本予算補正に組み入れられるべきものであると信ずるのであります。しかるに、これらの緊急の補正事項は行われておりません。これ反対の第一の理由であります。  反対の第二の理由は、補正予算三案において立てられた国際収支悪化に対する対策が不十分であり、しかも外貨危機に対する政府責任を明らかにしておりませんが、今日の外貨危機責任は、明らかに岸自民党内閣が負うべきものだという点であります。本年春の外貨危機以来、自民党政府の呼号した神武景気跡方もなく消え去り、日本経済は大きな混乱と深刻な不況の底に沈みました。この責任は一体だれが負うべきでありましょうか。神武景気を謳歌し、一千億減税と一千億施策の太鼓をたたいて回ったのは、つい最近であります。今者の外貨危機を招来せしめた元凶は、独占資本家金融資本家であることは明白でありますが、彼らをけしかけて、過度の楽観論に走らしめた責任者はだれかと言えば、それは岸総理を含む政府であります。たっぷり予算と言われる未曽有の大膨張を来たした昭和三十二年度予算であったことは、明白な事実であります。政府は終始責任を回避しようといたしておりますが、政府には、日本経済発展が正常であるかいなかを判定するものさしである長期経済計画を持っているし、国際収支が変調となることを防止するために、半期ごと外貨予算編成と、強力な為替統制をやっているのであります。完全な自由経済機構ならば、景気行き過ぎということも許されましょうが、為替金融においては、強大な統制力を握っている政府としては、経済政策運営を誤まったという責任は免れることができません。この、前国会におけるわが党の同僚議員の警告と政府楽観論を想起願えれば、事態責任はおのずから明らかであります。いかにわが党の見通しが正しく、政府が誤まっており、ただ国会切り抜けのためにのみ無責任な態度に終始していたかは、記録によって明らかであります。しかも、今日すでに外貨危機は去ったかのごとく答弁し、責任を免れようとしております。  反対の第三の理由は、外貨危機根本原因である輸出入のアンバランスを直すべき輸出振興のための政策が貧困をきわめ、アメリカその他自由主義諸国における輸入制限を取り除くことができず、中国との貿易協定もできなければ、インドネシア賠償解決することができず、アジアにおける貿易を飛躍的に増大すべき善隣友好平和外交政策をとらず、むしろアメリカ追随戦争政策がとられている点であります。過ぐる昭和二十八、九年の金融引き締め政策が比較的早く奏功し、輸出の増大を力に景気が上昇した原因は、田内要因によるというよりも、むしろ海外景気要因がより大きく作用したことは、何人にも明らかなところであります。しかるに、今日の世界経済見通しはどうでありましょうか。米国景気は、万年強気のスリクター教授でさえも悲観論に転向しており、欧州諸国も、この六、七月を転機として急激な生産の収縮が起っており、ドル不足外貨危機は世界的に広がりつつあります。こうした世界経済情勢を考慮に入れるとき、政府見通しの甘さが痛感せられます。今日の第二段階において何よりも必要なのは、強力な輸出振興策でありますが、岸内閣にいかなる輸出振興策がありましょうか。本国会に提案されている輸出保険引受限度拡大輸出利益免税措置だけであります。輸出振興の大道は、国内価格の引き下げによる対外競争力強化にありますが、鉄鋼三社の建値引き上げ承認を初め、物価政策としてはほとんど引き上げばかりではありませんか。岸首相が唱えている経済外交については、何一つ解決、前進しているものはございません。また、中国ソ連圏等人民民主主義諸国との貿易拡大すべき必要は、毎国会わが党が主張しているのでありますが、政府外交のみならず、経済の、貿易の唯一の相手国としているアメリカにおける貿易制限についてすら解消することができないのは、御承知の通りであるばかりでなく、アジアにおける貿易拡大の障害も取り除くことができません。その根本に横たわっている共通の原因は、アメリカへの追随従属であり、独立の上に立つ真の互恵平等の政策でないからであります。真の平和外交でなく、アメリカとの共同声明に現われている力の外交政策、しかもアメリカの武力を背景にした戦争政策によるからであります。  反対の第四の理由は、補正予算三案の基礎をなす外貨危機に対するいわゆる緊急総合対策のしわが、中小企業消費者である国民大衆に寄せられ、中小企業者勤労者犠牲によって危機が切り抜けられようとしているからであります。この臨時国会は、中小企業対策のために開かれたとさえ言われております。しかし、ここに提案されているものは、国民金融公庫中小企業金融公庫資金ワクを百七十億円追加したにすぎません。昭和一十八年の金融引き締めがそうであったように、今回の金融引き締めも、しおはほとんど中小企業に寄せられております。系列金融が進んでいるので、系列外中小企業は容赦なく金融の道を閉ざされ、倒産のうき目を見つつあります。また、特に指摘しなければならぬことは、総合施策によって政府事業民間事業相当拡張計画の繰り延べを  やっておりますが、その大部分を見ると、計画を変更縮小しているのではなく、支払いをずらせ、繰り延べているだけであります。これが生産の落ちない一つの原因であると同時に、金融上の支払い遅延が、中小企業下請企業にかぶせられているゆえんであります。従って政府として中小企業金融については、もっと抜本的な措置を考える必要があるのでありますが、大企業に対しては、市中銀行を通じて六千億にも上る日銀貸出等をしながら、中小企業に対しては、ただの百七十億の融資をするのみで、中小企業団体法の裏づけにもならぬ実情ではありませんか。わが党の中小企業産業分野確保に関する法律のごとく、中小企業がその分野を確保し、そして技術生産性を上げ得るごとき総合政策もありません。岸内閣物価値上げ内閣であることに、全国の主婦、勤労者が憤慨し、指摘しているところであります。消費者物価は、金融引き締め下においても、じりじり上ってきておりますが、これは政府消費者米価運賃などの基礎的な価格を、わが党初め全国民反対にかかわらず強行された結果であります。政府は、これらの値上げの場合、それだけの値上げが全生計費に占める比率が僅少であるとしておりますけれども、米が上がり、運賃が上れば、これを根拠に広範な料金、物価に波及するのは必然であります。九月二十日に全国消費者団体が集まり、政府値上げ政策に強く反対したのでありますが、その際発表された正確な資料によりますと、当時すでに実施され、また近く値上げが予想されるものを含め、五人家族世帯家計に及ぼす影響は、実に月二千五百六十二と計算せられております。この計算に対しても、消費基準が低過ぎるとか、炭代の値上りが抜けているとかの批評があり、 この見積りは内輪なものであっても、額は決して過小ではありません。政府は、減税をしているではないかと言っておりますけれども、しかし、この毎月二千六百円の家計費の膨張が、さきの減税で償われる階級というものは、実に年収六十万円以上の家計であります。それ以下の勤労家計は、みな物価高に悩んでおるのであります。その中には減税の恩典を全然受けなかった数百万世帯が含まれているのであります。さらに彼らの上には、自民党内閣の独占資本中心勤労者犠牲政策の結果としての首切り、操業時間の短縮、残業廃止がのしかかっているのであります。しかるに、この臨時国会において、これら犠牲強要に悩む勤労者のための予算措置のいかなるものが出ておりましょうか。のみならず、利潤事の増大に逆比例する賃金水準の低下、労働強化、その他労働条件の低下に対して、みずからの生活を守ろうとする労働者勤労者に対する政府労働政策というものは、歴代内閣にも見られなかった冷酷、強圧的な面を露呈いたしております。岸内閣経済政策は独占資本、金融貸本に奉仕するものであって、労働政策もまた資本の利益のみを考えて勤労者の生活を守ろうとする態度はみじんもなく、ややもすれば、労組組織を破壊し、戦前の低賃金政策によって経済危機を突破しようとするものであります。  要するに、緊急総合対策は、独占資本のために中小企業勤労者犠牲にし、抑圧するものであり、本予算補正三案は、その具体的な現われでありますので、わが党は、災害対策失業対策、駐留軍関係解雇者の解雇手当及び生業賞金、中小企業年末金融、公務員、日雇い労働者の年末手当等を含む組みかえの要求をいたしましたが、そのことがいれられず、ここに予算補正三案に対し反対討論をなす次第であります。(拍手
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案の表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名を点呼〕   〔投票執行〕
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖〕
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百九十四票   白色票 百二十七票   青色票 六十七票  よって三案は可決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百二十七名       森 八三一君    田中 茂穂君       中山 福藏君    豊田 雅孝君       田村 文吉君    手島  栄君       竹下 豐次君    村上 義一君       松平 勇雄君    武藤 常介君       島村 軍次君    北 勝太郎君       永野  護君    迫水 久常君       松岡 平市君    加藤 正人君       梶原 茂嘉君    加賀山之雄君       奥 むめお君    西川甚五郎君       藤野 繁雄君    堀末  治君       河野 謙三君    佐藤 尚武君       野田 俊作君    谷口弥三郎君       新谷寅三郎君    木内 四郎君       紅露 みつ君    森田 義衞君       後藤 文夫君    石黒 忠篤君       一松 定吉君    井上 知治君       本多 市郎君    笹森 順造君       仲原 善一君    成田 一郎君       西田 信一君    堀本 宜実君       鈴木 万平君    大谷藤之助君       稲浦 鹿藏君    前田佳都男君       三木與吉郎君    青柳 秀夫君       雨森 常夫君    川口爲之助君       館  哲二君    井村 徳二君       山本 米治君    小林 武治君       剱木 亨弘君    大谷 贇雄君       佐藤清一郎君    木島 虎藏君       有馬 英二君    大谷 瑩潤君       苫米地英俊君    近藤 鶴代君       小柳 牧衞君    井上 清一君       斎藤  昇君    小山邦太郎君       石坂 豊一君    廣瀬 久忠君       植竹 春彦君    安井  謙君       大野木秀次郎君    川村 松助君       黒川 武雄君    小林 英三君       重宗 雄三君    苫米地義三君       平井 太郎君    寺尾  豊君       増原 恵吉君    榊原  亨君       白井  勇君    最上 英子君       柴田  栄君    宮澤 喜一君       林田 正治君    後藤 義隆君       高橋  衛君    重政 庸徳君       西岡 ハル君    横山 フク君       西川弥平治君    土田國太郎君       小幡 治和君    伊能 芳雄君       宮田 重文君    三浦 義男君       高野 一夫君    高橋進太郎君       古池 信三君    佐野  廣君       石井  桂君    野本 品吉君       秋山俊一郎君    岩沢 忠恭君       上原 正吉君    伊能繁次郎君       石原幹市郎君    左藤 義詮君       鹿島守之助君    小滝  彬君       井野 碩哉君    下條 康麿君       吉野 信次君    郡  祐一君       津島 壽一君    堀木 鎌三君       中山 壽彦君    木村篤太郎君       青木 一男君    泉山 三六君       横川 信夫君    吉田 萬次君       勝俣  稔君    八木 幸吉君       辻  武寿君    白木義一郎君       大竹平八郎君    北條 雋八君       天坊 裕彦君     —————————————  反対者(青色票)氏名      六十七名       北村  暢君    藤田藤太郎君       相澤 重明君    松永 忠二君       占部 秀男君    森 元治郎君       木下 友敬君    平林  剛君       山本 經勝君    秋山 長造君       亀田 得治君    久保  等君       柴谷  要君    安部キミ子君       千葉  信君    近藤 信一君       戸叶  武君    大倉 精一君       竹中 勝男君    田畑 金光君       吉田 法晴君    松澤 兼人君       河合 義一君    成瀬 幡治君       藤田  進君    島   清君       田中  一君    赤松 常子君       野溝  勝君    江田 三郎君       東   隆君    市川 房枝君       岩間 正男君    森中 守義君       長谷部ひろ君    竹中 恒夫君       鈴木  壽君    大河原一次君       伊藤 顕道君    千田  正君       光村 甚助君    鈴木  一君       湯山  勇君    加瀬  完君       坂本  昭君    阿部 竹松君       安部 清美君    椿  繁夫君       阿具根 登君    海野 三朗君       中村 正雄君    矢嶋 三義君       相馬 助治君    横川 正市君       小酒井義男君    小林 孝平君       松浦 清一君    天田 勝正君       高田なほ子君    片岡 文重君       永岡 光治君    岡田 宗司君       栗山 良夫君    山下 義信君       棚橋 小虎君    内村 清次君       山田 節男君      ─────・─────
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一及び第二は次会に延期いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。      ——————————
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第三、原水爆実験禁止等に関する請願(三十二件)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。外務委員会理事井上清一君。   〔井上清一君登壇拍手
  18. 井上清一

    ○井上清一君 ただいま議題となりました日程第三の請願三十二件につき、外務委員会における審議の結果を御報告申し上げます。  これらの請願は、すべて原水爆実験禁止等に関するもので同一趣旨のものであります。すなわち政府は、原水爆実験の即時無条件禁止の協定締結を国連総会に提案するにつき、日本への原子兵器持ち込み禁止の協定を日米間に締結すること、及びその被爆者とその遺族の援護を立法化することを要請するものであります。  委員会は、願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  右、御報告いたします。(拍手
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。  よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第四より第十七までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。運輸委員長天田勝正君。   〔天田勝正君登壇拍手
  23. 天田勝正

    ○天田勝正君 ただいま上程になりました日程第四から第十七までの請願につきまして、運輸委員会における審議の結果を御報告申し上げます。  日程第四は、九州地方私鉄水害復旧に関する請願でありまして本年七月の豪雨により、島原鉄道及び山鹿温泉鉄道のごときは、被害がはなはだしく、復旧も思うにまかせず、困難をきわめておるから、所要復旧資金のあっせん及び復旧工事費の助成をしてほしいというものであります。  委員会におきましては、地方産業の復活をすみやかならしめる措置として願意を妥当と認めました。  日程第五から第九までは、国鉄の運転及びサービスに関係したものでありまして、日程第五及び第六は、豊肥線のジーゼル化、列車の延長運転、二等車の連結に関するものでありまして日程第七は、大糸線の輸送力増強、日程第八は、中央線、篠ノ井線、信越線の電化、またはその暫定措置としてのジーゼル化、中央線の列車の増発、操車場の拡充、輸送隘路の複線化に関するもの、日程第九は、成田線八一二列車の上野駅までの直通運転に関するものであります。  以上は、委員会におきまして産業経済発展、輸送力の増強等の見地から、いずれも願意を妥当と認めました。  次に、日程第十から第十二までは、鉄道新線建設に関するものでありまして日程第十は、智頭、上郡両駅間、日程第十一は、北広島、追分両駅間、日程第十二は、野山石羽線の建設に関するものでありまして、委員会におきましては、資源の開発産業経済発展、文化の向上、民生の安定、交通網の完成等の見地から、いずれも願意を一妥当と認めました。一 日程第十三及び第十四は、鉄道電化等に関するものでありまして、日程第十三は、信越線の高崎、横川面駅間の電化並びに電車化と碓氷峠の既施設の改良を実施してほしいというもの、日程第十四は、常磐線の電化をすみやかに実施してほしいというものであります。委員会におきましては、旅行の快適、輸送力の増強、国鉄経営の合理−化等の見地から願意を妥当と認めました。    [議長退席、副議長着席]  日程第十五は、広島県黒瀬町の国鉄バス営業所の存置に関するもの、日程第十六は、熊本空港整備に関するもので、熊本空港は昭和三十一年度より稚内、高松、大村、鹿児島とともに二カ年計画で建設に着手されたが、同時に指定を受けた五空港のうち、熊木空港のみ整備がおくれているから、すみやかに整備、完成してほしいというのであります。日程第十七は、特定水域航行令第四条改正に関するものでありまして、現行政令においては、漁労している漁船は航行中の一般船舶の進路を避けなければならず、ために操業を中止し、安んじて生業に従事できないので、かかる制約を除去してほしいというのであります。右はいずれも願意を妥当と認めました。  以上十八件は、委員会におきましていずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと全会一致をもって決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  24. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  25. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。  よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。      ——————————
  26. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 日程第十八より第二十八までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。逓信、委員長宮田重文君。   〔宮田重文君登壇拍手
  28. 宮田重文

    ○宮田重文君 ただいま議題となりました請願につきまして。逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本件請願は、特定郵便局設置せられたいとするもの三件、町村合併に伴い電信、電話及び郵便集配区域の統合調整をはかられたいとするもの三件、郵便局庁舎を新築せられたいとするもの二件、特定郵便局を普通局に昇格せられたいとするもの一件、電話交換方式を改善せられたいとするもの一件、郵便切手類及び印紙の売りさばき手数料を引き上げられたいとするもの一件の十一件であります。  当委員会におきましては、以上の請願につき慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと全会一致をもって決定いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  29. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  30. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。  よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  31. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 日程第二十九より第四十二までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長重政庸徳君。   〔重政庸徳君登壇拍手
  33. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 ただいま議題になりました農林関係請願二十二件について農林水産委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。  今国会中、農林水産委員会に付託されました請願は二十六件でありまして、その趣旨、請願者及び紹介議員等は、請願文書表によって御承知の通りでありますが、委員会におきましては、これらの請願について慎重審議の結果、ただいま議題になりました二十二件は、趣旨おおむね妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。  右、御報告いたします。(拍手
  34. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  35. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  36. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 日程第四十三より第六十までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。建設委員長森田義衞君。   〔森田義衞君登壇拍手
  38. 森田義衞

    ○森田義衞君 ただいま議題となりました日程四十三から日程六十までの請願二十三件について建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、請願の内容を大別して申しますと、河川関係では、河川改修工事の施行促進に関するものとして岡山県吉井川外三件、地すべり防止対策法制定に関するもの二件、その他山形集の水害復旧対策及び滋賀県琵琶湖の水位低下計画に関するもの各一件であります。道路関係では、産業開発道路等の新設促進に関するものとして九州中部産業開発道路外二件、道路整備促進に関するもの三作、住宅関係では、公団住宅の賃貸料低廉化に関するもの五件、低家賃住宅建設に関するもの一件であります。その他都市計画街路の建設促進に関するもの、重要幹線街路の整備促進に関するもの、新潟地区地盤沈下対策に関するもの各一件であります。  委員会は、以上の請願を審査した結果、いずれも国土の開発、保全並びに民生の安定のため、願意おおむね妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付するを要するものと決定し、日程第六十の地すべり防止対策法制定に関する請願二件は、内閣に送付するを要しないものとし、その他はいずれも内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。(拍手
  39. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願委員長報告の通り採択し、日程第六十の請願のほかは、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  40. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、日程第六十の請願のほかは内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  41. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 日程第六十一より第六十五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長豊田雅孝君。   〔豊田雅孝君登壇拍手
  43. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ただいま上程せられました大蔵委員会付託の請願につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申し上げます。  日程第六十一は、福島県は全国有数の葉タバコ生産県であるから、葉タバコ生産の国家的見地より、県立タバコ試験場をすみやかに国立に移管する措置をはかられたいとの趣旨であり、日程第六十二は、みそ、つけもの等必需食品の原料塩の販売価格を引き下げるよう適当な措置を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第六十三は、酒類の価格が高率なる酒税により高価なものとなっているから、酒価が一般物価水準と均衡のとれる線まで酒税華を引き下げられたいとの趣旨であり、日程第六十四は、塩収納価格の急速な引き下げをやめ、塩価格審議会の民主的な決定によるとともに、非能率企業の整理に当っては国家補償の措置を考慮されたいとの趣旨であり、日程第六十五は、日本不動産銀行の資金の窮状にかんがみ、特に年末を控え、その増強の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。  よって以上四十三件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  44. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もたければ、これより採決をいたします。  これらの請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  45. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  46. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 日程第六十六より第七十一までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。法務委員長青山正一君。   〔青山正一君登壇拍手
  48. 青山正一

    ○青山正一君 ただいま議題となりました請願に対する法務委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。   請願第五十七号は、新潟刑務所の移転に関する請願でありまして当刑務所の所在地が、現在、住宅地区の中心部を占める状態になっているが、新潟市として住宅、教育、その他部市計画上の理由から、これを他の適地に移転して、その跡地を市に払い下げられたいとのものであります。  請願第六十七号は、中国商品展覧会準備工作員の指紋問題に関する仲でありまして日中貿易促進の障害となっている指紋問題のため、便法を講ぜられたいとのものであります。  請願第百七十九号は、群馬県前橋地方法務局中之条支局庁舎等の新築に関する件でありまして同支局は現在、前橋地方裁判所の庁舎を借用しており、狭隘かつ老朽はなはだしいが、すでに用地も手配済みであるから、すみやかに庁舎新築を実現せられたいとのものであります。  請願第百八十五号は、更生保護事業強化に関する件でありまして犯罪のない明るい社会の建設のために、更生保護制度の拡充強化の必要性が痛感されるので、本年度において保護司実費弁償金、更生保護会に対する補助金、更生保護委託費を増額せられたいとのものであります。  請願第七十六号は、刑法改正に関する件でありまして、飲酒上の犯罪を処罰するよう刑法の改正を行い、社会を明るくせられたいとのものであります。  請願第四百七十八号は、釧路地方裁判所北見支部等甲号昇格等に関する件でありまして北見市は、同地域の政治、経済、文化等の中心地であることにかんがみ、釧路地方裁判所北見支部の甲号昇格及び網走刑務所北見拘置所、釧路少年鑑別所北見支所の設置を実現せられたいとのものであります。  以上、いずれも法務省当局及び最高裁判所事務総局の意見を聞き、慎重に審議をいたしましたが、第百八十五号の更生保護事業に関する請願については、本請願の趣旨を、更生保護事業強化をはかるため、同事業に対する予算増額に関するものとして採択したものであるとの意見書案を付し、いずれも願意は妥当と認め、これを採択して議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  49. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。日程第六十九の請願については意見書案が付されております。  日程第六十六より第七十一までの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  50. 寺尾豊

    ○副議長(寺尾豊君) 総員起立と認めます。  よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十二分散会      ——————————