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1957-11-11 第27回国会 参議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月十一日(月曜日)    午前十一時四十三分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     宮田 重文君    理事            手島  栄君            松平 勇雄君            鈴木  強君            長谷部ひろ君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            中山 壽彦君            前田佳都男君            三木 治朗君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君            横川 正市君            野田 俊作君   国務大臣    郵 政 大 臣 田中 角榮君   政府委員    郵政政務次官  最上 英子君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政省郵務局長 板野  學君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業運営に関する調査の件  (郵政事業関係及び電波関係職員の  定員等に関する件) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (郵政事業関係及び電波関係職員の  定員等に関する件) ○岐阜岐阜郵便局庁舎新築に関する  請願(第四〇号) ○熊本県松橋郵便局普通郵便局昇格  等に関する請願(第四一号) ○東京都志村前野町に特定郵便局設置  の請願(第一九二号) ○宮城県仙台市荒巻に郵便局設置の請  願(第一九三号) ○宮城蔵王山頂郵便局庁舎新築に関  する請願(第一九四号) ○北海道三笠市内電話交換区域の統  合に関する請願(第二九〇号) ○静岡県浜北町に電報官話司設置の請  願(第二九一号) ○北海道夕張電報電話局電話交換方  式改善に関する請願(第二九二号) ○電信、電話及び郵便集配区域の統合  調整に関する請願(第四五九号) ○大分県鶴崎市明治地区郵便局設置  の請願(第五一九号) ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さ  ばき所に関する法律の一部改正に関  する請願(第五五一号) ○継続審査要求の件 ○継続調査要求の件     —————————————
  2. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。  本日は、郵政事業運営に関する調査の件、電気通信並びに電波に関する調査議題といたします。
  3. 森中守義

    森中守義君 私は郵政関係定員及び電波関係定員増強について御質問を申し上げたいと思います。すでに三十三年度予算編成の時期にもかかっておりますし、こういう時期に、郵政省では長年の懸案である定員問題について、どのような構想大蔵省予算折衝に入ろうとしているか、その内容をお伺いしたいと思います。
  4. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 郵政定員につきましては、三十三年度予算要求に、増額要求をいたしております。ここではっきり申し上げられるのは、臨時定員としておりますものが九百七十何名ございますが、これは全部定員に繰り入れるようにしておりますし、その他各部門別相当程度定員増要求いたしております。
  5. 森中守義

    森中守義君 臨時定員の九百何名というのは、数字の誤まりじゃないですか。
  6. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 臨時定員は九百七十何名、約千名弱だと思います。
  7. 森中守義

    森中守義君 その数字あとでいいんですが、実は二十六国会のときに、衆議院及び参議院ともに、付帯決議をつけて、すみやかに臨時職員を本定員にしなくちゃならぬ、こういう付帯決議がついております。この問題に対する郵政省の態度と、さらには問題が根本的になりますが、定員法郵政省に適用するということは、事業本体からいって、あまり妥当なことではなかろう、こういう質問を前国会で私どもいたしたのに対して、政府が、ことに行政管理庁の前長官であった大久保さん及び今度行政管理局長になった岡部さん、こういう人から、できるだけ公務員制度調査会の中にこのことを入れて検討したい、こういう答弁がありました。しかし最終的に、この問題は非常に重要であるので、制度調査会とは別個にいたしますという工合に御答弁が最終的には変っておるのです。ことに大蔵省の当時の森永主計局長も、その問題とは別個に切り離して検討を加えて、次の通常国会には何分の結論が出るようにいたしましょう、こういうことが会議録にも明らかになっております。従いまして、郵政省としては、事業本体に照らして、今度の予算要求に当って、従来通り定員法というものをそのまま存続するつもりか、あるいはこれをワクからはずして、事業本体に見合うような新しい定員構想を持つのか、この根本的な問題について、大臣意見を承わっておきたいと思います。
  8. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 一般行政職でありませんから、ワクで縛られたら、事業量がふえた場合に非常に困るというのでありますから、相当幅を持たしてやらなければならない。また実情に即した定員でなければ、もちろん仕事ができないわけでありますが、現在すぐ定員ワクからはずすということは、先ほど御発言がございましたように、非常に大きな問題でありますし、特に三公社現業全部に関する問題でありますので、この問題に対しては、ただいまの御発言及び前内閣の閣僚からお話がありましたものに対して、早急に調査を進めます。そして、できるだけ早く結論を出すようにしなければならぬと思います。ただ現在の段階におきましては、昭−和三十二年度事業量においても、六・六%も上昇いたしておるのでありますから、定員に対しては、三十三年度予算相当程度定員要求いたしてございます。これはつまびらかにしませんが、総体において、数字が間違っておったらあとから訂正をしますが、一万名くらい要求いたしておるんじゃないかと思います。いずれにしても、この定員の問題に対しては、三十三年度予算折衝過程において、事業量がふえておりますし、特に私が感じましたのは、郵政省行政機構そのものから考えても、明治太政官時代からあまり機構が変っておらぬ、おらぬというけれども、事業量がふえておるにもかかわらず、機構その他が膨張するというより逆に減っておるというような状況にありますので、郵政省設置法大幅改正考えておりますし、局の新設等立案中でありますので、これと歩調を合せる定員の増を要求いたしておることを申し上げます。
  9. 森中守義

    森中守義君 年度予算確定までにはまだ時間がありますので、今ここでにわかに田中大臣を非難するわけにもいかぬですが、私は国会に出ておりまして、村上郵政大臣並びに平井郵政大臣、それに今度あなたの三人を相手にしてこの問題をやって参ったわけですが、三大臣とも同じようなことを繰り返しているのですよ。つまり根本的な定員の問題に触れますと、やはり本質が逃げられている。もちろん大臣がおかわりになったので、方針がそのつど変更があるということはそれは理解できます。しかし、先刻も申し上げたように、委員会等において、政府の一貫した方針として、こういう特殊な企業官庁に対して定員法を適用すべきかどうかということは、大いにこれは研究をしなければならないことだし、これを今度の通常国会までには何分の結論を出します、こういうことが国会の中で政府当局から言明がされているのです。だから、こういう予算規模、あるいは各省関係等が正確に、しかも数回にわたって閣議の中で議題になったかどうか知りませんが、私は従来の関係からいけば、大臣がかわるたびごとに同じようなことを繰り返されたのでは、どうしても現下の政府の一連の方針からいけば、私は納得いかない。だから、前大臣がこういうことを約束をした、あるいは内閣全体として国会の中で答弁をしたという、こういう問題については、もう少し真剣に取り組んでもらわなければ困る問題でありますし、私は先刻申し上げたように、これから時間も若干ありますから、この定員法をはずすか、あるいはそのままにしておくか、このことは田中郵政大臣は今までの経過をもう少し勉強してもらって、正確に私はこの委員会で報告を求めたいと思うのであります。それと、今まで閣議の中でこの問題について言及されておりませんか。
  10. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 正式に議題を設けて議論をしたということはありませんが、いずれにしても、三公社現業形態をどうするか、それから予算規模をどうするか、特に公共企業体等合理化のために審議会が設けられておりますから、これに対して、予算の問題、定員の問題及び形態の問題ということの三つにしぼられますので、この問題に対しては議論をしております。おりますが、まだ何分にも、非常に大きな問題でありますし、はずそうか、またはずさないようにするかという結論までは出ておりません。私自身は個人として、郵政現業に対して、また電電公社等に対して、この問題に触れるというよりも、要求をされておりますから、特に電電公社の問題に対しては、去る公共企業体審議会省側意見を述べるときにも、この問題を研究してございますが、ここですぐ結論を申し上げられるというほど簡単な問題ではないようであります。とにかく形態の問題、予算の問題、定員の問題という三つを同時に解決しなければならないというような状況にあるようでありまして、公共企業体等審議会審議状況ともにらみ合せながら結論を出さなければならぬ問題だと思います。しかし、省内部においてさえも相当問題があるようでありますから、真剣に一つ結論を早めるために努力をいたしたい、こういう考えであります。いずれにしても、三十三年度予算要求に対しては、相当程度定員増要求していることをつけ加えて申し上げます。
  11. 森中守義

    森中守義君 ここでにわかに結論が出ないということは、あまりにも問題が問題であるからわかります。しかし、しばしば先刻来申し上げているように、今まで各年度ごと郵政省大蔵省定員要求を出す、大蔵省はこれを査定をする、定員要求査定、こういうことで、ぐるぐるぐるぐる堂々めぐりをしている。もちろん、もらわないよりももらった方がいいのですから、これは私も五名でも、十名でも、人間のふえることは大いに歓迎します。しかし、事の本質がどこかに隠されてしまって、ただ予算要求上の技術的な問題のやりとりということは、事業経営上私はあまり好ましい状況だと思ってはいないのですよ。このことが前国会、あるいは前々国会でも大きな問題の焦点になって、抜本的に定員形態について検討を要する、こういうことを言っているのです。従って、大臣はそこまで深く研究されているかどうかよく私は知りません。しかし、現状における認識として、定員要求を出して、大蔵省査定をした、六千名を出して、千九百名そこでとれているのですが、それはそれでいいのですよ。いいけれども、この機会に根本的に定員あり方について何か英断をふるおうというような認識は持てませんか。
  12. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 現状お答えができることは、今公共企業体審議会でもって公共企業体あり方、特に三公社現業中心にして抜本的な施策を今立案中でありますから、しかも、その審議過程において大きく問題になるのは、先ほど申し上げた通り予算の問題をどういうふうに幅を持たせ、もっと弾力条項をつければいいのか、抜本的に問題というものをはずさなきやならぬかという問題に対して今議論もしておりますし、特にこの予算の問題と定員の問題はもう密接不可分の問題であります。もう一つは、公社及び現業恩給関係、特に共済の問題等もありますので、年金の問題がありますから、そういう問題は今度は一つ誠意をもって片づけようという方向政府方針も行っておるようでありますので、総理大臣も相当明確な答弁ができるような状況になっておりますし、また相当明確な答弁発言をしておられますようであります。やはり公共企業体審議会結論を待ちつつ、私たちもその審議過程において、郵政現状はこういうふうだということを意見を述べて、可及的すみやかに結論を出すということ以外に、この段階では申し上げられないのじゃないか、こう思います。そうでないと、私たちがもう一つ方向を持って、こういうふうにしたいということを言っても、なかなか内閣全部、内閣だけの方針ではきまらないと思いますので、公共企業体審議会との連絡も密にやっておりますから、できるだけ早く結論を出してもらうというふうに考えておるわけです。
  13. 森中守義

    森中守義君 大へん意地悪い質問みたいですがね、実はこの公務員関係の問題を前の通常国会あたりからいろいろ政府の方に質問をしますと、制度調査会というのをすぐ表に出される。それでその中で一切の問題を処理していきたいと思うから暫時待ってほしい、こういうお答えなんですよ。だから問題の内容次第では、どうもこの公務員制度調査会というものが一種の隠れみののようになって、その中に何もかもほうり込まれる、こういう印象を非常に私どもは強く受ける。しかし、問題の内容次第ではそれでもいいものもあります。しかし、時間的に間に合わない問題もあります。だから私はこの定員問題は、再び公社制度の問題である、あるいは公務員制度調査会の問題であるとか、そういうものに逃げ込まれてしまったのでは、この次の通常国会までに果して間に合うかどうか。この前の通常国会のときにすでに公務員制度調査会というものは発足をしていました。もうすでに一年が経過しておるのですよ。しかもなお、三十三年度予算編成に当って、こうする、ああするという明確な方針が立っていないじゃありませんか。そういうことになれば、この定員の問題も、おそらく前国会あるいは前々国会と同じような繰り返しをあの委員会の中で展開する以外に何ものもない、具体的に進歩しない、こういうことです。まあことしは、大臣は新しい増員要求として一万余り出しておる、こう言われますけれども、さて、これを大蔵省が何名にするものか、相手のある仕事で非常にむずかしい問題ですが。要するに公社制度の問題であるとか、あるいはまた公務員制度問題等に何もかも入れ込んでしまって、それを二つのたてにして、具体的な内容国会の中で言明できないということになると、郵政事業経営というものをすこぶる私は困難なものにしはしないか、こういう工合考えますので、この定員の問題は、しばしば繰り返すように、ここ長年の問題です。二十五年でしたか、この定員法というものができたのは。しかも、定員法歴史というものは、行政整理一つ中心課題を置いた定員法ですね、これが果して当を得た法律であるかどうかということは、当然政府側としても検討の必要があろうし、そういうような歴史考えてみても、やはり私はこの定員ワクの中に入れるかどうかというものは、制度調査会あるいは公社関係、こういうものとは別個に切り離して考える意思はありませんか。
  14. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) まあ表面的に申し上げると、公社及び現業の今制度を抜本的に審議をしておるのでありますから、その審議を制約するような発言はできないわけであります。しかし、私たち現業を日々持っておるのでありますし、実際に事業量がふえておるのでありますから、この問題に対しては、人の結論を待っておって郵便が配れないというようなことではどうにもならないので、深刻に今研究を進めておるわけであります。で、特に行政職定員とは違いまして、仕事の量によって動かなければならない現業定員に対しては、定員をきめられたら一年間全然動かないということでは大へんだと思います。その意味で臨時定員等を使いながら、仕事には支障のないようにようやくやっているというのが現状であります。一つの例を申し上げますと、新設局を今までは年間約五十局しか作らなかったというのが、来年度から三カ年で五百局、次年度において、三十三年度において二百局作りたい、こう言っておって二百局の予算が認められても、定員には全然認められないということになると、これは大へんな問題になるのであって、もちろん新しい施策が行われる。いずれにしても現業の総ワクで百九十億以上の増額要求をしておりますから、これもただ百九十億の増額をして幾らでも認められれば、幾らでもプラスアルファーがあればいいのだという考えではなくて、現業部門別にこまかい数字に立脚しての要求でありますから、これもこの予算計画から自動的に生まれる定員増を合せて要求しているわけです。だから現在の段階におきましては、昭和三十三年度予算編成に対して認められた新規のもの及び事業計画に対しては、定員は自動的に認めてもらわなければいかぬという方針をとっているわけです。しかし、ここで郵政現業だけ定員からはずすということに踏み切るには、先ほど申し上げましたように、いろいろな公共企業体審議会もありますので、私から先に郵政定員はどううしても定員からはずさなければいかぬということを言う段階にはまだなっておらないということであります。で、もう一つ、私が率直に申し上げたいのは、ことしはまだ郵政特別会計黒字でありますが、このままでいくと、やはり三、四年後には赤字になるという見通しを持っているわけであります。これを合理化していくために、今までの状況でいくならば赤字になるので、もっと合理化した経営をすれば黒字になのだという議論もなされております。ただ黒字にする原因が、定員は少くして労働強化をすれば黒字になるのだとは絶対考えておりません。合理的に新しい仕事をどんどんとふやしていきながら、諸種のバランスをうまくとるというところに現業の妙味があるのでありますから、もう少し弾力的な条項が認められることを希望いたしております。郵政に入らない前に、今電電公社から同じ要求をされておりますので、こういう問題とも合せて郵政定員の問題を何とか早く解決したい、こういう考えであります。が、今定員法の完全にワク外にしてしまうというには、私としてもまだ結論を得ないのであります。
  15. 森中守義

    森中守義君 大臣の言っておることわからぬでもないのですが、これはやはり大臣がかわったので、前の人のが全く御破算になったのじゃ困るのですよ。それで今までの経緯をもう少し検討してもらいたい。しかも、前の答弁においては、全然問題にならぬというような答えを出していない。郵政事業という特殊な官庁、つまり独立採算あるいは現業官庁といいますか、こういうところに定員法を当てはめるかどうかというものは、すでにこれは検討段階に来ているということを前の行管長官や、あるいは大蔵省も言っております。また郵政当局も言っておる。それを現状における認識としてそうは考えないという答弁では、やはり私は困ると思うのですよ。それでやはり同じようなことを毎年毎年繰り返す中に仕事はふえていく、定員を少しもらっていく、こういうことをやっていたのでは、やはり私は郵政省自体はいつかは大きな問題にぶつかるのじゃないか、こういう工合考えますから、もう少し定員法をはめるかどうかということは、今までのいきさつをもう少し検討してもらって、少くとも次の年度予算確定前までに制度調査会等結論が出なければ、独自の立場で郵政大臣はこれに対する見解を私は持ってほしいと思うのです。このお約束、どうでしょうか。
  16. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) いや、そういうふうに努力をいたしますという答えは今できます。しかし現実問題として、私がその場その場をのがれていくということじゃどうにもなりませんので、はっきりと申し上げるとすると、この次の国会までに結論は出ない、こう思います。なぜかというと、私が今郵政現業について非常にこまかいデータを集めておりますし、ほかの公社現業とのバランス等考えているのですが、郵政現業というものに対しては定員ワクからはずす、もっと弾力を持たせるということになりますとですね、率直にいって、すぐどうも赤字になるような気がするのです。赤字になったら一般会計から補てんすればいいじゃないか、そうでなければ、この委員会でもお話があったように、預託の金利を六分から六分二厘に上げればやっていけるじゃないかといったような議論もあるのでありまして、そういうものとあわせて考えているのであります。私の在職中には何らか郵政というものがもっと明るい、もっと意欲的に仕事ができるような合理的な方法を何とか考えたい、こういうふうに今日意欲的に動いているわけなんです。だから今度の通常国会で問題になるのは国鉄の問題であります。これは国鉄の出方を見ていることは少し意地が悪いことかもしれませんし、もっと積極的にやればいいじゃないかということは言われるかもしれませんが、国鉄がちょうど、定員の問題では別でありますが、いずれにしても、こういう弾力条項を今作ろうとしている最中であります。もうかったときに三・二も出して、今度はもうからない、原資もない。しかし、いずれにしても一般公務員並みに一・八よこせ、こういうことですが、これは現実問題としては何らかの道で解決をしなければいかぬと思うのです。そういう道が開かれると、郵政現業赤字になった場合でも最低保障をどうするか、それから赤字にならない場合はどうするかという問題の見通しをつけたら、公社及び現業というものの見方、考え方ももっとすっきりしまして、一般公務員現業との間に差があり、今度現業公社との間に差があり、公社国際電電会社との間にも差があるというようなことはなくなって、もう少しすっきりするだろう、それには三十三年度予算まで郵政大臣として結論を出せるか、こういうと、時間的に非常にむずかしい、こう考えます。それで三十三年度予算に対しては、一つ思い切って定員その他に対しては要求をして、できるだけ合理的な定員漸増考えたい、こういうふうに考えております。だから現在まで大蔵省との折衝過程においてもこういう表現を使っております。仕事の量が非常にふえておりながら機構及び人間のふえておらないのは、大蔵省主計局郵政省だけだから、主計局は看板の値打があるけれども、郵政省仕事をしているのだから、これは一つ定員をもらわなければいかぬ。しかも、国家原資の半分以上を郵政省が集めておって、運用権をまかしているのだから、この面のプラスも当然考えてもらわなければいかぬ。だからもし私が戦後びまんしている自由権及び民主主義の原則を貫くならば、自分で集めたものを自分で使えばあるいは一割にも回せる自信があるのだから、そういうことを言わせないで、昭和三十三年においては一つ各省よりも十分見てもらわなければいかぬという表現折衝を続けているわけです。だから私は十一月一ぱいで郵政関係の全予算をまとめたいということさえも考えておりますので、三十三年度は原則的な問題は解決しなくても、定員予算その他の問題に対しては合理的な解決を行おうという考えでございます。
  17. 森中守義

    森中守義君 この前の委員会で、次の通常国会には十五ですか、十五だか法律を出す。こういうお話がありましたね。それでその法律内容はまだよく承わっておりませんから何とも言えませんけれども、大体十五の法律のうちの大半というものは事業改善、ベース・アップ、いわゆるサービスアップ、こういうことが私は中心法律であろうと思うのですよ。それで、その定員要求が一万名以上だと、こういうお話ですが、果してそれでできるかどうか、また大蔵省が一万名の郵政要求に対して何%満たし得るか、これは従来の慣行からいけば、おそらく一万名の要求に対して一万名ということにはまずならぬであろうという、こういう踏み方が私は妥当じゃないかと思うのです。もちろんそうなれば大いに大臣に奮闘してもらわなければ困るのですが、それでほんとうに郵政サービスアップをやろうとすれば、やはりこれは定員法ワクをはずして自由自在にサービスアップができるような定員の状態でおかなければどうにも話にならぬということはおよそ常識的に考え得ることじゃないかと思うのです。だから大臣法律を十五も出して大いに郵政省サービスアップをやろう、こういう意欲は、直ちに定員法ワクをはずして自由自在にどこにでも人間が配置できるような態勢まで発展をしていかないと中途において矛盾を生じますよ。そういうことについてはどういう工合にお考えですか。
  18. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私は、サービス官庁であるからサービスを非常に大きくするために、定員の問題はもちろん大きな問題にはなりますが、定員、をワクからはずせ、はずさなければやれないとは考えておりません。現在の段階において公社さえも定員があるのでありますから、民間に近い方からだんだんと独立採算を侵さない程度に定員ワクをはずしていこう、公社がはずしていけば現業もはずしていくというような時をかけなければならぬと思う。公社を飛び越して郵政現業定員をはずすということには踏み切れません。それでもう一つは、先ほど来私が申し上げました私の考えに先行することはどういうことかというと、結局定員ワクをはずすという場合にも独立採算ということが原則になりますので、独立採算制がとれるという限界でものを考える、現在ですと、御承知の通り、貯金の会計においても四十四億の赤字の繰り入れをやる、資金運用部会計から繰り入れをやっておるような状態でありますので、赤字が出た場合、どうするか、独立採算を割った場合の保障の問題等々、いろいろ問題がありますので、ただサービスをやるために何もかにもはずしてしまえというふうには、まだ私も大臣就任後百二十日ちょっとでありますから、そこまではちょっと踏み切っておらないのです。ただ、今同ケースの問題に対して公共企業体審議会で三公社の問題をやっておりますから、この問題の落ちつき先を見ながら郵政定員の問題も一つ考えよう、特に大蔵省に対しては国鉄中心にする公社事業量及び一人当りの作業量等の比較も一つ十分やって、今よりも合理的にやらなければいかぬ、特に郵政は非常にじみな官庁であり、今までは要求内容も内輪に内輪にしか要求をしておらなかったというのであるから、一つ大幅に出すということではありませんが、当然要求すべきものは要求しようという考え要求しておりますので、今の段階ですぐサービス官庁として民間と同じように定員をはずしてやろうということには、どうしてもまだ踏み切れないのでありますが、踏み切れないからといって、いつまでも定員をはずさないのだということも、ここでは言明はできないのでありますので、できるだけ早く一つ省議を開いたり、現業の意向を聞いたり、また先ほど申し上げたように、ほかの公社との関連も調査をしておりますから、そういう問題に対して、一つ省の意見をまとめてみるように努力いたします。
  19. 森中守義

    森中守義君 この問題は、また後日内閣委員会等でも行管の意見であるとか、あるいは大蔵省ですとか、そういう総対的な視野からいろいろと政府当局意見を求めていきたいと思います。ただ、今大臣が言われた中で少上気になりますのは、公社関係を例にとって、公社にも定員がある、こう言われますが、これは誤解ですよ。
  20. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 訂正いたします。
  21. 森中守義

    森中守義君 ただ定員法という、そういうものはない、ただ存在するのは、自主的なものですから。それで郵政でも定員法をはずしたからといって、自由奔放に採算が成り立たないのに、むやみに五万ふやせとか十万ふやせとか、そういう暴論をわれわれは言っているのじゃない。だから、かりに定員法をはずしても、郵政には郵政の一定の定員上の基準も当然置かなければなりません。ただ法律における定員法というものが、私は非常に実態を無視しておる、こういうことを言っておるので、その点はもう少しその内容をお調べいただきたいと思います。
  22. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) わかりました。
  23. 森中守義

    森中守義君 それともう一つ私は申し上げておきたいと思いますが、やはりここ五年あるいは六年の久しい間、この問題は検討されてきた問題です。きょうこつ然として出た問題じゃないので、もう大体、定員法を置くのが妥当であるかどうかということは、相当年数を経過した郵政省事業経営の実態の上に立って、省の首脳部もあらかた私は頭脳の中にはまとまったものができておるのじゃないか。いわんや、閣議の中でも、そういうことについては、この前の国会でかなり責任のあるような答弁が行われておりますから、そうそう私は、大臣閣議の中で発言をされたり、省内で取りまとめをされる場合も、そうむずかしい問題ではないと思いますから、要望になりますが、できるだけ次の通常国会にはこの定員法ワクをはずす、こういったような努力をなお一そう続けてもらいたい、こういう工合に特にこの件については要望をいたしておきます。  そこで、時間的に、この三十三年度予算編成の際にそのことが実現を見ないということであれば、やはりそれはそれなりに私どもはここに報告を求めておかなければならない問題がありますので、そのことを二、三私は大臣意見を伺いかたがた郵政省の態度を明確にしてもらいたいと思います。先刻大臣は、定員法をはずした場合にもし赤字になったらどうなるか、こういうことを言われました。しかし、ここ年来の郵政事業、特に郵便ですね、これの状態からして、ほんとうに赤字というものが現下の社会情勢あるいは国家情勢の中で発生し得るかどうか。非常に将来の問題ですから、水ものだといえばそれまでですが、通信事業、それと今の社会、国家、こういうような状態からして、果して通信事業が危機に瀕するような状態が発生するという想定が立ちますか。
  24. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 先ほどの私の発言では公社定員法に縛られておるように申しましたが、私の間違いでありますから訂正いたします。ただ予算との関係定員法はなくとも人員数の問題が当然出てきます。人員数に予算単価を乗じて予算総額をきめているということでありますから、これは表現が違っておるようでありますので、訂正をさしていただきます。  郵政事業赤字であるかないかという問題は、これは大へんなむずかしい問題であります。これは普通からいうと赤字になるものであります。これはどういうことか言いますと、世界中どこも大体赤字であります。しかし、日本だけは九十年の歴史を持って黒字を続けておる。これは長い歴史と伝統と組織の日本の持つよさでありましょう。その意味で幾らか世界と違った労働が強化されておるのではないかという議論が出てくるわけでありますが、いずれにしても郵便事業が幾ばくかでも黒字であるということは、これはもう郵政省の職員そのものの努力によってできておるのでありましょう。これには敬意を払っているわけであります。ただ概念的に申し上げると、将来は赤字になるというふうに考えるのが普通の議論だと思います。なぜかと申しますと、物価指数が五百倍に上っても、政府関係機関の収入というものは、その積算の基礎になる郵便料金等がなかなか上げられないということを考えると、表面的には赤字になるということが考えられるわけであります。現在は、一銭五厘のはがきが五円、三銭の封書が十円でありますから、三百三十倍ちょっとであります。一般物価の指数から見ますと、もう少し物価指数は上っておるのじゃありませんか。そういう意味で、物価指数が五百倍になったから郵便料金も五百倍に上げられるということになると、違うと思いますが、いずれにしても、現在のような、一般物価よりも官業料金を下げておる、一定の基準によって、低い率をもってやっておるということをずっとこのまま採用していくと、ある時期に幾ばくかの赤字が出るということは免れないのじゃないか。しかし、これはもう上げ得るものを上げいでおるのでありますから、その赤字の補てんの道は当然一般会計から考えればいいじゃないかという議論も出るのでありまして、いろんな議論がありますが、独立採算制ということであり、しかも、郵便料金等が国会の議決を経なければ上げられないというような現状をこのまま続けると、ある時期には赤字になるというふうに考えられます。
  25. 森中守義

    森中守義君 二十年も三十年もの先の見通しまでつける、そういうことじゃないんですよ。しかし、やはり郵政大臣が実際郵政行政を執行しておいでになるについては、どんなに短かく見積っても、四年、五年先ぐらいの見通しは、やはり私は大臣として持ってもらいたいと思う。そこで、私は、二十年、三十年とか、四年、五年のことまではここでは言いません。しかし、来年の場合です、郵便増収はどのくらい見ていますか。それともう一つは、戦前と今と比べて、やはりサービスは落ちております。このダウンになっているものを、新しい年度においてはどのくらいアップするおつもりか。それを一つ聞かしてもらいたい。
  26. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 今年度は、今までの率でもって、大体郵便物数において六・六%ぐらいふえておるようであります。だから、このままのカーブでいけば、来年度一〇%ということでありましょう。私はまだこまかい数字は見ておりませんから、いずれ御報告申し上げますが、そういうような状況であります。私も、郵政特別会計数字を見ておりますと、今年度でも、幾ら赤字になるかなと思うような状態もあります。今年度の問題は、年末の問題その他いろいろ整理をしなきゃならない問題がありますが、私がいつも申し上げておるようにして、昔の官公庁の人たちのようにこういう点、一カ月半とか、そういうみみっちいことを言っていないで、昔はもう十カ月ももらった人もあるんですから、昔ほどにいかなくても、もう少し弾力的にものを考え——定期昇給を一割、一〇%なら一〇%ずつやるということで押していくと、必ず赤字になります。これは三年たたないうちに赤字になるようであります。それで私も、そういうふうにやはり定期的にものは考えられない。しかし、これから五カ年間ぐらいの郵政特別会計に対しては、明確に数字を出して、五カ年間ぐらいは、このぐらいの給与でこのぐらいに上げていけるんだというようなまじめな数字はどうしても出してみる必要がある。そうして赤字が出た場合の補てんの方法等が考えられるならば、機構そのものに対しての問題もおのずから道が開けるのだから、できないからといって投げやりにしておかないで、もう少し現業の数をつかんでごらんなさいということで、今数字研究をしております。しかし、今の状態においてさえも幾らかすると赤字になるという状態でありまして、しかも、あなたが今言われた通り戦後は、サービス面が落ちておりますから、このサービス面を上げて郵便料金等据え置くというと、そこに赤字が出るということにもなるわけであります。しかし、まだ戦後ようやく十二年たってこれから経済の伸びに従って郵政事業の伸びも考えられるのであって、今年度昭和二十九年、経済の浅い時代と比べて相当郵便料金収入も減るのじゃないかと思っておったのが減ってもおりませんし、戦後十二年でようやく落ちついてきた、これからほんとうに日本の年間の伸びが計算できるだろうというような状態でありますので、鋭意積算をしておりますが、大きく黒字になるということは考えておりません。現在の段階においては、五年間たつと赤字になるというふうに大ざっぱにつかんでおります。
  27. 森中守義

    森中守義君 どうも話が広範にわたってちょっと私も理解しにくいところがあります。ただ言葉の中に、おそらく先般の全逓との話をちょっと言及されたようですが、そのことに限っては、きわめて水ぎわ立った大臣の処置には半ば賞賛を惜しみません。ただ私が御質問しておるのは、三十三年度予算編成構想として、戦後ダウンされておるサービスをどこまでアップしようとするのか、これが一つ、つまり施設の拡張もありましょう。あるいは、たとえば郵便の集配の度数をもっとふやしていく、こういうこともありましょう。おそらく三十二年度現状のままをあらためて維持していくという方針ではないと思いますから、どの程度三十三年度においてはアップしようとするのか、その内容、それを承わっておるのですが。
  28. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) こまかい数字を忘れて参りましたので、次回に持って参って御説明申し上げますが、幾つかの事例をあげると、窓口整備のためにさらに年間二百局作りたいとか、二回の集配度数を四回に上げたい、その他現在四回ないし九回でありますか、そういうものを一律に九回にしたいとかいうことであります。ここにちょっとありますから一ぺん読んでみましょう。四たびの集配度数を六回とする、二回を三回とする、一度を二度にする、それから七度を九度にするというようなことを考えております。なお、そのほかにも相当たくさんのサービスの問題を考えております。その中で郵便切手類の売りさばき手数料を値上げいたしましたり、それからなお今まで不評判でありました切り捨てた額の補償を二億三千万ばかりやってしまいたいとか、そういう戦後当然やらなければならなかった問題を、この通常国会に出る三十三年度予算で全部といっていいほど片づけてしまいたいということで百九十億ばかりの予算増を要求しておるわけであります。
  29. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  30. 宮田重文

    委員長宮田重文君) それでは速記を始めて。
  31. 森中守義

    森中守義君 大臣にもう一つ伺っておきますが、今の郵政省の各現場における仕事の状態をどういう工合に把握しておりますか。たとえば年次休暇も満足にとれない。おそらく一人の職員が百日あまりも持っておるのがたくさんある。こういう実情は何を物語っておるか。きわめて結論は簡単だと思うのですが、こういう実情を率直にどういう工合に理解されておるか、お答えを願っておきたいと思います。
  32. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 年次休暇はその年次にちゃんと与えられるようなものが合理的であると考えます。先ほども申し上げました通り定員要求は一万一千八百人やっております。これを申し上げると、また幾らもとれなかったというおしかりを受けるかもしれませんが、現在要求しておるのは一万一千八百人であります。うち郵便関係は四千四百人、増収見込みは大体七%くらいを見込んでおるわけであります。本年度は六・六%、大体七%から一〇%と、こういうふうに御了承願えればけっこうだと思います。いずれにしても、先ほど申し上げましたように、年次休暇がとれないというような状況ではいけないのじゃないかと考えますから、一つ実情を調査いたします。
  33. 森中守義

    森中守義君 実情調査されるのは大いにけっこうですが、今大臣が言われたように、年次休暇をその年のうちにとるべきものだ、合理的と言うよりも、法律上の問題ですから、合理的もへちまもないのですよ。しかも、とるべき権利を持っておるのにとれないという実情をどういう工合にお考えなのかと、こう言っておるのです。
  34. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 要求があればなるべく与えるようにいたしておるのでありますが、労使双方の間に非常にうまく話もついて、今まではそういう問題も起きずにやっておるわけであります。有給休暇の場合はどうするかというと、臨時定員をふやして、臨時でやっていかなければならぬというような実情であります。これは臨時はいかぬので、定員もふやせということで要求もしておるのでありますが、臨時をたくさん入れるという問題に対しては、組合とも話をして、一つ団体交渉がうまくいけばいきましょうということで今まではうまくいっておりますから、できれば法定の休暇等は当然年度内にやれるようにしなければいかぬと思います。
  35. 森中守義

    森中守義君 年次休暇を付与するかどうかというのは、もちろん労使関係にもありましょうが、根本的には労使関係ではありませんよ。当然与うべきものは与えなければならないしとるべきものはとらなければならない。ところが、とろうと思ってもとれないじゃありませんか。その実情について、いかに郵政省定員が辛いかということを私は物語っておるんじゃないか、こういうことを大臣に、伺っているんですよ。
  36. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 定員に対しては、一万一千八百人も少い、こう思って要求もしておるのでありますから、あなたのような状態が相当あるということは私も認めております。しかし、双方で団体交渉を行なって、協約に基いて仕事をやっておりますので、できれば定員をもっとふやさなければならない状態ではありますが、全然仕事ができないという状態でもないようであります。
  37. 森中守義

    森中守義君 率直に申し上げると、全然仕事ができないと言ってもいいくらいな状況でしょう、一人の人が百日も百何十日も持っているんですからね。だから、ある意味では保障されておる法律を踏み越えて、自発的にやっておる、そういう従業員の犠牲の上に立った郵政事業経営じゃないか、こういうことになれば、元来岸内閣は、法律を守る、こういうことを言っておるにもかかわらず、法律を守っていないじゃありませんか。私は一万一千八百名を今度まるまる大蔵省が認めても、これでそのまま年次休暇がおのおのがとれるような職務環境になるかどうかということは相当疑問だと思うのですよ。だから、これもやはり定員法をはずすかどうかという問題にさかのぼるんです。相当長い年数郵政省に働いておる諸君は、年次休暇はとるべくしてとり得ない、こういう不当な労働環境についてもう少し、この一万一千八百名というのがどういう積算の根拠に基いたのかわかりませんが、もっと調査をするというよりも、根本的に私は大臣に、なぜこういう状態に置かれておるかということを検討してほしいと思うのです。そういうことについては、どうお考えですか。
  38. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) もちろん法律違反が行われるような勤務状況はいいことではありませんから、より合理的な運営ができるように調査を行なってしかるべき結論を出したいと思っております。
  39. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、大体そういう不当な労働環境が排除されるには、およそ郵政省あと何名ぐらい人間をふやせば完全なノーマルな状態になるか、そういうことはお考えになっていませんか。
  40. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 大体七%の収入増を見込んで一万一千八百人要求しておるわけでありますから、これで大体やれるというふうに答弁せざるを得ないわけであります。しかし、実際ざっくばらんに申し上げますと、まあ個人当りの事業量という問題、作業量という問題に対しては、見方によって相当違いがあるわけであります。で、国鉄及び電電公社等公社現業の問題をよく調査をしまして、そういう問題を基礎にして公共企業体審議会でものを考えておるわけでありますので、私の方でも先ほど申し上げましたように、事業量がふえておっても機構及び人員等があまりふえる率が少いのは、郵政省をもって一番だということを私も予算折衝段階において申し上げておるという気持が前提になっておりますから、理想的な環境を直ちに今作れるかどうかははなはだ疑問でありますが、私も一つ勇気と熱意をもって職場の改善に努めたいと、いうことだけ申し上げておきたいと思います。
  41. 森中守義

    森中守義君 一万一千八百名の増員要求によって立つベースが少し違います。つまり七%の事業増がある、それを積算の根拠に一万一千八百名というのでありますから、だから現状をまさにこれは妥当なものであるという肯定した上にこの一万一千八百名の、七%、こういう関連を生じて今大臣答弁されたわけですね。だから現状が問題なんです。一万一千八百名というのはなぜ増員しなければならぬかということもさることながら、現在全体的に起きている不当な労働環境をどう判断をされるか、それとそういうことを排除するにはどの程度の人間が必要であるか、それを聞かしてほしい、こう言っているのですよ。それはおそらく急に大臣はお気づきでないかもしれませんが、ここに郵政省の首脳部がだいぶ見えております。だから完全に年次休暇を出す、公労法で保障されていますから、そういうものを消化していくにはおよそこの程度のものは必要だというような数字があるはずです。ただ大蔵省にむやみにそういう人間を持っていって話にならぬものを話ししよう、そういうことを郵政省考えていないだけのことであって、実際この程度のものは必要だということは、私は郵政省は一万一千八百名とは別に持っていると思う。その概数をやはり出してもらわなければ困る。それと大臣の言われる実際作業の状態は見る人によって違う、こう言われておりますが、私はその点は郵政省の首脳部なり、あるいは人事院あたりにまかせておいていいと思う。もちろん職種の内容によっては単純なものもありましょう。複雑なものもありましょう。しかし、単純であろうと複雑であろうと、それぞれの職種に応じた作業をやっているわけですから、私は郵政省二十五万の人間が半日を遊んで、半日だけは仕事をしない、こういうおどけた状態はまず郵政省の中にはない。仕事が単純あるいは複雑という相違はあっても、指定を受けている勤務時間内には精一ぱい仕事をしている。そのことはこれは郵政省あるいは人事院あたりがいろいろと職種の検討をする際に明確に示しておるわけですから、ここで大臣が、見方によって違うという答弁は私は当らないと思っております。だから要するに私は今郵政省内で最もノーマルな状態に作業環境を置こうとするには、もう少しこの職場の実態を中心に置いた定員の再検討というものが必要であろうし、その再検討した数字というものを郵政省では持っておるのじやないか、こう思いますから、そのことに対してもう少し、一万一千八百名の新しい年度要求ではなくして、総体的にノーマルな状態に置くにはどの程度必要であるか、この数字を示してもらいたいと思う。
  42. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お説はよくわかります。わかりますが、現在その示す状態になっておらないことをはなはだ遺憾とするわけであります。しかし、この適正作業量の問題、定員の問題に関して、組合との間にいつも争いがあるわけであります。それでこういうものに対して争いのない状況にしなければならないのですから、一つ早急に結論を出すということを事務当局に命じてあります。もう百日以上になっておりますから、相当の結論が出ておるかもしれませんが、いずれにしても両方の間で円満に納得のできるということがないにしても、いずれにしても定員問題等でごたごた争議を起したりしないようなある程度の了解ができる線を出して、そして予算定員化されなければいけないということを私も就任と同時に命じてあります。ただその過程において考えられます問題は、配置転換の問題がまずあります。これは新設局などに対して配置転換をこばむという場合もありますし、定員三十名のうち十五名が病気その他で、病気とか、要注意者で執務をできない状態にあるにもかかわらず、隣りの局は定員二十名で三名ないし五名の定員増があるが、その地域的な差があるためになかなかいけないという、配置転換ができないというような場合も相当あります。で、配置転換が合理的にいかないかという問題、もう一つは、今までリヤカーを持って配達しておったものを一つ自動車にしようという、自動車にしても二回の配達が四回になればなお作業量がふえるのじゃないかという問題が起きてくるわけであります。それで三十三年度には、機械化の問題を相当大きく出しております。その上なおサービス向上という面で窓口業務を整備してもっと能率化そうというような問題がみなありますので、省内においても一つ作業の合理化定員が一体どれだけあれば少くともいけるのか、そういう基準を作って、そして年次予算要求するときには来年度の自然増、特に作業量が自然に増加することを幾らに目標を置く、そうすれば、その作業量によって、定員が自動的に一つふやせるのだという基準を早く作りたいということで、今省内でやっておりますから、別に今日質問がありましたので、なお事務当局が来ておりますから、これは事務当局に言ってみても、組合が言うのと事務当局が言うのとの間に相当の開きがありまして、あえて言っても物議をかもすと思いますので、近くどこらまでいけば円満に団体交渉がまとまるのだと、あまり作業量の問題、定員の問題を言わないで合理的に能率向上ができる状態になるのだという、定員の問題、個人当りの作業量の問題等に対しては一つ早急に結論を出して御報告いたすようにしたいと思います。
  43. 森中守義

    森中守義君 大へんくどいようですが、一万一千八百名の三十三年度大蔵省に対する要求人員というものは、七%の事業増、主としてこれが基礎になった数字のように私は大臣答弁から聞くのですが、それでしばしば繰り返しておるように、年次休暇もとれない、ことに東京都内のある普通郵便局には、最近はどうか知りませんが、ここ二、三ヵ月前には三千通も四千通も郵便の持ち戻りをやっている、板橋郵便局では。これは郵政局長にお聞きになって下さい。あといろいろな具体的な問題を全国で拾えば、これは大臣驚くような事実があります。こういうものはやはりよってくる原因を追及していけば、人が足りない、こういうことになるのです。だから一万一千八百人の人間がふえるのはけっこうですが、これでは郵政省内の完全な事業経営、ことに労働問題を中心にしたノーマルな状態には返らない。だからもう少し郵政省では総合的に見た実態調査をやって最もノーマルな状態に置きかえるにはこの人間が必要だという、その数字は私は大臣に後日示してもらいたいと思います。  それからもう一つ申し上げておきたいと思うのですが、毎年新設の郵便局、大体千三百局から四百局くらいの全国の設置希望が出ておるようですね。これに対して、どういう理由であるかわかりませんが、今までの国会においては、予算上の問題ということを主たる理由にして、五十局あるいはせいぜい多くて百局、こういう新設を見ております。しかも、定員の問題に関係を生じたこととしては、五十局の昨年の新設に対して定員五十名しかふえていないのですよ。そうなると五十局の新設局があって、しかも、それは局長要員である。今日の郵政省の無集配の郵便局の中に、郵便局長一人で仕事をやっておるところはどこもありません。ところが、どういう調子か知りませんが、昨年新しい定員の問題として表に出て参りましたのは、五十局の新設に対して五十名、こういうばかげた数字が出ております。これは具体的に行管の岡部さんが来ましたときにいろいろ相談をして、大久保国務大臣約束をして、あとで実質的に相談をしましよう、ということで落着しておりますが、今年は何局であるかよく知りませんが、少くともこういう新設の局に局長一人という定員の配置では、これはほんとうに問題だと思う。だからもう少しこの新設の希望が年々千局もあるいは千三百局も出ておれば、必要において出てくるわけですから、もう少しこの局数が多く設置できるように、しかも、定員は局長のみならず、二名ないし三名程度の適正な定員が必ず付随して、予算として正常化されるように、大臣は取り計らっていただきたいと思うのですが、新年度に対する大臣のこの種の問題に対しての態度を聞かしていただきたいと思います。
  44. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 五十局局数がふえて、局長要員だけ五十名が定員プラスになっているのが昨年度の状態であります。これは非常に筋が通らない話でありまして、局長兼小使というのでは実際やれないと思うのであります。なお、配置転換でやれるじゃないかというような議論も多々あると思いますが、これが異常な物議をかもしておりまして、私は来年度二百局の新設を計画いたしております。これに対しては、より合理的な定員増をはかる予定であります。今全国的に新局舎の要求は約二千五百局を上回っております。で、窓口を整備したり、サービスを向上したりということ、もう一つは、一里も歩いて貯金をし、簡易保険の申し込みをするというよりも、五分か十分も歩いて郵便貯金をし、生命保険の窓口も近くなるということであれば、これはどうしても窓口を整備する以外にないのであります。これは特定郵便制度調査会も開かれておりますから、私も刺激することのないように十分注意をしておりますが、いずれの形態にもせよ、町になったから親局から全部車が飛び歩けばいいということでは窓口の整備にならないと思いますので、三十三年度予算要求には、二百局ほど初年度として、三カ年に五百局という原案を提案はしておりますが、私としては、国会方面にも御相談をし、サービス官庁としては一番第一線に出ている郵政現業でありますから、できれば十カ年二千局というくらいのものを一つのめどとしてふやすのが当然ではないか、できれば郵便局舎設置十カ年計画ないし五カ年計画でも作れれば最もいい、しかもその財源に対して確固たる措置ができ、ガソリン税による道路整備というのと同じケースのものができれば、これこそ幸甚だと考えて、こういう問題に対しても今研究調査を進めて、できれば通常国会に何らかの法制措置をお願いしたいという考えでございます。もちろん定員に対しては、二百局作って二百人だけ局長要員をもらうというようなことは絶対にいたさないつもりであります。
  45. 森中守義

    森中守義君 二千五百局の新設希望があって、そのうちの二百局をお考えになっておる、こういうことですが、二千五百局のうちに設置基準に大体到達しているのはどのくらいあるのですか。
  46. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) この設置基準そのものが問題があります。これは郵政省事務当局がここにおりますが、郵政事務当局は、太政官時代から相当厳密な設置基準をもってやっておりますが、現在においては、太政官時代から連綿として続いている設置基準通りやっているのではありません、新しい市町村合併もできましたし、いろいろな問題がありますので、新しくものさしを作って、設置基準をきめております、こういう答弁でありましょうが、私も選挙区を御同様持っておりますので、いろいろな実情は私たちの方が詳しい場合もあります。そういう意味から見ましても、どうも在来の設置基準というものが新しい郵政事業の進展のために必ずしも最良の基準であるとは思っておりません。そういう意味で切手においてもそうでありますが、どうも古い、長い歴史と伝統を持つものには、いいものもあるが、どうも少し片寄った基準もあるようでありますので、切手とか、また郵便局設置等の問題に対しては、新しい合理的な基準をきめてやってくれなければいかぬということで、省内に何か機構を作ったはずであります。新しい設置基準で、一つもう一ぺんものさしのはかり直しを早急にやろう、こういうことを考えております。  もう一つ、私の考え自体が、先ほど申し上げたように、徒歩で五分か十分ぐらいの所に郵便局がなければ、実際窓口の整備にならないのだ、こういう基本的な考えを持っておりますので、特にこの設置基準の問題に対しては、早急に一つ結論を出したい、できれば通常国会までには、一つ基準を明らかにして、日本には基準に合うのはこれだけあるのだ、これはどうしてもやらなければいかぬのだというふうに、現実の問題に対して、はっきりした基準を作りたいという考えでございます。今の二千五百局以上の申し込みの中で基準に合わないものはどのくらいあるかということは、私もまだよく報告を受けておりませんが、半分以上きっと基準に合わないのじゃありませんか。一応私の方でもって調査要求しますと、遺憾ながら基準に合いません、こういうような報告が出て参ります。これは電話の場合でも、統合局舎の場合六キロ以内でなければどうとか、いろいろなこともありますが、山の中で六キロも歩くのは大へんです。また雪道なども東京のような感覚ではいけないと思うのであります。特に日本は、かすりのような状況で全国に人口が分布しておりますというと、明治初年からの基準だけで、その後幾ら改正をしたにしても、新しい立場で新しい基準を作らなければいかぬ、こういう考えで、今基準をもう一ぺん考えようということでありますので、これはもう早急に郵便局舎設置の基準を新しく設けたい、こういう考えでございます。
  47. 森中守義

    森中守義君 基準の内容については、これは後日に譲るとしまして、ここに出ている二百局、これは固まった数字ですか。
  48. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これはもう固まったというよりも、もう足りないくらいな数字であります。その例を申し上げますと、こういうことはあまりよくないと思うのですが、十何名も二十何名もいるような簡易郵便局があり、そういうものはどうしても、普通局か、特定局分局もしくは特定局に種別改定をしなければならないにもかかわらず、各郵便局にたった二つぐらいしか割当がないので、十分にできない、こういうふうな事情があります。だから、来年度割り当てられたらこの局を上げるのだ、来年度割り当てられたら、この局を上げるのだというのじゃありません。郵便局の設置などというものは、全く遅々としてはかどらないということでありますので、二百局は最低限初年度でやりたい。初年度五百局という案を事務当局に出したのですが、あまりに大臣と事務当局の案とかけ離れているのも困る、こう思いまして、相当私に事務当局がなれるまで、二百局ぐらいにしようというので、三十三年度は二百局原案を要求しているわけであります。でも、これはもう要求の一割にも満たない数字でありますから、問題なく設置場所も決定し、直ちにでも建設にかからなければならぬという個所であります。
  49. 森中守義

    森中守義君 今の大臣の説明の中に非常に重要な点があります。それはこの設置基準を中心にして次の通常国会までには新しい設置基準を検討してみたい、こういうお話でありますが、二千五百の希望数に対して、新しい設置基準を検討されて、それに合うようなものがあればですよ、この二百局という数字はさらに増高の可能性がありますか。
  50. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私は五百局もやりたいのですが、これは予算が伴いますから、だから現在の五十局、特に大蔵省当局の意向としては、五十局やっても三十局くらいしかやれない年次もあったんじゃないか。昭和何年でありましたか、百三十局ばかり割当てたときさえも五十局以下しかできなかった。だから二百局割り当てられてもできないだろう、こういうことを言われる可能性もあるわけであります。これは郵便局舎の設定や何かでできないのじゃなく、その局長の問題とか、いろいろな別な問題でもってできないのであって、今度は一つ大幅に郵便局を新しい基準によって作るのだと、こういうことであればそういふうな問題がありませんので、今年度はずれても来年度また二百局やるんだからということになればしごく円満にいって、今までよりももっと合理的に設置できると、こういう考えであります。だから今の段階において、三十三年度が二百局以上にふやすということは、これは私も所属政党であるところの自由民主党にも話をかけておりますが、相当政治的な、政策的な問題になりますから、これは私の力だけでは二百局をとれば非常にいいと思いまして、これは皆様のお力をお借りしなければ二百局以上にはちょっとならぬじゃないか、こういうふうに考えております。
  51. 森中守義

    森中守義君 どうも言葉じりを取るようですがね、郵政事業はあまり政治的な色彩を持っちゃいかぬと思うのですよ。二千五百局の希望は、ほんとうに地元の住民がどうしても郵政事業に恩恵をこうむりたい、こういう精神のもとに私は出ておると思う。もっとも中には選挙地盤を中心にした代議士先生に頼もうと、こういうまあいろいろなことがありましたり、あるいはそういう国会に席を持つ者あたりが作ってやろう、こういう特殊な例はありましょう、中にはですね。しかし、その事の当否は別問題として、やはり郵政事業というものは普遍的に全地域に事業の恩恵を与えていくというのが公共専業の本旨でなければならぬと思いますから、私ははしなくも大臣が現行の設置基準というものは相当古いものであって実情に合わない、こういう意味にもとれる、しかも、そういう精神のもとに通常国会までにはこの設置基準の改変をやりたい、こういう御意思であれば、自由民主党内の御意向がどういうものであるか、あるいは大蔵省がどういうものか知りませんが、もう少し所管の大臣として可能性があるならば、これは新しい設置基準に沿って少くとも二千五百局のうちにその半数が新しい設置基準に合うとするならば、実現がどの程度であるかということはやってみなければわかりません。しかるがゆえに、もう少し勇敢にこの数字というものは、新しい設置基準に合うものは全部作る、こういう方針を堅持してほしいと思うのですが、そのことについて御答弁を承わっておきたいと思います。
  52. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私は二千五、六百局の要求に対して約半数くらいだと申し上げましたが、今局長からの調査では大体千五百局が現在の基準に合うそうであります。千五百局ですから、とにかく私の考え通り二百局くらいずつではまだ不足だ。それが五十局くらいずつしかやっておらないから、この設置の請願に対しては非常に大へんなものであります。そういう意味で新しい基準を作るとすれば、きっと二千五百局くらいみなやっても足りないというふうになるかもわかりません。それで私が先ほど申し上げました通り郵便局設置、五カ年計画法とか、郵便局舎設置十カ年計画法のような法律の裏づけを持つものができれば非常に幸甚だということを考え、また幸甚だと申し上げたい。私たち政府部内の意見がまとまって政府提案として出せればこれを出したい、こういう相当明確な、また熱意を持った気持でおるわけであります。来年度にまあ二百局増そうというのは、私がただいま申したように、二千五百の処分をどうしようかというまだ明確な線が出ておらないときに、八月の末までに概算要求をいたしましたので、そのときにも五十局じゃだめだぞ、二、三百局にしなさい、こう言って出したのが現在の概算要求でありますから、予算折衝過程においてはもう少し検討してみたい、こういう考えでございます。  この際でありますから、例を申し上げると、東京都は七百五十万程度の戦前において、すでに六百五十局あったそうであります。それが今年度現在は八百三十万になっておって四百五十局ということでありますから、数の上では二百局も不足しておるということでありましょう。しかし、戦後は道路等の問題も解決せられておりますし、また機械化という問題も進んでおりますから、戦前の率で二百局減っておるというわけにはいかないでしょうが、いずれにしても先ほど申し上げたように、郵便の集配というだけではなく、窓口をたくさん作ることによって、貯金や保険のサービスにもなるのだということになれば、おのずから今までの郵便局とは違う立場にもなりますから、新しい基準ができれば、最小でも東京だけでも二百局以上減るのでありますから、そういう意味からいって、二千四、五百局今出ておりますが、これももう郵便局の設置というものは大体五十年の請願歴史を持たなければできないのだというふうに一般の請願人は考えておるようでありますから、そうでなく、新しくほんとうに必要なときには必ずできるのだぞということになれば、五千局ぐらいにはたちどころになると思うのです。そういう実態を考えまして、新しい基準において新しい局舎建設計画を立てたい、しかもそれはできれば三十三年の予算編成期まで間に合わしたいということを考えておりますので、一つ御声援を願いたいと思います。
  53. 森中守義

    森中守義君 それは声援どころではなくて、どうしてもやってほしいところですよ。ですからこの二百局というものは、新しい設置基準を基礎に置いて、さらに数字の移動がある、移動というのは増高の可能性が大臣の責任においてあり得ると、こういう工合に理解してよろしゅうございますね。
  54. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) はい。
  55. 森中守義

    森中守義君 それともう一つは、そういう二百局が五百になるのかあるいは三百になるのかわかりませんが、昨年のように五十局の新設に対して五十名、こういうばかげた定員要求ではなくして、五百局であれば、あるいは三百局であれ、それに要すべき定員の算出をされる、こういう工合に理解してよろしゅうございますね。
  56. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) その通りでありますが、二百局以上にふえる場合はこれはもうけっこうでありますが、政治力が微力であって百五十局に減るような場合も考えられるわけであります。これは非常に困りますから、これは一つ私の責任を追及するばかりではなく、私自身も大いに努力をし、自分の初志を貫くようにいたしますが、そういう意味で一つ超党派的な御声援をこいねがっておるわけであります。
  57. 森中守義

    森中守義君 それから定員のこの重要な項目として一万一千八百名の中に、今まで省内にいた非常勤ですね、この人たちは何名入っておりますか。
  58. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) こまかい数字はよくわかりませんが、郵政省内の非常動を定員化さなければならない数字は九百七十数名だと思います。千名弱であります。
  59. 森中守義

    森中守義君 そういうことになりますと非常勤の職員が約九百名程度であれば、純増の一万一千八百名ということになりませんね。すでにもう省内で作業をやっておる。その人たちを本定員にするわけですから、確実に一万一千八百名が現行の郵政省定員プラスをされる、こういうことになりませんね。
  60. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 一万名まあふえると、こういうことになります。
  61. 森中守義

    森中守義君 数字としてはそういうふうになりますよ。しかし、もう省内で働いておるのですから。
  62. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) そうです。
  63. 森中守義

    森中守義君 そういうことでしょう。ですからさっきの御説明では定員一万一千八百名というのは、私は少しとぼけていたのかもしらぬけれでも、要するにほんとうにプラスされた一万一千八百名だ、こういうふうに思っておった。その中に非常勤が入っておれば、純然たる一万一千八百名の増加にならぬ、こういうことじゃないですか。
  64. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 一万一千八百名から九百七十何客引きますから、大体一万一千名弱現在よりもふえる、こういうことになるわけであります。
  65. 森中守義

    森中守義君 昨年の定員審議します際に、郵政省では約一万六千人くらい非常勤職員がおる、こういうことを当時の大臣は説明していたんです。それで非常勤職員を本務者に任用がえをするということは喫緊の急務である、郵政省においては七年あるいは八年間も非常勤職員でおる、こういうことを言っていましたが、これは身分が不安定であって、しかも、低賃金である、しかるがゆえに、どうしてもこれは本務者にする必要があるという岸言明が行われて、一万六千名は全員はできないけれども、昨年のごときは六千何百名の要望の中に、その非常勤職員は相当数入っていた、最初の要求の中には。ところが、今年一万一千八百名の要求の中に九百名であれば、一万六千名と九百名といえば、えらい大へん数字的な違いがあるのじゃないですか。今年あたりはこの非常勤一職員についてはあまりめんどうを見ていない、こういう結論になりますね。そうなれば昨年の通常国会の際に、両院とも非常勤職員はすみやかに本務者に切りかえなければいかぬ、こういう付帯決議がついている。それを内閣は全体の責任において、できるだけ次の通常国会には善処するようにいたします、こういう答弁が行われておるのですよ。そうなればその趣旨というものはだいぶ違った方向に現実として現われておるのですが、どういうことになりますか。
  66. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 前郵政大臣が一万六千名非常勤がおる、しかも、これを直ちに定員化しなければならないと言われたとすれば、どういう根拠で言われたか知りませんが、いずれにしても郵政省で現在当然定員化さなければならない者は千名弱で九百七十何名、正確な数字であります。これはこういうことじゃないですか。数字と実情をつまびらかにしませんから次回に申し上げますが、私もこれは予算審議のときに相当突っ込んで話をしたのです。これは当然定員化さなければならない人はもっといるじゃないか、総員の一割にしても二万名というわけだから、どういうわけなんだと、こう言いましたら、内規その他規則もあるでありましょう、何か六カ月過ぎたらどう、一年過ぎたらどう、二年過ぎると自動的に定員化されると、こういうような問題がありまして、そのワクにひっかからないで、当然長く勤務しておって、定員化さなければならない者は、この中には看護婦とか、その他いろいろなそういう雑役も含まれておりますが、そういう者は正確な数字として九百七十何名であります。これはこの委員会でかつて御答弁申し上げておりますが、それだけはどうしても定員化をする必要があるというので、これを含めて一万一千八百名の定員増要求を行なっているのでありますから、内閣総理大臣が当然定員化しなければならない、非常勤職員を定員化そうといった言明にもとるとは思っておりません。またもとらないように、十分注意をしてやったことでございますから、もとっておらないと確信しております。ただ一万六千名というのは、年末年始とか、そういうときに使う、ほんとうに臨時雇用人までみんな含んでおって最高一万六千名、こういう数字だと思います。しかし、これは定員化さなければならないというふうに厳密に考えなければならない職員ではないようでありまして、われわれの一万一千八百名は、サービス向上、それから新しい施策に基いてはじき出した定員増でありまして、また各部門から要求されておる定員要求したのであって、臨時雇用人で、しかも、長期の雇用者であって、定員化されなければならない者を除いておるということは絶対にないと思います。
  67. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ちょっと速記  をとめて。   〔速記中止〕
  68. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をつけて。
  69. 森中守義

    森中守義君 今の数字の問題は、これは行管も出しているのですよ。そのときに一万六千名という数字は合っておる。郵政大臣と人事部長、それから事務次官が答弁しておりますが、大体数字は合っておる。ただそこで、規定上任用しなければならないとするのが九百名という大臣認識、ところが、われわれの認識は違う。要するに先刻も繰り返しておりますように、その年次休暇がとれない。それじゃこちらの方から一つ非常勤を雇おうということを言われておりますね。だから人夫とか、あるいは一ヵ月更新とする、そういうごく短期の者は除いても、一万六千名の中にごくわずかしかその人たちはおらぬということ、あとは事務補助員です、みんな。だからそういう者が主として一万六千名の構成要素になっておるから、当然これは郵政省のほんとうの職員として採用する必要がある、こういう考え方が前国会まで一貫して貫かれている、地方当局も。だから私ども、今大臣が言われるように、九百名が規定上の問題であって、あとはただいるのはいるが短期の者だ、こういう解釈にはならぬと思う。そこに解釈の相違があります。だからこれはすみやかに事務当局にもう少し調査をさせられて、すみやかに一つ数を出してもらいたい。それと、認識としては、どうしても郵政省に人手が定員法上足りないので、だからその代務者的な意味で事務補助員として一万六千名なければならぬから、これは早晩郵政省としては本務者に切りかえる必要がある、こういう認識を持ってもらいたいと思う。だからそういう認識と思想のもとに付帯決議は両院とも通過しておるのですよ。そのことは行管の長官も、岡部管理部長も——今は局長ですが——それから郵政省も、全部そういう一貫した方針のもとに、国会答弁もしておりますから、そこに大臣が曲解をされては認識を変えられないようにしないと、これはもう付帯決議の意義が全く喪失されますから、特に私はその点はだめを押して大臣答弁を求めておきます。
  70. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 精神は違っておらないのですが、認識幾らか違っておるようでありますから、この認識の基礎になる数字は私も一つ十分研究をいたして、調査もいたしましょう。私はこの際申し上げておきたいのは、私の精神そのものは、いわゆる一般的な考え方から見ますると、同じ官庁の中でも、正式採用されるまで、郵政省は非常に長い、それから大蔵省等は短かいというような話も聞きますので、そんなことがあるならば不公平だから、それは画一的に行うべきだ、こういうことも現在言っておりますし、特に本務員にならないために恩給その他に対しても積算の基準が乱れ、非常におもしろくないというような問題もありますし、また六カ月で切り離して働いておっても、実際は一生郵政事業のために働いているのだが、雇用契約が違うために非常に損をしている、こういうことは不公平だという考えに対しても、私も非常に強い考えを持っております。特に今度の団体交渉の中でも、その本務者が一年に二十日間の有給休暇があるにかかわらず、臨時者が六日しか認められておらない。しかも、これを本務者と同じく二十日間認めろという要求があるのですが、もちろん臨時であって、完全な臨時のものであるならば六日でも妥当かもしれないという議論をしましたときに、実際上は本務者と何ら変らなく、一生やっているんだ、こういう話がありましたので、そういう状況であるならば、それは十分抜本的にものを考えなきゃいかぬ、こういうことを私も回答しております。特に御承知の政府委員室に二人の女子職員がおりますが、これは両方とも大学卒業生であります。しかし定員外のために、何年間も本務員になれない、本採用になっておらぬ、こういうことを調査した結果、非常に私も驚いておりまして、そういうものは当然定員化さなければならぬじゃないか、こういう考えを持っておるのでありますから、だから精神においては、その両院の付帯決議にもとるような考えは絶対にありません。それよりももっと強い考えを持っておるといっても過言でないと思うのであります。いずれにしても、私の認識幾らか違うかもわかりませんし、事務当局をして、そういう問題に対しては、これは議論をしたりという問題じゃなく、もっと本質的な問題として一つ解決するように努力をいたします。
  71. 森中守義

    森中守義君 今の大臣答弁で大体了承いたしますが、要するにこの院の付帯決議というものは、明らかにただいままで私が申し上げたことを言っております。もっと区別をしていえば、常勤的労務職員ですね、こういう人たちは全部本採用にしなければいかぬ、こういう工合になって、それを両院とも決議が成立をして、内閣の方に回っておるし、また決議に至る過程では政府当局もそのことを確約をしております。一万六千名の内容をすみやかに検討されて、一万一千八百名の中に何名入っておるか、あるいはもう少しふやすべきではないか、こういう結論を持ちながら予算折衝を続けていただきたいと思います。
  72. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) わかりました。
  73. 森中守義

    森中守義君 それから最後に、電波関係をちょっと私触てれおきたいと思うですが、昨年電波関係定員要求が二百七十二名であったと考いております。で、これが結果的には一名もふえておりません。また予算の総額においても、一億五千万の増加であって、人といい金といい、現在のようにきわめて業務の内容が広くなり、しかも、いろいろとこの重要な仕事を扱っている電波関係の金といい、人といい、全く昨年は考慮が払われておりませんから、この電波関係について、私は特段の大臣の配慮と考慮を必要とすると思うんですが、この根本的な見解について、大臣の意向をただしておきたいと思います。
  74. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 電波関係につきましては、私が三十六局も免許を与えておりますし、電波局の仕事は非常に大きくなっておりますので、三十三年度郵政省からの予算要求に対しては、電波局は一番大きく出ておると思います。これは数字はまたあとから申し上げてもけっこうです。特に電波局は、外局として電波庁を作ろうという意見も政党の内部には相当強いようでありますし、私たち省としましては、今般に限り、電波局は内局のままにしておくが、各課を部制をしこう、各課を部にかえて部制をしこう、画期的に内容充実をはかろう、こういうことでありますので、人員、予算ともに大幅な増額要求をいたしております。
  75. 森中守義

    森中守義君 設置法あるいは組織法に抵触するような今の機構問題等は、これはまた別の機会に譲りますが、昨年あるいは一昨年の延長された課題として、要するに電波は金がふえていない、昨年の一億五千万は、まさにこれは自然増ですよ、自動的にふくらまなければならぬような金がふえたというだけであって、特別に予算上めんどうを見られておりません。また人間にしても二百七十二名ということでありましたが、これも一名もふえていない。そして前の村上、平井両大臣は、こういう答弁をされておりました。非常に変った仕事であるから、機械を新しくする、あるいはまた人を新しく訓練所か何かに入れて、要するに優れた技術者で仕事をやっていく、だから金も人もよけい要らぬ、こういう意味にもとれやすい答弁がありましたが、私はその当時も主張したのでありますが、これはやはり本末を誤まっております。第一、機械の問題にしても、現場の検査官事務所あたりに行って見ると、もう十年も十五年も前の機械を配置しておりますから、これでは周波数の測定も何もできない、予算要求を出しても、くれない。だからメーカーかあるいは船舶に積んである測定機を借りて、それで検査官が測定をやっている。こういう測定の方式になれば、まさに電波の威信は私は地に落ちたものといわなければなりませんし、これは前大臣などの答弁に対する繰り返しのような私の意見でありますが、相当大幅に電波関係には、機械の設備あるいは人員の増加、この主要課題について、この際、大臣の英断を特に私は促しておきたいと思いますが、確実に約束いただけるかどうか、明確に御答弁を承わっておきたいと思います。
  76. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 電波に関しては、私も民放及びNHKの拡充の問題に対して、ただ単に無計画に免許を行なったのではありません。人工衛星も出ておる時代でありますから、日本が科学及び電波関係に対して予算が少いという問題に対して、非常に遺憾の考えを持っておる一人でありますので、特に電波関係予算に対しては、大幅な増額要求し、これに対しては私も一誠意をもって解決をしたい、こういう考えであります。特に電波に対しては、今年度予算要求に対して、国立電波研究所のような大きな構想も持っておったのでありますが、私一人だけの考えでできるものでもないので、また概算要求当時は八月の末でありまして、民放に免許を与えるという寸前でありましたから、そういうものも加味をして、相当大幅な予算要求をしております。これが実現に対しては、私ども責任として当然やらなければならないということを感じておるわけであります。で、これが昨年度のように、予算も取れないようであるならば、これこそ全く野放しに民放を免許したということになるのでありまして、これは私も深刻に予算の獲得に対しては努力をいたすつもりであります。
  77. 森中守義

    森中守義君 これで終りますが、もうおそらくこの臨時国会定員の問題について大臣に対して質問する機会を得ないと思います。それで私は今までの質疑応答の中で、大体大臣のお考えになっていることが明らかになりましたので、これ以上この機会に申し上げることを差し控えたいと思いますが、最終的に言えることは、やはり郵政事業という特殊な官庁でありますから、先刻も大臣答弁をされたように、みずから進んで定員法ワクを破るという方向へ、事業の実態に即応した定員の配置をするという方向へ進んでもらいたいということと、それと、予算の編成の仕方でありますが、従来の郵政省予算の編成の実情を見て参りますと、大体職場の実態であるとか、あるいは各事業局部門の深刻な意向というものを、経理局あたりで相当大幅に査定をしたやり方をしております。これで私は各事業局部門というものは非常に困るんじゃないかと思いますので、大蔵省との予算折衝に当っては、もっと詳細な、ぎりぎりここまでは引けないんだ、こういう資料を十二分に持ちながら、全面的に郵政省要求大蔵省に主張できるように、こういう予算折衝を特に望んでおきます。  それともう一つ、一万一千八百名という、こういう数字が出ておりますが、これは予算編成作業の一過程における数字だと現状において私は理解いたします。あくまでも年次休暇がとれない、あるいは職場はものすごい労働強化になっている特に非常勤職員等がおります。こういう総合的な視野の上に立って、一万一千八百名というものは、もっと大幅に拡大した要求にしてほしい。  さらに電波の問題も、今大臣答弁の中にありましたように、勇敢に一つ実現できるように、特に要望申し上げて私の質問を終ります。     —————————————
  78. 宮田重文

    委員長宮田重文君) それでは次に請願の審査を行います。  第四十号、岐阜岐阜郵便局庁舎新築に関する請願、第四十一号熊本県松橋郵便局普通郵便局昇格に関する請願を一括して議題といたします。まず紹介議員の森中君より御説明を願います。
  79. 森中守義

    森中守義君 岐阜郵便局の新築は、ここにその趣意書を載せてあります通りに、非常に困窮の極に達しております。従って、新しい年度予算を構成されるに当りまして、現地の実情等を十二分にしんしゃくの上、ぜひ本件が具体的に実現するように特に私はお願いを申し上げておきたいと思います。  それから続いて熊本県松橋郵便局の普通局昇格の問題でありますが、これはすでに五年ほど前に新しい局舎を設置されております。しかも、この局舎の設置の際に、行く行くは普通郵便局にする、こういう構想のもとに局舎が新しくできております。しかも、熊本県の南部に位しまして、経済あるいは文化あるいは地方行政上きわめて枢要な地位にありますし、今熊本郵政局の方でこの昇格の問題をいろいろ調査をしておりますが、大体定員あと一名ないし二名増員になれば現行のいわゆる設置基準に該当いたしまして、普通局昇格の可能性が十二分にある、こういう報告を受けております。従いまして、熊本県下で普通郵便局に昇格をさせる順位としてはまず一ないし二、こういう好順位のところにありますから、ぜひこの機会に採択をいただきまして、三十二年度にはどういうことがあっても普通局に昇格できるように、今日の種別改定等の問題で非常に郵政省でもこの点に力点を注いでおりますから、具体的にここでまた普通局に昇格できるように御採択をお願いしたいと思います。
  80. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 政府の御所見。
  81. 最上英子

    政府委員(最上英子君) お答えいたします。岐阜郵便局の局舎は戦災後仮局舎でございまして、まことに局舎の事情が不良でございます。改善の必要が認められますので、昭和三十四年度、なるべく早い機会に新築方を考慮することといたしたいと思います。  それから次に熊本県の松橋郵便局の昇格の問題でございますが、特定局を普通局に改定しますことにつきましては、目下特定郵便制度につきまして、さきに設置されました特定郵便制度調査会において審議をされておるところでございますので、その答申を待ちまして検討いたしたいと思っております。
  82. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 本件につきまして、御質疑もしくは御意見ございましたらば……。
  83. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 この四十一号の方の熊本県の松橋郵便局の実情は、今局員何名で分課制度をとってあるのですか。
  84. 板野學

    説明員(板野學君) 定員を申し上げたいと思います。郵便の方が一二・四でございます。貯金が四・四、保険が八・九、電通が〇・二、共通が二・一で計二十八名でございます。これには分課制度はございません。
  85. 松平勇雄

    ○松平勇雄君 そうすると、現在特定郵便局で、もっとこれよりも定員が多くて、また分課制度をとっておるようなところがあると思いますが、それはどのくらいあるのですか、御説明いただきたい、全国で。
  86. 板野學

    説明員(板野學君) ちょっと数字は現在持ち合せがございませんが、松平先生のおっしゃいましたように、これよりも定員の多いところでまだ普通局になっていないところが相当ございます。
  87. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 本請願は採用することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  次に、第百九十二号、東京都志村前野町に特定郵便局設置請願議題といたしますが、百九十二号ないし五百五十一号、これを一括して専門員から説明してもらうことにいたします。
  89. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。第百九十二号は、東京都板橋区志村前野町、ここに特定郵便局を設置してもらいたいという請願でありますが、その趣旨は、この志村前野町は非常に面積が広く、人口の密度も年々増加してきておるという傾向にあるが、郵便局は非常に遠隔の地にあって徒歩で十五分ないし二十分も要するような所にあるので、利用上非常に不便であるから、この前野町の千百七十五番地に特定局を作ってもらいたい、こういうのであります。  それから百九十三号は 宮城県仙台市の荒巻に特定郵便局を作ってもらいたいという請願でありますが、その内容は、この荒巻地区は官公舎を初め一般住宅が最近非常にたくさん建築せられて、戸数も三千余りに及んでいる、ところが、郵便局の利用がこれまた非常に不便であるから特定局をこの荒巻の地区に作ってもらいたい、こういう趣旨であります。  続いて百九十四号は、宮城県の蔵王山の山頂に郵便局というのがあるわけでありまするが、その局舎を新築してもらいたい、こういう請願であります。その内容は、蔵王山頂郵便局は東北で唯一の期間郵便局であるが、開設期間がわずか四十二日間であって、そのつど毎年建築したり、あるいは建物を解体したりなどしておるけれども、登山者も年間二十万をこえるというような実情であるから、局舎を新しく新築をして常置するということにしてもらいたいという趣旨であります。  それから続いて二百九十号は、北海道の三笠市内の電話交換区域を統合してもらいたいという請願でありますが、この三笠市内における電話交換区域は、幾春別、三笠の二つの電話局に分れておって、加入者はもちろん、一般市民の不便この上もないのであるから、しかも、市は局舎の敷地を無償で提供するという用意もしておるから、すみやかにこれを一局に統合してしまって、市の発展に寄与するようにやってもらいたいというのであります。  二百九十一号、静岡県、浜北町に電報電話局を設置してもらいたいという請願であります。この浜北町は、浜名町外四カ村の合併によってできた新しい町であるが、これまたこの区内に電話局が六カ所、六局あって、加入者及び周囲の不便まことにはなはだしいから、これを統合して電報電話局を作ってもらいたいというのであります。  二百九十二号は、北海道の夕張電報電話局の電話交換方式を改善してもらいたいという請願であります。夕張市における電話通信は磁石式になっている一のと、また市内にこれまた七カ所の電話局があって業務が非常に非能率であり、また利用上の不便もまことにはなはだしいものがあるから、すみやかに夕張の電報電話局の交換方式を自動方式に改善すると同時に、七つの電話局を統合してもらいたいというのであります。  四百五十九号は、電信電話及び郵便集配区域の統合調整に関する請願でありますが、請願者は山形県の町村議会議長会の請願でありまして、これは山形県におけるただいま申し上げました各地区の電話局及び郵便局の統合を請願いたしたものであります。  それから五百十九号は、大分県の鶴崎市の明治という地区に特定局を作ってもらいたいという請願であります。この鶴崎市の明治地区は人口は四千八百もあります。近来は諸産業が非常に発達しておるのであるが、郵便局がないために非常に住民は不便をしている、よってすみやかに急速に特定局を設置してもらいたいという請願であります。  五百五十一号は、郵便切手類売りさばき所及び印紙売りさばき所に関する法律の一部を改正してもらいたいという請願でありますが、その内容は、現在この手数料が非常に低額であるばかりじゃなくて、一ヵ月の取扱高が百万円以上になる場合には手数料を支給しないということになって、まことに不合理な制度であると思う。よって法律改正して、一般取引通念に合致するような手数料額に是正してもらいたいというのであります。  以上であります。
  90. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 以上一括して説明がございましたが、これに対して御質疑あるいは御意見等がございましたら御発言願いたいと思います。
  91. 最上英子

    政府委員(最上英子君) 初めの百九十二号につきまして、請願の地に無集配特定局を設置することは、最近局に近く、設置標準に達しないのと実現は困難と思われますが、設置予定地を請願の地より北寄志村前野町の中心付近とするときには設置標準に達し、その要が認められますので、将来他との振り合いを見まして設置方考慮いたしたいと思います。  その次は百九十三号でございますが、これは請願の地に無集配特定局を設置することは、設置標準に達しますが、他との振り合い上現状においては早急な実現は困難と思われます。  その次は百九十四号、蔵王山の蔵王山頂郵便局は、定期的かつ短期間開設するものでありますので、常設的な局舎を建設することは、他との振り合い上並びに予算事情にかんがみ、現状においては早急実現は困難と思われますが、将来計画上参考といたしたいと思います。  その次の二百九十号、これは電電公社は、同一行政・区内の交換局のうち局間距離おおむね六キロ以内のものについては交換局の統合を実施いたしておりますが、三笠局と幾春別局は距離が六キロをこえておりますので、現在のところ統合を実施することは困難でありますが、できるだけ早く両地間の市外通話の待ち合せ時間の短縮をはかり、市外サービス改善したいと考えております。  なお、電報電話局の設置につきましては、土地を無償提供されるとの申し出ではありますが、現在全国には局舎が行き詰まって、これ以上電話の増設をできないという交換・局が多数あり、三十二年度末におきましては、これらの局は約三百三十局と見込まれておりますので、それらについても一時に救済することは困難な事情でありますので、三笠局につきましては、現在なお局舎に余裕があり、電話の増設が可能でありますので、当分の間現局のまま増設をはかりたいと思っております。  次は第二百九十一号でございますが、これは電電公社は第二次五カ年計画期間中には小松局の新局舎を新設し電報電話局とするよう考えております。その際、町内の宮口、中瀬の二局を小松局に統合いたす予定であります。その他の浜北町内にあって他局の加入区域である部分につきましても検討の上、できるだけ行政区域と一致するように措置いたしたいと考えております。  次は第二百九十二号、電電公社は設備の行き詰まり等のため、電話の増設のできなくなった局については、新局舎を建設して、自動改式を実施することにしておりますが、全国には右の事情により緊急に新局舎の建設を必要とせる局がきわめて多数に上っておりまして、三十二年度末に約三百三十局と見込まれ、一時にこれを救済することは困難でありますので、その程度の高いものから実施することにいたしており、先順位のものが多数ありますので、夕張局につきましては、直ちに自動改式を実施することは困難であります。また、相互間の距離の近い真谷地、紅葉山、沼ノ沢の三局につきましては、これを合併して同一加入区域とするように将来計画することにいたしますが、いずれの局も夕張局に統合することは距離の関係上困難でありますので、市外通話サービス改善をはかることによって御要望に沿いたいと考えておりますが、夕張局と各局との市外通話の疎通はおおむね良好でありますので、特に待ち合せの長い清水沢、南大夕張のうち、さしあたり清水沢局につきましては夕張との間に本年度に市外回線を増設して、通話サービス改善をはかることといたしております。  次は四百五十九号でございますが、町村合併に伴い同一行政区域を分轄して、二以上の郵便局で郵便物の集配を受け持つようになり、区分運送上困難を生じている向きにつきましては、地況等の関係を考慮して、できる限りこれを整理統合することとして、逐次郵便集配受持区域の調整をするように運んでおります。また電信電話について申し上げますと、町村合併に伴いまして、同一行政区域内に二つ以上の電話局が存在する市町村内の電話サービス改善対策といたしましては、電電公社は市町村の中心となる局より線路距離六キロ以内の局は、統合その他によりまして、市内通話サービスを提供することとし、線路距離六キロ以上の局につきましては、市外通話サービス改善をはかることとしておりますが、これらの改善を要する局は全国で六千六百局の多きに上り、そのため約七百六十億円の多額の資金を必要といたしますので、昭和三十年度以後極万努力いたしておりますが、資金その他の事情により、現在のところ一部の局についてしか実施、できない状況でございます。まあ今後とも極力この改善努力をいたしたいと存じております。  次は五百十九号でございます。請願の地に無集配特定局を設置することは、設置標準には達しますが、他との振り合い上、現状においては早急なる実現は困難と思われます。なお窓口機関利用上の不便があると思われますので、簡易郵便局の設置ならば考慮することといたしたいと思います。  次は五百五十一号、この請願のように、郵便切手類及び印紙の売りさばき手数料率を改めると約十二億三千万円の支出増となり、現在の郵政財政のもとではとうていまかないがたく、また現行手数料率も他の類似業務の手数料と比較して極端に低いとは認められないので、本案を受け入れることは困難であります。しかし、売りさばき所における業務の円滑なる連行を期するためには、適正な売りさばき手数料が支給されなければならないことは当然でありますので、この点において現行料率を改訂する必要があると認められ、目下これが改訂方取り運び中であります。
  92. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  93. 宮田重文

    委員長宮田重文君) それでは速記を始めて。  続いて、百九十二号につきまして……。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択することに決定いたします。   百九十三号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択に決定いたします。   百九十四号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択に決定いたします。   二百九十号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 宮田重文

    委員長宮田重文君) これも採択に決定いたします。   二百九十一号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択に決定いたします。   二百九十二号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 宮田重文

    委員長宮田重文君) これも御異議なければ、採択に決定いたします。   四百五十九号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択に決定いたします。   五百十九号。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択に決定いたします。   五百五十一号。
  102. 横川正市

    ○横川正市君 先ほどの森中委員質問の中で、郵政大臣郵便切手の売りさばき手数料についても、三十三年度予算の中では考慮しなければならない、またその改正のための法律を提案する用意があるのだというふうに答弁しておったように私は記憶しておるわけなんであります。そこで、この請願の趣旨は、前国会のときにも同じようなことが請願が出されて、その後郵政当局のいろいろな態度を参酌するに、今政務次官から答弁ありましたように、このままの請願を実施すれば十二億三千万円程度の支出増となるというふうに金額上明示され、しかも、それが現在時において端的にほかの取扱いの手数料と比べてみて、極端に低くはないんだという認識に立っておられるようでありますが、そういうことになりますと、法律改正をしなければならないという大臣の意思がどこにあるか、ちょっと私はふに落ちかねるわけなんで、そこで、たとえば百万円を一つの限度にして、それ以上売っても全然手数料を引き上げていかない、逓減で幾らかずつでも引き上げていくという、こういう改正をする意思があるのかどうか、この点は私は郵政当局として、法律案を提出する用意があるというのだから、何かそういうような一つの便法を講ずるための法律を提案しようとしているのか、こういった点について、もしも政務次官で知っていらしたら御答弁願いたいと思うの、であります。
  103. 最上英子

    政府委員(最上英子君) 私も実はあまりこれはよく知らないのでございますけれども、今横川先生のおっしゃいましたことにつきましては、まことにごもっともだと思います。先ほど大臣からも御答弁がございましたのでございますので、これはよく帰りまして検討いたしましてから、また次回に御返答申し上げたいと思います。
  104. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  105. 宮田重文

    委員長宮田重文君) では速記を始めて。  五百五十一号についていかがですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議なければ、採択することに決定いたします。請願の報告書については、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  108. 宮田重文

    委員長宮田重文君) この際、継続審査及び調査についてお諮りいたします。本国会において審査及び調査を行なっております電波法の一部を改正する法律案、郵政事業職員等共済組合法案、郵政事業運営に関する調査電気通信並びに電波に関する調査は、それぞれ本国会閉会中も継続して審査及び調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 宮田重文

    委員長宮田重文君) さよう決定いたします。  それではこれにて休憩いたしまして、三時に再開いたします。    午後二時一分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————