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国務大臣(
田中角榮君) 先ほど申し上げようとして一番いいところを忘れてしまったのですが、そういうことを
考えております。これは
財政投融資計画に基く貸し出し先に対して
発言力を強めるという問題、それからもう
一つは、直接
預金者に対して
還元方法はないか、直接貸し出しの
方法はないかという問題、もう
一つは、
貯金、簡保というのは
郵政省の中の大きな柱の
一つでありますから、せめて
郵政部内
関係でもって何らか利用する道はないか、こう三つに分けられるわけであります。NHK及び電電
公社等に対しましては、
資金運用部資金法第七条によって
運用せられておるわけでありますが、これは
合理的な
運用が現在においてなされておるとは思えません。これは電電
公社に対しましては、二十八
年度以来
資金の不足は公募債によってまかなうというふうになっておりますので、従来
資金運用部資金より融資が行われておったのが、この二十八
年度以降閉されておるわけであります。現在は貸出残高が、電電
公社においては百三十三億だけ
資金運用部から出ておりますが、二十八年後は出ておらぬ、こういう
状態であります。NHKにおきましては、二十八年当時融資を希望したのですが、融資順位が悪いと言われたのですが、きっとより重要な産業がある、いわゆる比重の度合いということでNHKが削られております。私は放送
業務というものが最重点的産業であるということをもう就任当時から明らかにしておるのでありますから、NHKに対しても、当然
資金運用部資金を一般よりもより低利に長期にわたって貸し出すような道を開きたいと、こういうような
考えでございますが、そして電電
公社等に対しましては、今
年度六十億の繰り延べの問題もありますので、これだけ大きな金を預けておりまして、現在は約七千億でありますが、七千億も預けておいて六十億も自由にならないというのは、遺憾ながら
郵政大臣の政治力が足らないだけでなく、機構その他にも問題があるのでありますから、これは三十三
年度の予算編成に当りましては、この種の事業に対しては十分
資金が流せるような方途を講じなければならない、また講じたいということを
考えておるわけであります。私の方から言いますと、少くとも昔の逓信省から出たものぐらいは、他人ではありませんから、他人に貸せるならば、せめてわれわれが集めたものを身近なものからまず最優先的に貸し出してもらって、その次にはということを私としては言いたいのであります。そういう
意味で大蔵当局や
政府部内でもそれは当りまえな議論だろうという気持にもなっておるようでありますから、このNHKや電電
公社の問題は何らかの道が講じ得るということを
考えております。またそう
考えていただいてもよろしいと思います。
直接貸付の問題につきましては、これはなかなか議論があります。ありますが、私の方でも案がありますから、御相談申し上げます。いろいろな問題に対して
政府部内において
意見の統一もはかりますが、また国会の御審議の過程においても、相当調整をしていただかなければならないかというふうにも
考えますが、しかし、直接融資の問題もできれば道は開きたいという熱意を持っておるわけであります。
郵政関係の中で一番問題になっておりますのは
郵便局舎の改築の問題でありますが、これに比べて私は今人工衛星を見ておりまして、日本で人工衛星をやるとすれば主管
大臣は
郵政大臣だと、こう私は
考えておるわけであります。七千億もあれば小さな人工衛星くらいはやれるのではないかと
考えておりますが、とても人工衛星の金が出そうにもありません。七千億も集め、なお年金や保険の金を合せて一兆数千億にもなっておるのでありますから、年間予算をほとんど
郵政関係でまかなえるというくらいな問題でありますので、少くとも電波の研究所の費用くらいは何とか出せないかということで話をしておるわけであります。そういう
意味で、その電波
関係及び電気通信の研究所の創設及び
郵便局舎等の
資金に対しても、何らか
一つ法律で裏づけをし得るようなものができないかということを
考えております。特に局舎の問題につきましては、これはまだ固まっておりませんが、三十三
年度の予算において二百局作りまして、三カ年間で五百局を作りたい、こういう予算の要求をしておりますが、実際は窓口整備という
意味で五百局ぐらいではどうにもならないと
考えております。東京だけでも二百局全部便ってもまだ足らないのではないかというふうにも
考えられますので、皆さんの今のようなお話があり、またそれが実現できるようになれば、
郵便局舎二千局五カ年計画法というようなものができ、しかも、
資金運用部資金の問題、特に
貯金会計がこれに対して相当大きな力を出し得るということを
考えれば、
ほんとうにいいのだという
考えを持っております。しかも、それは夢ではなく、私も三千局五カ年計画がのめるか、二千局五カ年計画がのめるかはわかりませんが、過去において道路建設十カ年計画を立法した私でありますので、特に
郵便局舎の増改築、新設という問題に対しては
一つ何らかの立法処置をいたしたいという
考えでございます。