○栗山良夫君 実は私、午前中の予算
委員会におきまして、首相初め各閣僚に、産業経済問題を中心にして、いろいろな
政策の激変しておる内容について
お尋ねしようと思って始めたのでありますが、事実は私の持ち時間が切れてしまって、十分意を尽さなかったのであります。特に岸総理は三悪の追放をやるというので、暴力と汚職については大体概念というものは
国民はつかめるのだけれ
ども、貧乏を追放するという、貧乏はこれは悪の
一つに入っておるが、この貧乏を追放するという、貧乏というものはどういうものなんだと、こういう
質問を始めたところが、さっぱり要領を得ないためにだいぶ時間をとりまして、できなかったわけであります。そこで、私は大体大蔵大臣が、これは両院の本
会議、あるいは衆参の予算
委員会を通じて、経済
政策の転換を追及されて答えられた点は、
輸出は大体計画
通り伸びているのです、最初の予想
通り伸びている、ただ
輸入が予想外にふえたので、こういう赤字を招来したから、従って
輸入を押えているのです、こういう
説明なんです。別に
政府というものがそう大した失敗をしたわけでもない、こういう現象が起きたから外貨が減ってしまったのだ、こういう
説明なんです。そこで、それじゃ
政府の
責任所在というものは明らかにならないじゃないかというので、実は経済企画庁が発行した
昭和三十二年七月十九日付の年次経済
報告書を見ますと、
政府の答弁とは全然違って、経済の見通しが間違っておったということを正直にこれは書いているのですよ。私、その点では非常に敬服しているのですが、いろいろな点で書いております。別に消費がそう伸びたのではない、消費は伸びなかったと書いている。貯蓄はふえていると書いている。しかも最近の経済の動きは、
景気循環論の定石
通りに行われたのだということも書いておる。また諸外国は一九五五年以来同じような悩みを持っておったけれ
ども、事前に工合よく手を打って、突然変異的な手を打たなくても、経済を安定さしてきたということも書いている。その他いろいろ実に克明に分析をして自己批判をしておりますので、私は敬服しておりますが、そういうことは全然閣僚の頭にはない。そういうことを押し問答をしておる間に時間がなくなったのですが、最後には岸総理も大蔵大臣も、確かに見通しを間違いましたということが先ほどはっきりしましたから、これはその点はいいわけです。企画庁の
報告書の
通りに内閣も一応考えたということになるわけですから、いいのですが、そこで問題は、
貿易政策について、
輸入の抑制ということは、先ほど土田さんの御
質問の中にありました、原材料のストックの問題もありますから、どの
程度に抑制したらいいかという数量的なこともあるでしょうが、もっと根本的な問題で、私は
輸出問題については二、三点
政府の所信をたださなければならぬことがあるわけなんですが、また
輸出の問題については、これこそほんとうに一、二の
減税措置だとか保険
措置のような、いわば火事どろ的な
政策でなくて、根本的な問題を私はやはり
政府は具体化しなければならぬ問題があると思うのです。そういう点について通商産業大臣の出席を求めて私は少しただしておきたいと思うのです。ですから、きょうは大蔵省の主税局長お見えになっておるわけですし、白井次官とお二人お見えになっておりますが、通商産業省、それから経済企画庁あるいは大蔵省に共通する問題ですが、特に通産省に
関係する問題でありますから、明日でもけっこうでございますので、大臣の出席を求めて、しばらく私に時間を与えていただきたい。このことを
委員長にお願いをいたします。きょうは私の発言をこれでとどめますが、お取り計らいを願いたいと思います。