○山本經勝君 一応そういう
状況にあるということは私も推察がつく点もあるのですが、ただ
労働省として私は
一つは
責任のある問題があると思うのです。現に
駐留軍労務者は実力行使をやっております。御
承知の
通りその主たる問題は、今度の米軍の地上戦闘部隊撤退に伴う六万五千人の
大量離職、あるいはこれに伴う
政府の取扱いに対する
要求を闘争の目的といたしております。そうしますと、これはやはり労働問題という視野に立ってごらんになるならば、当然
労働省の所管に属する問題に入ると私は思う。そうしますと、今習われるように、特別支給金のような性格の金の支出について調達庁が直接
雇用関係をもっているのであるから、そこでどうとか
考える、あるいはそれが閣議に持ち出されることがあっても、そのことが直接
大臣の所管ではありません、こう言われることは一応わからぬことはないのですが、ところが私はそういうふうにして遠慮といいますか、遠のいて見ておられる事態では私はなかろうかと思う。ですからむしろ踏み込んで、
大臣がやはり問題の解決に当っていただかなければならぬ立場にもあるし、またがっての主張のように、そういう線でやっていただけるものだと解釈している。ですから今のようなお話でありますと、何か
責任がないように聞えますけれ
ども、実は労働問題としてもみるべき立場がある。そうしますと、当然
労働大臣としてお
考えになっていただかねばならぬ点がある。あるいは調達庁と組合との間に争いがあるとするならば、その点はやはり閣僚の一人としての立場もあれば、同時に
労働行政の最高
責任者という立場にあるのですから、そういう意味から私はあんまり
責任回避をしてもらうと困ると思うのですが、回避という言葉は非常に悪いのですが、そういう点からもう少し突っ込んだ話を私は伺っておきたいのですが、今までこの
委員会でいろいろ質疑を重ねてきた中で、これは特需等連絡協議会において、
労働省から出られたのは次官でありますが、次官だけが出ているので、私は知らぬとなお言われるかもわからぬ、それは私は許せぬと思う。次官が出られてそして協議なさったことについて、これは
大臣に報告があるはずだと思う。ですからそういう意味において私は申し上げておるのですが、そうしますと、最近の特需等
対策連絡協議会等においては、五万円の支給金の問題を取り上げてどうするかということが論議をされた。今
大臣の話では、社会党が今度提案をしている
駐留軍労務者離職に対する臨時措置法の取扱いについて、閣議で話があったということを言われたのですが、その中になるほど載っております。ところがこの案が提案されておるといなとにかかわらず、すでに
要求が出て問題になっていることは、この前も申し上げたんですから、
大臣御存じです。ですからそういう意味で伺っておるのですから、
一つ真剣にお答え願いたいと思います。それで、そのときに論議になった事柄は、この
駐留軍労務者に限って今度の
離職者に限って特別支給金五万円なりを支給することは、どうも筋合いが成り立たぬ、こういう意見が私はあったと思います。その意見の中であげられた具体的な事実はこういうことがある。
中小企業の金融が、金融引き締めという国の
政策によって非常にしわ寄せを受けた。言葉は悪いんですが、金融引き締めという国策に基いて
中小企業の倒産や、あるいは企業規模の縮小等が起ったために相当量の
失業者が出た。これはつまり国の
政策の
推進に伴って起った犠牲者であって、たとえば
駐留軍の
労務者の場合と同じ問題である、それがゆえに、
中小企業金融引き締めによる倒産あるいは離職、整理というような事態が起ったことも、国家の
政策の結果できたものであるから、同じ立場で
考えてそれらの均衡を保たなければならぬということを言われたという、あるいはまた敗戦の犠牲者、戦争の犠牲者、あるいは引揚者の問題までも引例になったといわれておる。ところが、どうもこのことは私
ども納得がいかない。それで、かりに国策としての金融引き締めが
中小企業にしわ寄せをし、さらにその事柄が、結果的には
失業者を生んだという結果が起ったかもわからぬ。しかしながら
雇用関係は、これは民間の自由企業の中にある資本家、
経営者が
雇用しておるんだということになるんです。ところが、一方は国が
雇用をし、しかもいずれはその解職の運命にある
労務者ではあるけれ
ども、国のこれこそ
政策に乗って長年間働いてきた、そういう立場が基本的に違いはせんかというので、この引き合いに出すのはあまり適当じゃないんじゃないかということを申し上げたんですが、さっぱりそのことは
調達庁長官も、私は特需等連絡協議会に出席なさっておる方の答弁も、私
ども納得参らぬ、こういう
状況です。ですからこのことは先ほど
大臣の仰せのように、私の直接所管ではありませんといって逃げられれば済むことのように聞こえますが、実は事態は、労働問題として紛糾を重ねている。ですから
労働行政の面から、こういう事態はどうお
考えになっておるか、そのことを
大臣から承わっておきたい。