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政府委員(増子正宏君) いわゆる定員外の職員で、特にまあ実質的に常勤的な職員の
定員化の問題でございますが、国の機関に勤務しております職員を定員内にどれだけ入れるかという問題、すなわち各行政機関の定員を何人にするかという問題につきましては、それ自体は行政機関の職員定員法によります行政管理庁の
関係の仕事でございますが、この問題に関連いたしまして、公務員制度の改正の
一つの大きな問題点として、公務員の範囲が取り上げられておりますために、そういった関連が出てくるわけでございます。私
どもとしましては、いわゆる国家公務員として法的な一般的な規制をどの範囲の職員に対して及ぼすべきか、そういう
観点から国家公務員の範囲というものを検討いたしておるのでございますが、御
承知のように、現在は現行公務員法によりますと、国から給与を受けておりますのは、すべて国家公務員ということでございまして、その中には職務の内容等から見ますれば、
相当高度の責任の重い仕事をやっております者から、非常に単純な責任の度合の低い職務をとっております者も含めまして、範囲は非常に広いわけでございます。そこで、それらのうちでいわば恒常的な国の機関に常時勤務している職員、その中でも特に公的色彩の強い事務
事業に従事しているもののみを国家公務員にいたしまして、その他のものは国家公務員外のグループにするというのが、公務員制度改正に関連いたしましての公務員制度
調査会の答申でございます。私
どもとしましては、この答申に基きまして、今日までいろいろ範囲の問題を検討いたしておるのでございますが、公務員制度の改正という点になりますと、当初に申し上げましたように、範囲を限定いたしますと同時に、それにいかなる法的な規制を加えるべきかという問題、すなわち任用の点につきましても、また服務
関係につきましても、あるいは給与その他社会保障等の
関係につきましても、いろいろな面での問題が関連してくるわけでございます。定員法の対象という問題も、それらの多くの問題の
一つというふうに私
ども考えておるわけでございます。従って改正案の内容といたしましては、問題はいろいろな重要な点を含んでおりますし、範囲も広いわけでございます。そういう事情でございますために、公務員制度
調査室といたしまして今日まで検討いたしておるのでございますが、最終的な結論には現在まだ達していないという
状況でございます。
なお御質問のいわゆる定員外の常勤職員の問題にいたしましても、私
どもとしましては、定員内にするかしないかということよりも、むしろ職務の内容の点からいいまして国家公務員という範囲に入れるべきか、入れない方がいいのかという点を検討いたしておるのでございます。その点から申しますと、いわゆる単純な労務に従事するものは、単純労務あるいは国家労務職というような
観点で分類するということが当然の線でございますけれ
ども、これは常識的には非常にわかりやすいようでございますが、実際制度化をするということになりますと、この言葉の
意味は非常に複雑なのでございまして、どこまでが単純であるかというようなことが実にむずかしい問題でございます。従来と申しますか、地方公務員法では、現行法におきましても、単純労務に従事するものにつきましては、一般職員と違った労働
関係法、すなわち地方公営企業労働
関係法の適用をいたしておりまして、国家公務員でいえば、五現業と同じような扱いをいたしておるのでございます。その際の単純な労務に従事するものという範囲は割合と広いのでございます。従ってそれと同じような今後も国家公務員を考えていきますと、かなり広範なものが単純な労務ということになって参ります。一方、定員外の職員を職務内容という点から見ますと、これはまた御
承知のように非常に広範囲でございます。もちろん単純な人夫といったような形の職員もおりますが、役所によりましては、
相当責任の高い仕事もいたしておるというようなことで、職務の内容というような点からいたしますと、現在の定員外の職員の中にも、当然単純な労務とは言えない職務も入っておるわけでございまして、その方々あるいは職務という内容から見ますれば、そういったものは現在定員外としておりますけれ
ども、私
どもの
観点から見れば、それが常時勤務という形である限りは、定員内の職員と同様である、その
意味では
定員化すべきではないかというふうに考えておるのでございます。しかしながら、いわゆる単純な労務に該当するものもあるわけでございます。その点から見ますれば、現在定員内に入っております職員の中にも、ある
意味での単純な労務というものもあるわけでございます。そういう
意味で、これを新たな制度といたしますことにつきましては、
相当慎重な検討を要するんじゃないかというふうに私
ども考えておりまして、いろいろ
関係の職員の方々からも陳情等を承わっておりますが、私
どもとしましては、その職務内容あるいは勤務の実態等につきまして、皆さん方のお話を承わり、今後の制度改正の上にそういったものを反映していきたいと考え、またお話ししておる次第でございます。