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1957-12-19 第27回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十二月十九日(木曜日)    午後三時十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小酒井義男君            小林 孝平君    委員            江藤  智君            柴田  栄君            田中 茂穂君            中野 文門君            仲原 善一君            西田 信一君            前田佳都男君            阿部 竹松君            坂本  昭君            椿  繁夫君            光村 甚助君            島村 軍次君         —————    副  議  長 寺尾  豊君         —————   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡邊  猛君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小澤 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 齋藤 朔郎君   国立国会図書館側    副  館  長 中根 秀雄君   説明員    内閣官房長官  愛知 揆一君   —————————————   本日の会議に付した案件議員中山壽彦君の逝去に関する件 ○参議院予備金支出につき承諾を求  める件 ○第二十八回国会における内閣議案  提出予定等に関する件 ○第二十八回国会召集日議事に関す  る件 ○常任委員等割当調整に関する件 ○派遣委員報告   —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいまより議院運営委員会を開きます。  第一に、議員中山壽彦君が逝去されたことにつきまして、事務総長から御報告があります。
  3. 河野義克

    事務総長河野義克君) 議員中山壽彦君が去る十一月二十六日逝去されました。議長といたしましては、議院を代表いたしまして、弔詞をすでに霊前に捧呈されたわけでありますが、明日、国会召集せられるにつきましては、哀悼演説を先例によりすることになるわけであります。哀悼演説お願いする方といたしましては、理事会で御相談いたしまして、故中山君が所属されておりました逓信委員会委員長お願いするということにお運びをいただきたいと思います。  それから、議員死亡に伴い遺族に支給する弔慰金予備金から支出するという件を一緒にお願いしたいと思いますが、お手元にお配りいたしました印刷物の通り、本件は、ただいま申し上げました全国選出議員中山壽彦君遺族に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の十二条により支給いたしました弔慰金でございまして、国会予備金に関する法律第二条によりまして、本委員会の御承認をお願いする次第であります。
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) 以上の通りでありますが、弔慰金及び哀悼演説の件につきまして、総長説明通り承認することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 安井謙

    委員長安井謙君) さよう決定いたします。  なお、参議院予備金支出報告に関する件でありますが、これは国会予備金に関する法律規定に基き、個別的に本委員会において承認したものをまとめて、通常国会の初めに議院運営委員長から院に報告し、その承諾を求めることになっておりますので、お手元資料内容によりまして、明日の本会議において私から口頭報告を行いたいと存じます。右、御了承願いたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) さよういたします。   —————————————
  7. 安井謙

    委員長安井謙君) 第二十八回国会における内閣議案提出予定等につきまして、官房長官から御説明を願いたいと思います。
  8. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 今次の通常国会提出いたしまする法律案等につきまして、大体こういうふうな順序に考えております。ただいま三十三年度予算編成に鋭意努力中でございまして、予算案は、明年一月下旬の再開劈頭に御提出いたしたいと考えておるわけでございます。で、予算案が未定である関係もございますので、法律案につきましては、いまだ今日のところ正確な件名、件数等について申し上げる段階になっておりませんのでありますが、なるべくすみやかに成案を急ぎまするように、各省庁、内閣法制局にその準備進捗方を、内閣全体として推進をいたしておる状況にあるわけでございます。大体、法律案予算等につきましては、そういうふうに考えておるわけでございますが、明日召集になりましてからも、従いまして、法律案、その他政府として休会明けに至りまするまでの間に特にお願いをするような案件は、ただいまのところない次第でございます。ただ、昭和三十一年度決算書四件は本年中に提出いたすつもりでございます。その決算は、三十一年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書、同じく政府関係機関決算、以上四件が三十一年度決算書内容になっておるわけであります。
  9. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいまの官房長官説明に対しまして、何か格別の御質疑がなければ……。
  10. 椿繁夫

    椿繁夫君 政府の御予定を伺いますと、三十一年度決算報告だけを年内提出したいということでありますが、二十日に召集になりまして、国民は、総理大臣が最近東南アジアを回ってこられた直後でもありますし、インドネシア賠償の問題、あるいは南ヴェトナムとの賠償交渉進捗等についても、ぜひ、首相がお回りになって政府として一体どういうお考えを最近お持ちなのか、こういうことを早急に伺いたいと思っておるんであります。従って私どもの方としましては、四名には限定しておりますけれども緊急質問お願いしたい。特に緊急質問に先立って政府の方から御報告などがあれば、それを承わって、それに関連して当面する国政の諸問題についてお尋ねをいたしたい。そうして国民の負託にこたえるべきではないか、こういう考えなんですが、どういう御方針でしょうか。
  11. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) ただいまの御質問でございますが、政府としては、諸般外交経済財政等についての方針につきましては、明年度予算案あるいはこれに伴う基本的な政策の問題に織り込みまして、明年一月再開傍頭におきまして、総理大臣施政方針演説外務大臣外交演説並びに大蔵大臣財政演説ということで、総括的に御説明をいたしまして御質問を受けることにいたし、これを審議の初めとすることにさせていただきたい、政府としてはこういうふうに希望いたします。
  12. 椿繁夫

    椿繁夫君 政府の御方針はわかるんですけれども、明日再開されてその決算書提出されて、それで一月の下旬まで、何ら国民総理大臣外遊報告にも接し得ないということでは、あまりこれはちょっと間が抜けておるように思うのであります。これはぜひ明日からの国会において進んで政府側から御報告をいただき、かたがたその内政の問題についても、先般の臨時国会中小企業関係政府機関に対する若干の金融措置はございましたけれども、その後、急速に中小企業問題の逼迫等もございまして、あのままで放置しておくというようなことは許されない状況にあるように感じます。ひとりこれはヴェトナムの問題でありますとか、インドネシア外交関係の問題だけじゃございません、国内の経済の逼迫している現状に対する政府緊急措置、最近問題になりました愛媛県の例の教職員の勤務評定の問題を中心とする紛争の案件等につきましても、政府方針をただして、そうして教育界に不安なからしめる措置を、急速にやはり国会を通じて立てる必要がある、こういうふうに考えておりますので、せっかくの政府のお考えではありますけれども、私ども会派といたしましては、慎重に検討をいたしました結果、四名の緊急質問をしたいというので、お手元に通告してあるような状況なんですが、重ねて政府の私は善処を要望する次第であります。もう一度、官房長官一つ所見を承わりたいと思います。
  13. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 実は具体的に二、三の問題が、ただいまお話の中にございましたが、中小企業対策につきましては、特に先般の臨時国会におきまして、年末の金融対策をもあわせまして、予算補正等お願いいたしまして、その結果、今年は例年になく早く手が打てまして、政府の見ておりまするところとしては、まず平穏に越年ができるという確信を抱いておるわけでございます。  それから賠償問題等につきましては、ヴェトナムのごときは現に交渉と申しますか、討議が相手国との間に始まったばかりでございまして、いまだ国会を通して御報告を申し上げ、また御審議を願うまでの段階に至っておらないというような関係もございますので、明年の再開劈頭に、これらを全部あわせて御報告をし、また御審議も願う形式を整えて、そのときから御審議を始めていただきたい、こういうふうに政府としては切望いたしておるようなわけでございます。
  14. 阿部竹松

    阿部竹松君 官房長官の今の椿君に対する御答弁によると、これは逆の方から行くと、一月下旬に国会召集してもよろしいのであるということになりませんか。しかし法の定めによって十二月下旬に召集するんだが、しかしながら、実質的に国会というものは一月下旬からということになるんですね、そういうことですか。
  15. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 通常国会法律等の定めるところによりまして、二十日に召集ということに決定をいたしたわけでございますが、同時に実質上の問題として何と申しましても、いろいろの具体的の問題は予算中心とするところに具現をされるわけでございまして、予算編成につきましては、現に非常な努力をいたして精力を傾倒しておるようなわけでございますので、これらの形式を整えまするために、どうしても一月の下旬にその準備が完了するということにならざるを得ないものでありますから、そういう観点から実質上の審議をするという段階である、こういうふうに考えておるわけであります。
  16. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、十二月、その下旬に国会召集しなければならぬということは、きょうやきのうわかったことじゃないんです。日本国憲法ができる当時から、そのように明確にわかっておるわけなんですね。そうしますと、当然あなたの方の内閣としては、議長召集するであろうからという前提条件のもとに、すでに法律案件等を整えておかなければならないわけなんです。毎年々々三月の年度末に行って昼夜兼行法案審議する、予算審議すると、こういう状態になるわけです。一ヵ月間は全くブランクなんですね。そういうことについて、あなた責任を感じないですか。当然今から、とにかく予算案なるものを出してそうしてとにかく年度内に成立さしてもらいたいと、それまで十分期間をかけて審議してほしいということで、二十日が無理であれば、とにかく年内にでも予算の大綱を示して、野党のわれわれといえども聞かしてもらわなければならぬ。そういうところから出発するのが当然だと思う。しかるにもかかわらず、法律によって、仕方がないから十二月下旬に召集するが、一月下旬まで何ら法案が出ませんということについては何ら政府責任を感じませんか。この点はどうですか。
  17. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 通常国会が開かれましてから、予算等との関係なしに、あるいは関係がありましても、緊急に御審議を願うような法律案というようなものがございませんという次第でございますので——というのは、今用意をいたしております法案が、あるいはその他がほとんどすべて予算関係する、その予算成案を得るまでは、全体を総合して御説明をし、御審議を願うことはできませんので、自然日程としては、そういうふうにやっていただきたいと、こういうふうなお願いをするわけであります。
  18. 阿部竹松

    阿部竹松君 ですからね、その予算措置、そういう内容が、あらゆる法案について関連性があるから、十二月の二十日に、あるいはまあ二十一日でも十八日でも同じでしょうが、下旬に国会を開かなければならぬということは、もう何年も前からわかっておるのであるから、一年間の間にあなた方準備できるわけなんです。なぜその一ヵ月間の空白期間を作ったかということ、一ヵ月間の空白期間を作って、そして一月下旬に出てきますと、当然、一兆何千億になるかわからぬけれども、その予算というものは短期間審議しなければならぬということになる。一ヵ月間の休会を作ったということは政府責任だと思うのです。  それともう一つ官房長官にお伺いしたいことは、まあ一千億の予算化された以上の歳入があるとか、余剰財源が出てくるとかいうことで、いろいろ解散風もあるでしょうが、この一千億の金を減税にするとか、あるいは留保財源にするとかいう新聞記事等もたくさん出ておる。そうすると、国民も迷うから当然私は、その何銭何厘、ここまでいけとは言いませんけれども、大体本年度予算は、こういう方針で組みたいという総理大臣並びに大蔵大臣の核心的な、基本的な問題についてでも、私は召集と同時にわれわれに説明する責務があると思うのです。こういうことは全然やらないのですか。ただ、あす召集して、これで終りということで、議長が議席の指定をやってただいま決定した安井委員長報告があって、それで終り、あとは一ヵ月お休みと、こういうことになるのですか。それではまことにぼくは国民に対し申しわけないと思うのですがね。
  19. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) まあ毎年の例というわけでもございませんが、特に本年は、比較的最近の機会に臨時国会が持たれまして、その臨時国会におきまして、当面特に年末に際して処置すべき問題は、政府としては片づけていただいておるというような関係もございますので、予算編成基本方針というようなものも、実はただいまも与党と政府との間の懇談会を持っておるようなわけでございまして、まだ基本方針がきまらない。さらに、できるだけすみやかに基本方針のもとに詳細な一予算編成ということに、年末年始をかけて努力を続けるわけでございますから、お話の御趣旨には、私ごもっともな点が多々あると思いますけれども、実際上の政府としての作業の進捗から申しましても、そこに若干の空白的余裕をお与えいただきたいと、こういうことでございます。
  20. 光村甚助

    光村甚助君 国会法の二条に「常会は、毎年十二月中に召集するのを常例とする。」となっているのですね。これは総長にお聞きしますが、「常例とする。」ということは、必ず十二月に開かなければならないということですか、それとも一月でもいいということですか。
  21. 河野義克

    事務総長河野義克君) 「常例とする。」とございますから、十二月に開くのを常の例とすると、こういう意味であると存じております。
  22. 光村甚助

    光村甚助君 一月開いたら効力はないというのですか。
  23. 河野義克

    事務総長河野義克君) その点につきましては、国会法は、十二月に開くのを常例とするとございますが、憲法において、常会は毎年一回これを開くという規定がございます。従いまして、その憲法規定関係におきまして、やはり本年度において、本年度と言いますか、本年中に召集せられることがしかるべきことであろうと存じております。
  24. 光村甚助

    光村甚助君 百五十日開けばいいのですから、私は政府の方でそういう準備が整わなければ、一月召集してもいいと思うのです。さっき阿部君からも質問がありましたように、形式的に二十日に開いておいて一ヵ月も休むということは、実際これは国費の乱用ですよ。そうして、憲法の六十条を見てごらんなさい。衆議院予算参議院に送って、三十日したら、こっちが議決しなければ衆議院のが通ってしまうのですよ。三月の二十日ごろになれば、晩の十二時、十一時ごろまで、審議期間がないからやれやれといって、十二月の二十一日から一月の二十一日か二十日まで休む、こういう矛盾したことは、官房長官どう思いますか。
  25. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 申すまでもございませんが、予算政府提出しなければならない義務を負うておるわけでありまして、これを両院の審議期間とにらみ合せまして、また会計年度から申しまして、四月の一日から適正に執行ができるようにというだけのゆとりは十分に考えまして、例年の例によりまして、予算につきましては、できるだけ早く準備をする、一月中旬までには成案を得まして、膨大なものでございますから、印刷等手続にも若干の日数がかかるわけでございますが、そうして例年の例によりまして、一月下旬に提出をする。そうして、そのときにこれに関連する諸般案件を、政府としては具体的な方針が固まるわけでございますから、それをあわせて御審議を御開始願いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  26. 光村甚助

    光村甚助君 例年の例とおっしゃいますが、例年十二月二十一日から休んでいたから、必ず今度も休まなければならないということは、どういうことなんですか。
  27. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 私のいま例年の例によってと申しましたことは、予算についての手続について例年の例によると申したのであります。
  28. 光村甚助

    光村甚助君 それなら、政府の方で百五十日ときめられて、三十日も休むのだったら、憲法で百五十日ときまっているのだから仕方がないようなものだが、国会法を改正して、一月二十一日召集するということにすれば、ほとんど百五十日というのが審議期間になるわけなんです。そういうことをやらずに、形式上十二月の二十日に召集しておいて、一ヵ月は休んで下さい。実際上審議するのは百二十日ぐらいです。結局は参議院予算審議するというときには、いつも、今年度もそうです。二十日ぐらいしかなかったはずです。三十一日の日曜も審議期間がないというのでかり出したはずなんです。そういうことをやるから、往々にして参議院なんか必要がないと言われるようになってくるのです。そういう点、官房長官はどうですか、参議院なんというのはそれでもいいから、審議期間がなくてもいいとお考えですか。
  29. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) とんでもないことでございまして、われわれ政府として、参議院を軽視するというような気持は毛頭ございません。
  30. 椿繁夫

    椿繁夫君 これはどうも私は、政府の御答弁も満足できませんが、議運委員長に、私どもの方の会派の決議をもって、政府説明が最も望ましいけれども、なければ緊急質問をしたいというので、お手元に届けをしております。それには、うちの理事さんもおられるが、理事会の方で一体どういう扱いにされたのか、政府との何らお話し合いもなく、あるいは衆議院の方とのお打合せもなく、今、長官からお聞きするようなことで一体理事会は了承したのですか、もう一ぺん。こういう不親切なことでは承服できませんから……。
  31. 安井謙

    委員長安井謙君) 申し上げます。実は午前中、理事会を相当長時間にわたって開きまして国会召集後の議事の取扱いについていろいろ御懇談申し上げたのであります。その結果、ひとまず政府の正式の意向議院運営委員会でただした上で、さらに社会党からも四件の緊急質問の要請が出ておりますから、これもあわせて理事会においてさらに相談をして取りきめようと、こういう理事会話し合いになりまして、その中間でこの議院運営委員会を開いたわけでありまして、この点につきましては、社会党からも小酒井小林理事がおいでになっておりますので、多分、社会党の皆さんも御承知であろうと思って、私初めに御説明しなかったのであります。
  32. 椿繁夫

    椿繁夫君 ただいま委員長の御発言を伺いますと、今は単に政府のお考えを聞くと、こういうことなのでありますか。
  33. 安井謙

    委員長安井謙君) そういうことです。
  34. 椿繁夫

    椿繁夫君 でありますれば、私ども当面する外交経済内政の諸問題について緊急質問の通告をしておりますので、しかるべく議運理事会十分政府とお打合せの上、満足のできるような回答をもって、再度この議運委員会が開かれるように強く要望いたします。これは政府委員長と両方に強く要望いたします。
  35. 安井謙

    委員長安井謙君) 承知しました。ただいま椿君の御提案もありますが、理事会におきましても、そのような取り計らいをいたすことに相取りきめておりますので、委員会終了後、至急に理事会を開いて御相談申し上げることにいたします。
  36. 小林孝平

    小林孝平君 明日召集になりますのに、政府といたしましては何らのごあいさつがないようなお話でございますが、先般の総理大臣外遊報告は、ぜひ一つやっていただきたいと思うのです。あれは、総理大臣臨時国会の会期が終りまして間もなく御出発になったのですけれども、あの臨時国会には非常に緊急の議案がかかり、相当なお審議期間を必要としたのでありますけれども総理大臣外遊ということもありますので、そういうことも考慮されまして期間が設定されたのであります。従いまして、非常に外遊というのは重大な問題でありますので、国民もその結果を承知したいところだろうと思うのです。われわれもまた外遊されるいきさつから考えましても、御報告をお伺いするのが当然だと思うのでありますが、どうして御報告がないのですか。
  37. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) この点は先ほどもちょっと触れましたように、外遊いたしましていろいろとやって参ったわけでございますが、これらについては、話が、しかかりになっておるようなものもございますし、その外遊所見というものは、これを取りまとめて今後の外交政策として明確にいたしたいと考えるわけでございます。これは施政方針の中に当然取り上げて、休会後に御説明を申し上げることにいたしたいと、こういうふうに考えております。
  38. 小林孝平

    小林孝平君 施政方針演説をおやりになることは、これは当然なんですが、この間外遊されましたその結果について、一応の報告くらいは、これは当然常識的に考えても、あいさつくらいあってしかるべきものだと思う。これをおやりにならないのは、やることはいろいろ支障を来たすようなことがあるのですか。
  39. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 私どもといたしましては、外遊所見、特に今回の外遊のみならず、三回にわたりましての外遊というようなことは、岸内閣としても、外交政策の樹立の上に非常に大きな資料として尊重すべきものがあると思いますので、それらを落ちついてよく取りまとめ、検討し、これを外交政策の中に十分に取り入れたい、その関係から申しまして、これは来年度施政全般に通ずる施政方針の中に十分取り入れたい。単なる旅行報告というようなことであっては、かえってこれはいかがかと思いまするので、よりよく、また、より具体的にいたしたいということから、そういうふうな政府としては計画をいたしておるわけであります。
  40. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと申し上げます。御承知通りに、小林君の御意向のようなことも、あわせて理事会で十分協議する予定にしておりますので、政府へ特にお聞きになりたいという点に限っていただければと思います。
  41. 小林孝平

    小林孝平君 先ほどから特に政府にお伺いしたいことを聞いているのです。施政方針演説は、これは全般の一ヵ年を通じてのいろいろの問題、今後の見通し等、総括的におやりになるわけです。私たちが今お話しているのは、先般の外遊の結果を聞きたい、こういうことなんです。これについて官房長官は、単なる旅行報告ではいかがかと思います、こういうお話ですけれども、われわれはその単なる旅行報告を聞きたいと、こう言っているのです。だから何ら御遠慮なく、こちらの要望している点をおやりになったらいかがかというのです。それがなぜできないのか、著しくなぜ支障があるのか、総理大臣旅行中の一挙手一投足は、これは全国民が注視し、また世界各国の人々も注視しているわけなんです。ささいな私事にわたることまで非常に大きく報道されている、たとえば宝石事件。だから、そういうささいなことでも、あれだけ大きな関心を持っているので、もっと本質的なことについては非常に関心を持っているのだから、当然そういう問題を解明される必要があるのじゃないか、また必要があれば、宝石事件のごときも御説明があれば、なお政府としていいのじゃないか、こういうふうに考えているのです。それがなぜできないのか。
  42. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 前々申し上げておりますことを繰り返すことになりますが、私どもとしては、この外遊の成果というものを十分に今後の外交政策、あるいはこれと関連する内政上の問題等とあわせまして、政策といたしましてこれを生かして、国民の御批判を仰ぎたい、こういうふうに考えております。
  43. 小林孝平

    小林孝平君 繰り返して申し上げますけれども、私のお尋ねいたしたいことは、こちらはこの外遊報告を、単なる報告を聞きたいと、こういうわけなんです。ですから政策としてこれを生かしたい、あるいは報告したいということは、それはそれでいいでしょう。私たちの聞きたいということを、なぜ聞かすことができないのか、なぜどういう支障があるのかということをお尋ねしているのです。お尋ねしていることに対してお答えを願いたいと思います。
  44. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) お尋ねのあることにお答えをしているつもりなんでありますが、まあ先ほど来申し上げておりますように、外遊報告というよりは、これは見解の相違ということにもなろうと思いますけれども、これを総理大臣としての立場におきましてその成果を十分に政策の上に生かし、かくかくの所見によって、かくかくの政策を打ち出して参りたいということで、総括的に施政方針として御報告をし、御批判を仰ぐことが私は最善の策と考えておるのであります。
  45. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと申し上げますが、今のような社会党小林君の御意向につきましては、政府側としては今お聞きのような説明なんです。そこでこれは、院としてどういうふうに扱うかという問題が、さっきの社会党緊急質問の御要求と一緒に、御要求として理事会で御相談申し上げたい。委員の側としては、御相談をこれは別個に持ちたいと、こういうふうに思っておりますから……。
  46. 阿部竹松

    阿部竹松君 それはいいのですが、官房長官一つ伺いますが、さいぜん、今、委員長が言われたことについては、椿君の発言に対して委員長から、しかるべく取り計らう旨のお話があったのですが、官房長官の方から話がないのです。官房長官は今より二ヵ月前に、この当委員会において、本年度通常国会は早く開きます。こういう約束をされたのです。これは皆さん方御承知通りなんです。そういうことは、これは官房長官うそだというなら速記録を見ればわかりますが、そういうことをわれわれに約束しておいて、今度は両院の議長さんが、おそらく今日これを開くだろうということは、その当時から予想しておったのです。しかしながら、今もって一つ法案準備もないというようなことでは、あまり無定見過ぎるのです。昨年も若干おくれましたが、昨年は石橋さんが御病気になられて、総理大臣の交代ということだったからわれわれも了承したのです。しかし、ことしも昨年と同じことだということは了解できないのです。そういうことについて、国会召集はわかっておりましたけれども、全然準備ができませんと、こういうことなんですか、官房長官
  47. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 私が臨時国会の前に当委員会で申し上げましたことは、通常国会はいつ召集するかというお尋ねに対して、大体例年の例によることになると思う。例年の例によるということは、二十日というようなことになるのではなかろうかということを申し上げたことを記憶いたしておるわけでございます。それから通常国会を開いたが、何の用意もないではないかというお話しでございますが、これは今後長く続く国会でございまして、先ほどから申し上げておりますように、何と申しましても予算の具体的な姿とあわせて、国政全般に対する施政方針を明確にして行きたい、こういう点から申しますると、どうしても明年の休会明けということにならざるを得ない、こういうことを率直に、政府として描いております手順を申し上げておるわけでございます。なお、この年内政府の立場において、緊急なものとして法律案、あるいは補正予算、あるいは条約の御承認というような案件がたまたまございませんので、これは年内に御審議を願い、法律が制定せられるというような程度の、非常に取り急いでの案件がございませんので、そういうことまであわせて、すべてを総括的に全部取りまぜて、一斉に御審議を願うことが、政府の立場としては最も願わしいことであるということから、以上申し上げましたような態度で、お願いをいたしておるわけでございます。
  48. 阿部竹松

    阿部竹松君 官房長官は、官房長官であると同時にまあ衆議院議員なんですがね、私はとにかく三月三十一日まで、やはり予算は成立させるために最大の努力を払って、成立させなければならぬという考えを持っていますよ。ですから召集された日にちもわかっておるのだから、そのときまで、政府は大いに努力して、やはり予算案というものを国会に出して、これは一つの院で二ヵ月かかるならけっこうですけれども、二つの院がございますから、二月の初めから始めても三月まで二月しかございません。そうすると、膨大な予算審議ですから、召集された期間を一ヵ月半も開店休業ということでなしに審議させるのが当然であり、そのようにやはり政府努力すべきだと思う。まああなたの方で絶対できない、こうおっしゃるのですから、あと理事会でどういう御討議がなされるかわかりませんが、しかしながら、こういうものが正しいかどうかということを、どうお考えになりますか、あなたは。
  49. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) これはまあいろいろの御見解が、私もあり得ると思いますけれども、私は一月の中旬までに、毎年のことでございますが、その年の一月の中旬までに予算の具体案が作成され、そうしていろいろの物理的なこれに所要の日数も加えまして、一月中なるべくすみやかな機会に国会予算提出するということが、私は現在の制度のもとにおいては最も適当な方法ではないかと思うのです。そうして参議院の一ヵ月の審議期間というものが十分御活用願えるように、それまでの間に衆議院の御審議を終了していただくような努力をするということが、私は現在の制度のもとにおいては適当な方法であると考えておるのでありまして、前の年の年内予算国会に提案するかどうかということの可否につきましては、今にわかにここで御答弁申し上げるのには、あまりに重大な問題だと考えます。
  50. 椿繁夫

    椿繁夫君 ちょっと今、官房長官お話しを伺いながら、私の感じを率直に申し上げて、重ねて政府の御見解を伺いたいと思うのですが、私は二十日に召集になった直後に、総理大臣から、臨時国会後、外遊されたその結果について、御報告をすなおにこれは受けられるものと期待をしておりました。ところが、どうも来年度予算編成の基本的な方針をまだ与党との間に懇談、折衝中である、従って予算の全貌が明らかにならない今日、法律案等についても一緒に提出できればして、審議をしてもらいたいので一月の末になるということなんでありますが、あまりその予算と直接関係のないようなことで大切な、やはり日本の経済なり、将来の産業にとって問題がある、たとえば日中貿易の第四次協定の問題が、ごく些細な法律が引っかかりになって、その締結の時期がおくらされている、これを私は政府が、総予算の大綱がきまって与党との話し合いができてからでなければ、四次協定を成立させるために、わずかの法律上の改正を行うことによって、これが急速な好転を見、ひいてはそれが日中関係の貿易の上に、日本の産業経済の上に非常に重大な影響を持つ、たとえば指紋の問題ですね、ああいうものは、あまり来年度予算案の何などとは直接は関係ないものであってこういうものこそ、すぐにでもこの国会審議の上改正を行なって、そうして日本に対する中国のその誤解も解き、ヨーロッパから非常に圧倒されている中国貿易というものを好転させるような手を積極的に、私はせっかくの国会でありますから、お打ちになるべきじゃないかと思っている。こういうのは私の方から申し上げなくても、政府の方から進んでそういう措置をおとりになるものと実は期待しておったのです。ところが今、官房長官お話しを伺いますと、これはお打ち合せの上でやっておられることなんでしょうけれども、これは議会の意向もごそんたくの上、こういう大した来年度予算編成などに直接影響のない、しかも国にとっては大切な問題の解決に資するというような法律改正案ぐらいは、私は急速に提案なさるべきじゃないか、こう思うのですが、重ねて一つ政府の御見解を伺いたい。
  51. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) ただいま日中貿易のお話しを例としておとりあげになったわけでありまして、これは外国人登録法の問題と存ずるのでありますが、これは実質論になりますので、私から御答弁の限りではございませんが、私見をもって申し上げますならば、必ずしも予算関係がないという点においてはお説の通りと思います。しかし同時に、私見でございますが、この法律だけが急速にまとまったからと言うて、そう大きな効果が期待できるかどうかという点については、やはり諸般外交政策上のにらみ合いの問題もあろうかと思うのであります。これらの点につきましては、これ以上意見を申し上げることは差し控えたいと思いますが、現在の政府の立場におきましては、外国人登録法の改正につきましては、やはり休会明け早々に、案を得まして国会の御審議を願いたい、こういうふうなことを考えております。
  52. 光村甚助

    光村甚助君 予算関係とは別ですが、通常国会休会明けの一月二十二、三日ごろ開くのだという慣習になっているから、予算編成ができないのです、毎年。それで、必ず十二月二十日に召集したらできるように習慣をつけてしまえばできるのです。だから二十日に国会召集して、一月二十一日まで休むということはいいことか悪いことか、これは官房長官に率直に、あなた、いいと思いますか。
  53. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) これはいい、悪いといって、そう簡単にお答えはだれしもできないのではなかろうかと思うのであります。これは非常に大きな問題でございますし、ことに政府の見解ということもございましょうが、国会自体としての慎重な御検討も必要な問題かとも思いますので、私としてはいいとも悪いとも申し上げかねます。
  54. 光村甚助

    光村甚助君 要望として一つ長官はいいとも悪いとも、だれしも答えられないと言うけれども、私ははっきり悪いと思います。召集をしておいて、国会議員に二千円ずつ滞在手当を出して、一ヵ月も休めということはいいことじゃないですよ、そういうことは。それで予算案が間に合わないというのだったら、国会法を改正して予算案ができ上ってから開くということで直すか、そういうばかなことができないならば、一月二十日ごろ予算案がいつもできるというのだったら、一月中に召集するのを常例とするといって国会法を直すか、そうすることが私は国民に対する義務だと思う。開きっぱなしにしておいて、一ヵ月お休みなさいということは、決して一般国民に対する私は両院のとるべき義務じゃないと思う。だからその点を、今後、日本国が続くかぎり国会というのはあるのだから、いつもむだに一ヵ月国会を休むという悪例を作らないで、法律を改正する意思があるかどうかお伺いしたい。
  55. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) 国会法の問題になりますと、これはこれだけの問題でない。というよりは、むしろ国会御自体の問題だと思いますので、先ほど申し上げましたように、いろいろの御意見、私はごもっともと思う点も多々ございますが、これは他日の研究問題として、私も一議員の立場においても、大いにこういう研究をさせていただきたいと思います。
  56. 椿繁夫

    椿繁夫君 重ねて。今、日中貿易の四次協定の険路になっている外国人登録法の一部改正、これは休会あけ劈頭政府として提出をしたいということを伺っておそくとも出さないよりはいいと思うのですが、これは正月ゆっくり考えなければならぬほどのむずかしい法律改正案なのですか、そういうものは、せっかく召集された年内国会で、私は大した反対の予想されない法律案でありますから、急いで提出されて、そうして晴れ晴れした気持で正月を迎えるということにならぬですかね。来春に出される用意があるのならば年内にやられたらどうかと思いますが、重ねて、私強く年内にやってもらいたいという要望を申し上げて、政府の御見解をもう一度承わりたい。
  57. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) これは実は政府側といたしましては、法務省と外務省におきまして、諸般関係から慎重に研究を続けておるわけでございまして、御趣旨の点はごもっともと考えますけれども、なお私としては、本日ちょっと御答弁いたしかねますので、お許し願います。   〔「委員長々々々」と呼ぶ者あり〕
  58. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと待って下さい。最後が重なっておるのですが、いろいろな御要望の点は、あわせまして理事会で諮ろうと思います。政府の正式の所信をこの委員会で伺わなければならないという趣旨で開かれておりますので、一つ最後の最後として……。
  59. 阿部竹松

    阿部竹松君 そんたくをして理事会できめると言っても、われわれの話を聞かないでどうするんですか、どの委員がどう言った、どの委員がこう言ったといって、その上でまとめるということになるので、ぼくの発言を封じて、そんたくするというのは……、委員長発言を許したので発言しますが、さいぜんの官房長官お話で、今、光村さんが言った国会法できめる云々、これは当然そうですよ。これは理屈は別として、いい悪いは別として、十二月下旬ということについては、日本国憲法に基いて国会法できまっておるのですから、従って私は二日、三日、十日くらいおくれるなら問題にいたしません。しかしこの調子で行きますと、せっかく両院の議長国会召集しても、あなたの方が、案を出すまで四十日間も空白期間ができる、こういうことでは、私は一週間や二週間ならいざ知らず、めちゃくちゃだと思います。だから国会法を改正されるまで、当然この現在の定めに従って、政府の方で出さなければならぬ、こう思います。しかしここで、あなたの方では用意がないようですから、これ以上言いません。ただ 今までの何回かの国会を通じて見ますと、会期末になると法案が山積するわけです。夜十一時、十二時まで毎回やる。私の方は個人的ですが、緑風会の委員と相談したことは、夜の夜中までこうやられたのでは、重要法案審議が十分できないじゃないか、御用事で帰られる人もある。こういうときに法案が山ほどきたのでは困る、こういうことを、十分今までも何回も論議しました。従って一月下旬とおっしゃっておられるけれども、提案される日が一月おそければ、当然、三月末期で予算案が全部審議終了するかどうかということに非常に関係して参りますので、一刻も早く提案されんことを切に要望いたします。
  60. 小林孝平

    小林孝平君 こまかいことは理事会でやりますが、官房長官お話の中に、ちょっと腑に落ちないことがありますから、念のために伺っておきますが、この外遊報告は、来年施政方針演説の中でやればいい、こうおっしゃるけれども、先般、総理大臣がお帰りになってから、わが党の委員長の鈴木さんが病床にあられるので、それをお見舞下さいました。まあ非常にわれわれ感激したのであります。その際に、お見舞と同時に外遊をされた報告をされました。将来、国会賠償等の議案が提案された場合は、よろしく頼むというお話をされたように新聞が伝えているのです。そういうことになりますと、この病床にお見舞を下さいまして、わざわざそういうきわめて重大なお話をしていただいたわけなんです。そういうことから考えれば、われわれがやはり話を聞きたい、国会報告をされるのが至当ではないかというのに、そのわれわれの方には来年でいいのだ、こういうことではちょっと矛盾しているように考えるのです。それで、これはどういう根拠があってそういう態度をとられるのか。どうも私はなるべく人の話を善意にとりたいたちですが、どうも幾ら善意にとりたいと思っても、官房長官お話は理解できません。どういうわけですか。
  61. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) たとえばインドネシア賠償の問題につきましては、出発前に、鈴木委員長がわざわざ総理をお訪ねいただきまして、いろいろと御激励をいただいて、これまた私も感激しているわけであります。ところでその賠償の問題にいたしましても、ただいま細目の条約案等についても、鋭意両国間で検討を始めておりますので、ヴェトナムの現在しかかりの問題等もだんだんと進捗すると思いますので、この全文を付しまして国会の御審議を願いたい、こういうふうに考えます。
  62. 小林孝平

    小林孝平君 それはわかりました。詳しいお話は後刻承わることはわかりましたが、この外遊あいさつをされて、その賠償の問題等についても今後よろしく頼むというお話があるくらいなら、国会でわれわれがこの報告を、単なる簡単なものでもいいから聞きたいというのに、それを聞かせられないという理由は私はないと思う。さっきからあなたは繰り返しておっしゃるけれども納得いかないのです。これは議事の進行上、できるだけすみやかに、われわれが納得できるようなお話をお伺いしたいと思うのです。委員長からも官房長官にそういうような御答弁になるようにお話になったらいかがでしょうか。
  63. 安井謙

    委員長安井謙君) 申し上げますが、官房長官政府の見解としての御説明を、再三今述べておる通りでありまして、これはいささか見解の相違にもなるかと思いますので、むしろ小林君並びに椿君も御一緒ですが、社会党からの御要望としてこういう外遊報告をすべしという御要望があったということを取り上げて、理事会で十分お諮りしたい、こう思います。
  64. 小酒井義男

    小酒井義男君 繰り返して同じようなことを申すようですが、今、官房長官のおっしゃったヴェトナムとの賠償の問題が進んでおる、そういう話で、私もちょっと気がついたのですが、年内または自然休会のうちにこの問題が調印をされて、休会明けになってから事後承認となって出てくるということはないかどうか。先ほどから聞いておりますと、そういうことは万々なかろうと思うのですが、その点についてお聞きしたい。
  65. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) ヴェトナムの問題につきましては、先ほど申し上げましたが、大筋の気持の持ち方について、総理と先方の大統領との間に話し合いが行われまして、具体的の線にはまだ入っておらなかったわけでございますが、先般、値村甲午郎氏が政府の代表として現地に出かけておりまして、植村氏と先方との話し合いというものが、ようやく始まりかけたところでございます。この進捗の模様によりましては、もちろんこれは所定の方針によりまして、国会において御審議を願うことになるのは当然だと思います。今その時期がいつになるかということについては、確たる見通しはまだ申し上げる段階ではありません。
  66. 佐野廣

    ○佐野廣君 官房長官にお尋ねいたしますが、今、社会党の方からいろいろ委曲を尽して、外遊報告を開会努頭にやれ、こういう御要望があったわけですが、こういうふうに了解していいのですか。数次にわたってやられたのですが、まだヴェトナム賠償問題その他が、岸総理の行かれた重大な目的の点において未解決の問題がある、従って、事、総理ともあるならば、これを総括して一貫性のあるものを報告したい、同時にまた、政策に織り込みたい、予算に関連のある点等からも考慮して報告したい、こういうふうな御意見であると了解してよろしゅうございますか。
  67. 愛知揆一

    説明員愛知揆一君) その通りでございます。
  68. 坂本昭

    ○坂本昭君 これは御返事は要りませんが、ここに並んだ一番末席の者として強い要求がある。むしろ国民を代表して一言聞いておいていただきたい。門口召集されますが、国民はやはり期待しておりますよ。召集されて、あと一月以上も、お正月を控えて、酒を飲んで酔っぱらって、おめでたい歌を歌って。そういうような天下泰平の時では現在ございません。アイゼンハワーのように、病躯をひっさげて、夫人も故国へ残して、悲壮なる決意でNATOへ行っている、そういう重大なるときに召集して、国民がいろいろのことを期待しているときに、宿題も残さないで、来年の一月末までほっぼらかしにするということは、これは私は国民の不信を招くもとだと思います。ですから、私はこまかいことは申しませんが、国民がこの今の時期に期待しているようなことを政府としては見せていただきたいし、国会議員も、それに対して質問をし、日本の国会も熱心にやっているということを、内外ともに鮮明にする必要があると思います。そのことだけ一言申し上げておきます。
  69. 安井謙

    委員長安井謙君) 御意見は十分拝承しておきます。   —————————————
  70. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、明日開かれます第二十八回国会召集日の通常の議事に関する件につきまして、事務総長から報告を求めます。
  71. 河野義克

    事務総長河野義克君) 二十八国会召集日の明日の議事でございますが、ただいままで予定されておりますものといたしましては、まず、議席の指定を行いまして、次に、先ほどもちょっと申し上げました通り、故中山壽彦君に対する哀悼演説がございます。それからその次に、委員長から先ほど言われました本院の予備金支出につき承諾を求める件を上程することになります。ただいま予定されておるのは、以上の通りでございます。
  72. 安井謙

    委員長安井謙君) そうしますと、先ほど社会党からの御要求のありました緊急質問の件、ただいまいろいろ議題になりました件につきましては、後刻一括、理事会で御討議を申し上げるということにして、純事務的に行われますこの議事の運びについては別に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 安井謙

    委員長安井謙君) さよう決定いたしました。
  74. 椿繁夫

    椿繁夫君 そこで、これは理事会の決定によるでしょうけれども、ここできょう再び再開されるということですね。
  75. 安井謙

    委員長安井謙君) さようでございます。   —————————————
  76. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、常任委員等割当調整に関する件についてお諮りいたしますが、各派の所属議員数の異動に伴い、常任委員、常任委員長理事、各種委員の各派に対する割当数に若干調整の余地が生じておりますが、本件は、先例によりまして、これを理事会の協議に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  78. 安井謙

    委員長安井謙君) さきに議長の承認を経て、本委員会から、国立国会図書館の他の図書館に対する奉仕の実情調査のため、委員四名が青森県及び北海道へ、また、他の三名が福岡、長崎の両県へ、それぞれ派遣せられたのでありますが、この結果につきまして、それぞれ御報告お願いいたします。佐野廣君。
  79. 佐野廣

    ○佐野廣君 派遣委員報告を申し上げます。  安井謙君、柴谷要君、西田信一君及び私の四名は、去る十二月三日から九日までの七日間にわたり、青森県及び北海道における地方議会図書室、県及び道立図書館等の運営状況を、特に国立国会図書館と関連性を持つ点に重点をおいて視察調査したのでありますが、ここにその概要を報告いたします。  調査は、青森県議会図書室、北海道議会図書室、青森県立図書館、北海道立図書館、北海道産業調査協会、苫小牧市立図書館及び王子製紙工業株式会社苫小牧工場図書室について行なったのでありますが、その結果を総合的に分析して、特に国立国会図書館と関連した点につき、以下、事項別に要約して申し上げます。  第一に、議会図書室初め、地方の有力図書館に、中央の官庁出版物が十分そろっていないということであります。御承知のように、地方自治法の規定によって、地方議会には、議員の調査研究に資するため図書室を付置することになっておりますが、同法に規定されている政府資料配付ということがほとんど実行されていない現状で、わずかに、国立国会図書館を通じて送られる資料のみが、組織的に入手されるものであるということであります。もちろん一部の官庁出版物は、各地の官報販売所で販売されておりますが、これは定価のついたものであり、また、ごく一部のものに過ぎないようであります。地方では、市販されているものばかりでなく、その基礎となるようなデータをも要望しております。また、市販のものの購入にのみ頼ることは、年間図書購入費の少い地方議会、たとえば北海道で約二十万円、青森で約十万円でありますが、こういう所では、なかなか負担が大きいようであります。要するに、できるだけ多くの中央官庁出版物をできるだけ少い経費でそろえることが、地方議会関係者の望んでおるところでありますし、われわれもまたその必要性を痛感したわけであります。  以上に対する具体的な措置としては、法律の改正もしくは特別な取りきめによって、国立国会図書館もしくは総理府あたりが中心となって、政府の各省庁の出版物は、すべて自動的に各都道府県に最低一部は備えつけられるようにすることであります。これは各省庁が出版物を発行する際に、都道府県用として必ずその部数だけ従来よりよけいに印刷して定められた配給機関を通じて都道府県あて回付するよう、何らかの措置を講ずるということであります。これが実現されれば、最低一そろいの中央官庁出版物は、常に各都道府県の議会図書室もしくは有力図書館に備えられることとなり、従来、議会、図書館あるいは専門図書館協議会の地区センターが、それぞれ個々ばらばらに収集に努め、しかも全官庁出版物の二割程度しか入手できなかった現状が、明らかに改善されるのではないかと思われます。  第二に、地方におけるPBリポートの利用状況及び要望事項について申し上げます。PBリポートと申しますのは、第二次大戦中及び戦後に、米国がドイツ等旧枢軸国から押収した科学技術資料を印刷発行したものを言うのであります。国立国会図書館では、これを一括購入し、そのうち重要と思われるものを写真複製して、全国六地区のPBリポート・センターに配置し、一般の利用に供しているわけであります。今回視察いたしました札幌の北海道立図書館に置かれております北海道地区センターは、昭和三十一年に開設されたものでありますが、国会図書館所有の約十万件に上るリポートのうち、わずかに二千件しか備えつけられていない現状と、この地方特有の事情のため、利用数は関西、中部などのセンターに比較してかなり劣っております。この地方特有の事情と申しますのは、北海道には大きなメーカーの本社がほとんどなく、英、独文で書かれたこのリポートを活用できるスタッフがきわめて少いということであります。従って、利用者は中小企業、酪農業関係者が多く、リポートの翻訳ということが非常に熱望されておる現状であります。もちろんPBリポート全部を翻訳出版することは膨大な経費を要し、実行不可能でありまし上うが、国立国会図書館が中心となり、科学技術庁、日本学術会議、理工科系大学等の協力を得て、最も翻訳希望の多い分野の資料を翻訳し、原文の読めない利用者に便宜を提供することは、それ相当の予算が計上されればできないことではないと思われます。このPBリポートは、先に申し上げました旧枢軸国の押収文献にとどまらず、その技術を活用して得られた結果をも引き続いて発行しておりますので、科学技術の分野におきましては、かなり重要かつ利用価値の高いものであります。この点にかんがみまして、地方センターに対する複写リポートの増配及び翻訳ということは、日本の科学技術の向上、特に北海道におきましては、その産業開発のためにぜひ実現したいものであります。  第三に、専門図書館協議会の活動について申し上げます。専門図書館協議会とは、官民の調査研究機関の有機的な連携により、調査研究の能率化と合理化をはかる目的で結成され、国立国会図書館が資料及び情報の提供等につき援助している機関で、全国六地区にその資料センターを持っております。札幌の北海道産業調査協会に設けられている北海道地区センターは、十分な予算を持たず、また施設も貧弱なように見受けられました。この組織の整備、発展こそは、官民一体となった北海道の総合開発計画の樹立にとって必要欠くべからざるものと思われますので、資料の整備については、国立国会図書館初め、中央官庁の援助協力がさらに必要であると思われます。  第四に、県、道及び市立の公共図書館の実情を見ますと、どこも不十分な予算で、かなり活発に地方の読書活動に寄与しているように見受けられました。たとえば青森県立及び北海道立の両図書館における巡回図書サービスなども、なかなかへき地の読者に喜ばれているようでありますが、何分使用している車が一台あるいは二台では十分なサービスも行えぬ現状で、地方財政における文化費の少さを感じた次第であります。国立国会図書館と関連のある点においては、同館の発行している印刷カードの利用状況に重点を置いて調査を行いました。印刷カードとは、従来、閲覧用や事務用の目録カードを各図書館が一枚々々作っていた労力と時間の重複をなくすために、国立国会図書館が、正確なカードを印刷、販売して利用に供しているものであります。今回視察いたしました公共図書館で、これを利用しておりましたのは、青森県立図書館のみでありましたが、そこでもカードの選択注文の基準になっている納本週報が、すべての出版物を網羅していないこと、及び新刊書が出版されてから印刷カードの到着まで日数がかかり過ぎることなどが、このカードを活発に利用できない原因であると指摘しておりました。また北海道立及び苫小牧市立の両図書館では、新刊書の到着が本州よりおくれるという遠隔地の特殊性を考慮して、印刷カードの申込期間を延長してほしいと要望し、そうでなければ、北海道の図書館ではこの印刷カードを利用することはむずかしいということでありました。一方ではもっと早く印刷カードを送れ、また一方では印刷カードの申込期間を延ばせと、全く相反する要望でありますが、これは北海道のような遠隔地に特例を設け、他はできるだけ早く注文をとってカードを送るようにしたら解決できるのではないかと思われます。せっかく他の図書館に便宜を与えるために、このような制度が作られたのでありますから、技術的にもっと工夫して、利用度を高めるよう国立国会図書館でも研究すべきであると思われます。また、どこの図書館でも読書傾向と言いますか、利用図書の種類を調査しておりましたが、国立国会図書館で全国的な読書傾向というものをまとめてみたら、どこの地方ではどんな種類、傾向の図書がよけいに読まれているかといったような、興味ある、また有益な結果が得られるのではないかと思われます。  以上、今回の視察調査の結果を四点に要約して申し上げましたが、なお一言、苫小牧市にある王子製紙の工場付属図書室を見た際の感想を申し上げますと、ここでは年間八十万円ないし九十万円を使って図書を購入しております。この金額は、北海道立図書館の百十五万円、青森県立図書館の百十万円の八割に近い数字であります。この事実は、民間が公共機関に比較して、いかに資料活動ということを重要視しているかということの好例ではないかと思われます。要するに国は、地方産業の開発、自治制度の発達のために、もっと地方における資料の整備ということを考えてやらなければいけないということを痛感した次第であります。  以上で報告を終ります。
  80. 安井謙

    委員長安井謙君) 中野文門君。
  81. 中野文門

    ○中野文門君 上林忠次君、光村甚助君及び私の三名は、十二月三日から八日まで六日間、福岡県及び長崎県における図書館事情、特に国立国会図書館と関連を持つ点に重点を置いて視察調査したのであります。次にその概要を図書館の館種に従い、ここに報告いたします。  第一に、地方議会図書室の運営上の問題について見たところを申し上げます。議会図書室の地方議会に対する関係は、国会図書館の国会に対するがごとき関係にあるのでありますが、ここに私どもは二つの問題点を見出したのであります。一は図書資料購入予算の僅少ということであり、一は資料の貧弱さということ、これであります。この両者は密接な関連を持った問題でありますが、まず前者について申し上げます。  福岡県議会図書室の図書購入予算は十八万円、長崎県議会図書室は二十万円に過ぎません。この僅少、零細な予算をもってしては、地方議会議員の調査活動に資することは著しく困難であることは申すまでもありません。ここにおいて地方議会図書室は、零細な予算を十二分に発揮するためには、県内各調査研究機関や新聞社、さらには県立図書館や大学図書館と十分の連絡を保ち、県政に必要な資料の送付を受けるとともに、あらかじめ県内所在各機関の所蔵資料目録を調査整備して、必要に応じて借り出しを受ける等の処置により解決をはかるということが大切だと思いますが、この点の考慮はほとんど払われていないのであります。  議会図書室は、議会に対する参考調査図書館であり、地方自治行政の専門図書館でなければなりません。こうした使命と性格を把握すれば、そのあり方は、議会の使命遂行のための議員の調査研究に完全な図書館奉仕を提供することに集約されるのであります。このために図書室関係者は平素から、議会の必要とする図書資料は何か、議会が便と考え資料は何かを勘考して議会の要求により、またはその要求を予測して、万全の図書館奉仕を提供するにはいかなる準備が必要かという点に払われている考慮が肝要と思いますが、こういう考慮がまことに少いと思うのであります。ここにおいて、県下諸団体機関との連係協力ということは、ほとんど顧みられることなく、大学学術機関や市町村議会、商工会議所、大会社等の企業体、産業組合、言論報道機関、文化団体等の資料や調査に関連ある部門との結びつきがないために、県下諸機関団体の出版物は十分に収集されず、それら機関団体の蔵書を利用することもできずに、いたずらに図書購入予算の零細を歎じているきらいなしとしないのであります。  地方議会図書室は、議員の参考調査図書館として、中央政府各機関で刊行するいわゆる官庁資料の収集に努めていますが、官庁資料は地方自治法第百条の規定にもかかわらず、政府はこれが送付を必ずしも実行していません。わずかに国立国会図書館を通じて送付される官庁資料のみが、資料入手のための組織的な道となっているのであり、また近時、中央行政機関の行政費削減は印刷製本費にしわ寄せとなり、従って官庁資料の印刷部数の減少となり、あるいは外郭団体機関での出版の増加を見、地方議会関係への送付部数は次第に減少する傾向をたどり、地方議会図書室の乏しい購入費では、いかんとも手が出ないということになり、ひいては議員の調査活動に甚大な支障を来たしているのが実情であります。  これが対策については、第一に政府に対し、地方自治法の規定の履行を強く要望せねばならぬことはもちろんでありますが、官庁外郭団体または民間団体機関刊行の政府資料については、県立図書館とも十分連係の上解決される点もありましょうし、県の執行部側に送付された政府資料を、努めて議会図書室に回収するという努力を議会図書室が払うということにより解決されるところも少くないと思います。こういう方面について、異口同音に、国立国会図書館の今後一そうの指導援助を期待しておりました。  次に、県立図書館について視察の要点を申します。それは第一に施設の充実ということであります。福岡、長崎両県立図書館はいずれも木造で、長崎のごときは原爆による被害のため、書庫は火災に対し安全を期し得ず、福岡は仮建築のため、国立国会図書館より送付のPBリポートを、火災に安全な遠隔の耐震耐火建造物たる九州大学工学部内に保管、閲覧に供するという不便さを日常体験しなければならぬありさまでありました。両図書館とも県内資料の収集に努め、国立国会図書館との連係協力は見るべきものがありましたが、わけて福岡県立図書館から国立国会図書館に対して援助協力を要請されましたのは、PBリポート、原子力関係資料の複写版の大量の配付並びに年々の新版の配付の増加ということでありました。特に米国航空工学関係資料は、国立国会図書館の資料が世界で最も充実しておるので、これが貸与を待望していました。利用者はいずれも大学関係者がその多数を占めるのでありますが、これは大学関係者の学術研究ということはもちろんでありますが、同時に、民間企業体関係者の依頼により、大学関係者がこれが解読に当っておるのでありまして、民間企業体関係者の利用をより一そう容易にするためには、国立国会図書館において科学技術関係資料、すなわち原子力リポート、PBリポート、世界の科学技術雑誌並びに特許明細書の完全な記事索引目録の整備や抄録等について早急な実現を要望しておりました。これ、わが国の科学技術水準を高めるための最も早い道の一つであるからであります。  最後に、民間調査研究機関の図書館活動について報告申しまする私どもの視察したのは、八幡製鉄所の技術図書館と九州経済調査協会でありますが、いずれも調査研究は最新の基礎データや資料を追及する関係から、雑誌は内外にわたり関係部門のものを数百種収集整備し、雑誌記事索引や論文の抄録に努め、特に八幡ではパンチカードを使用しているのに関心が引かれました。資料の収集も整備も、機関内の調査員、研究員が担当していますことは、どこの調査研究機関にも共通に見られるところでありますが、機関の管理者としては、資料部門担当者が、ともすれば調査研究の第一線に復帰することを熱望しているという悩みを訴えていました。調査研究機関の資料部門担当者が、その資料活動において調査研究活動を予測して活動すべきこと、あるいは調査研究活動の不足面を補う上で、不可欠の部門であるという啓蒙と認識の緊要性を痛感いたしました。この方面の活動もあわせて国立国会図書館の上に期待したいと思います。  さらに、私どもの興味を引いたのは、九州経済調査協会に設置されている専門図書館協議会九州地区協議会の活動でありました。専門図書館協議会は、国会図書館がその中央事務局を担当しており、九州地区協議会は九州方面の民間企業体が中核となり、その調査研究活動に最も必要な官庁資料約四千点を、国立国会図書館の援助を受けて収集整備し、国立国会図書館からの新着資料を会員に速報するとともに、貸し出しや閲覧利用に供する一方、資料センターの資料を九州経済調査会の調査部門が活用して、会員であるところの九州所在各企業体団体共通の関心する問題を解説速報し、あわせて各企業体の調査研究活動を援助し、代行しているのであります。研究業績は、活字印刷二千ページをこゆるものから謄写タイプ印刷のものまで含めて、年々数十点刊行され、これらがすべて協議会会員機関団体の活動に資しているのでありまして、私どもは、ここに新しい図書館活動の生き生きとした姿を見たのであります。  私どもは、ここに図書館ないしは企業体間、連係協力の力強い姿を見たのではありますが、ここにもやはり悩みがございます。それは調査研究活動の生命ともいうべき官庁資料が、国立国会図書館の努力により、月々多数送付されていますが、いまだ官庁資料の全体をおおうに至っていないということ、このことでありまして、官庁資料は、最低の部数で最大にその利用の効果を上げているところの、こういう連係の組織体にこそ十分に収集送付し、ともすれば、底が浅いと言われるわが国の経済の発達に資すべきではなかろうかと痛感した次第でありまして国立国会図書館においても、政府各機関とよく連絡を保ち、官庁資料の収集に一そうの研究と努力を期待するとともに、これに対する政府各機関の協力をさらに切望するものであります。  以上をもって報告を終ります。
  82. 安井謙

    委員長安井謙君) ほかに御発言もなければ、暫時休憩いたします。   午後四時三十九分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕