○岩間正男君 今お話のようにいろいろ沈下に対する対策を幾分進めておられるようでありますが、基本的な原因がどこにあるか、この問題について
調査を進める、こういうことは
一つの政策としてとられておるようでありますが、しかし、現地の住民たちの要望というやつはもっと切迫しておる。今お話のように非常にこれは切迫した問題です。私も二月ほど前にここに参りましたが、しばしば海水の浸入を受けておる。住民たちと懇談会をしたその席上で、風が吹くというと子供が夜寝つかない、そうして母親に向ってどうも風が吹くのできょうも水が入ってくるのじゃないか、とても寝つかない、母親はこれをだまして寝かせるのに非常に苦心した、あるいは大風が吹くと家財道具になわを縛りつけて避難準備をしなければならない、こういうような切実な問題が起っておるわけです。私今度この住民大会に参加したついでに再び現状を見たわけでありますが、あの東海岸のほんとうに間に合せの板囲いの間に砂を入れてとりあえずの防波提を作っておる。ところが、十三日御
承知のように
新潟では四十一メートルの大風が吹いた。これは
新潟測候所始まって以来の大風だそうであります。これは幸いに陸から海の方に吹いたので被害は割と少かった。これが反対に吹いたらこれはとても大へんなことになったのじゃないか。しかし、それでさえも現にもうずっと防波提を築いておりますうちの百五十メートル、二百メートルの二カ所にわたりまして砂が全部さらわれておる、こういうような
格好になって、しかも、海水が浸入して相当な被害をこうむっておるわけです。ですから現地住民になると全く大へんだ。それから港湾関係あるいは
新潟鉄工所関係の工場にも海水がどんどん入ってくる、こういう
事態が起っておるのでありますから、これに対して応急処置を講ずるという点が今お話のように非常に重要な問題になっておると思うのです。そこで、向うの希望といたしましては、現地の希望をつぶさに聞いたのでありますが、何といってもこのようなやり方については
地元負担だけではとてもやっていけない。どうしてもこれは
国家の大きな補助が必要である。あるいはまたこれを補助することについて、現在の法制の形では十分なことができない。大幅な国庫負担ができない。従って、何とか
法律的な
措置をしてもらいたい。地すべり法案というようなものと一緒にしてこれをやろうかという話もあったそうですが、うまくいかない。何とか単独立法をやってもらいたい。このようなことが非常に
地元の要求になっていると思うのです。それで、
大臣はたとえば港湾
行政の立場からというお話でありますが、その点だと思います。
新潟の港の位置というものについて、これはどういうふうにお考えになりますか。ことに日ソ交渉、日ソ貿易は、これは協定を結んだ、それから中国との貿易はもっともっと拡大しなければならないというような
状態になっております。また朝鮮との貿易も、これは日程に上り始めているのです。こういうような点に、大陸貿易という点から見ますというと、裏日本の港における
新潟の位置というものは、全体の日本の貿易政策から考えましても相当重要なこれは位置を占めるのじゃないか、こういう点から考えて、
国家的にやはり港のこのような荒廃を今のうちにはっきり手を打つということは非常に重要な問題だと思うのですが、
大臣はこの点どうお考えになりますか、お伺いしたいと思います。