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1957-11-11 第27回国会 衆議院 文教委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月十一日(月曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 長谷川 保君    理事 伊東 岩男君 理事 稻葉  修君    理事 高村 坂彦君 理事 坂田 道太君    理事 河野  正君 理事 佐藤觀次郎君       簡牛 凡夫君    並木 芳雄君       牧野 良三君    三浦 一雄君       小牧 次生君    櫻井 奎夫君       鈴木 義男君    高津 正道君       辻原 弘市君    平田 ヒデ君       小林 信一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 松永  東君  出席政府委員         総理府事務官         (自治庁財政局         長)      小林與三次君  委員外の出席者         参議院議員   矢嶋 三義君         文部事務官         (大臣官房総務         参事官)    齋藤  正君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     内藤誉三郎君         文部事務官         (大学学術局         長)      緒方 信一君         文部事務官         (社会教育局         長)      福田  繁君         文部事務官         (管理局長)  小林 行雄君         専  門  員 石井つとむ君     ――――――――――――― 十一月十一日  委員木下哲君辞任につき、その補欠として辻原  弘市君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月八日  教育公務員特例法の一部を改正する法律案(矢  嶋三義君外二名提出、参法第一号)(予) 同月十一日  へき地教育振興法の一部を改正する法律案(松  澤靖介君外六名提出、参法第二号)(予) 同月八日  公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担に関  する請願(吉田重延君紹介)(第二四五号)  同(逢澤寛君紹介)(第三二六号)  同(青木正君紹介)(第三二七号)  同(赤澤正道君紹介)(第三二八号)  同(秋田大助君外一名紹介)(第三二九号)  同(淺香忠雄君紹介)(第三三〇号)  同(荒舩清十郎君紹介)(第三三一号)  同(宇都宮徳馬君紹介)(第三三二号)  同(植村武一君紹介)(第三三三号)  同(内海安吉君紹介)(第三三四号)  同(小澤佐重喜君紹介)(第三三五号)  同(大坪保雄君紹介)(第三三六号)  同(大平正芳君紹介)(第三三七号)  同(岡崎英城君紹介)(第三三八号)  同(奧村又十郎君紹介)(第三三九号)  同(加藤精三君紹介)(第三四〇号)  同(加藤常太郎君紹介)(第三四一号)  同(亀山孝一君紹介)(第三四二号)  同(菅野和太郎君紹介)(第三四三号)  同(木村文男君紹介)(第三四四号)  同(北れい吉君紹介)(第三四五号)  同外二件(菊池義郎君紹介)(第三四六号)  同(楠美省吾君紹介)(第三四七号)  同(小枝一雄君紹介)(第三四八号)  同(小平久雄君紹介)(第三四九号)  同(佐伯宗義君紹介)(第三五〇号)  同(齋藤憲三君紹介)(第三五一号)  同(坂田道太君紹介)(第三五二号)  同(笹山茂太郎君紹介)(第三五三号)  同(薩摩雄次君紹介)(第三五四号)  同(正力松太郎君紹介)(第三五五号)  同(須磨彌吉郎君紹介)(第三五六号)  同(鈴木善幸君紹介)(第三五七号)  同(關谷勝利君紹介)(第三五八号)  同(園田直君紹介)(第三五九号)  同(田口長治郎君紹介)(第三六〇号)  同外九件(田中彰治君紹介)(第三六一号)  同(田村元君外五名紹介)(第三六二号)  同外八件(高岡大輔君紹介)(第三六三号)  同(竹内俊吉君紹介)(第三六四号)  同(綱島正興君紹介)(第三六五号)  同(徳安實藏君紹介)(第三六六号)  同(内藤友明君紹介)(第三六七号)  同(中嶋太郎君紹介)(第三六八号)  同(中曽根康弘君紹介)(第三六九号)  同(永山忠則君紹介)(第三七〇号)  同(灘尾弘吉君紹介)(第三七一号)  同(夏堀源三郎君紹介)(第三七二号)  同(野依秀市君紹介)(第三七三号)  同(畠山鶴吉君紹介)(第三七四号)  同(花村四郎君紹介)(第三七五号)  同(濱野清吾君紹介)(第三七六号)  同(廣瀬正雄君紹介)(第三七七号)  同(福永健司君紹介)(第三七八号)  同(藤本捨助君紹介)(第三七九号)  同(古川丈吉君紹介)(第三八〇号)  同(保利茂君紹介)(第三八一号)  同(眞崎勝次君紹介)(第三八二号)  同(松野頼三君紹介)(第三八三号)  同(松山義雄君紹介)(第三八四号)  同(三浦一雄君紹介)(第三八五号)  同(南好雄君外一名紹介)(第三八六号)  同(村上勇君紹介)(第三八七号)  同(森下國雄君紹介)(第三八八号)  同(森山欽司君紹介)(第三八九号)  同(山口好一君紹介)(第三九〇号)  同(横川重次君紹介)(第三九一号)  同外二件(渡邊良夫君紹介)(第三九二号)  小中学校学級編成基準の引下げに関する請願(  松平忠久君紹介)(第三九三号)  公立小中学校統合特別助成費国庫補助増額に関  する請願(松平忠久君紹介)(第三九四号)  公立小中学校施設統合整備に関する請願(松平  忠久君紹介)(第三九五号)  へき地教育振興関係予算確保に関する請願(池  田清志君紹介)(第三九七号)  柔道振興に関する請願(池田清志君紹介)(第  三九八号)  義務教育学校等学級定員に関する請願(米  田吉盛者紹介)(第三九九号)  学校給食の振興に関する請願(米田吉盛君紹  介)(第四〇〇号)  PTAの公費負担額軽減に関する清願(米田吉  盛君紹介)(第四〇一号)  鈴鹿山脈中に自然動物園設置の請願(田中久雄  君外三名紹介)(第四三五号) 同月九日  板付基地周辺学校防音対策に関する請願(簡  牛凡夫君紹介)(第五四〇号)  駐留軍及び自衛隊飛行場等周辺学校防音施設  整備に関する請願(福田篤泰君紹介)(第五四  一号)  義務教育教材費国庫負担増額等に関する請願  (牧野良三君紹介)(第五四二号)  公立学校文教施設補助制度改善に関する請願(  牧野良三君紹介)(第五四三号)  へき地教育振興法の改正に関する請願(山本猛  夫君紹介)(第五四四号)  同(田子一民君紹介)(第六九三号)  公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担に関  する請願(大島秀一君外二名紹介)(第五四五  号)  同外一件(大野市郎君外四名紹介)(第五四六  号)  同(大野市郎君外一名紹介)(第五四七号)  同(田中角榮君外四名紹介)(第五四八号)  同(塚田十一郎君外二名紹介)(第五四九号)  同(渡邊良夫君外二名紹介)(第五五〇号)  同外一件(稻葉修君紹介)(第五五一号)  同外四十三件(大久保留次郎君紹介)(第五五  二号)  同(大島秀一君外一名紹介)(第五五三号)  同外三件(大島秀一君紹介)(第五五四号)  同(北れい吉君紹介)(第五五五号)  同(渡邊良夫君紹介)(第五五六号)  同外十件(高村坂彦君外二名紹介)(第六九九  号)  同(平田ヒデ君紹介)(第七〇〇号)  同外四件(北れい吉君紹介)(第七〇一号)  同(小牧次生君紹介)(第七〇二号)  同(淺沼稻次郎君紹介)(第九〇七号)  同外二十三件(足鹿覺君紹介)(第九〇八号)  同(荒舩清十郎君紹介)(第九〇九号)  同(有田喜一君紹介)(第九一〇号)  同外一件(安藤覺君紹介)(第九一一号)  同外四件(石田宥全君紹介)(第九一二号)  同外十四件(石野久男君紹介)(第九一三号)  同外一件(臼井莊一君紹介)(第九一四号)  同外六件(風見章君紹介)(第九一五号)  同(川俣清音君紹介)(第九一六号)  同(木下哲君紹介)(第九一七号)  同(北村徳太郎君紹介)(第九一八号)  同外一件(清瀬一郎君紹介)(第九一九号)  同(久保田鶴松君紹介)(第九二〇号)  同(久保田鶴松君外一名紹介)(第九二一号)  同(小泉純也君紹介)(第九二二号)  同(小金義照君紹介)(第九二三号)  同(小島徹三君紹介)(第九二四号)  同(小松幹君紹介)(第九二五号)  同(河本敏夫君紹介)(第九二六号)  同外一件(椎名隆君紹介)(第九二七号)  同(杉山元治郎君紹介)(第九二八号)  同外一件(首藤新八君紹介)(第九二九号)  同外二件(田中織之進君紹介)(第九三〇号)  同(高瀬傳君紹介)(第九三一号)  同(竹尾弌君紹介)(第九三二号)  同外三件(辻原弘市君紹介)(第九三三号)  同外六件(渡海元三郎君紹介)(第九三四号)  同外四件(中村高一君紹介)(第九三五号)  同(永田亮一君紹介)(第九三六号)  同(西尾末廣君外五名紹介)(第九三七号)  同(西村榮一君紹介)(第九三八号)  同(野田武夫君紹介)(第九三九号)  同(馬場元治君紹介)(第九四〇号)  同(原彪君紹介)(第九四一号)  同(藤枝泉介君紹介)(第九四二号)  同外一件(細田綱吉君紹介)(第九四三号)  同(堀川恭平君紹介)(第九四四号)  同(前田正男君紹介)(第九四五号)  同(松永東君紹介)(第九四六号)  同外一件(松原喜之次君紹介)(第九四七号)  同外一件(三宅正一君紹介)(第九四八号)  同外三件(粟山博君外一名紹介)(第九四九  号)  同外三件(山口喜久一郎君紹介)(第九五〇  号)  同外八件(山口好一君外三名紹介)(第九五一  号)  同(山村新治郎君紹介)(第九五二号)  同(山村新治郎君外一名紹介)(第九五三号)  同外一件(山本正一君紹介)(第九五四号)  公立小中学校施設統合整備に関する請願(下平  正一君紹介)(第六九二号)  高等学校定時制教育及び通信教育振興法の一  部改正に関する請願(内藤友明君紹介)(第六  九四号)  高等学校定時制課程育英資金に関する請願(  内藤友明君紹介)(第六九五号)  富山大学に短期大学部設置に関する請願(内藤  友明君紹介)(第六九六号)  高等学校定時制教育及び通信教育予算に関す  る請願(内藤友明君紹介)(第六九七号)  小中学校音楽教育充実に関する請願(平田ヒ  デ君紹介)(第六九八号)  教育公務員特例法の一部改正に関する請願(小  川豊明君外一名紹介)(第八〇五号)  教員の配置基準及び学級編成基準法制化等に  関する請願(池田清志君紹介)(第八〇六号)  福岡学芸大学小倉分校設置反対に関する請願(  福田昌子君紹介)(第八〇七号)  北海道大学工学部精密工学科設置に関する請願  (横路節雄君紹介)(第八〇八号)  昭和三十三年度教育予算増額に関する請願(小  川豊明君紹介)(第八〇九号) 同月十一日  駐留軍及び自衛隊飛行場等周辺学校防音施設  整備に関する請願(受田新吉君紹介)(第一〇  六七号)  同(河野正君紹介)(第一〇六八号)  児童生徒災害補償法制定に関する請願(加藤鐐  五郎君紹介)(第一〇六九号)  学校保健法制定に関する請願(加藤鐐五郎君紹  介)(第一〇七〇号)  学校給食法の一部改正等に関する請願(加藤鐐  五郎君紹介)(第一〇七一号)  教育財政確立に関する請願(加藤鐐五郎君紹  介)(第一〇七二号)  公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担に関  する請願(茜ケ久保重光君紹介)(第一〇九六  号)  同(足立篤郎君紹介)(第一〇九七号)  同(石山權作君紹介)(第一〇九八号)  同(五十嵐吉藏君紹介)(第一〇九九号)  同(井手以誠君紹介)(第一一〇〇号)  同(井堀繁雄君紹介)(第一一〇一号)  同(今村等君紹介)(第一一〇二号)  同(小澤佐重喜君紹介)(第一一〇三号)  同外一件(大西正道君紹介)(第一一〇四号)  同(勝間田清一君紹介)(第一一〇五号)  同(北山愛郎君紹介)(第一一〇六号)  同(河野密君紹介)(第一一〇七号)  同(佐々木良作君紹介)(第一一〇八号)  同(佐竹新市君紹介)(第一一〇九号)  同(笹本一雄君紹介)(第一一一〇号)  同外一件(志賀健次郎君紹介)(第一一一一  号)  同(椎名悦三郎君紹介)(第一一一二号)  同外一件(島上善五郎君紹介)(第一一一三  号)  同(下川儀太郎君紹介)(第一一一四号)  同(鈴木善幸君紹介)(第一一一五号)  同(鈴木茂三郎君紹介)(第一一一六号)  同(鈴木義男君紹介)(第一一一七号)  同(田子一民君紹介)(第一一一八号)  同(田中織之進君紹介)(第一一一九号)  同(田中武夫君外一名紹介)(第一一二〇号)  同外一件(田中武夫君紹介)(第一一二一号)  同(戸叶里子君紹介)(第一一二二号)  同(中曽根康弘君紹介)(第一一二三号)  同外一件(中村高一君紹介)(第一一二四号)  同(長谷川四郎君紹介)(第一一二五号)  同(平岡忠次郎君紹介)(第一一二六号)  同(福井盛太君紹介)(第一一二七号)  同(福田赳夫君紹介)(第一一二八号)  同外五件(細田綱吉君紹介)(第一一二九号)  同(山本猛夫君紹介)(第一一三〇号)  同(山口丈太郎君紹介)(第一一三一号)  同外一件(吉田賢一君紹介)(第一一三二号)  同(和田博雄君紹介)(第一一三三号)  同外一件(並木芳雄君紹介)(第一二六九号) の審査を本委員会に付託された。 十一月九日  教員養成機関改善等に関する陳情書  (第一二  一号)  金沢大学原子核研究施設新設等に関する陳情  書(第一二二号)  義務教育学校屋内体操場建設に関する国庫補助  制度改正に関する陳情書  (第一六七号)  公立義務教育学校施設費半額国庫負担制度の  法制化等に関する陳情書  (第一六八号)  福岡学芸大学小倉分校上級課程設置反対に関  する陳情書(  第一七〇号)  合併町村の小、中学校統合に対する国庫補助増  額に関する陳情書  (第二一〇号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  委員派遣承認申請に関する件  教育公務員特例法の一部を改正する法律案(矢  嶋三義君外二名提出、参法第一号)(予)  美術行政科学技術の振興及び教職員の勤務評  定等に関する件   請願  一 義務教育費国家保障に関する請願(床次徳    二君外一名紹介)(第二九号)  二 公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担    に関する請願(今井耕君紹介)(第三〇    号)  三 同(宇田耕一君紹介)(第三一号)  四 同(吉田茂君紹介)(第三二号)  五 同(小林信一君紹介)(第三三号)  六 同外七十一件(櫻内義雄君紹介)(第三四    号)  七 同(林讓治君紹介)(第三五号)  八 公立小中学校施設統合整備に関する請願(    唐澤俊樹君紹介)(第三六号)  九 公立小中学校施設統合整備に関する請願(    原茂君紹介)(第一四三号) 一〇 公立小中学校統合特別助成費国庫補助増額    に関する請願(原茂君紹介)(第一四四    号) 一一 小中学校学級編成基準の引下げに関する請    願(原茂君紹介)(第一四五号) 一二 基地周辺学校防音施設に関する請願(加    藤鐐五郎君紹介)(第一四六号) 一三 危険校舎改築促進臨時措置法の恒久化に関    する請願(木村俊夫君紹介)(第一四七    号) 一四 公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担    に関する請願外三件(相川勝六君紹介)(    第一四八号) 一五 同外三十一件(赤城宗徳君紹介)(第一四    九号) 一六 同外一件(淺香忠雄君外一名紹介)(第一    五〇号) 一七 同(足立篤郎君紹介)(第一五一号) 一八 同(植木庚子郎君紹介)(第一五二号) 一九 同(臼井莊一君紹介)(第一五三号) 二〇 同外二件(内田常雄君紹介)(第一五四    号) 二一 同外一件(大倉三郎君紹介)(第一五五    号) 二二 同外十六件(大高康君紹介)(第一五六    号) 二三 同外一件(大村清一君紹介)(第一五七    号) 二四 同外三十四件(加藤高藏君紹介)(第一五    八号) 二五 同(加藤精三君紹介)(第一五九号) 二六 同外二件(神田博君紹介)(第一六〇号) 二七 同外二件(川野芳滿君紹介)(第一六一    号) 二八 同外七件(木崎茂男君紹介)(第一六二    号) 二九 同外二十四件(北澤直吉君紹介)(第一六    三号) 三〇 同外二件(小西寅松君紹介)(第一六四    号) 三一 同外二十一件(纐纈彌三君外一名紹介)(    第一六五号) 三二 同外六件(櫻井奎夫君紹介)(第一六六    号) 三三 同外三百六十三件(櫻内義雄君紹介)(第    一六七号) 三四 同外七件(椎名隆君紹介)(第一六八号) 三五 同外一件(島村一郎君紹介)(第一六九    号) 三六 同外三件(世耕弘一君紹介)(第一七〇    号) 三七 同外二件(高碕達之助君紹介)(第一七一    号) 三八 同(高見三郎君紹介)(第一七二号) 三九 同外八件(竹尾弌君紹介)(第一七三号) 四〇 同(竹山祐太郎君紹介)(第一七四号) 四一 同外八件(千葉三郎君紹介)(第一七五    号) 四二 同外十六件(塚原俊郎君紹介)(第一七六    号) 四三 同外二件(戸塚九一郎君紹介)(第一七七    号) 四四 同外三件(中村梅吉君紹介)(第一七八    号) 四五 同(中村高一君外一名紹介)(第一七九    号) 四六 同外四十三件(中村榮一君紹介)(第一八    〇号) 四七 同外十件(並木芳雄君紹介)(第一八一    号) 四八 同外二件(西村直己君紹介)(第一八二    号) 四九 同外十件(野澤清人君外三名紹介)(第一    八三号) 五〇 同外二十五件(野田卯一君外二名紹介)(    第一八四号) 五一 同(野澤清人君紹介)(第一八五号) 五二 同外二十七件(橋本登美三郎君紹介)(第    一八六号) 五三 同外三件(橋本龍伍君紹介)(第一八七    号) 五四 同外一件(鳩山一郎君紹介)(第一八八    号) 五五 同外三件(早川崇君紹介)(第一八九号) 五六 同外一件(林博君紹介)(第一九〇号) 五七 同(廣川弘禪君紹介)(第一九一号) 五八 同(廣川弘禪君外一名紹介)(第一九二    号) 五九 同外十二件(福井順一君紹介)(第一九三    号) 六〇 同外十三件(福田篤泰君紹介)(第一九四    号) 六一 同(船田中君紹介)(第一九五号) 六二 同外二十件(船田中君外二名紹介)(第一    九六号) 六三 同外一件(古井喜實君紹介)(第一九七    号)六四 同(古川丈吉君紹介)(第一九八号) 六五 同外三件(松田竹千代君紹介)(第一九九    号) 六六 同(松本瀧藏君紹介)(第二〇〇号) 六七 同(松本俊一君紹介)(第二〇一号) 六八 同(水田三喜男君紹介)(第二〇二号) 六九 同外十二件(水田三喜男君外一名紹介)(    第二〇三号) 七〇 同外十五件(森清君紹介)(第二〇四号) 七一 同外二十一件(山村新治郎君一名紹介)(    第二〇五号) 七二 同外一件(山本勝市君紹介)(第二〇六    号) 七三 同外二十五件(山本粂吉君紹介)(第二〇    七号) 七四 同外十五件(渡邊良夫君紹介)(第二〇八    号) 七五 公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担    に関する請願(吉田重延君紹介)(第二四    五号) 七六 同(逢澤寛君紹介)(第三二六号) 七七 同(青木正君紹介)(第三二七八号) 七八 同(赤澤正道君紹介)(第三二八号) 七九 同(秋田大助君外一名紹介)(第三二九    号) 八〇 同(淺香忠雄君紹介)(第三三〇号) 八一 同(荒舩清十郎君紹介)(第三三一号) 八二 同(宇都宮徳馬君紹介)(第三三二号) 八三 同(植村武一君紹介)(第三三三号) 八四 同(内海安吉君紹介)(第三三四号) 八五 同(小澤佐重喜君紹介)(第三三五号) 八六 同(大坪保雄君紹介)(第三三六号) 八七 同(大平正芳君紹介)(第三三七号) 八八 同(岡崎英城君紹介)(第三三八号) 八九 同(奧村又十郎君紹介)(第三三九号) 九〇 同(加藤精三君紹介)(第三四〇号) 九一 同(加藤常太郎君紹介)(第三四一号) 九二 同(亀山孝一君紹介)(第三四二号) 九三 同(菅野和太郎君紹介)(第三四三号) 九四 同(木村文男君紹介)(第三四四号) 九五 同(北れい吉君紹介)(第三四五号) 九六 同外二件(菊池義郎君紹介)(第三四六    号) 九七 同(楠美省吾君紹介)(第三四七号) 九八 同(小枝一雄君紹介)(第三四八号) 九九 同(小平久雄君紹介)(第三四九号) 一〇〇 同(佐伯宗義君紹介)(第三五〇号) 一〇一 同(齋藤憲三君紹介)(第三五一号) 一〇二 同(坂田道太君紹介)(第三五二号) 一〇三 同(笹山茂太郎君紹介)(第三五三号) 一〇四 同(薩摩雄次君紹介)(第三五四号) 一〇五 同(正力松太郎君紹介)(第三五五号) 一〇六 同(須磨彌吉郎君紹介)(第三五六号) 一〇七 同(鈴木善幸君紹介)(第三五七号) 一〇八 同(關谷勝利君紹介)(第三五八号) 一〇九 同(園田直君紹介)(第三五九号) 一一〇 同(田口長治郎君紹介)(第三六〇号) 一一一 同外九件(田中彰治君紹介)(第三六一    号) 一一二 同(田村元君外五名紹介)(第三六二    号) 一一三 同外八件(高岡大輔君紹介)(第三六三    号) 一一四 同(竹内俊吉君紹介)(第三六四号) 一一五 同(綱島正興君紹介)(第三六五号) 一一六 同(徳安實藏君紹介)(第三六六号) 一一七 同(内藤友明君紹介)(第三六七号) 一一八 同(中嶋太郎君紹介)(第三六八号) 一一九 同(中曽根康弘君紹介)(第三六九号) 一二〇 同(永山忠則君紹介)(第三七〇号) 一二一 同(灘尾弘吉君紹介)(第三七一号) 一二二 同(夏堀源三郎君紹介)(第三七二号) 一二三 同(野依秀市君紹介)(第三七三号) 一二四 同(畠山鶴吉君紹介)(第三七四号) 一二五 同(花村四郎君紹介)(第三七五号) 一二六 同(濱野清吾君紹介)(第三七六号) 一二七 同(廣瀬正雄君紹介)(第三七七号) 一二八 同(福永健司君紹介)(第三七八号) 一二九 同(藤本捨助君紹介)(第三七九号) 一三〇 同(古川丈吉君紹介)(第三八〇号) 一三一 同(保利茂君紹介)(第三八一号) 一三二 同(眞崎勝次君紹介)(第三八二号) 一三三 同(松野頼三君紹介)(第三八三号) 一三四 同(松山義雄君紹介)(第三八四号) 一三五 同(三浦一雄君紹介)(第三八五号) 一三六 同(南好雄君外一名紹介)(第三八六    号) 一三七 同(村上勇君紹介)(第三八七号) 一三八 同(森下國雄君紹介)(第三八八号) 一三九 同(森山欽司君紹介)(第三八九号) 一四〇 同(山口好一君紹介)(第三九〇号) 一四一 同(横川重次君紹介)(第三九一号) 一四二 同外二件(渡邊良夫君紹介)(第三九二    号) 一四三 小中学校学級編成基準の引下げに関する    請願(松平忠久君紹介)(第三九三号) 一四四 公立小中学校統合特別助成費国庫補助増    額に関する請願(松平忠久君紹介)(第三    九四号) 一四五 公立小中学校施設統合整備に関する請願    (松平忠久君紹介)(第三九五号) 一四六 へき地教育振興関係予算確保に関する請    願(池田清志君紹介)(第三九七号) 一四七 柔道振興に関する請願(池田清志君紹    介)(第三九八号) 一四八 義務教育学校等学級定員に関する請    願(米田吉盛君紹介)(第三九九号) 一四九 学校給食の振興に関する請願(米田吉盛    君紹介)(第四〇〇号) 一五〇 PTAの公費負担額軽減に関する請願(    米田吉盛君紹介)(第四〇一号) 一五一 鈴鹿山脈中に自然動物園設置の請願(田    中久雄君外三名紹介)(第四三五号) 追加日程  一 板付基地周辺学校防音対策に関する請願    (簡牛凡夫君紹介)(第五四〇号)  二 駐留軍及び自衛隊飛行場等周辺学校の防音    施設整備に関する請願(福田篤泰君紹介)    (第五四一号)  三 義務教育教材費国庫負担増額等に関する    請願(牧野良三君紹介)(第五四二号)  四 公立学校文教施設補助制度改善に関する請    願(牧野良三君紹介)(第五四三号)  五 へき地教育振興法の改正に関する請願(山    本猛夫君紹介)(第五四四号)  六 同(田子一民君紹介)(第六九三号)  七 公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担    に関する請願(大島秀一君外二名紹介)(    第五四五号)  八 同外一件(大野市郎君外四名紹介)(第五    四六号)  九 同(大野市郎君外一名紹介)(第五四七    号) 一〇 同(田中角榮君外四名紹介)(第五四八    号) 一一 同(塚田十一郎君外二名紹介)(第五四九    号) 一二 同(渡邊良夫君外二名紹介)(第五五〇    号) 一三 同外一件(稻葉修君紹介)(第五五一号) 一四 同外四十三件(大久保留次郎君紹介)(第    五五二号) 一五 同(大島秀一君外一名紹介)(第五五三号) 一六 同外三件(大島秀一君紹介)(第五五四    号) 一七 同(北れい吉君紹介)(第五五五号) 一八 同(渡邊良夫君紹介)(第五五六号) 一九 同外十件(高村坂彦君外二名紹介)(第六    九九号) 二〇 同(平田ヒデ君紹介)(第七〇〇号) 二一 同外四件(北れい吉君紹介)(第七〇一    号) 二二 同(小牧次生君紹介)(第七〇二号) 二三 同(淺沼稻次郎君紹介)(第九〇七号) 二四 同外二十三件(足鹿覺君紹介)(第九〇八    号) 二五 同(荒舩清十郎君紹介)(第九〇九号) 二六 同(有田喜一君紹介)(第九一〇号) 二七 同外一件(安藤覺君紹介)(第九一一号) 二八 同外四件(石田宥全君紹介)(第九一二    号) 二九 同外一十四件(石野久男君紹介)(第九一    三号) 三〇 同外一件(千葉三郎君紹介)(第九一四    号) 三一 同外六件(風見章君紹介)(第九一五号) 三二 同(川俣清音君紹介)(第九一六号) 三三 同(木下哲君紹介)(第九一七号) 三四 同(北村徳太郎君紹介)(第九一八号) 三五 同外一件(清瀬一郎君紹介)(第九一九    号) 三六 同(久保田鶴松君紹介)(第九二〇号) 三七 同(久保田鶴松君外一名紹介)(第九二一    号) 三八 同(小泉純也君紹介)(第九二二号) 三九 同(小金義照君紹介)(第九二三号) 四〇 同(小島徹三君紹介)(第九二四号) 四一 同(小松幹君紹介)(第九二五号) 四二 同(河本敏夫君紹介)(第九二六号) 四三 同外一件(椎名隆君紹介)(第九二七号) 四四 同(杉山元治郎君紹介)(第九二八号) 四五 同外一件(首藤新八君紹介)(第九二九    号) 四六 同外二件(田中織之進君紹介)(第九三〇    号) 四七 同(高瀬傳君紹介)(第九三一号) 四八 同(竹尾弌君紹介)(第九三二号) 四九 同外三件(辻原弘市君紹介)(第九三三    号) 五〇 同外六件(渡海元三郎君紹介)(第九三四    号) 五一 同外四件(中村高一君紹介)(第九三五    号) 五二 同(永田亮一君紹介)(第九三六号) 五三 同(西尾末廣君外五名紹介)(第九三七    号) 五四 同(西村榮一君紹介)(第九三八号) 五五 同(野田武夫君紹介)(第九三九号) 五六 同(馬場元治君紹介)(第九四〇号) 五七 同(原彪君紹介)(第九四一号) 五八 同(藤枝泉介君紹介)(第九四二号) 五九 同外一件(細田綱吉君紹介)(第九四三    号) 六〇 同(堀川恭平君紹介)(第九四四号) 六一 同(前田正男君紹介)(第九四五号) 六二 同(松山義雄君紹介)(第九四六号) 六三 同外一件(松原喜之次君紹介)(第九四七    号) 六四 同外一件(三宅正一君紹介)(第九四八    号) 六五 同外三件(粟山博君外一名紹介)(第九四    九号) 六六 同外三件(山口喜久一郎君紹介)(第九五    〇号) 六七 同外八件(山口好一君外三名紹介)(第九    五一号) 六八 同(山村新治郎君紹介)(第九五二号) 六九 同(山村新治郎君外一名紹介)(第九五三    号) 七〇 同外一件(山本正一君紹介)(第九五四    号) 七一 公立小中学校施設統合整備に関する請願(    下平正一君紹介)(第六九二号) 七二 高等学校定時制教育及び通信教育振興法    の一部改正に関する請願(内藤友明君紹    介)(第六九四号) 七三 高等学校定時制課程育英資金に関する請    願(内藤友明君紹介)(第六九五号) 七四 富山大学に短期大学部設置に関する請願(    内藤友明君紹介)(第六九六号) 七五 高等学校定時制教育及び通信教育予算に    関する請願(内藤友明君紹介)(第六九七    号) 七六 小中学校音楽教育充実に関する請願(平    田ヒデ君紹介)(第六九八号) 七七 教育公務員特例法の一部改正に関する請願    (小川豊明君外一名紹介)(第八〇五号) 七八 教員の配置基準及び学級編成基準の法制化    等に関する請願(池田清志君紹介)(第八    〇六号) 七九 福岡学芸大学小倉分校設置反対に関する請    願(福田昌子君紹介)(第八〇七号) 八〇 北海道大学工学部精密工学科設置に関する    請願(横路節雄君紹介)(第八〇八号) 八一 昭和三十三年度教育予算増額に関する請願    (小川豊明君紹介)(第八〇九号) 八二 駐留軍及び自衛隊飛行場等周辺学校の防音    施設整備に関する請願(受田新吉君紹介)    (第一〇六七号) 八三 同(河野正君紹介)(第一〇六八号) 八四 児童生徒災害補償法制定に関する請願(加    藤鐐五郎君紹介)(第一〇六九号) 八五 学校保健法制定に関する請願(加藤鐐五郎    君紹介)(第一〇七〇号) 八六 学校給食法の一部改正等に関する請願(加    藤鐐五郎君紹介)(第一〇七一号) 八七 教育財政確立に関する請願(加藤鐐五郎君    紹介)(第一〇七二号) 八八 公立義務教育諸学校の施設費半額国庫負担    に関する請願(茜ケ久保重光君紹介)(第    一〇九六号) 八九 同(足立篤郎君紹介)(第一〇九七号)九〇 同(石山權作君紹介)(第一〇九八号) 九一 同(五十嵐吉藏君紹介)(第一〇九九号) 九二 同(井手以誠君紹介)(第一一〇〇号) 九三 同(井堀繁雄君紹介)(第一一〇一号) 九四 同(今村等君紹介)(第一一〇二号) 九五 同(小澤佐重喜君紹介)(第一一〇三号) 九六 同外一件(大西正道君紹介)(第一一〇四    号) 九七 同(勝間田清一君紹介)(第一一〇五号) 九八 同(北山愛郎君紹介)(第一一〇六号) 九九 同(河野密君紹介)(第一一〇七号) 一〇〇 同(佐々木良作君紹介)(第一一〇八    号) 一〇一 同(佐竹新市君紹介)(第一一〇九号) 一〇二 同(笹本一雄君紹介)(第一一一〇号) 一〇三 同外一件(志賀健次郎君紹介)(第一一    一一号) 一〇四 同(椎名悦三郎君紹介)(第一一一二    号) 一〇五 同外一件(島上善五郎君紹介)(第一一    一三号) 一〇六 同(下川儀太郎君紹介)(第一一一四    号) 一〇七 同(鈴木善幸君紹介)(第一一一五号) 一〇八 同(鈴木茂三郎君紹介)(第一一一六    号) 一〇九 同(鈴木義男君紹介)(第一一一七号) 一一〇 同(田子一民君紹介)(第一一一八号) 一一一 同(田中織之進君紹介)(第一一一九    号) 一一二 同(田中武夫君外一名紹介)(第一一二    〇号) 一一三 同外一件(田中武夫君紹介)(第一一二    一号) 一一四 同(戸叶里子君紹介)(第一一二二号) 一一五 同(中曽根康弘君紹介)(第一一二三    号) 一一六 同外一件(中村高一君紹介)(第一一二    四号) 一一七 同(長谷川四郎君紹介)(第一一二五    号) 一一八 同(平岡忠次郎君紹介)(第一一二六    号) 一一九 同(福井盛太君紹介)(第一一二七号) 一二〇 同(福田赳夫君紹介)(第一一二八号) 一二一 同外五件(細田綱吉君紹介)(第一一二    九号) 一二二 同(山本猛夫君紹介)(第一一三〇号) 一二三 同(山口丈太郎君紹介)(第一一三一    号) 一二四 同外一件(吉田賢一君紹介)(第一一三    二号) 一二五 同(和田博雄君紹介)(第一一三三号) 一二六 同外一件(並木芳雄君紹介)(第一二六    九号)     ―――――――――――――
  2. 長谷川保

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  まず教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者より提案の趣旨説明を聴取いたします。矢嶋三義君。     —————————————
  3. 矢嶋三義

    ○矢嶋参議院議員 ただいま議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表いたしましてその提案理由を御説明申し上げます。  教育公務員特例法が制定されました折の政府の提案理由には、「教員の地位を確立し、もって教員をしてその職務に専念させることは、教育刷新、教育振興の基礎条件であり」と述べられており、さらに「国家公務員の規定を全面的にそのまま学校教員に対して適用することは、その職務と責任の特殊性にかんがみるとき、必ずしも適当でなく、かつ、不十分と思われる点もあるのである。」と述べております。すなわち本法は、これらの理由から明らかでありますように、広く国立及び公立の幼稚園から大学までの学長、校長、教員等に適用される国及び地方を通じた教育公務員の特殊性を規定いたしているのであります。  本法成立の際の参議院文部委員長の本会議における報告には、これら教育公務員の職務は、一般公務員の行う行政事務と異なり、人間を育成する個性を帯びた創造的な活動であると述べ、国家権力による統制を制限し、教育界に広範な自治を認め、いわゆる教育権の独立を確保する必要があることが強調されております。ここに提案いたしました本法案は、教育公務員に対するこれらの立法趣旨に照らして、現在教育界において最も重大な問題となっております教員勤務評定を画一的に実施しないようにいたそうとするため、教育公務員特例法に所要の改正を加えるものであります。  以下本改正を必要とする理由について御説明いたしたいと存じます。  国家公務員に対する勤務評定の制度は、昭和二十二年国家公務員法第七十二条に定めるところでありますが、人事院が評定に関し必要な人事院規則を制定いたしましたのは昭和二十六年であり、その間実に四年を経過しているのであります。一般公務員に対する評定の実施基準の制定にさえ四カ年を要したことは、人間の評価がいかに困難なものであるかということを示していると思われるのであります。  この人事院規則の制定に伴いまして、文部省は人事院と協議し、各省に先がけて昭和二十七年十二月訓令をもって文部省職員勤務評定実施規程を定めておりますが、その第一条では、教育公務員特例法の規定の適用または準用を受けるものはこの実施規程によらない旨を定めております。もちろん教育公務員特例法第十二条には、大学の教育等について勤務成績を評定する規定がありますが、評定及び評定の結果に応じた措置は、その評定基準を定めることも含めて、それぞれの大学がその管理機関において自治的に行うことになっているのであります。一方、大学以外の幼稚園、小、中、高等学校教員については、教育公務員特例法には別に規定がないのであります。従いまして国家公務員であるこれらの学校教員、すなわち国立大学付属の幼稚園、小、中、高等学校、国立高等学校等の教員については勤務評定の基準がなかったのであります。しかし、昭和二十八年以来文部省は、これら教員勤務評定もそれぞれの学校が自主的にこれを実施すべきことを通知しているのであります。要するに国家公務員である教育公務員の勤務評定は、大学の教員については法の定めるところによって大学の自治にゆだねられ、高等学校以下の教員についてもその自主的評定にゆだねられていたのであります。  これらの措置は、教員に対する評定基準の制定がいかに困難であるかということの証拠であるとともに、教員の特殊性を認め、制定を強行しなかった当時の文部省及び人事院の良識であるとも申せるかと存じます。教育公務員特例法の制定は昭和二十四年でありますが、現在七十二の国立大学のうち、果して幾つの大学がその教員について画一的な評定を行なっているでありましょうか。私どもは寡聞にしてその事実を知りません。大学管理機関が議定した合理的な基準に従って学長以下助手に至る教育公務員の勤務評定が画一的に実施されている大学など、おそらく絶無であろうと思うのであります。  さきに述べましたように、大学以外の学校の国家公務員である教員勤務評定に関する規程は、昭和二十七年以来きわめて最近までその学校の自主的運用にゆだねられてきたのでありますが、本年七月二十九日公布の文部省訓令によりまして、突如としてその適用を受けることになったのであります。御承知の通り、新たに制定されました文部省訓令による評定の実施要領は、一般公務員と教育公務員との間に何ら本質的な差異を認めないものでありまして、教育公務員の勤務評定制度に対する五カ年間の研究検討の結果とは考えられないのでありす。このように教員の特殊性を無視した実施規程がにわかに制定されましたことは、まことに不可解であり、関係大学当事者から反対の声が高いのも当然であると考えられるのであります。  翻って地方公務員についてみまするに、地方公務員法第四十条におきましては、任命権者が勤務評定を実施することになっており、県費負担の教職員の勤務評定は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十六条におきまして、都道府県教育委員会の計画のもとに市町村教育委員会が行うこととなっております。なるほど、法は地方の教育公務員につきまして、勤務評定の実施を定めているのでありますが、果してその実施の状況はいかがでありましたでしょうか。地方公務員法の制定は昭和二十五年十二月でありますが、自来七カ年幾つの地方公共団体におきまして、教員に対する評定が実施されたでありましょうか。昨年愛媛県に端を発しました教員勤務評定は、国をあげての大問題となり、地方教育公務員の勤務評定制度がいかに困難であるかということを如実に示したのでありました。国家公務員である教員に対する文部省の新訓令が、この問題の渦中において公布されましたことは、まことに重大であります。しかも最近の文部省は、教育委員会に対し、その自主性にゆだねられている教員勤務評定について、その実施を強要するがごとき言動をなし、あらゆる機会にそれを公言してはばからず、その実施基準の制定をさえ計画しているのであります。これこそ地方自治と教育の地方分権に対する重大な侵犯であります。  次に教員勤務評定制度の教育上の逆効果について申し述べたいと思います。教育の効果が教育者の人格によって大きな影響を持つことは申すまでもありません。特に青少年に対してはその影響が大きいのであります。人事院規則等によっても勤務評定はその職務についての評定を行うとされていますが、今さら申すまでもなく教員学校教育法第二十八条によってその職務が明確にされております。すなわち「児童生徒の教育を掌る」とあり、その職務は憲法、教育基本法等によって独立し他のものに侵されることのないものであります。このような立場にある教員に対し勤務評定を実施せんとするならば、教育の内容に介入せねばできないことであり、これは教育の独立性と自由を束縛するものと考えられます。さらに勤務の評定はその人の人格評価になることと思います。文部省の新規程にも「性格」「能力」「適正」に対する調整評価を実施することが定められてあります。果して教育者に対しこのような機械的な評価が適当であり可能であると考えられましょうか、全く不可能であります。  教員の場合は、その評定結果によってとられた措置による影響はその教員一個にとどまりません。評定の結果がいかに秘匿されましても、その措置の結果は表面に出てくるのであります。その影響は直ちにその教員の教え子である児童生徒に及ぶでありましょう。児童生徒だけではなく、PTAという組織を通じて、おそるべき影響は、さらに大きく教育効果を支配するでありましょう。児童生徒の教育は子供たちの教師に対する信頼と尊敬から始まります。評定の結果はその信頼と尊敬とをゆるがすこともあり得ます。そして教育が根本的に破壊されるのであります。教員に対する勤務評定の困難さは、評定実施の単なる技術問題だけではなく、教育という根本使命に重大な関連を持っております。その本質的問題はにわかの実施によってにわかに解決できるものではありません。  次に申し述べたいことは評定結果の活用措置であります。国家公務員の勤務評定が能率増進の措置であることは法の定めるところであります。人事院は国家公務員法制定以来勤務成績優秀な者に対して特別昇給制度を実施しておりますが、勤務成績の著しく不良な者に対する矯正方法についてはいまだ研究中であって立案に至らず、法に定める適当な措置を講ずるに至っていないのであります。しかるに近来財政の逼迫した地方において、勤務評定結果を直ちに職員の昇給、昇格停止の資料として使用する傾向を生じましたことは、まことにおそるべき評定の乱用と申さねばなりません。さらに残念なことは、昇給停止の目的にのみ勤務評定を実施しようとする実情にあることであります。一般公務員に対するこれらの措置が職員間の不和、嫉視を招き、職員の勤務能率の増進とはほど遠い拙策であることは申すまでもありませんが、特に教員に対するこれらの措置は教員の疑心、阿諛、追従に発展し、教育が権力に支配され、その中立性が確保されず、憲法に定める学問の自由が根本的に脅かされることとなるのであります。これらの現象はすでに評定をいまだ実施していない大多数の学校においても、実施強行の声におびえて、相当顕著に見られるに至ったと伝えられているのでありまして、まことにゆゆしい事態と申さねばなりません。近時順法精神を強調する声も多いようであり、法の制定後、何年間も適正に実施できなかった教育公務員の勤務評定を強行実施することが、順法の美挙であるかのごとく言われておりますが、立法の府にあります私どもは実態に即した法の改正をなすべきであると考えるのであります。国立大学の教員に対する勤務評定は、教育公務員特例法の制定以来すでに九カ年、ほとんど完全に実施されないで今日に至っているのであり、大学以外の諸学校教員についても国家、地方両公務員を通じて、これまた九カ年ないし七カ年間の長きにわたって、文部省が今回企図しているような評定はほとんど実施されていないような実情にあったのであります。何のために今日にわかにこれを実施に移そうとするのでありましょうか。その意図するところに多大の疑問を抱かざるを得ないのであります。  以上、今日教員勤務評定の実施がほとんど不可能に近く、教育上実施にきわめて大きな障害があることを申し述べました。実際教員勤務評定を実施しないと、どんな障害がありましょうか、教育上実施に害こそあれ、実施しないことによる実害はないのであります。この際実態に即して、教育公務員に対する勤務評定の制度を国家、地方両公務員を通じて実施しないことが最も時宜に適した措置であると考え、本改正法案を提出した次第であります。  次に本法律案の内容を簡単に御説明いたします。すなわち教育公務員特例法第十二条の削除、教育公務員に対する国家公務員法第七十二条及び地方公務員法第四十条の不適用を規定いたしたのであります。従いまして付則におきまして地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十六条を削除いたすことといたしました。  以上本法律案の提案の理由とその内容について御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上御可決下さいますようお願い申し上げます。(拍手)
  4. 長谷川保

    長谷川委員長 本案に関する質疑は追って行うことといたします。     —————————————
  5. 長谷川保

    長谷川委員長 次に、文教行政に関する調査を進めます、質疑の通告があります。順次これを許します。高津正道君。
  6. 高津正道

    ○高津委員 文部大臣に質問をいたしますが、実は一週間ほど前に出た「不正者の天国」という高田茂登男氏の著書をもらったのであります。この人はある期間文部省の監察担当官であったし、現在行政管理庁監察局主査をやっておる人であります。この定価二百円、二百五十ページほどの本の中には文部省のいろいろな問題が相当あっちこっちに書かれておりますが、私が本日質問するのは、ここに書かれてない同じような問題を取り上げて御質問するのであります。しかし、ここの一ページをちょっとあけてみましても、「私たちはまず学校給食会を調査した。ところが価格調整のための勘定があり、その資金は二億数千万円に達していた。これは学校給食会が輸入業者から買いつけたミルクの値段とこれを都道府県に売り渡す値段とに開きがあるため、その利潤部分が蓄積されたものだった。」これは学校給食会のそれを取り扱う人が二億数千万円も不当に取っておったということであります。こういうことがあっちこっちに出ておりますが、私は文部大臣が張り切って道徳教育だとか勤務評定だとか申しておられるので、根本の問題について立場を明らかにした上で御質問を申し上げます。  私はこの岸内閣は国民から見て五つの大きな弱点を持っておると平素から気づいております。これはお答えはいただかなくていい、私の心がまえを先ず申し上げるのです。  第一は、言うまでもなく我が国は絶対の平和主義、原水爆絶対反対でいかねばならないと考えます。そうして国民運動としてはこの点で世界をリードしておるのだが、岸総理はこの有力な外交的条件を生かし得ない人物である。不幸にも戦争日本の生き残り指導者中の一人者であって、第一の責任のある人であります。陸軍、海軍が自重論と開戦論で五分々々で争った場合に、一番これに対して決定的な発言をなし得る立場にあったのが、軽工業、重工業、資材、原料等の貯蔵などを一切知っておる商工大臣岸信介氏であったのでありますが、十分戦えるということをそのときその人が判決を下したために、閣議は海軍の方が弱わって、遠慮して言わなくなり、文官大臣もそれならというので戦争にきまったのでありまして、そういうような大きな最後の閣議の発言者が今の総理であるということが岸内閣の特徴で、これは弱点であると思うのです。  第二は、汚職が官界、政界に蔓延しておるということ今日のごときはない。国民は、全購連の汚職がうやむやになったほかに、売春汚職がまたまたそのあとを追おうとしておる現象に対して、岸総理の汚職追放の宣言の責任を必ずや追及してやまなくなるであろうことであります。  第三は、岸内閣は保守党内閣の伝統的政策として、またアメリカから督促されて、陸上、海上、航空の三つの自衛隊の増強を進めていきますが、ソ連のICBMの成功と人工衛星一号、二号の打ち上げで、国民は軍備増強政策に対する考え方を一変してくるに違いない。  第四、短かく申しますと、経済の見通しを誤まって国民を迷わせ、国民経済に煮え湯を飲ませるような激変を与えた点であります。  こういうような特徴を持っておるのでありますが、それにもかかわらず国鉄労組と日教組に対して、かつて見ない執拗な攻勢をかけてきている点であります。  これが松永文部行政でありますが、順風満帆の勢いのときならいざ知らず、また人柄と態度とで、敵味方を問わず一応信頼の置ける石橋さんを総理としていただいてならば多少条件も変ろうかとも思いますけれども、岸総理のもとでの松永文相では、上からの被害と張り切る部下からの被害とで、結局振り上げた刀もどうにもならなくなるだろうと、私はあなたを知っておるだけに、内心は御同情申し上げておるのであります。いかなる戦術論から考えましても、かかるときにこそ政府は少し低い姿勢になられないものだろうか。これが私の持論でございますが、しかし本日は私の新しい愛国心から、さきに数えた汚職追放のために、また反動的な文教行政の御反省を求めるために、少しきつい、苦い質問をします。  さて第一の質問に入ります。遠い愛媛県でもなく、むろん九州でもなく、文部省の直轄機関、もちろん東京ですよ。国家の営造物の中で、文部省のお役人が夜な夜な集まってマージャン賭博を行なっていた事実を大臣は御承知でしょうか。
  7. 松永東

    松永国務大臣 高津委員の前置きのいろいろな問題につきましては、やはりそれぞれの見方もございましょう。あなたのような見方もあります。これに絶対反対するような私の見方もあります。しかしそれはしばらくおきまして、今の直接私に対する御質問のマージャンですが、これはマージャンがあったかどうか私はちっとも知りません。(高津委員「マージャン賭博です」と呼ぶ)マージャン賭博があったかどうか、私はマージャンというものを知らぬものだから、そしてまたあれは大きらいだから、そういうものが行われようとは思っておりません。私は初めてお伺いした。
  8. 高津正道

    ○高津委員 御存じのはずだと思うのですが、御存じないとのお答えなのでもう少し突っ込んでお尋ねせざるを得なくなりますが、そのような国の営造物内でのマージャン賭博は、夜ふかしをした上で、一同二百五十円の弁当をとる、ビールをとる。それを役所の金で支払って、おまけに超過勤務の手当をお手盛りでとっていたんですが、ここまで私が指摘してもまだ思い出していただけないのでしょうか。いかに文部省のお役人がかわいくても、ここまで質問をする以上、がんばらずにあっさりお答えを願いたいのです。
  9. 松永東

    松永国務大臣 先ほどから申し上げるように、そういうことは私は初耳なんです。ここへ来て初めて聞きました。そこでなおそういう事実があるとすればゆゆしい問題でありますから、よく調査してさらにお答えしたいと思います。
  10. 高津正道

    ○高津委員 よく調査した上でと言われるが、私はもちろんこういう発言をする以上は、れっきとした証拠を持ち、証人を持って発言をしておるのであります。それでは以上の二つの質問に対して福田社会教育局長から御答弁を承わりたいと思います。これは少し知っておられるはずです。
  11. 福田繁

    福田説明員 高津委員の御質問のようなマージャン賭博とか、そういう事実については私は存じません。
  12. 高津正道

    ○高津委員 場所は国立近代美術館の五階の研修室ですから、福田局長が一番詳しく知っていられねばならないはずであります。そこに勤務する労働組合の役員でもある人から一度ならず二度、三度までも時の田中事務次官にその処置を申し出ておるのであります。ここまで申し上げてもまだ知らぬ存ぜぬとおっしゃるのですか。もっと進むといよいよ——国立近代美術館の原敏夫庶務課長たち七、八人のグループです。原課長は、自分がマージャン賭博で勝ったものの、部下に払わないものがあるもんだから、他人を介してその夜々の貸しをあとで請求していることまで私は詳しく報告を受けておりますが、福田社会教育局長が御存じないはずがないので、何とかもう少し触れた御答弁をいただきたいと思います。
  13. 福田繁

    福田説明員 ただいまのような事実はないと思いますが、田中前次官の時代に近代美術館に対しまして勤務の状態について注意をされたことはあるように聞いております。それ以外は私は存じません。
  14. 高津正道

    ○高津委員 それでは次へ移りますが、文部政務次官がかわるとそこの会計からお祝いを持っていっておる。すると次官から庶務課長あてに礼状が来る。あけてみると中には国立近代美術館殿という受け取りが入っているそうであります。(稻葉委員「おれのときは来なかったぞ」と呼ぶ)これも証人があって言うのです。稻葉政務次官のときにあったということは言っておりません。(稻葉委員「かわるたびごとにと言ったじゃないか」と呼ぶ)あまりにも会計が乱脈であります。(稻葉委員「でたらめ言うと承知しないぞ」と呼ぶ)もちろん責任を持ちます。北海道で博物館協会の大会があり、協会に加入してもいないのにその国立近代美術館の原課長が三万数千円の旅費を持ってそれに出席する。しかもすでにそのとき職員の出張手当は全部なくなっているので、館関係者、いわば自分の部下の立場にある二人の人間の関西出張というから出張の帳簿面をこしらえてその金をごまかしたものであります。まだまだあるのですが、これらの不正をやはり田中事務次官に前述の正義漢が訴えると、次官は同姓の田中人事参事官に紹介して訴えさしておるという事実もあります。そこで昨年本省から会計検査が行われました。そのあとが一そう悪いのです。すなわちその晩八丁堀の料亭へ本省から出かけた三人と美術館からの六人、この九人で出かけて宴会を持って、二万七千円の支払いを、館の小切手で払っておるのであります。そのあとがまたまたなお一そう悪くなりますが、昨年末に田中人事参事官に大きい、まあここでは金とも品物とも申しますまい。大きい贈り物をしております。すると役所のきまりなのか、庶務課長あてに礼状が来ており、中の受け取りはやはり美術館のあて名で書かれておった。むろんこんなことは証人に立つ人があってこれを質問しておるのでありますが、まだ知らぬと言われますか。会計の乱脈等がそこまでに至っておるということを、まだ御存じないでしょうか。
  15. 福田繁

    福田説明員 もちろん近代美術館におきましても経理その他厳正に執行されておりますので、今おあげになりましたような点は私はもちろんないと思います。従ってこれは一々おあげになりました事実は、よく調べましてはっきりさせたいと思います。
  16. 高津正道

    ○高津委員 たとえばその原庶務課長は、自分の住居のふすまでも何でもみんな持っていって、そこでは館の事業としての修復がありますから、館の自動車でそれらを運ばせて、みんな修理して、自分の住居に持って帰る。そういうようなこともあるし、また前には——これは原庶務課長のことではないが、石炭の買い入れで、三十トン買い入れたのを八十トンと受け取りを取って金を払っておる。こういうこともやはりちゃんと証人があるのです。全くそうした上に立つ役人がでたらめであって、たとえば岡部長景という人が国際文化振興会の理事長を兼ねておられますが、あの人も八万円も給料を国から美術館の館長としてもらっておるのでありますから、しかもその管理手当ももらっておるのでありますから、管理の実がなければならぬが、一週間に一ぺんくらいしか来ない。次長の今泉さんもやはり七、八万円の給料をもらっておって、一週間に一回か二回、それも三時か四時にちょっと来て帰るだけだ。その人は跡見女子大学の講師をやっておるし、法政大学の教授をやっておるし、そうしてたれ知らぬ者のない美術評論社の重役だというが、帳簿にはまさかあるまいと思うが、一切そこの出版物の相談にあずかっておるというような、そういうように内職八割で、あるいは九割で、そういうような人があなたのところにおるのですが、そんなような状態で、勤務評定を出して、あるいは道徳の説教をして、こういうことは全くつじつまが合わぬのでありますが、(牧野委員「ますます必要だと思いますな、道徳を教えたり勤務評定をやることは」と呼ぶ)今議席から牧野先生のお言葉でありますが、われわれが古くから覚えておる言葉に、修身齊家治国平天下、まず身をおさめ、それから家をひとしゅうし、そうしてその当時の治国は日本でいえば藩くらいのものであって、それを治め、平天下が全国を治めるということであろうと思うが、文部省のおひざ元でそういうようなことがあって、いかに道徳倫理をやかましく言われても、子供も笑うだろうし、世間も承知しないと思うのです。近ごろ文部省はだいぶ変った。よくなった。そして半年くらい時間を置くのです。そしてぼつぼつ低い姿勢で道徳教育のといえば、もっともだと人々は受け取るけれども、自分らのところでは、勝手放題なことをやっておいて、そうして教組の教員が悪い、教員が悪いといって道徳教育を持ち出し、勤務評定を持ち出すということには矛盾があると思う。石川五右衛門だというわけではありませんけれども、石川五右衛門が、法律は守るべきものだ、あるいは道徳はこうであるということを言っても、それは非常に効果が少い。私はそういうような極端なことまで頭に連想作用で浮んでくることをどうすることもできないのであります。大臣はこのような事実に対し、どのようにお考えでしょうか。
  17. 松永東

    松永国務大臣 高津委員の仰せの通り、修身齊家治国平天下、これはいつの時代といえども、私はそうだと考えております。従って今仰せのようなことが、もしも文部省内にあるといたしますれば、もうこれは是正していかなければならぬことは当然であります。しこうして、しからば文部省内に多少の指摘されるような、非難されるようなことがあるとして、ほかをほったらかしておくわけにいきません。一切にここで一つ切りかえをやらなければならぬという考え方で一生懸命やっております。でありますから、この際全国民も反省してもらい、もちろん文部省はまっ先に反省して、そうして社会の見本とし、国民の手本となるようにやりたいと心得ておる次第でございます。
  18. 高津正道

    ○高津委員 報告者はもと警視庁の警部補まで勤めた人で、それが今その館に勤めておって、もう正義感に燃え切って、この状態では国が滅びてしまう。勤務評定を自分で——館長か何時に出勤するか、一週間に何日出勤するか、一年間の全部の統計を私に見せたのであります。それは守衛であるから、だれがどこに出入りするということはみなわかっておるわけで、これでいいでしょうかと語るときは、もう涙をこぼすようなその誠意に私は打たれたのです。こういうことを国会で、行政を調査する権利があるのだから、われわれはこれを大臣、関係当局に言わないでどうしようというつもりで私は言っておるのであります。彼はむろんいつでも証人に立つと申しております。報告書というものは文書でもよこしておるし、私は何べんもたたいて調査しました。何回も会って調査してその上で質問しておるのです。今ではそこの研修室を使わないで、小さい部屋へ集まって別のところでやるそうです。とても好きなグループで、文部省のもと役人、本省のここにおった役人の名前は言いますまい。それも参加すれば、女も参加すれば、会計係も参加すれば、それは激しい、非常な病みつきになって、おるような状態であります。それからあんまりあなた方が冷淡なんで、しかし私は感情には激しないで、抑制に抑制を加えてそのレッテルだけ、名前だけ言っておきますが、ある局長が最も有力なる名士を介して、この問題には触れてくれるなということを言ってきておる。私はその紳士に対して、それではその点は黙っていましょうと言ったので、それが持ち出せないのを遺憾としますが、しかし向うとの了解がつけば、私はやはり言わねばならぬですよ。あんまりひどいですよ。そのことだって、刑事問題でしよう。  それでは次にお尋ねしますが、昭和二十七年から日本書道院というものが上野の東京都美術館で開催されて今日に及んでおります。そこでは、出版物も持ってきておりますが、千人以上の入選者を出す。二百円、三百円、尺が伸びればもっとたくさんとって大へんな利益をあげておるのでありますが、金田心象という文部省の事務官が特別に便宜をはかっておる。その金田心象というのはみずから書道家であって、教科書も書いておれば、文部省におるという地位をもってずいぶん講演をして歩いたり、書道の指導をしておる人であるが、その人の骨折りで文部大臣賞が二十七年からずっと出ておるわけです。そうして文部省の後援、東京都の後援、それがみなインチキなんです。そういうものは全然からっぽですよ。なかった。ところがそれをもらった者は喜んで喜んでみな仏壇に供えたり、神だなに置いたり、わが家へ来る者に見せたりして非常に喜んでおるが、私はこのような罪悪というものはないと思う。政治家がそういうことをやったら、それでもう一ぺんに落選ですよ。役人はそんなことをやっても、ちっとも知らぬ顔をしておるのだが、あろうことか、その団体が今度社団法人に切りかえようとすると、すぐにそれを文部省がまた許しておるのです。知らぬとは言わせませんよ。知っておるわけです。なぜならば、三十年度の書道の審査員長になった人が鎌倉に住んでおる。豊道春海氏よりもわれわれの目から見ればもっと有力な人でありますが、三室金羊という名前です。その審査員長が東京都へ行ってみたら、そんなことはない、こう言うのです。文部省へ来ても、そんなことはないと言うのです。驚いてその審査員長をやめまして、天下にどうして謝罪したらよかろうか、そうすると文部省は——その人の手記でありますが、「電話の結果、文部省でも一切関知していないということになったが、私は確かに文部省の公文書を見ているので、そんなばかなことはないと力説した。次いで文部省芸術課の毛塚事務官が私に電話口へ出てくれとのことで、私がかわって電話で折衝した。その結果あるいは学生部の」——それは一般部の大家へ出す部と学生部で小さいのをたくさん書かせるのとあるのです。「あるいは学生部の奨励賞係で扱ったかもわからぬが、全部書類は芸術課へ回ることになっているが、現在までその事実がないというので、一応電話を切り田内総務に」——日本書道院の「田内総務に聞き合せたところ、金田心象事務官の尽力を得て学生部の賞の方で一般部も便法を講じてもらってあるが、文部省をあまりごたごたつつかぬでもらいたいとのことであった。そこで再び毛塚事務官に事のてんまつを話し、了解を求めたところ、過去三年間も架空の行動をとってあってはゆゆしい問題だから、簡単にはいきません。という。都の方ももちろん御破算になってしまった。」それで三十年度の分は文部省の賞も後援もみんなできないことになってしまった。ポスターはそれでやったのですよ。その審査員長が正義漢であるからそれを食いとめたのであります。そのような経歴を持っておるその法人の出願に対して、それを許すとは何ですか。文部大臣からも答えを聞きたいし、局長も真正面に出て答弁しなさい。
  19. 松永東

    松永国務大臣 さっきから数々のお尋ね全く初耳ばかりなんです。もっとも私はまだ任期幾らもたちませんから無理もないことだが、しかしお説のようなことが、これはひとり文部省ばかりではない、ほかにもちょいちょいあるように私は在野中に聞いております。こういう問題も何としてでも是正せんければならぬというふうに考えておったのです。今承わりますと、文部省内にもいろいろな問題があるようでございますから、こういう問題、すなわち一週間に一ぺんかそこら、三時間か四時間くらいちょろちょろ出て一人前の給料をむさぼっておるというようなことがあるとすれば、これは重大な問題でありますので、そういう問題は一つ文部省部内でも勤務評定を厳重に行なっていきたい、こういうふうに私は考えております。さらにまた今御指摘のようなことがあったかなかったかということはよく調査しまして、将来そんなあやまちを再び繰り返さないように努力していきたいと存じております。
  20. 高津正道

    ○高津委員 公務員がそんなに出勤が悪いという場合には、大臣はどうされるのですか。これが一つのことです。  もう一つは、法政大学も教え、跡見短大も教えるというようなことをやっている場合、それには許可がおりていますか、おりていませんか、どうですか。
  21. 松永東

    松永国務大臣 御指摘のようなことはよく調べまして、もしそういう事実があるとすれば、その処分等についてはさらにゆっくり一つ研究して善処したいというふうに考えます。
  22. 高津正道

    ○高津委員 勤務評定や道徳教育を足元がそんなであるのにやっても何の矛盾もない、効果は同じである、こういうふうにお考えでしょうか。
  23. 松永東

    松永国務大臣 さっきも申し上げる通り、これはもうこれから先道徳問題等についても世をあげてお互い反省せなければならぬ。でありますから役所も、役人も、国民も、学校に学んでおる学童に対する教育はもちろんのことでありますが、要するにこれから先御指摘のような問題があるとすれば、十分注意して、最善の方法を講じたいというふうに考えております。
  24. 高津正道

    ○高津委員 幸い国立近代美術館はきょう展覧会のあとで休みなので、私にその真相をカバンに一ぱい持って報告をされた御当人がもし来ておられるならば、その人の意見を聞くことをお許し願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  25. 長谷川保

    長谷川委員長 高津委員に申し上げますが、その点は理事会に諮らないと御返事ができかねますので、後にまた理事会を開いて善処したいと思いますが、そのほかの問題がございますれば進めていただきたいと思います。
  26. 稻葉修

    ○稻葉委員 関連して。ただいま高津委員の文部当局に対する質疑の中に、私としてはそのまま聞きのがすことのできない言葉がありましたから、その点について委員長の善処を求めるために発言を求めます。  先ほどの高津さんのいろいろな質疑の中に、大体文部省で政務次官がかわると国立近代美術館から贈りものが届けられるという発言がありましたが、私は去る一月三十日文部一政務次官となって、七月何日かに内閣改造で政務次官をやめるに至りましたけれども、この間国立近代美術館から贈りものなぞ届けられた記憶はない。就任当時、当時の文部大臣灘尾弘吉さんも私も、文部省というところは大事なところで、倫理性ということについては特に厳格にやろうということでやってきておりましたので、そういうことのあろうはずがない。そういう無根の事実を根拠として、いかにも文部省は、やれ賭博の巣であるとか、石川五右衛門みたいなやつがたくさんいるとか、でたらめを言うにもほどがある。この点はわが国の倫理教育の総元締めともいうベき文部省としてはゆゆしいことだ。聞き捨てならぬから、その点事実無根であるということをはっきり言って、謝罪することを要求いたします。
  27. 長谷川保

    長谷川委員長 稲葉君に申し上げます。先ほど高津君の発言の中に、稻葉政務次官についてはかかることはないという御発言がございました。その他の問題につきましてはなお審議の経過を見まして、理事会において諮って善処したいと思います。
  28. 稻葉修

    ○稻葉委員 そうすると私の場合だけはないけれどもほかはあるという意味ですか。そんなら現政務次官の臼井さんは今ここにおられぬけれども、いないところで、あたかも政務次官がかわると、ということは、政務次官がかわるたびごとにというふうにも聞えるから、そういう点はやっぱり事態を明らかにしていかないと、そういう事実無根のことを根拠にしてぼんぼんと質疑を続けられたのでは、これはたまったものではない。だからこういう事実無根のことを根拠としていく質問については、委員長において善処して、もう少し根拠のあることでやるならいいけれども、根拠のないことが明白に私の場合として出てきたのだから、これは質疑を継続することを禁止いたします。     〔「そんな権限はない」と呼ぶ者あり〕
  29. 長谷川保

    長谷川委員長 稻葉君に申し上げますが、先ほど申し上げましたように、稲葉君の場合においてはかかることはなかったということを本人の高津君が明言しております。そのほかのことにつきましては審議の経過を見ませんと事実であるかいなかということはわかって参りません。従いまして高津君が議員としての職責から発言をいたしておることでありますから、これにつきましては委員長といたしましては、なお審議の経過を見まして後にこの問題を善処いたしたいと存じます。
  30. 高津正道

    ○高津委員 私は今稻葉委員の発言を聞いておりましたが、私は本日の発言は非常に責任があるので、みんな書いてきてやっておることです。それをもう一ぺん読んでみると、文部政務次官がかわるとそこの会計からお祝いを持って行く、こういう言葉があって、かわるたびごとにと言うのではないのです。そうして私の知った名前であるから、この名前をこの席で全然発表しないだけの寛大さというか、エチケットを心得てやっておるつもりです。
  31. 稻葉修

    ○稻葉委員 この文化財保護関係の予算というものは非常に少くて、国立近代美術館と国立博物館も含めて全部で七億しかない。とうていわが国の文化財保護の費用として足りないということを身をもってよく知っておるわけです。そういうところから予算の一部をさいて贈りものを届けられて安閑としていられるものではない。わが国の文教及び文化財保護の見地からそういうことはあろうはずがない、そういう政務次官があろうはずがない、こういうふうに思うものですから、公憤を感じて一言申し上げておきます。
  32. 高津正道

    ○高津委員 そんなに言われるとやはりもっと詳しくなりますが、原庶務課長それから会計課長、その庶務係として毛利事務官がいたのです。それから今度……。あまり言わない方がよいと思います。とても詳細をきわめたものです。(「院外において責めを問われることはないのだから言ったらいい」と呼び、その他発言する者あり)いやいや、これは名前を言えない場合があります。
  33. 長谷川保

    長谷川委員長 委員間の応答は御注意願います。先ほど申し上げましたように、なお審議の経過を見まして善処いたしますから、そのまま質問を……。
  34. 高津正道

    ○高津委員 私の質問はこれで終ります。
  35. 長谷川保

  36. 小牧次生

    小牧委員 私はこの際沖縄の施政権あるいは教育権の問題について松永文部大臣にお伺いしてみたいと思います。  簡単に申し上げますが、大臣もすでに御承知の通り、沖縄は終戦以来今日まで長い間アメリカに占領されまして、島民全体はあらゆる面において苦しんできた。そういう関係から最近に至りまして沖縄の施政権の返還あるいは教育権の返還ということの要望がほうはいとして起って参りまして、先般岸総理がアメリカに参りまして、アメリカのアイゼンハワー大統領あるいはダレス国務長官その他の首脳部の方々といろいろな問題を折衝される際に、この沖縄の施政権返還あるいは教育権の返還という問題についても折衝されたということをわれわれは聞いておりますし、また閣僚である松永文部大臣も当然御承知のことと存じます。そこでまず第一に、岸総理がアメリカにおいて、この問題をアメリカの首脳部と折衝された経過について、大臣として御存じの点の御報告をお願い申し上げます。
  37. 松永東

    松永国務大臣 御説の通り、われわれの同胞の沖縄の住民は、政治的にも占領治下にあります。ことに将来われわれ同胞の一環として働いてもらわなければならぬ青少年に対する教育権が、占領軍によって握られておることは実に残念なことだと思います。これは何とかしなければならぬということは、私一人ばかりではなく国民の全部があの沖縄に対して同情を禁じ得ないものがあります。現に昨日も全国の青年運動大会が開かれました。そのときに沖縄も、人数はたしかわずか十九人か二十人でありましたが、沖縄の旗をまっこうに振りかざして参加いたしました。その姿をながめて、みな拍手をしてこれを迎えた。私のごときは目がしらが熱くなることを禁じ得なかったのであります。そのくらいに全国民をあげて沖縄を何とかして返還してもらいたいという気持は変りはないと思います。しかももし政治的に全部の返還ができなければ、せめては教育権だけでも返還してもらいたい。その教育権がどうしても返還されぬとすれば、さしずめ急速にわれわれの手で何らかの方法で教育をさせてもらいたい。主権をこちらに持たせてもらいたい、こういう要求をしたいと思いまして、先般岸総理が行かれたときにも、岸総理からアイゼンハワー並びにダレス長官に談判があったそうです。だけれども、今急速にはいかぬけれどもよく頼み込んでおいた、談判しておいたということは聞いております。それから前々回に藤山外務大臣が向うに行かれるときに、私は外務大臣と会いまして右の実情を訴えまして、そうして何とか談判してくれという話をしましたところが、いやもちろんのことだという話がありましたので、文部省から書面をもって正式に外務大臣あてにお届けをいたしました。そうして交渉してもらうことにしたのであります。帰ってこられてからの話によりますと、なかなかこの問題は今すぐというわけにはいかぬ、機会あるごとに一つ談判せぬければならぬ、こういうようなお話でございます。そこで、その後何とかして機会を作って、私も——私は外務関係者ではありませんけれども、アメリカの代表者に訴えてみたいと考えておりましたところが、ちょうど私の友人がマッカーサー大使と懇意だというような話で、そのマッカーサー大使が私と会いたい、そして道徳教育のことを一つ聞きたいというようなことを言うておるという話でしたから、それはけっこうだ、ぜひ一つ私は会いたいというので、実は幾日でしたか、日は忘れましたが、東京会館で、お昼に御飯を食べながら、大使と会ったのであります。会ったときに——その沖縄返還問題を主題として会ったのじゃありませんから、それをすぐ出してはいかぬと思いまして、向うから問われるままに、道徳教育なんかのことを話し合いをいたしました。そうしたところが大使も、実はアメリカでも道徳教育は何とかしてもっと強化せんければいかぬと痛切に感じているのだというような話がありまして、最後に私は、お聞きであろうが、沖縄の子供たちもやはり何とかしてわれわれ同胞の手で、われわれ民族の手でこれを教育したいと思うんだが、きょうすぐお返事をいただくというわけにはいきますまいとは思いますが、教育権返還のことをぜひ一つお含みおきを願って、何とか本国の方にもお伝えを願いたい、こういう話をいたしました。ところが、それに対して大使は、よろしい、それじゃオーケー、やろうというようなこともありませんし、いやそれはいかぬとも申しませんが、要するにそういう話をしまして、耳に入れておいたことだけは事実でございます。従って、今後も機会あるごとに私は強くこれを、自分も談判してみたいし、また談判を外務当局から進めてもらいたいというふうに考えております。
  38. 小牧次生

    小牧委員 沖縄の施政権の返還ないしは教育権の返還ということについては、われわれ国会におきましても、もう幾たびか決議をいたしました。沖縄の島民のみならず、わが日本の全国民も一致してその返還を要求いたしておるわけでありますが、これについて今大臣から、岸総理のアメリカにおける交渉の結果、あるいはまたこちらにおいて、マッカーサー大使と松永文部大臣がお話し合いになった際におけるお話、こういうお話を聞きまして、われわれまことに遺憾にたえないのである。今すぐとうわけにはいかないとかなんとか、いろいろ向う側の話を今大臣がされましたが、何がゆえに今すぐそういうわけにいかないのか、また何がゆえにせめて教育権だけでも返還しようとしないのか。これは全般的なことは申しておりません。まず第一に、教育に関する行政権だけでも一日も早く返還されて、そして内地と同じようないろいろな教育が行われるべきである。私はこの前の国会において、灘尾前文部大臣にもいろいろ御質問いたしました。たとえば教員の免許状の問題とか、その他いろいろ向うで要望されておる問題がたくさんあるわけであります。こういう点を考えてみるときに、一体どういうわけでそれらの点が実現されないのか、これは今大臣からお聞きしただけでは、まだ私はよくわかりません。従って、もう一度お伺いいたしますが、その際に岸総理なりあるいは松永文部大臣が、何がゆえに今そういうことは実現できないのかという点について、いろいろ突っ込んだ御質問をされたのかどうか、もしされたとするならば、先方はそのときにどのような答弁をいたしたのか、これをできるならば承わりたい。
  39. 松永東

    松永国務大臣 私のは、アイゼンハワーに会ったんでもなければ、ダレス長官に会ったのでもありませんで、大使に会ったのですから、大使に言づけをしてお願いをするなり、談判をするよりほかない。従って強いことは申しませんが、とにかく本国にこれを伝えてもらいたいということは大使にるる申しました。ただそれだけのことでございます。従って、あなたの御指摘になりました、どういう理由で返さぬのだというその理由は、もうわれわれの考え方と向うの考え方とは違うんだろうと思います。こういうことは、今後もアメリカ当局といろいろ折衝する機会があると思います。そのあるたびごとに、岸総理もしくは外務大臣から話してもらうように、交渉いたしております。またそういう決心でおる次第であります。
  40. 小牧次生

    小牧委員 この問題は、今仰せの通り、岸総理あるいは藤山外務大臣に来てもらって、いろいろ突っ込んだ質問をしなければならない、こういうことも私はよく承知しております。しかし、本日岸総理あるいは藤山外相が来ておられませんから、それらの点についてはお聞きできないわけであります。そこで最後に大臣に、お伺いもしまたお願いもしなければならないと思う点は、御承知のごとく最近わが日本は、国連に加盟をいたしております。しかも非常任理事国にもなっておる。こういうような国際的立場を考えてみた場合に、この沖縄の施政権の返還あるいは教育権の返還、こういう問題は、わが日本が国連の総会等の機会におきましてこれを提訴して、そうして国連加盟の国々にこの実情をつぶさに訴えて、その実現を促進する必要がある。私も先般衆議院を代表いたしまして欧米を回った際に、アメリカにおきまして、アメリカ国会の首脳部の諸君にも会っていろいろお話をいたしましたが、私の見るところでは、今まで日本の政府が、沖縄のこれらの問題について、一体どの程度アメリカの政府に訴え、あるいは実情を説明して参ったか、啓蒙して参ったか、あるいは宣伝して参ったかという点については、非常な疑問を感じた一人であります。あまりよく知っておられないようであります。従って、今後はこういう正式な機関に諮って、これらの問題をどしどし世界に訴えていく必要があるということを痛切に感ずるわけであります。松永文部大臣は、首相でもないしあるいは外務大臣でもありませんから、これを直ちにあなたに要求するわけではございませんけれども、閣議が開かれるとかあるいは総理大臣なり外務大臣にお会いになるような場合に、これらの問題の当面の担当者である松永文部大臣が、この文教委員会でこういう問題が取り上げられており、そうしてどうしてもこういった問題を強く推進をし啓蒙していかなければならぬという意見が強いということを訴えて、これを強力に推進してもらって、希望を失っておる沖縄島民の諸君に少しでも光明を与えてもらわなければならない大きな責務があろうと、私は存ずるのでありますが、これについて松永文部大臣の御所見を承わっておきたいと存じます。
  41. 松永東

    松永国務大臣 御説まことにごもっともであります。私はその前から、機会のあるごとに、総理並びに外務大臣にも右のことを訴えております。明日も閣議が開かれますから、あなたの御説も訴えて、何とかして——さっきお話があった、幸い国連の非常任ではあるが理事国になっておりますから、これを利用して、ぜひ一つわれわれの念願を達成したいというふうに考えております。
  42. 長谷川保

    長谷川委員長 河野君。河野君に申し上げますが、他の委員会のために大臣の退席する時間がきておりますので、なるべく簡単にお願いいたします。
  43. 河野正

    河野(正)委員 ただいま小牧委員から、沖縄における教育権の奪還の問題についていろいろ論議がなされたわけでございますが、もちろん沖縄の返還というのは早急に実現していただかなければならぬということは、わが国の国民感情の上から考えて参りまして当然なことでございまして、しかも、私ども文教の審議に携わる者といたしましては、沖繩の返還ということが困難ならば、ぜひとも教育権だけは返還してもらいたいということは当然の要望でございます。この点につきましては、ただいまいろいろ御論議をかわされましたように、岸総理あるいは藤山外務大臣等を通じていろいろ今後強力に折衝を続けていただかなければならぬのでございますが、とりわけ教育問題につきましては、これは当然文部大臣がきわめて大きな責任を持っておられるわけでありますから、そういった意味で一、二御所見を承わりまして、今後誤まりないような善処を強力に進めていただきたいと考えるわけでございます。  先ほど来いろいろお話がございましたように、直接折衝を持たれましたのは藤山さんあるいはまた岸総理でございまして、むしろ文部大臣は要請をされたというふうな実情を承わったのでございますが、今日私どもが仄聞するところによりますと、教育権の返還というものが全面的に可能でなければ、その一部でもよろしいからぜひとも返還してもらいたい、こういうようなことがいろいろ藤山さんの方から要請されたということも承わっておるのでございます。沖縄の全体の返還という一とが困難であるならば、教育権の返還をと、こういうふうな返還の中の一部というものが教育権そのものでございますならば、了承することにやぶさかではございませんけれども、しかしながら、私どもの仄聞するところによりますと、あるいは誤解かもわかりませんが、教育権のすべてが困難であるならば、その中の一部でもという話し合いが進められたというふうにも承わっておるのでございます。そういたしますと、その一部というのは教育権の中でどういうものをさしておるのか、この辺は将来の交渉等もございますので、もし明らかでございますならば、この際ここで明らかにしていただきたい、かように存じます。
  44. 松永東

    松永国務大臣 相手方のある交渉でございますから、なるほどこっちの腹の中では、岸総理を初め、みんな、どうしてもいかぬなら、これくらいのところまではという覚悟をいたしておると思いますけれども、しかし、私どもは、その一部でもということは口に出すべきものじゃないと思うし、また出してもおりません。教育権全部を返還してくれということを強く主張いたしております。
  45. 長谷川保

  46. 小林信一

    小林(信)委員 大臣がお急ぎのようでございますので——実は監理局長かおいでになっておるから、監理局長等から詳しく御説明願った上で大臣のお考えをお聞きしようと思ったんです。実は来年度予算の問題ですが、この機会に大臣の御意見を承わって、私たちの希望も申し上げ、今一般父兄の方々あるいは教育団体はもちろんのこと、地方自治体も非常に問題にしております施設のことについて、大臣の御決意を承わっておきたいと思います。  御承知と思いますが、上院月十五日の朝日新聞の社説に、人工衛星が飛んだことについての意見が出ておりました。科学技術教育の根本はどこにあるかというふうな表題で述べてあった、その中にもあるのですが、アメリカはソ連に一歩おくれたという問題を究明しまして、これはきわめて簡単な言い分かもしれませんが、アメリカでは入学前の子供に対するお母さんの数理教育というか、数学教育というか、これが劣っておったためにこういう現象が起きたのだ——これは簡単にその言葉だけでもって表現できないのですが、とにかくそういう究明の仕方をしておるわけです。わが国におきましても、今政府もあるいは国会におきましても、科学技術教育をやらなければいけないということで努力しておりますが、これは何も人工衛星が飛んだからということではなくて、以前からの懸案であるわけです。こういう問題を解決いたしますにつきましても、来年度予算というものは、私たちが大臣に非常に期待するものがあるわけですが、そういう場合に一番問題になるのは、この前も休会中の委員会内藤局長とお二人にその問題を要求したのですが、世間で取りざたされておるいろいろな問題がありますけれども、問題はできるだけ一学級の生徒数を少くしなければいけない、これがなければ科学技術教育の根本はできない、私はこう思うのです。そうしますと、施設の問題が一番速急に解決しなければならぬ問題だと私は思うのです。これはそういう問題ばかりでなくて、最近の地方における実情というものは、これは監理局長にお聞きしたいところなんですが、補助金の要求というものと、これに応ずる文部省の予算獲得というものは、非常に懸隔はなはだしいものがあるわけです。ことに最近、屋体とか危険校舎、こういうものについては地方が非常に悩んでおるわけですが、二つの問題からしても、大臣に今要求しておるものを少くとも完全に獲得してもらわなければならぬ。私、助成課長等の決意を承わっておるのですが、大臣の下部においては相当強硬な意見をもって地方の要望にこたえようとしておるのです。この点につきまして大臣も先日教育団体、地方団体あたりの大会なんかに出て御決意は述べられておるのですが、大臣はどういうお考えを持っておられるか、ここで一つ御決意を承わりたいと思うのです。もちろん単にこれだけで科学技術教育が貫徹するものではない。教材費等につきまして、今度はどういうふうなお考えを持っておるか、一つここでお述べいただきたい。私それだけでけっこうですから、お願いしたいと思います。
  47. 松永東

    松永国務大臣 この問題については、実は私に与えられた大きな使命だというふうに私は考えておる。私はどうしても科学技術教育の振興、これだけは就任したその日から何とかして達成したいというふうに考えて、着々下僚とも打ち合せをいたしました。そうして三十三年度予算の中にも計上いたしております。ただ、これはプライベートな問題ですが、小林委員とも二人でお話ししたことがあります。要するに、小学校、中学校の時代から科学技術教育に対する基礎教育を施して、高等学校、大学、大学院と、その方にずっと学問専門で行く者と、さらに高等学校から実業に入る人とを二つに分けて、教科内容を別にするというような考え方、並びに短期大学と右申し上げました実業教育を施した高等学校の生徒とを連結いたしまして、ちょうど昔の蔵前の高等工業とかあるいは一橋の高等商業、そうした専門教育を授ける、それが一番望ましいことではあるまいかというので、そういう方面に向って計画を立てまして、そうして来年度の予算にも計上いたしております。要するに、質の問題と量の問題と両方ありますが、質の問題といたしましても、小学校、中学校時代から理科教育をもう少し強化して参らなければなりませんばかりでなく、研究費、その他設備費、そういうものも相当充実して参らなければなりませんことは論を待ちません。さらに量の問題は、これはもう皆さん御承知の通り、現在科学技術教育を学んでおる学徒は三割といわれております。法文系が七割といわれております。しかもその三割の科学技術卒業生は、もう来年の三月の卒業生も御承知の通り引っぱりだこでございます。ところが法文系卒業生は、ことし卒業した者どころではない、去年、おととし卒業した人々ですらまだ就職ができないで、左顧右眄、迷っておるような状態でございます。こうした状態をまのあたりにながめておりながら、われわれ文部当局といたしましては、このままの姿を来年の三月の入学期にも実現していくというわけには参りません。何としても七、三の数字をあべこべにすることができぬなら、せめて五分々々にでもなるよう努力をいたしまして、現在の世代に即応するようにやらなければならぬというので、一生懸命努力いたしております。御懸念いただきました今の予算の問題ですが、これはなかなかの問題であろうと思います。しかしこれは、岸内閣では教育優先主義をまっこうに振りかざして国民に呼びかけておるのでございますから、でき得る限りのことはこの内閣でしてくれる、またしなければならぬものと心得て、一生懸命努力を続けておるような次第でございます。皆さんにおかせられても、どうぞ一つこの目的達成のために御協力下さらんことをお願いする次第であります。
  48. 小林信一

    小林(信)委員 大臣の今のお話はまことにけっこうでございますが、しかしそれはさしあたっての問題が主でありまして、私がアメリカでこうだという話をしたところが、やはり日本でもそういう根をつちかわなければいけない——今大臣のおっしゃるのは早急の問題が多かったのですが、私が大臣にこういうふうなことと、詳しく申し上げる時間がないので、残念ですが、たとえば一般の青年諸君とか、あるいは一般の仕事をしている連中、そういうふうな者が、何かここで再教育されるようなことも考えなければならぬ。まあ、いつになっても農村の科学技術、こういうふうなものが発表しないのですが、これは指導する人と指導する機会が与えられておらないのです。朝日新聞の社説も言っておりましたが、学校等が開放されて、随時そこへ行って研究する施設があり、あるいは指導者もあるというふうなこと、あるいは母親に対してもそういう方面の開拓が必要なので、そういうことも考慮していかなければならぬ、ところが御承知のように、特別教室というような施設は補助の対象にならない。今特別教室については、地方自治体等は、どんな犠牲を払ってもこれは設けるという態度に出ているわけなんです。そういう一般人の科学教育、母親の科学教育、そうして小学校、中学校における科学技術教育の機会を与える、そういう点でやはり問題になるのは学校施設であり、教室である。教室を与えることによって、まず自治体等が、あるいは教育団体等か、その中の研究施設を充実していくということが、初歩的なことですが、まず本年度から解決されなければならない、私はこういうふうに大臣にお願いをするわけなんです。かんじんの科学する場所を与えなければいけない、そればかりではない、生徒数を少くするという、こういう大原則があるわけなんです。それには、さしあたっては教室というものが、もっと地方の事情、要求に応ずるように、文部省がまず——来年度予算は今要求の額を私聞いておりますが、当初の要求からだいぶ減っているようなんです、これをまたくずすようなことがあれば私は大へんだと思うのです。大体常識からいって、要求するものが半減されれば、それに伴って省内の各予算が半減されるというのが従来の建前なんですが、この際どういうふうな事態がありましても、学校施設の問題で要求されている額は、びた一文も欠かないくらいの決意を大臣も持ってもらわなければならぬ。他の人たちもそういう事情をよく知っておりますから。先刻私は大臣にお話したのですが、大臣のお聞きになることは、上の方を聞いておるのですが、下の方をもっと大臣自身お聞き願って、この要望はどうでもかなえていただきたい、こういうふうに思うものです。そういう単に学校の生徒だけを対象にするのではない、来年度卒業生だけの問題ではない。ここでほんとうに根をおろして科学技術教育をやるというお考えを持って、これはこの問題だけではない。全般的に大臣が対策を講じなければならない問題なんでありますが、まず私たちの立場としては、この問題を重点に取り上げていただきたい、こう思うわけであります。
  49. 松永東

    松永国務大臣 御高説のような計画を立てまして、来年度予算にも社会教育の問題についても頭を悩ましておるのであります。しかし御説の通り学校ばかりではない、社会においても家庭においても、科学教育の浸透をさせなければ完全な目的を達成することはできません。今後大いに注意いたしまして一つ御説のように向っていくというっもりでおります。
  50. 櫻井奎夫

    櫻井委員 実は今の小林委員の質問に関連して質問いたしたいのでありますが、大臣は非常にお急ぎのようですから、実は私は公立学校施設費国庫負担法の改正案を出しておるわけであります。その提案者といたしまして、この国庫負担をどういうように考えておられるかを大臣にお聞きしたいのでありますけれども、時間がございません。今参議院に行かれるそうでありますから、それが終ったらこちらにおいで下さることをお約束願えるかどうか、大臣にお聞きしなければならぬ。必ずこっちにおいで下さるならばその機会に譲ってよろしいわけですが……。
  51. 松永東

    松永国務大臣 それは時間が許しさえすればいつでも参ります。     —————————————
  52. 長谷川保

    長谷川委員長 この際閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。すなわち委員会は国会法第四十七条第二項の規定により、議院より付託されました案件につきましては閉会中もなお審査することができることになっております。当委員会といたしましては、先ほどの理事会の協議の結果に従い、国立及び公立の義務教育学校の児童及び生徒の災害補償に関する法律案、市町村立学校職員給与負担法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案並びに教育、学術、文化及び宗教に関する件、以上の案件につきまして議長に対し閉会中審査の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  54. 長谷川保

    長谷川委員長 次にただいま議長に申し入れるに決しました閉会中審査の承認を得ましたならば、法律の施行状況及び文教行政等に関し実施調査を行いたいと存じます。つきましては委員派遣について衆議院規則の定めるところにより、議長に対して承認方を申請いたしたいと存じます。派遣委員の数その人選、期間及び派遣地等につきましては、委員長理事にお諮りの上決定することとし、その手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  午前の会議はこの程度とし、午後二時より再開することとし、休憩後直ちに理事会を開きます。  暫時休憩いたします。     午後零時二十九分休憩      ————◇—————     午後三時五十一分開議
  56. 長谷川保

    長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  まず請願審査に入ります。先ほどの理事会の協議の結果に従い、請願日程の追加についてお諮りいたします。  すなわち本日の請願日程第一、義務教育費国家保障に関する請願より、日程第一五一、鈴鹿山脈中に自然動物園設置請願に、一昨日及び本日当委員会に付託になりました請願、板村基地周辺学校防音対策に関する請願外百二十五件を追加し、以上二百七十七件の請願を一括議題とし審査に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、本日の請願日程に板付基地周辺学校防音対策に関する請願外百二十五件を日程追加し、居議題といたし、審査を進めます。  日程追加の請願は付託の順に追加日程第一より追加日程第一二六といたします。  本委員会に付託になっております請願の趣旨は配布の文書表等により御承知のことと思いますので、委員会における紹介議員の説明並びに政府の所見聴取を省略し、先ほどの理事会において協議いたしましたところに従い、直ちにその採否を決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  それではお諮りいたします。先ほどの理事会における協議の結果に従い、本日の請願日程及び請願追加日程中、請願日程第一より第一五一、追加日程中第一より第七六、第七八、第八〇より第一二六の各請願はいずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、追加日程中第七七及び第七九の両件は採否の決定を保留いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 長谷川保

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  なお本会期中に当委員会に参考送付されました陳情書は全部で十三件でございます。念のため御報告申し上げます。     —————————————
  61. 長谷川保

    長谷川委員長 次に文教行政に関する質疑を続行いたします。櫻井奎夫君
  62. 櫻井奎夫

    櫻井委員 私は休会中の委員会で文部大臣に、一体松永文教行政の最重点は何であるかということを質問いたしました。大臣はそれの問いに答えて、義務教育の水準の向上が第一である。次に科学技術振興であるということを申されたわけであります。なおまた去る二十六国会においても衆議院、参議院おのおのこのような趣旨の決議が行われていることは大臣も十分御承知のことであると思います。衆議院の本会議は昭和三十二年五月十四日、全会一致をもちまして公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正する法律案の附帯決議をなしております。また参議院の本会議においては三十二年五月十八日、同じく全会一致をもって施設整備の二分の一の国庫負担という趣旨のことを決議いたしているわけであります。私もまた同志五名とともに公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を本委員会に提案いたしており、継続審議となっているのでありますが、これもやはり施設についての二分の一を義務的に国が負担するというような趣旨を織り込んだ法律案であることは御承知であると思う。なおただいま院外のいろいろな教育団体がこのような強い要望を持って文部省に陳情をしていることも御承知の通りであります。従って大臣は松永文教行政の最も重点とされる義務教育の国庫負担ということについてのうような努力をされているか。これは先ほど小林委員の質問に対しても、せっかく努力中であるというような御答弁がございましたけれども、そのような抽象的な答弁では実は満足しないのでありますが。どういうふうな予算を大蔵省に要求し、どのような経過をとっているの、大臣としては、上先ほども当委員会にも全面的な協力をお願いするというお言葉がございましたが、そう言う以上は、やはり折衝の段階等を本委員会によく御説明をなさる義務があると私は思う。どういう段階にあるのか、特に今日義務教育の水準を向上させるということは何人も異論のあろうはずはないのでありまして、高等学校においても乙号基準に達していないのが今日の現実の姿なんです。このように大きなもろもろの問題こそ日本の文教行政がまず真正面から取り組まなくてはならぬ最大の仕事であると思いますが、大蔵省との具体的な折衝はどのような段階にあるのか、一応大臣から御説明を願いたいのであります。
  63. 松永東

    松永国務大臣 お説の通り義務教育水準の向上、それと父兄負担の軽減、これは私の念願として就任早々から強く主張ているところであります。従って三十二年度の予算にもこの趣旨のもとに文部省といたしましては協議の結果一つの成案を得まして、今現に請求をいたしております。御指摘になりました国家補助が三分の一とか、あるいは二分の一とか、あるいは臨時措置の法律あたりもありましたので、これも一つ恒久法にして一本化しなければいかぬというので、その趣旨で今立案をいたしております。そして今仰せになりました二分の一、これはどうしてもやってもらわなければいかぬというので、今予算請求をいたしております。  それからすし詰め教育の是正、都道府県の教職員の定数確保、父兄負担の軽減、この問題についても、御説明の通りまことにこれは重大な問題でございまして、何としてでもこれは達成しなければならぬ全国の要望と心得まして、強く主張いたしております。ただ問題は、何せ予算も非常に窮屈な折柄だものですから、なかなか大蔵当局もおいそれとは応じてくれぬようでございますけれども、これはたゆまない努力をもってさらに折衝を続けていくつもりであります。なお詳細なことにつきましては、監理局長から答弁させることにいたします。
  64. 小林行雄

    小林説明員 ただいま公立文教施設についてのお尋ねがございましたが、大臣からお答え申し上げましたように、先般の国会で附帯決議がございました点にかんがみまして、文部省といたしましては予算を大幅に確保すること、と同時に現在の教育施設に対する補助制度をこの際整備したい。御承知のように公立文教の補助制度といたしましては、公立学校施設費国庫負担法というもののほかに、危険校舎改築促進臨時措置法、公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法という三本建になっておるわけでございますが、公立学校施設費国庫負担法の方は御承知のように中学校の年限延長に関する事項、それから戦災復旧に関する事項、災害復旧に関する事項と三本建に事項がなっておるわけでございまして、大体中学校の年限延長も発足以来すでに多年を経過しておりますし、また戦災復旧も小学校についてはすでに大半を終っておりますので、実質的な内容をある程度失ってきておる。なお危険校舎なり不正常授業につきましては、現在の法制が時間を限ったと申しますか、臨時に特に補助するのであるというような形になっておりますので、これをやはり恒久的に義務教育について国がはっきり責任を負うという形に改めるべきではないか、この補助制度を今後改めることにしたいというふうに考えまして、ただいま検討をいたしておるわけでございます。なお負担率につきましても、危険校舎と不正常授業につきましては現在三分の一でありますものを、やはり義務教育について国が責任をはっきりするという意味から、負担率を二分の一に改めたいというようなことを考えまして、制度についてもただいま検討中でございますし、また予算につきましても従来より積極的にこれが改築を促進するという意味から大幅な要求をいたしておるような次第でございます。
  65. 櫻井奎夫

    櫻井委員 大体説明の趣旨は私どもの考え方と同じような趣旨のようです。こういう何本にもなっておる法律を、特に片一方は義務支出じゃない、三分の一以内で補助することができるというような法律、そういうことでなくして、これを二分の一に義務支出に持っていこうとしておられる文部省の考え方は、やはり大きく前進したものである、こういうふうに考えておるわけでありますが、特に最近最も大きな問題になっておるのは学校の敷地の問題です。これは今陳情が非常にたくさんあるわけでありますが、実際問題として学校ができるというようなことになると、そこの地価が急激に暴騰してくることは、これは現実にどこの山村僻地の部落等においてもそういう事実が起きております。そういう点について、やはり敷地についての負担をしてもらいたいという強い要望があるわけでありますし、事実これは大きな問題だろうと思う。せっかく二分の一の負担をなさっても、敷地の方に自治団体がたくさんの金を費して、それで所期の目的が達せられないということは非常に残念なことであるし、そういう点までも考えておられるのかどうか、一つお伺いしたいと思います。
  66. 小林行雄

    小林説明員 御説のように従来は校舎整備の方に非常に力を入れまして、学校の校地と申しますか、敷地の買収費について国がめんどうを見るということにはなっておりませんでした。過去に一回この敷地買収費について起債を見たという例はございまするけれども、それも一年限りでございまして、その後敷地についての起債というものもなかったわけでございます。現状はただいまお話のございましたように、全国的に敷地の入手難、これは地方財政の現状からも理由があるわけでございますが、ことに都市などでは非常に学校の敷地を入手するのに財政的に困難を感じておるという実情でございます。文部省といたしましても、来年度の予算にはこの学校の校地の買収について、やはり他の校舎の建築と同様に国が二分の一を負担するという形にいたしたいと思いまして、予算を要求いたしておる次第でございます。
  67. 櫻井奎夫

    櫻井委員 大体大筋は大臣から今お伺いいたしましたが、文部省の方で今要求しておられる予算の要求額、それから基準、そういうものを一つ資料としてぜひ当委員会に御提出を願いたい、その上に立って私どもはさらにこまかい検討を加えて御質問を申し上げたいと思うのでありますが、いずれにしましても、問題は学級編成基準をはっきりさせるということ、ここに最近文部省から配付された統計速報がございますので、これを読み上げてもいいのですが、これは蛇足になるから申し上げませんが、五十五人以上の生徒数あるいは六十人の生徒数、こういうのが日本の学校の相当の高率を占めておる、こういうことでは教育の刷新は百年河清を待つにひとしい。こういうことと同時に教職員の定数を確保するということをどうしてもやつてもらわなければいかぬ。地方の中学校の実例を見ますと、十五学級、十学級くらいの学校においては免許状のない先生が教えておりますよ。これは定数が少いから、英語の免許状を持たないけれども、英語を教えてくれ、こういうことです。音楽の免許状を持たないけれども、この定数ではどうにもならないから、君音楽を教えてくれ、こういう事態が地方に行けば行くほど多いのです。これは明らかに本人が希望してやっておるのではないですよ。そういう免許法違反をやらしておる。定数が少いからやらざるを得ないでしょう。そういうことをやっておいて、今度は教育内容を判定する勤務評定を強引にやるのでるあとかなんとか、これは矛盾もはなはだしい。英語の免許状を持たない先生に英語を教えさせておいて、その教育の内容をどうして判定しようとするのですか。こういうことは文部省はもっともとを力を入れてたださなければならぬ。その上に立って勤務評定を実施するなら実施しなさい。そういうことの努力をしないでおいて枝葉末節をいたずらに締めるというような今の文教政策の行き方には賛成いたしかねる。どうしても大臣がはっきりおっしゃっておられる義務教育の水準を向上するのだ、そういうことのためには最も根本となることからしっかりあなたは腹をきめて実行していただきたい、こういうことを私は特にお願いいたしまして、あとにたくさん質問者があるようでありますから、資料の提出と同時にその点をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  68. 長谷川保

    長谷川委員長 ただいま櫻井君の要求の予算要求書を資料として提出していただきます。  次に辻原弘市君。
  69. 辻原弘市

    辻原委員 大へん時間もおそくなりましたので、できるだけ簡潔にやりたいと思いますから、答弁も一つ明確にお願いをいたしたいと思います。  最初に、問題となっております勤務評定についてお伺いをいたしたいと思いますが、私が勤務評定の問題で当委員会でお尋ねをするのはこれで三度目であります。これら及び同僚各委員の質疑を通じて大臣の答弁あるいは政府委員の答弁を要約いたしますと、次のようなことになるのではないかと思うのであります。それは勤務評定はすでに法律上明記せられておるものであるので、これは実施をするという方針である、ただしその実施についての評定基準の内容については、いまだ確定を見ていない。従って実施の時期については、その評定基準の確定を待った上でやりたい、こういうような答弁でありますが、それで間違いはないと思います。そういう前提に立って伺いたいのでありますが、去る十一月の五日に参議院から提出をされております教育公務員特例法の一部を改正する法律案、これは本院にもすでに提案理由の説明をして付託を行なっておりますが、その趣旨とするところは教育公務員のいわゆる職務の特殊性に基いて、現行各公務員を通じて行われておる勤務評定の適用の仕方及びその基準の内容こういうものは不適当であるによって、勤務評定については、そういった在来の評定を実施すべきじゃないという趣旨にかんがみて、その法律の根拠を削除するというのであります。これについてわれわれは全くその趣旨に賛成であります。もちろん公務員が勤務の内容を向上させるために、能率を高めるために適当な評定を行うという抽象的な意味合いにおいては反対するものは少ないでありましょう。しかしながら教育という実際の仕事を考えてみますと、単なるデスク・ワークとは違って、勤務からもたらされる能率あるいはその効果というものの測定は非常にむずかしいことはおそらく内藤局長も大臣も百も承知であるので、そういう見解に立って、われわれは今日の勤務評定に反対をしておるのであります。従って今国会にこの種の法案が議案としてかけられている段階でありますから、従ってこれらを含んでなお勤務評定については慎重な考慮をめぐらすという腹があるかどうか、私は率直に大臣に伺っておきたいと思います。
  70. 松永東

    松永国務大臣 なるほど今お説の社会党の方から勤務評定を阻止するというような法案がきのうたしか出ました。けれども、私らの方ではそういう法案がかりに出ましても、すでに法律は出ておりまして、その法律を実施しなければならぬわれわれは責任を負っておると思います。なるほどあなた方の方ではこれまで長いことほったらかしておいたじゃないかとおっしゃいますけれども、これまでの大臣はそれぞれの見方でほっておったかもしれませんけれども、しかしまたあるいはいろいろな支障があったかもしれませんが、私としては、これは法律があります以上ほおっておけということは言えません。どうしても法律に基いて私はそれは施行しなければならぬと思います。ただ問題はこの間から繰り返し申し上げておる通り、またあなたも指摘せられた通り、これは内容が非常にめんどうな問題であり、やっかいな問題でありますから、研究を重ねて今日まで来ている、こういう実情であります。
  71. 長谷川保

    長谷川委員長 辻原君に申し上げますが、自治庁から小林財政局長が出席されておりますが、参議院の予算委員会の方に出席を要求されているようでりまして、できましたら小林君についての御質問をなるべく早くいたしますようにお願いいたします。
  72. 辻原弘市

    辻原委員 それでは大臣の今の問題をしばらくおくといたしまして、これも大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、すでに衆議院におきましては、人事院から出されました勧告の年末手当の増額を議決をいたしております、今回の増額は〇・一五でありますが、これに伴って問題となりますのは、これは例年同じことを繰り返しているのでありますが、地方公務員並びに教職員に対する財源の措置の問題であります。これは政府の言明するところによりますと、国家公務員に対しては既定経費節減をもって充てる、こういうことであります。ところが私が申し上げるまでもなく、教職員を含んでの地方公務員については、これはさような取り扱いでは問題が起ることは従来の例から見て明らかであります。従って私はここで特に大臣、それから担当の局長にもまた自治庁の方にもお願いをいたしたいのは、その財源措置についてこの年末をどうするかということであります。大体経費といたしまては、義務教育の分がたしか十六億になっておったと思います。これの半額分の八億は、これは当然国庫負担金で事後に清算をされますから半額は問題はないといたしまして、残りの半額の財政措置をどうするかというこの点。それから教職員を含んでの地方公務員全体として三十五億かかると聞いております。それらの財源は一体どういうふうに取り扱われるのか、この点をまず教職員についての主管省である文部大臣から承わって、次に自治庁の見解を承わりたいと思います。
  73. 松永東

    松永国務大臣 この予算措置のこまかな割合等は、私よりむしろ内藤初等中等教育局長の方がより詳しく御答弁ができると思いますから、内藤局長をして答弁をさせたいと思います。
  74. 辻原弘市

    辻原委員 私、あえてそういうことを百も承知しながら大臣にお伺いしましたのは、そういうこまかしい数字の内訳をごたごた並べていただきますのが本旨ではありません。大臣は閣議等に出られ、これは現下また毎年問題になっておる問題でありまして、十分な御認識があると思って質問をいたしましたのであります。率直に申して今日私の承わるところでははっきりしておらないのであります。それについて大臣はどういうふうな御努力をされておるかということを承わりたい。
  75. 松永東

    松永国務大臣 これは私もあなたと同じような心配を初めは抱いたので、繰り返し事務当局にもただした。ところが支払いについては御心配はないということでございます。ですからこれは私は安心をしておるわけです。ですからそうした問題についての答弁を内藤局長からさせたいと思います。
  76. 内藤友明

    内藤説明員 国庫負担分につきましては、補正の機会があれば補正をしていただくつもりでおります。できれば繰り上げ支給をいたしまして、あとの穴埋めをしたい。それから地方負担につきましては自治庁で十分大蔵省と折衝しておられますので、私どもはそういう〇・一五が支払いができないということはないと確信しております。
  77. 小林與三次

    小林政府委員 今、文部省から答弁がありました通り、〇・一五の問題は、教育職員と地方公務員全体について、当全国家公務員に準じて処置されなければならない、というふうにわれわれは考えております。そこで問題はその財源措置をすべきではないかという問題でございますが、御案内の通り、国の方におきましても一応経費のワクでやるという建前でありますので、地方におきましてもそのワク内でやってもらう、これは建前であります。地方では税の自然増収があるところはもちろん問題はありません。その他交付税に依存しておるところは困るではないかということはあり得ると思います。私は全般的に見まして、まずまず心配はないと思っておりますが、そういうところは一時融資等でとりあえずつなぎをさせまして、その次に機会を見て財政計画その他の補正をいたしまして、これを充足させたい。要するに国家公務員と同じ仕組みで〇・一五の支払いができるように自治庁としましては十分な配慮をいたしたいと思っております。御心配は再建団体だと思いますが、再建団体につきましては自治庁は当然再建団体について責任を持っておりますから、これは遺憾のないように進めたいと思っております。
  78. 辻原弘市

    辻原委員 私も例年この時期になるとお尋ねをいたしておるのでありますが、例年これはテープレコーダーにとって置いていいほどきまり切った答弁があるわけです。それと同じことを繰り返されているわけです。御心配は決して要りません、これは歴代文部大臣が必ずそうおっしゃっております。私は決して松永大臣は御努力なさっていないとも、また誠意がないとも申し上げるのではありませんが、従来文部省もそれをおっしゃってきたし、自治庁も必ず心配のないようにいたしますとおっしゃっておったのです。ところが必ず年末になると、これは受ける側の地方公務員だけではなしに、地方団体側はやっさもっさでトラブルが起る。それは一体どういうところに原因があるかと突っ込まれると、われわれにも責任があると言う。それはあまり人を信じ過ぎるからです。大丈夫だろうと思って人を甘く考えると、とんでもない、必ず問題が起きるのです。今小林さんは、大体は地方でもその既定経費の中でやってもらう、それについては既定経費の節約ができない県も多少出てくるかもわからぬとおっしゃいましたけれども、それは話が逆なんですよ。そういう県が非常に多くて、心配の要らない県はごくわずかです。しかもそれらは心配が要らないのではなくて、無理をして出しているというのが現実なんです。最近地方財政は若干よくなってきたとあなた方は言われておりますけれども、実際こういう経費については、地方団体としては、負担にたえない、なかなか出しにくいというような言い分が多いのであります。そこで、それでは具体的にどういう措置をされるのかと言うと、今ちょっぴり触れられたのは、つなぎ融資なんかをやられるようなお話でした。これは全部につなぎ融資を認めるのですか。
  79. 小林與三次

    小林政府委員 お話の通り、例年似たような問題がございます。しかし地方財政の実際の状況から見まして、数年前と現在の事情がやや変っているのは事実でございます。そこでつなぎ融資は全部認める必要があるかといえば、私は必要はないと思います。現実に困っておる団体につきましてはもちろん認めなくちゃいかぬと思っておりますけれども、大ていの団体はつなぎ融資にたよることなく自主的にまかないがつくとわれわれは見当をつけております。現実に困っておる団体につきまして申し入れがあれば、当然そういう措置はいたしたいと思います。
  80. 辻原弘市

    辻原委員 そうすると、つなぎ融資については、当該団体からその必要があって申請があれば、とかくのことを言わぬでそれは認める、こういう趣旨に解していいわけですね。
  81. 小林與三次

    小林政府委員 〇・一五が支払い得るように自治庁といたしましても措置をいたしたいと思います。
  82. 辻原弘市

    辻原委員 次は再建団体の問題でありますが、これはつなぎ融資だけでは問題にならぬでしょう。そこで困らないように適当の処置をいたしますというお話の内容はどういう形になるのでございますか。
  83. 小林與三次

    小林政府委員 つなぎ融資はどうせ資金の差し繰りの問題でありますから、足らぬのは予算措置そのものか必要だ、こういう問題があろうと思います。これは先ほど申しました通り、現在の建前は一応国家公務員も既定経費のワク内でやるという建前ですから、自治庁といたしましても一応その建前でいきたい。しかしながら、先ほど文部省からもお話がありました通り、補正予算等の場合にその措置を国において講ずる場合は、当然自治庁も交付税その他の面において補正の措置を講ずべきものだと考えております。
  84. 辻原弘市

    辻原委員 その補正の措置というのは、すでに具体的に、少くとも三十三年度から交付税率を一・五%引き上げるという措置に与野党が賛同し、確定的になっている。そういたしますと、その際にこの〇・一五の分についても補正をするという趣旨ですか、それはどうなんですか。
  85. 小林與三次

    小林政府委員 お話の昭和三十三年度以降の問題は、これはもう今度通りました法律でも確定的になっておりますから、われわれは当然これを見込んで財政計画を作って、来年度以降の財政措置はいたします。問題はそうではなしに、三十二年度の問題でございまして、これにつきましては国の建前そのものが既定経費の差し繰りでやる、こういう前提をとっていますから、われわれといたしましても一応右に準じて措置をせざるを得ない。しかし現実に金が困るところがあるじゃないかと言われますが、私は従来と事情が非常に違っておると思います。再建団体におきましても事情が非常に違っておると思いますが、ほんとうに資金繰り等の都合の悪いところは自治庁も心配をして、これは国家公務員に準ずる措置だけはしてやらなくちゃいけない、こういうふうに存じておるわけであります。
  86. 辻原弘市

    辻原委員 私も具体的に伺っておるのでありますが、三十三年度以降の分はそれではっきりいたしました。私が伺ったのは、適当な機会にやるというのですから、その適当な機会というのは交付税率を引き上げるような場合にそれはあわせてやるのかということです。それと、三十二年度の分については、文部省所管の国庫負担金——これは例年やっておりますから、それは信用しているのです。これは後刻清算され、補正予算としても出されておりますし、追加されておりますから、おそらく問題はないと思います。それと同様に、自治庁の側においては、この交付税についても、いわゆる短期融資した分を見込んで、三十二年度の財政計画を変更する用意ありと言明されるのかどうか、その点を明確にしてもらいたい。
  87. 小林與三次

    小林政府委員 国においても補正予算等の措置を講ぜられれば、地方もこれに準じて当然財政計画を変更いたしまして、その穴埋めをしたい、こういう考えでございます。
  88. 辻原弘市

    辻原委員 けっこうでございます。国においてという意味は若干いろいろとり方がありますから……。しかし、その点は、意味はやはり国庫負担金と同様に、財政計画を変更して追加補てんする用意あり、こういうふうに言明されたと私は受け取っておきます。  年末手当の問題は、一番根本の問題は、今申し上げた財源措置の問題であります。これは資金繰りは非常に大事でありますけれども、しかし資金繰りが可能であっても、将来補てんされないということであれば、そこでごたごたが起るわけですから、従ってむしろ力を入れていただきたいのは、将来補てんをする点についてであります。これは公務員の中で全体額のかなりのパーセントを占める教職員の分でありますから、文部大臣は一つ自治庁とも協力せられて、大蔵省とも折衝の上、その点は一つ間違いのないように、すでに全国の町村会等も本日開催せられておりますし、そういう機会に明らかにしておいていただけば、本年の年末にかなり混乱が防げるのじゃないか。地方からやんやと言ってきてから、おそるおそる何らかの弥縫策をとるのでなしに、こういうことについては例年きまったことでありますから、例年の様相から判断いたしまして、早目に地方に対して統一された取扱い方を明らかにせられるように、最後に私は希望いたしまして、この問題はこれで終っておきたいと思います。  そこで問題を前の勤務評定に戻しますが、大臣からお述べになりました法律改正がかりに出ても、すでに法律があるのだから、われわれはその法律によってやりたい。しかし内容の点についてはいまだ確たるものを持ち合せないから、それは慎重にやりたいとこういうお話です。ところがどうも非常にりっぱな人格をお持ちになっておる大臣に、かようなことを申し上げるのは私も非常に恐縮をするのでありますが、大臣も、この問題について、私だけでもこれで二回目でありますし、ずいぶんあっちこっちで質問も受けられた。まあ人間でありますから、そのときの気分いかんによってニュアンスはだいぶ違おうと思います。しかし私はこの間ちょっと八日の日の朝日新聞の囲みを見ておりますと、なかなか勇ましいことが書いてある。自民党の総務会に大臣を招いて、砂田総務会長が、この勤務評定の問題に対して大臣にその決意を促した。総務会は断固としてやるという文相の方針を了承した。しかもそのあとには、愛媛県教委に——日本海海戦のZ旗信号と書いてあるのです。そういう長文の激励電報を送られた。これは大臣御承知でしょうか。あなたを総務会に呼んで、大臣が断固としてやるという言明があったので総務会は安心した。なお現地にその健闘を祝して、さらに今後も一そう奮闘せられたしという電報を打った、こういうふうに書いてある。新聞のおもしろい書き方によりますと、日本海海戦のZ旗信号を思わせる勇壮な調子のものだった、こう書いてあるのです。この事実は私は他党のことでありますし、他党がいかようなことをおやりになってもわれわれが関与すべきでないのでありますけれども、しかし文部大臣がこの席上においてこのような形のことをお認めになり、しかも当委員会あるいは参議院でもそうでありまするが、私どもの承わるところによりますと、法律にあるからやるというこの御趣旨については、大臣の立場としてそういうお答えも私はあるかと思う。しかしそれぞれのお言葉の中に、やはり自分が納得できるような、そういう一つの評定内容ができなければ容易にかようなものはやるべきでないという、実に長年の御経験からおとりになっておる慎重さというものに私は敬意を表しておるのです。ところがこれだけを見ますと、これをわれわれの委員会にわれわれが問題を持ち出しますると、大臣は慎重にお答えになるが、大臣がまた別のところにいけば、断固これはやるのだというようなきわめて勇ましいことを発言なさっておるということでは、これは首尾一貫しない。まことに誠実一途な大臣にもあるまじき態度ではないかと私は思う。今まで私は非常に尊敬しておったのでありますが、若干まゆつばものじゃなと近ごろ思い出した、一体どうでありますか。
  89. 松永東

    松永国務大臣 どうも辻原君がまゆにつばをおつけになってもちっともかまやしませんが、その新聞はあなたから読み聞かしてもらうのが今初めてです。(「何でも初めてだ」と呼ぶ者あり)いやいや私はその新聞を見ないのです。だがしかしそれは総務会に私が行ったことは事実です。その行ったのは、勤務評定をどうするか、こうするかという問題じゃありません。五日でしたか、文部省に日教組の人々がスクラム組んで、二百人とか三百人とか侵入してきた。そうしてあそこへ幕を張り回してそうしてすわり込んだわけです。その結果が、私知らぬのですが、私の部下が警視庁に電話をかけて、そうして何人かつまみ出した。そうして退散してもらった、こういう話は私は聞いている。たしかその日だったと思う。その報告を私はやった。その報告をやらなければならぬ必要が私はあると思う。たしかだれか来て報告してくれといったような気もします。それで私は行ってその報告をしました。それ以外には何も話はしません。私は勤務評定のことで総務会に行って話をしたこともなければ、何もどこにもそのほかの日にもありません。でございますから、これはああした総務会や何やのことは、たった二人や三人でひそひそ話をしたのとは違うのですから、そんなうそをついたなんだしませんよ。まさにその報告をしただけなんであります。
  90. 辻原弘市

    辻原委員 御本人、大臣が否定されたのでありますから、そうでございましょう。新聞が誤まりでしょう。私は別段こういう記事が載っておったとか、総務会へ大臣が御出席になって話をしたとかいうことをとかく申し上げるのじゃございません。ただ事が重大なだけに、しかも今具体的な問題として愛媛県に勤務評定の問題が起きておるのでありまするから、そういうときに公正な立場において判断をしなければ、大臣がそういった見解が異なっておる一方の立場に、かりに大臣の見解がどちらにあろうとも、それに気合いをかけるような、そういった軽々な態度は一つお慎しみ願いたいということを申し上げたかったためであります。そうでなければ事態はますます紛糾する。これは私にいたしましても、大臣にしましても、そこの内藤局長にしても、これは見解は違うかもわかりません。しかしながら教育上混乱させないように、ともかくせいせいとした姿に問題を持っていきたいという念願に私は変らないはずだと思うのです。そういうときに勇ましい電報を打つことを容認をされたり、ないしはわしはこれは断固としてしめようとしてやるのだというような意気込みを一方の側に示されたりするということは、非常に私は事の正しい姿というものがゆがめられる危険がある。それで申し上げおるのであります。  そこで事態は少し具体的に伺ってみたいと思うのでありまするが、すでに前から問題になっている愛媛県におきましては、勤務評定の提出時期をめぐって、現地においては新聞紙上をにぎわすような事柄が繰り返されております。一体このような事態というものを大臣はどうながめられますか。県の教育委員会あるいは県の教育委員会の出張所、あるいは地教委、こういうところは所定の十一月九日ですか、ないしは四日も高等学校の期日であったらしい、そういう期日内に無理々々に提出をさせようとして手段方法を講じておる。片や校長なり組合員の側は、そういうものを提出すまいとしてこれまたがんばっておる。そういった事態が続くことは、教育上にどのような影響を与えるかということを大臣はどう判断されますか、この事態について大臣の所見はどうでありますか。
  91. 松永東

    松永国務大臣 どう考えるかとおっしゃっても、困ったことだと思いますよ。それは私はもう繰り返して申し上げる通りに、法律が厳として存在しております以上、これは私はやはり実行せにやいかぬ、これは申し上げておきます。ただ愛媛県の問題、困った問題でありますが、しかしさればといって、私は少しぐらい騒いだからといって法律はやらぬのだということはできません。私は申しません。私はどこまでもやらなければならぬ、これは終始私の主張は変りません。
  92. 辻原弘市

    辻原委員 そういう言い方じゃなしに、大臣、これは法律があるからやる、これは私はどんな行政官でも少し法律の知識のある者ならその答えはできると思います。しかしわれわれが大臣に期待するのは、そういう答弁ではないのです。大臣が長年練達の政治家であるがゆえに、私はこの質問をいたしておるのであります。ただ法律に定められたものを、通り一ぺんにぐんぐんやるということなら、権力さえあればできます。しかし法律上定めがあるからやらなければいかぬというこの議論は、松永大臣は最近に就任なさったのでありますから、私はそれは承わっておきましょう。しかし横に並んでいる内藤局長なり、その付近にいらっしゃる文部省の方々は、そういう大きな口をきけないはずなんです。法律があってやらなければならぬものなら、なぜそのときにやらなかったかということを私はしばしば言っている。(「今やる時期にきたんだ。」と呼ぶ者あり)だからそういうことはむしろ——今そこらで不規則発言がありましたから、それにも私は答えますが、むしろ終戦直後に公務員制度が一般にも理解されない、そういうときにひっつけて——私も当時考えたことがあるのです。こういうものがほんとうに適正に科学的に算出せられるものであるならば、昔、たとえば教員の場合でも、視学によって腰だめに、あるいは督学官によって腰だめにその評価が行われたり、人事が左右されたりすることがなくなるのではないか。そういった科学的な尺度というものが、何がし新しい公務員制度の中で取り入れられないものかということを考えたことがある。しかし当時の担当官その他にいろいろ聞いてみても、事実そういうものは言うべくしてかたいのだ。またアメリカ等において実施されておる評定を見ますると、今愛媛県において問題になっておる、あるいは国立学校教職員において適用されているいわゆる点数評価といいますか、小学校の通信簿のような段階のああいう式のもの以外にない。だれが考えても、こういうものを人間の全能力、そこから生れる効果というものを正確に評価するということはこれはほぼ不可能に近いということを考えた。だからむしろ今やる時期が来たなどということは、それは今ともかくなんとか日教組なら日教組の対策を進めなければならぬからというふうな意味合い以外の何ものでもない。法律でやるべき時期というならば、職階制あるいは新しい給与制度、こういうものができた際に、それらの一環としてこれについて勤務評定制度というものを全公務員に及ぼすべきであったという議論が私は正当だと思う。しかしそのときにそういうことが非常に困難であって、極端に言うとなまけておいて、そうして今その何がしの対策が必要になったからというので、この問題をにわかに取り上げるということは、やはりそこに受け取る側からいたしますると、これは自民党の皆さんにはいささか耳が痛いかわかりませんが、やっぱり何がしかの別の意図があるのじゃないかというように受け取れるから、私は心配するのです。だからそういうことのないように、そういう危惧が一般の間に生じていることは事実でありまするから、それらを払拭するためにも、慎重な取り扱いを行わなければならない、こういうような見解を私は持つのであります。ですから大臣が、法律があるからやらなきゃならぬのだ、だから幾らそういう多少の騒ぎがあったって、ぜひこれをやるんだというのじゃなしに、何がゆえにその評定について反対をしておるのか、また愛媛県においては、すでにこれは過去において評定を実施した、その経験をした当該県であります。過般の中学校長会議等においても、何がしの意見が出たということを私も聞いております。愛媛県において、あの形態における勤務評定の基準というものは、かなり無理があった。無理があるということを現に言っておるのであります。そういう具体的な無理を、また何がゆえに反対するかというようなことを、それを度外視して、ただ法律だからやらなきゃならぬというのは、私はすでにそこには政治もなければ正しい行政もないというのです。そういうことをおもんぱかって、そういうことを調整しつつ、物事を運んでいくという深い配慮が、私は松永大臣なればお持ちになるだろうと実は期待をいたしておるのであります。今の御答弁でははなはだ私はその待期が薄れたということを残念に思います。そういった意味合いにおいて、何がしかそこに調整をされる意思がないかどうか、この点をいま一度大臣に承わりたいと思います。
  93. 松永東

    松永国務大臣 この問題は、なかなかむずかしい問題だということは、委員会に御質問のあるたびごとに繰り返して申し上げております。しかしあなたの御主張のようなそうした意見も多分にあります。私のところへ日教組の人々でございましょう、陳情書の体、あるいは上申書の体でほとんど何千通という申し出がきております。しかしそれとは反対に、どうしても勤務評定をやらぬけりゃどうするんだ、それは一生懸命精励恪勤、次の時代をになう子供たちをりっぱな人格者にしようと思って、一生懸命働いている者も、ほとんど仕事をやらないでほったらかして、そうして遊んでなまけておる人、それも同様では、能率向上に非常に支障を来たすじゃないかというような忠告も私の方にある。しかしながら、そういう問題についてきわめて重要な問題でありますから、繰り返して申し上げる通り、これはもうこの問題は私が就任する前からずうっと続いてきておったのです。しかしさらに私が就任いたしましてから、やはり研究に研究を重ねて、今日まできておることでありますから、私はできる限り慎重を期してやりたいと思うて、今日までそのまま研究を続けておるわけなんです。
  94. 辻原弘市

    辻原委員 大臣も御指摘したように、評定の内容について言われまするから、私も見解をいま一度申し上げて大臣の考慮をわずらわしたいと思うのですが、今最後にお述べになりましたように、勤務もろくすっぽしない、しかも非常に教育者としてふさわしくない人物がかりにあったとする場合、これをしもわれわれは認めていけなんということを申しているのではございません。しかしそういったような世の常識でもって判定のできるようなものを知って、それに対して信賞必罰を明らかにしようとするならば、それは私は現在の公務員法等に照らしてもできないことはないし、何かの基準が必要であるならば、最も単純な形でもって十分——それは何もこまかく通信簿の形でもって、全教員に対して点数をつけて、背中にこの人間は今度は昇給のない先生だというようなレッテルを張って、先生というものの中に、児童生徒の目に、一つの段階なりその先生の評価というものを映らせるような手段に出なくてもいいじゃないかということを言っておる。ところが現実に愛媛でやっておるのはどうですか、そういう単純なものでなしに、きわめて内容の機械的な、しかも複雑な評定を行おうとしておる。そこに問題がある。ですからこの際再考を大臣としてはすべきではなかろうか。もう少し調整をする必要があるであろうということです。そういった意味です。百歩譲って考えますれば、今申し上げた意見は、かりに評定をやれという方であっても、私の意見に賛成してくれると思う。これは私は常識だと思う。この前の委員会でも申し上げたように、勇気について三段階があるとか、酒の飲み方に大酒と普通酒と少量酒と三段階があるというような評定は、全くナンセンスです。冗談じゃございません。もしかりにわれわれ国会議員にもそういう評定をなしたならば、おそらくこれは与党の諸君だってそれで満足だ、けっこうだという方はいらっしゃらないと思う。われわれ自体そういう評定に合わぬからそう申すのですけれども、実際いわばいいお父ちゃんが、そういう小学校の生徒と同じように点数をつけられて、勇気についてはこれこれだ、まじめさについてはややまじめだ、あの人は非常にまじめだけれども、この先生はややまじめだというような点数がついているということが、どこから漏れないとも限らないと思う。しかもこの評定については、校長を通じ、地教委を通じ、県教委を通ずるというような、非常に複雑な形で行われる。この間先生の評価というものは、かりに極秘書類で扱われても漏れないとは限らない。そのようなことがたまたま漏れるようなことがあっては、これはおそらくほんとうに腰を入れて、子供にも信頼されて、教育をしようという場合に、非常に大きな支障が生まれるだろうと思う。ですから、あなたが例にあげられたような、ネコもしゃくしも、みそもそももそも一緒では困る。私は今日の世論の中にはそういう例もあると思います。また私もそれを認めます。少くとも人間が生活をする以上、やはりどのような職場におっても、またどのような生活をしようとも、まじめに働いて一生懸命にやるものが認められないということは、これは私は困ると思います。しかしそれはだれもが見てそう見えるのであります。一々分析した点数をつけなくても、そのことは私は映ると思う。そういうものの総合判定というものは、そういうこまかい勤務評定基準なるものによって昇給のつど、または毎年次行われなくとも可能だと思う。そういう見地に立ってこの評定の問題を少くともお考えになる必要が私はあろうかと思うのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
  95. 松永東

    松永国務大臣 お説のような点も参考にしまして、ずっと研究を続けておるのです。従って私の方でその基準の内容をどうするかということを、もしその基準を私の方で作るとすれば、どんな内容を持たせるかということで、一生懸命研究を続けておるということは、もう繰り返し、何度も申し上げておる通りであります。
  96. 辻原弘市

    辻原委員 内容に触れますると、時間が長くかかりますると、時間が長くかかりますから、内容の点についてはその程度にいたしておきたいと思いますが、ただこれは八月以来私はしばしばお尋ねをしているのであります。また同様な質問に対しても、鋭意そういう点も考慮して研究中である。まあすでに会期延長になるかならぬかわかりませんけれども、臨時国会もそろそろ終りに近づいておるのであります。ここらでやはりいつ出るんだろうか、人工衛星ではありませんが、いつ打たれるのか、そういうことが、これは人工衛星の場合には非常にけっこうでありますけれども、この種のものでは、大きく申せば、どうも人心に動揺を来たす。やはり一部に非常に危惧している。これは教職員のみならず、また理解のある父兄もあるのでありまするから、私ははっきり大体いつごろをめどにして、いっごろから実施したい、内容については今日国立学校教職員あるいは愛媛県等において実施されておるような、ああいう複雑怪奇なものではないんだ、こういうようなはっきりした言明がもうあってしかるべきじゃないかと思うのでありますが、大臣どうでありますか、やっぱり鋭意研究中ですか。
  97. 松永東

    松永国務大臣 なかなかこれは、いつごろ出すという程度にまだ私の頭がきておらぬのですよ。ですから、そう急ぎなさんな。ゆっくり研究しますよ。(笑声)
  98. 辻原弘市

    辻原委員 お急ぎになると言うならば、これは大臣が早急におやりになる意思がない、こういうふうに私も了承いたしておきたいのであります。ところがどうも近ごろひがんで目に映るのでありますけれども、ああいうふうに安心さしておいて、そうして国会でも終れば、教育長を集めて、そこへ内藤局長が乗り込んでいってばらばら説明をやって、早くやらぬと乗りおくれるというふうな格好で、徐々にそういう一つの世論醸成、それから各県の事務当局の準備というものを進めさしておいて、いっそれが全国的にびまんしたか、伝染したかわからぬような形において実施させようというような、そういうまことに巧妙な、一面ずるいやり方をおやりになるんじゃないか、こういうふうに臆測をしている向きもある。これは私一人のみではない。そこで私は、大臣が慎重におやりになる、しかもあわてないという言明を信じたいと思います。それならばいま一つ、やる方法についてはこういうふうにいきたいというお考えをお示しいただきたいと思うのです。この間小学校長を集めた、また中学校長を集めた、教育長を集めた、地教委の教育長を集めた、そういうようなことを一わたりやって、文部省の何か知りませんけれども、みんなプランなるものを持って帰って、こういうことをやらなければいかぬとか、そういうところで連鎖反応的にやっていくというようなことを考えているんじゃございませんかということをお尋ねいたします。
  99. 松永東

    松永国務大臣 あなた方がそういうふうに詳しく、連鎖反応とか何とかいってお考えになっておるかもわかりませんけれども、私の頭にはちっともそういうことは考えておりません。ただいちずに納得のできるように、一つりっぱな成案を得たいと思って、一生懸命研究をいたしておったのであります。ただしかし臨時国会が開かれて、きょうは参議院の文教委員会、あしたは衆議院の文教委員会というんであっちこっち行っているから、頭がそこまでいきません。ですからこの国会でも済めば、ゆっくり一つ研究したいと思います。
  100. 辻原弘市

    辻原委員 この問題について大臣は、急がない、臨時国会が終ってからゆっくりされる——一つ臨時国会を終えられたらゆっくり静養されて、ゆっくり研究されたい。しかもわれわれも常識家であります。だから常識的に理解のできる点については、これは決して反対はいたしません。だからそういう意味合いにおいて、今大臣がお話なさった点は、これは単なる国会答弁でなく、大臣がほんとうに将来その見地に立って必ず一般に納得を与えるんだという強い言明として、私はここで信用いたしておきたいと思います。  さらに問題は愛媛の問題に触れるのでありますが、非常にごたごたいたしております。私もよく新聞等で見ますと、十月九日に勤務評定の提出を県教委は求めたようでありますが、期日までに、県教委の発表によりますと、七百六十七校のうちで二百三十三校が提出済みになっておるようであります。これは文部省から承わればいいわけですけれども、時間の都合で私の方から申し上げます。このうちさらに調べてみますると、今治の二十四校は地教委員会の発表と違って提出はいたしておらないようでありまするから、従っておそらく五百五、六十の学校は未提出になってるわけであります。これに対して自後の取扱いで、何か新聞の報ずるところによりますると、これは愛媛新聞でありまするが、地教委の一部あるいは県教委には未提出の校長の大量処分ということも考えているのじゃないか、こういうことを言っているのであります。そういたしますと、これは約七割、八割の全校長に対する大量処分というようなことは、おそらく教育界始まって以来の未曽有の不祥事が現出すると思う。そういうことが事実ならば。おそらくここでは地行法による業務命令違反という形においてやらんとするでしょう。しかし一方組合においては、勤務評定をやることは業務命令に無理があるのだから、これは業務命令違反ではない。とどのつまり裁判問題になるでしょう。そういうことに発展いたしますると、国鉄の例に徴するように、非常に今後に尾を引く教育上の一大不祥事になる危険性がある。そういうことはお互いに避けなければならぬ。従ってそういった強硬手段については、これはやらすべきじゃない。一体文部省はどういう見解をお持ちでしょうか。
  101. 松永東

    松永国務大臣 私のところにはまだそうしたこまかな報告が来ておりません。今あなたからのお話で、二百三十三校が提出済みで、五百五十六校ですか、これが未提出というようなことは、初めて私は承わった。従ってこれに対する処分をどうしようとか、こうしようとかいうことを考えておりません。それはもちろん私の方で主導権を持っておるのではございません。私がやろうと思ってもやれない事柄であります。しかしいろいろ助言とか指導とかはできる。法律上与えられた権限であります。そうしたいろいろの実情の報告が入りましてから、みっちり一つ研究したいという考えであります。
  102. 辻原弘市

    辻原委員 まっ正面からぶつかって問題を次々に発展させるようなことを避けるべく、一つ文部省は指導、助言せられたいと思います。  それからいま一つは、これらの評定を出させる出させないという相互の争いから、こういうことも新聞に載っておるのであります。これは日本経済の十一月九日の新聞でありますが、松山の野中という教育事務所長、これが上浮穴郡の小田町の富士屋旅館に郡内の小、中学校長を片っ端から呼び集めて、カン詰めにして勤務評定について署名しろということをやらした。それに署名した校長の報ずるところによりますと、約半数が誓約書を書いた。ところがその後組合の交渉によって、その誓約書が破棄された。ところがまたその次に、もう一度呼び集めて気合いを入れ直して、そうして誓約書をとったというような、イタチごっこが繰り返されておる。これはすでに行政の域を離れて、何か非常に暗い感じがするのであります。しかも当委員会において今後現地調査もするのでありますけれども、新聞その他の報ずるところによれば、県の教育委員会の事務当局は、教育長以下ほとんどこれに出動してしまって、俗な言葉で言えば、評定を出させるためのオルグとなって——反対の組合の方はこれを出させないというオルグに出てるようであります。同じように行政当局がそれに対して、ある程度当局としてはどうかと思われるような方法まで講じて、その出させるためのいわゆるオルグ活動というものを事務局員がやっておるという事態、事務局がそのためにほとんどからっぽであるということ、私は、いずれが正しいとか、いずれが正しくないとかいう議論の前に、こういうような教育上の事態というもの——愛媛県においてはこれで二度繰り返されておる。おそらく私は評定がいいとか悪いとかいう問題のほかに、愛媛県の心ある父兄は困ったものだと思っておると思う。その原因が那辺にあるか。それが無理であったという評定の結果の問題がかなりの校長の品からも出ておる。そういう事態を顧慮することなく、二回も同じことをやって、そうしてこれを強行しようとしておる、非常に無理解な教育行政者がおるということ、ここにも私は非常に大きな原因があると思うのです。ですからそういう教育行政上不測の事態が次々発生するような形においては、これはいかなるものも私は決して教育上効果を発するものではないと思う。そういった意味合いにおいて、何がしか文部省に指導と助言の権限がおありになるならば、これこそ適正に正常な教育の姿に戻るように、あなた方としては現在の教育行政者に対してたしなめられなければならないと思う。こういうような問題について、大臣、どうお考えになりますか。
  103. 松永東

    松永国務大臣 実情がまだ詳細に私のところに報告がありませんので、報告があり次第善処したいというふうに考えております。
  104. 高津正道

    ○高津委員 関連して。法律の規定があるからその規定は実施するのだ、こういう御答弁を連日聞いておるのでありますが、しかし同僚辻原委員の申すごとく、法律の規定をそのまま実施しないで眠らされている場合がしばしばあるのであります。御存じのように汽車などの乗員の定員ということも、順法闘争でそれをそのまま法律の通りにはできないので、やはり定員を一倍半、二倍、二倍よりもっと多くやっても、どうもそれよりしようがないというようなことになっております。あるいは米の統制であるからやみ米を運ぶことはできないといって、警視庁が一生懸命一つも入らぬように毎日々々それの方にかかり切ってやれば、やみ米は都内でぐんぐん上るので、そういうことはやはり適度にやってそういう混乱の起らないようにしているというのが私は現代の政治だと思います。歴代の政府がやみ米の取扱いについてはそういうように扱い、乗物の定員についてもそのように扱っております。だから法律にきめてあるのだからそれをやるというのではなしに、それをいつやるということをきめるのがあなた方なんだから、それで今やるならばどういう影響があるかということを考えて、必ずやるのだというが、われわれは今適当な時期であるまいと考えるのであります。今こそこの実施を、昨年やらないで今年あるいは来年の春やるべき時期だとされる、その根拠を承わりたいのです。
  105. 松永東

    松永国務大臣 私は就任しましたときには、すでに省内では勤務評定をやらぬければならぬという決議をいたしております。そうしてそれを断行すべく着実に進めておったのです。正直なことを申し上げますとお笑いになるかもしれぬが、私は初めて文部大臣になって、勤務評定とはそれは何だと言って質問したくらいなんです。ところがよく話を聞いてなるほどとわかって、もちろんそのときには省内では相当勤務評定の問題については研究を進めておるはずです。長い間やっておる。そうしてこれを実行に移しつつあった。また移さんけりゃならぬという決意をしておった。私もそれからいろいろ研究いたしまして、なるほどもうここまで来ておる以上これは実行せんければならぬ。法律が厳として存する。そしてまた反対主張の方にもなるほど理由もあります。理由もありますが、しかしすでに必要があって法律が出た、しかもその内容はやはりすべての役人、すべての勤務者が勤務評定は受けんけりゃならぬというのは、さっきも申し上げた通り、精励恪勤に勤めた人とほとんど怠けておった人と一律の待遇を受けるということは、それこそ不平等じゃないかという議論は確かに成り立つと思う。でありますから、これはやらぬけりゃならぬと考えて、私は就任以来ずっと研究は重ねて参りました。しかし反対する人々の主張にもなるほどと首肯されるところがたくさんあります。そこで今研究を重ねつつあるということはずっと繰り返し申し上げる通りであります。
  106. 高津正道

    ○高津委員 一つの政策を、それを法律にして、そうして下へ流して、それで国民を引きずる場合に、国会にも権力があるし、それから内閣にも、権力という言葉が適当かどうか知らぬが、事実その実力があるし、それからまた各省の事務当局にも、実情はこうです、実情はこうですとむちゃくちゃに省議で言えば、大臣も拘束されて、それもそうかということを閣議に反映して、それを引き延ばしたり早めたりする、そういう実力もあるわけです。文教行政で言えば、皆さん全部御存じだが、各党の政策審議会あるいは政調会、その政調会のうちの、文教部会、そういうところの世論がまたその党を引きずって、内閣を引きずるというようにまでなることもあるし、どこが一番熱心なのか存じませんが、大臣はその中でどのくらいなところにおられるのでしょうか。(笑声)わかりにくい質問だと思いますけれども、(笑声)ぐんぐん引きずっておるのですか、くぼみであって人から引きずられておるのか、そこのところがわかれば非常に好都合だと思います。(笑声)
  107. 松永東

    松永国務大臣 引きずっていく力もなし、引きずられてもおりません。(笑声)ただしかし国会で一ぺん制定せられた法律、二これはどうも何としても施行せんけりゃならぬ、これは当局といたしましては当然のことだと考えております。
  108. 高津正道

    ○高津委員 愛媛県でいかに混乱が生じておるかということは辻原委員も申したごとくであります。ところで日教組なるものが実在するのでありまして、(笑声)そうしてその組合の方針が断固これに反対する、いろいろ今まで運動もしてきたけれども、これにはどうしても反対をしなければならぬ、それは政府の思想統制がこの中に盛られておる、組合運動をやる者を何とかそれにひっかけて首にするような悪業の意図まで入っておる、その他もろもろの理由に基いてこれには徹底的に戦おうという態度をきめておるようにわれわれは見かけるのであります。そうであると、全国に愛媛県が拡大されて、全国に大混乱が起る、こういうことが今見通されます。このような混乱をとめるかとめないかの全くキー・ポイントを握っておられる人が大臣であり、文部省の当局である。省議で常に協議される人がそれを握っておられるのだ、それでこういう場合は、党利党略——党利党略という言葉は取り消します。(笑声)今までの行きがかりを離れて、冷静に公平に四権分立で、各省当局と大臣と内閣と政党とこの委員会、国会、いろいろありますけれども、そのとめる立場にある国会が済めばわれわれはしようがないのですから、犬の遠ぼえのようなことになるから、(笑声)それであなた方でこんな教育界に大混乱を起すといういうことは、次の大臣に譲るというか、とにかくここは押し切るか、やめるか、待ったという三つしかないのですから、待ったという手を用いられればよかろう、こういうように考えるのでありますが、法律にあるのだから押し切るのだというので押し通されると大混乱が生ずるであろうが、混乱が生ずることを私と同様に憂えられておられるかどうか、そしてその混乱をかまわぬから押し切る、こういう態度に出られるかどうか、私の今の質問を明らかにすると、読売の記者を書き過ぎたといって引っぱる、それはそういう政策、そういうようなやり方がございますが、それが与党にプラスになったか、損になったか、非常に熱心にやるようだが、あれは与党にプラスになったか、それから検察当局の信用の場合、この事件を明らかにするためにプラスになったか、マイナスになったか、進みさえすればいいということではないのです。よくやったようで、あとで大きな失敗が現われる場合があるのです。愛媛県の経験、今小さいモデル・ケースで混乱を見せておりますが、あれが広がるのにもかかわらず、少々広がってもおれの代にやってしまおう、こういう態度でお臨みになるのか、あと数日のわれわれの寿命ですから、やはりもう少し承わっておきたいと思います。
  109. 松永東

    松永国務大臣 御心配いただくように、全く当局といたしましても、ああした混乱を何とかして避けたいというふうに考えております。であればこそ慎重に研究をいたしまして、今日まできているわけで、混乱があってもかまわない、やっちまえというような、そんなもやすい気持じゃありません。何とかして混乱を避けたい、ことに問題は次の時代をになうところの青少年を人格者にしてくれる。人間を作ってくれる先主方の問題です。ですから慎重に研究をいたしておるところであります。
  110. 高津正道

    ○高津委員 もう一つだけ。大臣の御心配になる、遊んでおっても、給料においても、昇給においても変ったことはないというようなことではいかぬ。信賞必罰を明らかにして能率の上るようなふうに持っていきたい、その御希望はよくわかるのでありますけれども、世には法律の悪用が非常に多いのでありまして、私の知っておるある会社では、五十五才が定年であるが、五十三、四才くらいから、その者をしきりによく見まして、規則通りにちょっとでも何か悪いことでもあると、すぐそれを首にしてしまう。退職金は百万円以上のものを出さないのですから、その法律のためにその会社はずいぶんもうかるのですよ。あるいは組合運動で、面を冒して会社の社長に、あるいは幹部にものを言うような労働組合の幹部がいると、どうしてこれを首切ろうかというときに、組合運動に熱心なというだけでは、ちゃんと専従になっているから首切るわけにいかぬでしょう。それをどうやるかというと、造船所だとすれば、何か要らない非鉄金属でも何でも、余りを弁当箱に少しでも入れて持って帰る場合もときにあるのであります。そうすると、網を張っておって、ニカ月に一ぺんさっとみなやれば、何千人の中で七人なら七人それにかかる場合がある。そうすると、別個にそれを営業所に呼んできて、その中の組合運動をやる者だけがその規則通りに適用されて、あとはもうやるなと言って、ちゃんと向うは規則をまげたのじゃない、寛大にする権利もあるわけでありますから、片方だけに法律を適用する。一たん法律がきまれば、この場合は勤務評定という制度がきまれば、それは実に危険なものであって、今のように日教組を憎んでおられる時の政府が、このようなものに熱心になって御実施になった場合は、大へんな弊害が生まれるであろう。もろ刃の剣であって、信賞必罰を明らかにして、能率を上げておるいい方にも切れ味があるが、悪い方にも切れ味は十分用いられる非常に危ないものであって、あんなに日教組に敵意を持っておる政府のもとで、この勤務評定が行われては、悪い作用だけが目立つし、そこのところに重点があるのだろうとわれわれが考えるのは根拠のあることでありまして、その悪用の点について、速記録に残るようないいお答えをいただいておきたいと思います。
  111. 松永東

    松永国務大臣 私は、日教組そのものを憎むという気持はちっともございません。初めから私はそう申し上げておる。むしろ憎むよりも、日教組の人人は、やはりりっぱな教育を受けられた人、従って、良識に富んでおらなきゃならぬ人、しかもその目的とするところは、次の時代をになう青少年をりっぱな人格者に育て上げようという熱意を持っておられる人、でありますから、私はこの人々に決して悪意を持ったり、憎んでこれを見るという考えは寸毫も持っておりません。しかし、法律に違反したり、法律をじゅうりんしたり、順法精神にもとるようなことがあったら、これは断固として、われわれはその筋と協力して方法をとらんけりゃなりません。しかし、仰せのごとく日教組の人々を憎んで、これを首にするとか何とかいう考えは、ちっとも持っておりません。しかし問題は、私ども、すなわち文部省が主導性を持っておるんじゃありませんで、御承知のごとく、都道府県の教育委員会が任免黜陟をする権能を持っております。われわれは助言をする、あるいは指導をするという立場だけでございます。しかしながら、御指摘のようなことのないように、われわれは十分一つ心得ていかんければならぬと存じております。
  112. 高村坂彦

    高村委員 だんだん勤務評定の問題が論議されておりますから、私も関連して一、二お伺いしたいと思います。愛媛県で教育の現場がいろいろ混乱しているということは、われわれもまことに遺憾に存じます。そこで、きのうでございましたか、新聞で見ますと、ただいま辻原委員からも一言触れられましたが、旅館に教育事務所長が校長等を呼んで、勤務評定を出すようにという勧告をしておられるようでありますが、その際、教員組合の書記長等が数十名宿屋に押しかけて、そこでできておりました勤務評定を提出されたかどうか知りませんが、焼き捨てたということが載っておりましたが、何かその点について報告でも来ておりまして、実情が明らかになればしていただきたいと思います。
  113. 内藤友明

    内藤説明員 私どもの受けた報告で、完全なものではございませんが、とりあえず受けた報告を申しますと、七日の午後の六時から、松山地方事務所管内の小田町という町であった事件でございまして、野中事務所長が、学校の校長先生を十三、四名富士屋旅館に呼んでおるのであります。富士屋旅館に呼んで、勤務評定を所定の期日までに提出するように、所定の期日というのは、たしか六日になっておったと思いますが、六日までに、先ほど辻原委員のお述べになったように、大体三分の一程度は提出されておる。それで残りの分を督促をしておったわけでございます。このときに数人の校長は、現場に勤務評定を持って来た。なお残りの方は九日までに必ず勤務評定を提出する、こういう誓約書を出したのであります。ちょうど六時から始めて二、三時間かかって、夕食を出しておったそうですが、そこへ愛媛県教組がかけつけて、トラックで約三十名ほど乗り込んだ。そのうちに、さらに学校の現場に檄を飛ばして集合の指令を出したそうです。そうこうしているうちに約八十名の人員がこの旅館に押しかけて、そして野中事務所長に強く抗議と圧迫を加えた。その結果、午前二時までかかったそうでございます。この間、結局一たん提出された勤務評定を所長がお返しした、それから誓約書も渡したということでございます。その面前において誓約書が焼却されたという事実は見ております。しかし、さらに、だれが焼いたのかというような点、それからこの旅館に入れた場合に、旅館の主がこの組合の多数の人たちを承認して入れたのか、あるいは無断で侵入したのか、この辺のところは目下調査中でございますが、とりあえず中間報告として申し上げます。
  114. 高村坂彦

    高村委員 ただいま内藤局長のお話を承わって私は驚いたのですが、一体この勤務評定の内容が妥当であるかどうであるかということについては、いろいろ議論があるようであります。私どもも、人間のやるごとですから、それが万全であったものかどうかについては、これは議論があろうと思います。しかし、そうした教育行政機関が正当な権限に基いて一つの勤務評定の提出を求めるということに対して、県の教組の幹部の諸君がそうした指令を出して、たくさんの人が押しかけて行って、そして校長の提出しておった勤務評定を返還さして、それを焼き捨てるといったようなことは、ただごとじゃないと思うのですがね。一体こういう事態に対して文部省は——私はこの前もここでお尋ねしたことがあるのです。日教組が全国的に一齊早退を指令した、そういうことに対して、これは前の清瀬文部大臣の当時だったと思いますが、そういうことが一体許されるのかということを申し上げたことがあるのです。今度の勤務評定の問題についても、これは法律できまっている問題だから、当局としてはやられるのが当然だと思いますが、しかしその内容について——妥当な内容を得ることに慎重を期せられることもこれは当然であろうと思う。しかしその内容がどうなるかこうなるかわかりもしないときに、日教組の諸君が全国的に指令を出して反対の集会を求めておるということを、私は新聞紙上で見たんですが、こういうことが私は教育の現場を混乱せしめる根因ではないかと思うのです。この場合、現場に対して日教組の幹部の諸君が執行部として指令を出して、それによって地方では、どのくらいの人が集まって、そしてどういうことになったか。そういうことについては、もう相当日にちもたっておりますから、文部省としてはお調べがあるのじゃないかと思います。その点がおわかりになりますれば、一つ参考に聞かしてもらいたいと思います。
  115. 内藤友明

    内藤説明員 ただいま詳細な資料を要求しておりますが、私どもに電話連絡その他で入った情報といたしまして、日教組が全国一齊に職場大会を指令したのでございます。その結果、未報告なところもございますが、大体半数の県が、実施準備不足ということで、やっていないようでございますが、残りの半数程度は、大体三時半以後、授業に支障のない範囲で職場大会を実施した、こういうような概況でございます。実は今回はあまり、職場、教育上に非常に混乱を来たしたということには、いってないように思っております。
  116. 高村坂彦

    高村委員 どうも最近は、日教組の幹部の諸君が指令を出しましても、日教組の笛に踊る先生方がだんだん少くなっておるように私は感じておりますが、今回の勤務評定につきましても、私どもは、大臣もしばしば答弁しておられますように、あくまでも慎重にやってもらう、そうして一般の人の納得のできるような内容のものができることを期待いたしますけれども、これは権限から言えば、もとより都道府県の教育委員会が計画をし、市町村の教育委員会が実施することであります。今回の場合も、愛媛県の教育委員会がその権限に基いて実施している。その行おうとしておることに対して、県教組の方で反対がある。それに対して、今度また日教組の幹部の諸君が愛媛県に乗り込んでいる。新聞等によりますと、オルグとかなんとか書いてありますが、委員長も乗り込んでおるようです。そういうことになると、現場はますます混乱してくると思う。私は教育秩序を守るためには、文部省はいろいろ指導なり助言なり監督なりする権限と義務があると思うのですが、文部省としてこれに対してどういうように対処されんとしておるのか、一つお聞かせ願いたい。
  117. 内藤友明

    内藤説明員 私どもとしては、愛媛県当局が実施されておる勤務評定は、法律上当然の権限に基いて行使されておるので、この事態がすみやかに終息され、円満に勤務評定が行われることを強く要望しております。同時に、違法、不法な行為に対しては、断固たる措置をとっていただきたいと思っております。
  118. 高村坂彦

    高村委員 日教組の専従職員の諸君も、やはり一応身分は持っておると思います。そうした権限のある教育行政機関の行動に対して、自分たちの不満であることを意見を言うことは差しつかえないと思う。しかし、それを反対するために、今申しましたような大衆的な行動までも起していくということは、身分を持っておる者としての行動としては、明らかに行政的に相当の措置をされるに値するものではないかと思いますが、そういうことについて、文部省は一体どういうお考えでおられますか、お聞かせ願いたい。
  119. 内藤友明

    内藤説明員 私どもとしては、日教組が職員団体でございますので、給与その他の勤務条件に対していろいろと御不満がある点は、これは十分お聞きしなければならぬと考えておりますが、ただいまのように法律できまった事態に対して、実力をもってこれを阻止するという行き方は、はなはだ穏当を欠くもの、特に教育者としてあるまじき行為であると思うのであります。特に私どもは日教組の反省を要望いたしたい。同時に私どもとしては、法律違反の行為がありますれば、これは断固として処置せざるを得ないと思うのであります。
  120. 高村坂彦

    高村委員 実際申しますと、最近の教育現場の秩序が非常に乱れておることに対して、私が非常に遺憾に思っておることは初めに申し上げた通りでありますが、このことはどうも、日教組の諸君の考えのいかんにかかわらず、自分たちの反対することは大衆行動によってこれを阻止するんだといったような考え方があるように思うのです。そういうことが反省されなければ——これはもとより立場によって意見を異にすると思うのです。しかし法治国家のもとにおきまして、秩序を保っていくためには、反対のことを是正するには、その是正するところの合法的な方法があると思う。そういうことを自分たちは反対だということで、ことに教育の職責を持っている人たちがそういうことをする、たとえばこの間私は文部省の中に日教組の諸君がたくさんなだれ込んで、検挙されたというようなことが新聞に出ておるわけでありますけれども、この前そういうことがあったときに、実はここで清瀬大臣にお尋ねをして、文部省としての御意見をいろいろ承わったのです。しかしそういうことが繰り返し行われている。これはまことに遺憾千万であって、先生方が警察権力によって逮捕されたというようなことが、一体全国の学童等にどういう影響を与えるかというようなことも考えなすればならぬことだと思います。そういうことで今後私は日教組の諸君にも、そういう点を十分反省してもらわなければなりませんが、反省ができないということであるならば、これに対して有効適切な方法を文部省として十分お考えいただいて、そうして全国の教育行政機関に対して、そういうものに対するしっかりした考えを持って、その是正に一つ努力してもらう、こういうふうに指導してもらいたい。私はあえて御答弁を要求いたしませんが、この点は日本の教育の全体のためにぜひ御考慮をお願いしたい、切にお願い申し上げまして私の質問を終りたいと思います。
  121. 辻原弘市

    辻原委員 私の質問から端を発しましてだいぶ横の方に問題がいきましたので、時間をとって恐縮でありますけれども、今の問題について若干申し上げておきたいと思うのです。  それは内藤政府委員が今待ってましたとばかりに答弁をなさいましたが、まず最初の高村委員から問題を提起されたこの愛媛の富士屋旅館において誓約書を何か暴力的な方法によって取り戻して、そうしてそれをいわゆる焼くという方法によって棄却したかのような印象を、しかも答弁にはそういうニュアンスをもって答えられている。私は事実は事実でもって答えてもらわなければならぬと思うのは、これに対する見解は別として、新聞の報ずるところによりましても、明らかに当日人数の多寡は知りませんが、新聞では十数名と発表しております。そうして当該交渉相手であるその所長と徹宵にわたって交渉の結果、その誓約書をいま一度手元に返還するという措置をとったという。これはネゴーシェーションの結果のことなんです。しかもその点については、これは新聞に出ている県教組側の発表でありますけれども、誓約書は誤解を招くとの理由で、教員側と校長が立ち会い焼き捨てたと書いてある。私はこれはおそらく正式な当事者同士の発表でありますから、新聞がうそを書かぬと思う。そういうことでありましたならば、これは少くとも県の教組は教育委員会に対しては折衝権を持っているはずです。しかも折衝権は、文書によってとりかわすという、当日成立の経緯から見ても、かなり強い意味合いを持っているわけです。先ほどから高村委員からるる述べられたことによりますと、ただ一つ任意団体がこの問題についていろいろ不平を並べたり、不満を訴えたりする程度のそういう団体であるかのごとき認識しかお持ちになっておりません。また答えられた内藤局長も、文部省随一のベテランである、これは自他ともになりますかどうかわかりませんけれども——そうされて、しかも組合が結成されて以来そういうことに携わってきたあなたの答弁としては受け取りがたいと思う。私のごとき者でも、この交渉権というものがどういう経過で生れたかくらいは存じております。地方公務員法が制定の当時、明らかに一般の団体交渉権とは違うけれども、職員団体に付与された折衝権というものは、かなり強い意味合いのものであるということが当時の速記録にもあるはずなんです。そういたしますと、あなたが答弁されました一つのものの考え方というものは、かなり根底から違っておる。少くとも教員組合の運動は、労働法こそ適用されていないけれども、少くともそれに準ずる折衝権を持った一つの交渉団体であるという認識の上に立ってお考えになりますと、その法律できめられておるものを多数の力で阻止するということは、教職員にあるまじき行為であるというような答弁は出てこないはずである。法律云々と先ほどから申されておりますが、それならば私もまた繰り返さなければならない。一体何でこの法律を今まで八年もほって置いたのかというのです。法律が制定せられれば、施行規則、施行細則でさっそくやらなければならない。そういう事案であるならば、そういうことの意味合いもわかるかもしれないけれども、ほったらかして置いて、そうしてあわててそのことをやろうとする。問題をとらまえて法律できまっておるから強行するという。それについて内容に問題があるとして反対するのを、あるまじき行為であるときめつけるのは、それはいささか答弁として行き過ぎておると思います。そういうものの考え方、そういうものの判断というものが往々にして誤ると思うのです。私の予測がもし的中しなかったならば仕合せ。そういうあなたの何というか強気な態度というものは、やはり事態を混乱さす一つの原動力になると思う。私はあえてこれについて答弁は求めませんけれども、もう少しいわゆる訴えてくる側の、訴えておる内容、意味合、そういうものを静かに聞き取ってやるという態度、ただこういうふうにやる方針だから是が非でもやらなければならぬというのは、単なる権力者のものの考え方、権力者の行動であります。権力でもって事を運ぼうとするところに無理ができる。そういった意味で私は高村委員が述べられました点についても、若干述べられておる意味合いはわかります。しかし、少くとももう少し高い見地に立って、教育行政というものをうまくやっていかなければならないというあなたの責任のある立場から申しますと、今の質問についてははなはだ不満であります。今の答弁についてははなはだ不満であります。しかし、これは見解の相違ということは、答弁があっては時間をとるだけでありますから、答弁は必要ございません。勤務評定の問題は相当同僚議員からもありましたので、以上の点にとどめまして、若干時間を食いますが、次の問題を簡単に承わりたいと思います。  それは修学旅行の問題について承わりたいと思います。これは時期はもうシーズンを過ぎたかの感がありますが、私は来年の春の旅行シーズンに備えて、ぜひとも文部省で配慮してもらいたいという内容を持っておりますので、あえて本日申し上げておきたいと思います。  当委員会でもしばしば修学旅行の問題には触れて参りました。その中には不測の災害による修学旅行の事故の問題を多く取り上げたのであります。ところがそういった予測しがたい事故のほかに、修学旅行にまつわっておる問題としましては、たくさん事故があるのであります。これはこの間新聞にも出ておりましたが、御坂峠における高校生のバス転落によっての重軽傷の事故、こういった事故がずいぶん起きておるのであります。あるいは梅雨時による事故あるいは集団的な流感、これによる事故等々たくさんあると思います。あるいは旅行が終って一般の目に触れない形で、その後において子供の体に及ぼす影響、そういうものもかなりあると思います。資料によりますと、こと上の一月から十二月までの修学旅行の宿泊人員は約二百四十六万人と推定されております。これはおびただしい数であります。年々増加の一途をたどっている。こういうような修学旅行の万全を期するためには、現状の措置ではかなり不十分な点があると考えます。この問題は、関係は文部省だけではなしに、主として旅館の問題については旅館業法の取扱いの問題を構成し、それからこれらの旅行団体をあっせんするところのあっせん業者については運輸省に責任があるでしょう。従って私は別の機会にそういった当事者からも克明に実情を承わりたいと思うし、措置も承わりたいと思うのでありますが、きょう問題に出しておきたい点は、これは大臣もおられますが、新聞の報ずるところによりますると、最近、関東の旅館組合の協議会ですか、修学旅行の旅館の団体であります。これが値上げ案を持って、そして各方面に値上げの承認といいまするか、値下げを認めろということを要求いたしておるようであります。これに対して文部省が、その値上げについては待ったということを勧告されたということを承わっておるのでありますが、そういう行為に出られたかどうか、この点を承わりたい。
  122. 内藤友明

    内藤説明員 関東の旅館業組合から、従来、最低三百円程度のものを四百円に上げたいということがきまったと報ぜられたのでありまして、業者の方々においでいただきまして、どういう事情で上げなければならないかということをよく説明を伺ったのですが、私どももまだ釈然としませんので、一律に全部値上げするということは少し行き過ぎではないかということで、再考をうながしておるのであります。同時に公正取引委員会の方でも、公正取引を害するという見地から、この問題を今調査しておるのであります。
  123. 辻原弘市

    辻原委員 そこで文部省には、特に修学旅行の事故発生等からかんがみて、修学旅行協議会というものが設けられて、これに諸般の問題が持ち込まれておるようでありまするが、聞くところによれば、現在修学旅行に参加できない生徒が大体一割から二割程度ある。しかもその大多数はほとんど経済的事情に基くものである。こういう意味合いから、軽々な値上げは困る、これは当然だと思います。私も最近の諸物価引き上げの傾向からかんがみて、特にそのような値上げは差し控えてもらいたいということを痛切に感ずるわけでありますが、ただしかし、値上げ反対ということだけでは、これはまた別の問題が起ると思います。申すまでもなく、三百円あるいは三百五十円であったものを四百円あるいは四百五十円にしようというのですが、これをかりに押えるということになって、実は三百円がほんとうに無理であるならば、そのしわ寄せはどこへいくのかということであります。そのしわ寄せは、かりに一定の規模があって、それ以上は収容できにくい部屋にさらに多くを詰め込むとか、あるいは食事を切り下げるとか、サービスを落すとか、こういうような形になってきたならば、これは不測の事故を発生する原因になるというようなことを私は考えますので、適正な料金を定めるということについては、文部省も関係当局と十分折衝される必要がある。  いま一つは、これは私もいろいろ資料を持っておりまするし、いろいろ調べてもみました。そういたしますると、修学旅行については、実際扱っている人人も不可思議な点がたくさんあると思うのです。極端な例が「修学旅行」という修学旅行協会から出された雑誌の中にも載っておりますが、三百五十円で学校から契約しておる、そして学校から子供一人当りについて三百五十円受け取っておる、ところが実際旅館では三百円でまかなっておる、五十円がその中途において消えておる、こういうような事実もある。あるいはあっ旋業法によれば、いわゆるあっせん業者に対する手数料というものは最高一割とされておる。交通公社あたりでは過去の例においては三%、現在においては六%程度にとどまっておるらしいのでありますが、数多くのあっせん業者の中には、この最高を上回るような実質的なあっせん料というものもとっているやに聞いている。さらに極端な例は、子供が旅行するときに米を持っていきます。その場合に、親の気持、先生の気持から、旅先で腹が減っては食い盛りの子供にはたまらぬだろう、腹一ぱい食べさせてほしいというので、一日当り六合持っていく。ところがその六合は全部子供のためには使われないで、そのうちの一合は頭からどこかになくなっている。どこかになくなっているのじゃなしに、ある場合にはその一合が旅館から現金であっせん業者に支払われているという例もある。あるいはこまかくあげればそういった事例は数限りないのではないか。さらについででありますから申し上げますが、たとえばバスの転落がある。今私はバスの例を申し上げましたけれども、これらもよく考えてみると、バス一台に幾らということで、朝から晩までバスにばかり乗せて、運転手も一人でやっている。これでは事故も起きます。しかもバス会社からあっせんまる場合に、やはり何がしかのあっせん料というものも受けるやにも聞いております。あっせん料というのは、もちろん法律に定められている適法なものでありますから、これはとるのは当然でありましょう。しかしそういったものを明確にして、そうしていわば子供の食料にしわが寄せられたり、あるいは東京あたりでは、修学旅行の場合には一人当り一・五平方メートルになっているということを聞いておりますが、そういう基準もオーバーしてたくさん詰め込まれたり、あるいは正規の形でいけば、補助員が一人ついて運転手が運転できるような状況にあるのを、その補助員、助手を減らさなければならぬというような形でバス会社が運行しなければならぬというような状態にしたりするようなことは、この際やめてもらいたい。そういうことは適正に行えるはずだ。時間がありませんので、逐一についてあなた方の御答弁は承わりませんけれども、今言ったような事例は巷間すでにかなりの人が知悉していることなんです。放置しておきますとだんだんその犠牲は子供に及ぶ。さらに重要なことは、旅館等において、ある場合においては、あっせん業者へのそういった手数料等がかさむので、旅館主は従業員に対して適正な給料を払わない。修学旅行をあっせんしたけれどもただ働きだという声すらあるのであります。そうやって従業員の給与にしわ寄せされる結果、勢い従業員は修学旅行の子供へのサービスが悪くなる。こういったことにだんだんしわが寄っている事実をあなた方は具体的に御承知か。そういうことについてどういうような方法を講じようとされるのか。私は旅館には旅館が成り立つように適正な料金をきめてやる必要があると思います。あっせん業者にもそれが成り立ち、しかも世人が認めるようなあっせん料をきめてやる必要があるが、これが実際父兄が負担した宿泊料あるいは旅行の経費の中にしわ寄せてくるかのような運営を修学旅行にやられたのでは、これははなはだもっておもしろくない。この点についての御所見を大臣、それから局長から承わって、後日私はさらにこの問題を克明に掘り下げてみたいと思います。
  124. 内藤友明

    内藤説明員 お話の点ですが、私どもが不思議に思っておりますのは、関東一円、どういう場所においても、どういう旅館の施設でも、すべて最低料金として四百円を要求されておるのに実は疑問を持っておるのです。これは旅館の施設あるいは地域によって差等があるのはやむを得ないと思うのです。お話のように、私どもは適正料金というものをきめたいと思うのです。原価計算の中にもあったと思うのですが、今御指摘のあっせん業者への過当な支払い、それからつき添いの教職員に対する過当なサービス、こういうようなことも聞いております。子供たちのためですから、できるだけ廉価にして合理的な料金というものがほしいと思います。不合理なものをできるだけ節約していただきたい。四百円の中でも、原価計算の中でもう少し節約できる部分があるのではなかろうか。そういう意味で、四百円でなければできないというのは、私どもとしては少し納得できかねるのです。それから、今お話のように、子供たちにそのしわが全部寄る、こういうようなことでは相済まぬと思うのです。現在、あっせん業者への過当な支払いあるいはつき添いの教職員に対する過当なサービス、こういう不合理なものが非常な競争の重点になっておるそうですから、できるだけそういうむだをはぶいて、子供たちの福利増進のため、また衛生、保健等も考えて、子供たちにしわが寄らない適正な料金であってほしい、こういう意味でございます。
  125. 辻原弘市

    辻原委員 まあ今後おやりになることですから、今とやかく申しませんけれども、適正な料金をきめるということの内容には、適正な接遇基準を設定するということも含まれておると思います。現在私はここにいろいろ資料を持っておりますが、旅館組合等から出された原価計算等を見ましても、一応の基準を立てておりますけれども、こういうふうに修学旅行に当っての接遇基準というものが非常に不明確であります。従ってこの点を明確にすることによって、従業員にもしわ寄せがなくなり、サービスも向上する、また事故も未然に防止できる、あるいは子供が腹を減らしたりすることもなくなりましょうし、あるいはとかくのうわさが出るあっせん業者等の教職員に対する特別なサービス、あるいは今お話の過当な料金、あるいは旅館同士の非常な競争、こういうものもなくなってくるんじゃないかと思いますので、これは関係各省と十分話し合いが必要だと思いますが、一つその接遇基準を明確にするという形に今後文部省としても努力をしていただきたいと思います。参議院の速記録を見ますと、旅館業法が改正になるときにかなり論議をせられておりますが、いまだにこういう点が実施せられていないのであります。これは厚生省の所管でありますけれども、そういった点について改善をやるような具体的な一つの通達とか、指示、指導というものを何ら行なっていないやに見えますから、一つ文部省としては十分意のあるところを申し述べていただきたいと思います。  最後に一言お尋ねいたしたいのでありますが、大学局長はお見えになっておらないようですが、先国会で成立を見ました教員養成機関の改善と充実並びに理数科教育及び自然科学研究の振興に関する決議の実行についての問題であります。それぞれの院で本会議において議決せられるという事案については、与野党の間にかなりいろいろな話し合いが行われておるのでありますが、簡単に理屈が通るからやろうという抽象的な意味では国会の議決とならないことは、大臣は百も御承知だと思います。必ずその背景には行政当局の立場も考慮をいたしまして、十分この決議案が実行し得るに足る態勢にあるということをあわせ考えて、両党の決議案となるのであります。それほど慎重を期した決議案が一たび可決になった暁においての行政当局の責任というものは、私が申し上げなくても、おのずから重大であるということは大臣もお認めなさると思います。重大であるならばどうするか。重大であるならば、これは実行していただくのであります。過般二十六国会におきます決議案の中には、教員養成制度の充実という具体的な問題を織り込んで、しかもそれは、われわれとしてはかなり時期も見通して、その充実を期して、具体的執行は昭和三十三年度を期待いたしたのでありますが、一体大臣はその決議案並びにその後の実行についてはどういうふうにお考えになっておりますか。これは、歴代、少くとも最近におきましては三代、四代の大臣を経てようやくこの決議と相なったわけでありまして、かなり慎重を期したものであるだけに、大臣がただそういうことを知っておりますということでは事は済まないと思いますが、いかがなものでありますか。
  126. 松永東

    松永国務大臣 御説の通り、すでにもう決議がありました以上、その決議を尊重せなければならぬことは論を待ちません。従って現在御指摘になりました大学科学技術の問題につきましては中教審議会に諮問いたしまして、もう日ならずその答申が決定するというふうに承わっております。
  127. 辻原弘市

    辻原委員 この決議には今大臣がお述べになりましたような方針ということももちろんありますけれども、齋藤参事官が見えますから大学局長にかわって答弁されるのだと思いますが、それ以上に書具体的な内容を持っておるはずであります。この中身にいろいろ含んでおります。もちろん総合的に大学の充実、教育制度の充実ということでなくして、少くとも教員養成として地域的に欠陥が認められるというものを指摘いたしまして、当委員会においてもその調査もやりました。その結果、表面においてはそれらのことは網羅はいたしておりませんけれども、少くとも数地域の教員養成大学については、三十三年度から適当の考慮を払うべしということはその内容に入っておったと私は思います。そういうことは中教審の答申を待たずして、現行制度の中で行い得ることだと私は思うので、大臣が中教審の答申を待ってということはいささかピントはずれだと思うのでありますが、これはいかがでありますか。
  128. 齋藤正

    齋藤説明員 お話の決議の中には、今お話の通り、教員養成学部に関する分が一緒にあったわけであります。本日大学局長は中央教育審議会の教員養成に関する部会がございまして、午後そちらの方に参っておりますので、かわってお答えいたすわけでありますが、教員養成の基本的な問題につきましては、大臣がお答えになりましたように、科学技術同様検討してもらっておる段階でございます。お話の分校の問題、四年課程等の問題につきましてはいずれも現在話題になっておりますところが設備が貧弱でありまして、これを充実いたすとすれば、これは相当の財政的な措置も一面必要でございます。なお具体的な問題につきましては、関係大学並びに当該都道府県においてもいろいろその整備について御意見があるようでございますので、文部省といたしましては、それらの大学なり都道府県の方々の御意見も現在承わっておる段階ござでいますので、それらの御意見の調整を待って、院議を尊重して善処する方向で検討いたしておるのでありまする
  129. 辻原弘市

    辻原委員 斎藤さんの答弁によりますと、どうも少しあと戻りをしておるような感があります。この問題は相当長い間行きつ戻りついたしましたので、また一つの戻り期に差しかかったのかもわかりませんけれども、しかしそれは院議以前の問題であって、今になって地域的に若干の意見があるから、それについて充実をする方向である、四年制に引き上げるものをやめる。それから地域の実情から非常に強い要望として女子を主体とする二年を置いてくれとかいったような要望を無視するような文部省の見解ではないのでありましょうね。その点はどうなんです。
  130. 齋藤正

    齋藤説明員 院議におきめになりました事柄、それからいろいろ地方の御意見というものを無視するということではございません。ただ具体的な問題について、それぞれ大学当局におかれましても関係の都道府県におかれましても、いろいろ意見を申し述べておられますので、その意見を慎重に検討いたしまして、御趣旨に沿うように文部省として検討いたしたい、かようにお答えをしたわけであります。
  131. 辻原弘市

    辻原委員 しつこく言うのではありませんけれども、具体的に、三十三年度にやるとするなれば、少くとももう予算要求の裏づけがなければならぬと思うのです。慎重に検討する検討するで、これは勤務評定ではありません、そうややこしい答弁をされなくてもいいと思います。もうこの段階でありますから、大体文部省としてはどの程度のところまでやれる方針であろうか、また予算要求をする方針であろうか、そういう点は明らかにせられた方がいいと思います。先ほど申しましたように、大学全般、養成制度全般としては中教審の答申を待って総合的にやるがよろしいと思います。しかし、二年のコースを四年に引き上げるというのは、これは今日の趨勢からいたしましても、決して逆行しているとは考えられません。教員養成制度の二年制というものは、今日の教員の需給の関係、あるいは質的な向上の関係から見て、四年制の施行ということは当然ではないか、そういう意味から申して、それを積極的に進めるということは、何も中教審の答申を待たなければできぬというようなしろものではないと思います。もうすでに相当具体的に検討されて今日まできたのでありますから、明年度どの程度の構想で進むのかという点を一つ明らかにしておいていただきたいと思います。今まだ検討中だというようなことでありますと、これは明年四月からの実施には事実上間に合わぬ、だから文部省としては——これは大臣にお答え願いたいのでありますが、具体的に言いますと、問題になっているのはそう多くはないのであります。与野党の間でもいろいろ調査をいたしまして、また文部省でも相当多年にわたって調査をして、九州においては小倉分校、大阪における池田の分校、それから、新潟における高田の分校、愛知における名古屋の分校等は、これはやはり立地条件その他から考えて適正ではないか、こういうような意見が非常に多かったのであります。そういった具体的なものをどの程度まで実際お考えになっておるのか、ここらで一つ大臣の御所見を拝聴さしてもらいたいと思います。
  132. 松永東

    松永国務大臣 御指摘の四カ所の問題については賛否両論に分れておりまして、非常に頭を悩ましておるのであります。これは御指摘の通りちゃんと決議もあることでありますから、一つこの際善処しなければならぬと思って、一生懸命やっております。何とかやりたいと思っております。
  133. 辻原弘市

    辻原委員 それでやるとなれば大臣予算をつけますか、これはどうですか。具体的にあまり聞きませんけれども、やるとなれば明年度予算をつけますか。
  134. 松永東

    松永国務大臣 それが問題なんです。協議をしておるところなんです。何とかしなければならぬと思っております。
  135. 小林信一

    小林(信)委員 だいぶ時間もおそくなって申しわけないのでありますが、きょうで終りという建前になっておりますので、午前中から引き続きましての問題を二、三お伺いしたいと思います。  この国会を考えてみますと、道徳教育と勤務評定という問題をめぐって大体終始したような感があるのですが、私はこの問題が一つの傾向を持っておるように思うのです。私の考えとしては、終戦後父兄は食うことに一生懸命であって、子供のことなんか見ておることができなかった。やや食う道が安定してきて初めて子供の姿を見たときに、子供が非常にお行儀が悪くなっておる。それが社会道義の頽廃というような、将来おそるべきものまで喚起しておるというようなことで、父兄もだいぶあわててきたのですが、先生たちもいわゆる教育勅語というようなものがなくなって、そうして指導されるものは占領軍の教育政策、これを消化するのに先生たちも非常にきゅうきゅうとしておったわけであります。要するに何をもって価値評価をするか、こういうふうなことが社会全般の大きな問題であったわけであります。ところが食うことにやや安定を見た父兄たちが、すぐに考えたのは、修身科の復活、また先生の問題につきましては、何かこれもよりどころを見つけたい。最近どうかすると従来の教育勅語にかわるものは文部省の言うことだ。文部省の考えておることがそれにかわるべきものだというふうな印象さえも持つようになっておるのですが、文部省がどんなりっぱな勤務評定を出そうとも、あるいは大臣が道徳教育に対してどんな措置をされようとも、今社会の要望するものは先生個人々々の責任と良識、こういうものによって教育に専念する、これが一番大事だと思うのです。勤務評定が出て形式的な勤務状況をもって教育の成果があがるとは考えない。かえってしろうとが見てあの先生は不熱心だ、冷淡だという先生の中に、ほんとうに教育を真に理解して成果をあげ得るものがあるわけであります。やはりどういう措置をとろうとも先生の教育者としての責任、良識、こういうものを高揚させる道というものは、文部省が根底に持っていなければならぬと思うのであります。このことの論議をしておりますと時間がありませんので、それからも派生いたしまして、やはり文部省が一番教師を動かす、教師に教育の情熱をたぎらせるためには、いかに教育予算を多く獲得して、教育施設を完備して、教員数を獲得して教育水準をあげるか、これがしっかりなされなければ、幾ら制度を強行しようとも、法律を幾ら出そうともだめだと思うのですが、そういう意味で午前中もまずさしあたって教育施設の問題をお伺いしたのですが、これもこまかくここでお聞きして、今後文部省の強力な御努力を願いたいのですが、時間が許されませんので逐一申しますから、そちらで記憶をよくしていただいてお答え願いたいと思うのです。  まず第一番に、先ほど櫻井委員が質問された敷地の問題ですが、この敷地等の問題についても私たちは何も知っていないのですから、幾多疑問があるわけであります。まず第一に新設する校舎、危険校舎はどうか知りませんが、屋体にしろ学校統合にしろ、特別、教室、すべて新設するものは敷地を補助の対象にするかどうか。あるいはこういう問題があるのです、新しくこの地方は開拓される、都市が発展されるというような場合に、市当局等は、発展してから校地の設定をすることは非常に困難なんです。だから今まで私たちの聞いておったところでは、将来ここにはどうしても学校を置かなければならぬという情勢が見えたときには、校舎を建てることがその年度内にできなくても、敷地を獲得しておこうという考えがあるのです。従って年度内に校舎を建てなくても将来建てるという確実な見通しがあれば、そういうものにも敷地の補助をするかどうか、またりっぱに町が仕上ってからではとんでもない不便なところに建てなければならぬという場合もあるし、それからしいて通学に便利なところというと非常に高い値段を出さなければならぬ、そういうことでは、文部省予算だって際限がないわけなんですが、こういう点がどういうふうに考慮されておるか。  それから特にお聞きしたいのは、学校統合校舎それから屋内体操場、しかもこれは男子にとっても問題なんですが、これらは、地方の自治体の要望というものが非常に多いと思うのですが、大体来年度あたりを予想して全国どれくらいの坪数が要求されるか、それに対して今文部省が構想を持っているもの、これがどのくらいそれを満足させるか。おそらく私どもの希望あるいは市町村長等の希望というものが満足されないと思うのですが、せめてここでこの問題についてそんな状態しか満足できないのかというところを大臣にも知っておいていただいて、今後の予算折衝に働いていただきたいと私は思うのです。  それから屋内体操場、さらに統合校舎ですが、これは私の県あたりから考えれば、要望のほんとうにごくわずかしか聞くことができない、そのために県会議員が動かされたり、あるいは教育委員が政治的に動かされたりして、教育行政そのものが混乱するというようなおそれもないとは限らない状態になっておる。  それから特別教室の問題については、さっき個人的にお伺いしたのですが、これはさっきの科学技術教育の問題でちょっとお伺いしたのですが、おそらく私は従来持っております一つや二つの特別教室では、中学校科学技術教育を振興させることはできないと思うのです。家庭関係の特別教室、あるいは手工、ああいうふうなものを対象にした特別教室、あるいは機械設備をした特別教室、あるいは化学の実験、理科の実験というようなものを考えると、特別教室というものは今後相当重大視していかなければならぬ、こういうことはどの程度文部省において考えられておるか。一般の要望する構想というものはどうか。  それから危険校舎ですが、これは三十二年度で大蔵省で打ち切られるのじゃないかという心配のやさき、文部省ではこれに対して立法化して、そうして恒久化するということで、非常に安気しているのですが、果してこれも実際の要望、文部省へくる要望はこれはわずかですけれども、各都道府県が教育委員会に要望する数というものは、僕は膨大なものだと思うのです。そういうふうなものがおわかりになっておったら、この際ここで御発表していただいて、そしておそらくこれに対してこの法律が通っても、文部省予算の要求が通っても、これくらいしか満足することができないのだというところをお述べいただきたいと思うのです。それだけです。
  136. 小林行雄

    小林説明員 明年度の予算につきまして、予算要求関係の具体的な問題につきましていろいろとお尋ねがございましたのでお答え申し上げます。  まず第一に校地購入費に対する予算の問題でございますが、これは従来ない予算でございまして、今回初めて明年度予算に要求したというものでございますので、まず予算を確保することが一番大事です。予算がとれてから将来の配付問題というものは考えてしかるべきだと思いますが、一応私ども現在の段階でとれることを予想して考えておりますことを申し上げますと、大体一学級あたりの必要の坪数というものを想定して、その学級あたりの基準坪数というもので必要な面積をはじきたいというふうに考えております。お尋ねにございましたように、早急には学校を建てないけれども、将来のことを考えてある程度の敷地を確保しておきたいということになりますと、これは非常に学校の設立そのものが危ぶまれるようなケースも想像されますので、そういったところは順位は比較的あとになろうかと思います。  それから第二に統合及び屋体についての明年度の予算についてのお話がございました。学校統合につきましては、明年度の予算に関しては現在すでに市町村の議会の議決を経た学校統合計画がかなりたくさんあります。約四十五、六万坪の数字が出ておりますが、明年度の予算といたしましてはその大体三分の一ということで、この三分の一の十五万坪というのは大体本年度の申請と見合った数字で要求をいたしております。従って現在大蔵省にかけられております予算がそのままとれれば、本年度の申請をまるまる認めることができるというふうに考えております。  中学校の屋内体操場についてのお尋ねでございますが、これはことに雪寒地以外の屋内体操場については非常に競争の激しい状況でございます。大体五倍程度の競争率になっておったと思います。しかしこれもただいま大蔵省と折衝をいたしております金がとれれば、大体従来の申請をそのまま認めることができるのではなかろうかと考えております。本年度の申請の状況とそれから予算を配付した実績等の倍率の問題でございますが、やはり学校統合というものがかなり全国的に取り上げられております関係から、非常に競争がひどくなっておりまして、大体三・八倍、それから不正常については二・八倍といったような高い競争率を出しております。また先ほど申しましたように、雪寒地以外の暖地の屋体については、大体五倍程度というような競争率になっております。  次に特別教室が、科学技術振興の上からいっても非常に大事であるということにつきましては、私どももこれはお話の通りだと思います。それにつきましては私どもも決して軽視はしておらぬつもりでありますが、しかし特別教室を作るために、従来の基準をこの際引き上げるというようなことになりますと、ただでさえ現在全国的に非常に多い不足坪数を特に増加させるということになりますので、私どもとしては現状の応急最低基準をとにかく早急に解消するというような方針で参りたいと思っております。現在の応急最低基準でも、中学校におきましては大体三百人程度の生徒がおれば、小学校において一ないし二の特別教室を作れる、中学校において二ないし三の特別教室が作れるというように考えておる次第であります。  なお最後に危険校舎に関しましてのお尋ねでございますが、私どもといたしましても、これはやはり現在の臨時的な法律はこの際改めまして、できるだけ恒久的な立法化をいたしたい、法令の整備も、明年度の予算のとれた分に応じてあわせて整備いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  137. 小林信一

    小林(信)委員 もう一分が過ぎたのですからこれ以上申し上げませんが、今の三・二倍あるいは五倍というふうな簡単な数字で表現されるのですが、従って二倍、三倍の人たちは、市会あるいは町村会等で決議をしまして、予算を計上して、また来年も再来年もというふうに見送られる姿というものは、教育に熱心な人たちのその熱意に対して、全く私たちも申しわけないように思っております。どうか大臣も一つこの最低限度の要望が満足できるように、休会中の仕事であるし、さらに通常国会が開かれましても、こうやって審議する機会もなかなか与えられないわけで、大体予算折衝が済んで、法案化されてから私たちが審議するのですが、それでは間に合わないわけですから、私たちはほんとうに地方の熱望というものをこの際代表して大臣に申し上げたわけです。善処を願いたいと思うのです。勤務評定の方もさることながら、こういうものをもって教員を満足させて、そうして教員の熱意をわかす、これがほんとうの大臣の使命であって、政党やあるいは権力が教育を政治的に支配しようというようなときはそれを食いとめて、そして教育者にサービスするということが私は文部大臣としての使命だ、こう考えるわけなんで、私はこの点では大臣を信用しておるわけですから、どうか一つ御善処をお願いしたいと思います。
  138. 長谷川保

    長谷川委員長 本日はこの程度とし、これにて散会いたします。     午後六時二十一分散会      ————◇—————