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久保田(豊)小
委員 いろいろ新しい
飼料の造成とか今の低質小麦の問題とかありますが、この問題の一番根本は、結局今のように大体麦の方が一貫目百四、五十円でしょう、それで最近のふすまは、製粉工場がよくなっているから、
飼料としてはほとんど悪くなっている。そういうものが百五十円もするというような格好で、ここに問題があると思うのですよ。だから、今のように麦粉で損したやつをふすまにかけるという
やり方を根本に改める、これは食糧価格の基本の問題に触れてくるわけですね。これを改めない限りふすまは安くなりっこないと思うのです。今のように
原料麦を製粉屋へうんとおっつけて、結局持ち切れないからどんどん出す、競争でもって
原料価格は
一ぱいになっていて競争で下の方はくずれてきてある
程度食い込む、食い込んだやつはふすまの方へみなぶっかける、こういう行き方を是正する
方針をはっきり立っていただくことが私はやはり根本かと思うのです。今のように
政府がわずかなものを手持ちをして、それでもって調整用なんといっても価格調整の役割はほとんど実際はしないのです。大体、どう考えてもふすまがあんなに高いはずがないと思うのですよ。とにかく
原料の麦を粉とふすまに分けた場合に原価計算をしてみればあんなにふすまが高いはずはどう考えたってない。おそらくこれは製粉屋なり、あるいは
政府もそれに便乗しているのじゃないかと思うのだが、結局粉の方で損したやつをふすまで穴埋めしろという
方針をとっておられるからそういうことになると私は思う。この点を
一つ根本的に改めていただきたい。これはむずかしい問題です。今の食糧価格
政策といいますか、それを前提として考えられると非常にむずかしい問題だと思います。簡単にはいかないのですが、しかし少くとも
農林省としてはこの点に着目をして何らかの基本的な解決策を講ずるように、いずれそういうことの具体的なことについては来国会あたりでいろいろ御
相談もし、あるいは議論もしたいと思いますが、問題はやはりそこにあると思いますから、この点を十分
一つお考えいただきたい。
芳賀さんが見えられましたから私ぼつぼつやめますけれども、一番問題はやはり当初に話されたような
乳価をどの
程度にするかということですね。あなた方は、この
計画によって、年々こういう
計画が軌道に乗ってくれば、要するに
飼料の自給化なり何なりができていけば、
乳価も基本の原価をある
程度下げるというお考えでしょう。それにしてもさっき
お話のありましたような、たとえば
政府が
乳製品のストックを一応たな上げをしてこれの
利子補給なり倉庫料を全部持ってやって、いわゆる乳業資本の肩を軽くしてやるとかあるいはそれと基本的には同じ構想でしょう。
酪農振興基金というものもできておるし、それとほとんど似たような機能しかしないので、こういうことでは私は
乳価の安定というものはなかなかできないと思う。この大資本の、現在でもそうです。ところによって違うでしょうが、私の方あたりは明治、森永は四十七円という線を大体において出しておる。ところが同じように不二家はどうかというと、五十八円で買っておる。同じ砂糖を使って
乳製品を作るところでも、片一方は五十八円で買って引き合う。片一方は四十七円でも引き合わない。この次の
段階においてはまた値下げをすると言っておる。
市乳と
原料乳との間に相当開きがあることはわかります。わかるが、その
原料乳自体でもこういうふうなことをやられると、これはストックや何かもいろいろあるでしょうけれども、全く何が値下げの原因かということはほんとにわからない。同じような
乳製品を作っておるところが、一方は五十八円で引き合う。一方は四十七円でも引き合わぬから、また近く引き下げるのだというのでは話にならぬですよ。全国的に見ればそういう問題がある。問題は、それに何といっても乳業資本のいわゆる買いたたき——買いたたきの基礎が作ってある。さっき言ったように、あっちこっち要所々々に
導入資金を貸して、そしてその
導入資金の貸付係は何かというと、
酪農組合の幹部ですよ。この連中はみなそれによってうまい汁を吸う。そういうことをやっておるわけですから、これに対するはっきした防止
政策というものを考えずに、今のような
酪農振興基金にしても、今のたな上げ
政策にしましても、私は結局この
程度のことでは、今言ったように五年後には百二十万頭牛が出て、千二百万石以上の乳が出てくるという場合に、これはますますひどくなるに違いない。これに対してどういう
政策をとるかということが、今後やはり基本的にお互いに研究しなければならぬ問題だと思う。これは実際には非常にむずかしい問題です。しかし何とかしてそこをはっきり
農林省としても、もう少し徹底した
考え方を私は持っていただきたいと思います。
もう
一つ問題は、言うまでもなく、これは今のように
農家が五円くらいで出した
市乳が町に来ると十五円だ。こういうことではとうてい
消費も伸びっこありませんよ。実際には都会でも相当
牛乳を飲みたい人が多いのです。ところが家族五人でパン食を一回やるというところでも、その一回のパン食のときにはみなが
牛乳一本飲みたいのです。ところが今買うのを見ていますと、大体二本で間に合わしておこうとか、あるいは一本は家族に買って一本は乳児用に買うということをやっておる。どこに問題があるかというと、十五円というところに問題がある。この中間の経費を
市乳関係ではどうするかということですね。しかもこれにはやはりよほど徹底をした、
農家の方も自覚を持たして自覚してやれるようにしなければいかぬと思いますが、これに対して
政府も
法律的にも、あるいは
資金の面でも、
施設の面でも、相当私は積極的な援助策を講じないというと、この問題は解決しない。少くとも今の
段階では、五円で出したものが、都会の
消費者の口に十円以上で入るというくらいにしなければ、なかなか
消費は伸びないのじゃないかというふうに思うのですが、今さしあたりの
対策を聞きましたけれども、この二点について、これだけの大きな
計画がある以上は、これに対してはっきりした
計画を持たずにやれるわけがないと思うから、この点についてどういうふうに考えておられるか。
それからもう
一つはことしは
学校給食に
生乳を回したということは、私ども年来主張していることで、私は非常にいいことだと思います。伝え聞くところによりますと、
政府の方から大体において一合について四円
程度補助を出してやるということです。これも私はいいと思うのです。そこで問題はこれを業者にやらせるのか、
生産者の組合なり何なりにやらせるのか、どっちでやらせるのか。一本にはいかないにしても、この点相当の困難があっても、けじめをつけてやらないと、
学校給食をやったことが結局業者のもうけの土台になってしまう。この点でできるだけ
生産者と
消費者の
関係を——これも技術的に非常にむずかしい問題があります。特に一番むずかしい問題は何かというと、日曜とかあるいは休みの場合の乳が余る。その場合に、これを
生産者の団体にやらせれば、市
乳業者と明治、森永、ああいうところは必ずじゃまをする。じゃまをして、そういうときに余った乳の処分を処置なしということにさせると、結局困るということが
あとで出てくる。今までの経験からいえば必ずします。しかしそういういろんなじゃまは出てくるでしょうけれども、これは大都会の場合と地方都市の場合あるいは
農村における
学校給食の場合と態様は相当違ってくると思います。しかしこの点は、
生産者の団体もしくはそういうものを
中心とした
学校給食態勢というものをぜひこの際作る必要があるのじゃないか。この点をはずすと、おそらく今言った五円のものが十五円だという態勢、それから乳業資本が
牛乳がよけいになればなるほど買いたたくという態勢、結局これをくずさない限り、今言ったような
計画というものはなかなかなり立たぬじゃないか、こう思うんですが、これらの点についてどう考えているか
一つ。