○石坂
委員 酪農及び澱粉に関する小
委員会の
審議の
経過及び結果について御
報告申し上げます。
小
委員会は十一月八日及び十一日の両日開会いたし、
調査を進めました。
まず
酪農に関する最近の
一般状況並びに基本計画についてでありますが、
政府の
説明によりますと、乳牛については、
昭和三十一年に五十八万頭である乳牛を
昭和三十七年には百二十五万頭に、乳量については
昭和三十一年に六百十五万石であるものを
昭和三十七年には一躍一千三百七十五万石に上昇させることを目途に計画を進めておるとのことであります。このことはわが国農政上まさに画期的の事柄であって、これが
推進に当っては、これに伴う飼料、金融、乳価等について総合的な
対策が必要であり、これらの点に今後解決すべき多くの問題点が存在しておりますので、
質疑の重点がここに集中されましたが、おもなる
質疑応答は次の
通りであります。
まず家畜導入
資金の金利を一そう低利にし、償還の据置期間を二カ年に延長する等、貸付条件を緩和することを初めとし、牛の種類の再検討、山林の牧地化を促進する方策、飼料
対策、市乳の小売
価格の引き下げを行なって消費の拡大をはかる具体策、北海道に発生した豪州産ジャージー牛のブルセラ病に対する処置等に関する問題でありますが、これに対し畜産局長より家畜導入
資金及び牛の種類については検討中であること、山林の牧地化は近く試験的に
実施したる上、
制度化する予定であること、飼料
対策は原則として草資源等の自給飼料を強化しなければならぬが、補足としてふすまを主とした糟粕類も加えねばならぬので、ふすまの
輸入、低質小麦の飼料化の
実施を検討中であること、また近来尿素の混用、アルコール廃液の酵母化、パルプ廃液の利用等をも考慮していること、市乳
価格の法的統制は困難であるが、職場、学校、生活協同組合等
需要者の組織を対象とする集団飲用の
推進により、配達の経費を節減して消費を増大することができること、ブルセラ病について、真性患畜は殺処分、疑似患畜は国及び道の経費をもって一括して登別家畜衛生試験場支場に隔離する予定であり、畜主への殺手当は八、九万円が交付されることとなるが、別途に代替牛として
輸入または
国内産のもを渡すことにする、また本病は潜伏期の
関係上相当長期間にわたる観察が必要であるので、購買官に注意を発するほか、専門の獣医を増派し、牧場の選定に重点を置き、さらに輸送
方法等にも検討を加える旨の答弁がございました。
次に澱粉に関する問題については、十一月八日の小
委員会において、まず
食糧庁当局より本年産カンショ及びバレイショ澱粉の需給状況及び澱粉についての総合
対策についての
説明を聴取した後、
質疑を行なったのでありますが、
政府の
説明によりますと、現在カンショ澱粉及びバレイシュ澱粉とも加工
生産の過程にある
関係から、数字的に明確なる把握が困難であるが、今後の大ざっぱな見通しとしまして、カンショ澱粉の
需給関係は相当窮屈であるが、バレイショ澱粉についてはかなりゆるやかであろうと予想せられるとのことであり、また澱粉についての総合
対策としては、新規用途の開拓、原料イモの栽培改善、共販体制の整備確立、団体協約の
推進等をはかる予定であるが、近く澱粉
調査会を設けて、その
意見を聴取した上で最終的
対策を樹立したいとのことでありました。
次に、先般北海道においてバレイショ澱粉の
価格が下落し、
政府の支持
価格を下回り、最近はやや持ち直しの傾向にあるが、本年のバレイショ澱粉の需給状況にかんがみ、年内に支持
価格を下回ることが十分に予想せられ、この点について、
関係者は多大の関心を寄せている問題であるため、
政府は年間においても買い上げ
措置を講ずべきであるという
意見を中心に
政府の意向をただしたのでありますが、これに対し、本名農林政務次官は、先般北海道の
関係者から
価格支持のため年内に七十万袋
程度の買い入れを行われたい旨の要望があり、その際私見として三千万袋
程度の買い上げを行う必要があるように思うが、何分現在
生産者団体が全国的な自主調整の計画作成中であり、自主調整を行なってなお支持
価格を下回る傾向が見受けられ、
政府買い上げを必要とする事態が発生すれば、その際は年内にも
政府買い上げを行う予定である旨の回答を得た次第であります。
以上、時間の
関係上簡単に御
報告申し上げましたが、詳細は
速記録により御了承いただきたいと存じます。