○石山委員 そこら辺が保守系と革新系の物の
考え方の分れる基準かもしれません。たとえば私たちは日本経済の全般から見て、いわゆる世界的な格づけを行う場合がありますね、その場合の格づけが非常に低いんだ、追いつかなければならぬ、ある意味では生産性というものがまず第一に浮んでくるんだ、たくさんの機械を買うとかいろいろあるわけです。それが競合、いわゆる
内部の矛盾、
内部の断層をカバーしないで、生産性のみを強調し、蓄積のみを強調していきますと、国全体から見れば、なるほどそこには巨大な蓄積と大きな生産性の発展はあるのでございますけれ
ども、反面に国民の消費経済というものはちっとも上っていかないという数字が現われてくるわけなんですよ。私はそれを言いたいのです。つまり国は栄えたけれ
ども民はちっとも潤わないような政治形態はあり得るのでございますから、そういう資本の蓄積はやり方によってはできるのでございます。今の日本にそういう機構があるのでございますよ。ですから私は
農業にそのまま及ぼすのでは、陰惨な感じの暗い農村がなおさらだめになるという
見解でございます。ですからなるべくあなたの方の手がけないような、これは
内部でやれることだからおおまかに国民に与える
一つの
印象としては、経済白書に示されたようなこともあるいは
一つの方便かもしれません。たくさんの政治家の目、経済家の目をそこへ向けるというのは
一つの方便かもしれませんけれ
ども、しかしそれが置き忘れられたというようなことに
なりますと、ゆゆしい問題だし、ともすればこれは政策としては非常に困難な問題です。たとえば日本の工業、商業から見て、中小企業問題が日本の一番のガンになっていると同じで、
農業政策から見たらこの階層の断層を埋めるということは一番難儀なんです。そうして目に見えないと思うのです。数字であげてくると蓄積も少いだろうし、生産性向上もできないでしょうし、だからそんなところで手をかけたくなくなるというのはお役人の方々の気持があると思うのですよ。あなた方が何かおやりになれば、やはりデスクに集計された場合にはプラスになった数字が多くならなければ効果がなかったような、政策がむだであったというふうな
印象を受けるだろうと思う。しかしわれわれが今提唱しておるのは、デスクに集計された数字としてはなかなかプラスになって浮かばれないところが問題だと思うのですよ。そこをうまくやっていただかなければ実際農村は明るい農村にならぬでしょう、住みよい農村にならぬということを私は言いたい。日本の中小企業の問題もそういうような観点で力説さるべきものではないか。私はお役人さんを信用しないわけではないのですけれ
ども、数字を大切になさるだけで、
内部矛盾に対してともするとそれに労力をそそがないというふうな傾向が在来あったのだし、これからももしそういうことが続くとすれば、政策的にも断層は広がるのでございますから大へんでございます。黙っておいても広がるのを、政策でこれを広がらないように差を縮めていくようにというのがわれわれの希望なんだから、そこを
一つよろしく勘案してもらって、これは
内部でやることだということだけでなくて、やはりこの問題は外部にもアッピールしていただいた方が私は白書をより以上に簡潔にしたものであり、
農民の
実態ということも国民の方々に覚えてもらえたのではないか、非常に残念だから、私は繰り返し繰り返し申し上げるのでありますし、それからこれは保守党であっても間違いない、国民の一人々々、
農民の一人々々が生活向上をたどることが悪いとはだれも言うのではないから、お互いに大いに勉強して、官吏の方々が特にその断層から目をそらさないようにいろんな数字を集めていただきたいし、立案の基礎も
一つ政府与党に提出してもらうという努力をやっていただきたい、こういうふうに思って、私はこの問題を打ち
切りたいのでございますが、先ほどのあなたの方の政策の中で、私の方の秋田県あるいは新潟、山形等の単作地帯では、稲作から畑作へ転換ということがか
なり大きなショックを与えております。これはどういう格好で移行していくかという具体的なものがまだ現われておりませんから、どういう格好で畑作に移行していくかということはまだはっきりしておりませんけれ
ども、
赤城農相は「水田経営の改善を図って主食を増産して参りますことは勿論でありますが」と、稲作問題をたった二行くらいで片づけている。だから稲作なんてものはだんだん追いやられるであろうと、私の方の地方新聞でもやはり社説として取り上げて、
農林省に望む、転換の場合は単作地帯に対しては十分の措置を講じて転換をしていただかないと大へんな問題になるというふうなことで心配しているようでございます。新聞社でも心配しているのですから、一般の
農民などは、二行くらいで片づけられていますから、相当心配するのではないか、こういう点でもう少し
農林省では稲作の問題に対してもPRしておいていただきたいものだ、これは今後ともこういう格好でいくんだ、畑作転換は
——五カ年計画かどうか知りませんけれ
ども、こういう格好で転換をしていくのであってというふうなことをこの際示す必要があるのではないか、新予算を組む場合には特に示す必要があるのではないかと思っております。それに対する次官の
所見を伺いたい。