○大月
説明員 ここにございます閣議決定の趣旨を敷衍して御
説明申し上げますると、今回の駐留軍労務者の離職の事由が非常に特別な
関係にございまして、まことにお気の毒な
事情にございますので
政府全体といたしまして各方面においていろいろな
措置を講じておられるわけでございます。金融の
関係におきましてもできるだけの好意的配慮をいたしたいというのが全体の
気持でございます。
具体的の内容といたしましては、われわれの金融はやはり金を貸すことでございまして、金をただで差し上げるという趣旨のものでございませんので、いわゆる金融のベースをはずすわけにはいかない。
政府の金融機関といえ
どもやはり国の税金からなっている金をそこへつぎ込んでいるわけでございまして、しかもこれは金を貸すという原則で出している金でございますので、一般の市中金融機関が
考えておりますベースとは違う若干ゆるやかな面がございますけれ
どもやはり金を貸すのだという原則をはずすわけにはいかない。そういう立場がその次にあるわけでございまして、そういう金融のベースを起えない限りにおいてできるだけ努力をいたしたい、こういうことが第二の
考え方でございます。従いまして
政府金融機関でございます国民金融公庫と中小企業金融公庫、それから
政府機関ではございませんがやはり
政府の出資があり、
政府が資金運用部におきまして債券を引き受けているという特殊の
関係にあります商工中金、この三つを具体的に
考えまして行政指導を実施いたしたいということでございます。この閣議決定がございまして直後、銀行局長の通牒をもちましてこの趣旨を二公庫及び一金庫に文書をもって通知をいたしたわけでございます。それで
考え方といたしましてはまず融資の対象といたしまして一般の金融で
考えますと、ただいきなりおいでになりましても従来からの取引がないというようなことではなかなか貸さないというのが一般的であります。しかしこういう特殊な
事情がおありの方には、初対面においでになりましても、よく実情を
考えて融資ベースに乗せるように努力するということが
一つでございます。それから融資条件につきましては、担保をとるのが通常でございますけれ
ども、それについては担保の条件を一般よりゆるく
考える。それから融資の期限につきましては一般は五年以内ということになっておりますが、実情に応じて五年以上でもよろしいから、これは返済が可能である限りできるだけ好意的な裁量をして差し上げる、こういうことでございます。それから実情を確認するにつきましても、公庫あるいは金庫だけの能力では及ばない点もあると思いますので、府県知事からの御推薦も十分に参酌いたしまして実情をよくお聞きして
措置いたしたい。問題は一体どのくらいの
金額を予定するかということでございまして、当時七億
程度の金を出してほしいということを駐留軍の労務者の
関係の方からも
お話がございましたが、先ほど申し上げました金融のベースということを
考えますと、
予算のように幾ら幾らの金を出すということはお約束できませんので、金融のベースに乗り得る限りできるだけ努力いたします。
金額は別に明示いたしませんが、この三つの機関で金がないからという
理由でお断わりをいたすことはいたさない。できる限り今申しましたような方針で審査いたしまして努力をする。こういう方針をここで明らかにしたものでございます。