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石橋(政)
委員 ただいま議題となりました
駐留軍関係離職者等臨時措置法案につきまして、提案者を代表いたしましてその提案
理由並びに内容の概略を御
説明申し上げます。事務的な手違いで皆さん方に配付できませんことを、まずおわび申し上げます。
本案の趣旨は、わが国に駐留しているアメリカ合衆国及び国際連合軍の撤退等に伴いまして、多数の
関係労務者が特定の
地域において一時に離職を余儀なくされること等の実情にかんがみ、これらのものの生活の安定に資するため、特別の
措置を講じようとするものでございます。
内容のおもなる点についてその概要を申し上げますと、第一点は会長及び
委員十七人以内をもって組織する駐留軍
関係離職者等対策
審議会を総理府の付属機関として設置することであります。しこうしてこの
審議会の会長には
総理府総務長官をもってあて、
委員には外務、大蔵、農林、通商産業、運輸、労働、建設の
各省事務次官、調達庁長官、自治庁及び防衛庁の事務次官、並びに中小企業庁長官をあてるほか、学識経験者及び
関係離職者を代表するもののうちから、それぞれ三名以内を
内閣総理大臣が任命することにいたしております。なお、
審議会の権限といたしましては、
関係各大臣の諮問に応じて、本法の施行に関する重要事項、その他
関係離職者等の対策に関する重要事項につきまして
調査、
審議するとともに、
関係行政機関に建議することにいたしております。
第二点は、
関係離職者等に対して、次のような特別
措置を講ずることにいたしたいと思います。
その第一は、公共職業補導所の設置、新たな補導種目の追加、夜間における職業補導等でありまして、これらに要する経費は、全額国庫で負担することにいたしております。
第二は、米駐留軍から返還された国有財産と
関係離職者の住宅の用に供されていた国有財産とは、就職を容易にするため必要がある場合には、その住宅の用に供するよう配慮されなければならないことといたしております。
第三は、
関係離職者が所有している株式または出資
金額の合計額が、その資本または出資
総額の八割以上に相当する法人に対しましては、他の法令の規定にかかわらず、米駐留軍から返還された国有財産を、五年間無償で貸し付けることができることといたしております。なお前項の貸付を受けた法人に対しては、当該貸付を受けた国有財産の管理の
状況及び当該法人の業務に関し、所轄庁の長に
報告する義務を課するとともに、その
報告及び業務の成績のいかんによっては、当該貸付にかかわる契約を解除することができることといたしております。さらに前項の貸付を受けた国有財産の管理が良好であり、かつその法人の業務の成績が良好であると認められる場合はに、政令の定めるところにより、当該国有財産を競争入札によらず適正な
価格で譲渡することができることといたしております。
第四は、
関係離職者の経営する事業、ただいま申しました法人または従業員の過半数が
関係離職者である個人もしくは法人の経営する事業、その他多数の
関係離職者が
関係している事業につきましては、その事業が円滑に運営されるようにするため、
関係行政機関は、その事業に必要な融資のあっせんに積極的な努力を払うことにいたしております。
第五は、調達庁長官との契約に基いて国が雇用主となっておりますいわゆる間接雇用の労務者で、昭和三十二年六月二十二日前から引き続き二カ月を越える期間、駐留軍労務者であった者が、本年六月二十二日以後において、米駐留軍隊の撤退等の事由の発生に伴いまして、離職を余儀なくされた場合におきましては、その者に対し、政令の定めるところによって、五万円の特別給付金を支給することといたしております。
第六は、ただいま申し述べました
関係離職者が当該離職の日から引き続き職業につくことができない状態にある場合において、公共職業安定所の紹介した職業につくため、その住所または居所を変更する必要があるときは、失業保険法の規定の例によって、移転費を支給することにいたしております。
本法は、公布の日から施行し、満五年を経過すれば一部の規定を除いて失効することといたしているほかは、
関係法律に所要の
改正を加えております。
なお所要経費といたしましては、本
年度分約二十八億円を見込んでいる次第であります。
以上が本
法律案を提案する
理由並びに内容の概略でありますが、何とぞ慎重御
審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
以上であります。(拍手)