○中井
委員 さきに戻るのでありますが、
北山さんの御
質問で大体済んでおるようにも思いますが、例の
佐野の
事件であります。私は具体的なことはあの
文書で
承知をしただけでありますが、あの
文書を見まして、全体の印象としましては、
市役所が税金の脱税なんかをやっておりまして、それをカバーするためにかなりひどい公
文書偽造をやっております。職員にかわりまして市が金を立てかえをしておる、あるいは
領収書を、先ほどの
お話にもありましたように、相手側とも相談をして
架空の
領収書を作ってつじつまを合わしている、そういうことを
文書にはっきり書いてある。しかも犯罪を構成しない。それは小さいことのようでありますが、私は現在の
警察が日本全体方々で、そういう意味の、何といいますか、つじつまを合わすために、少少のことをやってもいい、私腹さえ肥やしておらなければ犯罪にならないというような慣習的なものがあるんじゃないかという気がしてなりません。この問題について、まあそれは法律的に厳格にいえば、あくまで私は公
文書偽造だと思うのでありますが、
警察は、そういうことは今まで問わないというような程度であってよいものかどうか、これは全体の問題ではあります。日本の官僚といいますか、市町村や国の
経理の実態を見まするというと、決算
委員会においてはしばしばそういうことが問題になるのですが、とにかくそういうことがまま行われておる。そうしてそれが、また慣習的に見のがされておる。ひどいことを申し上げて恐縮でありまするが、
警察自体などにおいても、年度末になると、少し金が余った、まあ
一つ架空の出張でもしてというふうなことがあるのではないかと私は実は心配をしておるのであります。こういう問題を、ありましたならば、それはいい
方向に持っていかなければならないにもかかわらず、ああやって堂々と
文書に出して、これは明らかに犯罪であるが、まあ情状酌量するというのならいいのでありますが、犯罪を構成しないというふうな断定をするということは、どうも行き過ぎのように思うのであります。承わりますと、
検察庁におきましては、さらにこれを取り上げられまして
捜査をされたように伺っております。おそらく私は、やはり犯罪になるというふうなことで取締りが進むんじゃないかと思うのでありますが、そういう場合に、
警察署長の責任といいまするか、そういうものについてどういうふうにお
考えでありましょうか。どうも二号はないとかいろんなことは言いまするが、全体の質疑の中から私
ども感じ取りますることは、どうも現場の
警察署長として、あるいはその部下の連中といたしまして、どうも近代的な
警察の職分として妥当なものかどうかということを、はなはだ私はその点疑問を持たざるを得ないのであります。いつも私は
警察官の教養の問題をやかましく申しておるのでありますが、ここにもはっきりそういうものが出ておる。私腹さえ肥やしておらなければいいじゃないかというざっとした
考え方、これは個人の、たとえば事業税の青色申告の問題とかいうふうなことになりまするといろいろありましょうけれ
ども、いやしくも公共の
機関において、市という名前のつくもので、
市長なり助役なり
収入役なりが税金を納めるのに、一々とるのはめんどいから、おれたちのところで
領収書を作って適当にやっておこうじゃないかというふうなことであっては、私は近代的な感覚からいって、どうも首肯できないのであります。それを上回って
警察はそういうことならいいじゃないかというようなことでは、旧態依然たる
警察組織の印象を受けるわけでありますが、こういう点についてどうでしょうか、
長官とされましてはもう少しはっきりと線をお出しになってやりませんと、あなたや首脳部が幾ら、たとえば
寄付をとっちゃいかぬ、とらないようにすると言ったって下は聞きません。下は昔のまま旧態依然たる
警察官根性と申しますか、そういうことで充満しておる。今の
川村君の御
質問のことなんかもそうだと思うのです。何か
事情があって
警察が調べたいと思う。ちょっと調べてみないかといえば下は猛烈に行って、だれに頼まれて、どうしていつから何時から始まるのだ、あなたはどういう
関係だというようなことになるから、
警察の意図が下へ行ってまるで逆な結果になって現われておる、こういう事態が依然として日本の
警察に残っておるということ、こういう点について私率直な
長官の意見をこの際聞かしておいてもらいたいと思うのであります。