○藤井
説明員 自治法の
改正問題につきましては、昨年の
改正におきまして大体大筋のことは一応一段落をしたというふうにいわれておりますし、大体そう見てよいと思うのでありますが、ただ問題点が随所にまだまだ残っていることは事実でございます。当面の問題といたしましては実は自治法の別表にそれぞれ都道府県、
市町村、あるいは都道府県、
市町村の機関が処理しなければならない事務というものを列挙いたしておりますが、この点はどうも
法律技術的な問題もございまして、
法律ができまするその際にあわせて一緒にやればよろしゅうございますが、なかなか思う
通りに参りませんで、おくれて参るという点も出て参っておるのであります。先般の
国会で
通りました
法律に伴いまして別表についても追加をしなければならぬ、あるいは
改正を行わなければならぬというものが若干出て参っております。こういうような点につきましては目下私たちの方としても準備をいたしておりまして、最小限度こういうような点につきましては、通常
国会で御審議をいただかなければならぬのじゃないかというふうに考えているのであります。ただその他の各種の問題点等につきましては、われわれといたしましても事務的にいろいろ検討は続けております。検討は続けておりますが、そういうような点を織り込んだ
地方自治法の
改正案を通常
国会に出すかという点につきましては、まだ私たちとしては成案を得ておりません。また
方針も今のところは
決定をいたしておらないのであります。
ただいま御指摘になりました二、三の具体的な問題でございますが、なるほど問題のある事項でございまして、第一には町村の議会について事務局を置いてくれという要望が、特に町村議会側から非常に熾烈にわれわれの方にも出されているのであります。この点につきましては、町村合併の結果町村の人口等も非常にふえて参りまして、議会の事務自体も実質的には小さな市とあまり変らないという事態も出て参ったような点から、何とか市並みに、何も置かなければならぬというふうにする必要はないが、任意設置で置きたいところは置けるような法的根拠を持たしてくれてもいいじゃないかということで、それ自体は別に不合理でも何でもございません。十分筋の通ったことではないかというふうに考えておるのであります。ただ一般的に機構をなるべく簡素化しなければならぬという要請があって、その面の
改正が行われました後でもございますので、この点だけを取り上げてやることがほかに対してどのような
影響を及ぼしてくるかというような点も、一応考えて参らなければなりませんし、われわれの手元で調べましたところを見ますると、もちろん市については議会事務局はほとんど設置せられております。町村につきましては、専任
職員を置いております町村を調べますると、これが六百五十ヶ町村でございまして、全体の町村数に比較いたしますると一九・三%、約二〇%くらいのところがようやく専任
職員を置いておる。あとは、一般の町村長の執行機関の部局の
職員がそれぞれ兼任をして事務の処理に当っておるという状況に相なっておるのであります。ただ法的の根拠はありませんが、事実上事務局の看板を掲げておる町村が、これは鹿児島のみの事例でありますが七十三ヵ町村ございます。そういう状況でございまして、果してこの段階において議会事務局を置き得るのだという根拠を法体制でやる必要があるのかどうかというような点を、実態論とにらみ合せてみても、考えてみる必要があるのじゃないかというふうに思っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、一面、先刻申し上げました町村議会側からの要望というものも、むげに
理由がないということでしりぞけるわけにも参らない面も、実は多分に持っておるのであります。そういう点等の利害関係につきましていろいろ比較検討いたしまして、結論を得たいというふうに考えております。まだ現在のところでは、次の通常
国会にこの点についての
改正案を出すという
方針は
決定をいたしておらないのであります。
それから給与の法定主義の結果、勤務地
手当の点で、同一
市町村内で級地が変って、その点いろいろ不利不便を招来いたしております点も御指摘の
通りでございます。この点につきましては、前の
国会で前長官が、この点の是正については
一つ何とかできるだけの努力はしてみたいという旨を言明しておられまする経緯もございます。私たちといたしましてはそこにもう少し何とか改善
措置を講じてやりませんと、実際問題として、大都市等につきましては、特に学校教員、義務教育
職員の人事交流、転任等につきまして事実上非常な障害が起きているというような事例もあり得るわけであります。また、新
市町村というものが新しくできました際に、その内部にいろいろ級地の紛淆があるということにつきましても、それが新
市町村の一体性を確保いたします面から言っておもしろくない面もあることは事実でございますので、そういう点には何らか改善の
措置を講じたいと思っておりますが、この点は、今お話にもございましたように、
国家公務員との対応の問題もございます。また、勤務地
手当についてなるべく格差を少くしたいということで暫定
手当制度に切りかえられて、現在までの無級地に対しても、一番下の級地に当りまする
手当を支給するというような
措置も講ぜられたときでもございまするので、なかなかその実現性については困難が多いと思います。これは率直に認めざるを得ないというふうに思っているわけでございますが、ただ、級地が変っていることによって起きて参っておりまするいろいろな弊害というものは、これは事実でございまして、何とかこれはしなければならぬのじゃないだろうかというふうに考えております。今後ともその線に向って大いに努力はしてみたい、かように考えておるような次第でございます。それらの点、そのほか財務規定などの点につきましてなおいろいろ改善を要する点がございますので、われわれ事務当局で目下いろいろ検討中でございます。この取扱いをどういうふうにして参るかということにつきましては、現在のところまだ確たる
方針を樹立いたしておらない状況でございますので御了承を賜わりたいと思います。