○伊藤(卯)
委員 いま一点だけ伺います。時間の
関係がありますから、先ほど申し上げましたように、私の方から
意見を申し上げてしまう方が、時間が能率的になると思って申し上げておるわけでありますが、いま一点は、北九州地区に起っております争いの問題になっておる点でございます。それは、御存じのように、八幡市地区と、それからその隣りの町にあります
日本炭鉱高松炭坑との
関係において争いが起っておる点で、地元通産局長も相当お困りになっておる。そこで私は、その点について大略を述べまして、
大臣の関心というか、あっせんを求めようと思っております。
昭和二十六年に、北九州に総合開発地区としてこれは指定をされておるわけです。そういう点から八幡市の西部地区には
政府関係者も御存じであると思いますが、非常な重工業地帯として発展をし、それに伴いまして上水道の
関係、工業用水の
関係あるいは水道、そうした飲料水との
関係、こういう公共施設と、それからさらに鉄筋コンクリートの高層建築、そういうものが非常にその後建てられてきております。そこで、この地下を採掘をいたして参りますと、当然危害がよって起るということは申すまでもありません。そういう点から被害を受けるであろうと想像する地元の
諸君が非常に
心配しておりますので、そういう点から、地元通産局長も、炭鉱側に対する施業許可をなかなか出せないでおる、こういう悩みが起っておるわけでございます。ところが、この通産局長の現在
解決し得ないで悩んでおる問題は、これは今後なおまだ続く問題であります。従って、何らかの
解決対策をしてやって、今日のような争いを根本的に
解決してやらぬと、通産局長のこの悩みというものは、永久に続いていくということになっております。従って、われわれ立法府の者としましても、鉱業法の欠陥からこれが起ってきておるなら、これを黙視することができません。また、従って、行
政府であるところの
政府も
関係大臣も、これらを何らかの方法で
解決ができるよう立法府の協力を得つつ、これらの
解決策を見出そうとされることは当然だ、こう私は思っております。そういう点について、申し上げようと思うのは、たとえば高松炭坑側も、現在施業許可を得られるものとして、かなり広範な鉱区の施業許可願いを出しております。一千万トンにも上ろうとするこの出炭をするために、炭鉱側としても莫大な資本を投じて斜坑なども掘ってその事業を完成しております。従ってまた、労働者も数千人を抱えておるわけです。この地区が掘れるか掘れないかということは、炭鉱側にとってもこれは生命線というか、死活にかかわるほどの重大性を持っておると私は見ております。しからばといって、この許可を出せるまでの話し合いは、地元側ではつかないでおります。また、この話し合いは、
法律の上からいっても、話し合いがつけられ得ない現状にあるので、地元通産局長も因り抜いております。この点は、本省の
石炭局長も、ともに相当苦境に立っておられるのが現状じゃないか、こう私は思っております。そこで、この被害を想像して
心配しておる地元
関係者と炭鉱側との
調整解決のためには、地元通産局長と本省の
石炭局長だけにこれをまかされてあっても、なかなか立ち入って
解決のできないというのが、今日のこの悩みになっておる点だろうと思います。従って、
大臣も、この点に重大な関心をお持ちになって、この
解決のでき得ないでおる問題を、やはり
大臣が国家的見地から、積極的に
解決のでき得るように、あっせん努力をしてやるということ以外にないのじゃないかと私は
考えております。根本的には鉱業法の改正の必要、あるいはまたこれらの問題を
解決しようとすると、国家賠償の問題ということも、もちろんこれは話として出てくることは当然であります。しかしながら、今行き悩みになっているのは、炭鉱側と三菱化成工場と、この両当事者が、工業用水の問題について話し合いの妥結ができないでおるのです。炭鉱側としては、石炭を掘って出すということは、やはり経営採算の上からやるのでありますから、おのずから賠償にも限度があると思います。ところが、被害を受けるであろうと想像する三菱化成側では、大きな化学工場をやっておるのでありまして、工業用水が生命線であるから、やはり水についての不安をなからしめる保証というものが与えられなければ、調印のできないのもやむを得ないことであろう、私はこう思います。そうして両者が利害
関係でこれが
解決できないでおるということであります。現在鉱害法によって、鉱害が起った場合には、鉱害復旧事業に対しては、国家が復旧費用の分担をしておるのでありますから、そういう見地から、
大臣が乗り出していかれれば、おのずからまた
解決の道もあるのじゃないか。たとえば穴生の浄水場の池から、あるいは工業用水の池から、万一の場合は水を補給さしてやるということについて
政府側で努力をし、責任をもって保証してやるとか、そういうもろもろの努力をされれば、おのずから私は水の問題については
解決の道があるように思います。そうして当面の問題を
解決してやって、次に鉱業法の改正の問題等をあわせて、将来において起るであろうという問題をできるだけ早く
解決する方策を立ててやることこそが、われわれ立法の府におるものとしても、また
大臣としても、当然
考えなければならないことである。地上の重工業、公共施設等と、その他下の鉱物を掘るということのこの
調整関係等は、今後のために当然やられておかれなければならない問題だと思いますが、こういう点について、
大臣は、
内容は御存じだと思うから、これは現在及び将来のためにもやらなければならぬということで、この
解決のために一そうの努力をされる御意思があるかどうか、この点を何います。