○
齋藤委員 某高等学校の先生が、最近の感想を書けという一時間を与えたところが、学生の九割六分までは、人工衛星に関する感想を書いたというのであります。人工衛星の中に生息しておる犬の呼吸が、二十メガ、四十メガの電波によって正確に地上でキャッチできる。こういうことに対して、
世界の動向というものは、実に科学
技術の進展によってその国の力を測定せんとするようになって参ったのであります。それでございますから、各官庁の持てる電子
技術その他の
技術を、私は放棄しろと言うのじゃない、これは各官庁においてますます
強化したらよろしい。しかし、それだけで一体できるものかということになりますと、セクショナリズムという言葉を使うと語弊がございますが、とにかく各官庁のからに立ちこもった中のそういう部門に対する力によっては、とうてい
世界の水準に追いつけない。だから、そのからを一歩出て、官民合同の大組織を持ってこのエレクトロニクスの推進をやるというところに、初めて
日本の新体制が確立されるのだと思う。どうか
一つそういう
意図において十分御考慮を払われて、
世界の大勢におくれざる生産体制の確立のために、御尽力あらんことをお願いいたしたいと思うのであります。
それと関連いたしておるのでございますが、まさに来年の四月から開催せられんといたしておりますブラッセルにおける万国博覧会であります。これは三億の
予算で
日本も
日本館を建てて
商品の陳列をやるのでございます。私は幸いにその建築場を見て参ったのでございますが、
世界の
レベルに比べますと、まことに恥かしい小さいものでございます。しかし、
日本の国力からして、三億円の
予算以上に
予算がとれなかったということもございましょうが、せめてそこに陳列する内容を、
通産大臣は十分
一つ御検討願いたいと思う。うちは粗末でも、中に陳列してあるものが
世界の水準を抜くような優秀なものであったならば、
日本の価値というものは、私は認められるだろうと思う。しかし、うちは小さくて、粗末で、その中に飾られておるところのものが、
世界の人々のひんしゅくを買うがごときものであったならば、これは恥をさらすために三億円を使ったということになるのでありますから、この内容に対しましては、われわれも非常な興味を持っておる。でありますから、その内容、陳列品の一覧表を
一つちょうだいいたしたいとともに、
通産当局におきましても、これに対して十分考慮を払われて、
世界の笑いを招かざるように御考慮をお願いいたしたいと思うのであります。
あとがつかえておるようでありますから、だんだん簡単に端折って、もう一点だけお伺いいたしたいと思うのでありますが、本日の日刊
工業を見ますと、中型輸送機の
強化拡充生産の体制を、
通産省では
考えられておるということであります。しかし、世の中広しといえども、
日本ほど飛行機が落ちるところはない。特にその原因を追究してみますと、ある
方面からは、アメリカの古を買ってくるから落ちるんだ。私もそうかと思っていろいろ検討してみますと、
日本には何ら飛行機の部品に対する検査所がない。アメリカの
実情を調べてみますと、政府のライセンスを持っておるところの部品検査会社が十三ある。しかも、その内容について、私は見聞をしてみたのでございますが、非常な
設備がある。たとえて申しますならば、ある部品に対しては、五百時間のギャランティを
要求されて、いかなる大会社がいかなる部品を作って飛行機にこれを使おうとしても、政府はライセンスを与えておる部品検査会社にこれを命じて、そのテストを経なければ、飛行機に部品として使うことができないようになっておる。だから、安全性を保ったところの飛行機ができる。
日本の
実情を見ると、そういうものがない。だから、中型輸送機を作らんとするならば、まず中型輸送機に使うところの部品の検査所を最初から作って、十分安全性を保てるいろいろな部品を総合した飛行機を作る以外に、その安全性の確保はできないということになる。そういう点に対して、
通産大臣はいかなるお
考えをもって中型輸送機を作らんとしておられるのか、これを
一つ承わりたい。