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高田政府委員 先ほど申し上げましたように、私
どもの今回の案はワクを八・五%上げるという
要素と、実質的に点数の
バランスを変えていこうという、いわゆる実質的な点数改正、それと
単価をまるくしたということが一緒になっているわけです。そうするとこういうこともできるわけです。
単価を十円にするということだけはやめて、ワクの引き上げと点数の
バランスは変えていこう、この二つだけでも案は成り立つわけなんです。それはどうすればいいかというと、たとえば甲表なら甲表をつかまえてみますと、今の甲表の方の点数の
単価を十五円にしてもいいし、あるいは十一円七十七銭が一円上ったその十二円七十七銭としてもいい。十円と十二円七十七銭との比率によって点数の方を変えていけば、そうして十二円七十七銭というのを
単価にすればそれでも成り立つわけなんです。それでも八・五%という引き上げと点数の
バランスを変えようというねらいとは成り立つわけです。よろしゅうございますか。そういうことの方が便利か、そして十二円七十七銭という
単価がついているのが便利か。おのずから点数の方にもいろいろはしたがつくでしょう、今の案を直していけば。十円分の十二円七十七銭で、こちらにもはしたがつく、こちらにもはしたがつくというようなものが便利か、それからわれわれがやっているように
単価を十円にしてやった方が便利かという問題になると私は思う。
先生が、いや
単価を十円にしたのはどうもおもしろくないとか、いろいろ言うような声があるがとおっしゃっているのは、
単価を十円にしたということではなくて、むしろ別に実質的な点数改正をやった、それが気に入らぬということではないだろうか。従って、その
単価を十円にしたということとは切り離れてもそういう意見は出てくるわけなんです。そこのところは一つ整理してお考えをいただきたいと思うのでございます。その問題はそれといたしまして、これは理屈、考え方の問題でございますが、
単価を十円にしたら将来われわれの
医療費はくぎづけになるような疑いがある、もう
単価は十円だから上らないだろうという、こういう疑いがあるという
仰せでございますが、私は、今回提案しておりますわれわれの
単価十円案というのは、将来絶対にこの
単価を動かさないつもりでございますということは申しておりません。この前の
委員会で御
説明申した
通り、これをこのままにしておいた方がいいという意見が強くなるか、あるいはやはりはしたがついておっても
単価を上げた方がいい、将来
医療費を引き上げるときにそういう意見が強くなるか、それは、そこまでの勝負をつけたつもりで私
どもはやっているわけではないのでございます。しかしかりに
単価は十円のままで動かぬとしましても、そういう御心配をなさるのは、
医療費が上ればいいのでございましょう。
単価は別に十円であろうと、一円であろうと、百円であろうと、
医療費が上ればいいのですね。私は
単価を十円にしたことによって
医療費がくぎづけになったりすることはないと思う。だからその点は、
単価の十円というものをほかの実質的な
医療費の引き上げの問題だとか、あるいは実質的な点数改正の問題だとかいうものとごっちゃにしていろいろ
議論しておられるからそういうことになるのであって、これをよく分析していきますれば、
単価十円というものは非常に便利でいいのじゃないだろうか。そいつをちゃんと区別して考え、将来かりに
医療費を値上げしなければならぬというときがあったとします。そうすると、
計算はなるほど
単価十円で
計算すると大へんだからというので、
計算は別の形で
計算をして、
医療費の値上げ分を出して、それを
単価十円に換算して点数の方をいじったところで、できるのですね。将来
医療費の値上げを
単価という形で、
単価というものを
基礎に置いた
計算方法でやりたいという要望があるとすれば、
単価の方でやっちゃって、そうしてしかもその比率で点数をいじるということもできるわけですね。ということは、私がこの前申し上げたように、点数をそのままにしておいて、
単価を一律に一割なら一割上げなければならぬという
結論が出たとすればそうしてもいいし、点数にずっと一割全部かけてもいいのですね。だから私はいろいろな場合を想定をいたしまして、別に
単価を十円にしたということで
医療費の引き上げが頭打ちになってしまうんだとかなんとかいうことは、これはむしろお考えになる方があまりとらわれた考えをなすった、その
前提の
もとにそういう御意見が出てくるんじゃないだろうか、こういうふうに私
どもは考えるわけであります。