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1957-11-09 第27回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月九日(土曜日)     午前十時二十七分開議  出席委員    委員長 薩摩 雄次君    理事 大島 秀一君 理事 大高  康君    理事 荻野 豊平君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       伊東 隆治君    池田 清志君       高木 松吉君    徳安 實藏君       中村 寅太君    馬場 元治君       堀川 恭平君    松澤 雄藏君       足鹿  覺君    井谷 正吉君       田中幾三郎君    安平 鹿一君       山下 榮二君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房公務員制度         調査室長)   増子 正宏君         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  岡部 史郎君         大蔵政務次官  白井  勇君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   松永  勇君         大蔵事務官         (主計官)   広瀬 駿二君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         建設事務官         (住宅局長)  植田 俊雄君         専  門  員 山口 乾治君 十一月七日  委員渡辺惣蔵辞任につき、その補欠として西  村榮一君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員島上善五郎君、田中幾三郎君、中島巖君及  び西村榮一辞任につき、その補欠として安平  鹿一君、永井勝次郎君、淺沼稻次郎君及び西村  彰一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 同日  委員淺沼稻次郎辞任につき、その補欠として  中島巖君が議長指名委員に選任された。 同月九日  委員永井勝次郎辞任につき、その補欠として  田中幾三郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十一月七日  低家賃住宅建設促進に関する請願木村俊夫君  紹介)(第二〇九号)  地すべり対策防止法制定に関する請願原茂君  紹介)(第二三九号)  吉井川下流改修工事促進に関する請願亀山孝  一君紹介)(第二四〇号) 同月八日  蒲生都市計画事業促進に関する請願池田清志  君紹介)(第二四七号)  錦橋架替えに関する請願愛知揆一君紹介)(  第四六七号)  仙台、岩沼間第二国道早期実現に関する請願(  愛知揆一君紹介)(第四六八号)  田尻川改修促進等に関する請願愛知揆一君紹  介)(第四六九号)  日本住宅公団賃貸料引下げに関する請願(福永  健司君外一名紹介)(第四七〇号)  地すべり対策防止法制定に関する請願(松平  忠久君紹介)(第四七一号)  前浜、向原間海岸防護保全施設設置請願(  内海安吉紹介)(第四七二号)  県道加世田西市来線の二級国道編入に関する請  願(池田清志紹介)(第四七三号)  白塚海岸提防建設に関する請願田中久雄君紹  介)(第四七四号)  志登茂川河口しゅんせつに関する請願田中久  雄君紹介)(第四七五号)  二級国道名古屋富山線の一級国道編入等に関す  る請願牧野良三紹介)(第四七六号)  神通川水系右支高原川の河川改修工事施設に関  する請願牧野良三紹介)(第四七七号)  村山野川河川改良工事促進に関する請願松澤  雄藏君紹介)(第四七九号)  村山野川最上川合流点河川改修促進に関す  る請願松澤雄藏紹介)(第四八〇号)  新潟地区地盤沈下に関する請願田中彰治君  紹介)(第四八一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  建設省関係常勤労務者定員化の問題に関する  件  愛媛県鹿野川ダムの補償問題に関する件     —————————————
  2. 薩摩雄次

    薩摩委員長 これより会議を開きます。  河川道路住宅に関する件につきまして調査を進めます。前会に引き続き審議を行います。足鹿覺君。
  3. 足鹿覺

    足鹿委員 私は二つの問題についてお尋ねしたいのですが、第一には、いわゆる常勤労務者等定員化の問題と、それから道路政策の問題、この二つについてお尋ねをいたしたい。きょうは関係方面からおいでになっておるようでありますので、先に常勤労務者定員化問題についてお尋ねをしたい。まず順序として、一番大きな常勤労務者をかかえておられる建設大臣最初お尋ねをいたしたいのであります。  常勤労務者等定員化問題につきましては、その後どういう状態になっておりますか、二十六国会衆参両院内閣委員会が決議をいたしておることは申し上げるまでもありませんし、また公務員制度調査会作業も相当進んでおると思いますが、十月十日に根本さんは参議院建設委員会において、私は通常国会においては定員化の問題は、情勢のいろいろな変化があっても、これは公務員制度には関係しないで、別個に取り扱っていくことがいい、こういう意味の発言をされ、その決意のほども大体うかがわれるのでありますが、最近道路の整備十カ年計画、あるいは地すべり対策問題等建設関係におきましては著しい事業量の増大、これに伴う予算額も大きくなってきておるのであります。しかるにこのような大きな事業量を消化していく第一線部隊ともいうべき出先機関に、いまだにこのような常勤労務者のごとき身分の保障を受けておらない人たちが、定員の二倍以上もおるということで、果して今後の建設行政のスムーズな運営が可能であるか。私どもはそういう点について非常に考えさせられるのであります。これは建設当局においても、一万八千二十人の定員化要求をすでに財務当局にも出しておられるわけでありますから、これ以上論議をする必要のない問題だと思いますので、これ以上は申し上げませんが、建設大臣が現在タッチしておられる状況について、この際率直に所信を述べられ、いよいよ最終段階に近づいた予算編成期において、ぜひとも三十三年度においては、この懸案を解決されなければならぬと思うのであります。もちろん建設省のみではなく、運輸、農林あるいは北海道開発庁等、その他関係省はたくさんありますが、特にその中心ともいうべき建設省にはこれが一番多いのでありまして、それに対しても根本さんの責任はきわめて大きいと私どもは思うのです。そういう意味において、まず定員問題の現在の状況、またこれに対処する大臣の御所信というようなことについて伺いたいのであります。
  4. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘通り、現在公務員として正式に定員のうちに広められていない、しかしながら実質上は公務員としての責任と義務を持つような仕事をしておる諸君が多数あるのでございます。これは建設省のみならず各省にも相当あるのでございますが、実は私が鳩山内閣当時からこの問題がございまして、この問題を解決すべく、当時公務員制度調査室なるものを設けましてやって参りましたが、なかなか公務員制度全体の措置がきまらないために、約三年間この問題が論議はされておりますけれども具体的措置が講じられて参ってない。こういう状況にかんがみまして、私が建設大臣になりまして三週間目ごろでございますか、閣議の席上、この問題を私が取り出したのでございます。従来は公務員制度問題の全面的改正に伴ってこれを措置するというような内閣態度であったけれども、これじゃとうてい時間的に間に合うかどうか危惧せざるを得ない。公務員制度調査室の方でこの問題がどの程度まで進んでおるかということをまず閣議でただしたところ、確信を持って三十三年度までに間に合うというところまでいけるかどうかは、はっきりした答弁をいたしかねるというような当時の状況でございました。そこで私は、公務員制度関係結論が出ないという理由をもって、三十三年度をさらにほおかむりするような形はとうてい許されないことである、従って、もし三十三年度予算編成期公務員制度調査室においてこの問題が全面的に措置し得ないというような場合においても、これは定員法改正措置し得る問題でもあると思う、従って、それによってこれは解決しなければならない、しかも前国会におきましては、岸総理もこれについて相当明確な答弁もいたしておるようでもありますし、さらにまた実際、行政運営の面からしても、こういうものをそのままにしておくことは適当じゃない、そこで通常国会にはぜひこの問題を処理するという態度だけは内閣として明らかにしなければならぬ問題だということを提言いたしました。これにつきましては農林大臣、さらに労働大臣郵政大臣等関係大臣が全面的に賛意を表しまして、そこでこれは了解事項として、三十三年度通常国会におきましては、第一前提としては、公務員制度全般の調整をはかって全面的に解決するという努力を続ける、しかしそれにもかかわらず、この問題が時間的に間に合わない場合においては定員化をやる、こういうふうな了解事項をとっているのでございます。その後、総務長官にも、なるべく早くこの問題を解決するように、臨時国会までに何とかならぬかということを督促したのでありますが、通常国会でもなかなかむずかしいところを、臨時国会までにはとうていその結論が出ないということで、それでは定員化の問題をわれわれは予算編成に当って要求するから、行政管理庁においては十分その点を検討の上、善処してほしいということを、行政管理庁長官にも申し入れておるわけでございます。行政管理庁長官におきましても、この問題はすでに閣議了解事項でもあるので、ぜひ三十三年度にはこの問題についての具体的な措置を講じたい、こういうふうないきさつとなっております。現在まだ具体的数字は、要求しただけでございまして、これについて査定がどうこうという段階にはなっておりません。しかしわれわれといたしましては、ただいま足鹿委員から御指摘のありましたように、現状において当然この問題を処理しなければならぬということと同時に、建設省といたしましては、三十三年度におきましては相当大幅に事業を増大して参りますので、従来のようなやり方でありますれば、これは公共事業費でまかなっていく関係上、ますますこのような、いわゆる常勤労務者とか、あるいはまた非常勤的常勤労務者とか、いろいろあやしげなものがふえていくようなかっこうでありまして、これはとうてい業務執行上も適当ではないということで、定員増加と同時に、今日までの問題の処理のために必要なる定日の経費要求をいたしておる、こういう段階でございます。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 その閣議了解事項というのは、いつの閣議で——それは正式な文書になっておるわけですね。その後了解事項の取扱いについては、大蔵当局とはどういうふうに話し合いが進んでおるのですか。大蔵当局がおられますから、あとでお伺いいたしますが、その発議者である根本さんから、もう少しその間の経過を承わりたいと思います。
  6. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは書類による閣議了解事項ではございません。私が提案いたしまして、これは当然やらなければならないということで、総理が主宰して、総理が出席しておるところにおいて、これが了解されましたので、だれ人も今日までこの問題については異議をはさんでおりませんから、これは了解事項として成立しておるわけでございます。今ちょっと私、いつの閣議か忘れましたが、たしか私が就任して三週間か一カ月くらいの話であったと思います。それから大蔵省におきましても、これについては大蔵大臣からも何らの異議の申し立ては出てきておりません。従って、これは実は先般の参議院建設委員会においても、大蔵省も、当然これに対して善処するということを言っておりまするので、その点は、具体的にどの省についてどれだけの人員を定員化するかということについては、何ら意思表示はないけれども、この定員化をしなければならぬということについては、大蔵省においても是認しておるという状況でございます。
  7. 足鹿覺

    足鹿委員 お話を開くと、非常に進行しておるような印象を受けるのでありますが、事実はなかなか困難なようにも、また一面想像されるのであります。一体、この問題が起きてから長いことになるわけでありますが、これをはばんでおる原因あるいはその背景というものは、どこに難点があるのか。これだけ明瞭な、不合理千万な問題がいまだに処理できないということについての、その根本的な原因、またそれをはばんでおる背景一体何であるか。財政上の問題だとして見るならば、数字を見てもわかりますように、これを定員化すること巨体によって何ら数字変化はない。若干、建設省関係で七千三百万ないし四百万程度の旅費の増加が当面伴うという程度のようにわれわれは聞いておる。そういたしますと、これは財政上の理由に基くものでないことは大体私どもわかるのであります。そうしますと、公務員制度根本改正の問題と関連するということは、しばしば、従来の会議録等調査してみますと、行政管理庁あたりはそういう主張に立っておられるようでありますが、これはこの制度自体と何もそう校本的な関係は私はないと思うのです。事業量がふえていけば、事業費予算でまかなうこれらの気の毒な人々がだんだんふえていくのであって、定員法自体のワクの問題にあるのであって、制度自体根本的な問題ではないと思うのです。まあ内容的に検討してみると、いろいろな問題もそれは事務上あるでしょうけれどもまだ来年度の予算を前に控えて具体的なめどがつかぬ。しかも総理大臣がおる閣議了解事項として決定されたことが、いまだにまだ確信が持てぬということには、何かそこにそれ相当な、はばんでおる大きなものがあるのではないかという印象を私どもは受けるのであります。その点について、最初大蔵省から一つ向いたいのですが、一体大蔵省がこの問題を、三十三年度の予算編成に当って予算化することについて、どういう作業と現在しておるか、どういう状態にあるかということを端的に御表明願いたいのです。
  8. 白井勇

    白井政府委員 お答え申し上げます。この問題につきましては前国会におきまして、すでに政府の方から、次の通常国会までの間に措置をするということを申し上げたようであります。大蔵省政府委員の方からも同様のことを申し上げたのです。私の方におきましては、御承知通り行政管理庁設置法二条によりまして、定員関係は全部行政管理庁の方で所管いたしておるわけでありまして、そういう方面のまとまりました意見を私どもはまだ受け取っておりませんので、その方面がきまりましてから、予算関係につきましての措置を講ずることになろうかと考えております。
  9. 足鹿覺

    足鹿委員 今白井さんがああいう御答弁をなさいましたので、行政管理庁の方からそれに対しての御所見を一つ……。
  10. 岡部史郎

    岡部政府委員 お答え申し上げます。定員外職員の問題につきましては、当面の問題と、ただいま足鹿さんからお尋ねのございました根本問題と、二つございますので、その二つにつきましてお答え申し上げたいと存じます。  第一の、当面の問題として現在どうなっておるかということでございますが、これはこの前の通常国会からの経緯を申し上げますと、ただいま建設大臣からお話がありましたのとほぼ同様のことになるのでありますが、この定員外職員の問題の根本的な解決は、これから申し上げます通り公務員制度根本的な解状に待つよりほかないので、公務員制度解決を急ぐ。それが大体次の第二十八通常国会を目ざしてその解決の準備をしよう、そしてそれによってこの定員外問題を解決できる見込みであるということが、関係各省話し合いで一致したわけであります。ただこの定員外職員の問題の解決は、実情きわめて切迫しておるので、もし万一二十八国会におきまして、これが間に合わなかったらまた延ばすということでは、これはとてもそういう事情では許されぬから、その場合におきましては、応急措置として、定員法改正により定員の手直しをやろうということの約束が関係各省間にできまして、これは根本建設大臣官房長官をしておられるころのことでございます。そういうことで作業を進めて参ったわけでありまして、私どもといたしまして、まだ公務員制度改正が、今度の通常国会に間に合うか間に合わないか——間に合わないということのはっきりした連絡は受けていないわけでありますが、諸般の事情から考えまして、間に合わない場合におきましては、やはりこの定員外職員の問題につきまして、さしあたりの解決をはかるために次の通常国会定員方改正を出す、またそれに伴う予算措置も行う必要がございますので、事務的に行政管理庁及び大蔵省間におきまして連絡をとりますと同じに、各省からのこれの要求につきまして、いろいろ説明も聴取し、また行政管理庁といたしまして、ここ数ヶ月間実態調査を行いまして、目下作業をしておる状態でございますので、必ず次の通常国会においては、定員法改正を提案いたしまして、御審議をいただくつもりでおります。  それから根本問題といたしま出しては、二十四年に定員法ができまして、従来各省では御承知通り官制定員といたしましては、いわゆる官吏だけが官制に載っておりまして、それ以下の雇員、用員というものは官制からはずれて、もっぱらあるいは物件費から出されておるというような状態からいたしまして、公務員の総数がつまめない状態でございましたので、そのような制度を改めまして、公務員身分の、あるいは種類差別にかかわらず、すべてこれを行政組織法に基く定員法に載せるということになりまして、二十四年に定員法ができたわけでございます。従いまして定員法の趣旨から申しますならば、その当該行政機関行政事務に従事しております恒常的な職員というものは、これはすべて定員法に載るというのがその建前でございます。この線ができておりますならば、定員外職員というものは、臨時的なもの、その他の技術上の必要に基くもの以外にはないはずでございます。現在におきましても、小さな役所は例になりませんから申し上げませんが、大きな役所で申しますれば、郵政省のような二十六万余定員をかかえている役所におきましても、定員外職員というものはいないわけでございます。このような形が、行政事務に従事する職員の規定の仕方としては、適切なものであろうと存ずるのであります。しかるに定員法というものが身分差別にかかわりなく、すべての職員をその役所規模組織、それに従事する職員規模という見地から規定いたしましたのにかかわりませず、いろいろな役所仕事種類、それから公務員種類、そういうような関係から、間もなく非常勤職員というものが発生して参ったわけであります。あるいはさらに言葉をかえて言いますならば、非常勤職員が発生したというよりも、定員法に載らなかった非常勤職員というものがあるのであります。従いまして、定員に載らなかった非常勤職員というものには、いろいろなタイプがあるのでありますが、そういうような定員に載らない非常勤職員のうちで、非常に固定化してくる、あるいはかなり恒久的な他事にも従事してくるという職員が出て参ったわけであります。これらの職員処遇をどうするかということになりまして、二十五年、人事院から通牒をだしまして、これらの職員常勤職員と同じような処遇を与えるべきである、他の一般非常勤職員と区別して、これを常勤労務者と名づける、こういうことになりまして、常勤労務者という種類一つ出て参ったわけであります。ところが、この常勤労務者という種類が年々ふえて参りまして、これが最初は二万七千くらいでございましたが、今年度になりまして六万をこえていることは御承知通りであります。これがまた各省に遍在する、あまねく存在するという形になりまして、そうなりますと、この常勤労務者という職員処遇をどうするか、これが定員法からはずれている形になり、国会における定員の規制についての審議も受けない、こういうことでは定員制度について悪い杉響も与えますし、またこういう処遇を受けている職員も不満足でございますし、かたがた全般行政能率も阻害する。しかもこれが年々ふえていく状態でございますから、この問題を根本的に解決するのには、やはり公務員制度の根・本的な解決に待つよりほかはないということで、政府側といたしまして二十九年の初めに公務員制度調査会を設けまして、その答申を求めまして、三十年の十一月に答申を受けまして、その答申に基きまして十一月一日から公務員制度調査室を設けまして、その答申具体化による公務員制度改正を急いでおる次第でございますので、この公務員制度調査会答申の線に沿うて、この定員外職員の問題が根本的に解決されることを私どもといたしては念願しておる次第でございます。この線によって、この定員外職員の問題を根本的に解決したい。しかし先ほど申しました通り、当面いろいろな事情によって、きわめて不合理な点もありますから、それの応急解決通常面会でいたすように努力したい、こういうようになっております。これは非常に複雑な、長い問題でございますので、申し上げればまだ申したいことがあるのでありますが、とりあえず以上の経過を申し上げます。
  11. 足鹿覺

    足鹿委員 岡部さんのお話によりますと、制度改正の問題と関係があって、来国会、二十八国会には定員法改正で行かざるを得ぬのではないかというような、そういう印象を私は受けました。  そこで調査室長おいでになっておるようでありますから伺いますが、調査室作業の現況はどういう状態でありますか。その結果はいつごろ発表するのでありますか。昭和二十九年といえば、もう発足してから相当の年月がたっております。三十年に発表され今日まですでに二年もたっております。で、一応はある程度結論に達しておられるのではないかというふうにもうかがえるのでありますが、今の岡部さんの御答弁との関連において、またまたどうもこの制度改正問題が来国会には間にあわぬ、しかもわれわれの期待しておるものとは何かまた別な問題があるようでありますが、その問題については私はきょうは触れません。その問題に触れますと、とても問題が大きいから触れませんが、少くともこの常勤労務者の問題について、これだけはっきりした問題でありますから、制度上の問題とおっしゃるけれども技能職分の問題、あるいは臨時職分との問題というような点になってくれば、一応この制度上の問題も関連がないとは言えません。しかしこの建設省関係におきましては、地方の出先機関は大部分がこの人々によって業務の監督、検査、事務所の運営、会計の経理、あらゆる面にわたって、この人々定員内の職員と何ら変らない仕事をしておるということは、あまりにも明らかな事実であります。私どもの方にもたくさん陳情の手紙が、いろいろな問題で参りますが、この問題に関する限りにおいては、一つの型を指示してわれわれに陳情してくる万も最近ございますけれども、ほとんど自分たちの判断において、自分たちの職場の実情を克明に、きわめて丹念にまとめてそうして切々として訴えてきております。これは何人が見ましても心を動かされる問題でありまして、ただ一つの方針に基いて陳情の書面が出させられるというようなものではない。非常に私どもとしては捨てがたい、一枚々々のはがきがみんな生きた陳情になっております。それだけにこの問題が切実であるということを私どもは痛切に感じておるわけでありまして、これを一般制度上の問題といつまでも関連せしめて問題を処理しないということは、とうていこれ以上私どもは忍ぶことができないと思うのです。来年は定員法改正との関連でいくよりほかやむを得ないという実情のように今の御答弁では聞きましたが、公務員制度調査室としては一体どういうふうに現在お考えになっているか、作業段階、またその作業の結果の発表は、いつごろ発表されるものでありますか、その点について御説明を一つお願いしたい。
  12. 増子正宏

    ○増子政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。御承知のように、私ども、ただいまお話がありました昭和三十年の十一月に提出されました公務員制度調査会答申を基礎といたしまして、その後、公務員制度調査室としての改正案を検討して参っているわけでございますが、御承知のように調査会の答申におきましては、まず第一にただいま問題になっております公務員の範囲の問題がございますが、それと関連いたしまして任用の関係、服務の関係、分限あるいは労働関係、そういったあらゆる面に関連をいたしておるわけでございます。問題がそれぞれ非常に重要な事項を含んでおりますので、今日まであらゆる角度から、それぞれの問題を検討いたしておるのでございますが、範囲の問題につきましては、この範囲をいかにきめるかということによりまして、ただいま申し上げましたように、任用の関係や服務、給与関係、すべて影響を受けてくるわけでございます。ところが、この範囲の問題は、先ほど行政監理局長からも御説明申し上げましたように、調査会の答申におきましては、単純労務関係それから臨時の機械的なあるいは補助的な職それを国家臨時職と答申ではいっておりますが、これを除いて、その他の者を国家公務員とするというような考え方になっておるのであります。ただ単純な労務といいます場合にも、常識的にはばく然と了解できましても、それを具体的に、制度的に表現する場合にはどのようになるかというと、つまり具体的にその制度の適応を受けた個々の職員が労務職であるか、あるいは国家公務員であるかというような判定をどのような基準で行うかというようなことは、実は具体的に調査いたして参りますと、非常に困難な問題でございます。この困難さは、すなわち、行政管理庁におきまして定員の合理化という面でいろいろ苦労をされたことと同じ原因になると思うのでありますが、そういう意味におきまして、単純な労務というものの範囲を現状に即してどの辺で線を引くべきかという問題につきましては、実はそれぞれの各省等の意見を聞き、また実態調査等もいたしておりますけれども、実に困難な問題でございまして、現段階におきましては、その点で政府の最終的な結論というものは待ていない状況でございます。従いまして、この定員法との関係におきましては、先ほど監理局長から申し上げましたように、定員法改正の対象になる者と、それから国家公務員といわれる者、あるいはかりに国家公務員の一部にいたしましても、それが制度上明確であるということが一番望ましいとは思います。しかしながらそれをどのようにしてマッチさせるかということは、必ずしも容易なことではないようにも思うのでございます。なお、公務員制度改正ということになりますれば非常に重要な問題であり広範な問題でございますので、私どもは軽々に結論を出すというわけには参らないと考えておりまして、特に慎重を期している次第でございます。今までの経緯からいたしますれば、できるだけすみやかに結論を出すということが当然でございまして、私ども結論を急いでおりますけれども、しかし急ぐために、あまりに問題の多い、将来に問題を残すような軽率な案にしてはいけないという気持も強いわけでございます。  こういう状況下ございますので、定員化の問題につきましては、従来一応予想されましたように、公務員制度の最終的な結論というところまで待つのは、現在の事情では許されないのではないかというふうに私どもは考えております。
  13. 足鹿覺

    足鹿委員 今室長のお話を聞きますと、第二十八通常国会には全然間に合わぬということが一応明らかになったようです。先刻の岡部さんのお話によりますと、定員法改正でいかざるを得ない、そのことについては、行政管理庁としても一応そういう腹を固めてられるやに私は聞きました。  そこで根本さんになり大蔵省白井さんに伺いますが、そういう作業段階で、これ以上期待ができない、こういう事態が明らかになった以上、この事態に即応して、どのようにこの問題を処理されようとしますか。今岡部さんが言われたような方針に沿って処理をされるのでありますか。そうなれば、その問題についてはどういうふうに考えられるか。それは非常に重要な点だろうと思うのです。ここまで情勢が明らかになってきた以上は、やはりこの公務員法の全面改正ということは、ただいま増子さんのお話を聞いておると、いつのことであるやらわらかぬ。それは改正ではなくして、われわれの方から言うと、別なことをあなた方が考えて作業をしておられるから、そういうふうにむずかしくなるのだと思うのです。この問題については、私は一般的な問題として触れませんが、少くとも担当室長が、作業段階として発表もできぬ、結論もまだ出ておらぬということであれば、事態はもう大体明らかになった。そうすれば、これに対処してどうされますか、この処理の仕方ですね。もう通常国会を目前に控えておりますが、一つ根本さん、白井さんからお伺いしたい。
  14. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは先ほども答弁した通りでございます。従いまして、公務員制度全面的改正が間に合わないという場合においては、定員法改正でこれを処理する、こういう方針のもとに、具体的に定員要求、これをやっておるわけであります。従いまして、これに基いて行政管理庁定員法改正の具体的な措置を講ぜられ、それが案外まとまりますれば、それに基く予算の査定が大蔵省でなされる、かように私は考えております。
  15. 白井勇

    白井政府委員 ただいまの建設大臣から申し上げました通りの運びになろうかと思います。
  16. 松澤雄藏

    松澤委員 関連して……。この問題は与野党を問わず、非常に大きな問題ではなかろうか、かように思います。ただいま建設大臣お話をお聞きすると、監理局長にお聞きしようと思ったのですか、先ほどから応急措置応急措置という言葉を盛んに使っておられます。しからば、その応急処置というのは、今の建設大臣お話のような、定員法改正によってその応急処置をとりあえずやっていこうとするのか。それを次の通常国会に出すというふうなことの確信があるかどうか。  それからもう一つは、関連ですから簡単に御質問しますが、室長の方からのお話では、いまだに見通しがつかないというふうな御意見のように承わりまして、慎重々々という言葉を盛んに使っておりますが、三年間にわたってやってきた、慎重にも私は限度があると思う。与える仕事一般公務員と何ら変らないような責任のある仕事をさせておいて、しかもそれは、最も明朗な方面予算を使用しなくちゃならぬという今日において、同じ事業費の中から国が公けに認めて使わせておくというふうなことから考えても、一日もすみやかにこれを改正してやらなくちゃなならぬと思うのでありますが、これに関して、先ほどから慎重という言葉を盛んに使われた。その慎重というのは、何を慎重にするのか、いつまで慎重にやられるのか、その見通しはいつごろか、これを簡単に回答していただきたい。
  17. 岡部史郎

    岡部政府委員 ただいまお尋ね通り公務員制度改正案が間に合わない場合におきましては、次の通常国会定員法改正案を提出いたしまして、この差し迫った定員外職員の問題について、抜本的ではありませんが、応急的な改正をいたす決心でおります。
  18. 増子正宏

    ○増子政府委員 結論を得ますまでに非常に時日を要しております点は、これは私どもとしましても、非常に申しわけないことだと存じておりますが、ただ調査会の答申をそのまま法律化するという点でありますれば、これ非常に簡単なのでございます。単純な労務あるいは臨時の職を国家公務員からはずすという法律案を作ること自体はきわめて簡単でございます。しかしながら単純な労務と申しましても、非常に範囲があるわけでございます。現に、現行の地方公務員法におきましては、単純な労務という表現を使っておりまして、これは労働関係につきましては地方公務員法の適用を除外いたしておりますが、この範囲はどうかと申しますと、現在まで解釈上考えられておりました単純労務というのは、非常に範囲が広いのでございます。そのままで、もしここで制度化いたしますと、現在定員内に入っております多数の職員定員外になる、あるいは国定公務員外になるという結果が当然出てくるわけでございます。そういたしますと、そうなった場合の影響等につきましても、政府としましては十分な心がまえを持たなければならないというふうに私ども考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、調査会の答申をそのまま法律化することによって出て参りますいろいろな影響というものについての対策を十分考えた上でなければ、最終的な案として出せないというのが私どもの気持でございます。
  19. 松澤雄藏

    松澤委員 関連ですから、室長と議論し合っても仕方ないのですが、ただ建設大臣行政管理庁の局長も、定員法によって手直しを暫定的にしていきたいというふうなお話でございますが、現在私たちの手元に来ておる定員外準職員といわれる者は、建設省だけでも一万一千以上ある。しかも補助職員というのが、かれこれ一万近くもあるのだというふうなことになっておるようでありますが、大蔵省建設省もまた管理庁の方でも、こういう者を全部定員法によってワクを拡大して、そしてこの方々が働きいいような仕組みに持っていこうという定員法改正というお言葉であるかどうか、念のために建設大臣白井さんにお聞きしておきたいと思います。
  20. 根本龍太郎

    根本国務大臣 建設省といたしましては、三十三年度予算編成に当っての定員増加は、すでにお示ししてある通りでございます。従って、それの定員化をわれわれは要求しております。
  21. 白井勇

    白井政府委員 ただいまは建設省だけの関係の話になっておりますが、この問題は、私の知っております限りにおきましても、相当広い分野に同じような状態があるのでございまして、それの関連につきまして定員改正をやっていくということになりますれば、一応まず行管で案を作って、それから予算措置の折衝にならうかと思いますが、その段階になりますれば、できるだけ御趣旨に沿うように一つ努力したいと思います。
  22. 大島秀一

    ○大島委員 関連して……。本問題に対しましては、当委員会でも数回にわたって論議がかわされたはずであります。が同時にこの内容は、これは改正してあげなければならないということは当然なことであるはずであります。そこで今の足鹿君の言われることと、これに対する答弁と伺っていますと、公務員法の改正をしなければ何もかにもできぬのだ、ただそれを便法として定員法改正をしようという段階のように伺っておるのですが、しかし決定的に公務員公務員法の改正ができないという答えはまだ聞いていないようであります。ということは、建設大臣閣議においてしばしばこの問題を提案されて、何とかこれを改正すべく努力をしておられるということは、今の御説明において明確になったと思うのであります。でありますから、これはだめだというような考え方によって進めることと、ぜひともこれを実行しなければならないではないかという考え方によって進めることとは、おのずから結果が違うと思うのであります。今調査室長お話を伺いますると、いろいろな問題が内包しているようであります。しかし、いろいろな問題が内包しているからといって、これはぜひとも改正することが国家のためであるという答えが出るならば。それに対して、なぜいま少し勇敢に猛進をしないか、われわれの結論であると、勇敢にこれを出すことこそ、私は真実な公務員であると思う、それを、内閣の方がどうであるとかいうようなことは——むろんそれも必要であるけれども、勇敢に室としての態度を明確にして、むしろ内閣を逆に激励するという立場であることこそ望ましい姿であると考えられるのであります。その意味において、今せっかく建設大臣が、すでに官房長官のころから、これをぜひともしなければならないと、情熱を打ち込んでおられるとすれば、この際、できないであろうというような前提に立たずに、できるであろうところの行程をぜひともとっていただきたいと考えるのでありまするが、各関係の方々からお答えを願いたいと思います。
  23. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私は、もうすでに何回も所信を表明しておるのでありまして、先ほど申したように、これは、本来は公務員制度全面的改正によってやるという前内閣からの方針でございますので、それが本道でございます。ところが実際上、先ほど調査室長答弁されたごとくに、実は調査室自体において、まだこれに対する確信ある方向がきまらない。そのために、御承知のように前国会においても、当時臨時首相でありました岸総理からも、これは善処する、公務員制度の問題がたとい出なくとも、これは善処せざるを得ないという意味のことが出ているわけであります。われわれも、でき得べくんば今の大島委員の言うごとくにいたしたいのでありますけれども、それに膠着して、全面的に問題が解決しないからといって、このままになりますと、現実に常勤労務者あるいは常勤的非常勤労務者と、怪しげな立場において働いておる人の措置ができない。しかも年々各省においては事業量が増大しまするので、現在の制度に置きますると、こういうはなはだ困難な問題をさらに増加する。だから、この際思い切って定員法改正という措置でも、これはやっていかなければいけない。それについては閣議でも、万やむを得ない場合には、そういうふうにしようという決意になっておりますので、これは両方とも進んでいきまするけれども、現在の段階においては、定員法改正によってまず当面の問題を解決せざるを得ないというところに行くのではないか、かように考えております。
  24. 白井勇

    白井政府委員 大蔵省側といたしましては、前国会におきまして皆さんにお約束いたしました通りに、公務員制度根本改正ができなければ定員法改正しかないということになっておりまして、その方面の具体案が出て参りますれば、それの予算化ということにつきまして考慮する、こう考えております。
  25. 岡部史郎

    岡部政府委員 ただいまの大島委員の御意見に、全く私同感であります。
  26. 薩摩雄次

    薩摩委員長 農林水産委員会でもこの問題を取り上げて、これからやるのだそうです。それで行政管理庁の監理局長の岡部さんと、公務員制度調査室長の増子さんを、こちらを早く済ましてよこしてもらいたいということですから、そのおつもりで……。
  27. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 関連して……。この問題は、お聞きの通り、党派をこえて各党ともに非常に御心配になっておる、今日では重大問題になっておるのであります。私は今まで御質問になった方々とは、精神において多少観点を異にいたしておる点があると思うのであります。私はこの問題を行政的な問題として考えるべきか、政治的な問題として考えるべきか、これは両方の問題はもちろんあります。両方の問題がなくてこの問題は解決つかない問題であるということは明確な問題でありますが、私はこの問題は、根本的には政治問題であると思います。政治問題であることを軽視してこの問題を処理しようとするところに、私は一つの難点があると思う。根本建設大臣は、公務員制度の改革が根本だと言われるが、私はそう思っちゃいない。法律というものは、国家社会の現実の事実に即して作らなければならぬものであって、法律のために国家、国民の生活や制度がついていくものじゃないのです。この定員法が置かれて、公務員あるいは準職員だとか、補助員だとかわけのわからぬ言葉が生まれたのは、何でかようなものが生まれたか。国民に対して国民に奉仕すべきところの公務員、いわゆる役人こういうものは各省これこれのものをもって処理して、行政整理を行なって、国民の税金をむだに使わないで、できるだけ制度を簡素化する、こういう方針のもとに定員法が作られて法律化されて、国民の前に明らかにされたんです。ところが建設省事業量やその他の関係で、そのままやったんでは、なかなか仕事のできない一つの性格がございます。性格がございまするので、職員を、準の字をつけて準職員、それへもっていってまた補助員、そういうことになりますと、このまま進んでいくなら、準々職員ができたり補助員の補助員ができたり、こういうようなインチキ政治が行われるのです。このインチキ政治を行うか行わないかということが問題なんです。私はこの問題については、局長や室長には問う必要はないと思う。白井さんや根本さん、つまり政治的に取り扱う人間がこれは処理しなければ問題にならない。国民にうそを言うか言わないか、政治をインチキをやるかやらないかの問題なんです。定員法を作ったときの情勢は何であったか。公務員法を改正するよりも、この問題はこういうインチキをやらない、ほんとうの職員職員として、公務員に準じたことをやる。ただ法律そのものを純粋に、法律技術の上で考えれば、いろいろな問題が専門家に言わせればあるでしょう。しかし立法の精神は、国に奉仕すべき職員公務員法、定員法でこれこれと明らかにするということなんです。それがだんだんと準の字をつけたり、補助員という名をつけておるのです。このことは、あえてただ単に官庁ばかりでない。今日の会社や工場の経営をごらんなさい。臨時工などといって、ずいぶんインチキな労働者いじめをやっておる。これが問題なんです。官庁の官公労務者という職員を、今の保守党の諸君が資本家に奉仕するような態度で扱われれば、これは私は重大な問題だと思う。そこで、そういうことの精神を新しい感覚で考えまするならば、非常にこれは積極的にならなければならぬと思う。そういうところで私は根本さんに非常に敬意を払う。根本さんがこの問題を積極的に取り扱おうとされておるところに、私は従来の保守党の中でも非常に進歩的な精神が生まれておると思う。思うけれども、この問題を、今の公務員法の改正根本の問題だというような方法をもってしては、私はほんとうの解決はできないと思う。そういうことをやるよりも、この定員法の精神を誤まったものをまずどう処理するかということを中心に問題を考えて、それに即応するところの公務員法、あるいはそれらを処理するところの公務員法というものができるものなのである。こういうふうに私は考えるべきものだと思う。私はこの問題を政治問題として考えなければならぬと思う。そういう点においては社会党にも責任があるので、早くこの問題を社会党として、党議に基いてやらなければならぬと思う。すでにこれは党としては政調会の問題とせしめておりまするけれども、これはあまりにもおそかったという点については、われわれも責任を痛感するものなのであります。でありますから、この問題を政治的に、まずこの誤まった定員の扱い方を変えて、正しく軌道に乗せておいて、乗せておいたその上に、いわゆる公務員制度調査会等のものはそれに応じた法律、立法技術の上に適当だという法律を作ってもらいさえすればいい、私はこう思うのですが、根本問題を、どちらを先にするかという精神を、根本さんや白井さんに、どちらがどうなのか、それを私はお伺いしたい。
  28. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いろいろと御意見を拝聴いたしましたが、御承知のように、こういうような問題が出たというのは、公務員の定義について、国家の行政事務という点に問題があるのです。行政事務を、恒常的に責任をもって国民に奉仕する者を一応公務員と定義しておるようであります。してみると、公共事業のような事業の場合においては、設計監督、経理の責任者というものは官吏であるけれども、その他の者は、御承知のように旧内務省時代から、いわゆる物件費で扱われておって、官吏にしていない。これが引き継がれてこういう問題が起きていると、私は思うのです。従いまして、まず今日の行政の実態から見て、行政事務が複雑になってき、かつ従来の、戦前におけるような観念で官吏というものを規定できないという、社会的情勢も違ってきているので、そのギャップを処理しなければこれは、非常に議論にだけなって、実際上の処理ができない。それが公務員制度改正しなければならぬという問題になってくるわけなのです。その意味において、このような常勤労務者とか常勤的非常勤労務者というような言葉が出てくるのでありまして、これは実態と制度上とのギャップがこういうふうな矛盾を生み出していると思うのでございます。その意味において、公務員制度の全般的な制度改正をしなければならない。こういう段階にあるわけなんです。しかしながら、これをやるということになりますと、非常に広範な問題が錯綜いたしまして、たとえば職務分限の問題とか職種の問題とか、あるいは給与の問題とか、こういう問題も含めて、おそくなるために、今まで皆さんからの非常な御熱心な御要請にもかかわらず、そういうふうな問題に論点が拡大されたたために、現実の処理すべき問題がずらされてくる、これではいけないから定員化をして、現実に公務員と同様なる仕事をしておりながら、今までの制度上の欠点と申しますか、そのために身分上の不安定のある人をます救済しなければならない。こういう意味において、定員法改正をもって、まず当面しておる問題を処理する、こういうことになるのでありまして、根本的に、あなたが言われるように、会社が臨時工を雇って、その責任の所在を明確にしないとか、あるいはまた労働搾取する、そういう問題と全然違う問題だと思います。そういう意味におきまして、この問題は、あなたの方の御意見は御意見として承わりますけれども、現実の処理の問題といたしましては、これはやはり定員法改正によって当面処置し、それから公務員制度全体の問題は全体の問題題として研究を進めていかなければならぬ、かように私は考えております。
  29. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 私が民間産業に関連しておると言ったのに、全然関係がないとおっしゃるのですが、それは、あなたの方から見れば、そう見えるでしょう。しかし、今労働組合等がいろいろな問題を起しておりますが、改正といって、現に臨時工と称して二年も三年も、長いのは五年も引き続いて雇っておるのは、臨時工場などというものじゃないはずです。なぜそういうことをするかと言うと、それは私らばかりではない。官庁でもやっておるじゃないですか、二口目にはこう言うのです。そういうところに関連があるというのであって、仕事をする仕組みに関連があると私は言っているのじゃないのです。そういうような不当な民間の企業家に、官庁を例に出させるようなすきを与えることは、国家のためにも幸福な現状ではないと私は思うのです。国家は模範を示してもらわなければいかぬ。そこで、そういう問題は枝葉へ行ったようなことでありますから、私は今どうこう問いませんけれども、ただこの定員という、制度が作られたときからの関係からいたしまして——大体これは根本さんの責任じゃないのです。根本さんの責任ではないけれども建設省が、定員法ができたとき正確に実行して、定員法の精神を守っておったならば、準職員とか補助職員とかいうようなものが定員法に基く人員の倍以上になるような、こんなばかな話はないはずです。そうすると、その当時もし公式に、正しく建設省職員というものを採用するということになりますならば、定員法に基いて、定員法の人員だけ雇っておる。これはかた苦しい考えでやったならば、こんなものはあまりできなかった。しかしかた苦しい考えでは建設省仕事にならぬ。建設省は、ほんとうの仕事はできも何もしはせぬ。だから、やむにやまれずこういうことになった。そこで初めはこんなにまで弊害になろうと思っていなかっただろうと思う。だんだんやっているうちに、いつとはなしに、今考えてみると、実際の公務員という定員法に基く者は九千人、その他の者は二万人以上、こういうようなでたらめな結果になって、国民をごまかしておる。公務員定員法に基いて採用する、国家に奉仕すべきところの職員というものはこうだときめられておっても、それにいろいろな名前をつけて、定員法を精神的にじゅうりんしておる。今日、根本さんが幸いに建設大臣になられたのだから、この際、この誤まったことを食いとめよう、食いとめるということになりますならば、制度をどうこうするということはあと回しでよろしいと私は思う。ただ定員法という法律だけはどうすることもありませんから、定員法改正に基いて定員をふやすということにならなければならぬ。これはすなわち私は政治問題だと思う。政治的に取り扱う以外にないと思う。これを先決してやるかやらぬかという腹をきめるかきめないかが問題なんですが、その点はいかがなんですか。
  30. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これはもう先ほどから何回も繰り返して申しておることであります。だからして、この問題は定員法改正で次の国会にわいては処理すべきであるというふうに私は提言し、現実にその工作が進みつつあり、ただいままた大蔵省でも、それから行政管理庁でも、まずそれをやるというふうなことになっておるわけでありまして、その点はあなたのおっしゃる通りに私もやっておるわけでございます。
  31. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 今根本建設大臣がお述べになったことを、大蔵省から財政的の点で変な因縁をつけられたのではたまったものではないが、その点をはっきり御答弁願いたい。
  32. 白井勇

    白井政府委員 これは建設大臣からるるお話がありましたから、私から重ねて申し上げることはない次第でありますが、私の方は予算関係だけでございまして、その問題でございますれば、皆様の御趣旨に沿いまして努力したいと思います。
  33. 足鹿覺

    足鹿委員 関連の御質問もありまして、大体ただしたい点は一応出尽したと思いますが、まだ二、三ありますので、この点を明らかにしておきたいと思うのです。  結局問題は、建設省のような、農林省のような、あるいは運輸省というような現業庁としては、普通の事務を主としてやっておるところとの間に大きな相違点がある。従って、たとえば現業庁は主として公共事業に大きな関係があるわけでありますが、公共事業関係のある官庁の職員定員というものを事業費に比例して動かしていく、こういう一つの考え方も考えられるのではないかと私は思う。もともと建設省事業分量を見てみますと、二十六年は比べますと、二十五割、事業分量がふえておる。あらゆる面で、そういう資料は全部整っておるわけでありますが、こういう実情から見ました場合には、勢い、先ほども大臣が言われますように、事業費からまかなわれておる職員であります。従って、ここらへんに現在の定員法運営の面において一つの大きな問題があるのではないかと思うのです。瞬時的な職員がなぜできたかということは行政整理のために作られた定員法で除外され、翌日からちゃんと臨時職員という名前で一応定員をはずされて、そのまま翌日から同じ仕事に従事をしておる、こういう間違った定員法運営から、こういうことを形式的に残しておるのです。現に資料によりますと、準職員の一万一千六百三十六人という建設省関係の者で、十年以上勤めている者がすでに八〇%を占めておる。補助員八千六百六人という者の中で、これも五年ないし十年勤めておる者が大部分を占めておる。この事実は、行政整理をやるために定員法をいじくった、しかし実態を動かすことができないから、制度を変えて、今度は準職員あるいは補助員というような形で、削るべからざるものを削ったところに一つ原因がある。いま一つは、事業分量が飛躍的に増加していく現業庁、現場を持っておる、特に災害復旧の問題だとか、あるいは道路整備十カ年計画であるとか、あるいは地すべり問題であるとかいうような、最近著しく事業分量が増加していく建設省等の現業庁に対して、今なおこの行政整理を目途とした定員法で除外された慣例を持っておるところに、一つ根本的な原因があると私は思うのです。従ってこの現業庁というものに対して、何か特殊な考え方をここに持たなければ、ここで解決してもまた次に新たなる一つ段階が出てくる。ことしは一応定員法改正である程度収拾がついて。しかしまたさらに事業分量がふえていった場合には、また同じような結果が繰り返されていくことができやしないかと思うのです。そういうところに私はこの二つの問題が横たわっておると思うのです。従来、行政整理のために定員法から除外した人間をほんとうにやめさせていくならば、これは行政整理としてやむを得ないでしょう。国会あるいは政府がその方針でやったということであれば——われわれは承服しがたいが、結果としてはそういうことになっている。事実それはそのまま残しておる。ここに一つの問題がある。  いま一つは、事業分量が累年的に大きくなっていく現業庁に対して、同じ一つのものさしで問題を処理していこうというところに、私は大きな矛盾があると思う。こういう変則的な、身分の不安定な、実際上建設行政を事実上動かし、農林行政を事実上において動かしている人々の上に、こういう不合理千万なことが起きてきておると思うのです。この点については、根本さんは前に官房長官もしておりますし、有力な閣僚であるともわれわれは見ております。だから建設大臣という立場のこともありましょうが、一国務大臣として、この問題については大きく処理されていかなければならぬ問題があると思います。  そこで、今も言いましたように、ここで一つ御検討願いたいことは、公共事業関係する官庁の職員定員は、事業費に比例してこれを増減していく制度について考える必要がありはしないかということです。そうしないと、次々と同じような結果が発生してきて、そうしてこれに対する弥縫策をそのつど講じていかなければならぬというような結果になりはしないかと思います。  それから岡部さんに、私は今の点についても御意見を承わっておきたいと思います。現在公務員制度の問題を検討しておられることは事務的にはよくわかりますが、行政整理を目的として定員法改正がこの前行なわれた結果、こういう不合理が出てきておるわけでありまして、現在の定員法というものは、現在の公務員実情に合わない姿になっておる。特に官庁によっては、非常にいろんな立場の官庁があります。その職員の立場もみんな違っておりますが、全体として言えることは、かつて行政整理を目的として作られた現在の定員法運営自体に私は問題があると思うのです。この点については、少くとも準職員の問題、あるいは補助職員の問題等とは別個に、新たなる現在の情勢に適応した定員法自体に対する検討、対策というものがなされてしかるべきものだと私は思うのです。情勢の推移に対してほとんど固定しておる。これに即応して定員法というものは動いていかなければならぬものだと私は思う。それを、何かまだ行政整理が必要であるようなものをにおわしてみたり、そういうところに問題の解決がおくれておる大きな原因が私はあるのではないかと思うのです。そういう点について、根本さんなり行政管理庁の法の事務的な御見解があれば、一つ承わっておきたいし、また今後も一そう御努力を願いたいと私は思います。  それから、きょう大蔵大臣の御出席を求めておったわけでありますが、白井政務次官に、今申し上げた点についても十分御検討を願いたいのであります。予算化の問題につきまして、私どもへのいろいろな現場の声としては、特に公共事業は、一定のところの工事が済めば次のところに移っていく、にもかかわらず、旅費の支給すらもなかなか思うようにいっておらぬ。準職員はもちろんのことでありますが、定員内の職員に対しても、現在建設省関係ではそういう事例があるという声が来ておるのであります。これは農林関係でも、私どもこの問題をやったときに、その声を聞いておりますが、一様に言えることは、大蔵省予算の運用に当って、その必要に応じた予算の流用措置に対して弾力性のある態度をとっておられないところに、赴任旅費も持たないで半年もあとになってわずかな旅費をもらうというような、みじめな結果が起きてき、さなきだに身分上の不安定な人々を、さらに困らしておるというのが現状のように聞いておるのであります。従って、どのようないい方針が立てられましても、実際上においては、予算の面において問題は最終的にしぼられて参ります。たとえば旅費の支給の問題についても、事務当局の言うところによると、大蔵省が流用を認めないからこういうことになるのだというふうに言うのであります。こういう点について、主計宮もおいでになっておるようでありますが、時間もありませんから、これ以上申し上げませんが、もう少し現場を持つ官公庁というものに対する予算運用上における措置については、周到な配慮と、もう少し実情に即したお考え方をもって対処されることが必要でないかと思うのであります、そういう点についても十分とくと御検討願いまして、配慮願いたいと思います。以上の点につきまして、何か大臣なり大蔵政務次官行政管理庁の方で御答弁がありましたら、一つ伺いたい。
  34. 根本龍太郎

    根本国務大臣 ただいま足鹿さんから特に、公共事業をやっておる官庁においては、事業の量とスライドして定員を増減すべきではないか、こういうようなお話でございます。これは必ずしも正確にスライドするという意味ではないと思いますが、御承知のように、できるだけ官吏は少数精鋭にして、これは国民の税金で負担させて働いておる方でありますから、管理面をできるだけ改善いたしまして、少数の人間でその目的を達成するのが政府としての任務だと思っております。しかしながら事業が大きくなりまして、監督なり指導の面が、どうしても直接やらなければならない人間がふえた場合には、それは実情に応じて定員がまた増加されなければならないということも事実だと思います。特に建設省のように明年度から公共事業費、特に道路その他が飛躍的に予算要求して、これが実現するということになりますと、相当人間が要るようにも思われますけれども、現在道路建設の事業などにつきましても、私の方針としては、これは直営でやるということは必ずしも適当ではないと私は思っております。非常に大きな仕事を、今お話のように、事業が終るとまた移転したりなんかしなければならぬということは、これは必ずしもその職に当っている人も幸福とは思われません。そこで、こういう事業はできるだけ請負工事によって目的を達成し、ただしその監督指導の任に当る人間の最小限度は当然定員改正に持っていかなければならぬ、かように考えております。なおまた、現在の定員法は行政整理を目的としてやった。これに行政整理も、たしか第三次吉田内閣当時これが相当強く取り上げられてあったことも事実でありますが、その際において、御承知のように公務員というものの定義について、相当議論が出てきたわけであります。これは国家公務員として仕事をやらすべきか、あるいは国家が雇うところの労務者として処置するか、あるいは地方の公務員にするかということの議論の分れた結果、ああいうふうな処置になりまして、それをごまかして使ったというふうにだけは取れない筋があるのであります。先ほどもお話し申し上げたように、戦前におきましても、大体公共事業費によってやっておるところの事業の役人は、ほんの少数だけがこれは官吏でありまして、あとは全部現場採用の労務者的に扱っておった。これがやはり先般の第三次吉田内閣当時における行政整理のときに、その思想がまた出てきた。その結果、従来公務員として取扱っておったものが労務者になった。これがいわゆる常勤労務者とか、常勤的非常勤労務者というふうなものになってきているのであります。しかしこれらの方は、実際上は公務員として処遇すべき実質と内容を備えてきておる実情からかんがみまして、先ほど申し上げたように、これは定員法改正によって処置したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  35. 白井勇

    白井政府委員 きょうは大蔵大臣参議院予算委員会に呼ばれまして当委員会に御出席できなくて、私がかわって参ったわけでありますが、ただいま足鹿委員のおっしゃいますことは、私も前に現場を担当したことがありまして、よくわかりますし、御趣旨の通りこれは考えなければならぬ筋合いのものだと思います。ただ私大蔵省に参りまして見ておりますと、省によりまして、本省と現場との関係におきまして、今足鹿先生の御心配されますようなことにつきまして、大蔵省が十分考えましても、また省の内部のやりくり等におきまして、私たちの趣旨に反しまして扱われておるというような例もあるやに私感じておりますし、御心配の点は、各省の御要求等を十分承わりまして、御心配のないように善処いたしたいと思います。
  36. 岡部史郎

    岡部政府委員 お答え申し上げます。ただいま建設大臣からお答え申し上げた趣旨に尽きるかと思いますが、一、二つけ加えて申し上げますと、定員法は、もとより行政整理とか首切りを目的とするのではございませんので、戦前は勅令で制定せられた官制にかわりまし、国家の最高機関としての国会の御審議経て法律で定めるという、公務員の数の定め方について民主的な定め方で、これはきわめて必要な法律であろうと存ずるのでありますが、要は、御指摘通り定員の定め方につきまして、一面におきましては、役人が多過ぎるという国民の非難もあることでございますので、建設大臣が仰せられた通り、必要最小限度の少数桁鋭をもってこれに当るという方針も堅持すると同時に、膨大化する行政事務を適当に、能率的に処理するために必要な要員も確保しなければならない。そのためには、この定員規模というものは適正に規制しまして、そうして国会の御審議を仰ぐということが一番大事なことであろうと存ずるのであります。それに関連いたしまして、行政事務は非常に多岐にわたるわけでありまして、御指摘の、ことに公共事業関係定員をどう確保するかということは、定員法をいかに適切に運営するかということについての非常に大きな問題で、私も御指摘、非常にありがたく存ずるのであります。こういうような公共事業の適正な定員をどうはじくかということ、これは御指摘のありました事業量にスライドするということも、根本的には一つの考え方であろうと思うのであります。それに対しまして建設大臣が、直接にスライドすることはどうかと仰せられたのは、まことにこれも適切なことでございますので、そういうような考え方で、いろいろ業務軍、それから時代の進展に応ずる処理能力、あるいは処理方式、そういうようなことを考えて、もっと適切な定員の定め方というものを、私どもはできるだけ力を入れて関係省と研究していきたいと思っているのでありまして、御指摘は非常にありがたく存ずる次第であります。
  37. 足鹿覺

    足鹿委員 もう一点だけ、質問の続きというよりも、きょうのお話ではどうも時間がありませんから、資料的にも御提出願いたいのでありますが、それは行政監察局が本年の四月に行われました職員調査の結果について、あとでもけっこうでありますが、資料として御発表願えるものがありますれば、願いたい。特に公務員の配置の問題であるとか、あるいは処置の適正化の問題というような点について、いろいろ御検討になったようであります。これは相当大きな将来の周航を取り扱っていく上において一つの素材を提供するものだと思いますし、大体行政管理庁自体は政府内部にあって、行政の能率を上げ、むだを排除し、これを合理化していくところにその趣旨があるのに、今まで聞いておりますと、何か慎重を期されるためにむしろ合理化にブレーキをかけておられるのではないかというような印象も受けます。これは私の聞き違いかもしれませんが、慎重は必要なことでありますが、少くとも能率を上げて現状に即応したような態度でいかれませんと、事実上はブレーキをかけたと同じようなそしりを受ける場合も私は出てくると思うのです。そういう点について、今日まで制度改正の問題と関連して——関連してということは、少くともきょうのこの委員会を通じて、定員法改正で来国会には踏み切っていく、その内容はこれからいろいろと御検討になるでしょうが、その点については、少くともこの不遇な立場にある人々を失望せしめないで、少くともその主務官庁が出したもの、たとえば建設省が一万八千二十人を要求しております。しかし実際の要求はこれよりもっと大きいのであります。これはただ単に建設省のみに限らぬと思います。そういう点においても、少くとも行政管理庁大蔵省、その関係官庁というものとが呼吸を合せて問題を処理されないと、非常に大きな問題になると思うのです。また非常に期待している人々に対して何らのものを与えないような結果になっておもしろくないと思います。そういう点については、本日の御答弁の趣旨を十分一つ生かされまして、少くともすみやかにこの定員法改正を通じて、現状に即応したこの臨時職員の問題について解決をされんことを、根本大臣を初め関係人々に強く要請いたしまして、私の質問を終わります。     —————————————
  38. 薩摩雄次

    薩摩委員長 あと大臣河川局長に、井谷さんから簡単に御質問があるそうです。
  39. 井谷正吉

    ○井谷委員 大臣は先般四国へ参られまして、鹿野川のダムを御視察になったと思うのですが、ここに起きました問題について、一つお願いを申し上げたいと思うのです。というのは、ごらんになりました通り、あそこにあります河成という小学校の前に、鉄橋が三本かかる。それでこの作業を始めると学校の授業ができなくなるだろうということで、夏休みの間に橋のかかるように校長が相談して、それは夏休み中にやるという約束ができていたのが、夏季休暇が終って翌日ごろから架橋が始まった。この雑音のために授業ができない。それから校庭が作業のいろいろな機具、機械の置場になる、トロッコが走るというような工合で、晴天でも生徒は廊下で遊んでいるというような状態を続けてきたわけです。しかし地元としては、こうした公共の大きな事業でありますから御協力をする、こういうことでやってきたのでありますが、たまたま秋になりますと各学校の生徒、職員あるいはPTA、そういうものの唯一の楽しみにしている運動会ができない、あるいはそれに対するけいこもしていないというようなことであります。それで、同じ村内でありますけれども、他の学校の見学とやらしていたわけです。それで今の鉄橋架設中におきましても、あるいはその他の作業の面においても、その雑音のためにつんぼになって入院していた女の教員もある。従って、生徒はほとんど勉強していない。そこで、これは来年の進学に関係をするということも心配しておる。先般村内の他の学校の運動会の見学をさしていただいたところ、やはり子供としては一緒にやりたい。それで簡単なものをやらしたところが、けいこをしていないから、けいこをしておる生徒とまざってやったために、骨折と、それから軽い擦過傷でございましょうが、約十七名の負傷者を出しておるというような問題が今起きておるのであります。そこで私これを考えますのに、この埋没地帯の土地の接収あるいは家屋の立ちのきということについては、これは県がやったのか建設省の方かわかりませんけれども、その買収の価額以外に、協力慰謝料というようなものを相当出しておるのであります。学校がこういう協力をし、さらにそういう犠牲を出し、あるいは病人、けが人を出しておる。こういうことに対して、私はやはり何かここに一つの善処をしていただきたいということをお願いする次第でありますが、お考えのほどを承わりたいと思います。
  40. 根本龍太郎

    根本国務大臣 この問題は、実はきょう事務当局から初めて聞いたのでございまして、大へん気の毒だと思っています。学校と、そういうふうな公共の施設のあるところで協力してもらうということは、われわれとしては非常に感謝しておる次第でありますが、それが、請負業者の方でどういう手順か存じませんけれども、せっかく協定しておるにもかかわらず、夏休み中にやらないで、その後にやられた。そのために起った事態については、まことに同情にたえません。しかし政府が直ちにこれを、直接医療費とか補償費を出すことは困難でありますので、河川局長にその点の善処方の指導を命じておきました。これは何か請負業者において、手順その他が違ったためにそういうことになったとも思われますので、請負業者において適当にそういうふうな御迷惑をかけたところについては善処させる、また善処をすることができるというようにも聞いておりますから、そのようなことで、円満にそうした損害を受けた人々についての措置を講じたいと考えておる次第であります。
  41. 山本三郎

    ○山本説明員 ただいま大臣が御答弁申し上げた通りでございますが、先般の委員会で、先生からやはりその点につきましての御質問があったのでございますけれども、その後直ちに現地の方と連絡いたしましたところ、やはり休み中に橋の工事をやるという約束をしておったらしいのでございます。それがおくれたという事実は確かなようでございます。従いまして、その点について学校教育等に対しまして御迷惑をかけておるという事実があるわけでございますが、その点につきまして、直ちにそれを金に算定いたしまして国が補償するというような点については非常に困難な事情がございますので、その迷惑をかけたのがどういう事情であるかという点が根本でございますが、その点につきましては請負業者におきましても責任を感じておるらしく、学校と直接その点について交渉をしておるというふうに報告しておりますので、近く解決が得られるのではないかというふうに思っております。
  42. 井谷正吉

    ○井谷委員 一昨日学校の校長、PTAの会長、そういうものから書面が参りまして、何とか一つ善処をしていただきたいといってきております。これは何もそう開き直るわけでまございませんので、お含みの上、よろしくお取り計らいを願いたいと思います。
  43. 薩摩雄次

    薩摩委員長 本日の委員会はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、散会いたします。     午後零時七分散会