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山本(利)
委員 時間がございませんから、最後に一つお尋ねし、かつお願いしたいのでございますが、
総理は常に青少年に向って強い呼びかけをしておられます。一国が、国としてあるいは民族として栄えていくのには、確かに青少年をつちかっていかなければならぬと思うのでございますけれ
ども、終戦後
日本の青少年のあり方というものについては、これは青少年そのものの
責任ではなくて、われわれ大人の
責任であると
考えますけれ
ども、非常に残念な点が多いと
考えるのであります。この中で一つ最近の問題としては、全学連あたりが
ソ連から文化人を招待しようとする問題があってこれについて強い要求を出しておる。
政府はこれを拒否しておられるようでございますけれ
ども、こういう問題については、私は、海外から人を招くとかいう場合には、事前に外務省とよく打ち合せの結果行動に入るように、指導が必要であると
考えるものであります。そうでなければ、
ソ連ともせっかく国交を回復し、あるいは文化
協定を結んで今後親善
関係を持とうとする——われわれは決して共産主義者になろうとするものではないけれ
ども、彼らに学ぶべきものは学んでいこうという大きな度量がなければならぬ。それはもう当りまえのことでございますけれ
ども、その点について、ことにその入って来ようとする者を
政府がいやがって、おそれて入れないのだという感じを与えたのでは、私は若い者が納得しないと
考えるのでありますから、これは全学連が
支持しておるからいけないのだという、そのことでなしに、全学連の悪いところは悪いところとして指導し、また今
日本は外貨に困っておるときでもございますから、もしその招聘の時期でないとか、招聘される者が今の
日本の社会において必要がないとかいう、はっきりしただれが聞いてもなるほど今その必要はないと思うような理屈をつけて発表しなければ、とかく言いのがれのように思われがちだと私は思うのでございます。この問題は今追及しようとするのではございませんが、私はドイツあたりに行ってみて、西ドイツあたりは国
会議事堂にちゃんと国旗を飾っておる。もし今、
日本の国
会議事堂に
日本の国旗を飾ろうと言ったら、ある方面の人々は反動だと言って騒ぎ立てるであろうと
考える。あるいはまた英国あたりに行ってみると、古式ゆかしいところのいろいろな伝統に基く儀式もやっておりますけれ
ども、
日本では君が代を歌うことさえも、あれこれと議論するような時代になっておるのでございますが、これは青少年の身体を養うてやるとともに、われわれはやはりたよりある
国民として、文化国家の
国民として、育てていかなければならぬのでございますから、今われわれは
日本国民であるというその観念を植えつけるために、歴史の教育ということも必要でございましょう。また議論はずいぶんありますけれ
ども、紀元節であるとかあるいはまた修身科の復活というようなことが、これは
反対の議論も学者によって堂々と述べられております。それを読んでみると、なるほどそういう点もあるということをわれわれも
考える。けれ
ども紀元節一つ設けたからといって、
日本の
国民がぱっと一緒になるものでもなく、修身科を復活さしたからといって、若い者の道徳心が一度に上るものではないけれ
ども、私はそれも一助にはなると
考えるものでございます。ただ青少年よ、しっかりしてくれ、立ち上れという声だけではなしに、わが
政府としては青少年に対してそれを育成する方法をいろいろ
考えるべきことであろう、
考えていただきたい、われわれもまた
考えるべきであると
考えるものでございますが、この点に対する
総理の御
所見を承わって、私の
質問を終りたいと存じます。