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1957-11-06 第27回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年十一月六日(水曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 菅野和太郎君    理事 赤澤 正道君 理事 有田 喜一君    理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君    理事 前田 正男君 理事 岡  良一君    理事 志村 茂治君       秋田 大助君    小平 久雄君       須磨彌吉郎君    平野 三郎君       南  好雄君    山口 好一君       石野 久男君    佐々木良作君       滝井 義高君    堂森 芳夫君       原   茂君    松前 重義君  出席政府委員         科学技術政務次         官       吉田 萬次君         総理府事務官         (科学技術庁         長官官房長)  原田  久君  委員外出席者         原子力委員   藤岡 由夫君         科学技術庁事務         次官      篠原  登君         総理府技官         (科学技術庁原         子力局次長)  法貴 四郎君         通商産業技官         (工業技術院地         質調査所鉱床部         鉱石課長)   高畠  彰君         参  考  人         (日本原子力研         究所理事長) 嵯峨根遼吉君         参  考  人         (原子燃料公社         理事長)    高橋幸三郎君     ————————————— 十一月六日  委員田中武夫辞任につき、その補欠として堂  森芳夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員堂森芳夫辞任につき、その補欠として田  中武夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十一月一日  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、  放射線医学総合研究所設置に関し承認を求め  るの件(内閣提出承認第一号)(予)  原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(  岡良一君外八名提出、第二十六回国会衆法第四  七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  小委員及び小委員長選任に関する件  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、  放射線医学総合研究所設置に関し承認を求め  るの件(内閣提出承認第一号(予)  科学技術振興対策に関する件(原子力行政一  般)     —————————————
  2. 菅野和太郎

    菅野委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず、去る一日、本委員会に予備付託されました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所設置に関し承認を求めるの件を議題とし、政府より提案理由説明を求めます。篠原事務次官
  3. 篠原登

    篠原説明員 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基きまして、放射線医学総合研究所設置に関し国会承認を求めるの件について、その趣旨を御説明申し上げます。  放射線医学総合研究所は、原子力平和利用に伴う放射線障害防止対策の一環といたしまして、放射線障害予防診断治療及び放射線医学的利用に関する調査研究並びに関係技術者養成訓練を行うことを任務といたしまして、本年七月一日科学技術庁に設けられました付属機関でありまして、今後三カ年の間にその整備がはかられることになっております。  本研究所設置場所につきましては、茨城県那珂郡東海村の国有地約六万一千坪を建設用地に充てることとし、去る五月十八日御承認を得たのでありますが、その後、原子燃料公社の敷地の入手が困難なため、約三万坪を同公社に割愛し、さらに同公社が将来の拡張計画を考慮いたしまして本研究所建設用地全面的使用を要望していること、また建設用地原子燃料公社及び日本原子力研究所に近接する関係上、建設用地におきまする空気中の放射性物質濃度は、人体の許容量以下ではございますが、本研究所研究業務遂行のために重大な支障を及ぼすおそれのあることが判明したこと等の情勢の変化によりまして、東海村以外の場所建設用地を求める必要が生じたのであります。  右の事情から、設置場所につきまして新たに検討いたしました結果、千葉千葉市の国有地約二万坪を本研究所建設用地に充てることといたしました。同地は、本研究所業務、土地の立地条件建設費用その他から、設置場所として適当と思われますので、国家行政組織法第八条第二項の規定により適用される地方自治法第百五十六条第六項の規定に基きまして、国会の御承認を仰ぎたいと存ずる次第であります。  以上が本件の趣旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 菅野和太郎

    菅野委員長 以上をもちまして、府府の説明は終了いたしました。     —————————————
  5. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、科学技術振興対策に関する件について、調査を進めます。  この際、参考人決定につきましてお諮りいたします。すなわち、本日の議事に関しまして、高橋原子燃料公社理事長及び嵯峨根原子力研究所理事長参考人といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 菅野和太郎

    菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 菅野和太郎

    菅野委員長 それでは、通告順に従いまして、質疑を許します。齋藤憲三君。
  8. 齋藤憲三

    齋藤委員 最近の科学技術世界的進歩は、まことに目まぐるしいものがございまして、人工衛星の打ち上げ成功に伴って、世界は大きく、科学技術進歩に伴って、変貌を遂げつつあるといわれておるのであります。新聞紙は、人類社会生活範囲が宇宙にまで進展したという構想のもとに、いろいろな記事を掲げておるので、この際、わが国といたしましても、この態勢に即応するため、科学技術拡充振興に対しては、十分の措置を講ずる必要があると思うのであります。本臨時国会におきましても、特別委員会は、この態勢に即応するの見地から、いろいろなわが国科学技術あり方について論議を重ねていく必要があると思うのでありますが、それにいたしましても、残念なことは、担当国務大臣正力長官が、病気のため入院加療中であると承わっておるのであります。責任の地位にあられる大臣が本委員会出席せられるとせられないとでは、おのずから委員会における論議のウエートも相当に違ってくると私は思う。が、しかし、これは病気のために静養しておられるのでありますから、いたし方ないといたしましても、果してこの会期中に出席をせられる見込みであるか、どういう病状にあられるのであるか、一応それを承わって、われわれの心組みを定めたいと思うのであります。どうか一つその点を御説明願いたい。
  9. 篠原登

    篠原説明員 ただいま齋藤先生からお話がありました通りでございまして、正力大臣がこの臨時国会に御出席できない状況になりましたことは、まことに残念でございます。東大病院にずっと入院をいたしておりまして、経過は順調でございますが、何せ相当お年を召しておられますので、主治医も非常に心配をしておられまして、できるだけ静養されるように御指示がございまして、目下入院加療中でございます。経過が順調でございますので、多分本臨時国会会期末には御出席が可能かと存じます。従いまして、もし正力大臣に御質疑等の点がございますならば、その機会大臣より直接御答弁いただきましたら、大へんいいのじゃなかろうかと考えております。かよう事情でございますので、当分の間ごかんべんいただきまして、会期末にそのよう機会が来ることをわれわれは非常に希望しておる次第でございます。
  10. 齋藤憲三

    齋藤委員 私のこれから御質問を申し上げようとすることは、当然国務大臣からの御答弁をお願いいたさなければならない点にも多々触れると思うのでありますが、もしも、政府当局におかれまして、事務当局あるいは関係各位において御答弁賜われるものは御即答願い、大臣の御意向を承わって答弁をする必要があると認められるものは、大臣とよく御相談の上御答弁賜わるか、あるいは会期末に大臣出席の見通しがはっきりいたしましたならば、そのときにあらためて御答弁をいただきたい、かように考えるものであります。  まず第一にお伺いいたしたいのは、先ほども申し述べました国際的な科学技術進展に伴うわが国科学技術体制確立という点から、昭和三十三年度における科学技術政策概要、一体どういうことを科学技術庁は考えておられるか、それをいかなる形によって予算に盛らんとしておられるのか、それを一つ簡単に御説明願いたい。
  11. 篠原登

    篠原説明員 ただいまの齋藤先生の御質疑に関しまして、重要政策につきましては、先ほどお話がありました通り正力国務大臣会期末に御出席いただきまして御答弁になることと存じますが、私は専務当局の一員といたしまして、事務当局として来年度の、すなわち三十三年度施策概要につきまして、関係方面と打ち合せておることにつきまして、簡単に御答弁を申し上げたいと存じます。  言うまでもなく、原子力あるいはオートメーション、最近では人工衛星等の諸問題が起りまして、世界技術革新に突入したのでございまして、この技術革新によりまして、経済基盤確立あるいは輸出振興、雇用の拡大、生活水準の向上がその目標でございますが、わが国世界先進諸国に拮抗いたしまして、経済飛躍的発展を期するには、科学技術振興による産業構造整備とその革新に待つところが非常に大きいことは言うまでもございません。戦後急速な復興を見たと申しましても、経済界自主的協力にまだ欠けているところが多いのでございまして、わが国が戦前戦後の技術的の空白を克服いたしまして先進国に伍するためには、政府みずからが解決し、推進しなければならない分野が、科学技術面において非常に多いのでございます。従いまして、科学技術庁は、このような要請にこたえるために、昭和三十三年度におきましては、次に掲げます点につきまして、広く科学技術振興のために諸施策を展開しようとしておるのでございます。  まず第一が、科学技術長期計画策定でございます。この長期計画策定に関しましては、国会の方からもいろいろ御要望がございまして、本年度におきまして長期計画策定のための準備態勢確立いたしまして、続いてその方法論部門別問題点振興方策等につきまして調査検討し、これを取りまとめ、当面の結論を作成し、公表することにいたしております。しかしながら、その後におきましても、継続的に科学技術の年々歳々の進歩に適応した長期計画検討策定、基本的な政策企画立案等事務を行いたいと思います。従いまして、当庁におきましては、たとえば計画局よう機能を持つ機構を作っていきたい、かように考えておる次第でございます。  第二の試験研究推進でございますが、これに関しましては、試験研究機関整備研究員の充実をはかりまして、各分野における試験研究を均衡的に推進し、さらに多数部門にわたります共通的の試験研究を充実することによりまして、その総合的の効果を発揮いたしたいと存じております。  当庁に関します二、三の点を申し上げますれば、たとえば、航空技術研究所整備でございますが、これは三十三年度は六カ年計画の第四年目に当りまして、遷音速風洞を初めとして、原動機研究施設機体研究施設等主要施設整備をはかりたいと存じております。  また、金属材料技術研究所につきましては、三十三年度は五カ年計画の第三年目に当りますので、溶解圧延設備、それから材料試験設備等主要施設整備をはかりたいと存じております。  なお、電子技術振興に関しましては、エレクトロニクスの最近の飛躍的進歩に即応するために、総合的に推進するために、たとえば電子技術審議会ようなものを創設いたしまして、各省庁エレクトロニクス振興に資したいと存じておる次第でございます。  また、株式会社の科学研究所整備につきましては、その研究機能強化をはかりまして、その運営の根本的の改善を期するために、引き続き政府の出資を増額して、根本的な施策を講じていきたいということを目下検討中でございます。  それから、研究促進調整費というものを新設いたしたいと考えております。これは昨年度もこういう計画を作っておったのですが、不幸にして実現を見ずにおるのでありますけれども、国立試験研究機関試験研究の均衡的な推進を確保するとともに、それらの各機関研究の共同的な推進をはかるために、このよう研究促進調整費というものを創設いたしたいと存じております。  また、褒賞制度確立につきましては、これは、今までの褒賞制度科学技術以外の面に主として実施されております点にかんがみまして、科学技術振興の功績顕著な者を国家的に顕彰し、あるいは一時金を交付するというような点につきまして、褒賞制度確立について、目下検討を加えておるところでございます。  第三に、試験研究成果を活用並びに推進する件につきましては、昨年も計画を作って参ったのでございますが、新技術開発機関というものを創設いたしまして、優秀な研究成果であるが、新技術に伴う危険性のためになかなか企業化されないものにつきまして、この機関開発していこうということにつきまして、昨年以来検討をいたしておりまして、本年度におきまして、調査団組織して外国の模様を調査して参りましたので、それに基きまして、このよう機関を創設いたしたい、かように考えておる次第でございます。  第四は、調査及び情報活動強化でございます。これはこの前の国会で御承認をいただきまして、日本科学技術情報センターというものを設立することになったのでございますが、整備計画三カ年の第二年目に来年度は当りますので、さらに強化いたしまして、内外の科学技術情報の収集、整理、保管等の事業をさらに一そう推進せしめるために、いろいろ検討しておる次第でございます。  なお、これに伴いまして、アタッシェの増強ということが、どうしても考えなければならない問題でございますので、五名の科学技術アタッシェを新しく派遣をする、たとえば国連本部、エカフェ、フランス、ソ連その他適当なところアタッシェを派遣することにいたしたいと存じております。  第五に、資源総合的利用に関する調査でございますが、当面する資源問題につきましては、特定課題に関しまして、技術的、経済的観点におきまして、高度利用方策を充実するための調査を行うほか、資源全般の問題につきまして、国内資源海外資源との関連において総心的かつ構造的に分析把握いたしまして、その利用方策を充実するために、三カ年計画で強力な調査を行うことにいたしたいと存じております。  第六といたしましては、国際技術協力推進でございます。最近、この問題は各方面において相当強力に考えられておるのでございますが、たとえば東南アジア、中南米、中近東との国際技術協力につきまして、各国別部門別に、経済構造技術分析状況調査いたしまして、協力態勢検討し、そうして国際技術協力計画を作成して、民間コンサルタント業務海外進出あっせん等を行いまして、また各省事務連絡調整を行うことによりまして、国際技術協力推進いたしたい、かように考えておる次第でございます。  第七は、科学技術教育強化でございますが、科学技術進歩に伴いまして、各産業分野における科学技術者需要供給関係調査いたしまして、これを文部省その他の関係方面と打ち合せまして、科学技術教育拡充強化に資したいと思っております。  第八は、原子力平和利用推進でございますが、藤岡先生もいらっしゃいますので簡単に申し上げますと、第一は日本原子力研究所整備拡充でございます。これはCP5原子炉整備並びに国産原子炉設計製作推進いたしまして、同時に動力試験炉の輸入を行いたい。そして、アイソトープ並びにアイソトープ原子炉整備原子炉学校開設等を行いたいと存じております。  また、原子燃料公社におきましても、高橋理事長がお見えになっておりますから簡単に申しますと、核原料物質の探鉱を積極化するとともに、鉱石買い上げ等により、燃料資源開発をはかり、また精錬工場を設けて、核燃料資源生産を開始する予定でございます。  なお、原子力平和利用のための試験研究につきましては、国立試験研究機関における研究を促進せしめ、民間企業試験研究を助成する。また基礎的の研究については委託方式を行うこと、これは従来通りさらに強化をしていきたいと存じております。  また、放射線医学総合研究所につきましては、先ほど設置場所の問題につきましていろいろ御審議をいただくことに御決定になった次第でございますけれども、人員の拡充あるいは研究体制確立放射線障害に関する技術的の諸問題の解明並びに予防対策等を強力に推進することにつきまして、目下検討中でございます。  以上で私の御説明は終ります。
  12. 齋藤憲三

    齋藤委員 ただいまの御説明によりまして、大体三十三年度における科学技術庁の考えておりまする施策の大要を了解いたしたのでございますが、その中で二、三特にお伺いいたしておきたいのは、今日の科学技術進歩はもちろん原子力平和利用先端といたしまして、御説明のございました通りエレクトロニクスオートメーション世界である。しかも、これが総合的に利用されるところに近代の科学技術の高度の水準がある、さように存ずるのであります。電子工業振興に対する行政措置としては、今日のごとき科学技術庁内部構造が非常に弱体であると私は考えるのでございますが、一方原子力局があってその下に原子力研究所があり、原子燃料公社があり、放射線医学総合研究所がある。そういう体制に即応する行政措置としては、どうしても科学技術庁の中に電子工業に関する局を設ける必要がある。そして、広範囲にわたる電子工業電子工学分野に対する行政統一推進力を加える必要があると私は考えておるのでありますが、この点に関しまして、政府当局はいかなる構想をお持ちであるか、御説明願いたい。
  13. 篠原登

    篠原説明員 原子力エレクトロニクスが最近の科学技術の最先端であり、これがすべての科学技術振興のもととなることは御趣旨通りでございまして、科学技術庁といたしましても、従来各省庁にまたがる電子技術につきましては、それらの連絡調整を行なっておりますが、現在のところ、お説の通り、まことにその方面事務組織が貧弱でございまして、これによりましては十分な連絡調整を行う総合的な施策を作ることが困難かと存じます。従いまして、局を設けることにつきましては、いろいろ各省庁の御意見もございますので、直ちに局ということになるかどうかはわかりませんけれども、せめて課くらいは作りたい。そしてエレクトロニクスの強力な総合体制を樹立していきたいと考えておるわけでございますが、これ以上の問題につきましては、事務当局といたしましてちょっと申し上げかねますので、局につきましては、また長官見えのときに、あらためて御審議をいただきますれば幸いだと存じます。
  14. 齋藤憲三

    齋藤委員 最終的な御答弁長官の御出席を待って伺いたいと思うのでありますが、ただこういう質問が本日の委員会で行われたということを、長官に伝達をせられるために、一応つけ加えて申し上げておきたいと思いますのは、人工衛星が打ち上げられたといっても、人工衛星というものの内部はほとんどエレクトロニクスだ、さように私は考えておるのであります。人工衛星が打ち上げられると、直ちに原子力の問題に直結させて世間の人は往々に考えがちでありますが、人工衛星の実体というものはエレクトロニクスである。内部から発せられるところのすべての情報というものは、全部電波によってわれわれの手元に届くというような点から考えますと、エレクトロニクス分野というものは、今日の世界科学の上において非常に大きな範囲を占めておる。いわゆるエレクトロニクス進行状況いかんによって、その国の国力決定すると言うても過言でない、私はさように考えておるのであります。従って、科学技術庁設置目的、すなわち日本のすべての科学技術に対する統一ある総合的な行政措置を講ずるということ、そういう本来の目的から考えますと、日本及び世界における一番先端を切って、しかもわれわれの生活に一番大きな影響を与える電子工業というものに対する行政措置が非常に弱体であるということは、日本国力を伸張する上に非常な欠陥があるということになる。ただいまの御説明では、企画局を作るというような御構想であるけれども、その企画局を作るということより以上に、電子工業の全般的な行政統一総合の力を日本が持つということが先決問題じゃないか、こう私は思うのです。それでありますから、特に要求いたしたいことは、この際、科学技術庁機構拡充ということは、科学技術庁設置を見ましたときの当委員会附帯決議にもあるわけでありますから、この際科学技術庁内部を充実し、日本科学技術振興世界水準に追いつける第一の手段といたしまして、どうしてもこれはエレクトロニクスに関する局制を設けられまして、科学技術庁内部一つ充実していただきたい、さように考えておるものであります。この点も大臣によく御伝達願いまして、電子局と申しますか、電子工業局と申しますか、あるいは電子工学局というか、とにかくエレクトロニクスに関する局を一つ設置して、科学技術庁内部を充実し、日本科学技術進展のために寄与せられるよう一つお取り計らいを願いたいと思うのであります。  それにつきまして、もう一点関連的にお伺いいたして御回答をお願いいたしたいのでありますが、とにかく、今日は、あらゆる問題を超越いたしまして、もう科学技術進歩によってその国力が評定せられるようになってきた。一発の人工衛星が打ち上げられ、第二発目が今度は動物を乗せて打ち上げられ、それが成功裏に地球の上を回転するということによって、世界各国が非常な動揺を来たしておる。特に本日の新聞等を見ますと、アメリカにおいても特別国会を開き、この人工衛星進歩におくれざる体制を整えるためにあらゆる施策を講ずるということを報ぜられておる。また英国の最高科学陣営アメリカに送って、共同的な体制のもとに英米ソ連に劣らざる科学技術進歩体制確立ようとしておる。そういう体制に即応する日本科学体制というものは、一体行政的に考えると、科学技術庁などというちっぽけな行政組織で行えるものではないと思う。それをやろうということが、今日の大勢から見ると、私は非常に無理だと考えておるのであります。先ほどからるる申し述べられた科学技術振興に対するところの諸施策も、それは形だけにおいては整うかもしれぬけれども、その内容を検討して参りますと、はなはだ世界情勢から見ると貧弱そのものであるということは、これは論を待たないことであろうと私は思う。そこで、われわれといたしましても、でき得べくんば、科学技術庁機構改革というものは、これは大乗的に見て科学技術竹という大きな組織に持っていってそうして日本科学技術統一総合効力発生基盤をこの際確立すべきものではないか、さように考えておるのでありますが、これに対するところ政府当局の考え方は一体どうか。もちろんこれは御答弁が願えるならば御即答を願いたいと思いますが、そうでなければ、大臣と打ち合せて一つ答弁願いたいと思います。
  15. 吉田萬次

    吉田政府委員 ただいまの御質問は、ごもっともと存じます。われわれも、さような方向に向うということに対して異論もありませんし、また努力しなければならぬという覚悟を持っておりますが、御承知の通り、省になるということにつきましては、現在、今までのあり方というものについて相当検討もしなければならぬと思いまするし、セクショナリズムと言っては語弊があるかもしれませんが、それぞれの省におけるところの部面もありましょうし、かような点を勘案いたしまして、私は急速にこの問題をきめるということはどうかと思いまするし、最善の努力を払いまして、この実現に達するようにしたいという考えを持っております。
  16. 齋藤憲三

    齋藤委員 嵯峨根参考人にもおいでを願ったのでありますが、十二時までの約束だということですから、念のために御質問を申し上げておきますが、いろいろしろうとながら欧米の原子力平和利用の実態を調査いたしますと、なかなか各方面に対して急速な進歩をとげております。特に欧州におけるユーラトムの体制、あるいはアメリカの状態、結局は将来日本も、原子力平和利用の大きな観点から考えますると、自主的にこれを推進していくには、どうしても燃料の確保ということが大きなウエートを占めている。それを東南アジア的に考えますと、果してウラニウムというものに大きな希望をつなげるかどうかということは、まだ未知数であります。ただ今日までいろいろな専門家の調査によりますると、東南アジアにおいては、トリウムの存在というものは相当希望が持てる。そこで、このトリウムを中心とした原子力の発達ということが一応東南アジアの全般及び日本としては考えられるのじゃないか、私はさように考えるのですが、そういう意味から、原子力研究所におけるいわゆる重点的な研究目標、それは原子力のベーシック・ローに基いて、自主的に、日本の力において日本の将来を打開するという立場から、こういうように東南アジアそれ自体で将来をまかなえるところ資源を前提として、重点研究目標というものを打ち立てる必要があるのではないか、さように考えておるのでありますが、この点に関しまして、原子力研究所は今いかなる措置を講じておるか、それを一つお伺いしておきます。
  17. 嵯峨根遼吉

    ○嵯峨根参考人 今の御質問に対して二つの面から御答弁したいと思います。第一は、原子力研究所においては、世界情勢を十分調査すべきだ、どういう研究体制に持っていくかということをきめるには、世界がおのおのの国に即した研究体制をとっている、その理由は何かということも十分に調べるということが、一つの任務になっております。はなはだ弱体ながら現在のところ、われわれのしておりますところでは、まず燃料につきましては、国内の方は燃料公社及び国外についても燃料公社の方が十分に調べておりますが、われわれの方の調べておりますところによりますと、東南アジアに出るというのと、大量に経済的に出るというのとは別問題である。そういう意味で、東南アジアのウランについては、必ずしも楽観を許さないというよう情勢をわれわれはまだ見てとっております。それは、要するに、まだ日本と同じように探査が十分に行われていないということにほかならないようにも思われます。それに反して、トリウムについては、すでに相当の埋蔵量があって、脈があるということは周知の事実でございます。日本においても、トリウムについてはかなりの産出があるということもよくわかっております。そういう意味において上原子力研究所といたしましては、トリウムを使ういわゆる均質炉についての関心が非常に高い。そのために増殖炉についての計画のうちで、まつ先に均質炉についての準備を始めております。均質炉といいますと、すぐに均質炉を作るかというような御質問があるかと思いますが、われわれのような商売の人間には、それには一応それをつちかう基礎的な研究も十分に各方面でやらなくちゃならない。機械工学、化学工学その他開発方面、それぞれの部面を十分に勉強する。一緒に均質炉自体についての最初のテストをすでに始めているわけでありまして問題はむしろいつごろまでにどの程度に落ちつくかということについて、原子力委員会の長期計画にうまく合せるようにというところに努力している次第であります。また、本来ならば、均質炉と高速中性子炉とどちらに先に重点を置くべきかということについては、多分に議論があるにかかわらず、われわれは日本のトリウムということを重視すると一緒に、特に危険性の点において安全だという点を重んじまして、多分に独断的ではあったのでありますが、均質炉をまず先に取り上げるという態度を一応今とっております。しかし、ごく近い将来に、並行的に高速中性子炉をやるという覚悟をしておりますので、はっきりめどがつくまでは、両面作戦でいくより仕方がないという覚悟をしております。御質問の点については、十分にわれわれは考慮しているつもりでございます。
  18. 齋藤憲三

    齋藤委員 ただいま御説明がございました通り日本原子力研究所においても、トリウムを中心とする将来の自主的な原子力平和利用開発に対して研究を開始せられておる。私は、今日問題になっておりますところのいろいろな試験炉の購入あるいは発電炉の購入、それも要するに日本の自主的態勢確立するための必要性から迫られておる部面が非常にたくさんあると考えておるのでありましてぜひとも東南アジアに豊富に現存するということが確認されておりますトリウムを主体としての原子力平和利用という面について十分な研究措置を講じていただきたいと念願しておるのであります。この点に関しまして、原子力委員会においては、どうお考えになっておりますか、一応御説明願いたいと思います。
  19. 藤岡由夫

    藤岡説明員 御趣旨は全く同感でございます。各国の原子力政策を見ますと、自分の国の資源状況技術水準、そういうふうなものをもとにいたしまして、みな計画を立てておるようでございましてある炉が、世界共通に、どこにいってもこれが一番いいんだということは、このごろはあまり言えないように思うのであります。この国にはこの型の炉が適切である、そういう言い方をする方が、むしろ適切ではないかと考えております。従って、日本といたしましては、日本に最も適するような炉を開発していくのが当然なんでありますが、これについては、ただいまお話のありましたトリウムというようなものは、十分重点的に考えるべきであると思います。日本原子力研究は、最初から重水ということにかなり重きを置いて参りましたけれども、だんだん情勢が変って参りますと、必ずしも重水の製造ということを日本で今直ちに始めるべきかどうかということは、若干問題があります。しかし、重水は日本では相当な可能性がありますので、重水とトリウムとを組み合せました、ただいま嵯峨根参考人お話のトリウムの均質炉であるとか、そういうふうなものは将来日本が独特に発展させるべき型として力を入れてよいものではないかと、現在の段階においては考えております。いずれにいたしましても、日本情勢ということないし日本から近い東南アジア、そういうところ開発利用し得るよう資源、そういうふうなものを十分に考え、またそういう諸国との友好関係ということも十分に考えながら、日本計画ということを進めていきたいと考えて、おります。
  20. 齋藤憲三

    齋藤委員 原子炉の将来は、無限大の進歩過程を予定できるのでございましょうが、大体通念といたしましては、今日の段階はさらに増殖炉の世界に入るということが一般に考えられておる。今回取り上げられました人工衛星にいたしましても、一九五五年にアメリカは、大統領声明として、一九五七年の七月から一九五八年の十二月までに十二発上げるという声明があった。ソ連もこれに引き続いて、一九五五年に、やはり一九五七年に人工衛星を打ち上げるのだという声明を出した。世界はこの二つの声明が、どちらが早く実現するかという興味を持っていたのでありますが、すべて研究にはそういう目標を定めるということが、私は非常に大切なのではないかと考えております。日本におきまして、この増殖炉の実現というものを一体どのくらいのめどに置いて、研究体制を今整えておられますか。それを一つ説明願いたい。
  21. 藤岡由夫

    藤岡説明員 研究を進めますには、ある目的を持った研究という場合には目標をはっきり定めて、これに向って集中的に研究を進めていくというのが最も適切な手段であるということは、お説の通りでございます。そこで、日本では大体原子炉研究についての方針を三つの線に分けて、おもな流れを考えたいと考えております。第一は、いろいろの炉についての建設を進めて参りますために、基礎的な研究をするために、必要な道具としての炉であります。たとえば材料試験炉でありますとか、工学試験炉でありますとか、そういうふうな炉を順々に進めていきたい、これがこの次に建設いたしますところのCP5型でありますとか、さらに材料試験炉、工学試験炉というふうなものを建設して、そうして将来の動力炉その他の建設のための試験ということを進めていくようにしたいのであります。それから第二は、日本独自の研究、独自の技術をもちまして、日本につちかっていくよう研究であります。そうして、将来外国に早く追いつく、ないしはこれを追い越すことも考えなければならない。これはいろいろなものを手広くやっておっては、とうてい集中的にやることに及びませんので、できるだけ集中的に処理していきたい。お説の通り、将来は増殖炉というものを必ず目がけなければならないのでありますけれども、しかし、いきなり——つまり小学生がいきなり大学へ入学するというわけにもいかない。中学校、高等学校というのをできるだけ近道をして、能率よく進んでいくということが必要でありますけれども、やはりある程度の段階は経て、日本科学技術というものを積み重ねていかなければいけない。そういう意味におきまして、まず日本の、自分たちの力をたくわえると申しますか、つちかうという意味において最初に作ろうとしておりますのは、日産一号炉という炉であります。これは御承知のように濃縮ウランと天然ウランと両方使いますが、三十四年度ごろに完成するわけであります。これによって相当の科学的な力が日本につくことを予想いたしまして、さらにその研究を進めて、日本独特の研究というものを進めていきたいと考えます。その次に作ります国産二号炉、これは熱中性子の増殖炉を予定いたしております。その次に国産三号炉といたしまして、高速中性子の増殖炉を予定いたしております。現在のところ増殖炉といたしましては、各国においては高速中性子の炉の方に力が入れられているように思うのでありますけれども、先ほどからのお話通り日本情勢というものを考えまして、まず熱中性子のトリウムを使いますブリーダーを国産一号炉の次にやりたい。そのために、先ほど嵯峨根原子力研究所理事長の御説切にもありました通り、そのために必要なところのいろいろな物理的研究、また化学的研究、そういうふうなものを三十三年度から始めます。これに関しますクリティカル・アッセンブリーというようなものを、三十三年度から計画をいたす予定にいたしております。そうしてこれの大体完成いたしますのは、昭和三十八年度に目標をおいております。それから、高速中性子、これも大体その翌年、三十九年度くらいには完成するようにいたしたい。これはいずれも最初の炉、試験的な意味の炉でございまして、大きな電気出力を期待するわけではないのであります。その次の国産四号炉あたりに至りまして、将来の増殖発電炉というものの実用規模のものを進めていきたい。これは大体昭和三十九年以後くらいにならざるを得ないだろう、こういうふうに考えております。
  22. 齋藤憲三

    齋藤委員 ただいまの御説明によりまして、重点的に、将来の原子力発電、その他に関する研究目標を定める。最初の試験的な増殖炉は、昭和三十八年の目標ということで、大体私も了承いたすものでございますが、申すまでもなく、ボンベイあるいはデトロイト等においては、二、三年ならずして増殖炉の完成をみるという態勢にありますので、この際その目標よりは、おくれることはなく、早まるよう一つ重点的な研究態勢を整えて、実現に向っていただきたいと思うのであります。  嵯峨根原子力研究所理事長も、もう時間でございますので、参考のためにお伺いいたしておきたいと思うのでございます。これはこの席でお伺いすることは果して適当であるかどうか私はわかりませんが、風評によりますと、今回の原子力研究所争議に関連いたしまして、人事異動が行われたというのであります。これは風評でございますから、あえて私も信頼いたしておりませんが、私はもしもその人事異動か懲罰的な人事異動であるとするならば、これははなはだ一考を要するものではないかと思うのです。ああいう原子力研究所の今回の紛争というものは、どうしても湯わかし型の原子炉を、急速に試運転をしなければならないという情勢のもとにあったがために、いろいろな厚生施設がおくれた。これは厚生施設がおくれたと要求する方にも無理がないし、また厚生施設がおくれたと非難される方も緊急やむを得ざる事態であると考えますと、やむを得なかったのではないかという考え方もある。そういう立場から、その責任を負って人事異動がもし行われたとすると、そういうことはすこぶる不穏当ではないかと考えるのが世評であります。また、そういう責任があるとするならば、これはもしもかりにああいう厚生施設その他が不備のために大きな紛争事態が巻き起った責任がもしあるとするならば、これは原子力研究所総体の責任であって、理事長以下がその責任を負うべきものであって、一担当理事が責任を負うとか負わないとかという問題ではない。でありますから、風評を打ち消すために、もしもその真相を御説明できるならば、簡単に一つ御釈明を願いたい。
  23. 嵯峨根遼吉

    ○嵯峨根参考人 ただいまの御質問に対しまして、全部私が答えられるかどうか多分に疑問でありますが、私の了解しておりますところお話しいたしまして、御了承願いたいと思います。世評にありますように、人事異動がストライキに関係しているというふうにありますことは、これは非常に心外でありまして、ストライキというものはストライキで、別に理事会で十分に検討した結果、理事長の権限において処理をされまして、現在後処理は多少は残っておりますが、大応分はもう完了いたしました。偶然にも人事異動、すなわち新会社ができまして、理事長が新会社の社長の候補になるということが同時に起ったために、この誤解が下されたものと考えております。そうして、そのときに当って、理事会時体でどういうふうに今後の方針をするかという検討をいたしました結果、第一に取り上げるべきものは何かといいますと、今年の一月——実は昨年の十二月ごろから内部で管理室にお願いし、事務的能率が非常に低下している、なんとかこれを向上するために処置を頼むということで、外部からお医者さん的に内部をよく見てもらって、いろいろなサゼスチョンをしてもらうということをお願いいたしまして、これが管理室の方から報告書がある程度のものが出てきております。その方針に全部従えということであります。その一つの報告のおもなものを申し上げますと、従来とも予算の作成その他について、建設は建設部で考え、研究は企画で考える。一般管理費は総務で考えるというような三本建になっていて、全体がどう動くかというのが非常に見にくいというような点を、一木に集めろというような考え方が非常に多かったわけであります。すなわち、現状をいつも把握できるよう事務紡織にしろというような考え方からいろいろ検討いたしました結果、現在のような格好になったのだと私は了解しております。はなはだ残念ながら、偶然その人事異動がストライキに関連して考えられたということが、ちょうど運が悪かったのだとわれわれは考えておる次第でございます。
  24. 齋藤憲三

    齋藤委員 私は、この人事異動に対して口をはさむ必要はないと思いますし、またその地位にもないのでございますが、ただ世評を打ち消すために御釈明を願ったのでありますから、その点を御了解願いたいと思うのであります。一応御説明を私は了といたします。ただ、理事長が新会社に転出をせられ、そうして、副理事長理事長に昇格をし、嵯峨根理事が副理事長になられるということになりますると、一般的に見ると、これは理事長が他に転出せられたために順繰り栄進ということ、しかるに争議担当の理事だけが左遷された、争議担当の課長だけが左遷されておる。これはどう考えてみても、争議に関連するところの人事であると世間が見るのは、これは当然なのです。これは何と釈明されても、客観的情勢というものはそろっておる。それであるから、その世評が出てくる。むしろそれに何らの責任がなく、妥当な処置が行われたとするならば、その担当理事あるいは課長というものは現職にとどまるかあるいは栄進すべき地位にある、それが客観的に見る世評であります。それが逆転しておるから、そこで争議に関連したところの人事異動だと見るのが、私は当然だと思う。はなはだその処置によろしからざる問題であったと私は考えるのでありますが、今これを責めてもどうにも仕方がないと思うのでありますけれども、私はそういうことは今後原子力研究所体制確立せらるるにおいては、十分慎重に取り扱っていただきたい、さように希望いたしまして、この質問はこれで終ります。  その次にお伺いいたしたいのは、今日の核燃料物質の国内探鉱状況、これは、ここにおられますならば、地質調査所及び原子燃料公社から、一応簡単に御説明を願いたい。
  25. 高橋幸三郎

    ○高橋参考人 それでは、ただいま私の担当しておりまする原子燃料公社の仕事の概要を御報告申し上げます。  一番問題となって、実際的に仕事をしておるのは人形峠方面、今年の七月以来あそこに独立した出張所を設けまして、そのほか施設としましては事務所、分析所、それから独身寮、これを非常に急いで、この夏中に八月の二十日ごろに大体あそこで仕事ができるようになりました。その後順調に進んでおります。人形峠の鉱床は、前から御承知の通り日本としてはとに毛かくにも一応まとまった鉱床として、ある鉱量が見られるという状態になっております。残念ながら、品位の点については、当初われわれが着手した当時とあまり大差ございませんので、依然として万分の四ないし五というふうな低品位な鉱床であるということには間違いないようでありまするが、範囲はだんだん拡張されまして、従来峠地区を探査しておりましたのが、さらに四次、赤和瀬というように、だんだん隣りの方に向って探鉱が進んで、開発されてきております。できれば三十三年度に幾分広大に採鉱計画を立てて、予算の範囲内において、これを実際に掘ってみたいという考えを持っております。これはいずれ三十三年度の予算に計上されることと思いますので、今はっきりした案はありますけれども、まだそこまでいっておりません。同時に、そういう貧鉱を処理するということが、どうも日本の宿命のように考えられますので、今外国の例のような品位の高いものをわれわれが相手として将来考えるということは、ちょっとこれは無理である、どうしてもわれわれは貧鉱処理に主力を注ぐべきであるという考え方を持っております。そういう意味で、日本に独特の製錬方法、つまり貧鉱を処理するに最も有利な経済的な方法をわれわれは見出さなければならぬ。つまり、経済的な自主的体制をわれわれは早く確立ようという意味から、海外にも担当即事をわれわれは今年の春以来派遣して調べた結果、オークリッジのナショナル・ラボラトリーでいろいろ研究された方法で、アメリカでは今やっておりませんけれども、日本としては最も将来性あり、有効な方法だということがわかりまして、その方法を日本技術導入するという考え方で、現にその契約ができておる、現に今担当者を向うに派遣して、いろいろこまかい点を打ち合せて、来年の七、八月までには、多分日本でパイロット・プラントが動き出すのじゃないか、こういうふうに思っておるのです。今その努力を傾注しておるわけでございます。  それから、そのほかの探鉱計画は、全国的に網を広げております。数年前までは日本のウラン鉱というものは非常に悲観的でありましたが、現在やってみますと、スケールの点においてはどうかわかりませんが、とにかく日本の北は東北岩手県から南は九州の鹿児島県まで、続々その徴候を現わしておりまして、今それを地質調査所の方と協力して、探鉱の網をかけております。現に今雪の降る前が東北方面は非常に急ぐために、総出でもって、東北の気仙沼の方面、それから北は町田玉川鉱山の方面を今手分けしてやっております。それから、最近になりまして、山口県の宇部の東北、あの付近が非常に地質的には当然あり得る性質の地帯でございますので、その方面にも今調査し、また民間からいろいろ申し出がありまして、それを総合しますと、あの方面、山口県下もまた将来発展の可能性が大いにあるというふうに考えられます。これは全県の方ともいろいろ連絡をとって、まだ具体的には動いておりませんけれども、その準備を進めております。これも将来三十三年度中には、何か具体的な方法が考えられる、こう思っております。東は東北地方、南の方は山口県、九州の方までは今までのところまだ具体的なそういう問題は出ておりませんけれども、全国的に綱を張って、それが清々進みつつあるということだけは申しあげられると思います。なお、落しましたが、人形峠の隣にある倉吉、一番初めに手をつけた倉吉地区の探鉱も予定通りどんどん今探鉱を進め、ボーリングをやっております。さらに円谷地区というものが、新しい地区としてクローズ・アップされてきました。これも今探鉱を、どんどんボーリング、あるいは近いうちに、年内には坑道掘進にまで入るだろうと思っております。そういうふうなわけで、国内の探鉱計画は、非常に今のところは予定の方向に、順調というか、進んでおります。将来は、まだはっきりしたことは申し上げかねますけれども、御承知の通り長期計画の線に沿いまして、できれば三十八年ごろには日本の国産ウランをどうしてもわれわれは出したい、こういうふうな方法で探鉱、採鉱、それから製錬、この方面を並行して今進めつつあるのです。現に東海村の方は精錬の試験所を今建設中でございまして、同時に住宅を並行してやりつつありますから、本年度の予算内では、かなり仕事が進展する見込みであります。大体こんな程度であります。
  26. 齋藤憲三

    齋藤委員 先ほど藤岡委員の御説明中にある国産一号炉、これに対して、国産の天然ウランは間に合わないというのですか。
  27. 藤岡由夫

    藤岡説明員 できれば間に合せたいと最初から考えておりましたけれども、あるいは間に合わないかもしれない場合に、もしもそれを無理に間に合わすために急いだ、そのために、長い目で見ました長期計画的な観点で見まして、無理をしたために思わしくないということになるのもかえって悪いのではないかと考えますので、できれば間に合わす、間に合わない場合にはやむを得ない、そういうふうに考えております。
  28. 齋藤憲三

    齋藤委員 原子燃料公社としては、低品位の国産ウラン原鉱から金属ウランを製錬するということは、三十八年度が目標である、国産炉はそれよりも早く計画が進められる、そういうことに対処する準国産的な燃料を使用する立場から、従来計画をされておりましたカナダからイエロー・ケーキを輸入して、これを精錬して国産炉に間に合わせるという構想は、今どういうふうに進められておりますか。
  29. 高橋幸三郎

    ○高橋参考人 それは着々進んでおります。先ほど申し上げました外国の技術導入によってできるブラントは、来年の末には動き出すだろうと思います。それを動かすためには、ただいまお話がありましたイエロー・ケーキを原料にするという目標でありますので、そのイエロー・ケーキを国産で作ることは、これは今のところ先ほど申し上げました通り、国産ではちょっとできかねますので、海外からどうかしてこれを輸入する方法を考えなければならない。それにはどうしても一般協定が成り立たなければ、現在の段階ではなかなか入手困難のようでございます。それをどういうふうに今後われわれ——まあ政府の力で協定が成功するかどうかということにそのイエロー・ケーキの問題は左右されるのではないか、こういうふうに考えておりますが、試験的にはイギリスでもアメリカでも、少量のイエロー・ケーキなりその他の原料を現にイギリスからは百キロもらっておりますが、アメリカもまた出してもよろしいと、大体の話もついております。今さらにカナダの方にそういうことをまたわれわれが——ちょうど今グレイさんが来ておるので、そういう話を持ち出したところでございます。まあ好意的には考えてくれるけれども、しかし、どうなるかということは、今後関係方面のごあっせんによらなければいかぬだろうと思って、準備としては、技術を修得するに必要な程度のそういう実験は、着々今手を打って進められるような方向に向っております。
  30. 齋藤憲三

    齋藤委員 地質調査所にお伺いいたしたいのでありますが、時間を節約する意味で、地質調査所で本年度計画、いわゆるエア・ボーンによって調査した概況、あるいはカー・ボーンによって調査をした概況は、一つ書類をもって御提出を願いたいと思うのであります。委員長にお取り計らいを願います。  なお、最後に私は当局に御質問を申し上げたいのは、先ほどからるる御質問申し上げております通り世界態勢は刻々に進展をして、日本の将来の繁栄を確保するためには科学技術推進はもちろんのこと、特に原子力平和利用という点に重点を置いて、科学技術庁は今後の行政措置を講じていかなければならぬと私は考えておるのでございますが、それにいたしましても、欧米各国の態勢は、申し上げるまでもなく、欧州においてはすべての国が連合的な体制を整えて、原子力平和利用推進しておる。特に六カ国をもって形成いたしておりまする欧州原子力共同体、いわゆるユーラトムの実状であります。これはベルギー領コンゴのウラニウム及びフランスの持てるところのウラニウム資源というものを中心にいたしまして、欧州六カ国の技術を加えて、ここにソ連アメリカに劣らざる原子力平和利用の力を持とうというのがユーラトムの体制だとわれわれは看取いたしておるのでございますが、こういう体制から見ますると、東南アジア・ブロックといたしましても、将来の繁栄を東南アジアそれ自体の力において確保するという見地に立ちますと、どうしてもこの際、ユーラトムに対抗するという意味ではございませんが、あの体制に見習って、東南アジア原子力共同体というものの構想をわれわれは持つ必要があるのではないか、東南アジアに今日において認められるトリウムの資源というものから考えましても、これは東南アジアに与えられたるところの天与である。これを中心として原子力平和利用推進するということは、日本のみならず、東南アジア全体の繁栄ということから、ぜひともやらなければならない。そういう機運は、当然醸成されても私はいいと思う。それをどの国が率先してやるかということに問題はかかっておるのではないか、そう思っておるのであります。マニラに建設せらるべき予定であった原子力センターというものも、いろいろな意味で今足踏みをしておる。これはやはり東南アジアの希望というものは、東南アジアそれ自体の総意によって、原子力体制確立するという意図がひそんでおるから、私はあの問題も足踏みをしておるのだと観測いたしておるのであります。そういう態勢から、われわれはなるべくすみやかに東南アジア原子力体制というものを確立してここに東南アジアの繁栄を、その持てる力によって打開していく。それを日本が率先して遂行していくということが、今日唱えられておる東南アジア開発の大きなキー・ポイントになりはせぬか、そう思っておるのであります。こういう点に対して、御当局にもし何らかのお考えがございましたならば、それを一つ承わっておきたいと思います。
  31. 吉田萬次

    吉田政府委員 ただいまの御趣旨はごもっともであり、また非常に重大な問題であり、またさようの問題を取り上げて、そうして検討し、また国の消長に関する、わが国力の進展とにらみ合せて必要なことだと観察しております。従って、この問題につきましては、十分検討をせなければならぬと存じまするが、御存じの通り、この問題は、対外的の交渉の関係あるいは予算の伴う点もありますし、また各省との協議もわずらわさなければならぬというようなこともありますので、十分考慮いたしまして、実現のために努力したいと思っております。
  32. 齋藤憲三

    齋藤委員 ただいまのお話で大体御意図のあるところを了察できるのでありますが、こういう問題は政府が強力なる意思を持って情熱的に推進して参らなければ、対外関係の複雑した問題でございますから、実現ははなはだ困難だと私は考えております。果して御当局に、あらゆる国内の調整をはかって、早急に東南アジア原子力共同体の確立のために思い切った施策をやるという御意思がおありになるのか、ないのか、これをあらためてお伺いいたしたい。
  33. 吉田萬次

    吉田政府委員 この問題はきわめて重大な問題であり、大臣がこれに対して主宰をすべき、また大臣の意図というものを考えなければならぬ問題と思います。一介の私の答弁によって、かような重大問題に対する政府の意見を述べるということはできませんが、私個人といたしましても、大臣によく具申いたしまして、そうしてその実現に到達するように努力いたしたいと考える次第でございます。
  34. 齋藤憲三

    齋藤委員 東南アジア原子力共同体の確立というものは、なかなかこれは一足飛びに私は実現はできないと思います。これを実現いたしますには、欧州においても、ユーラトムを結成するまでに幾多の段階があったものと聞いておるのでありますが、この東南アジア原子力共同体の確立のために、まずその前提として、早急に協議会的なものを開催する必要がある。もちろん日本単独でこれが実現をはかるというのではありません。意図あるところの東南アジア諸国と相談をいたしまして、いかなる形態でその協議会を開くか、まあ東南アジア原子力共同体確立のための相談をするというような協議会を持つ必要がある。もしその必要があるとすれば、当然そのために三十三年度には予算措置を講じなければならぬ。予算編成期になっておりますので、この点大臣にもよくお話しを願いまして、当局といたしましては早急に原子力アジア共同体の確立のために協議会を設けるということを御決定になって、そうして予算措置を講じていただきたい、と私は考えるのあります。これに対しても一つその取扱いをすみやかに講ぜられまして、これに対する御回答を承わりたいと存ずるのであります。
  35. 吉田萬次

    吉田政府委員 御趣旨よくわかっておりますので、大臣によく具申いたしまして、しかるべき方法で、また適当な処置を講じまして、斎藤委員ところへ御通知することにいたします。
  36. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、前田正男君。
  37. 前田正男

    ○前田(正)委員 時間もたっておりますので、幸い高橋理事長がおられますので、参考人でおいでになっておりますときに、一点だけ高橋理事長にお聞きしておきたいと思います。と申しますのは、われわれ原子力公社を作っておりましたときには、もちろんその任務といたしまして、採鉱、製錬という方面の仕事も重要であるということは認めておるのでありますけれども、原子力公社自身の将来のあり方というものを見ておりますと、実はそういう部門よりか、原子燃料を取り扱われて、それを再処理していかれる方面の方が、十年、二十年後になってくると、弔う原子力燃料公社の仕事は、そっちの方が仕事の価値からいくと非常に大きくなるのじゃないかと思うのであります。ところが、現実問題といたしまして、日本におきましても原子発電会社は今度十一月一日に発足されまして、これに使います燃料というものを取り扱うのは、さっそく原子燃料公社がおやりにならなければいかぬということになるのでございます。従いまして、この発電会社はできたけれども、燃料の取扱いの態勢が整っていないということでは、この会社は動くことはできません。そこで、現在までの段階においては、公社は製錬とかあるいは探査であるとかあるいは採鉱という方面に重点を置いてこられたと思うのでございますけれども、発電会社が発足いたしました現段階におきましては、公社といたしましては、これに伴うところの燃料の取扱いの関係をいろいろ整備され、すでにこれに対するところの再処理あるいは均質加工、こういう方面の陣容を整備されることが最も必要だと思うのであります。  そこで、まず第一にお聞きしたいと思いますが、それに伴いましてその担当の理事がおられないように思うのでありますが、担当の理事をこの際早急に補充されるのであるか、あるいは明年度の予算といたしまして、そういう方面にはどういうふうな要望をしておられるか、そういう方面について公社の方の御意見を伺っておきたいと思うのであります。
  38. 高橋幸三郎

    ○高橋参考人 ただいまの御質問に対して、現在の公社の考え方をお答えいたしたいと思います。燃料の再処理の問題は非常に大きな大事な問題でありまするが、残念ながら日本にはその技術というものはもちろんありませんし、また同時に燃料それ自体を処理することは、炉の型式に非常に関係を持つ問題でありまして、先ほど原子力委員の方あるいは原子力研究所の方が御説明になりました通り、将来日本原子炉というものは、どういう方向にその主力が向けられるものか、天然ウランでいくのか、あるいは均質炉のようなものを使うのか、そういう方向が、非常にわれわれとしては関心を持っておるところであります。天然ウランの方は、とりあえず日本に第一回として入ってくることはわかっておりまするが、将来それがどの程度に伸びるのか、それに従ってそのあとの燃料の再処理が非常にそれにつきまとうわけで、この再処理の工場は非常に経費を要し、また膨大な技術と設備を要求するので、なかなか簡単には手がつけられない燃料のように私は考えております。そこで、現段階といたしましては、とりあえず原子力研究所において基本的な研究を促進して、基礎を作る。その結果、世界情勢日本の国情をよく勘案した上で、日本はどういう型の原子炉を選ぶかということがきまってくるだろうと思います。それと並行して、われわれ公社は、燃料の再処理の問題も具体的に一つ案を立てていきたい、こういうふうに私は考えておるのでありまして、ただいまのところは、原子力研究所の方に一応基礎的な研究をおまかせしておるという段階で、予算措置は、三十二年度、三十三年度にはまだいたす段階になっておりません。従って、担当理事も、今は適当な人がないので、それまで具体化しておりません。現状はそういうのであります。
  39. 前田正男

    ○前田(正)委員 発電会社が発足いたしまして、公社として担当される仕事は二つあるわけであります。その一つの仕事は、さっき申し上げましたように、燃料を取り扱う方の責任担当者というものが、私はいなければならぬと思う。もう一つは、それを再処理される面の担当者がいなければならぬ。この間から一般協定の問題や、われわれも話を聞いたりしておるのでありますけれども、実はそれに対しましては、外務省や原子力局からは、燃料を貯蔵するとか、取り扱うとかいう話を聞くのでありますけれども、その具体的のことは、実際はだれがやるかというと、公社が全部やらなければならぬ。外国から燃料を買い取りまして、それを発電会社に渡し、また発電会社から買い取りまして、その品物を貯蔵するなり、あるいは外国へ買い戻すなりという仕事は、みんな公社がやらなければならぬ。そういう問題については、日本としてはどういうふうに取り扱うべきであるかという権威のある意見が、すでに条約の交渉の最中に出てこなければならぬと私は思うのであります。しかし、残念ながら、現在公社の方の担当の理事がおられないから、ただ外国で行われておるものをわれわれは参考にして、実は意見を述べておるのでありますけれども、これは間違いではないかと思う。  それから、さらにそれに伴いまして、今度は再処理をケミカルにやるということは、また別の問題として起ってくると思うのであります。そこで、少くとも私はこの機会に、まず第一に燃料を取り扱われるという仕事——これは将来日本には原子力発電所というものが二十も三十もできると思うのであります。これをだれが取り扱うかというと、みんな公社が取り扱う。運搬から保管というよう事務的な面をやらなければならぬのでありますから、その方面相当の方を一つ早急に考えられて、外国では一体どういうふうにして取り扱い、どういうふうにして責任を持っておるか、またそれに損害が起った場合の責任はどうするかとか、いろいろな問題が起ってくるので、一つぜひ担当者を置いて、早急に御研究を願わないと、現実に原子炉を買うとしても、燃料の取扱いが日本ではできないということでは、私は大へんな問題になってくると思う。  それから、もう一つの化学処理の問題についても、これは今原子力研究所に頼んで基礎的な研究をしておられるといいますけれども、基礎的な研究原子力研究所でおやりになるとしても、これを取り扱うことは、公社の責任であることは明瞭でありまして、当然今の研究の段階から、公社の人が参画されて、そして将来の問題に持っていかなければならぬのではないか。少くとも再処理の研究費を公社としても取って、原子力研究所の今の基礎的な研究から参加していかれないと、将来大規模な再処理工場を作って、それを能率的に運用していくというようなことについては、基礎的な知識がないと実はできないのではないかと思う。われわれは、発電会社の方の新しい組織ができていないから、その素地を作るべく努力しておったのでありますけれども、公社の方は、法律を作るときに、すでにそういうふうなことは、われわれが明瞭に公社に権限も与えてまたそういうことをやらなければいけない。実は、われわれがこれを審議しているときには、大蔵省なんか、新しく公社を作る必要はないというような話をわれわれにしたこともあったのでありますけれども、日本の専売公社なんかよりずっと燃料公社が大きくなる、全国各地に発電所ができたら、その発電所の燃料の運搬をし、それの回収をするというような仕事は、全部この公社の仕事でなければならぬ、しかも、そのほかに探鉱、製錬、冶金というような仕事もやらなければならぬ、公社の仕事がずっと大きくなるのではないか、それだからこの際公社にしなければならぬのではないか、私はそういうことを言って説明したのであります。そういうふうなことは、今までの時代におきましては、日本において原子力発電というものは現実化されない段階でありますから、今まで採鉱とか製錬、探査というような方に力を注がれたのももっともでありますけれども、すでに発電会社ができた今日でありますから、この方面一つ大いに考えをしていただきまして、だいぶ情勢も変ってきたのでありますから、この情勢に応ずるように、公社も早くその担当の責任者、今中しましたような少くとも発電をするのについては、公社では燃料を取り扱う人と、それから再処理をするその二つの担当の責任者というものを設けなければならぬと私は思うのでありますが、どうか一つよくお考え願って、予算の問題その他の問題について、来年度にわたって御研究を願いたい、こう思っておるのであります。
  40. 高橋幸三郎

    ○高橋参考人 ただいまの御趣旨はよくわかりました。御趣旨に沿うように、今後大いに努力いたしますが、現実の問題として、ただいまはまだ原研の方に人を派遣いたしておりません。明年度にはその方向に人を派遣する人選もできておりますので、われわれ原研の方もよく打ち合せた上でいたしたいと思います。  なお、燃料の跡始末の問題については、これは政府原子力局の力の意向もあると思いますから、よくその点を打ち合せまして、遺漏のないように進めたいと思います。
  41. 菅野和太郎

    菅野委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  42. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。先国会よりの継続審査として、去る一日に本委員会に付託されました岡良一君外八名提出原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の審査に関し、本日の理事会で協議いたしました結果、原子力委員会設置法に関する小委員会設置してこれに当りたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 菅野和太郎

    菅野委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。  なお、小委員の員数並びに小委員及び小委員長の選任は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 菅野和太郎

    菅野委員長 御異議がなければ、小委員の員数は七名とし、小委員に    赤澤 正道君  有田 喜一君    齋藤 憲三君  中曽根康弘君    前田 正男君  佐々木良作君    志村茂治君 以上七名の方々を、小委員長には有田喜一君を御指名申し上げます。     —————————————
  45. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、参考人決定についてお諮りいたします。すなわち、原子力発電株式会社への出資に関する問題につきまして早稲田六一教授大野実雄君を参考人決定し、その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 菅野和太郎

    菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  次に、科学技術振興の立場より、人工衛星に閲する問題につきまして、参考人よりの意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 菅野和太郎

    菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお、参考人の人選につきましては、委員長に御一任をお願いいたします。  ただいま決定いたしました参考人よりの意見の聴取の日時は、来る九日午前十時より行いたいと思いますので、さよう御了承を願います。     —————————————
  48. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、今会期中に科学技術の実情を調査するため、昭和電工及び日本電気の両会社の川崎工場を視察いたしたいと思います。日時については、追ってお知らせいたしますので、お含みおきを願います。  本日はこの程度にとどめ、次会は来る九日、土曜日、午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後零時二十六分散会