○梶原茂嘉君 評価がえをして益が出たので、決算上は赤字が減ったわけであります。しかし、五年目ごとにそういうことをやるとすれば、大体償却をしておるわけではなし、今度は逆に評価損が——評価損といいますか、出る場合が当然起ってくると思います。そういう損を消費者が負担する筋合いは私はないと思う。それから食管特別会計の固定資産というものの、何といいますか、資金源といいますか、金は、御承知のように、一般の国有財産と違って、借入金で私できているのじゃないかと思う。従って、食管特別会計のこの固定資産ですね、これはいろいろ、倉庫もあれば事務所もありましょう。そのほかいろいろの施設がある。そういうものには、これは金利が加わっているわけです。その金利まで、これはその中間コストだというので、消費者が負担するというようなことは、これはとうてい
考え得ないわけなんであります。しかし、今の建前からいえば、やはりそういうのがすべて金利となって、中間利益だということになって、食管のコスト主義というものはコスト主義として一応の正しさがあるのですけれ
ども、そういうものまで入れて、そしてこれが米価の計算の中に入るというようなことは、私は消費者としては納得ができない。これは生産者に何も
関係ないのであります。そういうしわは大体は消費者に寄ってくるのでありますが、これは
一つ十分御検討を願いたい。
それからなお、それに類似したようなことがあるのであります。たとえば食管の人件費約九十億、百億近くある。これは一般会計で持つべきだという議論は、御承知のように、ずいぶんあるのであります。しかし、その中の検査員のごときは、これは性質上米価それ自体の中に入っても一応の妥当性が私はあると思う。一般会計で持ってもらえば、それはそれでけっこうでありますけれ
ども、理論的にいえば、一応米価にそれが入っても理屈はあると思うのであります。ところが、当然に一般行政費であるべき性質のものが米価の中に、何といいますか、擬装して入っているのですね。そういうことがこれまで行われてきている。私は非常に遺憾だと思う。
たとえば、例を申し上げますと、早場奨励金でございますね。早場奨励金というものは、統制の始まった当初においては、多分に米価を形成する要素であった、と思います。しかし、その後の動き方、現在のあれを見ますると、これはもうほとんど完全な単作
地帯に対する農政上の措置のような性格になっていると思います。今何も、消費者の面からいいまして、苦しんで出来秋にたくさん
政府に買ってもらう必要は少しもない。そのことはあとで申し上げますが、また非常なしわ寄せを消費者にしているのであります。この早場奨励金のごときが、先年でしたか、時期別格差という言葉の上に、いかにも格差ですから米価らしい感じを一般に与えているのですけれ
ども、時期別格差というものはあり得ないのであります。当然これは農政上別個に
考えられるべき性質のものだ。これが相当、かれこれ、ときによっては百億近くあると私は思います。こういうものは消費者が負担すべき筋合いでは毛頭ないと思う。それから、これも昨年問題になったのでありますが、予約格差であります。予約格差というようなものは米価にはあり得ないのであります。これは予約を円滑にやる
一つの奨励施策にすぎないと私は思います。そういう奨励施策は、これは一般会計で必要があれば持ってもらいたい。それまで消費者が、米価じゃないものを米価のような格好で負わされるということは、これは私は何としても筋が通らない。そういうものをそういうことにしておるから、消費者は納得できないのであります。
それから、いま
一つは、品質の問題があるのであります。膨大な赤字のありまする食管の運営のしわは、いろいろの面で寄ってきているのは、みな消費者です。たとえば早場奨励金を出して多量に買う。相当水分の多い米であることは御承知の
通りであります。それが夏場を持ち越して消費者に配給される。非常に品が悪い。品が悪いけれ
ども、価格は安いわけじゃない。きまった価格なんです。それから、たとえば陸稲のごとき、これは普通の場合においては一般消費者は、陸稲はほとんど主要食糧としては消費しなかったのです。ところが現在畑作、これは私は奨励であろうと思うのでありますが、畑作奨励の観点に立って非常に強いところから来ておると思いますが、陸稲が非常に優遇されておるのであります、現実は。これは消費者としては非常に迷惑だ、そういうものがやはり同じ価格で配給されるのだ、消費者は配給辞退をせざるを得ない、
政府はそれをもてあましておるのであります。御承知のようにもてあましておるのであります。こういうふうに、それから古米の問題があるわけなんであります。年末年始でも、
地帯によりましてはほとんど新米の配給がない所がある。現在でもなお三月、四月になりましても、新米の配給より古米の配給の量の方が多い
地帯がずっと多いわけであります。やみは新米であります。こういう価格はやはり初めの価格なんです。少くも物に即した、物が悪ければ若干安くするというような操作は加えておらない、これは結局どこに
原因があるのだといえば、食管特別会計に赤字があって、動きがとれないという現実の
影響だと私は思うのであります。いろいろなしわが消費者に実は寄ってきておるのであります。消費者の気持は初めに申しましたように、いいものを、適当のものを
豊作であれば多く配給するということであれば、あるいは若干の価格引き上げをとやかく言う気持は私は少いと思う。ところが
豊作であっても基本配給は十日であります。あと希望では若干あげます。しかも去年の秋から最近までは古米が非常に多い、物は悪いというところに、私は非常な
一つの消費者の立場から見ての不合理があると思うのでありまして、これらの点は何も食管特別会計、食管制度の根本的な改革をどうこうとかという前に、ことに現在の食管制度運営上相当是正さるべきものがあるのであります。ことしの古米のごときも、去年の夏からでき秋までにさばけばこれは優にさばけたのです。ところが食管の配給は基準は十日だから、今は米があっても十日以上は配給できないとか、いろいろなことがあるわけです。私はまだそれにはそれで
政府としての言い分はある、会計法というものがあって、なかなか思わしく動かぬということが、こういう場合に常に言われているのであります。どうもこういう大きな企業体は、現在のシステムではこれをもし続けていくとすれば無理じゃないか、何か特別な合理的の企業体に場合によれば編成がえすることを
考える必要がありはしないかという感じも最近私には非常に強くなっているのでありまして、消費者にしわが寄っていく点を
一つどういうふうに
考えておられるか、
農林大臣のお
考えを承りたいと思います。