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湯山勇君 ただいまのお二人の
大臣の御
答弁は、私は納得することができません。それは、
大久保国務大臣は、法案の
歴史というような意味でとおっしゃいましたけれども「法案は、成立までの経過はありましても、それは
歴史というような言葉で表わすというのは非常識だと思います。
大臣は当然これはお取り消しにならなければ、この記録を読んだ者は、
大臣のおっしゃるような意味にはとりませんから、
一つお取り消しの用意、御訂正の用意があるかどうか。それから
厚生大臣に続いて
お尋ねいたしたいのは、
厚生大臣ははっきり、
希望、要望に沿うような
措置をしたい(「それぞれ」と呼ぶ者あり)ということを述べておられるのです。これはきわめて重大でございまして、(「
売春業者の要望」と呼ぶ者あり)
売春業を営んでおる人
たちは、実際旅館に転業することを
希望しております。現在の経営者が現在雇っておる婦女子をそのまま連れていって旅館を営む、飲食店を営むということになれば、一体どういうことになるか、これは
大臣よく御存じのはずだと思います。現に鳩森小学校の例でも、
大臣の耳に入っておるし、厚生省当局もいろいろ御指導しておるようでございますが、三十年度においては、わずかに八軒の旅館新設の申請しかなかったものが、三十一年度になってからはすでに二十三軒を数えております。飛躍的な
増加でございます。そしてこの中には、明らかに公式の場で述べられたところによりましても、立川その他の赤線業者がこれらの旅館の経営に当っておる。そういう具体的な例もありますし、あるいは第三国人等がこれへ測り込んできておるというようなうわさもあります。そこで、あなたの厚生省としては、それらの業者に対しては、現在出している申請を取り下げるように現に指導しているではございませんか。そういうふうにあなたの省としては、申請したものを取り下げるような指導をしておりながら、
大臣がここで、それでれの要望に沿うように努力するというようなことをおっしゃったのでは、せっかく環境浄化に努力しているあなたの省の役人の方々は、一体どういうことになりますか。(「これは在外資産のような補償も含めた要望に沿うという意味も含まれている」と呼ぶ者あり)そうして先般自民党の方々と業者との懇談会においても、業者の方々も赤線が青線化することが一番おそろしいと言っているのでございます。こういうことを
考えあわせますと、
大臣が今旅館法というようなことをおっしゃいましたけれども、一方においてはそういう指導、指示をしておりながら、一方においては、最も現在の業体に近い旅館とか飲食店にこれを転業さすようにしたいというようなことは、まことに私ども納得がいかない。不思議な気持がいたします。そこでこの点について、もう一ぺん
一つ厚生大臣の明確な御
答弁をいただきたい。それから要望に沿うような
措置をとるということの中には、融資とか、あるいは補償とか、そういうことも含まれておるのかどうか、これについては
厚生大臣並びに法務
大臣の御見解が伺いたいと思います。
なお、この問題に伴って、文部省では先に池上小学校のときに環境浄化の通達を出し、今回ももちろん出しております。こういう
厚生大臣のおっしゃったような事態がどんどんふえてくれば、これは教育に及ぼす影響もきわめて大きいので、この点については、文部
大臣の御意見も承わりたいのでありますけれども、これはおいでにならないようでございますから、またの
機会にいたしまして、結局、私はこの法律を実施するということは非常に困難な問題がたくさんあると思います。そこで
政府としても、よほどこれについては慎重にして、しかも強力な体制をおとりいただかなければ、ざる法案のざるの目がますます大きくなるというようなことを懸念いたしますので、岸
総理のこの点に対する御
所見も、最後に伺いたいと思います。