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政府委員(細田吉藏君) 入っておりません。給与その他諸費は、損益勘定と給与
総額に当る部分とその他の人件費が入っております。それから工事勘定のものが、実は工事勘定の総係費というのがあります、下から四行目でございます。この中に入っております。これは大部分が人件費であります。給与につきましてはそういうことでございます。それから修繕費につきましては、物件費のうち大きいものは動力費、修繕費でございますが、これにつきましては、私どもは
予算編成に当りましては、極力節約をするという建前で修繕費を特に大幅な削減をいたしております。それから共通費が三十九億ほど増しておりますが、これのおもなものは先ほど申し上げました三十六億は固定資産税にかわる国鉄からの納付金の
増加であります。
次は、先ほど第二ページの表で申し上げました資本勘定、それから工事勘定とこうなるわけでございますが、資本勘定の支出につきましては、先ほど申し上げた通りでございまして、借入金の
償還等で七十四億使いまして、千六十九億が純粋な工事に当てられる、
建設改良に当てられるという支出でございまして、この千六十九億の
内容をこまかくいたしますと、三ページの一番下のところでございますが、これをさらにこまかくいたしたものが第六ページにございますので、これは第六ページで御
説明を申し上げた方が適当であろうかと考えるのでございます、第五表でございます。
第五表をごらん願いますと、三十二年度の
建設改良に千六十九億四千三百万円を使うということになっております。三十二年度の工事勘定の
予算、これはいい換れば
建設改良費でございますが、これは千六十九億四千三百万円余になっておりまして、
昭和三十一年度の五百八十三億七千万円余に対しまして四百八十五億七千三百万円余
増加をいたすということになっておるわけでございます。この一千六十九億は実は
国有鉄道が立てております
輸送力増強五年
計画の初年度を形成いたすものでございまして、ただいまの
計画といたしましては、五カ年間で約六千億工事
経費を見込みまして、これの具体的な
内容につきましては、年度別にいろいろ立てておるわけでございまして、この五カ年
計画が完遂をいたしますならば、老朽
施設の取りかえばもとより、
輸送力の増強も三十一年度に対しては、客貨とも三五ないし三〇%強化される、また電化も、前に
国有鉄道が立てました十カ年
計画というものがございますが、これの第一期の電化が完成いたす。第一期の五カ年
計画では、大体東北本線では盛岡まで、常磐線は全線、それから北陸線は米原から富山まで、山陽本線は全線、鹿児島本線は鳥栖までという
計画をいたしておるのでございますが、こういった電化ができます。あるいはディーゼル機関車あるいは支線のディーゼル・カーといったようなものも飛躍的に強化される、こういう構想で、いずれ機会を改めまして五カ年
計画の御
説明を申し上げることにいたしたいと思いますけれども、そういった五カ年
計画の初年度としてこういう
計画をいたしておるわけでございます。
まず最初に
建設費でございますが、
建設費は新線
建設は昨年度は五十五億でございましたが、三十二年度はこれを七十億に
増加をいたすということにいたしております。それから通勤
輸送の
関係でございますが、これも三十一年度
予算に対して約倍額にいたしておりまして、
東京付近に五十二億、大阪付近に十三億、電車は二百八十三両多くいたしまして四十四億余を
増加いたす、かように考えておる次第でございます。それから幹線の
輸送強化、これは主要幹線が単線でたくさん残されております。
輸送量の
増加、従って列車の回数の
増加に伴いまして、これは非常な障害になっておるのでございまして、こういう点から主要な幹線の増強をして参りたい。これはもちろん複線化だけではございません。複線化が主でございますが、そのほかの幹線
輸送力を強化するということ全体が含まれておりますが、これも昨年度二十六億に比べまして、七十一億ばかりの増を
計画いたしております。
北海道、これは主として室蘭線の石炭
輸送でございます。次は東北常磐、これは複線化でございます。それから裏縦貫、これは羽越から信越へかけてのもの、次は北陸、東海、山陽、それから九州線、これは日豊線あるいは筑豊線の一部、日豊線並びに鹿児島本線、その他大体こういうことで特に重点を置いて
輸送力を強化いたしたい、こういうことでございます。それから幹線の電化につきましても、ここに書いてございますように百二十三億でございますが、大阪—岡山間、米原—敦賀間、上野—福島、それからそれに伴う電気機関車、電車、こういったものを
計上いたしておるのでございまして、さしあたって三十二年度には電化といたしましては米原—敦賀間を完成いたす、それから大阪—姫路間も完成いたす、上野—宇都宮間を完成いたしたいと、かように考えておるわけであります。次に電車でございますが、これは電化しましたところにサービスの
向上、あるいは
輸送力増強、そういった見地から電車を動かそうとするものでございまして、旅客列車を電車に変えるわけでございます。これは電車の増備が大半の金でございます。それから次にディーゼル動車でございますが、これはいわゆるディーゼル・カーといっているものでございまして、支線等にこれを入れましてフリーケントなサービスをするというようなものでございます。ここ数年
馬力は大いにかけておるわけでございますが、三十二年度からはさらに飛躍的な増強をいたしたいと思って、昨年の
予算の十四億に対しまして三十二年度は九十億余りをこれに注ぎ込むことにいたしておりますが、
車両の
計画としては四百九両ディーゼル動車を作るという考えでございます。それから次に
車両の増備でございますが、これにつきましてはもとより
輸送力増強の一番端的なことは
車両の増備でございます。操車場を大きくしますとか、あるいは線路の単線を複線にするということはかなり時間もかかるわけでございます。もちろんこういうことをやらなければ、
車両を
整備しただけでは
輸送力は増強いたしませんけれども、しかしそれにいたしましても、
車両の増備が何と申しましても
輸送の根幹になるものでございますので、これに百六億というものを当てるということにいたしておるわけであります。ただここでちょっとお断わり申し上げておかなければならないことは、この
車両の増備というのは、私ども実はこういった上げ方をしておりますが、
車両はこれだけかと申しますと、実はそうではないのでありまして、上の方にもございましたように、たとえば通勤
輸送の電車の増備、それから幹線
輸送のところにも電化につきましても電気機関車等がございます。また一番下から二番目の取りかえ及び諸改良という中にも
車両が九十一億入っております。ここにあげました
車両の増備は、電化とか、上にあがっておりますもの以外で取りかえでない純粋に
増加になる。一番下の取りかえは、古いものをやめまして、廃車いたしまして、そのかわりに作る
車両でございます。これは新造になりません。で、ここの
車両増備と書いてありますところのものは純粋に
増加をいたす、こういうちょっとわかりにくいことになっておりますが、御
説明を申し上げますと、そういうことでございます。それから関連工事二十億というのがございますが、これは先ほど申しました利用債券の二十億に見合うものでございます。たとえば都市
計画が
実施に移された。それに伴って駅を変えなければいかぬといったようなこととか、あるいは仙台等にあります貨物駅を都市
計画等に伴って移転しなければならぬ、こういったようなことで地元に利用債を持っていただいて、そういうものと外部との
計画と関連して工事をいたす、こういうものでございます。それから取りかえ及び諸改良が三百八十四億、これが約百四億
増加いたしておるのでございますが、これは前前から申しておるのですが、運賃改正の一番もとになることでございまして、いわゆる減価償却が十分できておらない、老朽
施設の取りかえが十分できておらないというものを急速に取りかえていく必要がある、こういうことでございまして、三百八十四億というものに約百億の
増加を
計画いたした次第でございます。それから
最後の総係費、これは先ほどちょっと申し上げました大部分は工事
関係の人件費でございます。この
予算書の参考のところには、こういうものを全部総合いたしました給与の
総額という表が別に出ております。今申し上げましたようなのを全部合せまして千六十九億四千三百九十万円余という三十二年度の工事
関係の
予算となっておるわけであります。
大へんお聞き苦しかったかと思いますが、以上で三十二年度の
国有鉄道の
予算の概略を御
説明申し上げました。なお詳細な点につきましては、御質問等によりまして申し上げたいと思います。